JP2015056947A - 駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1監視部65は、駆動力演算部62の異常を監視する。第2監視部71は、第1監視部65の異常を監視する。駆動力調停部63は、第1監視部65および第2監視部71による異常判定結果に応じ、MGから出力される駆動力を制限する。駆動力演算部62および第1監視部65は、CPU60により構成される。第2監視部71は、監視IC70により構成される。駆動力調停部63は、第1監視部65が異常である場合、駆動力出力値Pbを第1制限値以下とし、駆動力演算部62が異常である場合、MGによる駆動力の生成を停止する。第2監視部71が、CPU60とは別に設けられる監視IC70により構成されるので、第2監視部71のハードウェアとしての独立性を確保できる。また、異常箇所に応じて車両の駆動を適切に制御できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、異常箇所に応じて適切に制御可能な駆動力制御装置を提供することにある。
駆動力演算手段は、ドライバ操作情報に基づき、駆動源から出力される駆動力に係る目標駆動力を演算する。
駆動力調停手段は、第1監視手段および第2監視手段による異常判定結果に応じ、駆動源から出力される駆動力を制限する。
駆動力調停手段は、第1監視手段の異常が検出された場合、前記目標駆動力を制限した値である駆動力出力値を、駆動源から出力可能な最大値より小さい値である第1制限値以下とする。駆動力調停手段は、駆動力演算手段の異常が検出された場合、駆動源による駆動力の生成を停止する。
また、駆動力調停手段は、異常箇所に応じ、駆動源から出力される駆動力を制限しているので、異常箇所に応じ、車両の駆動を適切に制御することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による駆動力制御装置を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による車両制御システム1は、モータジェネレータ(以下、「MG」という。)20、インバータ30、電力供給源としてのバッテリ40、リレー部45、および、駆動力制御装置としてのECU50から構成され、車両90に搭載される。
MG20の駆動により生じる駆動力は、ギア91および車軸92を介して駆動輪93を回転させる。
図2に示すように、上位EUC51は、第1演算部としてのCPU60および第2演算部としての監視IC70を有する。
CPU60は、入力処理部61、駆動力演算部62、駆動力調停部63、第1監視部65、および、第1フェイルセーフ部69を有する。
駆動力演算部62は、ドライバ操作情報および車速情報等に基づき、MG20から出力する駆動力に係る目標駆動力Paを演算する。
駆動力調停部63は、後述の異常判定結果に応じ、目標駆動力Paを制限し、MG20から出力される駆動力を制限する。具体的には、異常判定結果に応じ、目標駆動力Paを制限した値である駆動力出力値PbをMG−ECU52へ出力する。MG−ECU52は、駆動力出力値Pbに基づき、MG20の駆動を制御する。
システム診断部66は、ドライバ操作情報等に基づき、監視用駆動力Psを演算し、駆動力演算部62にて演算される目標駆動力Paと比較することにより、駆動力演算部62の異常を監視する。監視用駆動力Psの演算は、駆動力演算部62における演算と同様の演算としてもよいし、簡易的な演算としてもよい。また、システム診断部66は、駆動力演算部62が異常であると判定した場合、駆動力演算部異常フラグFlg1を第1フェイルセーフ部69へ出力する。
第1フェイルセーフ部69は、第1監視部65から駆動力演算部異常フラグFlg1が出力された場合、駆動力出力値Pbをゼロにする旨の駆動力制限信号C0を駆動力調停部63へ出力するとともに、リレー部45を遮断する旨の遮断信号Csをリレー部45へ出力する。
また、第1フェイルセーフ部69は、第1監視部65から第2監視部異常フラグFlg2が出力された場合、目標駆動力Paの上限値を第2制限値P2に制限する旨の駆動力制限信号C2を駆動力調停部63へ出力する。第2制限値P2は、モータジェネレータ20から出力可能な最大値であるシステム最大値Pmax以下の値であって、後述の第1制限値P1より大きい値とする。
第2監視部71は、テスト結果評価部72を有する。
テスト結果評価部72は、機能テスト部67とデータ通信可能に構成され、CPU60および第1監視部65の異常を監視する。テスト結果評価部72は、CPU60が異常であると判定した場合、CPU異常フラグFlg3を第2フェイルセーフ部79へ出力する。またテスト結果評価部72は、第1監視部65が異常であると判定した場合、第1監視部異常フラグFlg4を第2フェイルセーフ部79へ送信する。
また、第2フェイルセーフ部79は、第2監視部71から第1監視部異常フラグFlg4が出力された場合、目標駆動力Paの上限値を第2制限値P2より小さい第1制限値P1にする旨の駆動力制限信号C1を駆動力調停部63へ出力する。第1制限値P1は、システム最大値Pmaxおよび第2制限値P2より小さい値であって、退避走行が可能な程度の駆動力に相当する値とする。
ここで、機能テスト部67とテスト結果評価部72とによる相互監視について説明する。
まず、機能テスト部67は、予め設定される判定用データをテスト結果評価部72に送信する。テスト結果評価部72は、受信した判定用データが適切か否かを判定する。受信した判定用データが適切でない場合、第1監視部65が異常であると判定し、第1監視部異常フラグFlg4を第2フェイルセーフ部79へ出力する。判定用データが適切である場合、第1監視部65が正常であると判定し、受信した判定用データに応じた回答用データを機能テスト部67へ送信する。
なお、テスト結果評価部72では、判定用データが送信されてこない場合、CPU60の異常であると判定し、CPU異常フラグFlg3を第2フェイルセーフ部79へ出力する。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、駆動力演算部62は、ドライバ操作情報等に基づき、目標駆動力Paを算出する。
これにより、駆動力出力値Pbは、第2制限値P2以下に制限される。
ここでは、第2監視部71に異常が生じているものの、CPU60は正常であり、第1監視部65による駆動力演算部62の異常監視が可能であるため、MG20からの出力される駆動力が第2制限値P2以下となるようにMG20を制御する。
ここでは、駆動力演算部62は正常であるものの、第1監視部65に異常が生じており、駆動力演算部62を監視できない状態となっているため、MG20から出力される駆動力が退避走行可能な程度の値である第1制限値P1以下となるようにMG20を制御する。
なお、図4は、各異常フラグのセット状態と駆動力出力値Pbの上限値との関係を説明するものであって、経時的な変化を意味するものではない。すなわち、図4では、例えば第2監視部異常フラグFlg2についていえば、一旦セットされたフラグが、時間経過に伴ってリセットされることを意味するものではない。第1監視部異常フラグFlg4についても同様である。
第2監視部異常フラグFlg2がセットされると、駆動力出力値Pbの上限値は、システム最大値Pmax以下の値である第2制限値P2に制限される。
第1監視部異常フラグFlg4がセットされると、駆動力出力値Pbの上限値は、第2制限値P2より小さい値である第1制限値P1に制限される。
すなわち、CPU60または駆動力演算部62が異常である場合、どのような出力が要求されるかわからないので、駆動力出力値Pbをゼロにするとともに、リレー部45を遮断する。これにより、MG20からの出力がゼロに制限される。
さらにまた、第2監視部71が異常である場合、CPU60内の監視体系には異常がないので、第2制限値P2以下の範囲内にて、MG20からの出力を継続する。これにより、過度な駆動力制限を行うことなく、適切に車両90の駆動を制御することができる。ただし、ハードウェアとしての冗長性がなくなっているので、例えばウォーニングランプ等により運転者に異常が生じていることを通知することが望ましい。
駆動力演算部62は、ドライバ操作情報に基づき、駆動源から出力される駆動力に係る目標駆動力Paを演算する(図3中のS101)。
第2監視部71は、第1監視部65の異常を監視する(S106)。
駆動力調停部63は、第1監視部65および第2監視部71による異常判定結果に応じ、MG20から出力される駆動力を制限する(S105、S107、S109)。
駆動力調停部63は、第1監視部65の異常が検出された場合(S106:YES)、目標駆動力Paを制限した値である駆動力出力値Pbを、MG20から出力可能な最大値であるシステム最大値Pmaxより小さい値である第1制限値P1以下とする(S107)。
駆動力調停部63は、駆動力演算部62の異常が検出された場合(S108:YES)、MG20による駆動力の生成を停止する(S109)。
また、駆動力調停部63は、異常箇所に応じ、MG20から出力される駆動力を制限している。具体的には、第1監視部65が異常である場合、駆動力演算部62の監視を継続できないので、MG20から出力される駆動力を、例えば退避走行可能な程度に制限する。また、駆動力演算部62が異常である場合、どのような出力が要求されているかが分からないため、MG20から駆動力が出力されないようにする。これにより、異常箇所に応じ、車両90の駆動を適切に制御することができる。
駆動力調停部63は、第2監視部71の異常が検出された場合(S104:YES)、駆動力出力値Pbをシステム最大値Pmax以下であって、第1制限値P1より大きい値である第2制限値以下とする。
駆動力調停部63は、CPU60により構成される。これにより、異常箇所に応じて制限された駆動力出力値PbをCPU60から出力し、MG20の駆動を適切に制御することができる。
駆動力調停部63は、CPU60の異常が検出された場合(S102:YES)、MG20による駆動力の生成を停止する(S103)。
これにより、CPU60が異常である場合、どのような出力が要求されているかが分からないため、MG20から駆動力が出力されないようにし、車両90の駆動を適切に制御することができる。
駆動力演算部62またはCPU60の異常が検出された場合(S102:YESまたはS108:YES)、駆動力調停部63は、駆動力出力値Pbをゼロとする。
駆動力演算部62の異常が検出された場合(S108:YES)、第1フェイルセーフ部69は、リレー部45を遮断する(S108:YES)。また、CPU60の異常が検出された場合(S102:YES)、第2フェイルセーフ部79は、リレー部45を遮断する(S103)。
これにより、駆動力演算部62またはCPU60に異常が生じた場合、駆動力出力値Pbをゼロとするとともに、バッテリ40からMG20への電力供給を遮断することにより、MG20からの出力を確実に停止することができる。
また、図3中のS101が「駆動力演算手段」の機能としての処理に対応し、S104、S108が「第1監視手段」の機能としての処理に対応し、S102、S106が「第2監視手段」の機能としての処理に対応し、S103、S105、S107、S109が「駆動力調停手段」の機能としての処理に対応し、S103、S109が「遮断手段」の機能としての処理に対応する。
本発明の第2実施形態による駆動力制御装置を図5に基づいて説明する。
本実施形態では、駆動力出力値Pbが第1実施形態と異なっているので、この点を中心に説明する。
本実施形態では、上限値の制限に加え、駆動力出力値Pbの傾きを制限する。
図5中にて、異常が検出されていない場合の駆動力出力値Pbを実線L0、第1監視部65の異常が検出された場合の駆動力出力値Pbを実線L1、第2監視部71の異常が検出された場合の駆動力出力値Pbを実線L3にて示す。また、実線L0の傾きをA0とし、実線L1の傾きをA1とし、実線L2の傾きをA2とする。
また、第1監視部65の異常が検出された場合(図3中のS106:YES)、駆動力出力値Pbの傾きA1を、第2監視部71の異常が検出された場合の傾きA2以下とする。
また本実施形態では、異常判定結果に応じ、駆動力出力値Pbの傾きを制限している。これにより、異常が検出された場合、より安全側にて車両90の駆動制御を継続することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(ア)上記実施形態では、駆動力調停部63は、CPU60により構成される。他の実施形態では、駆動力調停部63は、MG−ECU52により構成してもよい。すなわち、駆動力制御装置であるECU50は、CPU60および監視IC70を備える上位ECU51とは別に、MG20の駆動を制御するMG−ECU52を含み、駆動力調停部63は、MG−ECU52により構成される。この場合、上位ECU51が「第1制御部」に対応し、MG−ECU52が「第2制御部」に対応する。駆動力出力値Pbは、MG−ECU52内にて、内部的に出力される。異常箇所に応じた駆動力の制限をMG−ECU52にて行うことにより、CPU60からの出力を多機能化する必要がなくなり、CPU60の構成を簡素化することができる。
(ウ)上記実施形態では、駆動力制御装置は、上位ECUおよびMG−ECUから構成される。他の実施形態では、駆動源としてエンジンを含む場合、さらにエンジンECUを含んでもよい。この場合、第2制御部をエンジンECUおよびMG−ECUから構成してもよい。また、駆動力制御装置を1つの制御部にて構成してもよい。
(オ)上記実施形態では、駆動力演算部、システム診断部および機能テスト部がCPUにより構成され、テスト結果評価部が監視ICにより構成される。他の実施形態では、機能テスト部は、監視ICにより構成してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
40・・・バッテリ(電力供給源)
50・・・ECU(駆動力制御装置)
60・・・CPU(第1演算部)
62・・・駆動力演算部(駆動力演算手段)
63・・・駆動力調停部(駆動力調停手段)
65・・・第1監視部(第1監視手段)
69・・・フェイルセーフ部(遮断手段)
70・・・監視IC(第2演算部)
71・・・第2監視部(第2監視手段)
Claims (8)
- モータジェネレータ(20)を含む駆動源を備える車両(90)を制御する駆動力制御装置(50)であって、
ドライバ操作情報に基づき、前記駆動源から出力される駆動力に係る目標駆動力を演算する駆動力演算手段(62)と、
前記駆動力演算手段の異常を監視する第1監視手段(65)と、
前記第1監視手段の異常を監視する第2監視手段(71)と、
前記第1監視手段および前記第2監視手段による異常判定結果に応じ、前記駆動源から出力される駆動力を制限する駆動力調停手段(63)と、
を備え、
前記駆動力演算手段および前記第1監視手段は、第1演算部(60)により構成され、
前記第2監視手段は、第2演算部(70)により構成され、
前記駆動力調停手段は、
前記第1監視手段の異常が検出された場合、前記目標駆動力を制限した値である駆動力出力値を、前記駆動源から出力可能な最大値より小さい値である第1制限値以下とし、
前記駆動力演算手段の異常が検出された場合、前記駆動源による駆動力の生成を停止することを特徴とする駆動力制御装置。 - 前記第1監視手段は、前記第2監視手段の異常を監視し、
前記駆動力調停手段は、
前記第2監視手段の異常が検出された場合、前記駆動力出力値を、前記最大値以下であって前記第1制限値より大きい値である第2制限値以下とすることを特徴とする請求項1に記載の駆動力制御装置。 - 前記第2制限値は、前記最大値であることを特徴とする請求項2に記載の駆動力制御装置。
- 前記第1制限値は、退避走行可能な値に設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の駆動力制御装置。
- 前記駆動力調停手段は、前記第1演算部により構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の駆動力制御装置。
- 前記第1演算部および前記第2演算部を備える第1制御部(51)とは別に、前記駆動源の駆動を制御する第2制御部(52)を含み、
前記駆動力調停手段は、前記第2制御部により構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の駆動力制御装置。 - 前記第2監視手段は、前記第1演算部の異常を監視し、
前記駆動力調停手段は、前記第1演算部の異常が検出された場合、前記駆動源による駆動力の生成を停止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の駆動力制御装置。 - 電力供給源(40)と前記モータジェネレータとの間に設けられるリレー部(45)を遮断する遮断手段(69、79)をさらに備え、
前記駆動力演算手段または前記第1演算部の異常が検出された場合、
前記駆動力調停手段は、前記駆動力出力値をゼロとし、
前記遮断手段は、前記リレー部を遮断することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の駆動力制御装置。
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