JP2015053890A - 樹上作業の墜落防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻留用索体を2つだけ持って樹木に登り、その2つの巻留用索体で交互にアンカーを形成することにより、作業者の墜落を確実に防止できるようすると共に、作業者の重量的負担を軽減できる墜落防止方法を提供すること。
【解決手段】
その長尺ロープ2の一部に伸縮調整具6を介して伸縮調整可能な環状ロープ部Roを形成する、ダブルロープテクニックに使用する長尺ロープ2と、樹木Tの幹Taの所要部に巻き留めて夫々ダブルロープテクニックのアンカーを形成する少なくとも2つの開閉式連結器8付き巻留用索体3,4と、を用いる樹上作業の墜落防止方法であって、環状ロープ部Roの所要箇所を作業者Mの安全帯10に固定した状態で、環状ロープ部Roを樹木Tの幹Taに形成した少なくとも2つのアンカーKである巻留用索体3,4の開閉式連結器8,8に通して少なくとも2点支持することにより、作業者Mの墜落を防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、作業者が樹木に登って樹木の剪定や枝打ち等の樹上作業を行なう際の墜落を防止する樹上作業の墜落防止方法に関する。
樹上作業においては、従来より、ダブルロープテクニック(世界では「DRT」と簡略化して呼称されている)が使われている。このダブルロープテクニックは、世界の各地で使われている木登り時のロープワークであり、その一例について説明すれば、1本の長尺ロープを樹木の高位置にある木股に掛けて折り返すことで2重ロープ状態とし、その枝から延びた2重ロープの一方のロープ部の端部に例えば二重8の字状結び部を形成し、その輪っか部をカラビナ(第1連結器)を介して作業者の安全帯につないで、その二重8の字状結び部分から延びた長尺ロープ部分に、一端部に輪っか部を設けた短尺ロープ材の他端部を巻き付けてブレイクスヒッチ(伸縮調整具)を形成し、その短尺ロープ材の一端部の輪っか部にカラビナ(第2連結器)を付けて、このカラビナを作業者の安全帯に取り付けるようにしたもので、ブレイクスヒッチより下方の長尺ロープを引き、その後ブレイクスヒッチを押し上げ、これを繰り返すことによって安全を確保しながら登っていくことができる。
ところが、このダブルロープテクニックは、樹木の高い位置にある木股をトップアンカーとして、これに、ダブルロープテクニックにおけるカラビナ(第1連結器)とブレイクスヒッチ(伸縮調整具)とカラビナ(第2連結器)とで形成される環状ロープ部を引っ掛けて、このトップアンカーの1点で支持させるようにしているため、2点以上のアンカーによるバックアップが必要であることを義務づけている日本の労働基準監督署の指導に適っていない。
尚、上述したダブルロープテクニックの環状ロープ部は、基本的な一例を説明したもので、近年では簡略化した種々の環状ロープ部が採用されている。即ち、上記の説明では、長尺ロープの一端部に第1連結器を設け、この第1連結器から所要長さ離れたロープ上に伸縮調整具を設け、この伸縮調整具に第2連結器を設けて、第1連結器と伸縮調整具と第2連結環とで形成されるロープ部を環状ロープ部として、この環状ロープ部の第1連結器と第2連結器を作業者の安全帯に固定するようにしているが、例えば、第1連結器と第2連結器とを1つの共通連結器として、この共通連結器に長尺ロープの一端部と伸縮調整具とをつないで、この共通連結器を作業者の安全帯に固定するようにしたものでもよい。その他種々の簡略化された環状ロープ部が長尺ロープの一部に形成されるが、ダブルロープテクニックにおける環状ロープ部としては、長尺ロープの一部に伸縮調整具を介して伸縮調整可能な環状ロープ部を形成するものであれば、どのような構成の環状ロープ部でもよいものとされる。
また従来より、ダブルロープテクニックでは、樹木の高い位置にある木股をトップアンカーとして、これを最初に設置するのに、先端にパウチ(袋状の錘)を付けたスローライン(細い紐)を、地上から樹木の高位置にある木股に投げて通した後、そのスローラインに長尺ロープの始端部につないで、スローラインを引っ張ることにより、長尺ロープを引き上げて木股に掛け渡すようにするため、市街地でのパウチの投げ上げ及び落下には、樹木の下を通る人や車両等に危害を加える危険性があり、また樹木の枝振りや樹形等によっては木股への掛け渡しができない場合がある。また、このように地上からパウチを投げ上げて、樹木の高位置にある木股であるトップアンカーを設置するから、その木股の強度を目視によって確認することができない、つまりその木股の安全性を確認することができない。
上記のような問題点を解決できるものとして、本出願人によって提供された下記特許文献1に記載された樹上作業の墜落防止方法がある。これは、作業者が樹上作業を行なうにあたり、地上側でストックした長尺ロープの始端側を作業対象樹木の根元付近に固定し、作業者は、通したロープへの重量負荷によって作動する摺動ストッパー(伸縮調整具)を身に付け、樹木の所要位置に巻留用索体を巻き留めて第1支持点(アンカー)とし、この第1支持点の巻留用索体に保持させた例えばカラビナに、長尺ロープの始端部側を通し、このロープを更に摺動ストッパーに通した上で地上へ垂らし、順次同様にして巻留用索体による第2支持点以降の支持点を設けると共に、これら支持点において、巻留用索体に保持させたカラビナに、前記摺動ストッパーと下位の支持点との間に保留させたロープの余剰部を通すようにする方法である。
この特許文献1の方法は、樹木の下方より上方へとアンカーを順次小刻みに、第1支持点、第2支持点、第3支持点・・・として形成して、樹木の根元側に固定した始端側からのロープを各アンカーに通していくから、上部側アンカーが破断しても、下部アンカーによりバックアップできて、地上への墜落を防止することができ、前述した日本の労働基準監督署の指導に適う。また、この方法では、地上から樹木伝いに登って、小刻みにアンカーを形成していくので、市街地のように樹木の下を通る人や車両等に危害を加える危険性がなく、樹木の枝振りや樹形等に左右されることなくアンカーを設置できる上に、アンカーの設置部を作業者が間近で目視により確認できるため、アンカー設置部の安全性を確認できる。従って、この特許文献1の方法によれば、前述した従来のダブルロープテクニックにおける問題点を解決することができる。
特開2006−158229号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、ロープの始端側を樹木の根元付近に固定した長尺ロープを樹木の最下部のアンカーに支持させるから、トップアンカーにかかる荷重が作業者の体重の2倍になり、ダブルロープテクニックで設置するアンカーより太径の幹にしかアンカーを設置できず、またアンカーを形成するための開閉式連結器付き巻留用索体(スリングベルト)の数が多くなり、樹上作業に手間取ると共に、その重量的負担が大きいという問題があった。
本発明は、上記のような特許文献1の方法における問題点を解消することができる樹上作業の墜落防止方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の樹上作業の墜落防止方法は、その長尺ロープ2の一部に伸縮調整具6を介して伸縮調整可能な環状ロープ部Roを形成する、ダブルロープテクニックに使用する長尺ロープ2と、
樹木Tの幹Ta又は太枝の所要部に巻き留めて夫々ダブルロープテクニックのアンカーを形成する少なくとも2つの開閉式連結器8付き巻留用索体3,4と、を用いる樹上作業の墜落防止方法であって、
前記環状ロープ部Roの所要箇所を作業者Mの安全帯10に固定した状態で、この環状ロープ部Roを、樹木Tの幹Ta又は太枝に形成した少なくとも2つのアンカーKである巻留用索体3,4の開閉式連結器8,8に通して少なくとも2点支持することにより、作業者Mの墜落を防止するようにしたことを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の墜落防止方法は、環状ロープ部Roの所要箇所を作業者Mの安全帯10に固定した状態で、この環状ロープ部Roを、樹木Tの幹Ta又は太枝に形成した少なくとも2つのアンカーKである巻留用索体3,4の開閉式連結器8,8に通して少なくとも2点支持するようにしたから、前記特許文献1の方法と同様に下部アンカーによりバックアップが出来て、地上への墜落を防止でき、日本の労働基準監督署の指導にも適う一方、アンカーにかかる荷重が作業者の体重と同じ荷重となるから、樹木Tの比較的細い幹でもアンカーKが設置可能となり、また作業者は、樹木に登る際には巻留用索体を少なくとも2つ持って登ればよいから、樹上作業に手間がかからず、作業者の重量的負担を軽減することができる。
本発明に係る墜落防止方法の実施形態を示すもので、その方法の最初の段階を示す説明図である。 同方法の次の段階を示す説明図である。 同方法の更に次の段階を示す説明図である。 同方法の更に次の段階を示す説明図である。 同方法の更に次の段階を示す説明図である。 同方法に用いるロープ装置及び巻留用索体を示す斜視図で、環状ロープ部の一例を示している。 図6と同様な斜視図で、環状ロープ部の他の例を示している。 図6と同様な斜視図で、環状ロープ部の更に他の例を示している。
以下に本発明の好適な一実施形態を図面を参照して具体的に説明すると、図1〜図5は本発明に係る樹上作業の墜落防止方法を実施している状態を示し、図6はこの方法に使用するロープ装置及び巻留用索体を示す。これらの図において、Mは作業者、Tは樹木、2はダブルロープテクニックに使用する長尺ロープで、一端部側にダブルロープテクニックの環状ロープ部Roを形成し、他端部側を樹木T近傍の地上にストックする。3及び4はダブルロープテクニックのアンカーを形成する第1巻留用索体及び第2巻留用索体であり、10は作業者Mが装着した安全帯である。
図6から分かるように、長尺ロープ2の一端部に、開閉式の第1連結器5(例えばカラビナ15)を取り付け、この第1連結器5から所要長さ離れた長尺ロープ2上に伸縮調整具6(例えばブレイクスヒッチ13)を設け、この伸縮調整具6に開閉式の第2連結器7(例えばカラビナ15)を取り付けることによって、この長尺ロープ2の一端部側に、第1連結器5と伸縮調整具6と第2連結器7とによってダブルロープテクニックの環状ロープ部Roを形成する。尚、第1連結器5としてのカラビナ15は、長尺ロープ2の一端部に設けた輪っか部2oに通し入れる。
本発明の墜落防止方法について、図1〜図6を参照しながら説明すると、作業者Mは、先ず、前記のように第1連結器5と伸縮調整具6と第2連結器7とで形成されるダブルロープテクニックにおける環状ロープ部Roの第1連結器5(カラビナ15)と、伸縮調整具6に取り付けてある第2連結器7(カラビナ15)とを作業者Mの安全帯10に連結した状態とし、この状態で、作業者Mは、図1に示すように、樹木Tの幹Taの地上から所要高さの位置に第1巻留用索体3を巻き留めて下段側アンカーKを形成し、この下段側アンカーKの第1巻留用索体3の開閉式連結器8(開閉式フック16)にダブルロープテクニック(DRT)の環状ロープ部Roを通し入れる。
尚、第1巻留用索体3又は第2巻留用索体4を樹木Tの幹Taに巻き留めする箇所は、幹Taから枝Tbへの枝分かれ部分To(図1〜図5参照)の上側位置が最も好ましいが、一番最初に第1巻留用索体3を幹Taに巻き留める際、即ち最初のアンカーKを形成する時に、例えば図1に示すように、地上から作業者Mの手が届く位置に適当な枝分かれ部分Toなどが無く、その位置より高い位置に好ましい巻留箇所が存在する場合には、脚立や梯子(図示省略)を使用し、第1巻留用索体3を幹Taに巻き留めてアンカーKを形成すればよい。尚、第1,第2巻留用索体3,4の巻き留め箇所は、樹木Tの幹Taだけでなく、枝Tbと変わらないほど太い場合にはその太枝(図示せず)でもよい。
図1に示すように最初の下段側アンカーKを形成し、その第1巻留用索体3の開閉式連結器8(開閉式フック16)にダブルロープテクニックにおける環状ロープ部Roを通し入れたならば、作業者Mは、図2に示すように、最初の下段側アンカーKに近い位置にある枝Tbのところまで、脚立や梯子を使用し、又はダブルロープテクニックを使用して登って、その登った位置で、下段側アンカーKである第1巻留用索体3の巻留位置より高い位置に第2巻留用索体4を巻き留めて上段側アンカーKを形成し、そしてこの上段側アンカーKである第2巻留用索体4の開閉式連結器8に、環状ロープ部Roを通し入れて、図2に示すような状態とする。
この時、ダブルロープテクニックの環状ロープ部Roは、図2に示すように、上段側アンカーKである第2巻留用索体4の開閉式連結器8と、下段側アンカーKである第1巻留用索体3の開閉式連結器8とを通っていて、上段側アンカーKによる支持と下段側アンカーKによる支持との2点支持状態となっている。このように、環状ロープ部Roが、上段側アンカーKと下段側アンカーKとの2点で支持されているから、作業者Mは、そのような状態で樹木Tの剪定作業や枝打ち作業を行う際に、仮に、図2に示す上段側アンカーKの下側にある枝Tbが折れて、第2巻留用索体4が滑り落ちる状態となっても、環状ロープ部Roが下段側アンカーKである第1巻留用索体3で支持されてバックアップされ、しかして伸縮調整具6には作業者Mの体重による引張荷重が作用して長尺ロープ2での移動を阻止されるため、作業者Mは、宙吊り状態となって、地上への墜落を防止される。
そして、作業者Mは、図2で示すような位置での剪定や枝打ちなどの必要な樹上作業を終えた後、更に高い位置での樹上作業に移る時に、下段側アンカーKである第1巻留用索体3を樹木Tの幹Taから取り外し、この取り外した第1巻留用索体3を、図3に示すように作業者Mが安全帯10に取り付けて保持した状態で、伸縮調整具6によって環状ロープ部Roの長さを調整しながら所要高さまで登る。即ち、作業者Mは、図3に示すように、伸縮調整具6より下方の長尺ロープ2部分を引っ張る動作と、その後の伸縮調整具6を押し上げる動作とを繰り返しながら所要高さまで登っていく。この登り時は、ダブルロープテクニックの環状ロープ部Roは、図3に示すように、第2巻留用索体4である上段側アンカーKによる1点で支持されている。
上記のようにして作業者Mが樹木Tを図3に示す低位置から図4に示す位置まで登って適当な樹木Tの枝Tbに乗った状態で、作業者Mは、下段側アンカーKの第2巻留用索体4よりも高い位置に第1巻留用索体3を巻き留めることによって上段側アンカーKを形成した後、ダブルロープテクニックの環状ロープ部Roを上段側アンカーKの第1巻留用索体3の開閉式連結器8に通し入れ、図4に示すような状態とする。
図4に示す状態において、ダブルロープテクニックの環状ロープ部Roは、図2に示す状態と同様に、上段側アンカーKによる支持と下段側アンカーKによる支持の2点支持状態にあるから、作業者Mは、図4に示す状態から、仮に、上段側アンカーKの下側にある枝Tbが折れて、第1巻留用索体3が滑り落ちる状態となっても、環状ロープ部Roは、下段側アンカーKである第1巻留用索体3によって支持されてバックアップされるため、作業者Mの墜落を防止することができる。図5は、樹木T上の更に高い位置でダブルロープテクニックの環状ロープ部Roが、第1巻留用索体3である上段側アンカーKによる支持と、第2巻留用索体4である下段側アンカーKによる支持との2点支持状態を示す。
以降同様にして、作業者Mは、ダブルロープテクニックにおける環状ロープ部Roと、第1及び第2の2つの巻留用索体3,4を使用して、樹木Tの幹Taに下段側アンカーKと上段側アンカーKとを交互に形成しながら、環状ロープ部Roを、下段側アンカーKから、順次高くなっていく上段側アンカーKに付け替えていくことにより、樹木Tの低位置から高い位置に至る各所での剪定作業や枝打ち等の樹上作業時は、環状ロープ部Roを、上段側アンカーKによる支持と下段側アンカーKによる支持との2点支持状態とすることによって、作業者の墜落を確実に防止することができる。
一方、樹上作業を終えて樹木Tから下りる際は、ダブルロープテクニックの上段側アンカーKを形成している巻留用索体3又は4の開閉式連結器8から環状ロープ部Roを抜き、その巻留用索体3又は4を樹木Tから取り外して作業者Mの身に付けた後、下段側アンカーKとして残っている巻留用索体3又は4の開閉式連結器8に通されて1点支持されている環状ロープ部Roを使って下方の枝Tbに下り、その枝Tbに乗った状態で、作業者Mの身に付けている巻留用索体3又は4を、上記巻留用索体3又は4の下方で樹木T又は太枝に巻き掛けて新たな下段側アンカーKを形成し、この新たな下段側アンカーKである巻留用索体3又は4の開閉式連結器8に環状ロープ部Roを通し、しかして環状ロープ部Roは、この新たな下段側アンカーKの開閉式連結器8と、下段側アンカーKとして残っていたものが新たな上段側となったアンカーKの開閉式連結器8とに通されることにより2点支持状態となる。
こうして作業者Mは、環状ロープ部Roを2点支持した状態で、上記枝Tbに乗ったまま、上段側アンカーKを形成している巻留用索体3又は4の開閉式連結器8から環状ロープ部Roを抜き、その巻留用索体3又は4を樹木Tから取り外して作業者Mの身に付けた後、下段側アンカーKである巻留用索体3又は4の開閉式連結器8に通されている環状ロープ部Roを使って下方の枝Tbに下りる。以降、上述した動作を繰り返すことにより、地上へ安全に下りることができる。
前記第1及び第2巻留用索体3,4は、例えば輪状になったスリングベルト(ソウンスリングとも称される)からなるもので、使用にあたっては、図6に示すように、輪状になったものを伸ばして二重直線状とし、この二重直線状としたものを樹木Tの幹Taに巻き掛けて、図示のように互いに会合した一端部3a,4aを他端部3b,4bの輪に通し、下方へ引っ張って引き締めることにより、幹Taに巻き留め固定してアンカーKを形成することができる。各巻留用索体3,4には一端部3a,4aに、図示のように開閉式連結器8が取り付けられる。このスリングベルトは使用の一例であって、第1及び第2巻留用索体3,4としては、スリングベルト以外に適当なものを使用することができる。
尚、巻留用索体3,4としてのスリングベルトは、植林の枝打ち作業などの高所作業において身体をつなぎ留めるのに使用される高強度で非常に摩擦性の高い布材からなるもので、図6に示すように樹木Tの幹Taに巻き留めた状態で安定状態に支持され、しかも開閉式連結器8に急激な大荷重がかかっても全くずれ落ちしないから、作業者Mが落下した際の衝撃と荷重に耐えるアンカーKとして確実に機能することができる。
第1巻留用索体3及び第2巻留用索体4に取り付ける開閉式連結器8としては、頻繁に開閉操作を行うため、図6に示すような周知の開閉式フック16あるいはカラビナを使用する。
長尺ロープ2の一端部に取り付けた第1連結器5から所要長さ離れた長尺ロープ2上に設けられる伸縮調整具6は、図6に示すように、短尺ロープ材12の一端部側を長尺ロープ2に巻き付けて結び目、例えばブレイクスヒッチ13を形成したものからなるもので、このブレイクスヒッチ13を掴んで長尺ロープ2上を移動させることにより、ダブルロープテクニックの環状ロープ部Roを伸縮でき、短尺ロープ材12を所定方向に引っ張ることによって長尺ロープ2上での移動を阻止できる。尚、短尺ロープ材12の他端部には輪っか部12oを設け、これに第1連結器7としてのカラビナ15を通し入れる。そして、伸縮調整具6としては、このような結び目の他に、所定の操作をすることで長尺ロープ2上を移動し、所定方向の荷重がかかることで長尺ロープ2上での移動を阻止するロック金具18(図8参照)を使用することができる。
作業者Sが装着する安全帯10としては、フルハーネス型安全帯、シットハーネス型安全帯等を使用する。図6に示す安全帯10は、胴ベルト10aと肩ベルト10bと腿ベルト10cとからなるフルハーネス型安全帯であり、胴ベルト10aには前部側中央に輪っか状の被連結部17が設けてあって、この被連結部17に第1連結器5及び第2連結器7がつながれるようになっている。
以上、図1〜図6によって説明した実施形態では、長尺ロープ2の一端部に第1連結器5を設け、この第1連結器5から所要長さ離れたロープ2上に伸縮調整具6を設け、この伸縮調整具6に第2連結器7を設けて、これらの第1連結器5と伸縮調整具6と第2連結環7とでダブルロープテクニックの環状ロープ部Roを形成しているが、この環状ロープ部Roは基本的な一例であって、これ以外に、簡略化した種々の環状ロープ部Roが採用されている。その簡略化した環状ロープ部Roの一部の例を図7及び図8に示す。
図7に例示した環状ロープ部Roでは、長尺ロープ2の所要部を折り返して、その折り返し部に二重8の字状結び19を形成し、この二重8の字状結び19から延出したロープ部2aの先端部側を長尺ロープ2の本体側に巻き付けて、例えばブレイクスヒッチ13を形成することにより伸縮調整具6を形成し、前記二重8の字状結び19の輪っか部19oにカラビナからなる連結器20を取り付けることにより、長尺ロープ2の一端部と伸縮調整具6とを連結器20でつなぐようにしたもので、この連結器20と伸縮調整具6とによってダブルロープテクニックの環状ロープ部Roを形成し、この環状ロープ部Roの連結器20を、作業者Mの安全帯10の被連結部17に連結するようにしている。
図8に例示した環状ロープ部Roにおいては、長尺ロープ2の一端部に設けた輪っか部2oにカラビナからなる連結器21を挿し込んで取り付け、この連結器21から所要長さ離れた長尺ロープ2上には、所定の操作をすることで長尺ロープ2上を移動し、所定方向の荷重がかかることで長尺ロープ2上での移動を阻止する、伸縮調整具6としてのロック金具18を取り付けると共に、このロック金具18を前記連結器21に取り付けることにより、長尺ロープ2の一端部と伸縮調整具6とを連結器21でつなぐようにしたもので、連結器21と伸縮調整具6とによりダブルロープテクニックの環状ロープ部Roを形成し、この環状ロープ部Roの連結器21を安全帯10の被連結部17に連結するようにしている。
上記ロック金具18は、周知のもので、図8の一部拡大図2ら分かるように、所定方向に荷重をかけることで作動するロック部材22のロック作用により長尺ロープ2上での移動が阻止され、荷重を解放することでロック部材22によるロックが解除され、そのロック解除状態で金具本体23を押し引き操作することによって長尺ロープ2上で移動可能となるように構成されている。ロック部材22は、長尺ロープ2を保持する金具本体23に枢軸24で枢着されていて、一端側には長尺ロープ2に対し接離可能な偏心カム部25を有し、他端部には連結器21としてのカラビナを取り付ける取付孔26を有し、常時はバネによって、ロック部材22を、その偏心カム部25が長尺ロープ2から離間して金具本体23を長尺ロープ2に沿ってスライド可能なロック解除位置に付勢し、そして連結器21であるカラビナを前記バネに抗して所定方向に引っ張ることにより、ロック部材22が枢軸24を中心に回動して偏心カム部25が長尺ロープ2に圧接し、その圧接摩擦力で金具本体23を長尺ロープ2上にロックするようになっている。
上述した図7及び図8に示される環状ロープ部Roは、一部の例であり、これ以外にも種々の形態のものがある。従って、ダブルロープテクニックにおける環状ロープ部Roとしては、長尺ロープ2の一部に伸縮調整具6を介して伸縮調整可能な環状ロープ部Roを形成するものであれば、如何なる構成でもよい。しかして、そのような環状ロープ部Roの所要箇所を作業者Mの安全帯10に固定した状態で、この環状ロープ部Roを樹木Tの幹Ta又は太枝に形成した少なくとも2つのアンカーKである巻留用索体3,4の開閉式連結器8,8に通して少なくとも2点支持することにより、上部アンカーKの設けてある樹木Tの幹Taが折れたとしても、下部アンカーKでバックアップでき、地上への墜落を防止でき、日本の労働基準監督署の指導にも適うことになる。また、アンカーKにかかる荷重が作業者の体重と同じ荷重となるから、樹木Tの比較的細い幹でもアンカーKを設置可能となり、そしてまた作業者は、樹木に登る際には巻留用索体3,4を少なくとも2つ持って登ればよいから、作業者の重量的負担を軽減できる。
M 作業者
T 樹木
Ta 樹木の幹
Tb 樹木の枝
To 樹木の枝分かれ部分
DRT ダブルロープテクニック
2 長尺ロープ
3 第1巻留用索体
4 第2巻留用索体
K アンカー
5 第1連結器
6 伸縮調整具
7 第2連結器
8 連結器
10 安全帯
13 伸縮調整具としてのブレイクスヒッチ
15 連結器としてのカラビナ
16 開閉式連結器としての開閉式フック
18 伸縮調整具としてのロック金具
20 連結器
21 連結器

Claims (1)

  1. その長尺ロープの一部に伸縮調整具を介して伸縮調整可能な環状ロープ部を形成する、ダブルロープテクニックに使用する長尺ロープと、
    樹木の幹又は太枝の所要部に巻き留めて夫々ダブルロープテクニックのアンカーを形成する少なくとも2つの開閉式連結器付き巻留用索体と、を用いる樹上作業の墜落防止方法であって、
    前記環状ロープ部の所要箇所を作業者の安全帯に固定した状態で、この環状ロープ部を、樹木の幹又は太枝に形成した少なくとも2つのアンカーである巻留用索体の開閉式連結器に通して少なくとも2点支持することにより、作業者の墜落を防止するようにした樹上作業の墜落防止方法。
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