JP2015056290A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウジングからの可燃性ガスの発生を抑制する。
【解決手段】車両に搭載されたバッテリから延びる電線に接続される車両側コネクタ10であって、充電装置に接続された充電用コネクタ60が嵌合される合成樹脂製の車両側ハウジング11と、車両側ハウジング11に筒状に設けられ、充電用コネクタ60に設けられた充電側端子70に接続される車両側端子30を内部に収容する車両側端子収容部12とを備え、車両側端子収容部12に設けられた車両側キャビティ15の内壁には、不燃性の保護部20が設けられているところに特徴を有する。
【選択図】図9
【解決手段】車両に搭載されたバッテリから延びる電線に接続される車両側コネクタ10であって、充電装置に接続された充電用コネクタ60が嵌合される合成樹脂製の車両側ハウジング11と、車両側ハウジング11に筒状に設けられ、充電用コネクタ60に設けられた充電側端子70に接続される車両側端子30を内部に収容する車両側端子収容部12とを備え、車両側端子収容部12に設けられた車両側キャビティ15の内壁には、不燃性の保護部20が設けられているところに特徴を有する。
【選択図】図9
Description
本発明は、コネクタに関する。
従来、電気自動車などの車両に搭載されたバッテリに接続されるコネクタとして、下記特許文献1に記載のものが知られている。このコネクタは、バッテリに充電する際に、給電設備に設けられ充電用コネクタと嵌合され、コネクタの車両側端子と充電用コネクタの充電用端子とが接続されて、給電設備からバッテリに充電が行われる。また、バッテリの充電完了後に、コネクタから充電用コネクタを離脱させる。
ところで、バッテリの急速充電には、高電圧の直流電流を用いることが一般的であり、直流回路では、コネクタから充電用コネクタが離脱すると、交流回路に比べて端子間でアーク放電が長い間発生する。そして、端子を収容するハウジングがアーク放電に伴う高熱に晒されると、ハウジングの内壁が溶けて可燃性ガスが発生し、この可燃性ガスがアーク放電によって発火することで、両コネクタ間から炎が外部に漏れてしまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ハウジングからの可燃性ガスの発生を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として本発明は、電線の端末に接続されるコネクタであって、相手側コネクタが嵌合される合成樹脂製のハウジングと、前記ハウジングに筒状に設けられ、前記相手側コネクタに設けられた相手側端子に接続される端子を内部に収容する端子収容部とを備え、前記端子収容部の内周面には、不燃性の保護部が設けられているところに特徴を有する。
このような構成のコネクタによると、端子と相手側端子との間でアーク放電が発生しても、保護部によりハウジングがアーク放電に晒されることを防ぎ、ハウジングから可燃性ガスが発生することを抑制することができる。これにより、アーク放電により可燃性ガスが発火して両コネクタ間から炎が外部に漏れることを防ぐことができる。また、保護部のみを不燃性に構成したから、端子収容部全体を不燃性の材料で構成する場合に比べて、製造コストが増加することを抑制することができる。
このような構成のコネクタによると、端子と相手側端子との間でアーク放電が発生しても、保護部によりハウジングがアーク放電に晒されることを防ぎ、ハウジングから可燃性ガスが発生することを抑制することができる。これにより、アーク放電により可燃性ガスが発火して両コネクタ間から炎が外部に漏れることを防ぐことができる。また、保護部のみを不燃性に構成したから、端子収容部全体を不燃性の材料で構成する場合に比べて、製造コストが増加することを抑制することができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記保護部は、セラミック材によって形成されている構成としてもよい。
例えば、端子収容部の内周面に不燃性塗料などを塗布することにより、保護部を形成することも可能である。しかしながら、ハウジングと相手側コネクタとの嵌合において相手側コネクタが端子収容部の内面に摺接するなどして不燃性塗料が剥離する虞がある。ところが、上記の構成によると、相手側コネクタが摺接しても保護部が剥離することを抑制することができる。
前記保護部は、セラミック材によって形成されている構成としてもよい。
例えば、端子収容部の内周面に不燃性塗料などを塗布することにより、保護部を形成することも可能である。しかしながら、ハウジングと相手側コネクタとの嵌合において相手側コネクタが端子収容部の内面に摺接するなどして不燃性塗料が剥離する虞がある。ところが、上記の構成によると、相手側コネクタが摺接しても保護部が剥離することを抑制することができる。
前記保護部には、前記端子収容部が食い込む凹部が設けられている構成としてもよい。
このような構成によると、例えば、端子収容部を成形する際に、溶融した樹脂が凹部に流れ込んで端子収容部が食い込むことで、保護部を端子収容部内に容易に、かつ強固に抜け止めすることができる。
このような構成によると、例えば、端子収容部を成形する際に、溶融した樹脂が凹部に流れ込んで端子収容部が食い込むことで、保護部を端子収容部内に容易に、かつ強固に抜け止めすることができる。
前記端子収容部は、前記端子の軸線回りに生じる円形磁束が互いに反対方向となるように幅方向に一対並んで設けられており、前記ハウジングには、一対の前記端子収容部の間に位置する内側領域と前記端子収容部を挟んで前記内側領域とは反対側に位置する外側領域とに磁束を生じさせることにより前記円形磁束と共に前記内側領域の磁束密度を前記外側領域の磁束密度よりも高くする一対の磁性部材が設けられており、前記保護部は、前記端子収容部において前記外側領域側に設けられている構成としてもよい。
端子と相手側端子との間で発生するアーク放電を、磁束密度が高い内側領域から磁束密度が低い外側領域に向かうローレンツ力によって外側領域に向けて屈曲させることにより、極間における短絡を防ぐことを目的としたコネクタにおいても、少なくとも屈曲したアーク放電が向かう先の外側領域には保護部が設けられているから、ハウジングから可燃性ガスが発生することを防ぐことができ、非常に有効である。
端子と相手側端子との間で発生するアーク放電を、磁束密度が高い内側領域から磁束密度が低い外側領域に向かうローレンツ力によって外側領域に向けて屈曲させることにより、極間における短絡を防ぐことを目的としたコネクタにおいても、少なくとも屈曲したアーク放電が向かう先の外側領域には保護部が設けられているから、ハウジングから可燃性ガスが発生することを防ぐことができ、非常に有効である。
前記保護部は、前記端子の前記相手側コネクタ側である先端部の周りに配されている構成としてもよい。
このような構成によると、少なくともアーク放電が生じる端子の先端部の周辺には、保護部が設けられているから、保護部によりハウジングがアーク放電に晒されることを防ぎ、ハウジングから可燃性ガスが発生することを防ぐことができる。
このような構成によると、少なくともアーク放電が生じる端子の先端部の周辺には、保護部が設けられているから、保護部によりハウジングがアーク放電に晒されることを防ぎ、ハウジングから可燃性ガスが発生することを防ぐことができる。
前記保護部は、筒状に形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、アーク放電が生じる領域を全周に亘って保護部で覆っているから、仮にアーク放電のエネルギーが大きく、アーク放電が端子収容部内において全周に亘って広がった場合においても、ハウジングがアーク放電に晒されることを防ぎ、ハウジングから可燃性ガスが発生することを確実に防ぐことができる。
このような構成によると、アーク放電が生じる領域を全周に亘って保護部で覆っているから、仮にアーク放電のエネルギーが大きく、アーク放電が端子収容部内において全周に亘って広がった場合においても、ハウジングがアーク放電に晒されることを防ぎ、ハウジングから可燃性ガスが発生することを確実に防ぐことができる。
本発明によれば、ハウジングからの可燃性ガスの発生を抑制することができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1について図1乃至図10を参照して説明する。
本実施形態は、車両に搭載されたバッテリ(図示せず)から延びる電線の端末に接続される車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)10であって、「Combined Charging System(コンボ方式)」に適合したものを例示している。この車両側コネクタ10には、図8に示すように、直流電流を供給する急速充電装置(図示せず)に設けられた充電用コネクタ(「相手側コネクタ」に相当する)60が前方から嵌合可能とされており、車両側コネクタ10に充電用コネクタ60を正規嵌合させて通電することによりバッテリへの充電が行われる。なお、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とする。また、前後方向とは、図8における左右方向を基準とし、両コネクタ10,60の嵌合方向を基準として、互いに嵌合する側を前側として説明する。
本発明の実施形態1について図1乃至図10を参照して説明する。
本実施形態は、車両に搭載されたバッテリ(図示せず)から延びる電線の端末に接続される車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)10であって、「Combined Charging System(コンボ方式)」に適合したものを例示している。この車両側コネクタ10には、図8に示すように、直流電流を供給する急速充電装置(図示せず)に設けられた充電用コネクタ(「相手側コネクタ」に相当する)60が前方から嵌合可能とされており、車両側コネクタ10に充電用コネクタ60を正規嵌合させて通電することによりバッテリへの充電が行われる。なお、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とする。また、前後方向とは、図8における左右方向を基準とし、両コネクタ10,60の嵌合方向を基準として、互いに嵌合する側を前側として説明する。
充電用コネクタ60は、図8乃至図10に示すように、車両側コネクタ10に嵌合可能な充電側ハウジング61と、充電側ハウジング61内に後方から収容される一対の充電側端子(「相手側端子」に相当する)70とを備えて構成されている。
充電側ハウジング61は合成樹脂製であって、一対の充電側端子70を収容する充電側端子収容部62を有している。充電側端子収容部62内には、一対の充電側端子70を個別に収容する充電側キャビティ63が幅方向に一対並んで設けられている。各充電側キャビティ63は、充電側端子収容部62を前後方向に貫通しており、後方から充電側端子70が挿入可能とされている。
充電側端子収容部62の前側部分には、充電側端子70の前半分を個別に収容する収容筒部64が幅方向に間隔を空けて一対設けられている。一対の収容筒部64の外周には、一対の収容筒部64を一括して囲む充電側フード部65が設けられている。
充電側端子70は、導電性を有する金属棒を母材として圧造、切削等を施すことにより形成されており、図10に示すように、複数の弾性接触片72を有する略筒状の端子接続部71と、急速充電装置から延びる電線(図示せず)に接続される電線接続部73と、端子接続部71と電線接続部73とを前後方向に繋ぐ繋ぎ部74とを備えて構成されている。
端子接続部71は前方に開口する略円筒状をなし、端子接続部71の前端開口から後方に向けて延びるスリット71Aを周方向に複数設けることで径方向外側に弾性変位可能な弾性接触片72が複数形成されている。なお、この種の端子は、すり割り端子などの名称で呼ばれる場合がある。
電線接続部73は略円筒状をなすクローズドバレルであって、電線の端末において露出される芯線が電線接続部73内に挿入されて圧着されることにより、電線の端末に充電側端子70が接続されるようになっている。
電線接続部73は略円筒状をなすクローズドバレルであって、電線の端末において露出される芯線が電線接続部73内に挿入されて圧着されることにより、電線の端末に充電側端子70が接続されるようになっている。
繋ぎ部74は円柱状をなし、繋ぎ部74の外周面には径方向に張り出すフランジ部75が設けられている。フランジ部75は、充電側端子収容部62内に設けられた前止まり部66に前方から係止可能とされると共に、充電側ハウジング61の後部に装着される充電側リテーナ67に後方から係止可能とされている。そして、フランジ部75が前止まり部66と充電側リテーナ67とによって前後方向から係止されることで、充電側端子70が充電側端子収容部62内に抜け止めされている。
車両側コネクタ10は、図1乃至図6に示すように、合成樹脂製の車両側ハウジング(「ハウジング」に相当する)11と、車両側ハウジング11内に後方から収容される一対の車両側端子(「端子」に相当する)30とを備えて構成されている。
車両側ハウジング11は、幅方向に横長な形態をなしており、充電用コネクタ60の収容筒部64に嵌合可能な車両側端子収容部12と、車両側端子収容部(「端子収容部」に相当する)12の前後方向略中央部に設けられた取付板13と、車両側端子収容部12を囲む車両側フード部14とを備えて構成されている。
車両側ハウジング11は、幅方向に横長な形態をなしており、充電用コネクタ60の収容筒部64に嵌合可能な車両側端子収容部12と、車両側端子収容部(「端子収容部」に相当する)12の前後方向略中央部に設けられた取付板13と、車両側端子収容部12を囲む車両側フード部14とを備えて構成されている。
取付板13は、車両側端子収容部12の外周面から外方に張りだした前面視略矩形の板状をなしており、取付板13の四隅にはボルト挿通孔13Aが設けられている。このボルト挿通孔13Aにボルト(図示せず)を挿通させて車両のパネル(図示せず)にボルトを締め込むことにより、車両側コネクタ10が車両のパネルに固定されるようになっている。
車両側フード部14は、車両側端子収容部12の外周に設けられており、車両側端子収容部12の前半分を全周に亘って囲む形態とされている。また、車両側フード部14の内径は、充電側ハウジング61の充電側フード部65の外径よりも僅かに大きく設定され、充電側フード部65の内径は、車両側端子収容部12の外径よりも僅かに大きく設定されている。そして、図8に示すように、車両側コネクタ10と充電用コネクタ60とが嵌合する際に、充電側フード部65が車両側フード部14と車両側端子収容部12との間に嵌合されるように構成されている。
車両側端子収容部12は、図2に示すように、正面から視て幅方向に横長な長円形状をなす円筒体とされており、車両側端子収容部12内には、一対の車両側端子30が後方から個別に収容される一対の車両側キャビティ15が設けられている。一対の車両側キャビティ15は、図8乃至図10に示すように、幅方向に横並びとなるように形成されており、車両側端子収容部12を前後方向に貫通した形態とされている。各車両側キャビティ15の内径は充電側端子収容部62の収容筒部64の外径よりも僅かに大きく設定されており、車両側コネクタ10と充電用コネクタ60とが嵌合して充電側フード部65が車両側フード部14と車両側端子収容部12との間に嵌合されると、車両側キャビティ15内に収容筒部64が嵌合されるように構成されている。
車両側キャビティ15内には、後方から車両側端子30がそれぞれ収容されている。車両側端子30は、導電性を有する金属棒を母材としてプレス加工、圧造、切削等を施して形成されており、充電側端子70の端子接続部71に接続されるピン状接続部31と、バッテリから延びる電線の端末に接続される電線接続部32と、ピン状接続部31と電線接続部32とを前後方向に繋ぐ本体部33とを備えて構成されている。
ピン状接続部31は細長い丸ピン状をなしており、ピン状接続部31の先端には、作業者や他の部材がピン状接続部31に触れることを防止するために合成樹脂製の保護キャップ35が装着されている。保護キャップ35は、ピン状接続部31の先端から前方に突出した取付ピン34に前方から装着されている。
また、ピン状接続部31は、車両側キャビティ15内に収容筒部64が嵌合されると、充電側端子70の端子接続部71内に前方から進入し、車両側端子収容部12と収容筒部64とが正規に嵌合されると、図8に示すように、弾性接触片72がピン状接続部31に弾性的に接触して車両側端子30と充電側端子70とが電気的に接続されるようになっている。
また、ピン状接続部31は、車両側キャビティ15内に収容筒部64が嵌合されると、充電側端子70の端子接続部71内に前方から進入し、車両側端子収容部12と収容筒部64とが正規に嵌合されると、図8に示すように、弾性接触片72がピン状接続部31に弾性的に接触して車両側端子30と充電側端子70とが電気的に接続されるようになっている。
また、車両側コネクタ10と充電用コネクタ60とが離脱する過程では、車両側フード部14から充電側フード部65が完全に離脱する前に、図9に示すように、車両側端子30のピン状接続部31と充電側端子70の端子接続部71との接続が解除され、車両側端子30と充電側端子70の接続状態が解除された後に車両側フード部14から充電側フード部65が完全に離脱する構成とされている(図10を参照)。
また、一対の車両側端子30のうち、図5に示すように、図示右側の車両側端子30が正極とされ、図示左側の車両側端子30が負極とされている。そして、車両側端子30と充電側端子70とが接続された状態で通電されると、車両側端子30の軸線周りには、円形の円形磁束40が発生する。ここで、正極(図示右側)の車両側端子30の軸線周りに発生する円形磁束40は時計回り方向とされ、負極(図示左側)の車両側端子30の軸線周りに発生する円形磁束40は反時計回り方向とされる。
言い換えると、一対の車両側端子30の軸線周りには、互いに反対方向となるように一対の円形磁束40が発生し、一対の円形磁束40のうち互いに隣り合う磁束が上方に向かう内側磁束41とされ、一対の円形磁束40のうち車両側端子30の軸線を挟んで内側磁束41とは反対側の外側に生じる磁束が下方に向かう外側磁束42とされる。
言い換えると、一対の車両側端子30の軸線周りには、互いに反対方向となるように一対の円形磁束40が発生し、一対の円形磁束40のうち互いに隣り合う磁束が上方に向かう内側磁束41とされ、一対の円形磁束40のうち車両側端子30の軸線を挟んで内側磁束41とは反対側の外側に生じる磁束が下方に向かう外側磁束42とされる。
電線接続部32は、図8乃至図10に示すように、略円筒状をなすクローズドバレルであって、電線の端末において露出される芯線が電線接続部32内に挿入されて圧着されることにより、電線の端末に車両側端子30が接続される。
本体部33の外周面には、外方に張り出すフランジ部36が形成されている。フランジ部36は、車両側端子収容部12の前後方向略中央部に設けられた前止まり部12Aに前方から係止可能とされると共に、車両側ハウジング11の後部に装着される車両側リテーナ16に後方から係止可能とされている。そして、フランジ部36が前止まり部12Aおよび車両側リテーナ16によって前後から係止されることで、車両側端子30が車両側ハウジング11内に抜け止めされている。
本体部33の外周面には、外方に張り出すフランジ部36が形成されている。フランジ部36は、車両側端子収容部12の前後方向略中央部に設けられた前止まり部12Aに前方から係止可能とされると共に、車両側ハウジング11の後部に装着される車両側リテーナ16に後方から係止可能とされている。そして、フランジ部36が前止まり部12Aおよび車両側リテーナ16によって前後から係止されることで、車両側端子30が車両側ハウジング11内に抜け止めされている。
また、車両側端子収容部12の幅方向略中央部には、図3に示すように、磁性部材50を収容する磁石収容凹部17が上下に一対設けられている。各磁石収容凹部17は、取付板13の後面から前方に向かって凹んだ形態をなしており、磁石収容凹部17の奥壁17Aは、車両側キャビティ15内に収容された車両側端子30のピン状接続部31の前端位置よりもやや後方となるように設定されている。
磁性部材50は、図3および図6に示すように、前後方向に長い略円柱状の永久磁石であって、例えば、ネオジム磁石などの強い磁力を有する永久磁石とされており、磁性部材50の前後両端部が磁極とされている。磁性部材50は、磁石収容凹部17の奥壁17Aに磁性部材50の前端面が当接する位置まで挿入されており、図示しない抜け止め部材によって後方に抜け止めされている。
また、一対の磁性部材50のうち、上側に配された上側磁性部材51は、その前端部51FがS極、その後端部51RがN極となるように設定されているのに対し、下側に配された下側磁性部材52は、その前端部52FがN極、その後端部52RがS極となるように設定されている。
また、一対の磁性部材50のうち、上側に配された上側磁性部材51は、その前端部51FがS極、その後端部51RがN極となるように設定されているのに対し、下側に配された下側磁性部材52は、その前端部52FがN極、その後端部52RがS極となるように設定されている。
このように一対の磁性部材50が構成されると、図3に示すように、下側磁性部材52の前端部52FであるN極から上側磁性部材51の前端部51FであるS極に向かう前側磁束90Fが生じ、上側磁性部材51の後端部51RであるN極から下側磁性部材52の後端部52RであるS極に向かう後側磁束90Rが生じる。つまり、各磁性部材50の前端部51F,52Fの磁極がピン状接続部31の前端位置周辺に前側磁束90Fを生じさせる。また、ピン状接続部31の前端位置周辺の前側磁束90Fの密度は、車両側端子収容部12の前方外側に位置する前側磁束90Fの密度よりも高くなっている。
そして、図5に示すように、前側磁束90Fのうち、一対の車両側端子30間に位置する内側領域S1を通る前側磁束90Fは、一対の円形磁束40の内側磁束41と同一方向となる上向きの同方向磁束91とされ、各車両側端子30を挟んで内側領域S1とは反対側に位置する外側領域S2を通る前側磁束90Fは、一対の円形磁束40の外側磁束42と逆方向となる上向きの逆方向磁束92とされる。
したがって、各磁性部材50の前端部51F,52Fが配されたピン状接続部31の前端位置周辺では、上側磁性部材51と下側磁性部材52との間において同方向磁束91と逆方向磁束92とが生じる。そして、内側領域S1では、上向きの内側磁束41と上向きの同方向磁束91とが合わさることで磁束密度が高くなり、外側領域S2では、下向きの外側磁束42と上向きの逆方向磁束92とが互いに打ち消し合うことで磁束密度が低くなる。これにより、ピン状接続部31の前端位置周辺の電荷には、磁束密度が高い内側領域S1から磁束密度が低い外側領域S2に向かうローレンツ力が作用する。
さて、車両側端子収容部12における車両側キャビティ15の内壁には、図1、図2、図4乃至図6に示すように、保護部20が設けられている。この保護部20は円筒状のセラミック材からなり、図8乃至図10に示すように、車両側キャビティ15の内壁うち、前止まり部12Aよりも前側に位置する部分全体を全周に亘って覆った形態とされている。保護部20は、車両側ハウジング11を成形する際に、保護部20をインサート成形することで車両側ハウジング11に一体に保持固定されている。
また、保護部20の外周面には、図6および図7に示すように、略矩形状の開口を有する有底の凹部21が複数形成されている。これらの凹部21は、周方向に等間隔で四箇所、前後方向に三列の合計12箇所に設けられている。凹部21は、車両側ハウジング11を成形する際に、溶融した合成樹脂が流れ込んで車両側端子収容部12が保護部20に食い込んだ状態となり、保護部20を車両側端子収容部12内に容易にかつ強固に抜け止めする役割を果たしている。
ところで、セラミック材からなる保護部20と合成樹脂からなる車両側端子収容部12とでは熱膨張係数が異なるため、サーマルショック試験などの際に、保護部20に対して圧力がかかることで保護部20が破損することが懸念される。しかしながら、保護部20は円筒状に形成されているから、円筒形状が外圧に対して強固となる、いわゆるアーチ効果により、圧力によって保護部20が破損することを防ぐことができるようになっている。
ところで、セラミック材からなる保護部20と合成樹脂からなる車両側端子収容部12とでは熱膨張係数が異なるため、サーマルショック試験などの際に、保護部20に対して圧力がかかることで保護部20が破損することが懸念される。しかしながら、保護部20は円筒状に形成されているから、円筒形状が外圧に対して強固となる、いわゆるアーチ効果により、圧力によって保護部20が破損することを防ぐことができるようになっている。
本実施形態の車両側コネクタ10は、以上のような構成であって、続いて車両側コネクタ10から充電用コネクタ60が離脱する際の作用効果を説明する。
車両側コネクタ10と充電用コネクタ60とが正規に嵌合した状態では、図8に示すように、車両側コネクタ10の車両側フード部14内に充電用コネクタ60の充電側フード部65が正規に嵌合され、車両側端子収容部12の車両側キャビティ15内に充電側端子収容部62の収容筒部64が嵌合されている。そして、一対の車両側端子30と一対の充電側端子70とがそれぞれ電気的に接続されている。
車両側コネクタ10と充電用コネクタ60とが正規に嵌合した状態では、図8に示すように、車両側コネクタ10の車両側フード部14内に充電用コネクタ60の充電側フード部65が正規に嵌合され、車両側端子収容部12の車両側キャビティ15内に充電側端子収容部62の収容筒部64が嵌合されている。そして、一対の車両側端子30と一対の充電側端子70とがそれぞれ電気的に接続されている。
車両側コネクタ10から充電用コネクタ60の離脱が開始されると、充電用コネクタ60の引き抜き動作に伴って、充電側フード部65が車両側フード部14から離脱し始めると共に、車両側キャビティ15内の収容筒部64が車両側端子収容部12から離脱し始める。
そして、車両側フード部14に対する充電側フード部65の離脱が進むと、図9に示すように、充電側フード部65と車両側フード部14とが浅く嵌合した位置まで離脱した状態となり、車両側端子30のピン状接続部31が充電側端子70の端子接続部71から離脱する。これにより、車両側端子30と充電側端子70との接続が解除される。
そして、車両側フード部14に対する充電側フード部65の離脱が進むと、図9に示すように、充電側フード部65と車両側フード部14とが浅く嵌合した位置まで離脱した状態となり、車両側端子30のピン状接続部31が充電側端子70の端子接続部71から離脱する。これにより、車両側端子30と充電側端子70との接続が解除される。
ところで、車両側端子30と充電側端子70との間に電流が流れていると、車両側端子30と充電側端子70と間にアーク放電ARが発生する。ところが、本実施形態によると、車両側端子30の前端位置周辺には、図3および図4に示すように、前側磁束90Fが発生しており、一対の車両側端子30の軸線周りには円形磁束40が発生しているから、内側領域S1では磁束密度が高くなるのに対し、外側領域S2では磁束密度が低くなり、内側領域S1と外側領域S2との間で磁束密度が差が生じる。すなわち、アーク放電ARに対して内側領域S1から外側領域S2に向かうローレンツ力が作用し、図9に示すように、各極のアーク放電ARが互いに反対方向となるように外側領域S2に向かって曲げられ、アーク放電ARの極間短絡が抑制される。
ここで、例えば、曲げられたアーク放電の先に、合成樹脂からなる車両側キャビティの内壁が配されていると、車両側キャビティの内壁がアーク放電の高熱に晒されて車両側端子収容部から可燃性ガスが発生し、この可燃性ガスがアーク放電によって発火する虞がある。
ところが、本実施形態によると、図9に示すように、車両側キャビティ15の内壁は、不燃性のセラミック材からなる保護部20によって全周に亘って覆われているから、車両側キャビティ15の内壁が屈曲したアーク放電ARに直接晒されることを防ぐことができる。これにより、車両側端子収容部12が溶けて可燃性ガスが発生することを防ぐことができ、アーク放電ARにより発火することを防ぐことができる。ひいては、炎が両コネクタ10,60間から外部に漏れることを防ぐことができる。
また、例えば、アーク放電のエネルギーが大きく、車両側キャビティ15内において全周に亘ってアーク放電が広がった場合においても、本実施形態によると、ピン状接続部31における前端位置周辺を全周に亘って保護部20で覆っているから、車両側端子収容部12がアーク放電ARに晒されることを確実に防ぐことができる。
ところで、例えば、車両側端子収容部全体をセラミック材で形成することにより、車両側端子収容部からの可燃性ガスの発生を防ぐ方法も考えられるが、一般にセラミック材は合成樹脂に比べて脆く欠けやすい。だからといって、強度の高いセラミック材を用いると、強度の高いセラミック材は高価であるため、製造コストが高くなってしまう。
また、車両側キャビティの内壁に不燃性の塗料などを塗布することにより、保護部を形成することも可能である。しかしながら、車両側コネクタと充電用コネクタとの嵌合および離脱を繰り返すと、車両側キャビティの内壁に充電用コネクタが摺接するなどして塗料が剥離してしまう。
また、車両側キャビティの内壁に不燃性の塗料などを塗布することにより、保護部を形成することも可能である。しかしながら、車両側コネクタと充電用コネクタとの嵌合および離脱を繰り返すと、車両側キャビティの内壁に充電用コネクタが摺接するなどして塗料が剥離してしまう。
ところが、本実施形態によると、セラミック材からなる保護部20がインサート成形により車両側キャビティ15の内壁に一体に保持固定されているから、外部から他の部材が当接することを抑制することができる。また、端子収容部全体をセラミック材で形成する場合に比べて、製造コストが増加することを抑制することができる。さらに、保護部20に充電用コネクタ60の収容筒部64が摺接しても、保護部20が剥離したり、脱落したりすることを抑制することができる。
以上のように、本実施形態の車両側コネクタ10によると、車両側キャビティ15の内壁全体をセラミック材からなる保護部20によって覆っているから、車両側端子30と充電側端子70との間にアーク放電が発生したとしても、車両側キャビティ15の内壁がアーク放電ARに直接晒されることを防ぎ、車両側ハウジング11から可燃性ガスが発生することを防ぐことができる。ひいては、可燃性ガスによる発火を防ぎ、両コネクタ10,60間から炎が外部に漏れることを防ぐことができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について図11乃至図13を参照して説明する。
実施形態2の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)110は、実施形態1における保護部20形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
次に、本発明の実施形態2について図11乃至図13を参照して説明する。
実施形態2の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)110は、実施形態1における保護部20形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
実施形態2の保護部120は、図13に示すように、実施形態1の保護部20を半分に分割した形態の半円筒体とされている。保護部120は、図12に示すように、車両側キャビティ15の内周壁における外側領域S2側の外側半分に設けられている。すなわち、保護部120は、車両側キャビティ15の内壁うち、前止まり部12Aよりも前側に位置する部分の外側半分を覆った形態とされている。
保護部20の外周面には、図13に示すように、略矩形状の開口を有する有底の凹部21が前後方向に三箇所に設けられている。また、保護部120が半円筒体となったことにより生じた保護部120の前後方向に延びる端面は、図12に示すように、保護部120の厚さ方向の外端から内端に向けて次第に後退したテーパ面122とされており、このテーパ面が車両側キャビティ15の内壁に食い込んだ状態となることで、保護部120が車両側キャビティ15の内壁に強固に固定されている。
つまり、本実施形態によると、車両側キャビティ15の内壁のうち、少なくとも屈曲したアーク放電ARが向かう外側領域S2側の内壁には、保護部120が設けられているから、車両側端子収容部12から可燃性ガスが発生することを防ぐことができる。また、セラミック材からなる保護部120を半円筒体としているからセラミック材の全体量を低減することができ、車両側コネクタ110の製造コストを低減させることができる。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について図14乃至図16を参照して説明する。
実施形態3の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)210は、実施形態2における保護部120形状を変更したものであって、実施形態2と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
次に、本発明の実施形態3について図14乃至図16を参照して説明する。
実施形態3の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)210は、実施形態2における保護部120形状を変更したものであって、実施形態2と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
実施形態3の保護部220は、図15に示すように、実施形態2の保護部120を前後方向に短くした形態とされている。保護部220は、図16に示すように、車両側キャビティ15の前端からピン状接続部31の前端位置よりもやや後方位置までの範囲を覆うように設けられている。
すなわち、本実施形態によると、車両側キャビティ15の内壁のうち、少なくともアーク放電ARが影響を及ぼす領域(アーク放電ARが発生するピン状接続部31の前端位置から前方部分で、かつ、屈曲したアーク放電ARが向かう外側領域S2側の領域)には、保護部120が設けられているから、車両側端子収容部12から可燃性ガスが発生することを防ぐことができる。
また、本実施形態によると、車両側キャビティ15の内壁のうち、アーク放電ARが影響を及ぼす領域のみにセラミック材からなる保護部220を配しているから、セラミック材の全体量を最小限にすることができ、車両側コネクタ210の製造コストをさらに低減させることができる。
また、本実施形態によると、車両側キャビティ15の内壁のうち、アーク放電ARが影響を及ぼす領域のみにセラミック材からなる保護部220を配しているから、セラミック材の全体量を最小限にすることができ、車両側コネクタ210の製造コストをさらに低減させることができる。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4について図17乃至図19を参照して説明する。
実施形態4の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)310は、実施形態1における保護部20形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
次に、本発明の実施形態4について図17乃至図19を参照して説明する。
実施形態4の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)310は、実施形態1における保護部20形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
実施形態2の保護部320は、図18に示すように、実施形態1の保護部20を前後方向に短くした形態とされている。保護部320は、図17および図19に示すように、車両側キャビティ15の前端からピン状接続部31の前端位置よりもやや後方位置までの範囲を覆うように設けられている。
すなわち、車両側キャビティ15の内壁のうち、アーク放電ARが発生する領域のみにセラミック材からなる保護部320を設けているから、セラミック材の全体量を低減することができ、車両側コネクタ310の製造コストを低減させることができる。
すなわち、車両側キャビティ15の内壁のうち、アーク放電ARが発生する領域のみにセラミック材からなる保護部320を設けているから、セラミック材の全体量を低減することができ、車両側コネクタ310の製造コストを低減させることができる。
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5について図20乃至図22を参照して説明する。
実施形態5の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)410は、CHAdeMO規格に適合したものであって、充電用コネクタ(図示せず)が前方から嵌合するものを例示している。
車両側コネクタ410は、図21に示すように、合成樹脂製の車両側ハウジング(「ハウジング」に相当する)411と、車両側ハウジング411内に後方から収容される一対の車両側電源端子(「端子」に相当する)430と、車両側ハウジング411内に後方から収容される複数の車両側信号端子480を備えて構成されている。
次に、本発明の実施形態5について図20乃至図22を参照して説明する。
実施形態5の車両側コネクタ(「コネクタ」に相当する)410は、CHAdeMO規格に適合したものであって、充電用コネクタ(図示せず)が前方から嵌合するものを例示している。
車両側コネクタ410は、図21に示すように、合成樹脂製の車両側ハウジング(「ハウジング」に相当する)411と、車両側ハウジング411内に後方から収容される一対の車両側電源端子(「端子」に相当する)430と、車両側ハウジング411内に後方から収容される複数の車両側信号端子480を備えて構成されている。
車両側ハウジング411は、図20に示すように、充電用コネクタが嵌合されるフード部414と、フード部414の奥壁414Aの中心を境に幅方向両側に設けられた一対の電源用端子収容部(「端子収容部」に相当する)412と、フード部414の奥壁414Aの中心を境に上下方向両側に設けられた一対の信号用端子収容部418とを備えて構成されている。
各信号用端子収容部418は、略円筒状の外筒部418Aの内側に四つの内筒部418Bが設けられた形態とされており、各内筒部418Bの内側には、車両側信号端子480が収容されている。
各電源用端子収容部412は、図21に示すように、前後方向に細長い円筒状をなしている。また、電源用端子収容部412は、フード部414の奥壁414Aを前後方向に貫通している。電源用端子収容部412内には、車両側電源端子430が後方から収容されるキャビティ415が設けられている。キャビティ415は、前後方向略中央部よりも後側に位置する後側キャビティ415Bが前側に位置する前側キャビティ415Aよりも大径に形成されている。また、電源用端子収容部412の前端開口は、充電用コネクタに設けられた充電側端子(図示せず)がキャビティ415内に進入する端子挿入孔412Aとされており、端子挿入孔412Aは、前側キャビティ415Aよりも小径に形成されている。
車両側電源端子430は、導電性を有する金属棒を母材として圧造、切削等を施すことにより形成されており、図21に示すように、複数の弾性接触片431Aを有する筒状接続部431と、バッテリから延びる電線Wに接続される電線接続部432と、筒状接続部431と電線接続部432とを前後方向に繋ぐ本体部433とを備えて構成されている。
筒状接続部431は前方に開口する略円筒状をなし、筒状接続部431の前端開口から後方に向けて延びるスリット431Bを周方向に複数設けることで径方向外側に弾性変位可能な弾性接触片431Aが複数形成されている。そして、車両側コネクタ410と充電用コネクタとが正規に嵌合されると、充電用コネクタに設けられた充電側端子が電源用端子収容部412の端子挿入孔412Aを通して筒状接続部431の内側に進入し、弾性接触片431Aが充電側端子に弾性的に接触することで、車両側電源端子430と充電側端子とが電気的に接続されるようになっている。
また、一対の車両側電源端子430のうち、図22に示すように、図示右側の車両側電源端子430が正極とされ、図示左側の車両側電源端子430が負極とされている。そして、車両側電源端子430と充電側端子とが接続された状態で通電されると、車両側電源端子430および充電側端子の軸線回りには、図20に示すように、円形の円形磁束440が発生する。円形磁束440のうち、正極(図示右側)の車両側電源端子430の軸線回りに発生する円形磁束440は時計回り方向とされ、負極(図示左側)の車両側電源端子430の軸線回りに発生する円形磁束440は反時計回り方向とされる。
言い換えると、一対の車両側電源端子430の軸線回りには、互いに反対方向となるように一対の円形磁束440が生じ、一対の円形磁束440のうち互いに隣り合う磁束が上方に向かう内側磁束441とされ、一対の円形磁束440のうち車両側電源端子430の軸線を挟んで内側磁束441とは反対側の外側に生じる磁束が下方に向かう外側磁束442とされる。
電線接続部432は、図21に示すように、略円筒状をなすクローズドバレルであって、電線Wの端末において露出される芯線が電線接続部432内に挿入されて圧着されることにより、電線Wの端末に車両側電源端子430が接続されている。
本体部433は円柱状をなし、本体部433の外周面には径方向に張り出す円形のフランジ部436が設けられている。このフランジ部436は、前側キャビティ415Aの後端開口縁に対して後方から当接可能とされている。そして、車両側電源端子430がキャビティ415内に収容されると、フランジ部436が前側キャビティ415Aの後端開口縁に後方から当接することで前止まりされ、前側キャビティ415Aは、フランジ部436によって後方から蓋をされたような状態となる。また、電源用端子収容部412の後端部にはリテーナ416が装着可能とされており、フランジ部436がリテーナ416によって後方から係止されることで、車両側電源端子430の後方への抜け止めがされている。
フード部414は、図20および図21に示すように、前方に向かって開口した形態をなしており、フード部414の後端外周縁には、車体のパネルに固定される取付板13が一体に形成されている。また、フード部414の外周における上下両側には、フード部414を補強する上下一対の補強部419が設けられている。各補強部419は、フード部414の外周面に沿うように幅広な略板状に形成されており、上下一対の補強部419の内部には、上下一対の磁性部材450が幅方向両側に二組並んで埋設されている。
各磁性部材450は、前後方向に長い略板状をなし、実施形態1と同様の強い磁力を有する永久磁石とされている。各磁性部材450のうち、フード部414の上側に配された上側磁性部材451とフード部414の下側に配された下側磁性部材452とが対向するように配置されており、各磁性部材450の上下両面が磁極とされている。
各磁性部材450の磁極は、下面がS極、上面がN極となるように設定されており、電源用端子収容部412が配されたフード部414内には、図20および図21に示すように、下側磁性部材452の上面であるN極から上側磁性部材451の下面であるS極に向かって磁束490が生じるようになっている。そして、フード部414内に生じる磁束490のうち、一対の車両側電源端子430の間に位置する内側領域S1を通る磁束490は、図20に示すように、一対の円形磁束440の内側磁束441と同一方向となる上向きの同方向磁束491とされ、各車両側電源端子430を挟んで内側領域S1とは反対側に位置する外側領域S2を通る磁束490は、一対の円形磁束440の外側磁束442と逆方向となる上向きの逆方向磁束492とされる。
したがって、本実施形態によると、フード部414内に下側磁性部材452から上側磁性部材451に向かう磁束490を生じさせて、内側領域S1と外側領域S2との間の磁束密度の疎密に大きな差を生じさせ、正負極間において発生するアーク放電ARにローレンツ力を作用させることにより、アーク放電ARの極間短絡を抑制するようになっている。
さて、本実施形態の車両側コネクタ410は、図21および図22に示すように、前側キャビティ415Aの内壁には、円筒状のセラミック材からなる保護部420が設けられている。この保護部420は、後方からキャビティ415に挿入され、車両側電源端子430の筒状接続部431と前側キャビティ415Aの内壁との間に収容されている。保護部420の長さ寸法は、前側キャビティ415Aの長さ寸法とほぼ同じ寸法とされ、保護部420の外径は、前側キャビティ415Aの内径とほぼ同じ大きさとされている。したがって、前側キャビティ415A内に保護部20が後方から収容され、その後、車両側電源端子430が後方から収容されると、保護部420の前端が電源用端子収容部412の前壁412Bによって前止まりされ、保護部420の後端が車両側電源端子430のフランジ部436よって後方から係止される。これにより、保護部420が前側キャビティ415A内に抜け止めされるようになっている。
すなわち、本実施形態によると、前側キャビティ415Aの内壁が、不燃性のセラミック材からなる保護部420によって全周に亘って覆われているから、前側キャビティ415Aの内壁が屈曲したアーク放電ARに直接晒されることを防ぐことができ、電源用端子収容部412が溶けて可燃性ガスが発生することを防ぐことができる。
また、本実施形態によると、車両側コネクタ410を組み立てる際に、電源用端子収容部412内に保護部420を挿入し、その後、車両側電源端子430を収容することで、保護部420を前側キャビティ415A内に抜け止めすることができるから、電源端子収容部内に保護部を抜け止めする抜け止め部を別途設ける場合に比べて、車両側コネクタ410を簡素化することができ、車両側コネクタ410の製造コストが増加することを抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、一対の磁性部材50,450を備えることでアーク放電ARにローレンツ力を作用させる構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、磁性部材を具備せず、アーク放電にローレンツ力を作用させないコネクタに適用してもよい。
(2)上記実施形態では、保護部20,120,220,320,420を車両側コネクタ10,110,210,310,410に適用した構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、保護部を充電用コネクタに適用してもよい。
(3)上記実施形態では、保護部20,120,220,320,420をセラミック材によって構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、保護部をガラスや金属などの不燃性の材料で構成してもよい。
(4)上記実施形態では、保護部20,120,220,320の外周面に複数の凹部21が設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、保護部の外周面にローレットが設けられた構成でもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、一対の磁性部材50,450を備えることでアーク放電ARにローレンツ力を作用させる構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、磁性部材を具備せず、アーク放電にローレンツ力を作用させないコネクタに適用してもよい。
(2)上記実施形態では、保護部20,120,220,320,420を車両側コネクタ10,110,210,310,410に適用した構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、保護部を充電用コネクタに適用してもよい。
(3)上記実施形態では、保護部20,120,220,320,420をセラミック材によって構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、保護部をガラスや金属などの不燃性の材料で構成してもよい。
(4)上記実施形態では、保護部20,120,220,320の外周面に複数の凹部21が設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、保護部の外周面にローレットが設けられた構成でもよい。
10,110,210,310,410:車両側コネクタ(コネクタ)
11,411:車両側ハウジング(ハウジング)
12:車両側端子収容部(端子収容部)
20,120,220,320,420:保護部
21:凹部
30:車両側端子(端子)
40,440:円形磁束
50,450:磁性部材
60:充電用コネクタ(相手側コネクタ)
70:充電側端子(相手側端子)
412:電源用端子収容部(端子収容部)
430:車両側電源端子(端子)
S1:内側領域
S2:外側領域
11,411:車両側ハウジング(ハウジング)
12:車両側端子収容部(端子収容部)
20,120,220,320,420:保護部
21:凹部
30:車両側端子(端子)
40,440:円形磁束
50,450:磁性部材
60:充電用コネクタ(相手側コネクタ)
70:充電側端子(相手側端子)
412:電源用端子収容部(端子収容部)
430:車両側電源端子(端子)
S1:内側領域
S2:外側領域
Claims (7)
- 電線の端末に接続されるコネクタであって、
相手側コネクタが嵌合される合成樹脂製のハウジングと、
前記ハウジングに筒状に設けられ、前記相手側コネクタに設けられた相手側端子に接続される端子を内部に収容する端子収容部とを備え、
前記端子収容部の内周面には、不燃性の保護部が設けられているコネクタ。 - 前記保護部は、セラミック材によって形成されている請求項1記載のコネクタ。
- 前記保護部には、前記端子収容部が食い込む凹部が設けられている請求項1または請求項2記載のコネクタ。
- 前記端子は、前記ハウジングの嵌合方向とは反対側である後方から前記端子収容部に収容されるようになっており、
前記保護部は、前記端子に後方から係止されることで前記端子収容部内に抜け止めされている請求項1または請求項2記載のコネクタ - 前記端子収容部は、前記端子の軸線回りに生じる円形磁束が互いに反対方向となるように幅方向に一対並んで設けられており、
前記ハウジングには、一対の前記端子収容部の間に位置する内側領域と前記端子収容部を挟んで前記内側領域とは反対側に位置する外側領域とに磁束を生じさせることにより前記円形磁束と共に前記内側領域の磁束密度を前記外側領域の磁束密度よりも高くする一対の磁性部材が設けられており、
前記保護部は、前記端子収容部において前記外側領域側に設けられている請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のコネクタ。 - 前記保護部は、前記端子の前記相手側コネクタ側である先端部の周りに配されている請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のコネクタ。
- 前記保護部は、筒状に形成されている請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のコネクタ。
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