JP2015058141A - 眼内レンズシステム - Google Patents
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Abstract
Description
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼内レンズシステムであって、前記レンズは、前記水晶体嚢内に入射した光を通過させ、前記変換手段は、前記レンズを通過した光のエネルギーを電気エネルギーに変換する。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の眼内レンズシステムであって、前記変換手段は、前記水晶体嚢内に入射した光の一部を透過させ、前記レンズは、前記変換手段を通過した光を通過させる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼内レンズシステムであって、前記水晶体嚢内に配置され、毛様体の運動又は前記毛様体を運動させるための生体信号を検知する第1検知手段を含み、前記駆動手段は、前記第1検知手段により得られた検知結果に基づいて前記レンズの焦点距離を変更する。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の眼内レンズシステムであって、前記第1検知手段は、前記毛様体の所定部位の加速度、前記毛様体の所定部位の移動量、毛様体小帯の張力、前記水晶体嚢内の圧力、及び前記毛様体の所定部位の筋電位信号の少なくとも1つを検知する。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の眼内レンズシステムであって、前記変換手段に、開口部が形成されている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の眼内レンズシステムであって、前記開口部は、黄斑部に対応した位置に形成されている。
また、請求項8に記載の発明は、眼内に配置され、焦点距離の変更が可能に構成されたレンズと、前記眼内に配置され、前記眼内に入射した光の一部を通過させ、且つ、前記光の他の一部のエネルギーを電気エネルギーに変換する変換手段と、前記眼内に配置され、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、前記レンズの焦点距離を変更するための駆動手段と、前記眼内に配置され、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、前記変換手段を通過した光を検出して電気信号を発生する光電変換素子アレイを含む人工網膜と、前記人工網膜により発生された前記電気信号を脳の視覚野に送るための伝達手段と、を含む眼内レンズシステムである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の眼内レンズシステムであって、前記眼内に配置され、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、毛様体の運動又は前記毛様体を運動させるための信号を検知する第1検知手段を含み、前記駆動手段は、前記第1検知手段により得られた検知結果に基づいて前記レンズの焦点距離を変更する。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の眼内レンズシステムであって、前記第1検知手段は、前記毛様体の所定部位の加速度、前記毛様体の所定部位の移動量、毛様体小帯の張力、及び前記毛様体の所定部位の筋電位信号の少なくとも1つを検知する。
また、請求項11に記載の発明は、請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の眼内レンズシステムであって、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、前記駆動手段を制御する制御手段を含む。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の眼内レンズシステムであって、前記制御手段は、前記人工網膜により発生された電気信号に基づいて前記駆動手段を制御する。
また、請求項13に記載の発明は、請求項11又は請求項12に記載の眼内レンズシステムであって、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、眼球の向きを検知する第2検知手段を含み、前記制御手段は、前記第2検知手段により得られた検知結果に基づいて前記駆動手段を制御する。
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の眼内レンズシステムであって、前記第2検知手段により前記眼球が下方に向いていることが検知されたとき、前記制御手段は、前記レンズの焦点距離を第1の焦点距離に変更し、それ以外のとき、前記制御手段は、前記レンズの焦点距離を前記第1の焦点距離より長い第2の焦点距離に変更する。
また、請求項15に記載の発明は、請求項13又は請求項14に記載の眼内レンズシステムであって、前記第2検知手段は、前記眼球の所定部位の加速度、及び輻輳眼球運動の少なくとも1つを検知する。
また、請求項16に記載の発明は、請求項8〜請求項15のいずれか一項に記載の眼内レンズシステムであって、前記変換手段に、前記眼内に入射した光の一部を通過させる開口部が形成されている。
また、請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の眼内レンズシステムであって、前記開口部は、前記人工網膜において黄斑部に対向する位置に形成されている。
また、請求項18に記載の発明は、請求項16又は請求項17に記載の眼内レンズシステムであって、前記光電変換素子アレイは、前記開口部を通過した光を受けて前記電気信号を発生する。
また、請求項19に記載の発明は、請求項16〜請求項18のいずれか一項に記載の眼内レンズシステムであって、前記開口部に、黄斑部に到達する光束を調整するレンズが設けられている。
また、請求項20に記載の発明は、請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の眼内レンズシステムであって、前記変換手段は、眼内に入射した光の一部を透過させ、他の一部のエネルギーを前記電気エネルギーに変換する透過型太陽電池を含む。
また、請求項21に記載の発明は、請求項1〜請求項20のいずれか一項に記載の眼内レンズシステムであって、前記レンズは、焦点距離の連続的な変更が可能に構成される。
また、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の眼内レンズシステムであって、前記レンズは、アルバレツレンズを含む。
[構成]
図1は、第1の実施形態に係る眼内レンズシステムの構成の一例の機能ブロック図を表す。眼内レンズシステム100は、アルバレツレンズ110と、透過型太陽電池130と、第1検知部140と、駆動部150とを備えている。眼内レンズシステム100は、たとえば公知の超音波水晶体乳化吸引術により水晶体が取り出された水晶体嚢内に配置される。なお、図1では、光の経路は、破線で示す矢印で表され、実線で示すそれ以外(電気信号など)の経路と区別して表されている。
アルバレツレンズ110は、一対の光学素子111、112を有しており、光学素子111、112の相対的な移動により球面度数を変化させることができるようになっている。すなわち、アルバレツレンズ110は、光学素子111、112の相対的な移動により焦点距離の変更が可能に構成される。
透過型太陽電池130は、たとえば有機薄膜技術を用いて構成される。
眼の焦点距離は、水晶体嚢に包まれた水晶体の厚みを変化させることにより変更される。水晶体は、毛様体小帯(チン小帯)を介して水晶体嚢内に伝達される毛様体の運動により、厚みが変化する。そこで、第1検知部140は、水晶体の厚みを変化させるための毛様体の所定部位の加速度、毛様体の所定部位の移動量、毛様体小帯の張力、水晶体嚢内の圧力、及び毛様体の筋電位信号の少なくとも1つを検知する。
図6は、第1の実施形態に係る眼内レンズシステム100が配置された眼の概略断面図を表す。図6は、右の眼を上面から見たときの断面図を表しており、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図6では、図示の便宜上、眼内レンズシステム100を構成する各部の間に接続される電源線や信号線を省略している場合がある。
図7は、第1の実施形態に係る眼内レンズシステム100の動作例のフロー図を表す。なお、図7は、第1検知部140が毛様体27の運動を検知する場合について説明するが、第1検知部140が毛様体27を運動させるための生体信号を検知する場合についても同様である。
まず、第1検知部140は、毛様体の運動を監視する。毛様体27の運動が検知されたとき(ステップS1:Y)、眼内レンズシステム100は、ステップS2に移行する。毛様体27の運動が検知されなかったとき(ステップS1:N)、眼内レンズシステム100は、ステップS1の処理を継続する(リターン)。
ステップS1により検知された毛様体27の運動が水晶体厚増加に相当する運動のとき(ステップS2:Y)、第1検知部140は、アルバレツレンズ110の焦点距離が現在の焦点距離より短い第1の焦点距離になるように駆動信号を生成し、生成された駆動信号を駆動部150に対し出力する。このとき、第1検知部140は、ステップS1において検知された毛様体27の運動(加速度など)に応じた焦点距離の変更量及びその変更方向を示す駆動信号を生成する。
ステップS1により検知された毛様体27の運動が水晶体厚減少に相当する運動のとき(ステップS2:N、ステップS4:Y)、第1検知部140は、アルバレツレンズ110の焦点距離が現在の焦点距離より長い第2の焦点距離になるように駆動信号を生成し、生成された駆動信号を駆動部150に対し出力する。このとき、第1検知部140は、ステップS1において検知された毛様体27の運動(加速度など)に応じて焦点距離を変更する駆動信号を生成する。
眼内レンズシステム100は、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。以下、実施形態に係る眼内レンズシステムの効果について説明する。
第1の実施形態では、角膜側にアルバレツレンズ110が配置され、眼底側に透過型太陽電池130が配置される例を説明したが、角膜側に透過型太陽電池130が配置され、眼底側にアルバレツレンズ110が配置されてもよい。以下、第2の実施形態に係る眼内レンズシステムについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図8は、第2の実施形態に係る眼内レンズシステムの構成の一例の機能ブロック図を表す。図8において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図8では、光の経路は、破線で示す矢印で表され、実線で示すそれ以外(電気信号など)の経路と区別して表されている。
[配置例]
図9は、第2の実施形態に係る眼内レンズシステム100aが配置された眼の概略断面図を表す。図9は、右の眼を上面から見たときの断面図を表しており、図8と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図9では、図示の便宜上、眼内レンズシステム100aを構成する各部の間に接続される電源線や信号線を省略している場合がある。
眼内レンズシステム100aは、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。以下、実施形態に係る眼内レンズシステムの効果について説明する。
第1の実施形態又は第2の実施形態では、光のエネルギーを電気エネルギーに変換する変換手段が透過型である例を説明したが、変換手段は、非透過型であってもよい。以下、第3の実施形態に係る眼内レンズシステムについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図10は、第3の実施形態に係る眼内レンズシステムの構成の一例の機能ブロック図を表す。図10において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図10では、光の経路は、破線で示す矢印で表され、実線で示すそれ以外(電気信号など)の経路と区別して表されている。
眼内レンズシステム200は、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。実施形態に係る眼内レンズシステムは、第1の実施形態又は第2の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を有する。
上記の実施形態では、眼内レンズシステムが水晶体嚢内に配置された場合について説明したが、眼内レンズシステムが、人工網膜を備えるようにしてもよい。以下、第4の実施形態に係る眼内レンズシステムについて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図13は、第4の実施形態に係る眼内レンズシステムの構成の一例の機能ブロック図を表す。図13において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図13では、光の経路は、破線で示す矢印で表され、実線で示すそれ以外(電気信号など)の経路と区別して表されている。眼内レンズシステム300は、アルバレツレンズ110と、透過型太陽電池130と、第1検知部340と、駆動部150と、人工網膜380と、電極部390と、制御部370とを備えている。眼内レンズシステム300は、眼内に配置される。
第1検知部340は、水晶体の厚みを変化させる眼内の毛様体27の所定部位の加速度、毛様体27の所定部位の移動量、毛様体小帯28の張力、及び毛様体27の筋電位信号の少なくとも1つを検知する。第1検知部340が第1検知部140と異なる点は、水晶体脳内の圧力を検出しない点と、検知結果を制御部370に出力する点であり、その他の点では第1検知部140と同様である。第1検知部340は、「第1検知手段」の一例である。
人工網膜380は、光電変換素子アレイを備えており、アルバレツレンズ110を透過した光を受けた各光電変換素子により生成された電気信号を電極部390に出力する。光電変換素子アレイは、複数の光電変換素子がたとえばマトリックス状に配列されたものである。このような人工網膜380は、公知の構造の人工網膜を用いることができる。人工網膜380は、「人工網膜」の一例である。
電極部390は、たとえばマトリックス状に配列された複数の刺激用電極を有する。複数の刺激用電極のそれぞれは、人工網膜380を構成する複数の光電変換素子のいずれかに対応している。各刺激用電極は、対応する光電変換素子に電気的に接続されている。複数の刺激用電極は、人工網膜380により生成された電気信号で網膜30や視神経32を刺激するように埋植される。電気信号で網膜30を刺激する場合、複数の刺激用電極は、視細胞、網膜神経節細胞、又は双極細胞に電気信号が伝達されるように埋植される。電極部390は、「伝達手段」の一例である。
制御部370は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPU)及びCPUにより実行されるプログラムが記憶されたメモリにより構成される。制御部370は、メモリに記憶されたプログラムに従って駆動部150を制御する。ここで、制御部370は、第1検知部340により得られた検知結果や人工網膜380により検出された画像を解析することにより、駆動部150を制御してアルバレツレンズ110の焦点距離を変更することができる。なお、制御部370は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や制御回路により実現されてもよい。制御部370は、「制御手段」の一例である。
図14は、第4の実施形態に係る眼内レンズシステム300が配置された眼の概略断面図を表す。図14は、右の眼を上面から見たときの断面図を表しており、図8又は図13と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図14では、図示の便宜上、眼内レンズシステム300を構成する各部の間に接続される電源線や信号線を省略している場合がある。
図15は、第4の実施形態に係る眼内レンズシステム300の動作例のフロー図を表す。図15の各ステップに対応したプログラムは、制御部370が有するメモリに記憶される。制御部370が有するCPUは、メモリに記憶されたプログラムを読み出し、読み出されたプログラムに対応した処理を実行する。
まず、制御部370は、第1検知部340により得られた検知結果に基づいて、毛様体27の運動が検知されたか否かを監視する。第1検知部340により毛様体27の運動が検知されなかったとき(ステップS11:N)、制御部370は、第1検知部340による毛様体27の運動が検知されたか否かの監視を継続する(リターン)。一方、第1検知部340により毛様体27の運動が検知されたとき(ステップS11:Y)、制御部370は、眼内レンズシステム300の動作をステップS12に移行させる。なお、ステップS11では、毛様体27を運動させるための生体信号が検知された否かを監視することも可能である。
第1検知部340により得られる検知される物理量の値と駆動信号の内容(振幅や位相)とを対応付けたテーブル情報が予め設定されている。その具体例として、第1検知部340が毛様体27の所定部位の加速度、毛様体27の所定部位の移動量、毛様体小帯28の張力、及び毛様体27の筋電位信号のいずれか1つの物理量を検知する場合、この物理量の値と駆動信号の内容とを対応付けたテーブル情報が予め設定されている。また、第1検知部340が毛様体27の所定部位の加速度、毛様体27の所定部位の移動量、毛様体小帯28の張力、及び毛様体27の筋電位信号のうち2以上の物理量を検知する場合、これら物理量の値の組み合わせと駆動信号の内容とを対応付けたテーブル情報が予め設定されている。制御部370は、上記のいずれかのテーブル情報を参照することにより、第1の実施形態に係る第1検知部140と同様に、アルバレツレンズ110の焦点距離を変更するための駆動信号を生成する。たとえは、制御部370は、第1検知部140により得られた検知結果に対応して上記のいずれかのテーブル情報に設定された駆動信号の内容に基づいて駆動信号を生成する。
制御部370は、ステップS12において参照したテーブル情報に基づいて生成された駆動信号を、駆動部150に対して出力する。これ以降、制御部370は、眼内レンズシステム300の動作をステップS11に移行させる(リターン)。
眼内レンズシステム300は、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。以下、実施形態に係る眼内レンズシステムの効果について説明する。
第5の実施形態では、人工網膜380により検知された画像に基づいてアルバレツレンズ110が駆動される。以下、第5の実施形態に係る眼内レンズシステムについて、第4の実施形態との相違点を中心に説明する。
第5の実施形態に係る眼内レンズシステムの構成は、第4の実施形態に係る眼内レンズシステム300の構成と同様である。以下では、図13又は図14を参照しつつ、第5の実施形態に係る眼内レンズシステムについて説明する。
図16は、第5の実施形態に係る眼内レンズシステムの他の動作例のフロー図を表す。図16の各ステップに対応したプログラムは、制御部370が有するメモリに記憶される。制御部370が有するCPUは、メモリに記憶されたプログラムを読み出し、読み出されたプログラムに対応した処理を実行する。
まず、制御部370は、第1検知部340により得られた毛様体27の運動の検知結果を取得する。この検知結果は、毛様体27の所定部位の加速度、毛様体27の所定部位の移動量、毛様体小帯28の張力、及び毛様体27の筋電位信号のうち少なくとも1つの物理量の検知結果を含む。
次に、制御部370は、人工網膜380により検知された画像を取得する。その具体例として、制御部370は、人工網膜380において各光電変換素子により生成された電気信号を取得する。
続いて、制御部370は、ステップS21において取得された検知結果、及びステップS22において取得された画像の少なくとも1つを解析し、この解析結果に基づいて、駆動部150を駆動する駆動信号を生成する。
制御部370は、ステップS23において生成された駆動信号を、駆動部150に対して出力する。これ以降、制御部370は、眼内レンズシステムの動作をステップS21に移行させる(リターン)。
上記の眼内レンズシステムは、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。実施形態に係る眼内レンズシステムは、第4の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を有する。
上記の実施形態に係る眼内レンズシステムでは、眼球の向き(視線方向、眼軸方向、視軸方向)に応じてアルバレツレンズ110の焦点距離を変更するようにしてもよい。第6の実施形態に係る眼内レンズシステムは、第4の実施形態の構成に第2検知部を追加することにより、眼球の向きに応じてアルバレツレンズ110の焦点距離を変更する。以下、第6の実施形態に係る眼内レンズシステムについて、第4の実施形態との相違点を中心に説明する。
図17は、第6の実施形態に係る眼内レンズシステムの構成の一例の機能ブロック図を表す。図17において、図13と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図17では、光の経路は、破線で示す矢印で表され、実線で示すそれ以外(電気信号など)の経路と区別して表されている。眼内レンズシステム500は、アルバレツレンズ110と、透過型太陽電池130と、第1検知部340と、駆動部150と、人工網膜380と、電極部390と、制御部570と、第2検知部580とを備えている。眼内レンズシステム500は、眼内に配置される。
制御部570は、制御部370と同様の構成を有している。制御部570は、第1検知部340により得られた検知結果に加えて、第2検知部580により得られた検知結果を用いて駆動部150を駆動する駆動信号を生成することができる。制御部570は、「制御手段」の一例である。
第2検知部580は、透過型太陽電池130により得られた電気エネルギーを受けて動作し、眼内レンズシステム500が配置されている眼球の向きを検知する。第2検知部580は、眼球の所定部位(眼球の内部(網膜など))に取り付けられた傾きセンサなどにより構成され、眼球の向きを検知する。傾きセンサは、たとえば上下方向について、水平時の静電容量値を基準とし、当該傾きセンサが傾いたときの静電容量値の変化量に対応した傾きの角度を検知するように構成される。左右方向などの他の方向の傾きについても、同様の傾きセンサにより検知することができる。眼球の向きは、たとえば上下方向の傾きを検知する傾きセンサにより得られた検知結果により特定される。また、眼球の向きは、上下方向を含み互いに直交する2軸方向又は3軸方向のそれぞれの方向の傾きを検知する複数の傾きセンサにより得られた検知結果により特定されてもよい。第2検知部580により得られた検知結果は、制御部570に送られる。第2検知部580は、「第2検知手段」の一例である。
図18は、第6の実施形態に係る眼内レンズシステム500が配置された眼の概略断面図を表す。図18は、右の眼を上面から見たときの断面図を表しており、図14又は図17と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図18では、図示の便宜上、眼内レンズシステム500を構成する各部の間に接続される電源線や信号線を省略している場合がある。
図19は、第6の実施形態に係る眼内レンズシステム500の動作例のフロー図を示す。図19の各ステップに対応したプログラムは、制御部570が有するメモリに記憶される。制御部570が有するCPUは、メモリに記憶されたプログラムを読み出し、読み出されたプログラムに対応した処理を実行する。
まず、制御部570は、第2検知部580により得られた検知結果に基づいて、眼球20の向きが変化したか否かを監視する。第2検知部580により得られた検知結果に基づいて眼球の向きが変化したことが検出されなかったとき(ステップS31:N)、制御部570は、第2検知部580による眼球20の向きが変化したか否かの監視を継続する(リターン)。一方、第2検知部580により眼球20の向きが変化したことが検出されたとき(ステップS31:Y)、制御部570は、眼内レンズシステム500の動作をステップS32に移行させる。
第2検知部580により眼球の向きが変化したことが検出されると、制御部570は、第2検知部580により得られた検知結果に基づいて、眼球20の向きが正面方向から下方の下領域に入ったか否かを判別する。眼球20の向きが下領域に入ったことが判別されたとき(ステップS32:Y)、制御部570は、眼内レンズシステム500の動作をステップS33に移行させる。一方、眼球20の向きが下領域に入ったことが判別されなかったとき(ステップS32:N)、制御部570は、眼内レンズシステム500の動作をステップS34に移行させる。
第2検知部580により得られた検知結果に基づいて眼球20の向きが下方に変化したことが検出されたとき、制御部570は、アルバレツレンズ110の焦点距離を現在の焦点距離より短い第1の焦点距離に設定する駆動信号を生成し、生成された駆動信号を駆動部150に対して出力する。
第2検知部580により眼球の向きが下領域に入ったことが検出されなかったとき、制御部570は、第2検知部580により得られた検知結果に基づいて、眼球20の向きが下領域から出たか否かを判別する。眼球20の向きが下領域から出たことが判別されたとき(ステップS34:Y)、制御部570は、眼内レンズシステム500の動作をステップS35に移行させる。一方、眼球20の向きが下領域から出たことが判別されなかったとき(ステップS34:N)、制御部570は、眼内レンズシステム500の動作をステップS31に移行させる(リターン)。
第2検知部580により得られた検知結果に基づいて眼球20の向きが下領域から出たことが検出されたとき、制御部570は、アルバレツレンズ110の焦点距離を現在の焦点距離より長い第2の焦点距離に設定する駆動信号を生成する。第2の焦点距離は、第1の焦点距離より長い。制御部570は、生成された駆動信号を駆動部150に対して出力する。
眼内レンズシステム500は、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。実施形態に係る眼内レンズシステムは、第4の実施形態又は第5の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を有する。
第4の実施形態では、光のエネルギーを電気エネルギーに変換する変換手段が透過型である例を説明したが、この変換手段は、第3の実施形態と同様に、非透過型であってもよい。以下、第7の実施形態に係る眼内レンズシステムについて、第4の実施形態との相違点を中心に説明する。
図20は、第7の実施形態に係る眼内レンズシステムの構成の一例の機能ブロック図を表す。図20において、図10又は図13と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図20では、光の経路は、破線で示す矢印で表され、実線で示すそれ以外(電気信号など)の経路と区別して表されている。
眼内レンズシステム600は、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。実施形態に係る眼内レンズシステムは、第4の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を有する。
第7の実施形態において、非透過型太陽電池230に形成された開口部に、黄斑部に到達する光束を調整するレンズが設けられていてもよい。これにより、開口部のサイズを調整することができるので、たとえば非透過型太陽電池230の受光部分の面積を大きく確保することが可能となり、より多くの電力を発生させることが可能となる。また、非透過型太陽電池230に対しアルバレツレンズ110が配置される方向を前方とした場合、非透過型太陽電池230の後方に配置される人工網膜380のサイズを大きくすることができるため、人工網膜380により検知される画像のサイズも大きくすることができる。この結果、人工網膜380において検知された画像に基づく上記の制御の精度を向上させることができる。
第8の実施形態に係る眼内レンズシステムは、実施形態に係る眼内レンズシステムの一例である。実施形態に係る眼内レンズシステムは、第7の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を有する。
上記の実施形態に係る眼内レンズシステムでは、アルバレツレンズにより球面度数を変更する場合について説明したが、アルバレツレンズにより乱視度数を変更するようにしてもよい。たとえば、図2において、光学素子111、112を軸Oに直交するxy平面内でx方向(左右方向)に相対的に移動させることにより、光学素子111、112を光学的に合成して得られる乱視度数(屈折力)を連続的に変化させることができる。図2では、光学素子111が左方向(−x方向)に移動され、光学素子112が右方向(+x方向)に移動される。
上記の実施形態又は第1変形例に係る眼内レンズシステムでは、焦点可変レンズとしてアルバレツレンズを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。
上記の実施形態において、眼内に配置後にパラメータ(テーブル情報や閾値)や制御部により実行されるプログラムなどを変更する方法として、侵襲的に行う方法と、非侵襲的(低侵襲的)に行う方法とがある。
21 強膜
22 角膜
23 虹彩
24 瞳孔
25 水晶体嚢
27 毛様体
28 毛様体小帯
29 硝子体
30 網膜
31 脈絡膜
32 視神経
100、100a、200、300、500、600 眼内レンズシステム
110 アルバレツレンズ
111、112、711、712 光学素子
114a〜114d 超音波リニアモータ
130 透過型太陽電池
140、340 第1検知部
150 駆動部
230 非透過型太陽電池
231 開口部
370、570 制御部
380 人工網膜
390 電極部
580 第2検知部
710 レンズ
713、714 くさび部材
Claims (22)
- 水晶体嚢内に配置され、少なくとも焦点距離の変更が可能に構成されたレンズと、
前記水晶体嚢内に配置され、入射した光の一部を通過させ、且つ、前記光の他の一部のエネルギーを電気エネルギーに変換する変換手段と、
前記水晶体嚢内に配置され、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、前記レンズの焦点距離を変更するための駆動手段と、
を含む眼内レンズシステム。 - 前記レンズは、前記水晶体嚢内に入射した光を通過させ、
前記変換手段は、前記レンズを通過した光のエネルギーを電気エネルギーに変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズシステム。 - 前記変換手段は、前記水晶体嚢内に入射した光の一部を通過させ、
前記レンズは、前記変換手段を通過した光を通過させることを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズシステム。 - 前記水晶体嚢内に配置され、毛様体の運動又は前記毛様体を運動させるための生体信号を検知する第1検知手段を含み、
前記駆動手段は、前記第1検知手段により得られた検知結果に基づいて前記レンズの焦点距離を変更する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼内レンズシステム。 - 前記第1検知手段は、
前記毛様体の所定部位の加速度、前記毛様体の所定部位の移動量、毛様体小帯の張力、前記水晶体嚢内の圧力、及び前記毛様体の所定部位の筋電位信号の少なくとも1つを検知することを特徴とする請求項4に記載の眼内レンズシステム。 - 前記変換手段に、開口部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の眼内レンズシステム。
- 前記開口部は、黄斑部に対応した位置に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の眼内レンズシステム。
- 眼内に配置され、焦点距離の変更が可能に構成されたレンズと、
前記眼内に配置され、前記眼内に入射した光の一部を通過させ、且つ、前記光の他の一部のエネルギーを電気エネルギーに変換する変換手段と、
前記眼内に配置され、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、前記レンズの焦点距離を変更するための駆動手段と、
前記眼内に配置され、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、前記変換手段を通過した光を検出して電気信号を発生する光電変換素子アレイを含む人工網膜と、
前記人工網膜により発生された前記電気信号を脳の視覚野に送るための伝達手段と、
を含む眼内レンズシステム。 - 前記眼内に配置され、前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、毛様体の運動又は前記毛様体を運動させるための信号を検知する第1検知手段を含み、
前記駆動手段は、前記第1検知手段により得られた検知結果に基づいて前記レンズの焦点距離を変更する
ことを特徴とする請求項8に記載の眼内レンズシステム。 - 前記第1検知手段は、
前記毛様体の所定部位の加速度、前記毛様体の所定部位の移動量、毛様体小帯の張力、及び前記毛様体の所定部位の筋電位信号の少なくとも1つを検知することを特徴とする請求項9に記載の眼内レンズシステム。 - 前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、前記駆動手段を制御する制御手段を含むことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載の眼内レンズシステム。
- 前記制御手段は、前記人工網膜により発生された電気信号に基づいて前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項11に記載の眼内レンズシステム。
- 前記変換手段により得られた電気エネルギーを受けて動作し、眼球の向きを検知する第2検知手段を含み、
前記制御手段は、前記第2検知手段により得られた検知結果に基づいて前記駆動手段を制御する
ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の眼内レンズシステム。 - 前記第2検知手段により前記眼球が下方に向いていることが検知されたとき、前記制御手段は、前記レンズの焦点距離を第1の焦点距離に変更し、それ以外のとき、前記制御手段は、前記レンズの焦点距離を前記第1の焦点距離より長い第2の焦点距離に変更することを特徴とする請求項13に記載の眼内レンズシステム。
- 前記第2検知手段は、
前記眼球の所定部位の加速度、及び輻輳眼球運動の少なくとも1つを検知することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼内レンズシステム。 - 前記変換手段に、前記眼内に入射した光の一部を通過させる開口部が形成されていることを特徴とする請求項8〜請求項15のいずれか一項に記載の眼内レンズシステム。
- 前記開口部は、前記人工網膜において黄斑部に対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項16に記載の眼内レンズシステム。
- 前記光電変換素子アレイは、前記開口部を通過した光を受けて前記電気信号を発生することを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の眼内レンズシステム。
- 前記開口部に、黄斑部に到達する光束を調整するレンズが設けられていることを特徴とする請求項16〜請求項18のいずれか一項に記載の眼内レンズシステム。
- 前記変換手段は、
眼内に入射した光の一部を透過させ、他の一部のエネルギーを前記電気エネルギーに変換する透過型太陽電池を含むことを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の眼内レンズシステム。 - 前記レンズは、焦点距離の連続的な変更が可能に構成されることを特徴とする請求項1〜請求項20のいずれか一項に記載の眼内レンズシステム。
- 前記レンズは、アルバレツレンズを含むことを特徴とする請求項21に記載の眼内レンズシステム。
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