JP2015053864A - チーズおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的なチーズの製造工程におけるカード生成後の加塩工程を省略してもチーズ内部に塩類を十分に分散させることができ、原料乳に塩類を添加しても凝乳時間の遅延を軽減することができるチーズの製造方法を提供する。
【解決手段】原料として濃縮乳を用い、濃縮乳に塩類を添加することにより、カード生成後の加塩工程をチーズの製造工程から省略することができるとともに、原料乳に塩類を添加することによるチーズカードの凝乳時間の遅延を軽減する。塩類の添加量が前記濃縮乳に対して1〜10%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、原料の濃縮乳に塩類を添加することで、カード生成後の加塩工程を省略することができるチーズの製造方法に関する。
一般的なチーズの製造工程には、カード生成後に行う加塩工程がある。この加塩工程の目的として、チーズ中に生育するスターター微生物の増殖と活性の調整ならびに雑菌の増殖防止や味付けによる風味の付与等がある。加塩方法としては、乾塩法、湿塩法が挙げられる。
乳に食塩を直接添加してチーズを製造する方法として、特開平9-262053号に開示された低脂肪チーズの製造方法がある。この方法では、脂肪含量を0〜2重量%に調整し、殺菌冷却した低脂肪原料乳に、食品衛生上許容される一価の陽イオンの塩類を 0.1〜3重量%添加し、これに、スターター及びレッネットを添加して凝乳せしめ、これをカッティングしてホエーを排出し、得られるカード粒を型に詰めて圧搾し3〜8時間塩漬し、熟成を行うことが開示されている。また、乳に食品衛生上許容されるアルカリイオンの塩類を添加すると、乳中のカゼインミセルからカルシウムが解離してサブミセルにほぐれることが確認され、そのため、塩類を添加すると凝固能が弱くなり、凝乳時間が遅延することが開示されている。
特開2012-75432号公報には、限外ろ過膜を用いて調製した濃縮乳、精密ろ過膜を用いた濃縮乳それぞれを原料とした、フレッシュチーズ、モッツァレラ様チーズ、酸凝固チーズ、セミハード様チーズの製造方法が開示されている。
非特許文献1によると、加塩時間は、乾塩法では15分〜30分、湿塩法では7.5時間〜15日程度要するとされている。また、チーズ中への塩の均一な分散には、リンバーガーチーズでは10〜12日、ゴーダ、ブルーチーズ、ローマタイプチーズでは8〜12週間、フェタでは40日、パルメザンチーズでは10ヶ月程度要することが示されている。
特開平9-262053号公報 特開2012-75432号公報
T.P.Guinee and P.F. Fox, Salt in cheese: Physical, Chemical and Biological Aspects, Ed: P.F. Fox, P.L.H. McSweeney, T. M. Cogan and T.P.Guinee,CHEESE:Chemistry,Physics and Microbiology Vol 1, Elsevier Applied Science, London, UK, 2004.pp.207-260.
乾塩法によってチーズの加塩工程を行う場合、カード粒の結着が悪く、もろいチーズになるおそれがある。また、非特許文献1に開示されているように、湿塩法の場合は、塩水中に数時間〜数日間浸漬する必要があり、加塩工程に長時間有するとともに、塩水に接するチーズ表面から内部まで均一に塩味が広がるには、さらに一定時間置く必要がある。また、塩水濃度が高い場合や浸漬時間が長いと、チーズ表面には皮が形成され固い組織になるとともに、表面のみに過度な塩味を呈したり、チーズ内部には風味のない部分が残る場合もある。一般的なチーズの加塩工程では、乾塩法または湿塩法いずれの場合であっても、チーズのカードを生成した後の工程でチーズ表面から塩類を添加するため、チーズ内部に塩分を十分に分散させたチーズを製造することが困難であった。
特許文献1に開示された低脂肪チーズの製造方法では通常の乳に塩類を直接添加するが、この塩類の添加は、原料乳に塩類を添加することによるカゼインの構造変化に伴うカードの凝固時間の遅延及びシネレシスの低下を生みだし、最終的にはチーズの物性改良を目的としている。そのため、原料乳に添加される塩類の量は最適なカード物性になるような塩類の添加量であり、カード生成後には通常のチーズ製造と同じく、加塩工程を必要としている。
特許文献2に開示されたチーズの製造方法は通常の乳ではなく濃縮乳を原料として用いるが、加塩工程については一般的なチーズ製造と同じであり、カード生成後に加塩工程を行うのみである。
本発明は、従来の加塩工程にかかる問題点を解決し、カード生成後の加塩工程を省略してもチーズ内部に塩類を十分に分散させることができ、原料乳に塩類を添加しても凝乳時間の遅延を軽減することができるチーズの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決し、原料として濃縮乳を用い、濃縮乳に塩類を添加することにより、カード生成後の加塩工程をチーズの製造工程から省略することができることによる大幅な製造時間の短縮と、原料乳に塩類を添加することによるチーズカードの凝乳時間の遅延を軽減することができることを見出した。
本発明のチーズの製造方法は、濃縮乳に塩類を添加する工程と、塩類を添加した濃縮乳からカードを生成する工程とを有することを特徴とする。
本発明における濃縮乳としては、牛乳、山羊乳、水牛乳等の乳を用いて、精密ろ過膜や限外ろ過膜で濃縮することで得られる濃縮乳を用いることができる。また、それらの乳以外にも乳タンパク濃縮物(MPC)やレンネットカゼイン等の乳タンパク、乳脂肪などの食用油脂、塩化カルシウム等の副原料を添加、均質化した還元乳を用いても良い。
本発明では、濃縮乳に対する塩類の添加量が1%〜10%であることが好ましい。
また、本発明では、濃縮乳のカゼインたんぱく質濃度が4.0〜18.0%、および/または脂肪含量が2%〜20%であることが好ましい。
本発明における塩類としては、カリウムイオン、ナトリウムイオンあるいはこれらの混合物の塩、具体的には、食塩、岩塩、精製塩、食卓塩、自然塩、天然塩、自然海塩、天日塩、原塩、加工塩などの塩類を1種類、または2種類以上を混合したものを用いることができる。
本発明の製造方法で得られるチーズは、従来のナチュラルチーズと同様に用いることができる。そのため、生食や食品の素材として、調理して食することも、プロセスチーズやチーズフードの原料として利用することもできる。
本発明のチーズの製造方法では、塩類を添加した濃縮乳を原料としてカードを生成することで、チーズ内部に塩類を十分に分散させることができ、カード生成後の加塩工程を省略することができるとともに、原料乳に塩類を添加することによる凝乳時間の遅延を軽減することができるチーズ製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において、「%」は特に断りが無い限り「質量%」である。
(濃縮乳の調製)
本発明で原料として用いる濃縮乳としては、生乳や脱脂乳、還元乳を精密ろ過膜や限外ろ過膜で濃縮して得たものに限らず、成分値を調整した還元乳を用いてもよい。また、生乳や脱脂乳、濃縮乳、還元脱脂乳、還元乳等を組み合わせて成分値を調整したものを用いてもよい。以下に、それらの調製方法の例を示す。
[脱脂濃縮乳の調製方法1]
加熱殺菌脱脂乳を50℃に加温後、限外ろ過膜(分画分子量10kDa)を用いて、たんぱく質濃度を約16%まで濃縮処理を行い、脱脂濃縮乳を得る。
濃縮時に副産物として生成したパーミエイトを用いて、各水準のたんぱく質濃度に合わせ、脱脂濃縮乳を調製する。
[脱脂濃縮乳の調製方法2]
加熱殺菌脱脂乳を50℃に加温後、限外ろ過膜(分画分子量20kDa)を用いて、たんぱく質濃度を約16%まで濃縮処理を行い、脱脂濃縮乳を得る。
濃縮時に副産物として生成したパーミエイトを用いて、各水準のたんぱく質濃度に合わせ、脱脂濃縮乳を調製する。
[脱脂濃縮乳の調製方法3]
加熱殺菌脱脂乳を50℃に加温後、精密ろ過膜(細孔径0.1μm)を用いて、たんぱく質濃度を約16%まで濃縮処理を行い、脱脂濃縮乳を得る。
濃縮時に副産物として生成したパーミエイトを用いて、各水準のたんぱく質濃度に合わせ、脱脂濃縮乳を調製する。
[脱脂濃縮乳の調製方法4]
たんぱく質濃度が高濃度になるように、50℃程度に加温したお湯に、MPC、乳清ミネラル、乳糖を加え、十分溶解し、脱脂濃縮乳を調製する。その後、加熱殺菌を行い、クリームと混合し、濃縮乳を得る。
実験例1、2ならびに実施例1〜3では、上述した濃縮乳の調製方法のうち、膜による濃縮処理によって得た濃縮乳を用いた。また、実施例4では、MPCなどの乳タンパクを還元した還元乳を原料となる濃縮乳として用いた。
[実験例1]
(食塩添加量による凝固への影響)
表1の配合表を基に、上記の脱脂濃縮乳の調製方法1に記載の加熱殺菌済みの脱脂濃縮乳(たんぱく質濃度10%)およびクリーム(脂肪率37%)を計量後、それらを混合したものを原料である濃縮乳とした。そして、濃縮乳に対して精製塩をそれぞれ1%、5%、10%、15%溶解後、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、各水準においてpHが5.7になるように25%乳酸を添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。その後、均一に分散するように5分程度撹拌し、30℃で静置した。
それぞれの乳の状態を確認したところ、凝固するまでの時間は、精製塩の添加率1%では、20分、添加率5%では、60分、添加率10%では、100分と精製塩の添加率が増えるに従い遅くなった。一方、精製塩の添加率が15%の水準では、2時間静置しても乳は凝固していなかった。
これらのことから、塩類の添加率は、1%以上、10%以下が好ましいことが分かった。
Figure 2015053864
[実験例2]
(食塩添加量によるチーズ中のカルシウムへの影響)
本発明である濃縮乳に塩類を添加する方法(i)および対照として加塩無しの製造方法(ii)でチーズを作製し、チーズ中のカルシウムへの影響を確認した。
(i)、(ii)ともに、表2の配合表を基に、上記の脱脂濃縮乳の作製方法1に記載の加熱殺菌済みの脱脂濃縮乳およびクリーム(脂肪率37%)を計量し、チーズバットに搬送した。
Figure 2015053864
(i)では、計量した濃縮乳(脱脂濃縮乳およびクリーム)に対して精製塩を2%溶解後、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、各水準においてpHが5.7になるように25%乳酸を添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。その後、均一に分散するように5分程度撹拌し、30℃で静置した。
(ii)では、そのままチーズバット内で、各水準においてpHが5.7になるように25%乳酸を添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。その後、均一に分散するように5分程度撹拌し、30℃で静置した。
(i)および(ii)において、凝固したのを確認後、カッティングナイフで、10mm角のサイズに切断し、最初はカードが壊れないようにゆっくりと撹拌し、ある程度の硬さになったところで、ホエイの3分の1を排出し、80℃のお湯を加えて15〜20分間で38℃に加温し、カードが所定の硬さになるまで撹拌した。撹拌後、カードをチーズバットの底に沈めて、ホエイ中で30分圧搾した。その後、ホエイを全量排出して、モールドにカードを型詰めし、再度2時間程度圧搾した後に、モールドごと水に浸漬して冷却した。冷却したモールドからカードを取り出して、ナイロン袋に真空包装した。
表3に、(i)および(ii)の各水準で得たチーズのカルシウム量を示す。なお、チーズ中のカルシウム含量は、チーズ中を乾式灰化法で灰化した後、ICP発光分光分析法にて測定した。
Figure 2015053864
表4に、得られたチーズの官能評価の結果を示す。(i)および(ii)の方法によって作製されたチーズは、濃縮乳のたんぱく質濃度が高くなる程、硬くなる傾向であった。また、同じたんぱく質濃度で製造しても、(i)の方法で作製されたチーズの方が、(ii)の方法で作製されたチーズよりも良い官能評価結果であった。
Figure 2015053864
次に、本発明によって製造される各種のチーズについて、実施例にもとづいて説明する。
(ゴーダチーズ様チーズ)
表5の配合表を基に、上記の脱脂濃縮乳の調製方法1に記載の加熱殺菌済みの脱脂濃縮乳およびクリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、25%乳酸を各水準においてpHが5.7になるまで添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。pH調整後、均一に分散するように3分程度撹拌し、30℃で静置した。それぞれの水準において、凝固するまでに要した時間は、たんぱく質濃度4%では、静置後90分、たんぱく質濃度10%では35分、たんぱく質濃度15%では20分で凝固した。各水準において凝固したのを確認後、カッティングナイフで、10mm角のサイズに切断し、最初はカードが壊れないようにゆっくりと撹拌し、ある程度の硬さになったところで、ホエイの3分の1を排出し、80℃のお湯を加えて15〜20分間で38℃に加温し、カードが所定の硬さになるまで撹拌した。撹拌後、カードをチーズバットの底に沈めて、ホエイ中で30分圧搾した。その後、ホエイを全量排出して、モールドにカードを型詰めし、再度2時間程度圧搾した後に、モールドごと水に浸漬して冷却した。冷却したモールドからカードを取り出して、ナイロン袋に真空包装し、10℃で3ヶ月熟成した。
それぞれの濃縮乳から得られたチーズは、カード生成後の加塩工程を行っていないにもかかわらず、市販品のゴーダチーズと同等の程よい塩味を呈するとともに発酵臭やミルク風味を持ち、弾力のあるテクスチャーであった。また、たんぱく質濃度が高いほど、硬いカードとなっていた。
Figure 2015053864
[比較例1]
表6の配合表を基に、加熱殺菌済みの脱脂乳ならびにクリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、25%乳酸を各水準においてpHが5.7になるまで添加し、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。pH調整後、均一に分散するように3分程度撹拌し、30℃で静置した。その結果、凝固するまでに2時間余り有するとともに、ファインカードが多く、製造に適さなかった。
Figure 2015053864
(チェダーチーズ様チーズ)
表7の配合表を基に、上記の脱脂濃縮乳の調製方法2に記載の加熱殺菌済みの脱脂濃縮乳およびクリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、各水準においてpHが5.2になるまで25%乳酸を添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。pH調整後、均一に分散するように3分程度撹拌し、30℃で静置凝固した。
それぞれの水準において、凝固するまでに要した時間は、たんぱく質濃度4%では、静置後85分、たんぱく質濃度10%では33分、たんぱく質濃度15%では19分で凝固した。各水準において凝固したのを確認後、カッティングナイフで、10mm角のサイズに切断した。切断後、最初はカードが壊れないようにゆっくりと撹拌しながら、50分かけて38℃まで加温した。カードがある程度の硬さになったところで、ホエイの3分の1を排出し、更に撹拌し続けた。カードが所定の硬さになったところで、ホエイを全量排出して、カードのみをチーズバット内で堆積した。カードが結着してきたらカードを分割し、15分毎にカードブロックの上下を反転し、積み重ねるのを2時間実施した。その後、カードを細かく切断した後に、型詰めを行い、圧搾を2時間行った後に、カードを取り出し、ナイロン袋に真空包装し10℃で3ヶ月間熟成した。
それぞれの濃縮乳から得られたチーズは、カード生成後の加塩工程を行っていないにもかかわらず、市販品のチェダーチーズと同等の程よい塩味を呈するとともに発酵臭やミルク風味を持ち、弾力のあるテクスチャーであった。また、たんぱく質が高いほど、硬いカードとなっていた。
Figure 2015053864
[比較例2]
表8の配合表を基に、加熱殺菌済みの脱脂乳ならびにクリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、各水準においてpHが5.2になるまで25%乳酸を添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。pH調整後、均一に分散するように3分程度撹拌し、30℃で静置凝固した。その結果、凝固するまでに2時間強有するとともに、ファインカードが多く、製造に適さなかった。
Figure 2015053864
(モッツァレラ様チーズ)
表9の配合表を基に、上記の脱脂濃縮乳の調製方法3に記載の加熱殺菌済みの脱脂濃縮乳ならびにクリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、25%乳酸を各水準においてpHが5.5になるまで添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。pH調整後、均一に分散するように3分程度撹拌し、30℃で静置凝固した。それぞれの水準において、凝固するまでに要した時間は、たんぱく質濃度4%では、静置後87分、たんぱく質濃度10%では34分、たんぱく質濃度15%では19分で凝固した。各水準において凝固したのを確認後、カッティングナイフで、10mm角のサイズに切断し、10分ほどそのまま放置した。その後、カードを撹拌しながら40℃まで約20分程度かけて加温した。加温後、ホエイを排出し、カードのみを回収した。得られたカードを80℃のお湯の中で温調し、カード温度が60℃程度になったら、お湯の中で表面につややかさとなめらかさがある餅状の塊になるまで練り上げた。餅状のカードは、成型後10℃以下になるまで水に浸けて冷却した。
それぞれの濃縮乳から得られたチーズは、カード生成後の加塩工程を行っていないにもかかわらず、市販品のハードモザレラと同等の程よい塩味とクリーミーな風味を呈し、滑らかでつやがあり、弾力性に富んだテクスチャーを持っていた。また、たんぱく質が10%の水準が、最も滑らかでつやのある状態であった。
Figure 2015053864
[比較例3]
表10の配合表を基に、加熱殺菌済みの脱脂乳ならびにクリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、25%乳酸を各水準においてpHが5.5になるまで添加後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加した。pH調整後、均一に分散するように3分程度撹拌し30℃で静置したが、2時間たっても凝固しなかった。
Figure 2015053864
(ゴーダチーズ様チーズ)
表11の配合表を基に、上記のMPCを用いた脱脂濃縮乳の調製方法4に記載の濃縮乳に対して、クリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、スターターを2.5%添加し、30分間酸熟成を行った。その後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加し、均一に分散するように3分程度撹拌し、30℃で30分静置した。凝固したのを確認後、カッティングナイフで、10mm角のサイズに切断し、最初はカードが壊れないようにゆっくりと撹拌し、ある程度の硬さになったところで、ホエイの3分の1を排出し、80℃のお湯を加えて15〜20分間で38℃に加温し、カードが所定の硬さになるまで撹拌した。撹拌後、カードをチーズバットの底に沈めて、ホエイ中で30分圧搾した。その後、ホエイを全量排出して、カードをモールドに型詰めし、再度2時間程度圧搾した後に、モールドごと水に浸漬して冷却した。冷却したモールドからカードを取り出して、ナイロン袋に真空包装し、10℃で3ヶ月熟成した。
本実施例のようにMPCを用いた濃縮乳から得られたチーズにおいても、カード生成後の加塩工程を行っていないにもかかわらず、市販品のゴーダチーズと同等の程よい塩味を呈するとともに発酵臭やミルク風味を持ち、弾力のあるテクスチャーであった。
Figure 2015053864
[比較例4]
表12の配合表を基に、50℃程度に加温したお湯に、MPC、乳清ミネラル、乳糖を加えて十分溶解し、脱脂乳を調製した。その後、加熱殺菌を行った。加熱殺菌済みの脱脂乳ならびにクリーム(脂肪率37%)を計量後、精製塩を溶解し、チーズバットに搬送した。チーズバット内で、スターターを2.5%添加し、30分間酸熟成を行った。その後、レンネットCHY-MAX(CHR. HANSEN社製)を0.002%添加し、均一に分散するように3分程度撹拌し、30℃で30分静置した。その結果、凝固するまでに2時間余り有するとともに、ファインカードが多く、製造に適さなかった。
Figure 2015053864

Claims (7)

  1. 濃縮乳に塩類を添加する工程の後に、前記塩類を添加した濃縮乳からカードを生成する工程を有することを特徴とするチーズの製造方法。
  2. 前記塩類の添加量が前記濃縮乳に対して1%〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記濃縮乳に含まれるカゼインたんぱく質濃度が4.0〜18.0%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記濃縮乳の脂肪含量が2%〜20%であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記濃縮乳が精密ろ過膜または限外ろ過膜によって濃縮されたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチーズの製造方法。
  6. 前記濃縮乳が、乳タンパクに脂肪分を混合したものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチーズの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするチーズ。
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