JP2015058004A - Htlv−1プロウイルス検出のためのプライマーセット、及びそれを用いた検出方法 - Google Patents

Htlv−1プロウイルス検出のためのプライマーセット、及びそれを用いた検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従前の検査方法を改善し、単独で、あるいは、従前の1次〜3次スクリーニング検査後に、迅速かつ高感度・高精度な検出・判定が可能で、欠失型変異にも対応可能な、利便性の高い、HTLV−1プロウイルス検出用プライマーセットとそれを用いた高精度PCR検出法を提供する。【解決手段】第1の態様は、特定の標的結合配列のうち、少なくともある特定の標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を有する配列を含む、オリゴヌクレオチドである。第2の実施態様は、上記オリゴヌクレオチドを有するプライマーを含む、HTLV−1プロウイルスを検出するためのキットである。該高精度PCR検出法は、これら同期的に標的領域を増幅できる複数のプライマーと検出プローブを用いて、HTLV−1プロウイルスの検出が、迅速に、高感度・高精度で行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、HTLV−1プロウイルス検出のためのプライマーセットとそれを用いた検出方法に関する。
HTLV−1(Human T−cell Lymphotropic Virus type 1)は、1980年にヒトにおける初めての病原性レトロウイルスとして、Gallo R.博士らにより単離・報告された。このHTLV−1関連疾患として有名な成人T細胞白血病(ATL)は、成人のTリンパ球が白血病細胞となって皮下、リンパ節、末梢血で異常増殖する白血病で、有効な治療法が無く、極めて予後不良な疾患である。HTLV−1は、その他、HTLV−1関連脊髄症(HAM)、HTLV−1関連ぶどう膜炎(HU)等の原因ウイルスでもある。
HTLV−1感染者は、全世界で1〜2千万人存在し、日本南西部、パプア・ニューギニアを中心としたオセアニア地域、アフリカ中央部、南アメリカ、カリブ海沿岸地域、ソロモン諸島などに多く見られる。我が国では、九州・沖縄地方を含む南西日本に特に多く見られており、先進国の中で、日本は唯一HTLV−1感染者の多い国である。
このHTLV−1感染症はかつて風土病とされていた時期があり、日本での研究は一時激減していたが、最近では、2008年度〜2010年度に厚生労働科学研究班「本邦におけるHTLV−1感染及び関連疾患の実態調査と総合対策」(国立感染症研究所)が組織され、全国的なHTLV−1キャリア及び関連疾患の実態調査が行われた。その中で、全国の初回献血者中の抗体陽性者の調査から、全国のキャリア数が約108万人と推定された。また、以前に比べ、九州・沖縄地方のキャリアの割合が減少してはいたが、他方、関東地方と近畿地方の大都市圏で増加しているとの結果が示され、我が国のHTLV−1キャリアは依然として多数存在し、しかも、全国に拡散する傾向のあることが指摘されている。
このHTLV−1ウイルスの主な感染経路は、輸血(経静脈感染)、母子感染(垂直感染)、及び、性感染(水平感染)の3つといわれており、最も多い感染経路が母乳による母子感染であることがわかってきたことから、2010年10月に、厚生労働省は、妊婦健康診査の項目の一つに「HTLV−1抗体検査」を追加している。また、献血時でのスクリーニングの重要性も指摘されている。
上記の成人T細胞白血病(ATL)等、HTLV−1関連疾患は、HTLV−1感染キャリアから発症するのであるが、キャリアの大部分は当初無症状でそのままでは発見は不可能であるため、如何にしてHTLV−1感染キャリアを精度良く迅速に検出するかが、これらATL等のHTLV−1感染症対策に極めて重大な問題で、感染者自体のためにも、また拡大感染を減らし、ATL等による死亡者を減らすためにも、HTLV−1感染キャリアを早期に迅速に発見することは重要である。
従来、HTLV−1に対して通常行われる検査のほとんどは血清学的な抗体検査であり、感作粒子凝集法(PA法)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)、蛍光抗体法(IF法)、ウエスタンブロット法(WB法)などが開発されている(非特許文献1)。
日本赤十字(JRC)は、輸血によるウイルス感染を防ぎ、献血等による血液製剤の安全性の向上と安定供給に努めており、献血ドナースクリーニングとして、感作粒子凝集法(PA法)による抗体検査を導入した。それ以後、HTLV−1ウイルスの主な感染経路のひとつである、輸血による感染(経静脈感染)が減少しているといわれているが、血清学的な抗体検査法は、単独で真の抗体陽性者(キャリア)と真の陰性者(未感染者)を確実に識別できる方法では、決してない。
血清学的抗体によるスクリーニング検査によって、輸血による感染が減ったとしても、輸血による感染がゼロになったわけではなく、確実な判断ができずに、「判定保留」、「判定不能」とした検体を輸血に用いないためであって、その様な、「判定保留」等の検体提供者の中に潜在するHTLV−1キャリアを発見することはできない。
そこで、近年、HTLV−1キャリアの検出に関して、HTLV−1プロウイルスDNAの断片をDNAポリメラーゼによって増幅して検出するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法による検査法が注目されている(非特許文献1、2)。
松本千恵子他、Japanese Journal of Transfusion Medicine, 日本, 2001, Vol.47, No.3, p. 378-383 Watanabe et al., Blood, USA, 2005, Vol. 106, No. 7, p. 2462-2471 Miyazaki, et al., Journal of Virology, USA, June 2007, Vol. 81, No. 11, p5714-5723 J. Sambrook and D. W. Russell, Molecular Cloning: a Laboratory Manual, 3rd Edition, USA, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001
しかしながら、HTLV−1キャリアの検出に関して、通常、上記JRC等では、HTLV−1プロウイルスのpX領域という比較的配列が安定した領域を標的とする、pX2プライマー(配列は、非特許文献2等参照)を用いて通常のPCR検査(従来法)を行っているが、この様な検査法では、判定不能な検体が多く存在し、それらは、結局は、「判定不能」、「判定保留」等とされて結論を出すことができない。また、pX2以外のプライマーを用いた例があったとしても、個々に研究室レベルで設定されたものであるため、増幅領域の配列が従来のものとオーバーラップしていたり、PCR法の設定条件や増幅効率がそれぞれ異なるため、十分に規格化がなされてはいない。
さらに、pX領域を標的として検出感度を増すための工夫も試行されている(非特許文献1)が、定量性の問題もあり、未だ個々の実験室で独自の手法で行われているため、簡便に利用することができないのが現状である。
一方、HTLV−1キャリアからATLを発症した患者では、約40〜60%という高率で、HTLV−1プロウイルスDNAの部分欠失(欠失型のウイルス遺伝子変異)が生じていることが報告されており、ATLの発症とHTLV−1プロウイルスの欠失型変異との関連性が強く指摘されているが、上記JRC等での一般的なPCR検査法では、欠失型のウイルス遺伝子変異を検出することは困難で、欠失の有無や詳細を検討するためには、個々に複数の分子生物学的な手法を駆使して、多大な時間やコストをかけて調べなくてはならず、これらの手法は、多くの検体を扱うための検査法としては現実的ではない。
この様な現状から、献血検査・血液検査や集団検診などの際に、従来法では検出不能あるいは検出限界付近の検体でも、真のHTLV−1キャリアと真の陰性者(未感染者)を最終的に、より確実に識別できるように、日本赤十字(JRC)血液センターで行われている従来の抗体検査や他の検査と組み合わせて行うことができる、あるいは単独でも行いうる、HTLV−1プロウイルス検出法の開発が期待されている。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、単独で、あるいは、従前のスクリーニング検査後に、迅速かつ高感度・高精度な検出・判定が可能で、欠失型変異にも対応可能な、利便性の高い、HTLV−1プロウイルス検出用プライマーセットとそれを用いた高精度PCR検出法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の実施態様は、配列番号3、4、15、16の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を有する配列を含む、オリゴヌクレオチドである。
この場合、さらに、配列番号1、2、配列番号5、6、17〜20、配列番号21、22、配列番号7〜14の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を有する配列のオリゴヌクレオチドを含んでもよい。
本発明に係る第2の実施態様は、配列番号3、4、15、16の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を有する配列を含むプライマーを含有する、HTLV−1プロウイルスを検出するためのキットである。
この場合、さらに、配列番号1、2、配列番号5、6、17〜20、配列番号21、22、配列番号7〜14の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を有する配列を含むプライマーを含有してもよい。
そして、配列番号23〜33の配列からなる検出プローブのうち、いずれかの検出プローブをさらに含んでもよい。また、内部コントロールプライマーとその検出プローブをさらに含有してもよい。
本発明に係る第3の実施態様は、臨床サンプル中のHTLV−1プロウイルス標的結合配列の存在を検出する方法であって、前記方法が、
(a)第1の実施態様に含まれるオリゴヌクレオチドからなるプライマー対入りの各ウェル内に前記臨床サンプル由来DNAを添加して、増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物を産生する工程、
(b)前記増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物とCt値を検出する工程、および、
(c)前記Ct値が基準値内の時に、2ウェル以上の、前記増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物の検出を指標として、サンプル中のHTLV−1プロウイルスの存在の有無を確認する工程、を含む。
本発明に係る第4の実施態様は、臨床サンプル中のHTLV−1プロウイルス標的結合配列の存在を検出するためのシステムであって、
第1の実施態様に含まれるオリゴヌクレオチドからなるプライマー対入りの各ウェル内に前記臨床サンプル由来DNAを添加して、増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物を産生する手段と、
前記増幅された前記HTLV−1プロウイルス核酸生成物とCt値を検出する手段と、
前記Ct値が基準値内の時に、2ウェル以上の、前記増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物の検出を指標として、サンプル中のHTLV−1プロウイルスの存在の有無を確認する手段と、を有する。
さらに、本発明に係る第5の実施態様は、第3の実施態様である、臨床サンプル中のHTLV−1プロウイルス標的結合配列の存在を検出する方法の、工程(a)、(b)および(c)を実行するように適合されたコンピュータプログラムである。
本発明によれば、選別された複数のプライマー対を用いた高精度PCR検出法を使用して、一度に同期的・定量的に標的領域を増幅することにより、従来のPCR法では判定困難な、HTLV−1プロウイルスの低コピー数検体や欠失型変異の検体でも、内在するHTLV−1プロウイルスの検出を、迅速に、高感度・高精度で行うことができ、容易に判定結果を出すことができる。
本発明のプライマーが標的とする部位の、HTLV−1プロウイルスゲノム上の相対的位置を示す図である。 本実施態様における同期的増幅を示す、マルチプルプライマー法のPCR増幅曲線を示す図である(正常PBMC(末梢血細胞)に対して0.8%濃度のTL−Om1(HTLV−1陽性細胞株)とした場合の抽出DNAを使用)。 本実施態様における同期的増幅を示す、マルチプルプライマー法のPCR増幅曲線を示す図である(正常PBMCに対して0.02%濃度のTL−Om1とした場合の抽出DNAを使用)。 本実施態様における同期的増幅を示す、マルチプルプライマー法のPCR増幅曲線を示す図である(正常PBMC由来のDNAを使用)。 HTLV−1プロウイルスの欠失領域(破線で囲んだ領域)を示す図である。
本発明の種々の目的、利点、および新規な特徴は、添付の図面と組み合わせた以下の詳細な説明から理解されるであろう。
本実施形態に係るHTLV−1検出のためのプライマーを含むセットやキット及びそれらを用いたPCR検出方法は、JRC(日本赤十字社)のpX2プライマーで行う従来のPCR検査法(従来法)では実現されない、迅速かつ高感度・高精度なHTLV−1の検出のために提供されるものである。
従来のPCR法では、検体がHTLV−1プロウイルスDNA陽性と判定される条件は、pX2プライマー入りの2つのウェル(Well)が共に陽性となることであり、その場合、2つのウェルが共に、数コピー以上のHTLV−1プロウイルスDNAを含む場合に検出可能であるとされているが、本願のPCR検出法では、選択された複数のプライマーを用いて一度に同期的・網羅的に多反応を行うことによって、検出感度と特異性の向上が達成され、結果的に、全体の反応ウェル(例えば、最大12ウェル)のうち、少なくともいずれか2つのウェルが陽性であれば、各陽性ウェル中に数コピー以上のウイルスDNAが含まれているとされ、HTLV−1プロウイルスDNA陽性の検体であると判定される。
この様に、本願発明は、ほぼ同じ増幅効率のプライマーセットを用いるためウェル数が増える分だけ感度があがり、さらに、それぞれの標的結合配列が異なるため精度が向上する。
つまり、本願発明は、少なくともいずれか2つのウェルに数コピー以上のウイルスDNAが含まれていれば陽性検体と判定できる方法であって、検出感度と特異性の向上が達成されるため、高感度性を要求される低コピー数検体におけるスクリーニングにも対応可能であり、また、HTLV−1プロウイルスの欠失型遺伝子変異を有する検体でも、一回の高精度PCR検出法の実施で、迅速に、高感度・高精度で検出することができる検査法である。
(用語の説明)
本明細書で使用する用語「標的」、「標的配列」または「標的結合配列」とは、基本的には、増幅および検出されるHTLV−1核酸配列をいう。これらには、増幅される本来のHTLV−1核酸配列、増幅される本来のHTLV−1核酸配列の相補性第二鎖、および増幅反応で産生される本来のHTLV−1配列のコピーのどちらかの鎖が含まれる。これらのコピーは、増幅プライマーがアニールする配列のコピーを含有するので、増幅可能な標的として機能する。
本明細書で使用する「プライマー」は、標的結合配列にアニールし、増幅によって伸張されうるオリゴヌクレオチドである。標的結合配列に結合するプライマーの領域は標的結合配列である。
本明細書で使用する「検出用プローブ」は、リアルタイムPCR専用の検出用プローブで、例えば、5’末端を蛍光物質で、3’末端をクエンチャー物質で修飾したオリゴヌクレオチドをプローブとして用いるTaqManプローブ(登録商標、アプライドバイオシステムズ、Inc)等があげられる。TaqManプローブ(登録商標)は、アニーリングステップで鋳型DNAに特異的にハイブリダイズするが、プローブ上にクエンチャーが存在するため、励起光を照射しても蛍光の発生は抑制され、伸長反応ステップのときに、Taq DNA ポリメラーゼのもつ5’→3’エキソヌクレアーゼ活性により、鋳型にハイブリダイズしたTaqManプローブが分解されると、蛍光色素がプローブから遊離し、クエンチャーによる抑制が解除されて蛍光が発せられる。
その他に、RNAとDNAからなるキメラプローブとRNase Hの組み合わせによる、サイクリングプローブ等、PCR産物の検出用プローブとされるものであれば使用可能である。
本明細書で使用する「検出用試薬」は、増幅産物の生成量を定量的に検出するための試薬で、例えば、二本鎖DNAに結合することで蛍光を発する試薬(インターカレーター)を用いて、励起光の照射により発生する蛍光強度を検出することにより、増幅産物の生成量をモニターすることができる。その他、蛍光染料や励起光照射装置を用いずに、PCR増幅産物の生成量を伝導度によって測定する方法等、定量的に検出する他の方法も適用しうることは、当業者であれば理解可能なことである。
以下、本願発明に係るHTLV−1検出のためのオリゴヌクレオチド、プライマーキット及びそれらを用いた検出方法の実施の形態を説明する。
(オリゴヌクレオチドプライマー)表1、図1
本実施形態に係るHTLV−1検出のためのプライマーは、200セット以上の新規に設定したプライマーをスクリーニングして最終的に得られたものであり、表1に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーを少なくとも1つ以上含む。
Figure 2015058004
HTLV−1/ATLVのプロウイルスは、約9Kbの塩基配列からなり、本実施形態に係る、これらオリゴヌクレオチドプライマーは、標的結合配列が、図1に示される領域にアニールするように設計され、かつ、これらプライマーは、以下のスクリーニングによって、同期的に増幅することが確認されたものである。
このオリゴヌクレオチドプライマーを最終的に選択したスクリーニング方法について、以下に述べる。
(プライマー及びプローブのスクリーニング方法)
200セットのFwd−Revオリゴヌクレオチドプライマーを設定した後、下記のPCR反応でそれぞれのセットが同期的に増幅するか否かSYBER GREEN(登録商標)でスクリーニングして、200セットのうち結果の良好な40セットを選択し、その後、同じく同時期に増幅する40セットのTaqmanプローブ(登録商標)をスクリーニングして絞り込むことにより、極めて増幅特性の近いプライマー対とプローブのセット、合計11セットを得ることが出来た。その内訳は、表1にあるように、10セットが新規の配列を有するプライマー対で、他の1セットが既知のプライマーと同様の配列を有するプライマー対(pX2)であった。
PCR反応は、ポジティブコントロールの細胞であるTL−Om1から抽出したDNAを鋳型として、DNA量500ng/well、PCR mixture 15〜30μlで、PCR装置Applied Biosystems 7500 fast(登録商標)を用いて、機器のFastプログラムで95℃ 10分の後、95℃ 5秒−60℃ 30秒のPCRサーマルサイクルを40サイクル行った。内部コントロール(I.C.)としては、S19−40F、S19−40R、L11−20F、L11−20R、RAG1−32F、RAG1−32R、の各プライマー及び検出プローブを用いた(表1)。
なお、TL−Om1細胞は、HTLV−1プロウイルスDNAが平均1.8個/細胞でゲノムに挿入されていることがFISH解析で明らかにされている細胞である。全塩基配列は決定済みで、Env遺伝子に93塩基の欠失があり、TL−Om1の欠失領域は、J02029 ATK−1 nt.5547−6669に相当する配列部分である(なお、J02029はGenbankのNucleotide登録番号で、配列はhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/j02029を参照のこと。)。
また、ネガティブコントロールとしては、市販品のPBMC(ヒト末梢血単核球)由来のDNAを使用した。
以上のように、プライマー及び検出プローブの選定を厳密に行ったため、ポジティブコントロールの細胞であるTL−Om1から抽出したDNAを鋳型として、上記同定した11セットのプライマーで増幅した場合、すべてのプライマーのCt値(Threshold Cycle)の差が、1サイクル以内に含まれるように設定されている。なお、LTRは両端にある(2倍)ため、1サイクル手前になる。
(各プライマーとプローブ)
HTLV−1標的結合配列の検出用に選定された新規のプライマーは、それぞれ、配列番号1〜20として表1に同定されているオリゴヌクレオチド(LTR215F、LTR215R、021F、021R、056F、056R、071F、071R、084F、084R、092F、092R、101F、101R、109F、109R、153F、153R、184F、184R)からなる、10対のプライマーを含む。さらに、配列番号21、22の既知のオリゴヌクレオチド(pX2−S、pX2−AS)からなる、1対のプライマーを含んでもよい。
内部コントロール用プライマーは、それぞれ、配列番号34〜41として表1に同定されているオリゴヌクレオチド(S19−40F、S19−40R、L11−20F、L11−20R、RAG1−32F、RAG1−32R、HBB−11F、HBB−11R)からなる、4対のプライマーを含む。
ここで、奇数の配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17および19のオリゴヌクレオチドからなるプライマーは、左側(「第一」)Fプライマーを示し、偶数の配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18および20のオリゴヌクレオチドからなるプライマーは、右側(「第二」)Rプライマーを示す。HTLV−1プロウイルスの検出の目的では、所定の左側プライマーおよび右側プライマーの対が反応液中に存在するようにして使用する。
さらに、同期的に増殖可能なプライマーとして厳密に選別したため、必要に応じて、long−PCR用のプライマー対として、他のプライマーと組み合わせて使用することも可能である。
また、今回上記の方法で選択された配列番号21、22のオリゴヌクレオチドからなるプライマー対は、既知のpX2プライマーと同様の塩基配列を有することが判明したもので、配列番号21が左側(「第一」)プライマーのpX2−S、配列番号22が右側(「第二」)プライマーのpX2−ASで、HTLV−1のpX領域を増幅標的配列とするものである。
なお、便宜のために、HTLV−1検出用の11のプライマー対を、LTR215、056、071、084、092、101、109、153、184、021、及びpX2ともいい、内部コントロール用の4のプライマー対を、S19−40、L11−20、RAG1−32、HBB−11ともいう。
これら新規の10対のプライマー及び既知の1対プライマーに対応する検出プローブは、例えば、Taqmanプローブ(登録商標)であって、表1に示す配列のもので、配列番号23〜33のオリゴヌクレオチドからなり、また、4対の内部コントロール用プライマーに対応する検出プローブは、配列番号42〜45のオリゴヌクレオチドからなる。
本発明の実施形態では、同期的に増幅するプライマー群を選別しているため、最大、上記10対の新規プライマー、1対のpX2プライマー(2ウェル分)、4対の内部コントロールプライマー、及び、各プライマー対に対応する検出プローブを各ウェルに添加することで、HTLV−1プロウイルス検出のためのPCR反応を、同時に一回で行うことができる。各ウェルの反応液には、1対のプライマーと検出プローブのセットを含む。
(実施例1)HTLV−1含有ゲノムDNAでの増幅の確認
HTLV−1陽性細胞(TL−Om1)を市販の健常人PBMC(ヒト末梢血単核球)で段階希釈して、PBMC中のTL−Om1細胞の濃度で、0.8%、0.02%に希釈したサンプルを準備した。以下、前者を、「TL−Om1 0.8%」、「TL−Om1 0.8%希釈率(又は0.8%濃度)」、後者を「TL−Om1 0.02%」、「TL−Om1 0.02%希釈率(又は0.02%濃度)」等という。
各希釈率のサンプルからゲノムDNAを抽出キット(QIAGEN DNA Blood mini or midi(登録商標))で精製したものをポジティブコントロール、HTLV−1非感染の3人の健常者の血液から抽出したゲノムDNAをネガティブコントロールとし、それぞれのゲノムDNAを鋳型として、新規の10対のプライマー、pX2プライマー、及び各プライマーに対応するよう設計された各Taqmanプローブ(登録商標)を用いて、高精度PCR検出法を行い、その反応性を検討した。
(高精度PCR反応)
PCR反応は、DNA量500ng/well、PCR mixture 30μlで、PCR装置Applied Biosystems 7500 fast(登録商標)を用いて、機器のFastプログラムで95℃ 10分の後、95℃ 5秒−60℃ 30秒のPCRサーマルサイクルを40サイクル行った。内部コントロール(I.C.)として、S19−40、L11−20、RAG1−32の各プライマー及び各検出プローブを用いた(表1、参照)。
各プライマー及び各プローブは、上記したように、同期的に増幅する、極めて性質の近いプライマーとプローブのセットであり、TL−Om1(100%〜0.8%濃度)由来DNAを鋳型として標的配列を増幅した場合、すべてのセットにおいて、Ct(Threshold Cycle)値の差は1サイクル以内に含まれるように設定されている。上記条件下で、本高精度PCR検出法により、鋳型DNAは、きれいに同期的に増幅し、PBMC中のTL−Om1濃度を更に1/40以上に希釈(0.8%から0.02%以下に希釈)しても同様の結果が得られた(図2a〜2c、参照)。
判定結果は、ポジティブコントロール(500ng/well)のTL−Om1 0.8%濃度及び0.02%濃度では、全ての反応ウェルで陽性となり、ネガティブコントロールの3検体では、全ての反応ウェルで陰性であった。
次の実施例2では、 低コピーHTLV−1プロウイルスの検出効率と、適切なサイクル数について検討を行った。
後述するが、低コピーHTLV−1プロウイルスの検出とは、例えば、1コピーのHTLV−1が感染している感染細胞が、正常細胞に対して、0.0009%〜0.0018%程度の低濃度で存在する検体(高い希釈率の検体)由来DNAからの、HTLV−1プロウイルスの検出をいう。また、コピー数に換算すると、HTLV−1プロウイルスゲノムが、1ウェル(500ngDNA)当たり、平均約0.675〜1.35コピー程度しか存在しない、ごく低頻度のコピー数の場合を意味する。
なお、本実施例では、正常細胞として健常人の末梢血単核球(PBMC)を使用した。
(実施例2)
<低コピーHTLV−1プロウイルスの検出>
本発明の各プライマー対による、ヒト細胞内のHTLV−1プロウイルスの検出効率、特にヒト細胞内にHTLV−1プロウイルスが低コピー存在する場合の検出効率を調べた。
本来のHTLV−1プロウイルス陽性細胞の希釈率が高くなれば、つまり、検体細胞中のHTLV−1プロウイルス陽性細胞の割合が低くなれば、当該HTLV−1プロウイルスの検出率は低くなるため、本発明のプライマーを用いた同期的PCR反応法では、どの程度の希釈率で検出限界になるかを調べることも必要である。
高精度PCR反応は、PCR装置Applied Biosystems 7500 fast(登録商標)を用いて上記と同様の条件で行った。
テスト用試料としては、上記したように、HTLV−1プロウイルスDNAが平均1.8コピー/細胞でゲノムに挿入されていることが確認されているTL−Om1細胞を、市販品のPBMC(ヒト末梢血単核球)で段階希釈して、PBMC中のTL−Om1細胞の濃度で、0.05%〜0.0005%まで希釈した検体を準備し、各希釈率の検体からゲノムDNAを抽出キット(QIAGEN DNA Blood mini or midi(登録商標))で精製し、それぞれ500ng/reactionで、10ウェルに対して合計で約7.5×10細胞分のDNAを使用した(1μgのgenomic DNAは、正常細胞の1.5×10個分に相当する。)。
なお、ネガティブコントロールとして、上記PBMC由来のDNAを使用した。
(TL−Om1細胞希釈率とHTLV−1プロウイルスDNAのコピー数との関係)
ここで、細胞希釈率(つまり全細胞中のHTLV−1陽性細胞の割合)をHTLV−1プロウイルスDNAのコピー数に換算すると、例えば、TL−Om1細胞には、1.8コピーのHTLV−1プロウイルスが内在するから、TL−Om1細胞希釈率0.0005%の場合、合計10ウェルで用いる約7.5×10PBMC細胞中に、合計約3.75のTL−Om1細胞が存在することとなり、つまり、7.5×10細胞分の抽出DNA(10ウェル分)中には、平均約6.75コピーのHTLV−1プロウイルスが存在(1.8コピー×(7.5×10細胞)×10ウェル×0.0005/100=6.75コピー)し、1ウェル当たりに換算すれば、平均約0.675コピーしか存在しない計算である。
同様に、希釈率0.001%の場合は、理論上、10ウェル全体の、7.5×10細胞中TL−Om1が7.5細胞存在することになるから、7.5×10細胞分の抽出DNA中には、約13.5コピーのHTLV−1プロウイルスが存在し、1ウェル当たりに換算すれば、平均約1.35コピーしか存在しない計算である。
なお、ここでは、一例として、1回のPCR反応を10ウェルで行う場合の、検体細胞数やDNA量を示しているが、これはあくまで目安であって、反応ウェル数は、使用するプライマー対の数等によって適宜調整される。また、1ウェル当たりのDNA量は、通常、500ng〜1000ng程度の範囲で設定可能である。これらは、他の実施例等でも同様である。
高精度PCR反応の条件、プライマーの設定、判定方法等は実施例1に記載したとおりである。
(サイクル数の検討とHTLV−1プロウイルスDNA陽性の判定方法) 表2
本願発明の実施形態では、精度を高めるために、同期的に増幅することを確認したプライマーを使用してmultipleにPCRを行った結果、38サイクル以下でCt(Threshold Cycle)値が得られたウェルをPCR陽性ウェルとし、38サイクルより大きいCt値を示したウェルを陰性とした。そして、HTLV−1プライマーを用いたウェルのうち、複数(2カ所以上)のウェルで陽性が出た場合にHTLV−1プロウイルス陽性と判断した。
なお、表中のUDは、undeterminedの略である。
また、これ以後の実施例でも、HTLV−1プロウイルスDNA陽性の判断は、同様の方法で行った。
Figure 2015058004
(結果)
表2の実験において、希釈率0.001%では、LTR215、021、071、084、092、109、pX2の7つのプライマー対で、Ct値38サイクル以下で陽性と検出することができた。また、更に希釈した希釈率0.0005%では、LTR215、021、109、184の4つのプライマー対で、Ct値38サイクル以下で陽性と検出できた。なお、表2で、Ct値が38サイクルより大きいものは、陽性判定の対象から除外している。
つまり、上記希釈率と検出率との関連実験から、10ウェル分の検査すべき検体(約7.5×10細胞)中に、HTLV−1プロウイルスのコピー数が約10〜15程度存在すると計算される場合(希釈率0.001%、1ウェル当たり平均1.35コピー)、LTR215、021、071、084、092、109、pX2の7つのプライマー対の組合せが、HTLV−1プロウイルス有無の判定に有用であった。
また、さらに低頻度で、10ウェル分の検査すべき検体(約7.5×10細胞)中に、コピー数が約5〜9程度存在する場合(希釈率0.0005%、1ウェル当たり平均0.675コピー)、LTR215、109、184、021の4つのプライマー対の組合せが、HTLV−1プロウイルスの有無の判定に有用であるとの結果を得た。
そして、これら低コピーの場合でも共通して検出可能であったのは、LTR215、021、109の3つのプライマー対であった。
上記希釈率0.001%、0.0005%の場合のHTLV−1プロウイルスDNA陽性判定とプライマーとの関係をまとめると、例えば、約7.5×10細胞の検体中のHTLV−1プロウイルスが、全体で約6.75〜13.5コピー程度しかない場合(つまりウェル当たりの平均コピー数が、0.675〜1.35しかない場合)でも、少なくとも、LTR215、021、109の3つのプライマー対を用いて、高精度PCR検出法を行うことが、HTLV−1プロウイルス陽性判定のために有用であることが判明した。
この3対のプライマーに、プライマー対184を加えても良く、更に、プライマー対071、084、092、pX2を加えてもよい。また、本願発明の全てのプライマーを用いてもよい。
一方、既知のpX2プライマー対を用いて高精度PCR検出法を行うと、希釈率0.001%(1ウェル当たり1.35コピー程度)の場合では、2ウェルのうち1ウェルしか陽性とならなかった(1/2well陽性)ため、「判定不能」との結果となってしまい、また、コピー数がさらに少ない希釈率0.0005%(1ウェル当たり0.675コピー程度)の場合では、検出不能との結果であった。
上記のように、本発明の実施形態による高精度PCR検出法は、新規の10対のプライマーのうち、少なくともLTR215、021、109の3つのプライマー対を用いれば、HTLV−1プロウイルスDNAが1ウェル当たり平均約0.675コピー程度の低コピーしか存在しなくても、異なるプライマー対を用いた複数のウェルで、陽性として検出可能であるという、高感度、高精度のものであることが示された。
(実施例3、4)
上記の低コピーHTLV−1プロウイルスに対する高感度PCR実験の結果をふまえて、次に、JRC(日本赤十字社)血液センターで判定不能とされた検体を用いた、本発明の実施態様について説明する。
(検体)
JRC検体において、1次スクリーニング(CLEIA法)で陽性で、2次スクリーニング(WB法とIF法)でWB法とIF法の判定結果が異なったもの97検体(以下、「結果不一致検体」という。)を対象に、3次スクリーニングの核酸確認検査(以下、「3次核酸確認検査」、または、「3次スクリーニング」ともいう。)として従来のPCR法を行ったところ、41例が陽性(2/2well陽性:2ウェルとも陽性)、7例が判定不能(1/2well陽性:2ウェル中、1ウェルが陽性)、49例が陰性(0/2well陽性:2ウェル中、陽性ウェル無し)との結果を得た。
そこで、(1)1次スクリーニング(CLEIA法)では陽性だが、その後のスクリーニングで結果が不一致となった上記結果不一致検体の中で、従来のPCR法を用いて3次核酸確認検査を行っても依然として判定不能とされた、検出限界付近の極めて判定の難しい検体7例を「判定不能」検体群(実施例3)とし、また、(2)上記結果不一致検体の中で、従来のPCR法を用いた3次核酸確認検査で陰性とされた49例のうち23例の検体を「陰性」検体群(実施例4)として、それぞれを、本発明の、高精度PCR検出法の対象として、検討を行うこととした。
(従来のPCR法)
上記従来のPCR法とは、pX2プライマーを用いた、通常の定量PCR法である。
このPCR反応は、市販キット(QIAamp DNA Blood midiキット(登録商標)、QIAGEN社)で抽出したゲノムDNAを鋳型として、DNA量1000ng/well、PCR mixture 20μlで、PCR装置Applied Biosystems 7500 fast(登録商標)を用いて、機器のFastプログラムで95℃ 10分の後、95℃ 5秒−60℃ 30秒のPCRサーマルサイクルを40サイクル行った。
従来のPCR法での陽性の判定は、pX2プライマーを用いた2つのウェルのうち、2ウェル共に陽性とされた場合にHTLV−1プロウイルス陽性検体と判断した。2ウェル共に陽性とされなかった場合は、HTLV−1プロウイルス陰性検体とし、2ウェル中1ウェルで陽性とされた場合は、判定不能と判断した。
(DNA精製)
JRC(日本赤十字社)のHTLV−1プロウイルスPCR検査法で判定不能とされた検体群(実施例3)及び陰性とされた検体群(実施例4)の血餅500μl相当の末梢血リンパ球(PBMC)1x106−7細胞と、TL−Om1/PBMC希釈品(陽性コントロール)1x106−7細胞を対象として、QIAamp DNA Blood midiキット(登録商標)QIAGEN社)を用いて、推奨プロトコルに従いゲノムDNA(gDNA)を精製した。
(DNA濃度調整)
精製gDNAをスペクトロフォトメーター(機器名:ナノドロップ(登録商標)2000)でOD値測定により定量したのち、容積の1/5の容量の3M NaOAcを加え、1容量のイソプロパノールを加えてボルテックスし、従来のエタノール沈殿法によりgDNAを濃縮した。
エタノール沈殿により乾燥させたgDNAに対して、ナノドロップ2000測定値から換算して、200ng/μlになるように注射用水を加え、200ng/μlのgDNA溶液とした。
(PCR反応液組成 (15μl/ウェル系))
Taqman Fast Universal PCR Master Mix (2X)(登録商標)を7.5μl、左側(「第一」)プライマー、右側(「第二」)プライマー(各10μM)をそれぞれ0.6μl、Taqmanプローブ(登録商標)(10μM)を0.3μl、DW(注射用水)を1.0μl、genomic DNAを1μg(200ng/μlの場合は5μl)加え、1ウェルあたり全量15μlの反応液とした。
1検体あたりプライマーと検出プローブを加えていない反応Mixを18ウェル分調整し、それぞれのウェルへ13.5μlずつ分注した。次にプライマーと検出プローブのMixをそれぞれに相当するウェルに1.5μl(0.6+0.6+0.3μl)分注し、反応液とした。
(プライマー)(表1、参照)
本検出方法では、新規の20のオリゴヌクレオチドつまり、新規の10対のプライマーと、そのための10のTaqmanプローブ(登録商標)のセット、及び、4対の内部コントロール用プライマーと4つのTaqmanプローブ(登録商標)のセットを含む、キットを提供することができる。
さらに、上記プライマーとTaqmanプローブ(登録商標)とのセットに、pX2プライマーとそのためのTaqmanプローブ(登録商標)のセットを、加えても良い。
また、検出用プローブは、他の代替となるものでもよい。
プライマーやプローブと配列番号との関係等は、表1に記載した。
(高精度PCR反応)
PCR装置Applied Biosystems 7500 fast(登録商標)を用いて、機器のFastプログラムで95℃ 10分の後、95℃ 5秒−60℃ 30秒のPCRサーマルサイクルを40サイクル行った。内部コントロール(I.C.)として、S19−40、L11−20、RAG1−32の各プライマー及び各検出プローブを用いた(表1、参照)。
今回は、反応系は1μg/wellで、15μlの系を用い、HTLV−1用プライマーは、新規の10対のプライマー(計10ウェル:各ウェル毎に1対のプライマー)、及び、1対のpX2プライマー対(計2ウェル)で、HTLV−1検出用ウェルは合計12ウェル(合計12μgDNA)、内部コントロール(I.C.)用は3ウェル、DWのみは1ウェルとした。
上記検体から得たDNAに関し、実際に、HTLV−1検出用PCR反応を、1検体について最大10対の新規プライマー及び1対の既知のpX2プライマー(計2ウェル)を用いて、反応を一度に同期的に行うことができることは、図2a〜図2cの場合と同様に、確認済みである。
(判定法)
本願発明の実施態様では、上記のように、精度を高めるために、同期的に増幅することを確認したプライマーを使用してmultipleにPCRを行うことで、簡便に高感度を達成することができ、下記の試験を行った結果、38サイクル以下でCt(Threshold Cycle)値が得られたウェルをPCR陽性ウェルとし、38サイクルより大きいCt値は陰性とした。
そして、10対の新規プライマー(10ウェル)及び1対のpX2プライマー(2ウェル)の反応ウェル全体(合計12ウェル)の中で、少なくとも複数(2ウェル以上)で陽性が出た場合に、HTLV−1核酸陽性と判断した。一方、従来法の、pX2プライマーによるPCRについての判定は、従来通り、2ウェルとも陽性となった場合に、HTLV−1核酸陽性と判断した。
(実施例3) 表3
<JRC(日本赤十字社)判定不能検体(検出限界付近検体)を用いた検討>
(検体)
1次スクリーニング(CLEIA法)では陽性だが、その後のスクリーニングで結果が不一致となった上記結果不一致検体の中で、従来のPCR法を用いて3次核酸確認検査を行っても依然として判定不能とされた、検出限界付近の極めて判定の難しい検体(判定不能検体)7例(#210、#226、#240、#254、#261、#263、#308)を対象とした。
なお、陽性コントロールとして、PBMC細胞(ヒト末梢血単核球(市販品))中に0.8%濃度または0.02%濃度のTL−Om1細胞を含むサンプル由来DNAを使用し、陰性コントロールとしてPBMC由来のDNAを用いた。
本願発明に係る新規プライマー10対とpX2プライマーとを用いて、上記の条件で高精度PCR検出法行い、その結果を得た。
Figure 2015058004
表3は、本願発明に係る10の新規プライマー対を各ウェルで反応させた場合、及び、既知のpX2プライマー対を2つのウェルで反応させた場合(従来PCR法の高精度PCR適用例)で、検出プローブを用いて同時に高精度PCR検出法を行った結果得られたCt値を示す。
なお、前記したように、38サイクル以下でCt値が得られたウェルをPCR陽性ウェルとし、38サイクルより大きいCt値は陰性ウェルとして、2以上のウェルが陽性の場合、陽性検体と判定した。また、表中のUDは、undeterminedを意味する。
表3に示したように 依然としてとして判定不能の7検体において、まず、既知のpX2プライマーで高精度PCR検出法を行った場合、#254、の1検体が唯一陽性と判定され、陽性判定率は1/7=14.3%であった。
なお、このpX2プライマーは、従来のPCR法で使用されている既知のプライマーと同じであるが、上記したように、本願発明の初期のプライマースクリーニングで、同期的に増幅可能な11対のプライマー群の1つとして、他の新規のプライマーと共に選別されたものでもある。
一方、本発明の新規プライマーを用いた場合は、#210、#226、#261、#308、の4検体で陽性と判定され、陽性判定率は4/7=57.1%と高値であった。更に、本発明の新規プライマーとpX2プライマーを組合せた場合、#210、#226、#254、#261、#308、の5検体で陽性と判定され、陽性判定率は5/7=71.4%と一層高い値となった。
詳しく検討すると、今回用いた、JRCの、陽性判定された1次スクリーニング後のスクリーニング結果が不一致な検体中、3次確認検査である従来PCR法では陽性・陰性の判定ができずに判定不能等とされた、判定不能検体において、高精度PCR検出法によれば、HTLV−1プロウイルスの有無の判定に関しては、新規のプライマーのうち、LTR215、021、109、の3対のプライマーで、2件の検体を陽性と判定することができた。その陽性判定率は28.6%であった。
また、LTR215、021、056、109、153、184の6対のプライマーでは、陽性判定率42.6%、LTR215、021、056、109、153、184、pX2の7対のプライマー、あるいは、LTR215、021、056、101、109、153、184の7対のプライマーでは、陽性判定率57.1%であり、更に、LTR215、021、056、109、153、184、pX2、pX2の8対のプライマーでは、陽性判定率71.4%との非常に高い陽性判定率を得ることができた。
以上の結果から、JRCが用いるスクリーニング法では判定不能、判定保留等とされてしまう検体でも、本願発明に係る複数のプライマー対を用いた高精度PCR検出法を用いることによって、明確に陽性判定結果を得ることができ、迅速に、高精度にHTLV−1プロウイルスキャリアを判断できるという、格別な有用性が、実際の検体を用いて実証することができた。
(実施例4) 表4
<JRC(日本赤十字社)従来PCR法での陰性検体を用いた検討>
(検体)
上記JRCの、陽性判定された1次スクリーニング後のスクリーニング結果が不一致な検体中、従来PCR法では陰性(陽性なし)とされた、陰性検体、23例に関して検討を行った。
本願発明に係る新規プライマー10対とpX2プライマーとを用いて、上記の条件で高精度PCR検出法行い、その結果を得た。
Figure 2015058004
表4は、本願発明に係る10の新規プライマー対を各ウェルで反応させた場合、及び、既知のpX2プライマー対を2つのウェルで反応させた場合(従来PCR法の高精度PCR適用例ともいえる)で、検出プローブを用いて同時に高精度PCR検出法を行った結果得られたCt値の一部を示す。
なお、表3と同様、前記したように、38サイクル以下でCt値が得られたウェルをPCR陽性ウェルとし、38サイクルより大きいCt値は陰性ウェルとして、2以上のウェルが陽性の場合、陽性検体と判定した。
表4に一部示したように 3次核酸確認検査の従来PCR法で陰性とされた23検体において、既知のpX2プライマーを用いた場合は、定量性に優れた高精度PCR検出法を行っても、HTLV−1プロウイルス陽性であるとの結果を得ることはできなかった(陽性検出率=0/23=0%)。
なお、pX2プライマーは、上記したように、本願発明の初期のプライマースクリーニングで、同期的に増幅可能な11対のプライマー群の1つとして、他の新規のプライマーと共に選別されたものでもある。
以上の様に、pX2プライマーを用いた高精度PCR検出法でも陽性と判定できなかったにもかかわらず、本発明の新規プライマーを用いた場合は、3検体(#162、#177、#187)で陽性と判定され、さらにpX2プライマーも組合せた場合は、4検体(#161、#162、#177、#187)で陽性と判定された。
つまり、やはり、従来のpX2プライマーによるPCR法では、例え、本願発明で用いる高精度PCR検出法を適用したとしても、潜在するHTLV−1プロウイルスのゲノムを検出することに限界があることが判明し、他方、本願発明に係るプライマーを用いることの有用性が明確になった。
本実施例では、新規プライマーの、021、056、109、153、184、あるいは、pX2プライマーが判定に有用であった。
以上のことから、1次スクリーニング(CLEIA法)では陽性だが、その後のスクリーニングで結果が不一致となり、3次核酸確認検査で陰性(異常なし)とされた検体、つまり、HTLV−1キャリアでないと判定されかねない検体の中で、少なくとも17.4%(4/23)の検体は、本願発明に係る高精度PCR検出法を用いれば、陽性、つまり、HTLV−1プロウイルスのキャリアであると判定可能であるという極めて重要な知見を得た。
潜在するキャリアの発見、及びキャリアによるHTLV−1感染の拡大の防止のためにも、本願発明の高精度PCR検出法が大変有用であることが実際の検体を用いて実証された。
以上、実施例3の、JRCの各種スクリーニングの後、従来PCR法による3次核酸確認検査後でも判定不能とされた判定不能検体での結果、及び、実施例4の、JRCの各種スクリーニングの後、従来PCR法による3次核酸確認検査で陰性(異常なし)と判定された陰性検体での結果から、本願発明に係る10対の新規プライマーのうち、例えば、021、056、109、153、184の5つの組合せ、あるいは、さらに、pX2を加えた組合せが、HTLV−1プロウイルスのキャリア検出に有用であった。
(実施例5)
<欠失型プロウイルス検体(#223)の検出>
前記したように、ATLの発症とHTLV−1ウイルスの欠失型変異との関連性が強く指摘されており、欠失型プロウイルスの検出ができれば大変有用であることから、この様な可能性のある検体を対象として、本発明の各プライマー対を用いた高精度PCR検出法による検出能について検討した。
なお、HTLV−1プロウイルスの欠失型変異は、ATL発症患者の40−60%で検出され、欠失がATL発症に大きく関わっていること、また、欠失にはタイプ1(5’末端側の一部欠失、5’末端側LTRは残存)とタイプ2(5’末端側LTRを含め一部欠失)が知られている(非特許文献3)。
(検体)
JRC検体中で、1次スクリーニングで陽性、2次スクリーニングのWB法で陽性、IF法で判定保留となり、JRC基準で判定保留とされた11例の検体を対象とし、上記と同様の方法でDNAの精製、濃度調整等を行った。
本願発明に係る新規プライマー10対とpX2プライマーとを用いて、上記と同様の条件で高精度PCR検出法を行い、その結果を得た。
図3に示されている様に、上記のWB法で陽性となった11検体は、すべてHTLV−1プロウイルスの存在が確認され、さらにその中の1例(#223)では、HTLV−1プロウイルスの一部において、プライマー対021、056、071、084、092、101、109の増幅標的領域に欠失(タイプ1)の存在を示す結果を得た。
なお、図3において、縦軸はCt値(Cycles)、横軸は各プライマー対を示す。
(Long−PCRおよびダイレクトシーケンス法によるHTLV−1プロウイルス欠失型の検証)
上記高精度PCR検出法による判定結果の有効性を検証するために、本願発明のプライマーセットの中から、上記欠失領域を挟むプライマー(LTR215F、153R)を選択し、これらをプライマー対として、KOD FX(登録商標)(PCR酵素:東洋紡株式会社)で、全長約6.3kbをカバーするlong−PCRを行ったところ、HTLV−1プロウイルス欠失タイプ1が存在することが明確になった。また、高精度PCR検出法での結果と同様、別途、完全長型のHTLV−1プロウイルスも存在していた。
また、このPCR増幅産物に関して、ダイレクトシーケンス法により塩基配列を決定した結果、この欠失は、AKT−1(ATLから分離されたHTLV−1ウイルス)配列の、nt1406−6074(4669塩基)に相当する領域の欠失であることが判明した。
以上のことから、本願発明の高精度PCR検出法により検体中に認められた、HTLV−1プロウイルスの欠失タイプ1との結果は、long−PCRおよびダイレクトシーケンス法による実験結果からも確証が得られ、本願発明のプライマーを用いた高精度PCR検出法は、欠失タイプ検出においてもその有用性が実証された。
このHTLV−1プロウイルスの欠失には、タイプ1(5’末端側の一部欠失、5’末端側LTRは残存)の他、タイプ2(5’末端側LTRを含め一部欠失)もあることが知られており、欠失タイプ2は、検体が入手不能のため実際に検討はできなかったが、タイプ1の欠失領域からさらに5’末端側LTRを含めて欠失しているタイプであるから、当然、本願発明のプライマーを用いた高精度PCR検出法で、タイプ1と同様に検出可能であると判断され得る。
つまり、本願発明のプライマーを用いた高精度PCR検出法は、ATL発症と深い関連性のあるHTLV−1プロウイルスの欠失型の検出が可能であることから、HTLV−1プロウイルスキャリアの検出だけでなく、HTLV−1プロウイルスの欠失型の診断に用いることができる。引いては、欠失型によるATL発症の発見にも利用できる可能性がある。
上記したように、HTLV−1プロウイルスの欠失型変異は、ATL発症患者の40−60%で検出され、欠失がATL発症に大きく関わっていることが考えられるため、この欠失型変異が、本願発明による、HTLV−1キャリア検出のためのスクリーニング中で発見できたことによって、本願発明は、HTLV−1キャリア検出だけでなく、同時に、ATL発症者の早期発見にも寄与し得る、大変有意義なものであるといえる。
このように、本願発明のプライマーを用いた高精度PCR検出法は、HTLV−1プロウイルスの検出に関して、1感染細胞に1コピーのHTLV−1プロウイルスが存在するとした場合、感染細胞を0.0018%程度しか含まない様な、低コピーの検体(1ウェル当たり1.35コピー程度)であっても、さらに、感染細胞を0.0009%程度しか含まない様な、超低コピーの検体(1ウェル当たり0.675コピー程度)であっても、検出可能であるだけではなく、JRC1〜3次スクリーニングで判定保留、判定不能又は陰性の、検討が困難な検体であっても、あるいは、DNA欠失型変異であっても、高感度かつ高精度に検出可能であることが示された。
なお、当該感染細胞濃度とコピー数の関係は、上記実施例2の、細胞当たり1.8コピーのHTLV−1プロウイルスDNAを有するTL−Om1の細胞濃度と検出効率に関する結果から算出したものである。
Figure 2015058004
(プライマーと検出頻度との関係)
以上の結果から、表5にも示したように、従来のpX2プライマーに比べ、本願発明の高精度PCR検出法において、
(1)少なくとも、021、109の2対のプライマーを用いることによって、1コピーのHTLV−1プロウイルス内在細胞が正常細胞中に0.0018%、0.0009%という低頻度で存在しても、陽性と判定することが可能であること、及び、JRCで3次核酸確認検査でも判定不能であった検体中の一部を陽性と判定可能であること、
(2)少なくとも、LTR215、021、109の3対のプライマーを用いることによって、HTLV−1プロウイルス内在細胞が低頻度で存在しても、陽性と判定することが可能であること、JRCで3次核酸確認検査でも判定不能であった検体でも、3割程度は陽性と判定可能であること、さらに、HTLV−1プロウイルスが欠失型であっても、陽性と判定可能で、かつ欠失タイプ1も判別可能であること、
(3)少なくとも、LTR215、021、056、109、153、184の6対のプライマーを用いることによって、HTLV−1プロウイルス内在細胞が低頻度で存在しても、陽性と判定可能であること、JRCで3次核酸確認検査でも判定不能の検体でも、4割程度は陽性と判定可能であること、3次核酸確認検査で陰性とされた検体でも陽性であることを突き止められること、さらに、HTLV−1プロウイルスが欠失型であっても、陽性と判定可能で、かつ異なる欠失タイプも判別可能であること等、がわかった。
また、少なくとも、LTR215、021、056、109、153、184、pX2、pX2の8対のプライマーを用いることによって、HTLV−1プロウイルス内在細胞が低頻度で存在しても陽性と判定可能であること、JRCで3次核酸確認検査でも判定不能の検体でも、7割程度は陽性と判定可能であること、3次核酸確認検査で陰性とされた検体でも陽性であることを突き止められること、さらに、HTLV−1プロウイルスが欠失型であっても、陽性と判定可能で、かつ異なる欠失タイプも判別可能であること等、がわかった。
また、必要に応じて上記プライマーの組合せを変えて、long−PCR用プライマーを設定して、欠失領域の確認のためのlong−PCRを実行することも可能である。
以上のことから、本願発明は、HTLV−1プロウイルスの検出に関して、他に代え難いほど有用で、顕著な効果を有する。
本願発明は、上記プライマーの組合せを、セットとすることができ、また、これらプライマーや検出プローブを含むHTLV−1プロウイルス検出のためのキットとすることも可能である。
また、本願発明は、上記の様なプライマーを用いたHTLV−1プロウイルスの検出方法を実行する、システムや装置についても、その技術的範囲に含むものである。
このように、本願発明は、従前の1次〜3次スクリーニング検査では、HTLV−1プロウイルスの存在が判定不能な検体や、陰性とされた検体でも、また、欠失型HTLV−1プロウイルス含有検体でも、単独で、迅速かつ高感度・高精度な検出・判定が可能な、利便性の高いものである。
上記実施例を鑑みれば、当業者であれば、本願発明の高精度PCR検出法を用いた、HTLV−1検出方法に特化して、プログラミングすることもできるし、そのためのシステムとすることも可能である。
本明細書で引用した、すべての特許文献、非特許文献および物品、参照文献、参照マニュアル等は、本発明が関係する分野の状態をより完全に説明するためにその全体を参照により本明細書に取り込む。
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、上記の主題に種々の変更を行うことができるので、上記説明に含まれるかまたは添付の特許請求の範囲で定義されるすべての主題は本発明の記述および例示として解釈されることが意図される。本発明の多くの修飾および変更が上記教示に照らして可能である。
本明細書の実施例は、本発明を実施する種々の側面を例示することを意味し、本発明の範囲をいずれの方法においても制限することを意図せず、種々の変形及び応用が可能である。実施例には、使用される従来法の詳細な説明は含まれない。このような方法は、当業者に周知であり、多くの刊行物、例えばJ. Sambrook and D. W. Russell, Molecular Cloning: a Laboratory Manual, 3rd Edition, USA, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001(非特許文献4)に説明されている。

Claims (15)

  1. 配列番号3、4、15、16の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を有する配列を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチド。
  2. 配列番号1、2の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列をさらに含む、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
  3. 配列番号5、6、17〜20の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列をさらに含む、請求項2記載のオリゴヌクレオチド。
  4. 配列番号21、22の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列をさらに含む、請求項3記載のオリゴヌクレオチド。
  5. 配列番号7〜14の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列をさらに含む、請求項4記載のオリゴヌクレオチド。
  6. 配列番号3、4、15、16の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を有する配列を含むプライマーを含有することを特徴とする、HTLV−1プロウイルスを検出するためのキット。
  7. 配列番号1、2の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列を有するプライマーをさらに含有する、請求項6記載のキット。
  8. 配列番号5、6、17〜20の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列を有するプライマーをさらに含有する、請求項7記載のキット。
  9. 配列番号21、22の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列を有するプライマーをさらに含有する、請求項8記載のキット。
  10. 配列番号7〜14の各標的結合配列からなるHTLV−1プロウイルス標的結合配列を含有する配列を有するプライマーをさらに含有する、請求項9記載のキット。
  11. 配列番号23〜33の配列からなる検出プローブのうち、請求項6〜10のいずれかに記載のプライマーのための検出プローブをさらに含有する、請求項10記載のキット。
  12. 内部コントロールプライマーとその検出プローブをさらに含有する、請求項11記載のキット。
  13. 臨床サンプル中のHTLV−1プロウイルス標的結合配列の存在を検出する方法であって、前記方法が、
    (a)請求項1〜5のいずれかに記載のオリゴヌクレオチドからなるプライマー対入りの各ウェル内に前記臨床サンプル由来DNAを添加して、増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物を産生する工程、
    (b)前記増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物とCt値を検出する工程、および、
    (c)前記Ct値が基準値内の時に、2ウェル以上の、前記増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物の検出を指標として、サンプル中のHTLV−1プロウイルスの存在の有無を確認する工程、
    を含むことを特徴とする、方法。
  14. 臨床サンプル中のHTLV−1プロウイルス標的結合配列の存在を検出するためのシステムであって、
    請求項1〜5いずれかに記載のオリゴヌクレオチドからなるプライマー対入りの各ウェル内に前記臨床サンプル由来DNAを添加して、増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物を産生する手段と、
    前記増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物とCt値を検出する手段と、
    前記Ct値が基準値内の時に、2ウェル以上の、前記増幅されたHTLV−1プロウイルス核酸生成物の検出を指標として、サンプル中のHTLV−1プロウイルスの存在の有無を確認する手段と、
    を有する、システム。
  15. 請求項13記載の方法の工程(a)、(b)および(c)を実行するように適合されたコンピュータプログラム。
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