JP2015052178A - ポリエステル繊維構造体および詰綿 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れたポリエステル繊維構造体および詰綿を提供する。【解決手段】単繊維繊度が0.05〜1.5dtex、アスペクト比が400〜4000のポリエステル短繊維を20本以上絡み合わせてポリエステル繊維構造体を得た後、該ポリエステル繊維構造体を用いて詰綿を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れたポリエステル繊維構造体および詰綿に関するものである。
従来、掛け布団や枕等の寝装寝具、アウター衣料の詰め綿の一種として、保温性や嵩高性に優れている羽毛が用いられている。羽毛を詰め綿として用いた羽毛布団は、風合いに富み、軽量で保温性に優れ、体に沿いやすく嵩高性に優れ、そして回復率の高いことが知られている。この羽毛布団に用いられる羽毛には、一般的に水鳥の羽毛が使用される。
しかしながら、天然の羽毛を得ようとした場合、その供給量には限度がある上、自然条件や疫病の影響によって供給量が変動するという課題がある。さらには、自然保護の観点から、野生の鳥を捕捉することには限度がある。また、水鳥を飼育して羽毛を得ようとした場合、多くの水鳥を飼育しなければならず、その結果、多量の飼料を必要とするばかりか、水鳥の排泄物による水質汚染や感染症の発生とその拡散という問題が生じている。また、羽毛を詰め綿として使用できるようにするにためには、採毛、選別、消毒、脱脂および布団詰めなどの多くの工程を経る必要があり、かつ、羽毛が舞い上がるという点でも作業が繁雑になり、その結果、羽毛を使った寝装寝具の価格は高くなるという傾向がある。さらには、採毛時に羽毛の末端に肉が残り腐敗臭の原因となったり、欧州等では動物愛護の観点から羽毛を排除する動きも出ている。
また、詰め綿あるいは中綿の素材としては木綿も用いられるが、木綿は重く、嵩高性に優れておらず、体に沿いにくくかつ圧縮後の回復率も低いという課題があった。
さらに、詰め綿あるいは中綿の素材としてポリエステル原綿も用いられているが、ポリエステル原綿は安価で軽量かつ嵩高性に優れているものの、体に沿いにくく、そして圧縮後の回復率が低いという課題があった。
他方、合成繊維原綿に羽毛の特長を付与する試みがなされている。例えば、単繊維繊度の異なる中空太短繊維と細繊度短繊維とからなりポリキシロサンを含む油剤が付与された繊維からなる詰め綿が提案されている(特許文献1参照。)。また、異形断面短繊維を含む3種の混綿詰め綿などが提案されている(特許文献2参照。)。
これらに使用される細繊度短繊維は単純に混綿された形状であり、開繊性が十分でなくその形態も羽毛状とはいえず、保温性および圧縮後の嵩高回復性の点でまだ満足とはいえなかった。
特開2006−115987号公報 特開2012−214951号公報
本発明の目的は、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れたポリエステル繊維構造体および詰綿を提供することにある。
本発明者は、特定の単繊維繊度およびアスペクト比を有するポリエステル短繊維を複数本絡み合わせてポリエステル繊維構造体を得て詰綿として用いると、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「単繊維繊度が0.05〜1.5dtex、アスペクト比400〜4000のポリエステル短繊維が20本以上絡み合ってなることを特徴とするポリエステル繊維構造体。」が提供される。
ただし、アスペクト比とは、ポリエステル短繊維の長さL(mm)と単繊維直径D(mm)との比L/Dである。
その際、ポリエステル短繊維が20〜100本絡み合っていることが好ましい。また、ポリエステル繊維構造体が、幹部分と複数の枝部分とを含むことが好ましい。その際、前記幹部分において、直径が10〜30μmかつ長さが10〜100mmであることが好ましい。また、前記枝部分において、平均直径が2〜15μmかつ長さが1〜35mmであることが好ましい。
また、本発明によれば、前記のポリエステル繊維構造体を用いてなる詰綿が提供される。
本発明によれば、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れたポリエステル繊維構造体および詰綿が得られる。
本発明のポリエステル繊維構造体を模式的に示す図である。
まず、本発明のポリエステル繊維構造体を構成するポリエステル短繊維において、単繊維繊度が0.05〜1.5dtex(好ましくは0.06〜1.2dtex、より好ましくは0.08〜1.0dtex)の範囲内であることが肝要である。ポリエステル短繊維の単繊維繊度が該範囲よりも大きいと保温性が損なわれるおそれがあり好ましくない。逆に、ポリエステル短繊維の単繊維繊度が該範囲より小さいと、取扱い性が低下し好ましくない。
また、前記ポリエステル短繊維において、アスペクト比が400〜4000(好ましくは900〜3500)の範囲内であることが肝要である。ポリエステル短繊維のアスペクト比が該範囲よりも大きいと、絡み合いが大きくなりすぎネップと称される繊維塊となりやすくなり好ましくない。逆に、ポリエステル短繊維のアスペクト比が該範囲より小さいと絡み合いが形成されにくくなり好ましくない。
なお、アスペクト比とは、ポリエステル短繊維の長さL(mm)と単繊維直径D(mm)との比L/Dである。
また、ポリエステル短繊維の横断面形状は特に限定されず、丸、丸中空、扁平、三角、十字などいずれでもよいが、製造や取扱いが容易な丸断面形状が特に好ましい。
前記ポリエステル短繊維を形成するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
ポリエステル短繊維を形成するポリマー中には、必要に応じて、艶消し剤、抗菌剤、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。例えば、ポリマー中に含まれるポリマー中に艶消し剤を含ませ、セミダルポリエステルまたはフルダルポリエステルとすると、布帛に防透性や赤外線・紫外線遮蔽性を付加することができ好ましい。また、抗菌剤としては、天然系抗菌剤や無機系抗菌剤だけでなく、国際公開第2011/048888号パンフレットに記載されたような、エステル形成性スルホン酸金属塩化合物またはエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物を共重合させたポリエステルに酸性処理を施したものでもよい。
本発明のポリエステル繊維構造体において、前記ポリエステル短繊維が20本以上(好ましくは20〜100本)絡み合っていることが肝要である。絡み合い本数が20本未満では、保温性や圧縮後の嵩高回復性が低下するおそれがあり好ましくない。
また、かかるポリエステル繊維構造体において、図1に模式的に示すように、幹部分と複数の枝部分とを含むと、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れ好ましい。その際、幹部分は1本でもよいし複数本でもよい。
特に、前記幹部分において、直径が10〜30μmかつ長さが10〜100mmであると、保温性と圧縮後の嵩高回復性が向上し好ましい。該直径が10μmよりも小さい場合または該長さが10mmよりも小さい場合、圧縮後の嵩高回復性が低下するおそれがある。逆に該直径が30μmよりも大きい場合または該長さが100mmよりも大きい場合、保温性が低下するおそれがある。
また、前記枝部分において、平均直径が2〜15μmかつ長さが1〜35mmであると、保温性と圧縮後の嵩高回復性が向上し好ましい。
本発明のポリエステル繊維構造体は例えば以下の製造方法で製造することができる。まず、前記のようなポリエステルからなる樹脂ペレットを溶融押出機等で溶融するか、もしくは連続重合装置から溶融状態で供給されるポリエステル樹脂を目的に応じた口金を装着したスピンパックに供給し、ストランド状で吐出して、口金下5〜200mmの位置で、紡出糸条に10〜40℃の空気を送風して冷却固化させた後、紡糸速度100〜2000m/minで引き取って未延伸糸を得る。
得られた未延伸糸は、紡糸装置に直結していない延伸機を用いて、公知の短繊維の製造方法により、ポリエステル短繊維を得る。具体的には、収缶した未延伸糸を束ねてトウとし、60〜90℃の温水中で1〜2ステップに分けて延伸する。その後、平滑性機能を付与する繊維処理剤を付着させ、必要に応じて押込クリンパーにより捲縮を付与し、熱風オーブンによってトウの乾燥と熱セットを行った後、ロータリーカッター等で所定の繊維長にカットし、目的の短繊維を得る。なお、繊度が0.6dtex以下かつ繊維長が10mm以下のものに関しては捲縮を付与しない方が好ましい。
また、また捲縮を付与するものはクリンパー前のトウ温度は常温又は水冷等による冷却を行うことが好ましい。
また、かかるポリエステル短繊維には表面平滑剤(繊維処理剤)を付与することが好ましい。使用される表面平滑剤は、繊維に平滑性を付与し得る繊維用油剤である。通常、ケイ素含有油、特にシリコーン系油剤、シリコーン変成油、フッ素変成油が例示される。具体的にはジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンの如き非反応性のシリコーン油があげられる。この他、メチルハイドロジエンポリシロキサン、エポキシ基含有ポリシロキサン等でもよく、これらは付着処理後熱処理して使用するのが好ましい。表面平滑剤としては、ケイ素含有油だけでなく特開平9−67772号公報、あるいは特開2009−91703号公報で例示されるような複合構成油剤であることがさらに好ましい。
表面平滑剤の付着量としては、ポリエステル短繊維の重量に対し0.05〜0.3重量%が好ましい。
次いで、前記ポリエステル短繊維を空気開繊することにより本発明のポリエステル繊維構造体が得られる。その際、空気開繊方法は特に限定されるものではなく、従来知られている吹き込み装置やエアレイド不織布製造装置などを用いたものでよい。空気開繊を行う前にホッパーと呼ばれる開繊室でプレ開繊することも好ましいことである。特に、特開2004−11027号公報に記載されたエアレイド法不織布の製造方法(短繊維からなる短繊維集合体を搬送空気流によって垂直下方へ搬送して、前記短繊維集合体を収容する開繊空間へ導入し、前記開繊空間内で乱流を発生させ、前記開繊空間の下端に形成され、かつ、各開口の開口面積が1〜150mmかつその開口面積率が50%以上である多数の開口を有する平板状開口部材に対して、搬送された前記短繊維集合体を衝突させ、前記乱流と開口部材との衝突によって前記短繊維集合体を開繊し、前記開口中へ開繊した前記短繊維集合体を通過させ、そして、開口を通過させた前記短繊維集合体を平面状に堆積捕集してウエブを得るエアレイド法不織布の製造方法。)およびその製造装置(搬送空気流によって搬送される短繊維からなる短繊維集合体を垂直下方へ供給する供給口を上部に有する筒状の開繊室、前記開繊室の下端全面を塞ぐように多数の開口が穿設され、かつ前記各開口の開口面積が1〜150mmであって、かつ、その開口面積率が50%以上である開口部材、前記開口部材の下方に設けられ、かつ、前記開口を通過した短繊維集合体を堆積捕集する空気通過性の堆積捕集手段、開口を有する前記開口部材と空気通過性の前記堆積捕集手段との間を気密状態で接続する筒状の気密室、そして、前記堆積捕集手段の下端と接続され、かつ、前記気密室から空気を排出する排気装置を含んで構成され、その際、前記開口部材の直上の水平方向へ外部空気を供給する外部空気導入口が前記開繊室の側壁に設けられたエアレイド法不織布の製造装置。)が好ましい。
かくして得られたポリエステル繊維構造体は、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れる。
次いで、本発明の詰綿は、前記ポリエステル繊維構造体を用いてなるものである。かかる詰綿には、掛け布団や枕等の寝装寝具、ダウンジャケット、ベスト等の衣料品、ぬいぐるみなどに使用される詰綿(中綿と称されることもある。)が含まれる。
詰綿の形態は、吹き込み詰綿、ウエブ、ボールファイバーといった形状が例示される。吹き込み詰綿として用いる場合は、前記ポリエステル繊維構造体の好ましい添加重量比は10〜50重量%の範囲である。その際、他の繊維としては2.8〜20dtexの範囲の繊維(例えば、ポリエステル繊維)を使うことが好ましい。2.8dtexより小さい繊度の繊維を用いると嵩高回復性が低下するおそれがある。逆に、20dtexより繊度が大きい繊維を用いると風合いが悪くなるおそれがある。
また、エアレイド不織布装置によって積層ウエブ形状にして用いる場合は、前記ポリエステル繊維構造体の好ましい添加重量比は10〜90重量%の範囲である。その際、他の繊維として2.8〜20dtexの範囲のポリエステル繊維や、前記ポリエステル繊維構造体を構成するポリエステル短繊維の融点よりも30℃以下の融点を持つバインダー繊維などが例示される。この場合、積層ウエブのまま使用してもよいしバインダー繊維や樹脂バインダーを使って不織布化してもよい。
また、前記ポリエステル繊維構造体をボールファイバーとして用いる場合は、前記ポリエステル繊維構造体100重量%で用いることが最も好ましい。ボールファイバーにした後に、多素材ボールファイバー、あるいはダウンボールなどと混ぜて使用してもよい。
かかる詰綿は前記ポリエステル繊維構造体を用いているので、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)嵩高特性の測定
<初期嵩高の測定>
作製した混綿詰め綿および羽毛を20cm×20cmのサイズである側地に投入し、サンプルを作製した後、荷重0.094g/cmをかけ、初期嵩高を測定した。
<圧縮嵩高の測定>
初期嵩高を測定した後、荷重0.094g/cmを外し、10.0g/cmの荷重をかけた後、圧縮嵩高を測定した。
<回復嵩高の測定>
圧縮嵩高を測定した後、荷重10.0g/cmを外し、0.094g/cmの荷重をかけた後、回復嵩高を測定した。
(2)保温性
JIS L 1096 8.2.7 A法に記載の方法により測定した。
(3)油剤付着率
繊維重量に対し、繊維から20℃のメタノールによって浴比1:20で30分間抽出した残査の重量を測定し、繊維重量で除した値を用いた。
(4)繊度
JIS L 1015 7.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(5)繊維長
JIS L 1015 7.4.1 C法に記載の方法により測定した。
(6)通気度
JIS L 1096 6.27.1 A法(フラジール法)により測定した。
(7)ポリエステル短繊維の絡み合い本数
n数10で、ポリエステル繊維構造体をほぐしてポリエステル短繊維の絡み合い本数を数えた。
(8)幹部分の径および長さ、枝部分の径および長さ
電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM6330F)で観察し、測定した。n数10で平均値を求めた。
[実施例1]
常法に従って紡糸・延伸されたポリエチレンテレフタレート延伸糸条に、ステアリルホスフェートカリウム塩を65重量%、ポリジメチルシロキサン(ジメチルシリコーン)35重量%からなる表面平滑剤の水溶液に延伸糸条を浸漬し、90℃で60分乾燥した後、ロータリーカッターにて表1に示す繊維長に切断して、表1に示す単繊維繊度を有するポリエステル短繊維を得た。表面平滑剤の付着量はポリエステル短繊維重量に対して0.11重量%であった。
次いで、該ポリエステル短繊維を特開2004−11027号公報に記載された空気開繊装置を用いて開繊させ、ポリエステル繊維構造体を得た。該ポリエステル繊維構造体において、ポリエステル短繊維が55本絡み合っていた。また、ポリエステル繊維構造体の形態を電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM6330F)で観察したところ、1本の幹部分(径15μm、長さ22mm)と複数の枝部分(径3μm、長さ1〜6mm)とで構成されていた。
得られたポリエステル繊維構造体20重量%と、あらかじめカーディングにより開繊させた、繊維構造体とおなじ表面平滑剤が付与されたポリトリメチレンテレフタレート中空繊維(単繊維繊度3.0dtex、繊維長32mm)30重量%と、あらかじめカーディングにより開繊させた、繊維構造体とおなじ表面平滑剤が付与されたポリエチレンテレフタレート中空繊維(単繊維繊度6.6dtex、繊維長32mm)50重量%とを同時に吹き込み機に投入して、通気度10cm/cm・sec以下の側地に吹き込んだ。嵩高特性と保温性の評価結果を表1に示す。
次いで、吹き込み機に投入したものと同じ繊維組成からなる詰綿を用いてダウンジャケットを得たところ、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れていた。
[実施例2]
実施例1において、ポリエステル短繊維の単繊維繊度、繊維長、アスペクト比を表1の通り変更すること以外は実施例1と同様にしてポリエステル繊維構造体を得た。該ポリエステル繊維構造体において、ポリエステル短繊維が28本絡み合っていた。また、ポリエステル繊維構造体の形態を電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM6330F)で観察したところ、1本の幹部分(径28μm、長さ78mm)と複数の枝部分(径1.5μm、長さ5〜25mm)とで構成されていた。
得られたポリエステル繊維構造体20重量%と、あらかじめカーディングにより開繊させた、繊維構造体とおなじ表面平滑剤が付与されたポリプロピレンテレフタレート中空繊維(単繊維繊度3.0dtex、繊維長32mm)30重量%と、あらかじめカーディングにより開繊させた、繊維構造体とおなじ表面平滑剤が付与されたポリエチレンテレフタレート中空繊維(単繊維繊度6.6dtex、繊維長32mm)50重量%とを同時に吹き込み機に投入して、通気度10cm/cm・sec以下の側地に吹き込んだ。嵩高特性と保温性の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、得られたポリエステル繊維構造体100重量%を吹き込み機に投入して、通気度10cm/cm・sec以下の側地に吹き込んだ。嵩高特性と保温性の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、ポリエステル短繊維の単繊維繊度、繊維長、アスペクト比を表1の通り変更し、かつポリエステル繊維構造体にかえてカーディングで開繊させただけで絡み合っていないポリエステル繊維を用い、該ポリエステル繊維20重量%と、実施例1と同じポリプロピレンテレフタレート中空繊維(単繊維繊度3.0dtex、繊維長32mm)30重量%と、実施例1と同じポリエチレンテレフタレート中空繊維(単繊維繊度6.6dtex、繊維長32mm)50重量%とを同時に吹き込み機に投入して、通気度10cm/cm・sec以下の側地に吹き込んだ。嵩高特性と保温性の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、カーディングで開繊させただけで絡み合っていないポリエステル繊維100重量%を吹き込み機に投入して、通気度10cm/cm・sec以下の側地に吹き込んだ。嵩高特性と保温性の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
市販のダウン90重量%とフェザー10重量%とを同時に吹き込み機に投入して、通気度10cm/cm・sec以下の側地に吹き込んだ。嵩高特性と保温性の評価結果を表1に示す。
Figure 2015052178
本発明によれば、柔らかく、羽毛に近似した風合いに富み、軽量で体に沿いやすく、保温性に優れ、さらには圧縮後の嵩高回復性に優れたポリエステル繊維構造体および詰綿が得られ、その工業的価値は極めて大である。

Claims (6)

  1. 単繊維繊度が0.05〜1.5dtex、アスペクト比が400〜4000のポリエステル短繊維が20本以上絡み合ってなることを特徴とするポリエステル繊維構造体。
    ただし、アスペクト比とは、ポリエステル短繊維の長さL(mm)と単繊維直径D(mm)との比L/Dである。
  2. ポリエステル短繊維が20〜100本絡み合ってなる、請求項1に記載のポリエステル繊維構造体。
  3. ポリエステル繊維構造体が、幹部分と複数の枝部分とを含む、請求項1または請求項2に記載のポリエステル繊維構造体。
  4. 前記幹部分において、直径が10〜30μmかつ長さが10〜100mmである、請求項3に記載のポリエステル繊維構造体。
  5. 前記枝部分において、平均直径が2〜15μmかつ長さが1〜35mmである、請求項3または請求項4に記載のポリエステル繊維構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載されたポリエステル繊維構造体を用いてなる詰綿。
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