JP2015058801A - インホイールモータ搭載車両 - Google Patents

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Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
尚弘 岡田
Naohiro Okada
尚弘 岡田
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Abstract

【課題】 個々のインホイールモータユニットAに大きな潤滑油タンクを設置しなくても潤沢な潤滑油供給が行え、しかも潤滑油交換も容易に行えるようにすることを課題とする。
【解決手段】 インホイールモータユニットAの潤滑油タンク71を車体2上に設置することにより、インホイールモータユニットA内に大きな潤滑油タンクを設ける必要がないので、よりコンパクトな設計が可能になり、サスペンション設計(ロアアームの配置等)も有利になる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ケーシングに収容されたモータ部と、前記モータ部の回転を車輪に伝達する車輪ハブとからなる複数のインホイールモータユニットを搭載するインホイールモータ搭載車両に関する。
インホイールモータユニットは、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであり、特開2011−79484号公報(特許文献1)に示す構造のものが知られている。
インホイールモータユニットは、図9に示すように、駆動力を発生させるモータ部110と、モータ部110の回転を減速して出力する減速部120と、減速部120からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブ130とを備える。
モータ部110は、回転を出力するモータ回転軸114を有し、ケーシング111に収容されている。
減速部120は、ケーシング111に収容され、モータ回転軸114と連結する入力軸22と出力軸126とを有し、入力軸122の回転を減速して出力軸126に伝達している。
車輪ハブ130は、減速部120の出力軸126に固定連結され、ケーシング111に回転自在に支持されている。
ケーシング111には、潤滑油を吐出する潤滑油ポンプ161が設けられている。ケーシング111には、潤滑油ポンプ161の油路143が設けられ、この油路143と、モータ回転軸114に設けられるモータ回転軸油路144と、入力軸122に設けられる減速部入力軸油路145とが相互に接続され、潤滑油ポンプ161から吐出される潤滑油が、ケーシング111に設けられる油路143、モータ回転軸油路144、減速部入力軸油路145、および減速部120の内部を循環して流れることにより、減速部120を潤滑するとともに、ケーシング111に設けられる油路143において外周フィンによって冷やされた潤滑油がこれらモータ部110および減速部120を冷却する潤滑油回路を構成している。
これにより、潤滑油が減速部入力軸油路145から減速部120の内部へ供給される軸心給油を実現して、減速部120を効果的に潤滑することができる。
特開2011−79484号公報
ところで、インホイールモータユニットは、自動車のホイールの内側空間部分に設置されるものであるから、できるだけコンパクトなものが望ましく、ケーシング111内に潤滑油ポンプ161を設け、潤滑油ポンプ161の油路143をケーシング111の内周面に有する従来のインホイールモータユニットにおいては、内部に大きな潤滑油タンクを設置してケーシング111内に潤滑油を潤沢に保有させることが難しい。
ケーシング111内に封入される潤滑油が少量の場合、モータ部110や減速部120の駆動部分のせん断や熱影響によって潤滑油の劣化が激しくなる。
また、潤滑油を封入するタイプのインホイールモータユニットにおいては、内部の潤滑油交換はユニットごとに行う必要があるため、手間がかかるという問題がある。
そこで、この発明は、個々のインホイールモータユニットに大きな潤滑油タンクを設置しなくても潤沢な潤滑油供給が行え、しかも潤滑油交換も容易に行えるようにすることを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、ケーシングに収容されたモータ部と、前記モータ部の回転を車輪に伝達する車輪ハブとからなる複数のインホイールモータユニットを搭載するインホイールモータ搭載車両において、車両の車体部に潤滑油タンクを設置し、この潤滑油タンクと複数のインホイールモータユニットとを配管によって連結したことを特徴とする。
前記前記潤滑油タンク内に、車両姿勢や走行状況による油面の傾きを軽減する仕切り板を設けることができる。
前記潤滑油タンクの周辺又は内部に、吐出用と吸入用ポンプをそれぞれ設けてもよい。
各インホイールモータユニット用に吐出用と吸入用ポンプを有するようにしてもい。
車両停止後一定時間駆動しない場合、次回車両起動直後に、強制的に前記潤滑油タンク内の潤滑油をインホイールモータユニットに供給する手段を設けてもよい。
車両の車体部には、前記潤滑油タンクの冷却装置を備えてもよい。
また、車両の車体部に、冷間起動時に前記潤滑油タンクの潤滑油を加温する加温手段としてヒータを備えることができる。
前記潤滑油タンクに油水分離装置を設け、分離した潤滑油のみをインホイールモータユニットに供給することができる。
以上のように、この発明によれば、インホイールモータユニットの潤滑油タンクを車体上に設置することにより、インホイールモータユニット内に大きな潤滑油タンクを設ける必要がないので、よりコンパクトな設計が可能になり、サスペンション設計(ロアアームの配置等)も有利になる。
また、潤滑油交換については、車体側の潤滑油タンクで交換をすればよく、各インホイールモータユニット毎に実施する必要がない。また、交換時には、給油ポンプと排油ポンプを制御することにより、インホイールモータユニット内の潤滑油もおおよそ新油に交換することが可能である。さらに、ポンプを利用することにより、重力を利用した従来の交換方法よりも早く潤滑油交換が可能である。
また、潤滑油のチェックに関しても車体側の潤滑油タンクでチェックすることも可能で、各インホイールモータユニットについて個別にチェックする必要もなくなる。
インホイールモータユニットを搭載した電気自動車の概略平面図である。 ホイールハウス内にインホイールモータユニットを搭載した状態を示す概略図である。 インホイールモータユニットの実施形態を示す縦断面図である。 図3のインホイールモータユニットの減速部の拡大図である。 図3のV−V線に沿った断面図である。 インホイールモータユニットに潤滑油を供給する潤滑油タンクの断面図である。 インホイールモータユニットへの潤滑油の供給例を示すフローチャートである。 インホイールモータユニットへの潤滑油の他の供給例を示すフローチャートである。 従来のインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータユニットを搭載する電気自動車1は、図1に示すように、車体2と、操舵輪としての前輪3と、駆動輪4(後輪)と、左右の駆動輪4それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータユニットAとを備える。駆動輪4は、図2に示すように、車体2のホイールハウス2aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)5を介して車体2に支持されている。インホイールモータユニットAの搭載形態としては、図1に示す後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
懸架装置5は、左右に伸びるサスペンションアーム5aによって駆動輪4を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラット5bによって、駆動輪4が地面から受ける振動を吸収して車体2への振動の伝達を抑制している。懸架装置5は、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪4の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
このインホイールモータユニットAの搭載する電気自動車1は、ホイールハウス2a内部に、左右の駆動輪4それぞれを駆動するインホイールモータユニットAを収容することによって、車体2上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
車体2上には、図1に示すように、潤滑油タンク71が設置され、この潤滑油タンク71と各インホイールモータユニットAとは、それぞれ給油管72と排油管73とによって接続されている。
インホイールモータユニットAは、図3に示すように、駆動力を発生させるモータ部10と、モータ部10の回転を減速して出力する減速部20と、減速部20からの出力を駆動輪4に伝える車輪ハブ30とを備える。
モータ部10は、回転を出力するモータ回転軸14を有し、筒状のケーシング11に収容されている。
減速部20は、ケーシング11に収容され、モータ回転軸14と連結する入力軸22と出力軸26とを有し、入力軸22の回転を減速して出力軸26に伝達している。
車輪ハブ30は、減速部20の出力軸26に固定連結され、ケーシング11に回転自在に支持されている。
ケーシング11には、車体2上に設置された潤滑油タンク71の給油管72と排油管73とを接続する給油ポート72aと排油ポート73aとを備えている。
給油ポート72aは、ケーシング11のリアカバーに設置され、給油ポート72aから供給された潤滑油は、モータ回転軸14に設けられるモータ回転軸油路44と入力軸22に設けられる減速部入力軸油路45を介して、モータ部10と減速部20に供給され、その後、ケーシング11の下部に設けられた潤滑油溜まり41に集められ、ケーシング11の下部に設置した排油ポート73aから排油管73を経て、潤滑油タンク71に戻る潤滑油回路を構成している。
これにより、潤滑油がモータ回転軸油路44と減速部入力軸油路45からモータ部10と減速部20の内部へ供給される軸心給油を実現して、モータ部10と減速部20を効果的に潤滑することができる。
車体2には、潤滑油タンク71から給油管72に潤滑油を供給する吐出用ポンプと、排油管73から潤滑油を吸入する吸入用ポンプが設置され、吐出用ポンプと吸入用ポンプとにより、各インホイールモータユニットAに潤滑油を循環供給している。
前記車体2上に設置された潤滑油タンク71と、インホイールモータユニットAのケーシング11に設けた給油ポート72a、排油ポート73aとの間を接続する給油管72、排油管73は、ステンメッシュホースなどの耐圧性と柔軟性を兼ね備えたものを使用するのが好ましい。
吐出用ポンプと吸入用ポンプは、各インホイールモータユニットAで共用してもよいし、各インホイールモータユニットA毎に個別に設置するようにしてもよい。
潤滑油タンク71には、図6に示すように、車両姿勢や走行状況の影響を少なくするための仕切り板74を設けておくことが好ましい。また、潤滑油タンク71には、図示しない油量センサを設置しておくことにより、車体2の姿勢等により、潤滑油タンク71内での油面の傾き等、潤滑油状態が変化した場合に、油量センサとポンプを駆動することにより、潤滑油タンク71の油量をおおよそ一定に保つことができる。
また、油量レベルは、車体2側の潤滑油タンク71でチェックすることも可能であるから、各インホイールモータユニットAについて個別にチェックする必要がなくなる。
また、インホイールモータユニットAは、図示しないブリーザー等で内圧を外圧と調整しているため、空気と共に潤滑油に水分が混入する。潤滑油に混入した水分は、インホイールモータAの最下部に設けられた潤滑油溜まり41を経由し、潤滑油の循環と共に、排油管73を通り、潤滑油タンク71の下部に溜まる。このため、潤滑油タンク71の下部に、図6に示すように、水抜きを行うドレン75をタンク下部に設置することで、潤滑油内の水抜きを容易に行うことが可能となる。
インホイールモータユニットAの周辺は、サスペンションの配置等で冷却に有効な構造をとることが難しいが、車体2上に潤滑油タンク71に設置することにより、潤滑油の冷却も、車体2に設置されたラジエターで冷却された冷却液を利用して効果的に行うことができる。
インホイールモータユニットA同士で負荷率の異なる走行状態となった場合でも、温度センサ等により各インホイールモータユニットAの状況を管理し、最適な油量を送ることが可能である。
例えば、図7に示すフローによって各インホイールモータユニットAへの潤滑油の流量制御を行うことにより、各インホイールモータユニットAに最適な油量を供給することができる。
図7に示すフローでは、ステップS1において、各インホイールモータユニットAの油温を測定し、その内の最高油温が閾値を超え、かつ、各インホイールモータユニットA間の温度差が閾値を超えている場合には、ステップS2に移行し、高温のインホイールモータユニットAへの潤滑油の流量をアップする。
ステップS1において、各インホイールモータユニットAの油温を測定し、その内の最高油温が閾値を超えていても、各インホイールモータユニットA間の温度差が閾値を超えていない場合には、ステップS3に移行し、各インホイールモータユニットAに、潤滑油を均等供給する。
また、寒冷地では、地面に近いインホイールモータユニットA内に少量の潤滑油しかない場合には、粘度がかなり高くなり、始動時の妨げにもなる。この場合には、車体2側に設置された潤滑油タンク71にヒータを設置することにより、外気が閾値以下になった場合は、図8に示す制御フローによってヒータとポンプをONにして、インホイールモータユニットA内にある潤滑油の粘度を一定以下にしないようにすることも可能である。
また、長時間放置された後、始動する場合は、車両起動時に強制的に吐出ポンプを作動させ、インホイールモータユニットA内を潤滑油で満たすことにより、焼き付きを防止することができる。
また、潤滑油タンク71内や油路には、オイルフィルターを設置することが好ましい。
以上のように、インホイールモータユニットAの潤滑油タンク71を車体2上に設置することにより、インホイールモータユニットA内に大きな潤滑油タンクを設ける必要がないので、よりコンパクトな設計が可能になり、サスペンション設計(ロアアームの配置等)も有利になる。
また、潤滑油交換については、車体2側の潤滑油タンク71で交換をすればよく、各インホイールモータユニットA毎に実施する必要がない。また、交換時には、給油ポンプと排油ポンプを制御することにより、インホイールモータユニットA内の潤滑油もおおよそ新油に交換することが可能である。さらに、ポンプを利用することにより、重力を利用した従来の交換方法よりも早く潤滑油交換が可能である。
また、潤滑油のチェックに関しても車体2側の潤滑油タンク71でチェックすることも可能で、各インホイールモータユニットAについて個別にチェックする必要もなくなる。
以下、インホイールモータユニットAの詳細を説明する。
モータ部10は、図3に示すように、例えば、ケーシング11の内周面にステータ12を設け、このステータ12の内周に間隔をおいてロータ13を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ13は、モータ回転軸14を中心部に有し、そのモータ回転軸14は減速部20の入力軸22と接続して軸受15によってケーシング11に対して回転自在に支持されている。
減速部20は、図4及び図5に示すように、サイクロイド式を採用している。この減速部20は、入力軸22の2箇所に設けられた偏心軸部23によって2枚の曲線板24を回転自在に支持し、その曲線板24の外周に形成された波形歯形24aを減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25に噛合し、上記入力軸22の回転により曲線板24を偏心揺動運動させ、その曲線板24の自転を入力軸22と同軸上に配置された出力軸26から出力し、車輪ハブ30を回転させている(図3参照)。
減速部20のケーシング11の内側に配設された外ピン25の数は、曲線板24の外周の波形歯形24aより多い。
外ピン25は、減速部20のケーシング11の内径面に隙間を介してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に設けられている。
入力軸22は、その一端部がスプライン嵌合によりモータ部10のモータ回転軸14に接続されてモータ部10により回転駆動されるようになっており(図3参照)、その他端部の2箇所に偏心軸部23が設けられている。
偏心軸部23は、入力軸22の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部23は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部23のそれぞれの外径面に転がり軸受28が嵌合されている。
一対の偏心軸部23を設けた入力軸22には、一対の偏心軸部23を挟むように一対のカウンタウェイト55を、周方向に180°位相をずらして設けている。
一対の曲線板24は、それぞれ転がり軸受28によって入力軸22に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形24aはトロコイド曲線歯形とされている。図5に示すように、曲線板24には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔24bが等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔24bのそれぞれに内ピン29が余裕をもって挿入され、その内ピン29に回転自在に支持されたころ29aの外周一部がピン孔24bの内周一部に接触している。
減速部20は、図4に示すように、一対の偏心軸部23に回転自在に保持される公転部材としての2枚の曲線板24と、曲線板24の外周部の波形歯形24aに係合する複数の外ピン25と、曲線板24の自転運動を出力する出力軸26と、2枚の曲線板24の隙間に取り付けられてこれら曲線板24の端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー24cとを備える。
出力軸26は、フランジ部26aと軸部26bとを有する。フランジ部26aには、出力軸26の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン29が等間隔に固定されている。軸部26bの外径面には、車輪ハブ30が固定されている(図3参照)。
外ピン25は、図4に示すように、入力軸22の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板24が公転運動すると、外周の波形歯形24aと外ピン25とが係合して、曲線板24に自転運動を生じさせる(図5参照)。
ケーシング11に配設された外ピン25は、ケーシング11に直接保持されているわけではなく、図4に示すように、ケーシング11の内壁に対してフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。より具体的には、外ピン25は、軸方向両端部が外ピンハウジング50に対して針状ころ軸受51によって回転自在に支持されている。このように、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在にすることにより、曲線板24との係合による接触抵抗を低減することができる。
外ピンハウジング50は、円筒部50aと、円筒部50aの軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部50bとを備えている。
外ピンハウジング50の一対のリング部50bの内周には、出力軸26が軸受52を介して回転自在に支持されている。また、出力軸26のフランジ部26aの内径面と入力軸22の外径面とは、軸受53を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板24は、出力軸26の対向するフランジ部26a間に組み込まれている。また、出力軸26の対向するフランジ部26aには、組み込まれた曲線板24のピン孔24bを貫通する内ピン29の両端が支持されている。
出力軸26の対向するフランジ部26aに支持された複数の内ピン29は、入力軸22の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板24との摩擦抵抗を低減するために、曲線板24のピン孔24bの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受29aが設けられている。ピン孔24bの内径寸法は、内ピン29の外径寸法(「針状ころ軸受29aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
外ピンハウジング50の軸方向両端部には、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔50cが設けられている。外ピン保持孔50cは、それぞれ入力軸22の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受51の外輪51aを保持している。また、一対の対応する外ピン保持孔50cは、周方向の同位置に設けられて互いに対面している。即ち、1対の外ピン保持孔50cの中心軸線は一致し、外ピンハウジング50をケーシング11に取り付けると、この外ピン保持孔50cの中心軸線は、入力軸22の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン25を入力軸22の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔50cは同時加工で同時に形成することができるので、対向する外ピン保持孔50cの中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
また、インホイールモータユニットAの軽量化の観点から、ケーシング11は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、鋼で形成するのが望ましい。
図4に示すように、外ピンハウジング50の円筒部50aの側面には、外ピン25の軸方向の抜け出しを防止するために、外ピンスラストプレート50dが固定されている。
図3に示すように、車輪ハブ30は、出力軸26の軸部26bの外径面に固定連結された内輪部材32と、内輪部材32をケーシング11に対して回転自在に保持する外輪部材33とを備える。内輪部材32と外輪部材33とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材32と外輪部材33の間に複列の転動体34を設置している。内輪部材32には、フランジ部35が一体に設けられ、フランジ部35にはボルト36によって駆動輪4が固定連結される(図2参照)。
上記構成のインホイールモータユニットAの作動原理を詳しく説明する。
モータ部10は、例えば、ステータ12のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ13が回転する。
これにより、ロータ13に接続されたモータ回転軸14が回転すると、曲線板24はモータ回転軸14の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン25が、曲線板24の曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板24をモータ回転軸14の回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板24のピン孔24bに挿通する内ピン29の外径は、ピン孔24bの内径よりも小さく、曲線板24の自転運動に伴ってピン孔24bの内壁面と当接する。これにより、曲線板24の公転運動が内ピン29に伝わらず、曲線板24の自転運動のみが出力軸26を介して車輪ハブ30に伝達される。
このとき、回転軸線Oと同軸に配置された出力軸26は、減速部20の出力軸として曲線板24の自転を取り出し、モータ回転軸14の回転が減速部20によって減速されて出力軸26に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部10を採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部20の減速比は、外ピン25の数をZ、曲線板24の波形の数をZとすると、(Z−Z)/Zで算出される。図5に示す実施形態では、Z=12、Z=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部20を採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータユニットAを得ることができる。また、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン29の曲線板24に当接する位置に針状ころ軸受29aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速部20の伝達効率が向上する。
なお、前記の実施形態においては、減速部20の曲線板24を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、前記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部10から駆動輪4に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、前記の実施形態における作動の説明では、モータ部10に電力を供給してモータ部10を駆動させ、モータ部10からの動力を駆動輪4に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪4側からの動力を減速部20で高回転低トルクの回転に変換してモータ部10に伝達し、モータ部10で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部10を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
また、前記の実施形態においては、モータ部10にケーシング11に固定されるステータ12と、ステータ12の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ13とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータが適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係るインホイールモータユニットAにおいては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。なお、本明細書中で電気自動車とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、インホイールモータユニットAと内燃機関とを併用したハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 :電気自動車
2 :車体
2a :ホイールハウス
3 :前輪
4 :駆動輪
5 :懸架装置
5a :サスペンションアーム
5b :ストラット
10 :モータ部
11 :ケーシング
12 :ステータ
13 :ロータ
14 :モータ回転軸
15 :軸受
20 :減速部
22 :入力軸
23 :偏心軸部
24 :曲線板
24a :波形歯形
24b :ピン孔
24c :センターカラー
25 :外ピン
26 :出力軸
26a :フランジ部
26b :軸部
28 :転がり軸受
29 :内ピン
29a :軸受
30 :車輪ハブ
32 :内輪部材
33 :外輪部材
34 :転動体
35 :フランジ部
36 :ボルト
41 :潤滑油溜まり
44 :モータ回転軸油路
45 :減速部入力軸油路
50 :外ピンハウジング
50a :円筒部
50b :リング部
50c :外ピン保持孔
50d :外ピンスラストプレート
51 :軸受
51a :外輪
52 :軸受
53 :軸受
55 :カウンタウェイト
71 :潤滑油タンク
72 :給油管
72a :給油ポート
73 :排油管
73a :排油ポート
74 :仕切り板
75 :ドレン
A :インホイールモータユニット
O :回転軸線

Claims (8)

  1. ケーシングに収容されたモータ部と、前記モータ部の回転を車輪に伝達する車輪ハブとからなる複数のインホイールモータユニットを搭載するインホイールモータ搭載車両において、車両の車体部に潤滑油タンクを設置し、この潤滑油タンクと複数のインホイールモータユニットとを配管によって連結したことを特徴とするインホイールモータ搭載車両。
  2. 前記潤滑油タンク内に、車両姿勢や走行状況による油面の傾きを軽減する仕切り板を設けたことを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ搭載車両。
  3. 前記潤滑油タンクの周辺又は内部に、吐出用と吸入用ポンプをそれぞれ設けた請求項1又は2記載のインホイールモータ搭載車両。
  4. 各インホイールモータユニット用に吐出用と吸入用ポンプを有する請求項3記載のインホイールモータ搭載車両。
  5. 車両停止後一定時間駆動しない場合、次回車両起動直後に、強制的に前記潤滑油タンク内の潤滑油をインホイールモータユニットに供給する手段を備える請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ搭載車両。
  6. 車両の車体部に、前記潤滑油タンクの冷却装置を備える請求項1〜5のいずれかに記載のインホイールモータ搭載車両。
  7. 車両の車体部に、冷間起動時に前記潤滑油タンクの潤滑油を加温する加温手段を備える請求項1〜6のいずれかに記載のインホイールモータ搭載車両。
  8. 前記潤滑油タンクに油水分離装置を設け、分離した潤滑油のみをインホイールモータユニットに供給する請求項1〜7のいずれかに記載のインホイールモータ搭載車両。
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