JP2015055541A - 周辺物体検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静止物と動体をより精度よく判別する周辺物体検知装置を提供すること。
【解決手段】対象物に照射したレーダーの反射波を受信して対象物の位置を検知する周辺物体検知装置100であって、レーダーの反射強度と対象物の自車両に対する相対位置を記録する反射強度記録手段32と、前記相対位置を所定の初期位置を基点とする絶対位置に変換する位置変換手段33と、自車両から所定範囲をマス状に区切り、前記絶対位置が含まれるマスに反射強度を設定することで反射強度マップを作成するマップ作成手段34と、前記反射強度マップとテンプレートデータとを比較して、対象物が静止物であることを検出する静止物検出手段35と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象物に照射したレーダーの反射波を受信して対象物の相対位置を検知する周辺物体検知装置に関する。
自車両の走行に対し障害となる対象物を検出して運転者に注意喚起する運転支援が知られている。従来から、前方にレーダーを照射して対象物を検出する運転支援が行われているが、前方だけでなく運転者の死角となる方向(例えば後側方)の対象物を検出する運転支援が可能となってきた。
このような後側方の対象物をレーダーで検出する周辺物体検知装置では、路面に対して静止している静止物(例えばガードレールなど)の存在まで警告すると運転者が煩わしく感じるおそれがある。このため、周辺物体検知装置は静止物と動体とを判別して動体の存在のみを運転者に警告する。
しかしながら、ガードレールのような静止物だけでなく、並走走行車両も自車両との相対速度がゼロであるかのように検知されるので、特定の静止物と並走走行車両との判別が困難な場合があることが知られている。
そこで、周辺物体検知装置において、静止物のみを判別したり、静止物と動体を判別する技術が検討されている(例えば、特許文献1、2参照。)。特許文献1には、FM−CW方式のレーダーにおいて、周波数下降時のビート信号のFFT結果(周波数スペクトル)と、周波数上昇時のビート信号のFFT結果(周波数スペクトル)を加算した加算周波数スペクトルから、対象物の位置に反射強度を記録する三次元マップを作成する物体検出装置が開示されている。三次元マップで同値の反射強度が継続している場合、連続した静止物であると判断する。
特許文献2には、FM−CW方式のレーダーにおいて、ビート信号のFFT結果から得られる相対速度に基づき対象物の位置を極座標に配置して、相対速度がゼロになるピークを静止物体として抽出する車載レーダー装置が開示されている。
特開2007−3476号公報 特開2006−242695号公報
しかしながら、レーダーの反射強度は、レーダーの向きや対象物の見え方によって大きく変わるため、従来の手法では静止物と動体の判別が困難な場合があるという問題がある。これは、前方検知では、自車の前方の障害物による反射波を検出するため、見え方の変化が少なく反射強度の変動は小さいのに対し、後側方の対象物は見え方の変化が大きいことに起因している。すなわち、後側方の対象物を監視する周辺物体検知装置は、真横付近から後側方の対象物を警告の対象とするため、静止物の見え方(例えば反射強度)は自車との相対位置によって変わっていく。したがって、ガードレールや壁などの静止物でもレーダーの反射角によっては反射強度が変動する。このため、特許文献1のように同値の反射強度が継続したことを利用しようとしても、強度変化が起こり静止物の反射強度が同値になるとは限らず反射強度による同値判断が困難になると考えられる。
また、特許文献2に記載されているように、相対速度がゼロになる点を抽出することは、レーダー反射波の取得精度に依存しているため、対象物の相対速度が誤差を含むと、静止物か否かの検知性能も低下してしまう。また、並走車両は、ガードレールなどと同様に相対速度がほぼゼロなので、相対速度のみを重視すると並走車両との区別ができなくなってしまう。
本発明は、上記課題に鑑み、静止物と動体をより精度よく判別する周辺物体検知装置を提供することを目的とする。
本発明は、対象物に照射したレーダーの反射波を受信して対象物の位置を検知する周辺物体検知装置であって、レーダーの反射強度と対象物の自車両に対する相対位置を記録する反射強度記録手段と、前記相対位置を所定の初期位置を基点とする絶対位置に変換する位置変換手段と、自車両から所定範囲をマス状に区切り、前記絶対位置が含まれるマスに反射強度を設定することで反射強度マップを作成するマップ作成手段と、前記反射強度マップとテンプレートデータとを比較して、対象物が静止物であることを検出する静止物検出手段と、を有することを特徴とする。
静止物と動体をより精度よく判別する周辺物体検知装置を提供することができる。
本実施形態の周辺物体検知装置による静止物の検知方法について説明する図の一例である。 対象物検知装置のシステム構成図の一例である。 運転支援ECUのハードウェア構成図の一例である。 レーダー装置により検知される物標情報を説明する図の一例である。 運転支援ECUの機能ブロック図の一例である。 座標テーブルを模式的に説明する図の一例である。 座標変換について説明する図の一例である。 マップの作成処理を説明する図の一例である。 実際に作成したマップの一例を示す図である。 テンプレートマッチングを説明する図の一例である。 ガードレールのテンプレートによるガードレールの判定結果を説明する図の一例である。 周辺物体検知装置の動作手順のフローチャート図の一例である。 運転支援ECUの機能ブロック図の一例である(実施例2)。 ガードレール側面を走行した際の反射強度をy座標に対応づけて示す図の一例である。 最大値−最小値の計算を説明する図の一例である。 周辺物体検知装置の概略的な特徴を説明する図の一例である。 運転支援ECUの機能ブロック図の一例である(実施例3)。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の周辺物体検知装置による静止物の検知方法の概略について説明する図の一例である。
図1(a)はガードレールと自車両の相対位置について説明する図の一例である。車両はガードレールの側方をほぼ直線状に走行している。時刻t1から時刻t2まで、車両の周辺物体検知装置はガードレールの反射強度を周期的に繰り返し検知している。
図1(b)は時刻t1〜t2の間に検知されるガードレールの位置を2次元平面に打点したマップを模式的に示す図である。図1(b)では時刻t1の時の自車両の左後方コーナーを2次元平面の座標の原点としている。車幅方向をx軸方向に設定し右側を正値、左側を負値とする。また、車長方向をy軸とし進行方向が正値である。したがって、時刻t1に検知されたガードレールの座標はx=-2.5、y=0〔m〕くらいである。また、時刻t2に検知されたガードレールの座標はx=-2.5、y=35〔m〕くらいである。
そして、周辺物体検知装置は時刻t1〜t2の間、特定したガードレールの位置に反射強度を設定することでマップを作成する。なお、マップは警告範囲以上のサイズで作成すればよい。したがって、ガードレールの形状に反射強度が配置されたマップが得られる。マップで表記しているのは説明のためであり、実際には座標と反射強度は配列変数に格納される。
図1(c)は、マップとテンプレートとの比較について説明する図の一例である。周辺物体検知装置は予めテンプレートを有している。テンプレートでは、様々な静止物をレーダーで検知した場合の検知位置の座標に反射強度が設定されている。周辺物体検知装置は、マップとテンプレートを比較することで類似性を判断し、閾値以上類似している場合、マップ内(すなわち警告範囲内)に、比較したテンプレートの静止物(例えば、ガードレール)が含まれると判定する。したがって、ガードレールのテンプレートと比較すれば対象物がガードレールか否かを、壁のテンプレートと比較すれば対象物が壁か否かを、防音壁のテンプレートと比較すれば対象物が防音壁か否かを判断できる。そして、これら静止物のテンプレートと一致しない場合、対象物は動体であると判断できる。
このように、本実施形態の周辺物体検知装置は、過去の検知位置を絶対座標に累積して配置することで構造物(静止物)の形状を特定できる。また、対象物に対し異なる複数の方向から取得した反射強度を記録する。したがって、既知の連続した静止物のテンプレートと比較することで静止物を高精度に検知できる。
〔構成例〕
図2は、対象物検知装置100のシステム構成図の一例を示す。レーダー装置11、運転支援ECU(Electronic Control Unit)13、ナビECU12、作動デバイス14、及び、車輪速センサ15が車載ネットワークを介して接続されている。車載ネットワークは、例えばCAN(Controller Area Network)、FlexRay、イーサネット(登録商標)、及び、Lin(Local Interconnect Network)などを通信プロトコルとする。
レーダー装置11は、後述するように、対象物までの距離、相対速度、方位及び反射強度(以下、これらをまとめて物標情報という場合がある)を周期的に検出し運転支援ECU13に送信している。距離と方位から自車両に対するターゲットの相対的な位置が求められる。本実施形態の対象物は、ガードレールや並走走行車両などである。
本実施形態のレーダー装置11は側方から後側方の対象物を検知する。レーダー装置11の電波の送受信部は、樹脂など電波を通過させる素材で作成されている車両の後方バンパの左端コーナーと右端コーナーの内側にそれぞれ配置されている。レーダーの送信方向の中心は、車軸と平行な方向に対し例えば45〜70度程度となるように配置されている。照射角度(レーダーの検出範囲)は例えば90〜120度などであるが、適宜、設計できる。仰角はほぼゼロ(路面に平行)である。このようなレーダーの照射範囲により後側方の障害物(例えば、並走走行車両)を検出できる。なお、自車両の前方にもレーダー装置11が取り付けられていてもよいが、本実施形態では説明を省略する。
レーダー装置11は、例えばFM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のレーダーである。このレーダー装置11は、周波数を時間に比例して増大・減少させながら送信信号と受信信号をミキサーでミキシングすることで、受信アンテナ毎にビート信号を生成する。送信信号が送信されてから受信信号が受信されるまでの時間は対象物との距離に比例し、またビート信号の周波数は相対速度によりシフトする。よって、ビート信号を例えばFFT解析することで距離及び相対速度が得られる。また、FFT解析で得られる電力のピークを反射強度とする。
対象物の方位θは、モノパルス方式、DBF(Digital Beam Forming)処理、MUSIC(Multiple Signal Classification)解析、Capon解析などにより求めることができる。モノパルス方式は、2本のアンテナで受信された反射波の位相差、アンテナ間の距離、反射波の波長などから方位を算出する方法である。アンテナが2本でよいので比較的安価に実装できる。レーダー装置11は、物標情報(距離、相対速度、方位、反射強度)を周期的に(例えば100ミリ秒)、運転支援ECU13に出力する。
車輪速センサ15は各輪に配置され、各車輪の回転速度を検出する。この他、車両には、ヨーレートセンサ、ジャイロセンサ、及び、操舵角センサなど様々なセンサが搭載されている。この他、車載される一般的なセンサを有している。
ナビECU12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して自車両の位置を検出する。GNSSにより自車両の位置情報(緯度、経度、標高)が検出され、その位置を基点に車輪速センサ15により検出された走行距離を累積して現在位置を特定する。また、不図示のヨーレートセンサやジャイロセンサにより自車両の進行方向を検出している。ナビECU12は不図示のディスプレイに道路地図と自車位置を表示して、目的地までの経路を案内する。
運転支援ECU13は物標情報に基づきBSM(Blind Spot Monitoring−System)やLCA(Lane Change Assist)など各種の運転支援を提供する。BSMは運転席からの死角に存在する並走走行車両を検出する運転支援で、比較的近距離の他車両を検出する。LCAは主に車線変更において相対速度の大きい移動物を検出して注意喚起する運転支援で、比較的遠距離の他車両を検出する。いずれも、警報するのは対象物が動体の場合である。
作動デバイス14は、対象物との異常接近を回避するための運転支援に用いられる各種の車載装置である。作動デバイス14として、例えば、警告ブザー、警告ランプ、音声出力装置、及び、ステアリングモータ等がある。
BSMでは、真横から後側方の間に動体が検出されると、対象物の存在を運転者に警告する。例えば、警告ランプを点灯・点滅することで運転者に煩わしさを感じさせることなく対象物の存在を警告する。また、ステアリングモータは、後側方に対象物が存在する場合、ステアリングホイールを振動させるなどして警告する。BSMの場合、聴覚的な作動デバイス14は作動しないが、例えば乗員の設定により作動させてもよい。作動させる場合、警告ランプの点灯・点滅と共に、警告ブザーを吹鳴する。また、音声出力装置はメッセージ(例えば「後側方に他車両が存在します」など)をスピーカから出力する。
LCAでは、例えばBSMよりも遠方の後側方に動体が検出され、かつ、運転者が車線変更する場合に、対象物の存在を警告する。例えば、後側方に相対速度が所定値以上の動体が検出され、かつ、運転者がウィンカスイッチを操作した場合、警告ブザーを吹鳴する。なお、BSM、LCAのこのような警告条件は一例に過ぎず、後側方の物体に対する警告条件は適宜、設計できる。また、BSMとLCAのように警告方法を分けずに警告してもよい。
図3は、運転支援ECU13のハードウェア構成図の一例である。運転支援ECU13は、主要な構成として入力回路21、マイコン22、及び、出力回路23を有している。マイコン22は、バスを介して接続されたRAM221、ROM222、不揮発メモリ223、CPU224、及び、通信コントローラ225を有している。CPU224は、ROM222に記憶されたOS(Operating System)やプログラムを実行して各ECUに特有の制御を行う。RAM221は、CPU224がプログラムを実行する際の作業領域である。
不揮発メモリ223は、電源をOFFにしてもデータが消去されない例えばフラッシュメモリである。不揮発メモリ223には例えば後述する各種のテンプレートが記憶される。通信コントローラ225は、CAN、FlexRay、イーサネット(登録商標)、LINなどの通信プロトコルに基づき、車載ネットワーク18を介して他のECUとデータを送受信する。なお、通信コントローラ225は、レーザー装置が検出した物標情報を受信し、作動デバイス14に作動要求を送信する。
入力回路21には、車輪速センサ15などのセンサが接続されている。この他、通信コントローラ225は、他のECUに接続されているセンサの信号を車載ネットワーク18を介して取得できる。入力回路21は、これらセンサの検出信号を必要であればA/D変換して、センサの識別情報と共にマイコン22に入力する。マイコン22はセンサの検出信号に演算を施し、出力回路23に出力する。出力回路23は、アクチュエータやモータ駆動回路などに接続されており、マイコン22はアクチュエータ等を制御することができる。運転支援ECU13に作動デバイス14が接続されている場合は作動デバイス14を作動させる。
〔レーダー装置により検知される物標情報〕
図4は、レーダー装置11により検知される物標情報を説明する図の一例である。図4は左後方コーナーのレーダー装置11により検知される物標情報を示すが、右後方コーナーにも同様のレーダー装置が配置されている。
レーダー装置11は、レーダーが対象物に反射して得られる反射波を受信し解析して、周期的に検波点の位置(図の三角)を測定する。しかし、レーダーにより検出される対象物の位置(検波点)は若干、ばらつくことが知れており、検波点を後述の追尾フィルタに入力して追尾点を生成し、追尾点を対象物の位置として扱い、警報等を発している。追尾フィルタが生成する追尾点は過去の検波点と追尾点の影響を受けるのでばらつきにくい。
追尾フィルタは最後に生成した追尾点を、検波点を用いて更新する。レーダーの散乱などにより検波点が複数、検出される場合があるが、その場合は、追尾点から所定距離内で最も近い検波点を用いて追尾点を更新する。このような最後に生成した追尾点に対し、最も近い検波点を抽出することをペアリングと称する。図ではt4の点線の円内の追尾点○と検波点△がペアリングされる。
なお、レーダー装置11は、レーダー位置を原点にレーダー位置から車幅方向をX軸(車両から離れる方向を正)、車長方向をY軸(車両から離れる方向を正)に設定して、現在の対象物の位置を測定する。この位置は、レーダー位置を原点とする対象物の相対位置であり、本実施例では後に、所定の初期位置を原点とする絶対位置に変更される。
〔運転支援ECUの機能〕
図5は、運転支援ECU13の機能ブロック図の一例を示す。運転支援ECU13は、追尾フィルタ31、テーブル作成部32、座標変換部33、マップ作成部34、及び、比較部35を有している。また、テンプレートDB39を有しているがテンプレートDB39は、車両が外部のサーバと通信することでダウンロードしてもよい。以下、運転支援ECU13の機能について適宜、図6〜8を用いて説明する。
追尾フィルタ31は、例えばカルマンフィルタ、αβフィルタ、αβγフィルタ、又は、粒子フィルタなど、物体追跡に好適なフィルタである。追尾フィルタ31は、検波点と過去の追尾点から次の追尾点を算出する。算出方法は各フィルタで公知なので省略する。本実施形態ではフィルタによる追尾点の追尾は必ずしも必要でなく、検波点だけを用いても静止物と動体の判別は可能である。
・座標テーブルの作成
テーブル作成部32は、追尾点と検波点、又は、追尾点と検波点のいずれかを時系列に収集した座標テーブル32を作成する。以下では、追尾点を例にして説明する。
図6は座標テーブル32を模式的に説明する図の一例である。m個の追尾点に対し、n個の座標(X,Y)及び反射強度Sが時系列に登録されている。また、この座標(X,Y)は、レーダー装置11の位置を原点とする相対座標である。
テーブル作成部32は、時刻t1〜tnに対応づけて時系列に追尾点の座標(X,Y)と反射強度Sを記録することで座標テーブル32を作成する。例えば、n=50とすれば、座標テーブル32には、1つの追尾点について常に最新の50個の座標(X,Y)と反射強度Sが保持されている。例えば、時刻t1に最も古い座標(X,Y)と反射強度Sが、時刻tnに最も新しい座標(X,Y)と反射強度Sが対応づけて記録される。
新しい追尾点が検出されると、テーブル作成部32は、最も古い追尾点を破棄して、新しい追尾点が追加することで座標テーブル32を更新し、最新の50個の座標(X,Y)と反射強度Sが登録された座標テーブル32を作成する。
また、新しい追尾点が検出される毎に、座標テーブル32は座標変換部33に送出される。
後側方の対象物は、自車両から見て真横付近から後側方までの範囲で相対位置が変わるため、同一の対象物でも反射強度が変動しやすいが、座標テーブル32に相対位置に応じた対象物の反射強度を記録できる。すなわち、後側方の静止物の見え方を自車との相対位置に応じて記録できる。
・座標変換
図5に戻り、座標変換部33は、原点を設定することで座標テーブル32の時系列の座標を相対座標から絶対座標に座標変換する。本実施形態では、時刻t1(最も古い時刻)のレーダー位置(左後方コーナー)を原点として、時刻t1〜tnの座標を変換する。
図7は座標変換について説明する図の一例である。追尾点の座標(X,Y)は、図示するX軸(実線左向き)とY軸(点線下向き)の座標系で表されている。まず、変換後の座標系の原点(0,0)を、時刻t1の左後方コーナーとする。そして、変換後の座標系のx軸をX軸と同じに設定し、y軸をY軸とは逆方向に設定する。
したがって、X-Y座標系の時刻t1の座標(X11,Y11)は、以下のようにx-y座標系の座標(x11,y11)に変換される。
(x11,y11)=(X11,-Y11)
時刻t1から時刻t2の間に、左後方コーナーは路面に対し、x方向に−Δx、y方向にΔyだけ移動したとする。時刻t2で測定された追尾点(X21,Y21)は時刻t2の左後方コーナーを原点として測定されているので、追尾点(X21,Y21)を左後側方コーナーの移動分だけ補正する。なお、Y21は同様に符号を逆にする。したがって、X-Y座標系の時刻t2の座標(X21,Y21)は、以下のようにx-y座標系の座標(x21,y21)に変換される。
(x21,y21)=(X21+Δx , -Y21+Δy)
したがって、時刻t1の車両位置に対するΔx、Δyを求めることで座標変換可能である。Δxは、ヨーレートセンサやジャイロセンサから求めた車両の進行方向と車速、周期時間(時刻t1からt2の時間間隔Δt)から算出できる。周期時間は、レーダー装置11が物標情報を出力する周期、又は、追尾フィルタ31が追尾点を算出する周期であるので、予め既知か少なくとも測定可能である。また、Δyも車速と周期時間から算出できる。
座標変換部33は、t3〜tnの各座標に対し、原点(0,0)を基準としてΔx、Δyを補正する座標変換を行う。これにより、座標テーブル36から変換座標テーブル37を作成できる。座標変換することで、t1〜tnの座標は路面に対し移動する追尾点となる。
上記のように、新しい追尾点が算出されるとテーブル作成部から新しい座標テーブル32が送出されるので、座標変換部33は、新しい座標テーブル32が作成される毎に、t1〜tnの各座標の座標変換を行う。したがって、座標変換部33は、新しい追尾点が算出される毎に、変換座標テーブル37を出力する。
・マップの作成
図5に戻り、マップ作成部34は、変換座標テーブル37からマップを作成する。このマップの作成は、座標をいくつかのグループ(マス)に仕分ける処理であり、テンプレートとの比較を容易にするためのものである。
図8はマップの作成処理を説明する図の一例である。マップ作成部34は、50点の座標が含まれる領域をマップの作成対象とするが、必ずしも全ての座標点を含むマップを作成しなくてもよい。例えば、車速が大きい場合、50点の座標全てが含まれるマップを作成するとマップが広くなってしまう。このため、例えば現在の自車両から所定距離内の領域のみをカバーするマップを作成してもよい。
図8(a)では例として3点の座標からマップを作成する例を示している。3点の座標はそれぞれ反射強度Sを有している。白丸は黒丸よりも反射強度Sが小さいことを示している。
図8(b)に示すように、マップ作成部34は領域を直線で格子状に区切りマスを作成する。1つのマスの広さはテンプレートとの比較に対し最適化すればよいが、例えば「10cm×10cm」程度とする。X方向とY後方で広さが異なってもよい。
3点の座標は必ずいずれかのマスに属する。マップ作成部34は、マスに属する座標がある場合、図8(c)に示すように、マスに座標の反射強度を設定する。図では、反射強度が大きいほど濃い濃度で塗りつぶしている。このように、変換座標テーブル37に基づき、座標があるマスが反射強度で置き換えられたマップが作成される。
図9は、実際に作成されたマップの一例を示す図である。図9のx軸とy軸は左上頂点を原点とし、軸の目盛りはマスの数となっている。例えば、"10"の目盛りはx軸・y軸から10マス目を意味している。なお、1マスは10〔cm〕である。図の右側のグラデーション表示は、反射強度の強さを示しており、濃度が濃いほど反射強度が大きい。
図9(a)は自車両がガードレール側面を走行した場合の追尾点から作成されたマップである。ガードレールは連続静止物なので、自車両との相対位置はほぼ一定となる(自車両からの見え方が安定している)が、図9(a)に示すように直線状にマスが高濃度で塗りつぶされているため、ガードレールの形状と反射強度が理想的に検出されている。なお、マップの左端に点在するマスは、レーダーが散乱して生じたノイズである。
図9(b)は自車両が駐車されている他車両の側面を走行した場合の追尾点から作成されたマップである。車両の形状に沿って、マスが塗りつぶされている。また、マスの濃度はyの値が大きい領域(約60以上)と小さい領域(約40以下)で薄くなっている。駐車車両を追い抜く際、自車両から見た相対位置が変わるため、駐車車両の反射強度を適切に記録していることが分かる。なお、マップの左端に点在するマスはレーダーが散乱して生じたノイズである。
図9(a)(b)から、本実施例の周辺物体検知装置100では、後側方の対象物の形状と反射強度を検出可能であることが確認できる。
図9(a)(b)を比較すると分かるように、適切なテンプレートを用意しておくことでガードレールと並走走行車両とを識別して検知可能である。
・テンプレートマッチング
図5に戻り、比較部35はマップとテンプレートDB39に記憶されている全てのテンプレートとを比較する。テンプレートDB39には、いくつかのテンプレートが記憶されている。テンプレートはマップと同じサイズのマスに区分されている。ガードレールのテンプレートには、典型的なガードレールの形状にガードレールから反射した反射強度が設定されている。防音壁のテンプレートには、典型的な防音壁の形状に防音壁から反射した反射強度が設定されている。壁(コンクリート)のテンプレートには、典型的な壁(コンクリート)の形状に壁(コンクリート)から反射した反射強度が設定されている。
比較部35は、マップとテンプレートのマッチング処理により、マップが静止物か否かを判定する。下式は、マップとテンプレートとの類似度を算出する式の一例である。a、bはマップのサイズを表し、f、tはマスの反射強度を意味している。
この式は、テンプレートの中心をマップのある点(i,j)に合わせて、kをa-1まで変化させ、かつ、l(エル)をb-1まで変化させた場合の、マスの反射強度とテンプレートの反射強度の積の合計を求める式である。これにより着目している点(i,j)の類似度が求められる。
マップのマスに反射強度が設定され、かつ、テンプレートのマスにも反射強度が設定されている場合、類似度は高くなることが期待できる。一方、マップのマスの反射強度、又は、テンプレートのマスの反射強度がゼロの場合、類似度はゼロである。したがって、マップとテンプレートの反射強度の設定位置がある程度重ならないと、類似度は閾値を超えない。
図10は、テンプレートマッチングを説明する図の一例である。図10(a)はマップの一例であり、図10(b)はテンプレートの一例である。なお、数値は反射強度の一例である。テンプレートのサイズを4×4とした。例えば、マップの(2,2)に着目して類似度を算出する場合、テンプレートの(2,2)をマップの(2,2)に一致させて(太枠201にテンプレートを一致させる)、対応する各マス同士の積を算出して合計する。この場合の類似度はゼロである。また、テンプレートをずらしてマップの(3,3)にテンプレートの(2,2)を一致させて(太枠202にテンプレートを一致させる)、対応する各マス同士の積を算出し合計する。マップの(2,2)とテンプレートの(1,1)が重なるがそれ以外のマスはゼロなので、類似度は100×80である。このように、マップに反射強度が格納されたマスの形状がテンプレートの形状と一致しないと、類似度は増大しにくい。
図10(c)は別のマップの一例である。同様に、マップの(2,2)に着目して類似度を算出すると(太枠203にテンプレートを一致させる)、ゼロである。しかし、テンプレートをずらしてマップの(3,3)にテンプレートの(2,2)を一致させて(太枠204にテンプレートを一致させる)類似度を算出すると、類似度が大きくなる。すなわち、マップの(2,2)とテンプレートの(1,1)、マップの(2,3)とテンプレートの(1,2)、マップの(2,4)とテンプレートの(1,3)、がそれぞれ重なる。よって、類似度は100×80+80×90+90×70である。このように、マップに反射強度が格納されたマスの形状がテンプレートの形状と一致すると、類似度が増大する。
上記のように、マップには、対象物の形状に後側方の相対位置に応じた反射強度が登録されているので、テンプレートマッチングにより、テンプレートが有する形状・反射強度との類似性が高いマップほど、高い類似度が算出される。
したがって、適切な閾値を設定することで(例えば図10(a)と図10(c)の類似度の違いを区別できるように)、マップの着目したマス毎に、テンプレートと類似しているか否かを判定できる。すなわち、テンプレートと重なるマップの領域に対象物が存在するか否かを判定することができる。
なお、このような比較方法は一例であって、例えば、SAD(sum of absolute difference)や差の二乗和SSD(sum of squared difference)によりテンプレートマッチングしてもよい。
図11は、ガードレールのテンプレートによるガードレールの判定結果を説明する図の一例である。図11(a)はガードレール側面を走行したことで得られたマップに対する類似度の算出結果の一例を示す。図10で説明した方法で類似度を算出した結果、図では四角で囲まれた部分がガードレールと判断されている。四角で囲まれた領域は実際のガードレールであるため、本実施例の判定方法が有効であることが確認できる。
図11(b)は他車両の側面を走行したことで得られたマップに対する類似度の算出結果の一例を示す。マップにおいて反射強度が設定されたマスがテンプレートと一致しないため(直線状でないため)、ガードレールとは判断されない。したがって、本実施例の判定方法が有効であることが確認できる。
〔動作手順〕
図12は周辺物体検知装置100の動作手順のフローチャート図の一例を示す。図12(a)は周辺物体検知装置100の全体的な動作手順を一例を示す図であり、図12(b)はステップS6の静止物除去処理の手順を示している。
レーダー装置11は例えばFM−CW方式でレーダーを照射して、対象物からの反射波を受信する(S1)。
レーダー装置11はFFT演算、ピーク検出などを行う(S2)。これにより、ビート信号の周波数や反射波の反射強度(ピーク電力)、位相などが分かる。
レーダー装置11は、ビート信号の周波数と位相を用いて、対象物との相対距離、相対速度、及び、方位を含む物標情報を算出する(S3)。物標情報は運転支援ECU13に送信される。
運転支援ECU13の追尾フィルタ31は追尾処理を行う(S4)。すなわち、ペアリングや重複排除、フィルタの更新式の更新などを行う。
次に、運転支援ECU13は対象物の速度を算出する(S5)。相対速度が検出されているので、相対速度と自車両の車速から対象物の路面に対する速度を求めることができる。
次に、運転支援ECU13は静止物を除去する(S6)。
静止物を除去することで、検知されている対象物は全て動体となるので、運転支援ECU13は警告条件と比較し、警告すべき場合は作動デバイス14に対し警告を要求する(S7)。
図12(b)に移り、テーブル作成部32は、座標テーブル36を作成する(S61)。すなわち、最も新しい座標を含む過去の50個程度の追尾点が登録された座標テーブル36を作成する。
次に、座標変換部33は、1サイクル前の自車の速度を取得する(S62)。そして、座標テーブル36に登録されている過去の追尾点の相対座標を、時刻t1の左後方コーナーを原点とする絶対座標に変換する(S63)。これにより変換座標テーブル37が作成される。
マップ作成部34は、自車両の現在地から所定範囲の領域をマスに分割する(S64)。
そして、変換座標テーブル37の座標が属するマスを決定し、座標の反射強度をマスに設定することでマップを作成する(S65)。
次いで、比較部35はマップといくつかのテンプレートとを比較してマッチング処理を行う(S66)。
比較部35は、閾値以上の類似度が得られた場合、該テンプレートの作成時に追尾点を測定した静止物が存在すると判定する(S67)。
以上説明したように、本実施例の周辺物体検知装置100は、後側方の対象物に対し異なる複数の方向から取得した反射強度を記録して、既知の静止物のテンプレートと比較することで既知の静止物を高精度に検知できる。したがって、相対位置によって反射強度が変わりうる後側方の対象物に対し、静止物であるにもかかわらず動体であると検出して警告することを低減できる。
実施例1では、変換座標テーブル37に格納された反射強度をマップの座標が属するマスに格納することでマップを作成した。しかしながら、複数の座標が1つのマスに含まれないようにマスのサイズを調整しない場合、1つのマスに属する座標が1つであるとは限らない。この場合、複数の座標が属するマスにどの反射強度を設定するか問題となる。本実施例では、1つのマスに複数の座標が属することを利用して、最大マップ、最小マップ、及び、平均マップの3つのマップを作成する。そして、マップが複数存在することを利用して強調マップを作成し、強調マップをテンプレートと比較する。
図13は、本実施例の運転支援ECU13の機能ブロック図の一例を示す。図13ではマップ作成部34が3つのマップ(最大マップ、最小マップ、平均マップ)38を作成する。例えば、t2の座標(X21、Y21)とt3の座標(X31、Y31)の2つの座標のみが同じマスに属するとする。マップ作成部は、反射強度S21と反射強度S31のうち大きい方を最大マップに、反射強度S21と反射強度S31のうち小さい方を最小マップに、反射強度S21とS31の平均を平均マップに、それぞれ格納する。なお、同じマスに属する座標が1つしかない場合、その座標の反射強度は最大マップ、最小マップ、及び、平均マップの全てに設定される。
また、図13では、周辺物体検知装置100は新たに強調処理部40を有している。強調処理部40は、最大マップ、最小マップ及び平均マップの少なくとも2つを使って強調処理を行い、強調マップ41を作成する。比較部35は、強調マップ41をテンプレートと比較するマッチング処理を行う。なお、強調マップと比較されるテンプレートは強調マップ用のテンプレートである(テンプレートにも強調処理が施されている)。
〔強調処理〕
強調マップ41を用いることで周期的な構造を有する静止物を高精度に検出可能となる。図14(a)は、自車両がガードレール側面を走行した際の反射強度を示す図の一例である。横軸は走行距離〔m〕を表しており、縦軸は反射強度〔db〕を表している。横軸の50〔m〕の間に周期的な(ほぼ等間隔の)ピーク値が確認される。このピーク値はガードレール支柱の反射強度であると考えられる。
このような反射強度に対し、例えば時間的に先に検出された座標を優先してマスに設定することでマップを作成しても、ガードレールという静止物であると抽出することは不可能ではない。しかし、ピークを強調することでさらにガードレールの特徴が現れたマップを作成できる。ピークを強調するには、例えば、最大値−最小値、最大値−平均値、又は、平均値−最小値を行う。
図15は最大値−最小値の計算を説明する図の一例である。変換座標テーブル37からマップ38を作成する際に、図15(a)のように、1つのマスに対し2つの座標が属する状態のマスが2つあるとする。図15(a)では中央の列の上から2つ目のマスに「100,50」という反射強度が、5つ目のマスに「110,40」という反射強度が図示されている。
図15(b)に示すように、最大マップでは、1つしか座標が属さないマスには、そのまま反射強度が格納され、2つ以上の座標が属するマスには最大値が格納される。最小マップでは、1つしか座標が属さないマスにはそのまま反射強度が格納され、2つ以上の座標が属するマスには最小値が格納される。このようにして最大マップと最小マップが得られる。平均マップの場合は、各反射強度の平均が設定される。
図15(c)は、強調マップ(=最大マップ−最小マップ)の演算結果を示す。減算により上から2つ目と5つ目に反射強度の差が格納されるが、それ以外のマスの反射強度はゼロになる。したがって、ガードレール支柱のピークを示す反射強度とそれ以外の反射距度が同じマスに属した場合、支柱を強調した強調マップが作成できる。
図14(b)は強調処理が施された反射強度を示す図の一例である。図14(a)と(b)を比較すると、ピークが強調されている。なお、ハイパスフィルタに入力することでピークをさらに強調することも有効である。
強調処理を施す場合はテンプレートも強調処理に対応したものを使用する。すなわち、強調処理されたガードレールのテンプレートは、支柱がある場所に選択的に反射強度が設定されたテンプレートになる。
高速道路の防音壁や、橋の欄干などにおいても柱などの周期的な構造があるため、周期的な構造を有する静止物は少なくない。したがって、これらの静止物では、マップ間の差を算出する強調処理をしてからマッチング処理を行うことが有効である。
なお、強調処理を行うのでなく、最大マップ又は最小マップとテンプレートを比較してもよいし、それぞれのマップとテンプレートを比較してもよい。最大マップ又は最小マップとテンプレートを比較するだけでも周期的な構造物が検出可能な場合ある。
以上説明したように、本実施例の周辺物体検知装置によれば、実施例1の効果に加え、周期的な構造を有する静止物をさらに検出しやすくなる。
本実施例では、テンプレートを用いずに、ある時刻に作成したマップを用いて静止物を検知する周辺物体検知装置100について説明する。
図16は、本実施例の周辺物体検知装置100の概略的な特徴を説明する図の一例である。時刻z-1のマップと時刻zのマップが図示されている。レーダー装置11は周期的に物標情報を取得しているが、実施例1にて説明したように、周辺物体検知装置100は時刻t1のレーダー位置を原点に対象物の座標を取得しマスに反射強度を設定することでマップを作成する。
この過程で対象物とレーダーの位置関係から反射強度が変わることは先述したが、反射強度を取得した時刻が大きく変わらなければ、反射強度は近い値を示す。図16では、時刻z-1の反射強度と同じ反射強度が時刻zで自車両から見て後方に移動している。したがって、ガードレールのような連続静止物でない駐車車両のような静止物であれば、現時点でどの位置にあるかを推定できる。つまり、マップに設定された静止物の反射強度は、時間的に新しいマップほど後方に設定される。したがって、静止物であれば後方に移動していくので、過去のあるマップと、現在のマップとを比較することで静止物か否かを判定できる。
図17は、本実施例の運転支援ECU13の機能ブロック図の一例を示す。図17ではテンプレートDB39を有さず、比較部35は、マップと比較用マップ43を比較する。比較部35は、所定時間間隔毎に、マップ作成部34が作成したマップを抽出して、それを比較用マップ43にセットする。所定時間間隔は、静止物の反射強度が余り変化しない(大きくは変化しない)時間とすればよく実験的に求められるが、例えば、3〜10個のマップが作成される時間である。こうすることで、1つの比較用マップで3回〜10回、マップと比較できる。
マップの全体を比較用マップ43として設定する必要はなく、静止物後方に移動することを考慮して、マップの中段から自車付近のマスを比較用マップ43とすればよい。例えば、X方向は全範囲、Y方向は最も自車付近に近いマスからマップの半分程度、などとする。図16(b)では、4×3のマスがテンプレートである。
比較用マップ43の対象物は、その後、時間の経過と共に後方に移動する。比較部35は、車速Vと周期時間(時刻t1からt2の時間間隔Δt)から、静止物が移動した距離を推定し、比較用マップ43とマップを比較する。すなわち、比較用マップをy方向にV・Δt移動した位置に合わせてテンプレートマッチングを行う。比較により、各マップと比較用マップの類似度が得られる。
図16(b)では、時刻zではマップの下から3〜5マスの領域が比較され、時刻z+1では下から2〜4マスの領域が比較され、時刻z+2では下から1〜3マスの領域が比較される。なお、マップ側のより広い範囲でマッチングしてもよい。
また、実施例2のように3つのマップ(最大マップ、最小マップ、平均マップ)を作成した場合、それぞれで比較用マップを作成し、周期的に作成される各マップと比較してもよい。
比較部35は、類似度が閾値以上であるマップが閾値以上(例えば3〜5つ以上)連続すると、対象物が静止物であると判定する。
したがって、本実施例によれば、実施例1の効果に加え、テンプレートDB39を用意しなくても静止物を検出することができる。
11 レーダー装置
13 運転支援ECU
14 作動デバイス
15 車輪速センサ
32 テーブル作成部
33 座標変換部
34 マップ作成部
100 周辺物体検知装置

Claims (6)

  1. 対象物に照射したレーダーの反射波を受信して対象物の位置を検知する周辺物体検知装置であって、
    レーダーの反射強度と対象物の自車両に対する相対位置を記録する反射強度記録手段と、
    前記相対位置を所定の初期位置を基点とする絶対位置に変換する位置変換手段と、
    自車両から所定範囲をマス状に区切り、前記絶対位置が含まれるマスに反射強度を設定することで反射強度マップを作成するマップ作成手段と、
    前記反射強度マップとテンプレートデータとを比較して、対象物が静止物であることを検出する静止物検出手段と、
    を有することを特徴とする周辺物体検知装置。
  2. 前記静止物検出手段は、予め用意されている特定の静止物の反射強度がマス状に配置された前記テンプレートデータと、前記反射強度マップと比較する、
    ことを特徴とする請求項1記載の周辺物体検知装置。
  3. 前記静止物検出手段は、前記テンプレートデータと前記反射強度マップの類似度が閾値以上の場合、対象物が前記特定の静止物であると推定する、
    ことを特徴とする請求項2記載の周辺物体検知装置。
  4. 前記静止物検出手段は、前記マップ作成手段が作成した前記反射強度マップの少なくとも一部を前記テンプレートデータとして保存し、
    前記テンプレートデータを保存してから前記反射強度マップと比較するまでの経過時間に自車両が路面に対し移動した移動量、前記テンプレートデータをシフトさせて、前記反射強度マップと保存した前記テンプレートデータとを比較することで、対象物が静止物か否かを推定する、ことを特徴とする請求項1記載の周辺物体検知装置。
  5. 前記マップ作成手段は、1つのマスに複数の前記絶対位置が含まれる場合、反射強度の最大値を最大反射強度マップに、反射強度の最小値を最小反射強度マップに、反射強度の平均値を平均反射強度マップに別々に設定し、
    前記最大反射強度マップのマスから前記最小反射強度マップのマスの反射強度を減じるか、又は、前記最大反射強度マップのマスの反射強度から前記平均反射強度マップのマスの反射強度を減じることで強調マップを作成する強調処理手段を有し、
    前記静止物検出手段は、前記強調マップと前記テンプレートデータとを比較する、
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の周辺物体検知装置。
  6. 前記反射強度記録手段は、自車両の真横から後側方の範囲に存在する対象物から反射したレーダーの反射強度を記録する、
    ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の周辺物体検知装置。
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