以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<<実施形態の全体構成>>
図1は、本発明の本実施形態に係る伝送システム1の概略図である。
また、伝送システムには、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、画像又は音声通信を用いたテレビ会議システムやテレビ電話システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理システム、及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム、又は伝送システムにも適用される。
まず、図1に示されている伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa,10ab,…)、各伝送端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)、伝送管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100によって構築されている。
複数の伝送端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び/又は音声データの送受信による伝送を行う。
なお、以下では、「伝送管理システム」を単に「管理システム」として表す。また、複数の伝送端末(10aa,10ab,…)のうち任意の伝送端末は、「伝送端末10」と表され、複数のディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイは「ディスプレイ120」と表され、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)のうち任意の中継装置は「中継装置30」と表されている。更に、テレビ会議の開始を要求する要求元としての端末は「要求元端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての端末は「宛先端末」と表されている。
また、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションが確立される。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。
図1に示されている中継装置30は、複数の伝送端末10の間で、コンテンツデータの中継を行う。管理システム50は、伝送端末10からのログイン認証、伝送端末10の通話状況の管理、宛先リストの管理等、及び中継装置30の通信状況等を一元的に管理する。なお、画像データの画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画の両方であってもよい。
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、伝送端末10に各種機能を実現させる(又は、伝送端末10を各種手段として機能させる)ための伝送端末用プログラムが記憶され、伝送端末10に伝送端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させる(又は、中継装置30を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHD204には、管理システム50に各種機能を実現させる(又は、管理システム50を各種手段として機能させる)ための伝送管理用プログラムも記憶されており、管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、伝送端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、伝送端末10、中継装置30、管理システム50、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、伝送端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、伝送端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
ところで、伝送端末(10aa,10ab,10ac,・・・)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。伝送端末(10ba,10bb,10bc,・・・)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、伝送端末(10ca,10cb,10cc,・・・)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。伝送端末10d(a,10db,10dc,・・・)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、伝送端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各伝送端末10、各中継装置30、管理システム50、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、伝送端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、各伝送端末10は、複数の事業所間での通話や、同じ事業所内の異なる部屋間での通話だけでなく、同じ部屋内での通話や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通話で使われてもよい。各伝送端末10が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
図2は、本発明の利用される利用シーンを表す。図2は、図1に示される、伝送管理システム50と、伝送端末10ab、10baと、ディスプレイ120ab、120baを表す。また、図2は、伝送端末10abを利用するユーザのユーザ端末300abと、伝送端末10baを利用する一のユーザのユーザ端末300baを表す。図2は、上述した伝送システム1を用いて、伝送端末10abと伝送端末10baとの間で、画像又は音声通信を用いたテレビ会議が行われる様子を表している。ユーザは、このようなテレビ会議システムをを利用して、セミナーや、講演や、講義や、発表会や、ライブ放送や、授業等を行うことができる。以下の例では、一の話者による、他の聴講者に対するセミナーが行われるものとして、説明を行う。しかしながら、本発明はこの例に限られず、上述した任意の形態に適用可能である。
伝送端末10abは、セミナーの話者(あるいは講師)(以下、発信者と呼ぶ)によって使用される伝送端末である。また、伝送端末10baは、セミナーの聴講者等(以下、視聴者と呼ぶ)によって使用される伝送端末である。発信者は、遠隔から、伝送端末10abを用いて、映像(画像)又は音声によって、セミナーの発表を行う。視聴者は、会議室やセミナーホール等に設置された伝送端末10baを用いて出力された、発信者からの映像又は音声を視聴することにより、セミナーを受講する。
本発明の一実施形態における伝送管理システム50は、セミナーの開始に先立ち、Web等を介して、発信者からのセミナーの登録を受け付ける。伝送管理システム50は、発信者のユーザ端末300abから、発信者によって指定された、発信者の使用する伝送端末10abに付された識別情報である端末IDや、セミナーに付されたセミナーの名称(以下、「題名」とする)等を受信する。そして、伝送管理システム50は、発信者の伝送端末10abにおける、発信用のアプリケーション(ここでは、セミナー用アプリケーション)の起動に応じて、発信者からのセミナーに係る映像データ及び受信データの受信が可能な状態となる。
図4は、セミナー用アプリケーションが、伝送管理システム50から受信した情報に基づいて、発信者の伝送端末10abの接続されたディスプレイ120abに出力する画面の表示例である。図4に示されるように、セミナー用アプリケーションは、例えば、画面の上部に、セミナーの題名を出力し、画面の左部分に、伝送端末10abのカメラの映像を出力し、画面の右部分に、後述する視聴者からのコメントを表すコメント文を表示することができる。
その後、伝送管理システム50は、Web等を介して、視聴者からのコメント登録を受け付ける。伝送管理システム50は、視聴者のユーザ端末300baから、視聴者のユーザIDを受信し、視聴者を認証することができる。次に、伝送管理システム50は、視聴者のユーザ端末300baに、登録されているセミナーの一覧を出力する。そして、伝送管理システム50は、ユーザ300ba端末から、視聴者によって指定されたセミナーに対するコメント(任意長の文字列)を受け付ける。
図5は、視聴者のユーザ端末300baが、伝送管理システム50から受信したセミナー一覧を表示する画面の例である。ユーザ端末300baは、視聴者によって選択されたセミナーを識別し、何れのセミナーが選択されたかを示す情報(例えば、セミナーの題名)を、伝送管理システム50に送信する。
図6は、視聴者のユーザ端末300baが、視聴者からのコメントの登録を受け付ける画面の例である。ユーザ端末300baは、視聴者によって入力されたコメント(文字列)を、伝送管理システム50に送信する。
こうして、視聴者から、特定のセミナーに対するコメントを受信した伝送管理システム50は、そのコメントの内容を、図4に示したように、発信者の伝送端末10abに送信する。発信者の伝送端末10abは、受信したコメントを、図4に示されるように、画面上に表示することができる。
以上の動作によって、本発明の一実施形態に係る伝送管理システム50は、セミナー等の発信者に対して、視聴者からのコメントを通知することが可能となる。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。
<<伝送端末の外観>>
図3は、本実施形態に係る伝送端末の外観図である。以下、伝送端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図3に示されているように、伝送端末10は、筐体1100、アーム1200、およびカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して伝送端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して伝送端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、および後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200およびカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図3は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、内蔵型のカメラ1021が設けられており、利用者、書類、および部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図3で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
また、図示しないが、本実施形態に係る伝送端末10は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ又は腕時計若しくは眼鏡型のようなウェアラブルコンピュータであってもよい。
なお、中継装置30、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
また、図示しないが、発信者及び視聴者の使用するユーザ端末300ab、300ba(以下、まとめてユーザ端末300と表す)は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ又は腕時計若しくは眼鏡型のようなウェアラブルコンピュータであってもよい。
<<伝送端末のハードウェア構成例>>
図7は、本発明の本実施形態に係る伝送端末10のハードウェア構成図である。図7に示されているように、本実施形態の伝送端末10は、伝送端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、伝送端末用プログラム、画像データ、及び音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、伝送端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、伝送端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、伝送端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、及び上記各構成要素を図5に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、記録メディア106は、伝送端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
更に、上記伝送端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記伝送端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
なお、上述したように、伝送端末10が、スマートフォンやタブレット等のデバイスである場合には、ディスプレイ120は、伝送端末10に内蔵されて提供されてもよい。さらに、マイク114、カメラ112、スピーカ115は、必ずしも内蔵されている必要はなく、外付けのみであってもよい。
<<伝送管理システムのハードウェア構成例>>
図8は、本発明の本実施形態に係る伝送管理システム50のハードウェア構成図である。伝送管理システム50は、伝送管理システム50全体の動作を制御するCPU201、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、伝送管理用プログラム等の各種データを記憶するHD204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、及び、上記各構成要素を図8に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記伝送管理用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上述した伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記中継装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
また、プログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100は、上述した伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記プログラム提供システム用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
また、ユーザ端末300は、上述した伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、ユーザ端末300を制御するためのオペレーティング・システムや、Webを介して伝送管理システム50から受信した情報を出力するためのWebブラウザ等が記録されている。また、上記オペレーティング・システムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。また、ユーザ端末300が、スマートフォンやタブレットのように、入力装置がディスプレイと一体となって提供される場合には、キーボード211やマウス212は不要となる。また、メディアドライブ207やCD−ROMドライブ214は、備えていなくても良い。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図9は、本実施形態の伝送システム1を構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図9では、伝送端末10、中継装置30、及び伝送管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図1に示されているプログラム提供システム90は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図9では省略されている。
<伝送端末の機能構成>
伝送端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、最終絞込部16、表示制御部17、遅延検出部18、記憶・読出処理部19及び入力部20を有している。これら各部は、図7に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された伝送端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、伝送端末10は、図7に示されているRAM103、及び図5に示されているフラッシュメモリ104によって構築される記憶部1000を有している。
(伝送端末の各機能構成)
次に、図7及び図9を用いて、伝送端末10の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、伝送端末10の各機能構成を説明するにあたって、図7に示されている各構成要素のうち、伝送端末10の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されている伝送端末10の送受信部11は、図7に示されているCPU101からの命令、及び図7に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の伝送端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部11は、所望の宛先伝送端末と通話を開始する前から、伝送管理システム50より、宛先候補としての各端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各伝送端末10の稼動状態(オンラインかオフラインかの状態)だけでなく、オンラインであっても更に通話可能であるか、通話中であるか、離籍中であるか等の詳細な状態を示す。また、この状態情報は、各伝送端末10の稼動状態だけでなく、伝送端末10でケーブル120cが伝送端末10から外れていたり、音声を出力するが画像は出力させなかったり、音声を出力さないようにする(MUTE)等、様々な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態を示す場合について説明する。
操作入力受付部12は、図7に示されているCPU101からの命令、並びに図7に示されている操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図7に示されている電源スイッチ109をONにすると、図7に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。
ログイン要求部13は、図7に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、送受信部11が伝送管理システム50へ電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、伝送管理システム50側では、伝送端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
撮像部14は、図7に示されているCPU101からの命令、並びに図7に示されているカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。
音声入力部15aは、図7に示されているCPU101からの命令、及び図7に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。
音声出力部15bは、図7に示されているCPU101からの命令、及び図7に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。
最終絞込部16は、図7に示されているCPU101からの命令によって実現され、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を行う。最終絞込部16は、送受信部11によって受信された後述の事前送信情報毎に、送受信部11によって事前送信情報が受信される際の受信日時を計測する。また、最終絞込部16は、受信日時が計測された事前送信情報毎に、この計測された受信時間と、この事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、事前送信情報の送信から受信までの所要時間(T)を算出する。また、最終絞込部16は、算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報が中継された中継装置30を選択することで、最終的に1つの中継装置を選択する。
表示制御部17は、図7に示されているCPU101からの命令、及び図7に示されているディスプレイI/F117によって実現され、後述のように、受信された解像度の異なる画像データを組み合わせ、この組み合わされた画像データをディスプレイ120に送信するための制御を行う。また、表示制御部17は、伝送管理システム50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ120に送信して、ディスプレイ120に宛先リストを表示させることができる。また、表示制御部17は、セミナーアプリケーションによって出力される、セミナーの題名や、発信者のカメラの写す画像や、伝送管理システム50から通知されたコメントの情報を、図4に示されるように、ディスプレイ120に表示させることができる。
遅延検出部18は、図7に示されているCPU101からの命令によって実現され、他の端末10から中継装置30を介して送られて来る画像データ又は音声データの遅延時間(ms)を検出する。
記憶・読出処理部19は、図7に示されているCPU101からの命令及び図7に示すSSD105によって実行され、又はCPU101からの命令によって実現され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。この記憶部1000には、伝送端末10を識別するための端末ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。なお、端末IDは予め伝送端末10に記憶されていてもよいし、伝送端末10の利用者が利用する際に伝送端末10に対して入力してもよい。更に、記憶部1000には、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データ及び音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ150から音声が出力される。
なお、本実施形態の端末ID及び後述の中継装置IDは、それぞれ伝送端末10及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
入力部20は、図7に示されている操作ボタン108によって実現され、ユーザからのセミナーアプリケーションの起動入力や、セミナー画面出力指示等を受け付ける。入力部20が、セミナー画面出力指示を受け付けると、上述した送受信部11は、伝送管理システム50に、セミナー画面出力要求を送信する。
<中継装置の機能構成>
中継装置30は、送受信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図8に示されている各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203上に展開された中継装置用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、中継装置30は、図8に示されているRAM203、及び/又は図8に示されているHD204によって構築される記憶部3000を有している。
(変更品質管理テーブル)
記憶部3000には、図16に示されているような変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB(Data Base)3001が構築される。変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先(宛先)としての端末10のIPアドレス、及びこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各機能構成を説明するにあたって、図8に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されている中継装置30の送受信部31は、図8に示されているCPU201からの命令、及び図8に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
状態検知部32は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「オンライン」、「オフライン」、「通話中」又は「一時中断」の状態がある。
データ品質確認部33は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理DB3001を検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。
変更品質管理部34は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、管理システム50から送られて来る、後述の品質情報に基づいて、変更品質管理DB3001の内容を変更する。例えば、端末IDが「01aa」である要求元端末(伝送端末10aa)と、端末IDが「01db」である宛先端末(伝送端末10db)との間で高画質の画像データを送受信することによってテレビ会議を行っている最中に、他のテレビ会議を行う要求元端末(伝送端末10bb)と宛先端末(伝送端末10ca)が通信ネットワーク2を介してテレビ会議を開始すること等によって、宛先端末(伝送端末10db)で画像データの受信の遅延が生じた場合には、中継装置30は今まで中継していた画像データの画質を、高画質から中画質に下げる。このような場合に、中画質を示す品質情報に基づいて、中継装置30が中継する画像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理DB3001の内容が変更される。
データ品質変更部35は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、送信元端末から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の内容に基づいて変更する。
記憶・読出処理部39は、図8に示されているCPU201からの命令、及び図8に示されているHDD205によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<伝送管理システムの機能構成>
伝送管理システム50は、送受信部51、端末認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態取得部55、一次絞込部56、セッション管理部57、品質決定部58、記憶・読出処理部59、遅延時間管理部60、セミナー情報登録部61、セミナー画面出力部62、コメント登録画面出力部63、ユーザ認証部64、セミナー一覧出力部65、セミナー選択受付部66、コメント登録部67、コメント登録検出部68及びコメント受付通知部69を有している。これら各部は、図8に示されている各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、管理システム50は、図8に示されているHD204により構築される記憶部5000を有している。
(中継装置管理テーブル)
記憶部5000には、図17に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30の中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、稼動状態が示される状態情報が伝送管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図17に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼動状態が「オンライン」で、管理システム50で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
(端末認証管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図18に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5002が構築されている。この端末認証管理テーブルでは、伝送管理システム50によって管理される全ての伝送端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図18に示されている端末認証管理テーブルにおいて、伝送端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(伝送端末管理テーブル)
また、記憶部5000には、図19に示されているような伝送端末管理テーブルによって構成されている伝送端末管理DB5003が構築されている。この伝送端末管理テーブルでは、各伝送端末10の端末ID毎に、各伝送端末10を宛先とした場合の宛先名、各伝送端末10の稼動状態、後述のログイン要求情報が伝送管理システム50で受信された受信日時、及び伝送端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図19に示されている伝送端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の伝送端末10aaは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「オンライン(通話可能)」で、管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この伝送端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図20に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議における通話の開始を要求する要求元端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図20に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末(伝送端末10aa)からテレビ会議における通話の開始を要求することができる宛先端末(伝送端末10db)の候補は、端末IDが「01ab」の伝送端末10ab、端末IDが「01ba」の伝送端末10ba、及び端末IDが「01bb」の伝送端末10bb等であることが示されている。この宛先端末の候補は、任意の要求元端末から管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、この記憶部5000には、図21に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されている。このセッション管理テーブルでは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションID毎に、画像データ及び音声データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末の端末ID、宛先端末の端末ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図21に示されているセッション管理テーブルにおいて、選択用セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、端末IDが「01aa」の要求元端末(伝送端末10aa)と、端末IDが「01db」の宛先端末(伝送端末10db)との間で、画像データ及び音声データを中継しており、宛先端末(伝送端末10db)において「2009年11月10日の14時00分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。なお、2つの伝送端末10の間でテレビ会議を行う場合には、上記宛先端末ではなく要求元端末から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理してもよい。但し、3つ以上の伝送端末10の間でテレビ会議を行う場合には、画像データ及び音声データの受信側の伝送端末10から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理する。
(アドレス優先度管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図22に示されているようなアドレス優先度管理テーブルによって構成されている優先度管理DB5006が構築されている。このアドレス優先度管理テーブルでは、任意の伝送端末10と任意の中継装置30において、一般的なIPv4におけるIPアドレスのうちの4組のドットアドレス(Dot Address)部分の「同」が多い程、アドレス優先度のポイントが高くなるように、ドットアドレスの同異とアドレス優先度とが関連付けられて管理される。この「同」は、ドットアドレス部分が同じであることを意味し、「異」は、ドットアドレス部分が異なることを意味する。例えば、図16に示されているアドレス優先度管理テーブルにおいて、ドットアドレスの上位から下位にかけて3つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「5」である。ドットアドレスの上位から下位にかけて2つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「3」である。この場合、最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度に関係ない。ドットアドレスの最上位の値が同じで、上位から2番目の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「1」である。この場合、上位から3番目及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。ドットアドレスの最上位の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「0」である。この場合、上位から2番目、3番目、及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。
(伝送速度優先度管理テーブル)
また、記憶部5000に構築されている優先度管理DB5006には、図23に示されているような伝送速度優先度管理テーブルも含まれている。この伝送速度優先度管理テーブルでは、中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)の値が大きくなる程、伝送速度優先度のポイントが高くなるように、最大テータ伝送速度と伝送速度優先度とが関連付けられて管理される。例えば、図23に示されている伝送速度優先度管理テーブルにおいて、中継装置30における最大データ伝送速度が1000Mbps以上の場合には、伝送速度優先度のポイントが「5」である。中継装置30における最大データ伝送速度が100Mbps以上1000Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「3」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps以上100Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「1」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「0」である。
(品質管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図24に示されているような品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。この品質管理テーブルでは、要求元端末又は宛先端末における画像データの遅延時間(ms)が長い程、中継装置30で中継させる画像データの画質を下げるように、画像データの遅延時間と画像データの画質(画像の品質)とが関連付けられて管理される。
(セミナー管理テーブル)
また、記憶部5000には、図10に示されているようなセミナー管理テーブルによって構成されているセミナー管理DB5009が構築されている。このセミナー管理テーブルでは、セミナーを識別するためのセミナーIDと、セミナーの発信者の使用する伝送端末の端末IDと、セミナーの題名と、セミナーの開始日時と、セミナーの終了日時と、セミナーが開催中であるかどうかを示す開催中フラグと、セミナーが完了したか否かを表す完了フラグとが、関連付けられて管理される。
(コメント管理テーブル)
また、記憶部5000には、図11に示されているようなコメント管理テーブルによって構成されているコメント管理DB5008が構築されている。このコメント管理テーブルでは、コメントを識別するために付されるコメントIDと、文字列により構成されるコメントと、コメント対象のセミナーのセミナーIDと、コメントの作成日時と、コメントの更新日時と、コメントを登録した視聴者のユーザIDとが、関連付けられて管理される。
(管理システムの各機能構成)
次に、伝送管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、伝送管理システム50の各機能構成を説明するにあたって、図8に示されている各構成要素のうち、管理システム50の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部51は、図8に示されているCPU201からの命令、及び図8に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
端末認証部52は、図8に示されているCPU102からの命令によって実現され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の端末認証管理DB5002を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
状態管理部53は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態を管理すべく、伝送端末管理DB5003(図19参照)に、この要求元端末の端末ID、要求元端末の稼動状態、管理システム50でログイン要求情報が受信された受信日時、及び要求元端末のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。また、状態管理部53は、利用者が伝送端末10の電源スイッチ109の状態をONからOFFにすることで、伝送端末10から送られてきた、電源をOFFする旨の状態情報に基づいて、伝送端末管理DB5003(図19参照)のオンラインを示す稼動状態をオフラインに変更する。
端末抽出部54は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、ログイン要求した要求元端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004(図20参照)を検索し、要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。また、端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004(図20参照)を検索し、上記要求元端末の端末IDを宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDも抽出する。
端末状態取得部55は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末IDを検索キーとして、伝送端末管理DB5003(図19参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された端末IDを検索キーとして、伝送端末管理DB5003を検索し、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態も取得する。
一次絞込部56は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を支援するため、この最終絞り込み処理前の一次絞り込み処理を行う。
一次絞込部56は、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する。また、一次絞込部56は、要求元端末から送られてきた開始要求情報に含まれている要求元端末の端末ID、及宛先端末の端末IDに基づいて、伝送端末管理DB5003(図19参照)を検索することにより、対応するそれぞれの伝送端末10のIPアドレスを抽出する。また、一次絞込部56は、中継装置管理DB5001(図17参照)で管理されている中継装置30のうち、稼動状態が「オンライン」となっている中継装置30の中継装置IDを選択することにより、中継装置30の選択を行う。
また、一次絞込部56は、抽出された要求元端末のIPアドレス、及び宛先端末のIPアドレスに基づいて、中継装置管理DB5001(図17参照)を検索することにより、上記選択された中継装置30のIPアドレスのドットアドレス毎に、上記要求元端末及び宛先端末の各IPアドレスにおける各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する。更に、一次絞込部56は、中継装置毎に、アドレス優先度のポイントにおいて伝送端末10に対する高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにより、中継装置30の更なる選択を行う。なお、本実施形態では、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにしているが、これに限られるものではなく、中継装置30を1つでも多く絞り込むことができれば、ポイントが高い上位3つ以上の中継装置30を選択するようにしてもよい。
また、一次絞込部56は、優先度管理DB5006(図23参照)を参照して、調査された中継装置30毎に、アドレス優先度のポイントを決定する。また、一次絞込部56は、中継装置管理DB5001(図17参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理DB5006(図22参照)を検索することにより、第1次の絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置30毎に伝送速度優先度のポイントを決定する。
続いて、セッション管理部57は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、記憶部5000のセッション管理DB5005(図21参照)に、一次絞込部56で生成された選択用セッションID、要求元端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部57は、セッション管理DB5005(図21参照)に対して、選択用セッションID毎に、伝送端末10の最終選択部16cで最終的に1つに選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
品質決定部58は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理DB5007(図24参照)を検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。
記憶・読出処理部59は、図8に示されているCPU201からの命令、及び図8に示されているHDD205によって実行され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
遅延時間管理部60は、図8に示されているCPUCPU201からの命令によって実現され、上記宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、伝送端末管理DB5003(図19参照)を検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理DB5005(図21参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
セミナー情報登録部61は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、発信者のユーザ端末300からの要求に応じて、セミナーの登録を行う。セミナー情報登録部61は、発信者のユーザ端末300から、通信ネットワーク2を介して、セミナー登録要求を受信する。セミナー情報登録部61は、セミナー登録要求とともに、発信者のユーザ端末300から、発信者の使用する伝送端末10の端末IDと、セミナーに係るセミナーの題名と、セミナーの開始・終了日時の情報を受信する。セミナー情報登録部61は、セミナーごとに固有のセミナーIDを生成し、受信した端末IDと、セミナーの題名と、開始日時と、終了日時とを、関連付けて、セミナー管理テーブル(図10)に格納する。
また、セミナー情報登録部61は、現在の日時を取得し、現在の日時が、セミナーの開始日時以降、セミナーの完了日時以前である場合には、セミナー管理テーブルの「開催中フラグ」の項目を「T」にし、そうでない場合には、「F」に設定する。また、セミナー情報登録部61は、現在の日時が、セミナーの完了日時より後である場合には、セミナー管理テーブルの「完了フラグ」の項目を「T」にし、そうでない場合には、「F」に設定する。
セミナー画面出力部62は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、発信者の使用する伝送端末10からの要求に応じて、セミナー画面の出力を行う。セミナー画面の表示例は、図4に示した通りである。セミナー画面出力部62は、発信者の使用する伝送端末10から、通信ネットワーク2を介して、セミナー画面出力要求を受信する。セミナー画面出力部62は、セミナー画面出力要求とともに、伝送端末10の端末IDと、発信者によって指定されたセミナーの題名(セミナーIDでもよい)を受信する。
セミナー画面出力部62は、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、発信者の使用する伝送端末10から受信した端末ID及び題名と一致するセミナーを特定する。そして、セミナー画面出力部62は、発信者の使用する伝送端末10に対して、セミナー画面を出力する。具体的には、セミナー画面出力部62は、セミナー画面を構成する、セミナーの題名と、そのセミナーと関連付けられたコメント及びコメント情報(存在する場合のみ)を、伝送端末10に送信し、夫々を所定の位置に表示させる。セミナー画面出力部62は、後述する、コメント管理テーブル(図11)を参照し、セミナーIDをキーとして、セミナーと関連付けられたコメント及びコメント情報を特定することができる。
コメント登録画面出力部63は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、視聴者のユーザ端末300からの要求に応じて、コメント登録画面の出力を行う。コメント登録画面出力部63は、視聴者のユーザ端末300から、通信ネットワーク2を介して、コメント登録要求を受信する。コメント登録画面出力部63は、コメント登録要求を受信すると、ユーザ端末300に対して認証画面を出力し、視聴者に対して、認証情報(例えばユーザIDとパスワードの組み合わせ)の入力を求める。
コメント登録画面出力部63は、後述する、ユーザ認証部64により、ユーザ端末300から送信された認証情報による認証が成功すると、セミナー一覧出力部65に、登録済みのセミナーの一覧を、ユーザ端末300に送信するよう指示する。視聴者のユーザ端末300において、セミナーの一覧が表示される画面の例が、図5に示されている。
コメント登録画面出力部63は、後述する、セミナー選択受付部66が、ユーザ端末300からセミナーIDを受け付けると、コメント登録画面を出力する。具体的には、コメント登録画面出力部63は、コメント登録画面を構成する、セミナーの題名と、コメント入力フォームと、コメントを送信するための送信ボタンとを表示させるフォームを、ユーザ端末300に送信する。
ユーザ認証部64は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現される。ユーザ認証部64は、予め用意された認証用データベース等を参照し、視聴者のユーザ端末300から送信されたユーザIDとパスワードの組み合わせが、認証用データベース内に登録された組み合わせと一致するか検証する。ユーザ認証部64は、両者の組み合わせが一致する場合には、認証が成功したと判断し、一致しない場合には、認証が失敗したと判断する。ユーザ認証部64は、判断結果を、コメント登録画面出力部63に渡す。
セミナー一覧出力部65は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、コメント登録画面出力部63からの指示に応じて、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、登録されているセミナー情報を取得する。そして、セミナー一覧出力部65は、取得したセミナー情報のうち、題名及びセミナーIDの組み合わせのリストを、視聴者のユーザ端末300に送信する。ここで、セミナー一覧出力部65は、セミナー管理テーブルの「開催中フラグ」が「T」であるセミナーの題名及びセミナーIDを、ユーザ端末に300に送信してもよい。また、セミナー一覧出力部65は、セミナー管理テーブルの「完了フラグ」が「F」であるセミナーの題名及びセミナーIDを、ユーザ端末に300に送信してもよい。
セミナー選択受付部66は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、視聴者のユーザ端末300によって選択された題名に対応するセミナーIDを、視聴者のユーザ端末300から受信する。セミナー選択受付部66は、受信したセミナーIDを、コメント登録画面出力部63に渡す。
コメント登録部67は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、視聴者のユーザ端末300から送信されたコメントと、それに付随するコメント情報を、コメント管理テーブル(図11)に格納する。コメント情報は、例えば、コメントの対象となったセミナーのセミナーID、コメントの作成日時、コメントの更新日時、コメントを登録したユーザのユーザIDを含む。ここで、コメント登録部67は、コメントの登録対象となっているセミナーIDと、コメントを登録したユーザのユーザIDを、コメント登録画面出力部63から取得することができる。また、コメント登録部67は、ユーザ端末300からコメントを受信した日時を、コメントの作成日時とすることができる。また、コメント登録部67は、ユーザ端末300から、更新されたコメントを受信した日時を、コメントの更新日時とすることができる。コメント登録部67は、コメントごとに固有のコメントIDを生成し、コメントと、コメント情報とを、関連付けて、コメント管理テーブル(図11)に格納する。
コメント登録検出部68は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、コメント管理テーブル(図11)の更新状況を監視する。そして、コメント登録検出部68は、新たなコメントが追加されたり、コメントが更新されたことを検出すると、登録又は更新のあったコメントのコメントIDを特定する。そして、コメント登録検出部68は、コメントIDを、コメント受付通知部69に渡す。
コメント受付通知部69は、図8に示されているCPU201からの命令によって実現され、コメント管理テーブル(図11)を参照し、コメント登録検出部68から受け取ったコメントIDと対応するセミナーIDを特定する。次に、コメント受付通知部69は、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、セミナーIDと対応する、発信者の伝送端末10の端末IDを特定する。そして、コメント受付通知部69は、特定した端末IDに対して、コメント(及び必要に応じてコメント情報)を送信する。
<ユーザ端末の機能構成>
ユーザ端末300は、送受信部301、表示部302、入力部303を有している。これら各部は、図8に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202又はHDD205からRAM203上に展開されたユーザ端末用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。
(ユーザ端末の各機能構成)
図9に示されているユーザ端末300の送受信部301は、図8に示されているCPU201からの命令、及び図8に示されているネットワークI/F209によって実行される。送受信部301は、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
表示部302は、図8に示されているディスプレイ208によって実現され、発信者に対するセミナー画面や、視聴者に対する認証画面や、セミナー一覧や、コメント登録画面等を表示する。
入力部303は、図8に示されているキーボード211又はマウス212によって実現され、発信者によるセミナー登録指示や、視聴者によるコメント登録画面出力指示や、セミナー選択や、コメント入力を受け付ける。
<<実施形態の処理または動作>>
次に、図12−図14を用いて、本発明の一実施形態における伝送管理システム50の処理フローと動作例を説明する。以下の例では、セミナーの発信者が使用する伝送端末が10ab、ユーザ端末が300ab、セミナーの視聴者が使用する伝送端末が10ba、ユーザ端末が300baであるものとして、説明を行う。
<<セミナー登録処理>>
図12は、伝送管理システム50が、発信者のユーザ端末300abからセミナー登録を受け付け、その後、発信者の使用する伝送端末10abにセミナー画面を出力する処理を表すフローチャートである。
まず、セミナー情報登録部61は、ユーザ端末300abから送信されたセミナー登録要求を受信する(ステップS101)。このとき、セミナー情報登録部61は、セミナー登録要求とともに、発信者によって指定された、伝送端末の端末IDと、題名と、セミナーの開始・終了日時の情報を受信する。次に、セミナー情報登録部61は、セミナーIDを生成し、そのセミナーIDとともに、ステップS101で受信した端末IDとセミナー情報とを、セミナー管理テーブル(図10)に登録する(ステップS102)。
次に、セミナー画面出力部62は、伝送端末10abから送信されたセミナー画面出力要求を受信する(ステップS103)。このとき、セミナー画面出力部62は、セミナー画面出力要求とともに、当該要求を送信した伝送端末の端末IDと、発信者によって指定された題名を表す情報を受信する。セミナー画面出力部62は、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、題名を用いて一のセミナー情報を特定する(ステップS104)。
そして、セミナー画面出力部62は、特定したセミナー情報の題名と、存在する場合には、セミナーに対応するコメントとコメント情報とを含む、セミナー画面を、ユーザ端末300abに出力する(ステップS105)。ここで、セミナー画面出力部62は、コメント管理テーブル(図11)に格納されたコメントとコメント情報のうち、ステップS104で特定されたセミナーのセミナーIDを有するコメントとコメント情報を、ユーザ端末300abに出力することができる。
<<コメント登録処理>>
図13は、伝送管理システム50が、視聴者のユーザ端末300baからコメント登録を受け付け、コメントとそれに付随するコメント情報とを、コメント管理テーブル(図11)に格納する処理を表すフローチャートである。
まず、コメント登録画面出力部63は、視聴者のユーザ端末300baから、通信ネットワーク2を介して、コメント登録要求を受信する(ステップS201)。次に、コメント登録画面出力部63は、ユーザ端末300baに対して認証画面を出力し、視聴者に対して、認証情報(例えばユーザIDとパスワードの組み合わせ)の入力を求める(ステップS202)。
ユーザ認証部64は、ユーザ端末300baから、ユーザIDとパスワードの組み合わせを受信する(ステップS203)。ユーザ認証部64は、予め用意された認証用データベース等を参照し、視聴者のユーザ端末300から送信されたユーザIDとパスワードの組み合わせが、認証用データベース内に登録された組み合わせと一致するか検証する(ステップS204)。そして、ユーザ認証部64は、両者の組み合わせが一致する場合には、認証が成功したと判断する(ステップS205のYES)。一方、一致しない場合には、認証が失敗したと判断する(ステップS205のNO)。
セミナー一覧出力部65は、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、登録されているセミナー情報のうち、題名及びセミナーIDの組み合わせのリストを、視聴者のユーザ端末300に送信する(ステップS206)。次に、セミナー選択受付部66は、視聴者のユーザ端末300によって選択された題名に対応するセミナーIDを、視聴者のユーザ端末300から受信する(ステップS207)。
コメント登録画面出力部63は、コメント登録画面を、ユーザ端末300baに出力する(ステップS208)。具体的には、コメント登録画面出力部63は、コメント登録画面を構成する、セミナーの題名と、コメント入力フォームと、コメントを送信するための送信ボタンとを表示させるフォームを、ユーザ端末300に送信する
コメント登録部67は、視聴者のユーザ端末300から送信されたコメントを受信する(ステップS209)。そして、コメント登録部67は、視聴者のユーザ端末300から送信されたコメントと、それに付随するコメント情報を、コメント管理テーブル(図11)に格納する(ステップS210)。
<<コメント通知処理>>
図14は、伝送管理システム50が、発信者の伝送端末300abに、コメントとそれに付随するコメント情報とを通知する処理を表すフローチャートである。
まず、コメント登録検出部68は、コメント管理テーブル(図11)を監視し、コメントの登録・更新がなされたかどうかを判断する(ステップS301)。そして、コメント登録検出部68は、コメントの登録・更新がなされた場合には(ステップS301のYES)、登録・更新がなされたコメントのコメントIDを特定する(ステップS302)。コメントの登録・更新がなされていない場合には、再度、ステップS301に戻る。
コメント受付通知部69は、コメント管理テーブル(図11)を参照し、ステップS302で特定されたコメントIDと対応するセミナーIDを特定する(ステップS303)。次に、コメント受付通知部69は、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、セミナーIDと対応する、発信者の伝送端末100の端末IDを特定する(ステップS304)。そして、コメント受付通知部69は、特定した端末IDを有する、発信者の伝送端末300abに、コメント及びコメント情報を通知する(ステップS305)。
<<システム全体の動作例>>
図15は、一の発信者のいる地点と、多数の視聴者のいる地点の、二地点を、上述した伝送システム1を用いて接続し、セミナーを開催する場合の、各装置及び端末の動作例を表す図である。ここでは、発信者は、端末IDが「01ab」の伝送端末を使用しており、「マーケティングの基礎知識」という題名で、「2013年07月13日13時00分」から「2013年07月13日14時00分」まで、講師(発信者)を務める。また、視聴者は、端末IDが「01ba」の伝送端末を使用しており、上記のセミナーを視聴し、コメントにより、発信者に対してフィードバックを行う。
まず、伝送管理システム50のセミナー情報登録部61は、ユーザ端末300abから送信されたセミナー登録要求を受信する(ステップS401)。このとき、セミナー情報登録部61は、セミナー登録要求とともに、発信者によって指定された、伝送端末の端末ID「01ab」と、題名と、開始・終了日時の情報を受信する。
−題名 :マーケティングの基礎知識
−開始日時 :2013年07月13日13時00分
−終了日時 :2013年07月13日14時00分
次に、伝送管理システム50のセミナー情報登録部61は、セミナーID「2」を生成し、そのセミナーIDとともに、受信した端末ID「01ab」と、上記のセミナー情報とを、セミナー管理テーブル(図10)に登録する(ステップS402)。ここで、現在の日時が「2013年07月13日13時00分」であるとすると、セミナー情報登録部61は、「開催中フラグ」を「T」、「完了フラグ」を「F」に設定する。
次に、伝送端末10abの入力部20は、発信者による伝送端末10abの操作に応じて、セミナー画面出力指示を受け付ける(ステップS403)。このとき、入力部20は、発信者からの操作により、題名「マーケティングの基礎知識」の入力も受け付ける。送受信部11は、伝送管理システム50に、セミナー画面出力要求を送信する(ステップS404)。送受信部11は、当該要求とともに、当該伝送端末10abの端末ID「01ab」と、ステップS403で受け付けた題名「マーケティングの基礎知識」を表す情報を、伝送管理システム50に送信する。
次に、伝送管理システム50のセミナー画面出力部62は、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、ステップS404で受信した情報の示す題名「マーケティングの基礎知識」を用いて、一のセミナー情報を特定する(ステップS405)。ここでは、セミナー画面出力部62は、セミナー管理テーブルに示されるセミナーのうち、セミナーIDが「2」のセミナーを特定する。
次に、伝送管理システム50のセミナー画面出力部62は、特定したセミナー情報の題名「マーケティングの基礎知識」を含む、セミナー画面を構成するために必要な情報を、ユーザ端末300abに出力する(ステップS406)。ここでは、当該セミナーに対するコメントは、登録されていないものとする。伝送端末10abの送受信部11は、受け取った情報を、表示制御部17に渡す(ステップS407)。表示制御部17は、図4に例示されるように、セミナー画面をディスプレイ120ab上に表示する(ステップS408)。
次に、視聴者のユーザ端末300baの入力部303は、視聴者からコメント登録指示を受け付けると、コメント登録要求を伝送管理システム50に送信するよう、送受信部301に指示する(ステップS409)。例えば、ユーザ端末300baは、Webブラウザを通じて、視聴者から、コメント登録を行うための所定のサイトにアクセスするよう指示された場合に、コメント登録要求を送信するよう指示することができる。ユーザ端末300baの送受信部301は、コメント登録要求を、伝送管理システム50に送信する(ステップS410)。
伝送管理システム50のコメント登録画面出力部63は、ユーザ端末300baから送信されたコメント登録要求を受け取ると、認証画面をユーザ端末300baに出力する(ステップS411)。認証画面は、例えば、視聴者にユーザIDとパスワードの入力を促すフォームによって構成される。ユーザ端末300baの表示部302は、送受信部301を通じて伝送管理システム50から認証画面(フォーム)を受信する(ステップS412)。そして、表示部302は、認証画面をディスプレイに表示する(ステップS413)。
ユーザ端末300baの入力部303は、視聴者からユーザIDとパスワードの入力を受け付けると、そのユーザIDとパスワードを、送受信部301に渡す(ステップS414)。なお、ここで入力されたユーザIDは、「Kanda」であり、パスワードは、「password」であるとする。ユーザ端末300baの送受信部301は、ユーザIDとパスワードを、伝送管理システム50に送信する(ステップS415)。ユーザ認証部64は、送信されたユーザIDとパスワードを受け取ると、認証用データベース等を参照し、ユーザIDとパスワードの組み合わせが、認証用データベース内に登録された組み合わせと一致するか検証する(ステップS416)。そして、ユーザ認証部64は、認証結果を、ユーザIDとともに、コメント登録画面出力部63に渡す(ステップS417)。ここでは、認証が成功したものとして、説明を進める。
伝送管理システム50のコメント登録画面出力部63は、ユーザの認証が成功すると、セミナー一覧出力部65に、セミナー一覧の出力指示を行う(ステップS418)。セミナー一覧出力部65は、セミナー管理テーブル(図10)を読み込む(ステップS419)。次に、セミナー一覧出力部65は、登録されているセミナー情報のうち、題名及びセミナーIDの組み合わせのリストを、視聴者のユーザ端末300baに送信する(ステップS420)。ここでは、セミナー一覧出力部65は、図10に例示されるセミナーのうち、「完了フラグ」が「F」である、2つのセミナーの題名及びセミナーIDの組み合わせのリストを、ユーザ端末300baに送信する。
ユーザ端末300baの送受信部301は、セミナー一覧出力部65から受信した、題名及びセミナーIDの組み合わせのリストを、表示部に渡す(ステップS421)。次に、ユーザ端末300baの表示部302は、受信した題名及びセミナーIDの組み合わせのリストを、ディスプレイに表示する(ステップS422)(図5)。
ユーザ端末300baの入力部303は、視聴者から、一のセミナーの選択を受け付け、そのセミナーのセミナーIDを、送受信部301に渡す(ステップS423)。ここでは、入力部303は、セミナーID「2」、(題名「マーケティングの基礎知識」)のセミナーの選択を受け付けたものとする。送受信部301は、セミナーIDを、伝送管理システム50に送信する(ステップS424)。伝送管理システム50のセミナー選択受付部66は、ユーザ端末300baから送信されたセミナーIDを受け付け、そのセミナーIDを、コメント登録画面出力部63に渡す(ステップS425)。
伝送管理システム50のコメント登録画面出力部63は、ユーザ端末300baに、コメント登録画面を出力する(ステップS426)。コメント登録画面は、例えば、セミナーの題名「マーケティングの基礎知識」と、コメント入力のためのテキストボックスと、送信ボタンとを含むフォームによって構成される。ユーザ端末300baの表示部302は、送受信部301を通じて伝送管理システム50からコメント登録画面(フォーム)を受信する(ステップS427)。そして、表示部302は、コメント登録画面をディスプレイに表示する(ステップS428)(図6)。
ユーザ端末300baの入力部303は、視聴者から受け付けたコメントを、送受信部301に渡す(ステップS429)。ここでは、入力部303は、「はじめまして」というコメントを受け付けたものとする。ユーザ端末300baの送受信部301は、受け付けたコメントを、伝送管理システム50に送信する(ステップS430)。伝送管理システム50のコメント登録部67は、コメントを受け取ると、コメント登録画面出力部63から、コメント登録画面を出力した視聴者のユーザID「Kanda」と、選択されたセミナーID「2」とを受け取る(ステップS431)。そして、コメント登録部67は、コメント管理テーブルに、コメント及びコメント情報を格納する(ステップS432)。ステップS430でコメントを受け取った日時が「2013年07月13日13時00分」であるとすると、コメント登録部67は、コメントIDが「5」であるエントリを生成し、コメント及びコメント情報を格納する。
伝送管理システム50のコメント登録検出部68は、コメントの登録がなされたことを検出し、新たに登録されたコメントのコメントID「5」を特定する(ステップS433)。コメント登録検出部68は、特定したコメントIDを、コメント受付通知部69に渡す(ステップS434)。コメント受付通知部69は、コメント管理テーブル(図11)を参照し、ステップS302で特定されたコメントID「5」と対応するセミナーID「2」を特定する(ステップS435)。また、コメント受付通知部69は、セミナー管理テーブル(図10)を参照し、セミナーID「2」と対応する、端末ID「01ab」を特定する(ステップS436)。
伝送管理システム50のコメント受付通知部69は、特定した端末ID「01ab」と、ステップS434で受け取ったコメントIDによって特定されるコメントとコメント情報とを、セミナー画面出力部62に渡す(ステップS437)。セミナー画面出力部62は、受け取った端末IDによって特定される、発信者の伝送端末10abに、受け取ったコメントとコメント情報を送信する(ステップS438)。伝送端末10abの送受信部11は、受け取ったコメントとコメント情報を、表示制御部17に渡す(ステップS439)。伝送端末10abの表示制御部17は、受け取ったコメントとコメント情報を、ディスプレイ120abに表示する(ステップS440)(図4)。
以上の処理によって、本実施形態に係る伝送管理システム50は、セミナー等の発信者に対する、視聴者からのコメントによるフィードバックを可能とする。これによって、発信者は、自らの発言に対するコメントを、適宜、視聴者から受け取ることができる。
なお、上述した実施形態では、コメント管理テーブルを格納するコメント管理DB5008と、コメント管理DB5008セミナー管理テーブルを格納するセミナー管理DB5009は、伝送管理システム50の記憶部5000に格納されている。しかしながら、これらのDBは、伝送管理システム50が、通信ネットワーク2等を介してアクセス可能な、外部のサーバ上に構成されてもよい。また、伝送管理システム50は、複数台のハードウェアによって構成されても良い。
また、上述した実施形態では、伝送端末10とユーザ端末300とが、別個のデバイスであるものとして説明している。しかしながら、他の実施形態において、伝送端末10と、ユーザ端末300とは、同一のデバイスであってもよい。例えば、スマートフォンやタブレットのようなデバイスを用いることで、テレビ会議と、Webブラウザによる入力処理とを並列して行うことができる。
また、上述した実施形態において説明される伝送端末10と、中継装置30と、伝送管理システム50と、ユーザ端末300とが接続されたシステム構成は一例であり、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。