JP2015052284A - 蒸発燃料処理装置の故障検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発燃料処理系路の漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプの消費電力を低減することができるとともに、負圧発生手段への空気の導入にかかる消費電力を削減する。【解決手段】蒸発燃料処理装置20の故障検出装置60は、キャニスタ23への大気の導入を制御するCCV62と、燃料ポンプ28から吐出された燃料を利用して負圧を発生し、その負圧により大気を燃料タンク22内に導入するジェットポンプ64と、処理系内圧を検出する圧力センサ66と、漏れ故障を検出するECUとを備える。ECUは、パージ制御弁47及びCCV62の閉弁状態でジェットポンプ64を作動させることにより処理系路を加圧した後、処理系内圧の変化に基いて漏れ故障を検出する。燃料供給通路34に接続されたジェットポンプ64の燃料導入通路84に燃料遮断弁94を設ける。ジェットポンプ64の空気導入通路86に機械式の一方弁90を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、主として自動車等の車両における蒸発燃料処理装置の故障検出装置、詳しくは蒸発燃料処理系路の漏れ故障を検出する故障検出装置に関する。
この種の蒸発燃料処理装置の故障検出装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。図27は蒸発燃料処理装置を示す構成図である。
図27に示すように、燃料供給装置1は、燃料タンク2内の燃料を燃料供給通路3を介して内燃機関(エンジン)へ供給する燃料ポンプ4と、燃料供給通路3内の燃料の圧力を調整して余剰燃料を燃料タンク2内へリリーフするプレッシャレギュレータ5とを備えている。また、蒸発燃料処理装置7は、燃料タンク2内で発生した蒸発燃料をベーパ通路8を介して吸着するキャニスタ9と、キャニスタ9内に吸着された蒸発燃料を内燃機関の吸気通路10に導くパージ通路11と、パージ通路11から吸気通路10にパージされるパージ流量を制御するパージ制御弁12とを備えている。
前記蒸発燃料処理装置7の故障検出装置14は、キャニスタ9への大気(空気)の導入を制御する大気制御弁15と、プレッシャレギュレータ5からリリーフされた余剰燃料を利用して負圧を発生し、その負圧により吸気を空気導入通路16を介して燃料タンク2内に導入するジェットポンプ17と、空気導入通路16を開閉する制御弁18と、燃料タンク2及びキャニスタ9を含む蒸発燃料処理系路の処理系内圧を検出する内圧検出手段19と、蒸発燃料処理系路の漏れ故障の検出を行う故障検出手段(不図示)とを備えている。故障検出手段は、パージ制御弁12及び大気制御弁15の閉弁によって蒸発燃料処理系路を閉鎖するとともに制御弁18を開弁した状態で、ジェットポンプ17を作動させることにより蒸発燃料処理系路を加圧した後、処理系内圧の変化に基いて漏れ故障(孔空きの有無)を検出する。
特開2004−270573号公報
前記従来例によると、ジェットポンプ17にプレッシャレギュレータ5からリリーフされた余剰燃料を利用している。また、ジェットポンプ17が発生する負圧の程度は、ジェットポンプ17に供給される燃料量すなわち余剰燃料量に依存する。このため、プレッシャレギュレータ5からの余剰燃料を利用するジェットポンプ17では、十分な負圧を発生させることが困難である。また、ジェットポンプ17に十分な負圧を発生させるために、燃料ポンプ4の燃料吐出量を増大し、プレッシャレギュレータ5からの余剰燃料量を増大すると、蒸発燃料処理系路の漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプ4の消費電力が増大する。また、空気導入通路16を開閉する制御弁18が電磁弁であるため、ジェットポンプ17への空気の導入にかかる消費電力が増大する。
本発明は、蒸発燃料処理系路の漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプの消費電力を低減することができるとともに、負圧発生手段への空気の導入にかかる消費電力を削減することのできる蒸発燃料処理装置の故障検出装置を提供することにある。
第1の発明は、燃料タンク内の燃料を燃料供給通路を介して内燃機関へ供給する燃料ポンプと、燃料供給通路内の燃料の圧力を調整して余剰燃料を燃料タンク内へリリーフするプレッシャレギュレータとを備える燃料供給装置において、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をベーパ通路を介して吸着するキャニスタと、キャニスタ内に吸着された蒸発燃料を内燃機関の吸気通路に導くパージ通路と、パージ通路から吸気通路にパージされるパージ流量を制御するパージ制御弁とを備える蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、キャニスタへの大気の導入を制御する大気制御弁と、燃料ポンプから吐出された燃料を利用して負圧を発生し、その負圧により大気を燃料タンク内に導入する負圧発生手段と、燃料タンク及びキャニスタを含む蒸発燃料処理系路の処理系内圧を検出する内圧検出手段と、蒸発燃料処理系路の漏れ故障を検出する故障検出手段とを備え、故障検出手段は、パージ制御弁及び大気制御弁の閉弁によって蒸発燃料処理系路を閉鎖した状態で負圧発生手段を作動させることにより蒸発燃料処理系路を加圧した後、処理系内圧の変化に基いて漏れ故障(孔空きの有無)を検出し、負圧発生手段に燃料を導く燃料導入通路は燃料供給通路に接続され、燃料導入通路には、負圧発生手段への燃料の導入を制御する燃料導入制御弁が設けられ、負圧発生手段に大気を導く空気導入通路には、負圧発生手段の発生する負圧により開弁する機械式の一方弁が設けられている。
この構成によると、蒸発燃料処理系路の漏れ故障の検出時において、燃料導入制御弁の開弁により燃料供給通路の燃料が燃料導入通路を介して負圧発生手段に供給される。このため、燃料ポンプから吐出された燃料を、プレッシャレギュレータを介することなく負圧発生手段に直接的に供給することができる。したがって、プレッシャレギュレータからリリーフされた余剰燃料を負圧発生手段に供給する従来例と比べて、燃料ポンプに印加する電力を増大することなく、負圧発生手段に十分な負圧を発生させることができる。これにより、漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプの消費電力を低減することができる。
また、負圧発生手段の発生する負圧により、機械式の一方弁が開弁し、大気を空気導入通路を介して燃料タンク内に導入させることができる。したがって、空気導入通路に電磁弁(制御弁)を用いる従来例と比べて、負圧発生手段への空気の導入にかかる消費電力を削減することができる。
第2の発明は、第1の発明において、燃料ポンプに印加する駆動電圧をポンプ制御手段により制御することにより燃料ポンプの燃料吐出量を可変する構成とし、漏れ故障の検出を内燃機関の停止中に行う際に、ポンプ制御手段は、漏れ故障の検出時における燃料ポンプの駆動電圧を内燃機関の運転中の最大駆動電圧よりも低い電圧に制御する。この構成によると、漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプの消費電力を低減することができる。
第3の発明によると、第2の発明において、ポンプ制御手段は、漏れ故障の検出時における燃料ポンプの駆動電圧を単位消費電力当たりの負圧発生手段の空気吸込み流量が多くなるように制御する。この構成によると、漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプの消費電力を一層低減することができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明において、漏れ故障の検出を内燃機関の停止中に行う際にプレッシャレギュレータへの燃料の供給を遮断するプレッシャレギュレータ用遮断弁を備えている。この構成によると、漏れ故障の検出時において、燃料ポンプの燃料吐出量の全量を負圧発生手段に供給することができる。ひいては、漏れ故障の検出時における燃料ポンプの駆動時間を短縮し、燃料ポンプの消費電力を低減することができる。
第4の発明は、第1の発明において、漏れ故障の検出を内燃機関の停止中に行い、負圧発生手段はジェットポンプであり、ジェットポンプは、燃料ポンプの燃料吐出量の全量又は略全量に対応するノズル径のノズルを有している。この構成によると、漏れ故障の検出時において、プレッシャレギュレータからリリーフされる余剰燃料を低減し、燃料ポンプの燃料吐出量の全量又は略全量を負圧発生手段としてのジェットポンプに供給することができる。ひいては、漏れ故障の検出時における燃料ポンプの駆動時間を短縮し、燃料ポンプの消費電力を低減することができる。
第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明において、キャニスタ及び負圧発生手段に共通の空気導入口から大気を導入する構成とされている。この構成によると、キャニスタ及び負圧発生手段にかかる空気導入口を単一化することができる。また、例えばキャニスタ及び負圧発生手段の空気導入口に設けられるエアフィルタ等の付属部品を共通化することができる。
第7の発明は、第6の発明において、大気制御弁は、キャニスタに大気を導入する状態と負圧発生手段に大気を導入する状態とに切替え可能な三方弁である。
この構成によると、大気制御弁としての1つの三方弁により、キャニスタに大気を導入する状態と負圧発生手段に大気を導入する状態とに切替えることができる。したがって、大気通路及び負圧導入通路に別々の制御弁を設ける場合と比べて、構成を簡素化することができる。
第8の発明は、第1〜7のいずれかの発明において、一方弁は、弁室内を圧力室と背圧室とに区画するダイアフラムを備えかつ背圧室に燃料タンクのタンク内圧が印加されるダイアフラム弁である。この構成によると、一方弁としてダイアフラム弁(ダイアフラム式一方弁)を用いることにより、例えばチェックボール弁(ボール式一方弁)を用いる場合と比べて、流路断面積を増大し、負圧発生手段への空気量を増加することができる。ひいては、漏れ故障の検出時における燃料ポンプの駆動時間を短縮し、燃料ポンプの消費電力を低減することができる。
第9の発明は、第1〜8のいずれかの発明において、給油状態を検出する給油状態検出手段を備え、漏れ故障の検出中において給油状態検出手段が給油状態を検出したときには漏れ故障の検出処理を中止するように構成されている。この構成によると、漏れ故障の検出中において給油状態検出手段が給油状態を検出したときに、漏れ故障の検出処理が中止されることにより、それ以降の無駄な処理を省略することができる。
実施形態1にかかる蒸発燃料処理装置を模式的に示す構成図である。 燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ等の関係を模式的に示す構成図である。 ジェットポンプを示す断面図である。 燃料ポンプ、CCV及び燃料遮断弁の動作と処理系内圧の変化との関係を示すタイムチャートである。 ジェットポンプに供給される燃圧と燃料流量及び空気吸込み流量の関係を示すグラフである。 実施形態2にかかる燃料ポンプの消費電力とジェットポンプの空気吸込み流量との関係を示すグラフである。 燃料ポンプの電圧とポンプ効率との関係を示すグラフである。 燃料ポンプの駆動電圧の違いによる電力消費量を示すグラフである。 実施形態3にかかる燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ等の関係を模式的に示す構成図である。 実施形態4にかかる燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ等の関係を模式的に示す構成図である。 実施形態5にかかる燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ等の関係を模式的に示す構成図である。 実施形態6にかかるジェットポンプのノズル径と燃圧との関係を示すグラフである。 実施形態7にかかるCCVの開弁状態を示す断面図である。 CCVの閉弁状態を示す断面図である。 燃料タンク内が負圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図である。 燃料タンク内が正圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図である。 実施形態8にかかるCCVの開弁状態を示す断面図である。 CCVの閉弁状態を示す断面図である。 燃料タンク内が負圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図である。 燃料タンク内が正圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図である。 実施形態9にかかる燃料ポンプ、CCV及び燃料遮断弁等の動作と処理系内圧等の変化との関係を示すタイムチャートである。 第1のルーチンのフローチャートである。 第2のルーチンのフローチャートである。 第3のルーチンのフローチャートである。 第4のルーチンのフローチャートである。 第5のルーチンのフローチャートである。 従来例にかかる蒸発燃料処理装置を模式的に示す構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
[実施形態1]
実施形態1を説明する。図1は蒸発燃料処理装置を模式的に示す構成図である。
図1に示すように、蒸発燃料処理装置20は、自動車等の車両における燃料タンク22内で発生した蒸発燃料をキャニスタ23で吸着し、キャニスタ23に吸着された蒸発燃料を内燃機関であるエンジン24の吸気通路25へパージするエバポパージシステムである。なお、燃料タンク22内に貯留される燃料は、例えば揮発性の高いガソリンである。
燃料タンク22内には、タンク内の燃料をエンジン24に供給する燃料供給装置27が配置されている。燃料供給装置27は、燃料ポンプ28、プレッシャレギュレータ30及びセンダゲージ32等を備えている。
燃料ポンプ28は、燃料タンク22内の燃料を燃料供給通路34を介してエンジン24(詳しくはインジェクタ(不図示))へ供給すなわち圧送する。燃料ポンプ28は、モータ部を備える電動式の燃料ポンプで一定の電圧により駆動される。また、燃料ポンプ28のモータ部は、直流モータ、ブラシレスモータからなる。図2は燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ(後述する)等の関係を模式的に示す構成図である。図2において、符号、29は燃料ポンプ28の燃料吸入口に装着された燃料フィルタ、28aは燃料ポンプ28の燃料吐出口に内蔵された逆止弁である。
図1に示すように、前記プレッシャレギュレータ30は、燃料供給通路34の途中から分岐されたリリーフ通路35に接続されている。プレッシャレギュレータ30は、燃料供給通路34内の燃料の圧力(燃圧)を調整して余剰燃料を燃料タンク22内へリリーフする。また、前記センダゲージ32は、燃料タンク22内の燃料の液面(タンク内燃料量)を検出し、その検出信号をエンジン制御装置(不図示)に出力する。なお、前記吸気通路25の上流側の端部(エンジン24とは反対側の端部)はエアフィルタ(不図示)を介して大気に開放されている。吸気通路25には、吸入空気量を制御するスロットルバルブ38が設けられている。
前記燃料タンク22に設けられたインレットパイプ40は、その上端部の給油口から燃料を燃料タンク22内に導入するパイプである。インレットパイプ40の給油口には、タンクキャップ41が着脱可能に取付けられている。また、車両のボデー(不図示)には、フューエルリッド43及びリッドスイッチ44が設けられている。フューエルリッド43は、給油口の周辺部を開閉可能である。また、リッドスイッチ44は、フューエルリッド43の開閉状態を検出し、その検出信号を前記エンジン制御装置(以下、「ECU」という)に出力する。ECUは、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMに所定の制御プログラムが予め記憶されており、CPUが制御プログラムに基づいて演算処理し、各作動装置を所定のタイミングで制御する。なお、ECUは本明細書でいう「制御手段」に相当する。
前記蒸発燃料処理装置20は、キャニスタ23、パージ通路46及びパージ制御弁47等を備えている。キャニスタ23は、密閉状の容器50内に蒸発燃料を吸着・脱離する吸着材(不図示)が充填されてなる。吸着材としては、例えば活性炭が用いられている。容器50は、ベーパポート51、パージポート52及び大気ポート53を備えている。また、パージ通路46の一端部はパージポート52に接続されている。パージ通路46の他端部は前記吸気通路25に接続されている。パージ通路46は、キャニスタ23に吸着された蒸発燃料をエンジン24の吸気通路25に導く通路である。パージ通路46の下流側の端部(キャニスタ23とは反対側の端部)は、スロットルバルブ38よりも下流側において吸気通路25に接続されている。また、パージ制御弁47はパージ通路46の途中に配置されている。パージ制御弁47は、パージ通路46から吸気通路25にパージされるパージ流量を制御するもので、ECUによって開閉制御される電磁弁である。
前記キャニスタ23のベーパポート51には、ベーパ通路55の一端部が接続されている。ベーパ通路55の他端部は前記燃料タンク22(詳しくは気層部)に接続されている。また、前記キャニスタ23の大気ポート53には、大気通路56の一端部が接続されている。大気通路56の他端部は大気に開放されている。大気通路56の他端部には、空気導入口57が形成されている。空気導入口57には、エアフィルタ58が設けられている。なお、燃料タンク22、キャニスタ23、ベーパ通路55及びパージ通路46等を含む一連の蒸発燃料通路は、本明細書でいう「蒸発燃料処理系路」、「システム系路」に相当する。
前記蒸発燃料処理装置20には、蒸発燃料処理系路(システム系路)の孔空きによる漏れ故障いわゆる孔空きの有無を検出する故障検出装置60が設けられている。故障検出装置60は、キャニスタクローズドバルブ(以下、「CCV」という)62、ジェットポンプ64及び圧力センサ66等を備えている。CCV62は、前記大気通路56の途中に配置されている。CCV62は、前記キャニスタ23への大気の導入を制御するもので、ECUによって開閉制御される電磁弁である。なお、CCV62は本明細書でいう「大気制御弁」に相当する。
前記ジェットポンプ64は、前記燃料ポンプ28から吐出された燃料を利用して負圧を発生し、その負圧により大気を前記燃料タンク22内に導入する。図3はジェットポンプを示す断面図である。
図3に示すように、ジェットポンプ64は、第1ハウジング68と、第1ハウジング68の下側に接続された第2ハウジング69と、第2ハウジング69の側部に接続された第3ハウジング70とを備えている。第1ハウジング68には、下流側の端部にノズル72を有する燃料流入管部73が形成されている。ノズル72は、円形状の流路断面で、下流側に向かって次第に口径を小さくするテーパ状に形成されている。
また、第2ハウジング69には、チャンバー部75及びスロートパイプ部76が形成されている。チャンバー部75は、ノズル72の先端部を内部に収容する中空円筒状の収容室78と、収容室78に空気を吸込む吸込み口79と、収容室78から燃料を吐出する吐出口80とを有している。吸込み口79は、収容室78の側壁面においてノズル72の先端部よりも上流側に配置されている。また、吐出口80は、収容室78の下壁面においてノズル72の先端部の下流側に同心状に配置されている。収容室78の吐出口80側の部分は、下流側に向けて通路断面を徐々に小さくするテーパ状に形成されている。また、スロートパイプ部76は、チャンバー部75の吐出口80の下流側に同心状に接続されている。スロートパイプ部76は、中空円筒状に形成され、その中空部がスロート通路81になっている。また、第3ハウジング70には、空気吸込み管部82が形成されている。空気吸込み管部82の下流側の端部は、第2ハウジング69の吸込み口79に接続されている。
図1に示すように、前記ジェットポンプ64(図3参照)は、前記燃料タンク22内に配置されている。ジェットポンプ64の燃料流入管部73の上流側の端部には、燃料導入通路84の一端部が接続されている。燃料導入通路84の他端部(ジェットポンプ64とは反対側の端部)は、前記燃料供給通路34に接続されている。燃料導入通路84は、ジェットポンプ64に燃料を導く通路で、燃料供給通路34の途中から分岐されている。燃料導入通路84の他端部は、燃料供給通路34のリリーフ通路35の分岐部よりも上流側の通路部分すなわち燃料供給通路34のリリーフ通路35の分岐部と燃料ポンプ28との間の通路部分に接続されている。
また、ジェットポンプ64の空気吸込み管部82には、空気導入通路86の一端部が接続されている。空気導入通路86の他端部は、前記燃料タンク22の外部に配管されており、前記大気通路56の空気導入口57と前記CCV62との間の通路部分に接続されている。空気導入通路86は、ジェットポンプ64に空気を導く通路で、大気通路56の途中から分岐されている。これにより、キャニスタ23及びジェットポンプ64に共通の空気導入口57から大気を導入する構成となっている。また、ジェットポンプ64のスロート通路81の下流側端部は燃料タンク22内に開放されている。なお、大気通路56において、空気導入口57から空気導入通路86の分岐部までの通路部分を上流側の通路部56aといい、空気導入通路86の分岐部からキャニスタ23までの通路部分を下流側の通路部56bという。
次に、ジェットポンプ64の作動について図1及び図3を参照して説明する。燃料ポンプ28の作動により燃料供給通路34に供給された燃料が、燃料導入通路84を通じてジェットポンプ64の燃料流入管部73に流入すると、ジェットポンプ64は、ノズル72から燃料を噴射することで作動する。すなわち、ノズル72から噴射された燃料が収容室78を通じてスロート通路81内に流入することによるベンチュリ効果により、収容室78内に負圧が発生し、その負圧により大気(空気)が大気通路56の上流側の通路部56a、空気導入通路86及び空気吸込み管部82を通じて吸込み口79から収容室78内に吸込まれる。吸込み口79から吸込まれた空気は、ノズル72から噴射された燃料とともにスロート通路81を通じて燃料タンク22内に流出することにより、燃料タンク22内を加圧する。したがって、燃料導入通路84を通じてジェットポンプ64に流入した燃料の流速エネルギーを駆動源として、大気が燃料タンク22内に移送されることにより燃料タンク22内が加圧される。また、燃料ポンプ28の作動を停止させることにより、ジェットポンプ64への燃料の供給が停止した場合には、ノズル72からの燃料噴射が停止するにともないジェットポンプ64の作動が停止する。なお、ジェットポンプ64は本明細書でいう「負圧発生手段」に相当する。
図1に示すように、前記圧力センサ66は、蒸発燃料処理系路の処理系内圧を検出する圧力センサである。圧力センサ66は、例えば差圧センサで、前記大気通路56の下流側の通路部56bに対して前記CCV62とは並列的に配置されている。圧力センサ66は、大気開放側の圧力とキャニスタ23側の圧力との差圧を検出し、その検出信号を前記ECUに出力する。なお、圧力センサ66は本明細書でいう「内圧検出手段」に相当する。
前記ECUには、前記蒸発燃料処理系路(以下、「処理系路」という)の漏れ故障を検出する故障検出手段が含まれている。故障検出手段は、エンジン24の停止中において漏れ故障の検出を行う。また、故障検出手段は、前記パージ制御弁47及び前記CCV62を閉弁して処理系路を閉鎖した状態で、前記燃料ポンプ28を駆動することにより、前記ジェットポンプ64を作動させる。これにより、燃料タンク22を含む処理系路内を加圧した後、処理系内圧の変化を前記圧力センサ66により検出することによって、漏れ故障を検出する。
前記故障検出装置60(図1参照)において、漏れ故障の非検出時には、前記燃料タンク22内の蒸発燃料がジェットポンプ64、空気導入通路86及び大気通路56の上流側の通路部56aを通じて大気へ放出することを防止する必要がある。このため、空気導入通路86の途中には機械式の一方弁90が設けられている。一方弁90としては、例えばチェックボール弁(チェックボール式の一方弁)が用いられている。図1中、符号、91はボール、92はスプリングである。
一方弁90は、ジェットポンプ64の非作動時においては、スプリング92の付勢力によりボール91が閉弁することにより、燃料タンク22内の蒸発燃料が大気へ放出することを防止する。また、一方弁90は、ジェットポンプ64の作動時においては、ジェットポンプ64の発生する負圧によりスプリング92の付勢力に抗して開弁することにより、燃料タンク22内への大気(空気)の導入を可能とする。
前記故障検出装置60において、漏れ故障の非検出時には、前記ジェットポンプ64を作動させる必要がない。このため、前記燃料導入通路84の途中には、燃料遮断弁94が設けられている(図2参照)。燃料遮断弁94は、ジェットポンプ64への燃料の供給(導入)を制御するもので、ECUによって開閉制御される電磁弁である。なお、燃料遮断弁94は本明細書でいう「燃料導入制御弁」に相当する。
次に、前記故障検出装置60を備えた前記蒸発燃料処理装置20(図1参照)の動作について説明する。
漏れ故障の非検出時において、CCV62は開弁状態を維持する。このため、燃料タンク22のタンク内圧の変化に応じて、処理系路の空気が大気通路56から流出したり、大気(空気)が大気通路56から流入したりすることによって、燃料タンク22の破損が防止される。また、燃料遮断弁94は閉弁状態を維持する。したがって、燃料ポンプ28から燃料供給通路34に吐出された燃料が燃料導入通路84を介してジェットポンプ64へ導入されることがなく、ジェットポンプ64は作動しない。これにより、エンジン24への燃料の供給不足が回避される。
また、パージオフ時には、パージ制御弁47は閉弁状態を維持する。駐車時や給油時等において、蒸発燃料の発生や給油にともない、タンク内圧が上昇すると、燃料タンク22内の蒸発燃料を含む空気がベーパ通路55を介してキャニスタ23内に流入する。すると、キャニスタ23(詳しくは吸着材)によって蒸発燃料が吸着され、その残余の空気はキャニスタ23から大気通路56を介して大気中に放出される。
また、車両の走行中におけるパージオン時には、ECUによってパージ制御弁47が開弁される。すると、エンジン24の吸気負圧がパージ通路46を介してキャニスタ23に作用するにともない、大気(空気)が大気通路56を介してキャニスタ23に導入される。これにより、キャニスタ23内を流れる空気によって吸着材から蒸発燃料が脱離され、その蒸発燃料がパージ通路46を介して吸気通路25へパージされる。吸気通路25にパージされた蒸発燃料はエンジン24の燃焼室で燃焼される。
次に、蒸発燃料処理装置20の故障検出装置60が行う処理系路の孔空きによる漏れ故障の検出処理いわゆるエバポOBD(自己故障診断)の処理について図1及び図4を参照して説明する。図4は燃料ポンプ、CCV及び燃料遮断弁の動作と処理系内圧の変化との関係を示すタイムチャートである。
漏れ故障の検出処理はエンジン24の停止中に行われる。このため、漏れ故障の検出前(図4の時刻t0参照)において、燃料ポンプ28は停止状態すなわちオフ(OFF)状態、CCV62は開弁状態、燃料遮断弁94は閉弁状態にある。また、パージ制御弁47も閉弁状態にある。
図4の時刻t1において、ECUは漏れ故障の検出処理を開始する。すると、燃料ポンプ28が作動すなわちオン(ON)されるとともに、CCV62が閉弁され、燃料遮断弁94が開弁される。
CCV62の閉弁によって、処理系路内、詳しくはCCV62とパージ制御弁47との間の処理系路内が閉鎖される。また、燃料ポンプ28の作動により燃料タンク22内から燃料供給通路34に供給された燃料は、燃料遮断弁94の開弁により、燃料導入通路84を通じてジェットポンプ64に供給される。これによって、ジェットポンプ64が作動される。このとき、エンジン24が停止しているため、エンジン24へは燃料が供給されない。
前記ジェットポンプ64の作動により発生する負圧によって一方弁90が開弁される。すると、大気(空気)が大気通路56の上流側の通路部56a、空気導入通路86、及びジェットポンプ64を介して燃料タンク22内に導入される。これにより、燃料タンク22内に強制的に圧力が印加されることにより、処理系内圧が徐々に上昇していく(図4における処理系内圧の特性線L1参照)。
そして、ECUは、圧力センサ66からの検出信号に基いて、処理系内圧が所定値に達した時点(図4の時刻t2参照)で、燃料ポンプ28を停止すなわちオフ(OFF)させるとともに燃料遮断弁94を閉弁させる。すると、燃料ポンプ28の停止にともないジェットポンプ64が停止するとともに一方弁90が閉弁することにより、処理系路内が閉鎖される。この状態で、ECUは、圧力センサ66からの検出信号に基いて、処理系内圧を一定時間監視する。
ECUは、処理系内圧の低下がない又はほとんどない場合、すなわち基準圧力の低下率より小さい場合(図4における処理系内圧の特性線L2参照)には処理系路に漏れ故障(孔空き)が無いと判定する。また、ECUは、処理系内圧の低下が大きい場合すなわち基準圧力の低下率より大きい場合(図4における処理系内圧の特性線L3参照)には、処理系路に漏れ故障(孔空き)が有ると判定する。その後、ECUは、CCV62を開弁し、漏れ故障の検出を完了する。
前記した蒸発燃料処理装置20の故障検出装置60によると、漏れ故障の検出時において、燃料遮断弁94の開弁により燃料供給通路34の燃料が燃料導入通路84を介してジェットポンプ64に供給される。このため、燃料ポンプ28から吐出された燃料を、プレッシャレギュレータ30を介することなくジェットポンプ64に直接的に供給することができる。したがって、プレッシャレギュレータ30からリリーフされた余剰燃料をジェットポンプ64に供給する従来例と比べて、燃料ポンプ28に印加する電力を増大することなく、ジェットポンプ64に十分な負圧を発生させることができる。これにより、漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプ28の消費電力を低減することができる。
図5はジェットポンプに供給される燃圧と燃料流量及び空気吸込み流量の関係を示すグラフである。図5において、横軸はジェットポンプ64の作動燃圧(kPa)を示し、縦軸は流量(L/min)を示している。特性線L11はジェットポンプ64の作動燃圧と燃料流量との関係を示し、特性線L12はジェットポンプ64の作動燃圧と空気吸込み流量との関係を示している。
特性線L11上の点P1は本実施形態にかかるジェットポンプ64に供給される燃料流量を示し、特性線L12上の点p1は本実施形態にかかるジェットポンプ64の空気吸込み流量の特性を示している。なお、本実施形態にかかる燃圧は、ジェットポンプ64のノズル72のノズル径すなわちノズル72の先端開口部(図3においていて下端部)の口径に依存する。
また、特性線L11上の点P2は従来例にかかるジェットポンプ64に供給される燃料流量を示し、特性線L12上の点p2は従来例にかかるジェットポンプ64の空気吸込み流量の特性を示している。
したがって、図5からわかるように、本実施形態によると、従来例と比べて、ジェットポンプ64に供給される燃料流量を増大することにより、ジェットポンプ64に大きな負圧を発生させ、ジェットポンプ64の空気吸込み流量を増大することができる。
また、ジェットポンプ64の発生する負圧により、機械式の一方弁90(図1参照)が開弁し、大気を空気導入通路86を介して燃料タンク22内に導入させることができる。したがって、空気導入通路86に電磁弁(制御弁)を用いる従来例と比べて、ジェットポンプ64への空気の導入にかかる消費電力を削減することができる。
また、エンジン24の停止中に漏れ故障の検出を行うことにより、その漏れ故障の検出に際し、エンジン24による燃料消費が生じないとともに、処理系内圧がエンジン24による燃料消費の影響を受けないため検出精度を向上することができる。
また、キャニスタ23及びジェットポンプ64に共通の空気導入口57から大気を導入する構成とされている。したがって、キャニスタ23及びジェットポンプ64にかかる空気導入口57を単一化することができる。また、例えばキャニスタ23及びジェットポンプ64の空気導入口57に設けられるエアフィルタ58等の付属部品を共通化することができる。
[実施形態2]
実施形態2を説明する。本実施形態以降の実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。
ECUには、燃料ポンプ28に印加する駆動電圧を制御するポンプ制御手段が含まれている。ECUは、エンジン24の運転状況(エンジン回転数、車速、燃料噴射時間等)に応じて燃料ポンプ28に印加する駆動電圧を制御することにより、燃料ポンプ28の燃料吐出量を可変する。図6は燃料ポンプの消費電力とジェットポンプの空気吸込み流量との関係を示すグラフ、図7は燃料ポンプの電圧とポンプ効率との関係を示すグラフ、図8は燃料ポンプの駆動電圧の違いによる電力消費量を示すグラフである。
図6において、横軸は燃料ポンプ28の消費電力(W)を示し、縦軸はジェットポンプ64の空気吸込み流量(LPM(リットル/分))を示している。点aはエンジン24の運転時における最大駆動電圧で燃料ポンプ28を作動させた場合の消費電力及び吸込み流量を示し、点b〜eは駆動電圧を段階的に低下させた場合の消費電力及び吸込み流量を示している。図6によると、点dにおいて消費電力の割りに吸込み流量が多いことがわかる。
図7において、横軸は燃料ポンプ28の駆動電圧(V)を示し、縦軸は燃料ポンプ28のポンプ効率(LPM/W)を示している。点A〜Eは、図6における点a〜eにそれぞれ対応する駆動電圧で燃料ポンプ28を作動させた場合のポンプ効率を示している。ポンプ効率(LPM/W)は、燃料ポンプ28の消費電力1W当たりのジェットポンプ64の空気吸込み流量(LPM)である。図7によると、燃料ポンプ28の駆動電圧は、エンジン24の運転時における燃料ポンプ28の最大駆動電圧よりも低い電圧とすることにより、ポンプ効率が向上することがわかる。さらに、点Dにおける駆動電圧、例えば点Aにおける電圧の半分又は略半分の電圧とすることにより、ポンプ効率が良好であることがわかる。
図8において、左側の棒グラフG1は燃料ポンプ28の駆動電圧を最大駆動電圧に設定した場合のシステムの電力消費量(Wh)を示し、右側の棒グラフG2は燃料ポンプ28の駆動電圧を図7における点Dの電圧に設定した場合のシステムの電力消費量(Wh)を示している。また、各棒グラフG1,G2において、白色部は燃料ポンプ28の消費電力、斜線部は燃料遮断弁94の消費電力、黒色部はCCV62、ECU及びセンサ等を含む消費電力を示している。図8によると、システムの電力消費量は、棒グラフG1よりも棒グラフG2が少ないことがわかる。
そこで、本実施形態では、漏れ故障の検出をエンジン24の停止中に行う際に、ECUは、漏れ故障の検出時における燃料ポンプ28の駆動電圧をエンジン24の運転中の最大駆動電圧よりも低い電圧に制御する。したがって、漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプ28の消費電力を低減することができる。
さらに、ECUは、漏れ故障の検出時における燃料ポンプ28の駆動電圧を単位消費電力当たりのジェットポンプ64の空気吸込み流量が多くなるように制御する。したがって、漏れ故障の検出にかかる燃料ポンプ28の消費電力を一層低減することができる。
[実施形態3]
実施形態3を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものである。図9は燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ等の関係を模式的に示す構成図である。
前記実施形態1によると、燃料ポンプ28は、エンジン24の運転時と同等の駆動電圧で駆動される。したがって、プレッシャレギュレータ30は、閉弁状態を維持することができず、開弁によって余剰燃料をリリーフする。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、リリーフ通路35の途中にプレッシャレギュレータ用遮断弁96が設けられている。プレッシャレギュレータ用遮断弁96は、プレッシャレギュレータ30への燃料の導入を制御するもので、ECUによって開閉制御される電磁弁である。プレッシャレギュレータ用遮断弁96は、ECUによって漏れ故障の非検出時は開弁され、漏れ故障の検出時に閉弁されることによりプレッシャレギュレータ30への燃料の供給を遮断する。
本実施形態によると、漏れ故障の検出をエンジン24の停止中に行う際にプレッシャレギュレータ30への燃料の供給を遮断するプレッシャレギュレータ用遮断弁96を備えている。したがって、漏れ故障の検出時において、燃料ポンプ28の燃料吐出量の全量をジェットポンプ64に供給することができる。ひいては、漏れ故障の検出時における燃料ポンプ28の駆動時間を短縮し、燃料ポンプ28の消費電力を低減することができる。なお、本実施形態は前記実施形態2に適用してもよい。
[実施形態4]
実施形態4を説明する。本実施形態は、前記実施形態3に変更を加えたものである。図10は燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ等の関係を模式的に示す構成図である。
図10に示すように、本実施形態は、前記実施形態3(図9参照)のプレッシャレギュレータ用遮断弁96を、リリーフ通路35に代えて、燃料供給通路34の燃料導入通路84の分岐部とリリーフ通路35の分岐部との間の通路部分に配置したものである。
[実施形態5]
実施形態5を説明する。本実施形態は、前記実施形態3に変更を加えたものである。図11は燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ及びジェットポンプ等の関係を模式的に示す構成図である。
図11に示すように、本実施形態は、前記実施形態3(図9参照)の燃料遮断弁94を電動式の三方弁からなる燃料遮断弁(符号、98を付す)に変更したものである。これにともない、プレッシャレギュレータ用遮断弁96が省略されている。燃料遮断弁98は、燃料供給通路34と燃料導入通路84との分岐部に配置されている。また、燃料遮断弁98は、ECUにより、燃料ポンプ28の吐出燃料をエンジン24及びプレッシャレギュレータ30へ供給する状態と、燃料ポンプ28の吐出燃料を燃料導入通路84へ供給する状態とに切替え可能に構成されている。したがって、燃料ポンプ28の吐出燃料をエンジン24及びプレッシャレギュレータ30へ供給する状態においては、燃料ポンプ28の吐出燃料は燃料導入通路84へ供給されない。また、燃料ポンプ28の吐出燃料を燃料導入通路84へ供給する状態においては、燃料ポンプ28の吐出燃料をエンジン24及びプレッシャレギュレータ30へ供給されない。本実施形態によると、燃料導入通路84及びリリーフ通路35に別々の遮断弁94,96を設ける実施形態3(図9参照)と比べて、構成を簡素化することができる。
[実施形態6]
実施形態6を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものである。図12はジェットポンプのノズル径と燃圧との関係を示すグラフである。図12において、横軸はジェットポンプ64のノズル72のノズル径(mm)を示し、縦軸はジェットポンプ64の作動燃圧を示している。
図12に示すように、プレッシャレギュレータ30の開弁圧(例えば350kPa)を超える燃圧(図12の斜線部分の領域)は、プレッシャレギュレータ30の開弁により余剰燃料としてリリーフされる。
そこで、本実施形態では、ジェットポンプ64(図3参照)のノズル72のノズル径が、プレッシャレギュレータ30の開弁圧を超えない燃圧となるように設定されている。また、ジェットポンプ64のノズル72のノズル径が大きすぎると、ジェットポンプ64の作動燃圧が低下し、発生する負圧力すなわち空気の吸込み力が低下する。このため、ノズル72のノズル径が、プレッシャレギュレータ30の開弁圧と同等又は同等よりも所定量低い燃圧となるように設定されている。すなわち、ジェットポンプ64は、燃料ポンプ28の燃料吐出量の全量又は略全量に対応するノズル径のノズル72を有している。
本実施形態によると、漏れ故障の検出時において、プレッシャレギュレータ30からリリーフされる余剰燃料を低減し、燃料ポンプ28の燃料吐出量の全量又は略全量をジェットポンプ64に供給することができる。ひいては、漏れ故障の検出時における燃料ポンプ28の駆動時間を短縮し、燃料ポンプ28の消費電力を低減することができる。
[実施形態7]
実施形態7を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものである。図13はCCVの開弁状態を示す断面図、図14は同じく閉弁状態を示す断面図、図15は燃料タンク内が負圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図、図16は燃料タンク内が正圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図である。なお、本明細書では図13を基準としてCCVの左右上下の各方向を定めることにする。
図13に示すように、本実施形態は、実施形態1のCCV62(図1参照)をCCV(符号、100を付す)に変更したものである。CCV100は、キャニスタ23に大気を導入する状態とジェットポンプ64に大気を導入する状態とに切替え可能な三方弁である。説明の都合上、キャニスタ23に大気を導入する状態を開弁状態といい、ジェットポンプ64に大気を導入する状態を閉弁状態という。また、CCV100はECUにより切替え制御いわゆる開閉制御される。
CCV100は、ステップモータ101と弁機構部102とを備えている。ステップモータ101は、モータハウジング104内に収容されたステータ105と、ステータ105内に配置されかつモータハウジング104に軸回りに回転可能に支持されたロータ106とを備えている。ステータ105はボビン108に励磁コイル109を巻装してなる。また、ロータ106は、内周部に配置されたナット部材111と、外周部に配置された永久磁石112とを有している。ナット部材111には出力軸114の上端部が螺合されている。出力軸114は、モータハウジング104に対して軸回り方向に回り止めされた状態で軸方向すなわち上下方向に移動可能に支持されている。したがって、出力軸114は、ロータ106の正逆回転によって軸方向(上下方向)に往復移動される。また、ステップモータ101は、前記ECUによって駆動制御される。
前記弁機構部102は、弁ハウジング116を備えている。弁ハウジング116には、上下2段の弁室117,118が形成されている。上段の弁室117の側壁には第1接続口120が形成されている。第1接続口120には、前記大気通路56の下流側(キャニスタ23側)の通路部56bの上流側の端部が接続される。また、下段の弁室118の側壁には第2接続口121が形成されている。第2接続口121には、前記大気通路56の上流側(大気開放側)の通路部56aの下流側の端部が接続される。
前記下段の弁室118の下壁には下側の連通口122が同心状に形成されている。弁ハウジング116には、下側の連通口122に連通する接続管部124が一体的に形成されている。接続管部124の先端部に第3接続口125が形成されている。第3接続口125には、ジェットポンプ64に通じる空気導入通路86の上流側の端部が接続される。上段の弁室117と下段の弁室118との間の隔壁には上側の連通口127が同心状に形成されている。
前記ステップモータ101のモータハウジング104と弁ハウジング116は上下に一体的に連結されている。ステップモータ101の出力軸114は、上段の弁室117、上側の連通口127を通って下段の弁室118に延びている。出力軸114の下端部には、上側の連通口127を開閉可能な第1弁部材129が形成されている。第1弁部材129の下側には下側の連通口122を開閉可能な第2弁部材130が設けられている。なお、第2弁部材130と下段の弁室118の下壁との間にはスプリング132が介装されている。スプリング132は、常に第2弁部材130を上方へ付勢している。
前記接続管部124の途中には機械式の一方弁134が組込まれている。このため、前記実施形態1の一方弁90(図1参照)は省略されている。また、一方弁134としては、例えばチェックボール弁(チェックボール式の一方弁)が用いられている。図中、符号、135はボール、136はスプリングを示している。
次に、前記CCV100の動作について説明する。CCV100は、ECUにより漏れ故障の非検出時には開弁状態とされ、漏れ故障の検出時には閉弁状態とされる。
図13に示すように、CCV100の開弁状態では、上側の連通口127が開放されることにより、上下の弁室117,118が連通し、大気通路56の上流側の通路部56aと下流側の通路部56bとが連通した状態とされる。この状態がキャニスタ23に大気を導入する状態に相当する。また、CCV100の開弁状態では、下側の連通口122が第2弁部材130によって閉鎖されるため、ジェットポンプ64へ大気が導入されない。
CCV100の開弁状態において、パージ等によりキャニスタ23内が負圧になるときは、空気が第2接続口121から下段の弁室118、上側の連通口127、上段の弁室117、第1接続口120を通り抜けることにより、大気(空気)をキャニスタ23に導入することができる。このときの大気(空気)の流れが図15及び図16に矢印Y1で示されている。
ところで、CCV100の開弁状態において、気温の低下等により燃料タンク22内が負圧になり、その負圧(図15中、矢印Y2参照)が一方弁134に作用し、一方弁134が開弁される(図15参照)。しかし、下側の連通口122が第2弁部材130によって閉鎖されているため、燃料タンク22内へ大気が導入されない(図15参照)。また、燃料タンク22内の負圧が小さくなると、スプリング136の付勢によって一方弁134が閉弁状態となる。
また、CCV100の開弁状態において、気温の上昇等により燃料タンク22内が正圧になるときは、その正圧(図16中、矢印Y3参照)が一方弁134に作用しても、一方弁134が閉弁状態を維持する(図16参照)。このため、燃料タンク22の気体(空気、蒸発燃料)が大気へ放出されない。
また、CCV100の開弁状態において、ECUからCCV100のステップモータ101に閉弁信号が入力されると、ロータ106が閉弁方向に回転され、出力軸114が上動されることにより、下側の連通口122が開放されるとともに、上側の連通口127が第1弁部材129によって閉鎖される(図14参照)。この状態がジェットポンプ64に大気を導入する状態に相当する。
また、CCV100の閉弁状態において、キャニスタ23へは大気が導入されない。また、一方弁134は、ジェットポンプ64の作動により発生する負圧(図14中、矢印Y4参照)によって開弁し、大気(空気)がジェットポンプ64に吸込まれる(図14中、矢印Y5参照)。なお、ジェットポンプ64が停止すると、スプリング136の付勢によって一方弁134が閉弁状態となる。
本実施形態によると、CCV100としての1つの三方弁により、キャニスタ23に大気を導入する状態とジェットポンプ64に大気を導入する状態とに切替えることができる。したがって、大気通路56及び負圧導入通路に別々の制御弁を設ける場合と比べて、構成を簡素化することができる。
また、弁ハウジング116に一方弁134が組込まれていることにより、部品点数及び組付工数を削減することができる。
[実施形態8]
実施形態8を説明する。本実施形態は、前記実施形態7に変更を加えたものである。図17はCCVの開弁状態を示す断面図、図18は同じく閉弁状態を示す断面図、図19は燃料タンク内が負圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図、図20は燃料タンク内が正圧状態における空気の流れを示すCCVの断面図である。
図17に示すように、本実施形態は、前記実施形態7のCCV100の一方弁134を、ダイアフラム弁からなる一方弁(符号、140を付す)に変更したものである。ダイアフラム弁はダイアフラム式の一方弁である。
CCV100の弁ハウジング116の接続管部124には、ダイアフラム弁からなる一方弁140が組込まれている。一方弁140は、接続管部124の途中に一体的に形成された弁ケース部141と、弁ケース部141内に設けられたダイアフラム142とを備えている。ダイアフラム142は可撓性を有する材料により形成されている。ダイアフラム142により、弁ケース部141内が2室すなわち下側の圧力室144と上側の背圧室145とに区画されている。圧力室144の外周部は、前記弁ハウジング116の下側の連通口122側の通路部(符号、146を付す)に連通されている。圧力室144の下壁の中央部には弁孔147が形成されている。弁孔147は、接続管部124の第3接続口125側の通路部(符号、148を付す)に連通されている。
前記ダイアフラム142の中央部には、弁孔147を開閉する弁部材150が設けられている。また、背圧室145の上壁とダイアフラム142の弁部材150との間には、バルブスプリング152が介装されている。バルブスプリング152は、ダイアフラム142の弁部材150を閉方向(図17において下方)へ付勢している。また、前記弁ケース部141には、背圧室145と第3接続口125側の通路部148とを連通する連通路154が形成されている。
前記CCV100の開弁状態において、気温の低下等により燃料タンク22内が負圧になり、その負圧(図19中、矢印Y2参照)が一方弁140の連通路154を介して背圧室145に作用する。すると、ダイアフラム142がバルブスプリング152の付勢に抗して背圧室145側へ吸引されることにより、弁部材150が開かれる(図19参照)。すなわち、一方弁140が開弁される。しかし、下側の連通口122が第2弁部材130によって閉鎖されているため、燃料タンク22内へ大気が導入されない。また、燃料タンク22内の負圧が小さくなると、バルブスプリング152の付勢によって弁部材150が閉じられることにより、一方弁140が閉弁状態となる。
また、CCV100の開弁状態において、気温の上昇等により燃料タンク22内が正圧になるときは、その正圧(図20中、矢印Y3参照)が一方弁140の連通路154を介して背圧室145に作用しても、一方弁134が閉弁状態を維持する(図20参照)。このため、燃料タンク22の気体(空気、蒸発燃料)が大気へ放出されない。
また、CCV100の閉弁状態において、一方弁140は、ジェットポンプ64の作動により発生する負圧(図18中、矢印Y4参照)が一方弁140の連通路154を介して背圧室145に作用する。すると、ダイアフラム142がバルブスプリング152の付勢に抗して背圧室145側へ吸引されることにより、弁部材150が開かれる。すなわち、一方弁140が開弁される。これにより、大気(空気)がジェットポンプ64に吸込まれる(図18中、矢印Y5参照)。なお、ジェットポンプ64が停止すると、スプリング152の付勢によって一方弁140が閉弁状態となる。
本実施形態によると、一方弁140としてダイアフラム弁を用いることにより、例えばチェックボール弁を用いる場合(実施形態7参照)と比べて、流路断面積を増大し、ジェットポンプ64への空気量を増加することができる。ひいては、漏れ故障の検出時における燃料ポンプ28の駆動時間を短縮し、燃料ポンプ28の消費電力を低減することができる。
[実施形態9]
実施形態9を説明する。本実施形態は、前記実施形態1の蒸発燃料処理装置20の故障検出装置60においてECUが実行する漏れ故障の検出処理を具体化したものである。図21は燃料ポンプ、CCV及び燃料遮断弁等の動作と処理系内圧等の変化との関係を示すタイムチャート、図22は第1のルーチンのフローチャート、図23は第2のルーチンのフローチャート、図24は第3のルーチンのフローチャート、図25は第4のルーチンのフローチャート、図26は第5のルーチンのフローチャートである。
漏れ故障の検出処理について図1及び図21〜図26を参照して説明する。
漏れ故障の検出処理はエンジン24の停止中に行われる。このため、漏れ故障の検出前(図21の時刻t10参照)において、ECUはオン状態、処理系内圧は低圧(Lo)、CCV62は開弁状態、パージ制御弁47は閉弁状態、タンク内燃料量は低量(Lo)、燃料遮断弁94は閉弁状態、燃料ポンプ28は停止状態すなわちオフ(OFF)状態、リッドスイッチ44はオフ(OFF)すなわちフューエルリッド43は閉状態(図1中、実線43参照)にある。
図21の時刻t11において、ECUは漏れ故障の検出処理を開始する。すると、ECUは、事前処理としての第1のルーチン(図22参照)を実行する。なお、第1のルーチンは所定時間毎に繰り返される。
第1のルーチンでは、ステップS101で、イグニッションキーがオフ中であるか否かか判定される。その結果、イグニッションキーがオフ中でない場合は、エンジン24が停止していないため今回の処理を終了する。また、キーがオフ中である場合は、ステップS102で、所定時間が経過したか否かが判定される。その結果、所定時間が経過していない場合は、タンク内圧が安定していないものとして今回の処理を終了する。また、所定時間が経過した場合は、ステップS103で漏れ故障の検出(エバポOBD)の処理回路を起動する。
続いて、ステップS104で、孔無し(漏れ故障無し)の判定済み(後述するステップS135参照)であるか否かか判定される。その結果、判定済みである場合は、再度診断を実行する必要がないものとして今回の処理を終了する。また、判定済みでない場合は、ステップS105で、圧力センサ66の圧力値が安定しているか否かが判定される。その結果、圧力センサ66の圧力値が安定していない場合は、ステップS106で、所定時間が経過したか否かが判定される。なお、ステップS105とS106との間の時点(図22の※1参照)は、図21の処理系内圧の時点※1に対応する。
ステップS106で、所定時間が経過していない場合はステップS105に戻る。また、所定時間が経過した場合は、ステップS107で漏れ故障の検出を保留する。これにより、処理系圧力の変動が大きすぎたり、ベーパの発生量が多すぎたりすることによる誤診を防止することができる。
また、ステップS105で、処理系内圧の圧力値(圧力センサ66の検出値)が安定している場合は、ステップS108で、漏れ故障の検出条件が成立したものとして、第2のルーチン(図23参照)へ移行する。
第2のルーチン(図23参照)では、ステップS111で、CCV62を閉弁する(図21の時刻t11参照)。続いて、ステップS112で、処理系内圧の圧力値が所定範囲内にあるか否かか判定される。その結果、処理系内圧の圧力値が所定範囲内にない場合は、ステップS113で、所定時間が経過したか否かが判定される。なお、ステップS112とS113との間の時点(図23の※2参照)は、図21の処理系内圧の時点※2に対応する。
ステップS113で、所定時間が経過していない場合はステップS112に戻る。また、所定時間が経過した場合は、ステップS114でCCV62を開弁した後、ステップS115で漏れ故障の検出を保留する。これにより、温度変化、燃料タンク22内の燃料揺れ等に起因する処理系路の圧力(処理系の内圧)の上がり過ぎや下がり過ぎによる誤診を防止することができる。
また、前記ステップS112で、処理系内圧の圧力値が所定範囲内にある場合は、ステップS116で、漏れ故障の検出にかかる実行条件が成立したものとして、第3のルーチン(図24参照)へ移行する。
第3のルーチン(図24参照)では、ステップS121で燃料ポンプ28を駆動すなわちオン(ON)し、ステップS122で燃料遮断弁94を開弁する(図21の時刻t12参照)。これにより、ジェットポンプ64が作動し、処理系内圧が次第に上昇されていく(図21の処理系内圧の特性線L21参照)。
続いて、ステップS123で、処理系内圧の圧力値が所定値へ到達したか否かか判定される。その結果、処理系内圧の圧力値が所定圧に到達してない場合は、ステップS124で、所定時間が経過したか否かが判定される。その結果、所定時間が経過していない場合はステップS123に戻る。また、前記ステップS123で、処理系内圧の圧力値が所定圧へ到達した場合は第4のルーチン(図25参照)へ移行する。
また、ステップS124で所定時間が経過した場合は、ステップS125で孔有り(漏れ故障有り)と判定する。なお、ステップS124とS125との間の時点(図24の※3参照)は、図21の処理系内圧の時点※3に対応する。
続いて、ステップS126でCCV62を開弁した後、今回の処理を終了する。これとともに、孔有りと判定したことを警告ランプ等の点灯により車両運転者等に報知する。
第4のルーチン(図25参照)では、ステップS131で燃料ポンプ28をOFF(停止)し、ステップS132で燃料遮断弁94を閉弁する(図21の時刻t13参照)。これにより、処理系路が密閉される。続いて、ステップS133で、処理系内圧の圧力値が所定値以上であるか否かか判定される。その結果、処理系内圧の圧力値が所定値以上である場合は、ステップS134で、所定時間が経過したか否かが判定される。その結果、所定時間が経過していない場合はステップS133に戻る。
また、ステップS134で所定時間が経過した場合は、処理系内圧の低下がない又はほとんどない(図21の処理系内圧の特性線L22参照)。このため、ステップS135で孔無し(漏れ故障無し)と判定する。なお、ステップS134とS135との間の時点(図25の※4参照)は、図21の処理系内圧の時点※4に対応する。
続いて、ステップS136でCCV62を開弁した後、今回の処理を終了する(図21の時刻t14参照)。その後、処理系内圧の圧力値は次第に低下する。一方、ECUは、所定時間後にオフする(図21の時刻t15参照)。
また、前記ステップS133で、処理系内圧の圧力値が所定値以上でない場合は、処理系内圧の低下が大きい(図21の処理系内圧の特性線L23参照)。このため、ステップS137で孔有り(漏れ故障有り)と判定する。なお、ステップS133とS137との間の時点(図25の※5参照)は、図21の処理系内圧の時点※5に対応する。
続いて、ステップS136でCCV62を開弁した後、今回の処理を終了する。また、ECUは、所定時間後にオフする。また、前記ステップS137で孔有りと判定したときには、警告ランプ等の点灯により車両運転者等に報知する。
また、ECUは、給油の実行を判定するための第5のルーチン(図26参照)を所定時間毎に実行する。第5のルーチンでは、ステップS141でリッドスイッチ44がオン(ON)か否かが判定される。その結果、リッドスイッチ44がオンの場合は、フューエルリッド43が開いている(図1中、二点鎖線43参照)。このため、給油が開始又は実行されていると判断し、ステップS142で、エバポOBD(漏れ検出)中か否かが判定される。なお、ステップS141とS142との間の時点(図26の※6参照)は、例えば、図21のリッドスイッチ44の時点※6に対応する。
ステップS142で、エバポOBD中でない場合は本処理を終了する。また、エバポOBD中の場合は、ステップS143で、エバポOBDを中止する。このとき、CCV62が閉弁状態にあれば開弁し、また、燃料遮断弁94が開弁状態であれば閉弁し、また、燃料ポンプ28がオン状態であればオフする。その後、今回の処理を終了する。また、前記ステップS141で、リッドスイッチ44がオンでない場合は、ステップS144でタンク内圧が急激に上昇したか否かが判定される。その結果、タンク内圧が急激に上昇した場合は、給油が実行されていると判断し、ステップS142に移行する。また、タンク内圧が急激に上昇していない場合は、ステップS145でタンク内燃料量(センダゲージ32の検出値)が変動(増大)したか否かが判定される。その結果、燃料量が増大した場合は、給油が実行されていると判断し、ステップS142に移行する。また、燃料量が変動していない場合は、本処理を終了する。なお、ステップS145とS142との間の時点(図26の※7参照)は、例えば、図21のタンク内燃料量の時点※7に対応する。また、リッドスイッチ44、圧力センサ66及びセンダゲージ32は、本明細書でいう「給油状態検出手段」に相当する。
前記第5のルーチンによると、給油状態検出手段であるリッドスイッチ44、圧力センサ66及びセンダゲージ32のうちのいずれかが給油状態を検出したときに、漏れ故障の検出処理が中止されることにより、それ以降の無駄な処理を省略することができる。ちなみに、本実施形態において、ステップS141の他にステップS145、S145の処理を行う理由は、ステップS141とS144との間、ステップS144とS145との間にそれぞれタイムラグがあるためであり、これらの処理を行うにより、給油開始から漏れ故障の検出処理の中止までの時間を短縮することができる。また、仮に、リッドスイッチ44、圧力センサ66及びセンダゲージ32のうちの1つ又は2つに故障を生じた場合でも、給油状態を検出することが可能である。
[他の実施形態]
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、漏れ故障の検出は、エンジン24の停止中に限らず、エンジン24の運転中、例えばアイドリング中に行ってもよい。また、プレッシャレギュレータ30は、燃料供給通路34の燃料導入通路84の分岐部よりも下流側に配置してもよい。また、前記実施形態では、キャニスタ23及びジェットポンプ64に共通の空気導入口57から大気を導入する構成としたが、キャニスタ23及びジェットポンプ64に個別の空気導入口から大気を導入する構成としてもよい。また、漏れ故障の検出中において、リッドスイッチ44がオンしたときに漏れ故障の検出を強制的に終了するようにしてもよい。
20…蒸発燃料処理装置
22…燃料タンク
23…キャニスタ
24…エンジン(内燃機関)
25…吸気通路
27…燃料供給装置
28…燃料ポンプ
30…プレッシャレギュレータ
32…センダゲージ(給油状態検出手段)
34…燃料供給通路
44…リッドスイッチ(給油状態検出手段)
46…パージ通路
47…パージ制御弁
55…ベーパ通路
57…空気導入口
60…故障検出装置
62…CCV(大気制御弁)
64…ジェットポンプ(負圧発生手段)
66…圧力センサ(内圧検出手段、給油状態検出手段)
72…ノズル
90…一方弁(チェックボール弁)
94…燃料遮断弁(燃料導入制御弁)
96…プレッシャレギュレータ用遮断弁
98…燃料遮断弁
100…CCV(キャニスタクローズドバルブ、大気制御弁、三方弁)
134…一方弁(チェックボール弁)
140…一方弁(ダイアフラム弁)
142…ダイアフラム
144…圧力室
145…背圧室

Claims (9)

  1. 燃料タンク内の燃料を燃料供給通路を介して内燃機関へ供給する燃料ポンプと、
    前記燃料供給通路内の燃料の圧力を調整して余剰燃料を前記燃料タンク内へリリーフするプレッシャレギュレータと
    を備える燃料供給装置において、
    前記燃料タンク内で発生した蒸発燃料をベーパ通路を介して吸着するキャニスタと、
    前記キャニスタ内に吸着された蒸発燃料を前記内燃機関の吸気通路に導くパージ通路と、
    前記パージ通路から前記吸気通路にパージされるパージ流量を制御するパージ制御弁と
    を備える蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記キャニスタへの大気の導入を制御する大気制御弁と、
    前記燃料ポンプから吐出された燃料を利用して負圧を発生し、その負圧により大気を前記燃料タンク内に導入する負圧発生手段と、
    前記燃料タンク及び前記キャニスタを含む蒸発燃料処理系路の処理系内圧を検出する内圧検出手段と、
    前記蒸発燃料処理系路の漏れ故障を検出する故障検出手段と
    を備え、
    前記故障検出手段は、前記パージ制御弁及び前記大気制御弁の閉弁によって前記蒸発燃料処理系路を閉鎖した状態で前記負圧発生手段を作動させることにより該蒸発燃料処理系路を加圧した後、前記処理系内圧の変化に基いて漏れ故障を検出し、
    前記負圧発生手段に燃料を導く燃料導入通路は、前記燃料供給通路に接続され、
    前記燃料導入通路には、前記負圧発生手段への燃料の導入を制御する燃料導入制御弁が設けられ、
    前記負圧発生手段に大気を導く空気導入通路には、該負圧発生手段の発生する負圧により開弁する機械式の一方弁が設けられている
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記燃料ポンプに印加する駆動電圧をポンプ制御手段により制御することにより該燃料ポンプの燃料吐出量を可変する構成とし、
    前記漏れ故障の検出を前記内燃機関の停止中に行う際に、前記ポンプ制御手段は、前記漏れ故障の検出時における前記燃料ポンプの駆動電圧を前記内燃機関の運転中の最大駆動電圧よりも低い電圧に制御する
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  3. 請求項2に記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記ポンプ制御手段は、前記漏れ故障の検出時における前記燃料ポンプの駆動電圧を単位消費電力当たりの前記負圧発生手段の空気吸込み流量が多くなるように制御することを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記漏れ故障の検出を前記内燃機関の停止中に行う際に前記プレッシャレギュレータへの燃料の供給を遮断するプレッシャレギュレータ用遮断弁を備えていることを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  5. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記漏れ故障の検出を前記内燃機関の停止中に行い、
    前記負圧発生手段はジェットポンプであり、
    前記ジェットポンプは、前記燃料ポンプの燃料吐出量の全量又は略全量に対応するノズル径のノズルを有していることを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記キャニスタ及び前記負圧発生手段に共通の空気導入口から大気を導入する構成とされていることを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  7. 請求項6に記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記大気制御弁は、前記キャニスタに大気を導入する状態と前記負圧発生手段に大気を導入する状態とに切替え可能な三方弁であることを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    前記一方弁は、弁室内を圧力室と背圧室とに区画するダイアフラムを備えかつ該背圧室に前記燃料タンクのタンク内圧が印加されるダイアフラム弁であることを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の蒸発燃料処理装置の故障検出装置であって、
    給油状態を検出する給油状態検出手段を備え、
    前記漏れ故障の検出中において前記給油状態検出手段が給油状態を検出したときには漏れ故障の検出処理を中止するように構成されている
    ことを特徴とする蒸発燃料処理装置の故障検出装置。
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