JP2015054571A - 液圧ユニット及びポートアダプタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングの汎用性を向上すること。【解決手段】液圧ユニット1は、内部に油路20,21が形成され、油路20,21とブレーキ配管5を液密に接続するための接続ポート25を備えたハウジング2と、接続ポート25にブレーキ配管5を固定するためのフレアナット6とを有し、接続ポート25は第1の規格に倣ったシール面250(被接触面)を備え、一方側の面に、シール面250に液密に当接するよう第1の規格に倣った第1のシール面71を備え、他方側の面に、第2の規格に倣ったブレーキ配管5の端面(シート面52)が液密に当接するよう第2の規格に倣った第2のシール面72を備えたポートアダプタ7を有し、ブレーキ配管5は、端部側(フレア部50)がフレアナット6の端面63と第2のシール面72との間に挟持されて接続ポート25に固定するよう構成されている。【選択図】 図8

Description

本発明は、液圧ユニット又はポートアダプタに関する。
従来、液圧ユニットが知られている。例えば特許文献1に記載の液圧ユニットは、内部に油路が形成されたハウジングを有しており、このハウジングは、上記油路と配管とを液密に接続するための接続ポートを備えている。
特開2004-82906号公報
しかし、接続用に複数の規格が存在する場合、従来の液圧ユニットでは、規格毎にハウジング(接続ポート)を設定する必要があるため、ハウジングの流用が困難であり、汎用性に欠けるおそれがあった。本発明の目的とするところは、ハウジングの汎用性を向上することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液圧ユニットは、接続ポートは第1の規格に倣った被接触面を備え、一方側の面に、前記被接触面に液密に当接するよう第1の規格に倣った第1のシール面を備え、他方側の面に、第2の規格に倣ったブレーキ配管の端面が液密に当接するよう第2の規格に倣った第2のシール面を備えたポートアダプタを有することとした。
よって、ハウジングの汎用性を向上することができる。
実施例1の液圧ユニット1の油圧回路図である。 実施例1の液圧ユニット1の正面図である。 実施例1の液圧ユニット1の部分断面図である。 実施例1のブレーキ配管5(JASO規格)がポートアダプタ7を用いずに接続ポート25(JASO規格)に接続された部分の断面図である。 実施例1のポートアダプタ7の斜視図である。 実施例1のポートアダプタ7の側面図である。 実施例1のポートアダプタ7の断面図である。 実施例1のブレーキ配管5(ISO規格)がポートアダプタ7を用いて接続ポート25(JASO規格)に接続された部分の断面図である。 実施例2のブレーキ配管5(ISO規格)がポートアダプタ7を用いずに接続ポート25(ISO規格)に接続された部分の断面図である。 実施例2のポートアダプタ7の斜視図である。 実施例2のポートアダプタ7の側面図である。 実施例2のポートアダプタ7の断面図である。 実施例2のブレーキ配管5(JASO規格)がポートアダプタ7を用いて接続ポート25(ISO規格)に接続された部分の断面図である。
以下、本発明の液圧ユニット及びポートアダプタを実現する形態を、図面に基づき説明する。
[実施例1]
まず、構成を説明する。実施例1の液圧ユニット1は、車両用のブレーキ装置に適用される。図1は、液圧ユニット1の油圧回路図である。図2は、液圧ユニット1をモータ3の設置側から見た正面図である。図3は、液圧ユニット1をモータ3の回転軸に平行な平面で切った部分断面図である。液圧ユニット1は、マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとの間に設けられている。液圧ユニット1は、ブレーキ配管5を介してマスタシリンダM/Cに接続されると共に、ブレーキ配管5を介して各車輪のホイルシリンダW/Cに接続されている。ブレーキ装置は、P系統とS系統の2系統からなるX配管と呼ばれる配管構造を有している。P系統には、左前輪FL、右後輪RRのホイルシリンダW/Cが接続され、S系統には、右前輪FR、左後輪RLのホイルシリンダW/Cが接続されている。マスタシリンダM/Cは、タンデム型であり、運転者のブレーキ操作に応じて液圧ユニット1のP系統とS系統の液圧(油圧)回路にそれぞれ作動液としてのブレーキ液を吐出する。
液圧ユニット1は、内部に液路(油路)20等が形成されたハウジング2を有している。液圧ユニット1は、制御液圧を発生するための液圧機器として、液圧発生源であるポンプPや、油路20等の連通状態を切り換える複数の制御弁(電磁弁)30等を有している。ポンプPとして、例えば、往復動ポンプであるピストンポンプを用いることができる。以下、図1に基づき、液圧ユニット1の油圧回路の具体的な構成について説明する。P系統とS系統とは同様の構成であるため、以下、P系統のみを説明し、S系統の説明は省略する。また、P,S系統や各輪FL等に対応して設けられた部材には適宜それぞれ添字P,S,FL等を付す。
油圧回路のマスタシリンダM/CとポンプPPの吸入側とは、油路20Pによって接続されている。油路20P上には、常閉型の電磁弁(ソレノイドバルブ)であるゲートインバルブ30Pが設けられている。また油路20P上であって、ゲートインバルブ30PとポンプPPとの間には、チェックバルブ(吸入弁)34Pが設けられている。このチェックバルブ34Pは、ゲートインバルブ30PからポンプPPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。ポンプPPの吐出側とホイルシリンダW/CFL,W/CRRとは、油路21Pによって接続されている。この油路21P上には、ホイルシリンダW/CFL,W/CRRに対応して、常開型の電磁弁であるソレノイドインバルブ31FL,31RRが設けられている。また、油路21P上であって、ソレノイドインバルブ31FL,31RRとポンプPPとの間には、チェックバルブ(吐出弁)35Pが設けられている。このチェックバルブ35Pは、ポンプPPからソレノイドインバルブ31FL,31RRへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。さらに、油路21Pと並列に、ソレノイドインバルブ31FL,31RRを迂回する油路210FL,210RRが設けられている。この油路210FL,210RRには、チェックバルブ310FL,310RRが設けられている。このチェックバルブ310FL,310RRは、ホイルシリンダW/CFL,W/CRRからポンプPPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
マスタシリンダM/Cと油路21Pとは、油路22Pによって接続されている。油路21Pと油路22Pとは、ポンプPPとソレノイドインバルブ31FL,31RRとの間で合流している。油路22P上には、常開型の電磁弁であるゲートアウトバルブ32Pが設けられている。また、油路22Pと並列に、各ゲートアウトバルブ32Pを迂回する油路220Pが設けられ、この油路220Pには、チェックバルブ320Pが設けられている。このチェックバルブ320Pは、マスタシリンダM/C側からホイルシリンダW/CFL,W/CRRへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。ポンプPPの吸入側には、リザーバ40Pが設けられており、このリザーバ40PとポンプPPとは油路23Pによって接続されている。リザーバ40PとポンプPPとの間にはチェックバルブ36Pが設けられ、このチェックバルブ36Pは、リザーバ40PからポンプPPへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。ホイルシリンダW/CFL,W/CRRと油路23Pとは油路24Pによって接続されている。油路24Pと油路23Pとは、チェックバルブ36Pとリザーバ40Pとの間で合流している。この油路24Pには、常閉型の電磁弁であるソレノイドアウトバルブ33FL,33RRが設けられている。
液圧ユニット1(ハウジング2)には、ポンプPを駆動するモータ3と、液圧ユニット1の各アクチュエータ(モータ3や電磁弁30等)の作動を制御するコントローラ(電子制御ユニットECU)4とが一体に取付けられている。また、液圧ユニット1には、油路20等の所定部位の液圧(マスタシリンダ液圧等)を検出する液圧センサが設けられており、その検出値はコントローラ4に入力される。コントローラ4は、入力される各種情報に基づき、液圧ユニット1の各機器の作動を制御することで、運転者のブレーキ操作から独立して各ホイルシリンダW/Cの液圧を制御可能に設けられている。具体的には、コントローラ4には、ブレーキペダルの操作量を検出するペダルストロークセンサ、及びポンプPの吐出圧やマスタシリンダ液圧を検出する液圧センサから送られる検出値、並びに車両から送られる走行状態に関する情報が入力される。コントローラ4は、これらの検出値や情報に基づき、内蔵されるプログラムに従い、液圧ユニット1の各電磁弁30等の開閉やモータ3の回転数(ポンプPの吐出量)を制御する。これにより各車輪FL等のホイルシリンダ液圧を制御することで、制動による車輪FL等のスリップを抑制(ロック傾向を緩和)するためのアンチロックブレーキ制御(ABS)や、車両の横滑り等を抑制して車両挙動を安定化するためのブレーキ制御(VDCやESCといった車両挙動制御)等を実現する。
ハウジング2は、例えばアルミ系の金属材料で作られており、略直方体の形状であって、その1つの面200にモータ3が取り付けられ、この面200に対向する反対側の面201にコントローラ4が取り付けられる。ハウジング2の面201には、電磁弁30等のバルブ部が、かしめ等により固定される。各バルブ部は、弁体が往復移動することで開閉し、油路20等を連通・遮断する。コントローラ4は、有底筒状のケース41とカバー42を有している。ケース41の内周側には電磁弁30等のソレノイド部が固定されている。ケース41の開口側がハウジング2の面201に固定される際、各電磁弁30等のソレノイド部が(面201から突出する)バルブ部に嵌合するように設けられている。ケース41の底部410であってソレノイド部とは反対側には、基板43が固定されている。基板43は各ソレノイド部やモータ3と電気的に接続されている。カバー42は基板43を覆うようにケース41に固定される。ケース41には、ハーネスを接続可能なコネクタ44が設けられており、コネクタ44は基板43と電気的に接続されている。
液圧ユニット1のハウジング2はブラケットやダンパを介して車体側(例えばエンジンルームの床)へ固定設置される。モータ3やコントローラ4の取り付け面200,201が鉛直方向に略平行となり、またハウジング2の鉛直方向下側にリザーバ40が位置するように、液圧ユニット1が設置される。ハウジング2には、その内部の油路20,21とブレーキ配管5とを液密に接続するための接続ポート25として、P系統及びS系統のマスタシリンダポート25P,25Sや、各車輪のホイルシリンダポート25FL〜25RRが設けられている。具体的には、ハウジング2の鉛直方向上側の面202に、ハウジング2内に形成された油路21の開口部として、4つのホイルシリンダポート25FL〜25RRが開口する。また、ハウジング2のモータ取り付け側の面200における鉛直方向上側部分は、他の部分に対して突出するように設けられている。この突出する面203に、ハウジング2内に形成された油路20の開口部として、2つのマスタシリンダポート25P,25Sが開口する。P系統のマスタシリンダポート25Pは、ブレーキ配管5Pを介して、マスタシリンダM/CのP系統の吐出ポートに接続される。S系統のマスタシリンダポート25Sは、他のブレーキ配管5Sを介して、マスタシリンダM/CのS系統の吐出ポートに接続される。各ホイルシリンダポート25FL〜25RRは、それぞれブレーキ配管5FL〜5RRを介して、各ホイルシリンダW/Cに接続される。なお、図3では、ホイルシリンダポート25がブレーキ配管5に接続される前にプラグ部材PGにより封止された状態を示す。
以下、ホイルシリンダポート25FL〜25RRを例として接続ポート25について説明する。なお、マスタシリンダポート25P,25Sの構成はホイルシリンダポート25FL〜25RRと同様である。図4は、ブレーキ配管5が液圧ユニット1の接続ポート25に接続された部位を、油路21(及びブレーキ配管5)の軸心を通る平面で切った断面を示す。接続ポート25におけるブレーキ配管5の接続構成は、周知のフレアナットを用いた構成となっている。すなわち、液圧ユニット1は、接続ポート25にブレーキ配管5を固定するためのフレアナット6を有している。フレアナット6は、ブレーキ配管5の端部が挿通可能な挿通孔60が設けられた円筒状であり、ねじ部61を外周に有している。ねじ部61の軸方向一端側には、トルクレンチ等の締結用の工具が係合する頭部62が設けられている。ねじ部61の軸方向他端(先端)側には、挿通孔60に連続して、ブレーキ配管5のフレア部50に接触する端面63が設けられている。
ハウジング2の接続ポート25は、油路21よりも大径に設けられると共にその底部に油路21が開口するねじ穴251と、ねじ穴251の底部における油路21の開口部の周囲に設けられたテーパ状のシール面250とを有している。ねじ穴251には、フレアナット6のねじ部61が螺合する。シール面250は、ブレーキ配管5のフレア部50(シート面52)が接触することでブレーキ配管5と油路21との接続部位を液密に保つための被接触面である。ブレーキ配管5は、フレアパイプとして形成されており、その端部がねじ穴251に挿入されると共に、この端部における先端がスカート状のフレア部50として設けられている。フレア部50は、フレアナット6の端面63に当接する受圧面51と、接続ポート25のシール面250に当接するシート面52とを有している。
フレア部50が、フレアナット6の端面63と、接続ポート25のシール面250との間に挟持されることで、ブレーキ配管5が接続ポート25に固定されるよう構成されている。具体的には、フレアナット6の挿通孔60に挿通させたブレーキ配管5をねじ穴251に挿入した状態で、フレアナット6の頭部62に係合させた工具でねじ部61をねじ穴251に螺合して締め付けると、ねじ部61の先端側の端面63がブレーキ配管5のフレア部50の受圧面51を押圧する。これによりフレア部50のシート面52が接続ポート25のシール面250に密着することになり、油路21に液密に連通するようにしてブレーキ配管5が接続ポート25に接続される。本実施例では、接続ポート25は、JASO規格(日本自動車技術会規格)に倣っている。具体的には、接続ポート25のシール面250は、ねじ穴251の外径側(内周面)から内径側(油路21の開口部)へ向かうにつれて、徐々に縮径しつつねじ穴251の底部からねじ穴251の開口部(ハウジング2の外周面)へ向かう方向に突出するテーパ状(円錐台状)に設けられている。図4は、接続ポート25に加え、ブレーキ配管5(フレア部50)及びフレアナット6もJASO規格に倣ったものを用いた場合を示す。
図5〜図7は、本実施例のポートアダプタ7を示す。図5はポートアダプタ7の斜視図である。図6は、ポートアダプタ7をその軸に対して直交する方向から見た側面図である。図7は、ポートアダプタ7をその軸を通る平面で切った断面図である。ポートアダプタ7は、接続ポート25の実質的な形状を1つの規格から他の規格へと変換して、接続ポート25をブレーキ配管5(フレア部50)の規格に適合させるための部材である。ポートアダプタ7は、例えばハウジング2よりも高硬度の金属材料で作られており、軸心に貫通孔70が設けられた円環状であって、好ましくはプレス加工により製造される。貫通孔70の径は、ISO規格(国際標準化機構が制定した国際規格)に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)の開口部の径と略等しい寸法に設けられている。ポートアダプタ7の外径は、接続ポート25のねじ穴251の内径よりも僅かに小さい寸法に設けられている。
ポートアダプタ7の軸方向一方側の面には、JASO規格に倣った接続ポート25のシール面250に液密に当接するよう、JASO規格に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)のシート面52と同様の形状の、(JASO規格に倣った)第1のシール面71が設けられている。具体的には、第1のシール面71は、外径側から内径側(貫通孔70の開口部)へ向かうにつれて、徐々に縮径しつつ軸向他方側に凹むテーパ状(擂鉢状)に設けられている。ポートアダプタ7の軸方向他方側の面には、ISO規格に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)のシート面52が液密に当接するよう、ISO規格に倣った接続ポート25のシール面250と同様の形状の、(ISO規格に倣った)第2のシール面72が設けられている。具体的には、第2のシール面72は、外径側から内径側(貫通孔70の開口部)へ向かうにつれて、徐々に縮径しつつ上記軸向一方側に凹むテーパ状(擂鉢状)に設けられている。なお、ポートアダプタ7の上記軸方向一方側の面における外縁部73は、上記軸方向一方側から上記軸方向他方側へ向かうにつれて、徐々に拡径するテーパ状(円錐台状)に設けられている。これにより、ポートアダプタ7を上記軸方向一方側からねじ穴251に挿入設置する際の組付け性を向上している。
次に、作用を説明する。図8は、図4と同様の断面図であり、接続ポート25がJASO規格に倣ったものを用い、ブレーキ配管5(フレア部50)及びフレアナット6がISO規格に倣ったものを用い、かつポートアダプタ7を用いた場合を示す。ポートアダプタ7は、フレアナット6によりブレーキ配管5が接続ポート25に接続される前に、その軸方向一方側の第1のシール面71が(JASO規格に倣った)接続ポート25のシール面250に当接するよう、接続ポート25のねじ穴251に挿入設置される。(ISO規格に倣った)ブレーキ配管5のフレア部50が、(ISO規格に倣った)フレアナット6の端面63と、ポートアダプタ7の(ISO規格に倣った)第2のシール面72との間に挟持されることで、ブレーキ配管5が接続ポート25に固定されるよう構成されている。具体的には、フレアナット6の挿通孔60にブレーキ配管5の端部を挿通させた状態で、フレアナット6のねじ部61をねじ穴251に螺合して締め付けると、ねじ部61の先端側の端面63がブレーキ配管5のフレア部50の受圧面51を押圧する。これによりフレア部50のシート面52がポートアダプタ7の第2のシール面72に密着すると共に、ポートアダプタ7の第1のシール面71が接続ポート25のシール面250に押圧されて密着することになる。これにより、ブレーキ配管5が、ポートアダプタ7の貫通孔70を介して油路21に液密に連通するように、接続ポート25に接続される。上記2箇所の密着部位において、第1,第2のシール面71,72がそれぞれシール機能を発揮する。
すなわち、ハウジング2の接続ポート25が複数の規格に倣うことを要する場合がある。具体的には、接続ポート25は、ISO規格に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)を接続するためにはISO規格に倣う必要があり、JASO規格に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)を接続するためにはJASO規格に倣う必要がある。よって、従来の液圧ユニットでは、規格毎にハウジング(接続ポート)を設定する必要があるため、ハウジングの流用が困難であり、汎用性に欠けるおそれがあった。例えば、液圧ユニットを車両のブレーキ装置に適用する際、そのブレーキ装置に採用された規格が液圧ユニットの接続ポートの規格とは異なる場合も想定される。よって、接続ポートが形成される液圧ユニットのハウジングを複数の規格毎に予め準備する必要があった。これに対し、本実施例では、接続ポート25の形状を1つの規格から他の規格へと変換することが可能なポートアダプタ7を備えた。このため、規格毎にハウジング2を設定する(予め準備する)必要がなく、ある1つの規格に倣った接続ポート25を備えたハウジング2のみを設定すれば足りる。他の規格に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)を接続するためには、ポートアダプタ7を用いて、接続ポート25をブレーキ配管5(フレア部50)に適合させればよい。このため、接続ポート25(ねじ穴251やシール面250)の形状を変更する必要はなく、ハウジング2の追加加工は不要であり、ハウジングの仕様は1種類で足りる。よって、ハウジング2の流用が容易であり、その汎用性を向上することができる。
具体的には、ポートアダプタ7は、軸方向一方側の面に、第1の規格(JASO規格)に倣った第1のシール面71を備え、軸方向他方側の面に、第2の規格(ISO規格)に倣った第2のシール面72を備えている。第1のシール面71は、ハウジング2の接続ポート25に形成された第1の規格(JASO規格)に倣ったシール面250に液密に当接するように設けられている。第2のシール面72は、第2の規格(ISO規格)に倣ったブレーキ配管5の端面(シート面52)が液密に当接するように設けられている。よって、2つの規格に対応した接続が可能となり、ハウジング2の接続ポート25とブレーキ配管5の規格が食い違っていても、ポートアダプタ7を用いることで、これらを液密に接続することができる。なお、上記第2の規格は1つに限らず複数であってもよい。言換えると、ポートアダプタ7は、複数の第2の規格に対応して、複数種類設けられていてもよい。この場合、3以上の規格に対応した接続が可能となる。
本実施例では、第1の規格はJASO規格であって、第2の規格はISO規格である。すなわち、ポートアダプタ7は、接続ポート25の実質的な(ブレーキ配管5のシート面52に当接する)形状をJASO規格からISO規格へと変換する。よって、ハウジング2の接続ポート25(シール面250)の規格がJASO規格である場合において、ブレーキ配管5の規格がJASO規格であるときだけでなく、ISO規格であるときにも、ポートアダプタ7を用いることで、これらを液密に接続することができる。なお、ポートアダプタ7の外径をねじ穴251の内径よりも僅かに小さい寸法に設けることで、ねじ穴251に対するポートアダプタ7の径方向の位置ズレを抑制し、これにより第1,第2のシール面71,72におけるシール性を向上することができる。また、フレア部50の開口部の径は油路21の径よりも僅かに小さく設けられているところ、貫通孔70の径をフレア部50の開口部の径と略等しい寸法に設けている。これにより、油路21とブレーキ配管5との接続部における流路径がポートアダプタ7(貫通孔70)によって不必要に絞られることを回避することができる。同時に、第1,第2のシール面71,72における接触部位の径方向寸法が小さくなる(シール長が短くなる)ことを抑制し、これにより第1,第2のシール面71,72におけるシール性を向上することができる。
以下、実施例1から把握される発明とその効果を列挙する。
(1)液圧ユニット1は、内部に油路20,21が形成され、油路20,21とブレーキ配管5を液密に接続するための接続ポート25を備えたハウジング2と、接続ポート25にブレーキ配管5を固定するためのフレアナット6とを有し、接続ポート25は第1の規格に倣ったシール面250(被接触面)を備え、一方側の面に、シール面250に液密に当接するよう第1の規格に倣った第1のシール面71を備え、他方側の面に、第2の規格に倣ったブレーキ配管5の端面(シート面52)が液密に当接するよう第2の規格に倣った第2のシール面72を備えたポートアダプタ7を有し、ブレーキ配管5は、端部側(フレア部50)がフレアナット6の端面63と第2のシール面72との間に挟持されて接続ポート25に固定するよう構成されている。
よって、規格毎にハウジング2を設定する必要がないため、ハウジング2(液圧ユニット1)の汎用性を向上することができる。
(2)ポートアダプタ7は、一方側の面に、ハウジング2の接続ポート25に形成された第1の規格に倣ったシール面250(被接触面)に液密に当接するよう第1の規格に倣った第1のシール面71を備え、他方側の面に、第2の規格に倣ったブレーキ配管5の端面(シート面52)が液密に当接するよう第2の規格に倣った第2のシール面72を備えた。
よって、規格毎にハウジング2を設定する必要がないため、ハウジング2の汎用性を向上することができる。
[実施例2]
まず、構成を説明する。実施例2の液圧ユニット1は、接続ポート25(シール面250)がISO規格に倣っており、ポートアダプタ7は、接続ポート25の形状をISO規格からJASO規格へと変換する。具体的には、接続ポート25のシール面250は、ねじ穴251の外径側(内周面)から内径側(油路21の開口部)へ向かうにつれて、徐々に縮径しつつ油路21に向かって凹むテーパ状(擂鉢状)に設けられている。図9は、図4と同様の断面図であり、接続ポート25がISO規格に倣い、ブレーキ配管5(フレア部50)及びフレアナット6もISO規格に倣ったものを用いた場合を示す。
図10〜図12は、それぞれ図5〜図7と同様の図面であり、本実施例のポートアダプタ7を示す。貫通孔70の径は、油路21の径と略等しい寸法に設けられている。ポートアダプタ7の軸方向一方側の面には、ISO規格に倣った接続ポート25のシール面250に液密に当接するよう、ISO規格に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)のシート面52と同様の形状の、(ISO規格に倣った)第1のシール面71が設けられている。具体的には、第1のシール面71は、外径側から内径側(貫通孔70の開口部)へ向かうにつれて、徐々に縮径しつつ上記軸方向一方側へ突出するテーパ状(円錐台状)に設けられている。なお、第1のシール面71の上記形状により、ポートアダプタ7を上記軸方向一方側からねじ穴251に挿入設置する際の組付け性が向上される。
ポートアダプタ7の軸方向他方側の面には、JASO規格に倣ったブレーキ配管5(フレア部50)のシート面52が液密に当接するよう、JASO規格に倣った接続ポート25のシール面250と同様の形状の、(JASO規格に倣った)第2のシール面72が設けられている。具体的には、第2のシール面72は、外径側から内径側(貫通孔70の開口部)へ向かうにつれて、徐々に縮径しつつ上記軸方向他方側へ突出するテーパ状(円錐台状)に設けられている。なお、ポートアダプタ7の上記軸方向他方側の面において、第2のシール面72を取り囲む外径側部分は、内径側から外径側へ向かうにつれて、徐々に拡径しつつ上記軸方向他方側へ突出するテーパ状(擂鉢状)に設けられている。これにより、ねじ穴251に対向するポートアダプタ7の外周面の面積を増大している。他の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
次に、作用を説明する。図13は、図9と同様の断面図であり、接続ポート25がISO規格に倣ったものを用い、ブレーキ配管5(フレア部50)及びフレアナット6がJASO規格に倣ったものを用い、かつポートアダプタ7を用いた場合を示す。ポートアダプタ7は、軸方向一方側の面に、第1の規格(ISO規格)に倣った第1のシール面71を備え、軸方向他方側の面に、第2の規格(JASO規格)に倣った第2のシール面72を備えている。ポートアダプタ7は、その第1のシール面71が(ISO規格に倣った)接続ポート25のシール面250に当接するよう、接続ポート25のねじ穴251に挿入設置される。(JASO規格に倣った)ブレーキ配管5のフレア部50が、(JASO規格に倣った)フレアナット6の端面63と、ポートアダプタ7の(JASO規格に倣った)第2のシール面72との間に挟持されることで、ブレーキ配管5が接続ポート25に固定されるよう構成されている。本実施例では、第1の規格はISO規格であって、第2の規格はJASO規格である。すなわち、ポートアダプタ7は、接続ポート25の実質的な(ブレーキ配管5のシート面52に当接する)形状をISO規格からJASO規格へと変換する。よって、ハウジング2の接続ポート25(シール面250)の規格がISO規格である場合において、ブレーキ配管5の規格がISO規格であるときだけでなく、JASO規格であるときにも、これらを液密に接続することができる。なお、油路21の径はフレア部50の開口部の径よりも僅かに小さく設けられているところ、貫通孔70の径を油路21の径と略等しい寸法に設けている。これにより、油路21とブレーキ配管5との接続部における流路径がポートアダプタ7(貫通孔70)により不必要に絞られることを回避することができる。同時に、第1,第2のシール面71,72における接触部位の径方向寸法が小さくなる(シール長が短くなる)ことを抑制し、これにより第1,第2のシール面71,72におけるシール性を向上することができる。他の作用は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
以下、実施例2から把握される発明とその効果を記載する。
(3)第1の規格はISO規格であって、第2の規格はJASO規格である。
よって、ハウジング2の接続ポート25の規格がISO規格である場合において、ブレーキ配管5の規格がJASO規格であるときにも、これらを液密に接続することができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、実施例の液圧ユニットは、車両用のブレーキ装置に適用されることとしたが、他の装置に適用されることとしてもよい。
1 液圧ユニット
2 ハウジング
20 油路
21 油路
25 接続ポート
250 シール面(被接触面)
5 ブレーキ配管
50 フレア部(端部側)
52 シート面(端面)
6 フレアナット
63 端面
7 ポートアダプタ
71 第1のシール面
72 第2のシール面

Claims (3)

  1. 内部に油路が形成され、前記油路とブレーキ配管を液密に接続するための接続ポートを備えたハウジングと、
    前記接続ポートに前記ブレーキ配管を固定するためのフレアナットとを有し、
    前記接続ポートは第1の規格に倣った被接触面を備え、
    一方側の面に、前記被接触面に液密に当接するよう前記第1の規格に倣った第1のシール面を備え、他方側の面に、第2の規格に倣ったブレーキ配管の端面が液密に当接するよう前記第2の規格に倣った第2のシール面を備えたポートアダプタを有し、
    前記ブレーキ配管は、端部側が前記フレアナットの端面と前記第2のシール面との間に挟持されて前記接続ポートに固定するよう構成されている
    ことを特徴とする液圧ユニット。
  2. 請求項1に記載の液圧ユニットにおいて、
    前記第1の規格はISO規格であって、前記第2の規格はJASO規格であることを特徴とする液圧ユニット。
  3. 一方側の面に、ハウジングの接続ポートに形成された第1の規格に倣った被接触面に液密に当接するよう前記第1の規格に倣った第1のシール面を備え、他方側の面に、第2の規格に倣ったブレーキ配管の端面が液密に当接するよう前記第2の規格に倣った第2のシール面を備えたことを特徴とするポートアダプタ。
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