JP2015053202A - フェライトコア内蔵コネクタ - Google Patents

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武史 相澤
Takeshi Aizawa
武史 相澤
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Abstract

【課題】フェライトコアの損傷を確実に防止する。【解決手段】複数の貫通孔32を有するフェライトコア30とこのフェライトコア30を包囲する合成樹脂製の保護部43とで構成されるフェライトコア成形体40と、フェライトコア成形体40に組み付けられ、貫通孔32に挿通される複数のタブ端子部22A、22Bと各タブ端子部22A、22Bの端部同士を連結する基部23とを有する端子金具20と、端子金具20をフェライトコア成形体40に組み付けた状態でインサート成形された合成樹脂製のコネクタハウジング11と、を備えてなるフェライトコア内蔵コネクタであって、保護部43はコネクタハウジング11より軟質の樹脂材にて形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、フェライトコア内蔵コネクタに関するものである。
コネクタの中には、CAN(Control Area Network)通信によって自動車に搭載された電子部品を制御しており、信号伝送に悪影響を及ぼすノイズ電流を除去するために、嵌合方向に突出するバスバー端子に対して、ブロック状のフェライトコアを嵌めこんだものが知られている。
ところで、フェライトコアをバスバー端子と共にインサート成形により合成樹脂製のコネクタハウジング内に埋設してコネクタを形成すると、樹脂硬化の際の収縮力による圧縮応力によりフェライトコアが損傷に至る虞がある。よって、下記特許文献1では、コネクタハウジングに開口部を形成し、圧縮応力が最も大きく働くフェライトコアの長手方向の両端面を開口部より露出させることで圧縮応力によるフェライトコアの損傷を防止する技術が開示されている。
特許第5172616号公報
しかしながら、フェライトコアの長手方向の両端面以外の面については、樹脂硬化時にかかる収縮力に対するケアがなされておらず、フェライトコアの損傷を確実に防止するには不十分であった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、フェライトコアの損傷を確実に防止したフェライトコア内蔵コネクタを提供することを目的とする。
本発明のフェライトコア内蔵コネクタは、
複数の貫通孔を有するフェライトコアとこのフェライトコアを包囲する合成樹脂製の保護部とで構成されるフェライトコア成形体と、
前記フェライトコア成形体に組み付けられ、前記貫通孔に挿通される複数のタブ端子部と各タブ端子部の端部同士を連結する基部とを有する端子金具と、
前記端子金具を前記フェライトコア成形体に組み付けた状態でインサート成形された合成樹脂製のコネクタハウジングと、を備えてなるフェライトコア内蔵コネクタであって、
前記保護部は前記コネクタハウジングより軟質の樹脂材にて形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、フェライトコアはコネクタハウジングより軟質な樹脂材にて形成された保護部にて包囲されているので、コネクタハウジングを成形する際にかかる収縮力は保護部にて吸収されてフェライトコアに直接作用する事態を回避することができる。それに伴って、フェライトコアの損傷が確実に防止される。
実施例1に係るフェライトコア成形体の斜視図 同じくフェライトコア内蔵コネクタの側断面図 同じくフェライトコア内蔵コネクタの平断面図 同じくフェライトコア内蔵コネクタの正面図
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
(1)本発明のフェライトコア内蔵コネクタは、
前記コネクタハウジングは高さ方向より幅方向に長尺に形成される一方、前記フェライトコアは幅方向に沿って複数片に分割されている構成とすることが好ましい。
この構成によれば、フェライトコアは幅方向に沿って複数片に分割されているので、コネクタハウジングの成形時に幅方向からフェライトコアが受ける収縮力は分散されて、各片に及び難くなる。よって、フェライトコアの損傷をより確実に防止できる。
(2)本発明のフェライトコア内蔵コネクタは、
前記コネクタハウジングは相手方コネクタハウジングと嵌合可能でかつ内部には前記各タブ端子部が突出して並列するフード部が形成されるとともに、このフード部の奥壁には前記コネクタハウジングと一体に形成され前記フェライトコア成形体を抜け止めする抜け止め壁が形成されている構成とすることが好ましい。
この構成によれば、フェライトコア成形体を抜け止めする抜け止め壁がコネクタハウジングのフード部の奥壁において一体に形成されるため、フェライトコア成形体の端子金具からの抜けが確実に防止される。
次に、本発明のフェライトコア内蔵コネクタを具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
<実施例1>
本実施例のフェライトコア内蔵コネクタ(以下では、単にコネクタと称する。)はバスバー端子(端子金具)20と、フェライトコア30を軟質樹脂によりモールドしたフェライトコア成形体40と、コネクタハウジング11とを備えて構成されている。尚、以下の説明において、前後方向については、図3の右側を前側、左側を後側とする。
コネクタハウジング11は合成樹脂(PBT)製であり、図3に示すように、前方に向かって開口する角筒状のフード部12を備え、このフード部12内には、後述するバスバー端子20とフェライトコア成形体40とがインサート成形によって一体に組み込まれている。
バスバー端子20は、銅合金等の金属の導電性板材を打ち抜いて曲げ加工等を施すことで成形されており、タブ状をなす8本のタブ端子部22A、22Bとそれらの端部を連結する基部23から成る。図2、図4に示すように、上段に位置する4本のタブ端子部22Aが正極側端子22Aであり、下段に位置する4本のタブ端子部22Bが負極側端子22Bである。各タブ端子部22A、22Bは図3に示すように、基部23より長手方向に対して等間隔で延出形成されている。そして8本のタブ端子部22A、22Bは、共に図示しない相手方コネクタの雌端子金具と電気的に接続する。
フェライトコア30は略ブロック状をなしており、その材質にはMn−Zn系フェライトが用いられている。また、図1に示すように、フェライトコア30は長辺部を有しており、その長辺方向に沿って、2つの貫通孔32が貫通形成されている。尚、貫通孔32の間隔は正極側端子22Aと負極側端子22Bの間隔と同等に設定されている。
フェライトコア成形体40は長辺部を有するPBTより軟質な軟質樹脂(PVC)製で、略プレート状を成しており、図1に示すように、フェライトコア30が長辺方向に所定の間隔を開けて4つ埋設されている。そして、埋設された各フェライトコア30はその全周に亘って軟質樹脂部(保護部)43により完全に覆われている。また、軟質樹脂部43はPBTの収縮代を吸収できる程度の厚みに設定されている。更に、各フェライトコア30の貫通孔32に対応する部分には、図1に示すように計8つの貫通部42が形成されており、各タブ端子部22A、22Bを貫通させて組み付け可能となっている。
次に、コネクタの組み立て手順の一例を説明する。まず、バスバー端子20の各タブ端子部22A、22Bに、フェライトコア成形体40に貫通形成された各貫通部42に通して、フェライトコア成形体40が基部23に当接するまで嵌めこむ。次に、図示しない成形型の間にバスバー端子20を組み付けたフェライトコア成形体40を仕掛けた状態で型閉じを行い、コネクタハウジング11の成形空間に対して樹脂を充填する。そして、フェライトコア成形体40の前面(フード部12の奥壁)には、樹脂が流入して抜け止め壁13が形成される(図2)。以上で、コネクタハウジング11がインサート成形により形成され、コネクタの組み立てが完了する。
次に、実施例1の作用・効果について説明する。
本実施例によれば、フェライトコア30は軟質樹脂部43で包囲されているので、コネクタハウジング11を成形する際にかかる収縮力は軟質樹脂部43により吸収され、フェライトコア30に直接作用する事態を回避することができる。それに伴って、フェライトコア30の損傷を確実に防止され、ノイズ除去特性が劣化する事態が確実に回避される。
また、フェライトコア30は、軟質樹脂部43の内部に幅方向に沿って所定の間隔を空けて4つ埋設されている。よって、コネクタハウジング11の成形時に受ける収縮力は個々のフェライトコア30まで及びにくくなり、それに伴ってフェライトコア30の損傷をより確実に防止できる。
また、フェライトコア成形体40を抜け止めする抜け止め壁13がコネクタハウジング11のフード部12の奥壁において一体に形成されているので、フェライトコア成形体40のバスバー端子20からの抜けが確実に防止される。
以上、本発明によれば、成形時におけるフェライトコア30の損傷を確実に防止したフェライトコア内蔵コネクタを提供することが可能となる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、フェライトコアをブロック状としたが、これに限らず、円形環状、方形環状等であっても良い。
(2)上記実施例では、端子金具のタブ端子部の極数を8としたが、これに限らず、端子部の極数に制限はない。
(3)上記実施例では、タブ端子部を上下2段で設けたが、これに限らず、1段あるいは3段以上設けても良い。
(4)上記実施例では、上下段のタブ端子部にフェライトコアを嵌め込んだが、これに限らず、上段あるいは下段のみにフェライトコアを嵌め込んでも良い。
(5)上記実施例では、フェライトコアにMn−Zn系フェライト材を用いたが、これに限らず、フェライトコアの材料に制限はない。また、同じ材料であってもセラミックではなく結晶状のナノクリスタル材を用いても良い。
(6)上記実施例では、フェライトコアを4つ搭載したが、これに限らず、3つ以下あるいは5つ以上搭載しても良い。
(7)上記実施例では、正極負極端子を一対とするタブ端子部の各対間を基部にて連結してしたが、これに限らず、各対間の連結はなくし、正極負極間端子のみを基部にて連結する形態としても良い。この場合、タブ端子部の各対間は電気的に分離されている。
(8)上記実施例では、保護部に軟質なPVC(ポリ塩化ビニル)を用いたが、これに限らず、TPO(オレフィン系エラストマー)、SBC(スチレン系エラストマー)等を用いても良い。
(9)上記実施例では、保護部に軟質なPVC樹脂を用いたが、これに限らず、耐熱ゴム等であっても良い。
11…コネクタハウジング
12…フード部
13…抜け止め壁
20…バスバー端子(端子金具)
22A、22B…タブ端子部
23…基部
30…フェライトコア
32…貫通孔
40…フェライトコア成形体
43…軟質樹脂部(保護部)

Claims (3)

  1. 複数の貫通孔を有するフェライトコアとこのフェライトコアを包囲する合成樹脂製の保護部とで構成されるフェライトコア成形体と、
    前記フェライトコア成形体に組み付けられ、前記貫通孔に挿通される複数のタブ端子部と各タブ端子部の端部同士を連結する基部とを有する端子金具と、
    前記端子金具を前記フェライトコア成形体に組み付けた状態でインサート成形された合成樹脂製のコネクタハウジングと、を備えてなるフェライトコア内蔵コネクタであって、
    前記保護部は前記コネクタハウジングより軟質の樹脂材にて形成されていることを特徴とするフェライトコア内蔵コネクタ。
  2. 前記コネクタハウジングは高さ方向より幅方向に長尺に形成される一方、前記フェライトコアは幅方向に沿って複数片に分割されていることを特徴とする請求項1に記載のフェライトコア内蔵コネクタ。
  3. 前記コネクタハウジングは相手方コネクタハウジングと嵌合可能でかつ内部には前記各タブ端子部が突出して並列するフード部が形成されるとともに、このフード部の奥壁には前記コネクタハウジングと一体に形成され前記フェライトコア成形体を抜け止めする抜け止め壁が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェライトコア内蔵コネクタ。
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