JP2015051951A - 可溶化剤及びこれを用いたカーボンナノ材料層の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンナノ材料の可溶化剤及びこれを用いたカーボンナノ材料層の形成方法を提供。【解決手段】アントラセン誘導体である可溶化剤。該可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料を溶解し塗布する形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノ材料の可溶化剤及びこれを用いたカーボンナノ材料層の形成方法に関する。より具体的には、光機能性を備えるカーボンナノ材料の可溶化剤及び光照射によってカーボンナノ材料の析出を行うカーボンナノ材料層の形成方法に関する。
ナノカーボン材料の一つであるカーボンナノチューブは、銅の100倍以上の高電流密度耐性と10倍以上の高熱伝導特性を示し、その構造により伝導体にも半導体にもなる(例えば下記非特許文献1参照)。なお、ナノカーボン材料には、このほかにもフラーレンやその誘導体、ナノグラファンなどに分類される材料があり、同様に量子細線などへの応用などが期待されている。
しかしながら、一般にナノカーボン材料は高い分子間力を持つため難溶性である。例えば、カーボンナノチューブは水にも有機溶媒にも溶けない。これらは凝集し溶媒への可溶化・分散化が非常に困難であるため精製や加工が困難である。これが実用化の上での大きな課題となっている。
そこで、界面活性剤や親水性のポリマーなどを用いたさまざまな可溶化剤が提案されている。例えば、下記非特許文献2には、緑茶成分がカーボンナノチューブを水に分散できることが報告されている。また、下記非特許文献3には、カーボンナノチューブとのπ−π相互作用を利用して、水溶性ポリマーの側鎖にアントラセン骨格などを修飾した水への可溶化剤が提案されており、下記非特許文献4には、長鎖アルキル基を側鎖にもつ共役高分子による有機溶媒への可溶化が報告されている。
さらに、これらの可溶化剤に機能性を付与することが試みられている。例えば、下記非特許文献5には、ポリエチレングリコール残基をもつマラカイトグリーン誘導体によりカーボンナノチューブを水に分散し、このマラカイトグリーン誘導体の光反応によってカチオン化することを利用した機能性可溶化剤が報告されている。この報告によればカーボンナノチューブの分散液に紫外線を照射することによって会合状態を変化させることができ、黒色の堆積物が得られたと報告している。
一方、アントラセン誘導体の一重項酸素の付加、脱離の反応性は、例えば、下記非特許文献6に記載されているように、フォトクロミック反応の一つとして知られている。また、効率よく一重項酸素の付加、脱離が起こるアントラセン誘導体として可逆的フォトクロミック反応が下記非特許文献7において報告されている。さらに、下記非特許文献8で示されるように、水溶性にしたアントラセン誘導体は一重項酸素のキャリアーとしても注目されている。
また、これらに注目し、アントラセン骨格に水溶性又は疎水性の置換基を組み込んだ可溶化剤において、光に照射によって起こるフォトクロミック反応などの光反応がナノカーボン材料とのπ−π相互作用を変化させることなどによって、ナノカーボン材料の可溶化能力を制御できることが例えば下記特許文献1に記載されている。
また、下記非特許文献9に、比較的低分子の光反応性物質を用いて、カーボンナノチューブの光析出を行う技術が開示されている。
粟野ら、応用物理、73(2004)1212;応用物理、76(2007)1112. N.Nakashima、K.Narimitsu、Y.Niidome、N. Nakashima、Chem.Lett.、36(2007)1140−1141. K.Narimatsu、J.Nishioka、H.Murakami、N.Nakashima、Chem.Lett.、35(2006)892−893. T.Umeyama、N. Kadota、N.Tezuka、Y.Matano、 H.Imahori、Chem.Phys.Lett.、444(2007)263−367. S.Chen、Y.Jiang、Z.Wang、X.Zhang、L.Dai、M.Smet、Langmuir、24(2008)9233−9236. R.Schmidt、K.Schaffner、W.Trost、H.−D.Brauer、J.Phys.Chem、88(1984)956−958. K.Schaffner、R.Schmidt、H.−D.Brauer、Mol.Cryst.Liq.Cryst.、246(1994)119−125. L.Alavetinska、J.Mosinger、P.Kubat、J.Photochem.Photobio.A:Chem.、195(2008)1−9. Y.Matsuzawa、et al.、Adv.Mater.23、3922―3925(2011).
特開2012−55814号公報
上記のように、ナノカーボン材料などの難溶性材料を可溶化する可溶化剤は複数提案されているが、高分子や界面活性剤が用いられ光機能性をもつものは少ない。単純な高分子や界面活性剤である場合には可溶化の目的は達せられるが、可溶化剤は残留し、最終的にナノカーボン材料と混合した材料となってしまうため、ナノカーボン材料本来の物性を損なってしまう虞がある。
また、上記非特許文献5で例示したように、マラカイトグリーン誘導体の光反応によってカチオン化することを利用した機能性可溶化剤が報告されているが、これも高分子であり、可溶化剤の残留については検討がされていない。
また、比較的低分子の光反応性物質を用いて、上記非特許文献9に記載ではカーボンナノチューブの光析出を行った例があるが、環化付加反応を用いるもので反応時間も長く、実用的なものとはなっていない。また、可溶化剤の残留についても検討がなされていない。
以上、本発明は、上記課題を鑑み、より可溶化剤の残留が少なく、反応の早い光機能性を有するカーボンナノ材料の可溶化剤及びこれを用いたカーボンナノ材料層の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、アントラセン誘導体の可逆的フォトクロミック反応とナノカーボン材料の会合性について鋭意研究し、以下の点に着目して本発明を創出するに至った。
アントラセン誘導体は、ナノカーボン材料とのπ−π相互作用などの親和性が高く、すでに報告された可溶化剤の構造の中にも一部に用いられている。しかしながら、これらのアントラセン誘導体の光反応性を利用したナノカーボン材料可溶化剤は存在していなかった。
これに対し、本発明者らは、アントラセン骨格に水溶性又は疎水性の置換基を組み込んだ可溶化剤を開発し、光に照射によって起こるフォトクロミック反応などの光反応がナノカーボン材料とのπ−π相互作用を変化させることなどによって、ナノカーボン材料の可溶化能力を制御できることを見出し、上記特許文献1で示される特許出願を行った。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術おいても、その反応によって得られるナノカーボン材料についての検討及びその効率については検討の余地があった。
そこでアントラセン誘導体の分子設計から反応速度などの改良を進め、光析出による十分な析出物の得られる条件を探索し、この分析を行ったところ可溶化剤を全く含まないものが得られることが判明した。
さらに驚くべきことに、これらの研究の過程において、本発明者らによって開発された、アントラセン骨格に疎水性の置換基を組み込んだアントラセン誘導体からなる可溶化剤と、可溶化されたカーボンナノチューブにより薄膜形成が可能であることが見出された。更に興味深いことに、この薄膜に光照射することによってカーボンナノ材料の光析出が可能であるという予想以上の発見があった。
すなわち、本発明の一観点に係る可溶化剤は、下記式で示されるアントラセン誘導体からなる。
なお上記式中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であり、R、Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基又はアリール基であり、各環において設けられていてもよい。
また、本観点において、限定されるわけではないが、可溶化剤は、ジプロピルヘテロコアジアンスロン誘導体からなることが好ましい。
また、本発明の他の一観点に係るカーボンナノ材料層の形成方法は、下記式で示されるアントラセン誘導体からなる可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料を溶解させて塗布する。
なお上記式中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であり、R、Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基又はアリール基であり、各環において設けられていてもよい。
また、本観点において、限定されるわけではないが、可溶化剤はジプロピルヘテロコアジアンスロン誘導体からなることが好ましい。
また、本発明の他の一観点に係るカーボンナノ材料層の形成方法は、下記式で示されるアントラセン誘導体からなる可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料を溶解させ、溶液に光を照射することによって、前記光を照射した部分に前記カーボンナノ材料を析出させる。
なお上記式中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であり、R、Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基又はアリール基であり、各環において設けられていてもよい。
また、本観点において、限定されるわけではないが、可溶化剤は、ジプロピルヘテロコアジアンスロン誘導体であることが好ましい。
以上、本発明によって、より可溶化剤の残留が少なく、反応の早い光機能性を有するカーボンナノ材料の可溶化剤及びこれを用いたカーボンナノ材料層の形成方法を提供することができる。具体的には下記のとおりである。
(1)可溶化剤を含まないナノカーボン材料の光析出の実現
アントラセン骨格に疎水性の置換基を組み込んだアントラセン誘導体を設計、合成し、この化合物によりナノカーボン材料を可溶化し、実用化可能な光エネルギーによりナノカーボン材料を析出させることができる。また、光反応を起こした可溶化剤はナノカーボン材料との相互作用が小さく、適当な溶媒によって光反応した可溶化剤の洗浄除去が容易であって可溶化剤を含まないナノカーボン材料を得ることができる。この可溶化剤の除去工程はナノカーボン材料の精製や加工に重要であって、よしんば可溶化剤によってナノカーボン材料を可溶化できても、その後の工程で可溶化剤そのものを除去できないとナノカーボン材料に不純物を加えていくことになり、ナノカーボン材料の特性を発揮させることが困難になるためである。これが光反応によって可溶化剤の化学的性質を変化させることにより容易にできることは産業技術の上では画期的なことである。
(2)可溶化剤とナノカーボン材料からなる複合体薄膜と薄膜中でのナノカーボン材料の光析出の実現
アントラセン骨格に疎水性の置換基を組み込んだ分子すなわちアントラセン誘導体が、一重項酸素の付加、脱離の反応性をもち、ナノカーボン材料の凝集状態の変化をもたらすことが、それらの複合体薄膜中においても発現することを見いだした。これにより、ナノカーボン材料の局所的な光析出を可能とした。
ジプロピルヘテロコアジアンスロンによりカーボンナノチューブが分散された実施例1において光照射前後の溶液を比較した結果の写真図である。 実施例1及び比較例1における光吸収スペクトルを示す図である。なお、図中1は、ジプロピルヘテロコアジアンスロンにより単層カーボンナノチューブが分散されたクロロホルム中の試料の光吸収スペクトル(DPHCD/SWNT)を示し、図中2は、上記1に光照射(LED光源(波長470nm、光強度3.73mJcm-2)した試料の光吸収スペクトル(DPHCDPO/SWNT)を示し、図中3は、ジプロピルヘテロコアジアンスロンのみのクロロホルム溶液(DPHCD)の光吸収スペクトルを示し、図中4は、ジプロピルヘテロコアジアンスロンのみのクロロホルム溶液に同じ条件で光照射した試料の光吸収スペクトル(DPHCDPO)を示している。 実施例2の上方向からみた場合の写真図である(光照射は底部から行われた)。 実施例2の横方向からみた場合の写真図である(光照射は底部から行われた)。 実施例3の赤外吸収スペクトルを示す図である。図中5は、ジプロピルヘテロコアジアンスロンにより単層カーボンナノチューブが分散されたクロロホルム中の試料から光析出した黒色固体の赤外吸収スペクトルを示し、図中6は、実験に用いたアルドリッチ社から購入した単層カーボンナノチューブSWeNT CG100の赤外吸収スペクトルを示し、図中7は、ジプロピルヘテロコアジアンスロンの赤外吸収スペクトルを示し、図中8は、ジプロピルヘテロコアジアンスロンのみのクロロホルム溶液で光照射して得られた生成物の赤外吸収スペクトルを示している。 実施例4のジプロピルヘテロコアジアンスロンと単層カーボンナノチューブからなる薄膜の露光前の写真図である。 実施例4のジプロピルヘテロコアジアンスロンと単層カーボンナノチューブからなる薄膜の露光後の写真図である。なお図中、消色した左半分が露光部分である。 実施例4のジプロピルヘテロコアジアンスロンと単層カーボンナノチューブからなる薄膜の露光後の写真図である。なお図中、消色した左半分の露光部分と右半分の未露光部分の境界部分の顕微鏡写真である。 実施例4のジプロピルヘテロコアジアンスロンと単層カーボンナノチューブからなる薄膜の露光後の写真図である。本図は、消色した左半分の露光部分と右半分の未露光部分の境界部分の顕微鏡写真であって、図8をさらに拡大したものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態、実施例に記載された例示にのみ限定されるわけではない。
本実施形態に係る可溶化剤は、下記式で示されるアントラセン誘導体からなることを特徴とする。ここで「アントラセン誘導体」とは、アントラセン骨格に置換基を付した化合物をいう。本実施形態に係る可溶化剤は、可溶化剤が一重項酸素の付加、脱離の反応性をもつ光機能性可溶化剤である。
また上記式中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であり、R、Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基又はアリール基であり、各環において設けられていてもよい。ただし、上記において好ましくはアルキル基であり、アルキル基の場合、炭素数はカーボンナノ材料を可溶化することができる限りにおいて限定されるわけではないが、1以上10以下であることが好ましく、より好ましくは2以上5以下である。アリール基の場合も、上記の機能を有する限りにおいて限定されるわけではないが、置換基を有してもよいフェニル基、ベンジル基、トリル基、又はキシリル基であることが好ましい。
また、本実施形態において、限定されるわけではないが、上記のアントラセン誘導体は、下記式で示される化合物であることが好ましい。ここでR、Rは上記と同様である。
更に、限定されるわけではないが、上記のアントラセン誘導体は、下記式で示されるジプロピルヘテロコアジアンスロン又はこの誘導体であることが好ましい。
また本実施形態において、可溶化剤は、溶媒に溶解されて溶液となることで、カーボンナノ材料の可溶化を実現することができる。この場合において溶媒は、可溶化剤を溶解することができる限りにおいて限定されるわけではないが、有機溶媒、例えばアルコール、エーテル、ベンゼン、クロロホルム等を用いることができる。
本実施形態において、溶液になった場合における可溶化剤の濃度は、溶媒によっても異なるため、上記の限りにおいて特に限定されるわけではなく適宜調整が可能であるが、用いる溶媒の温度における溶解度以下であることが好ましい。
また本実施形態において、溶液中には、カーボンナノ材料が分散され、一部が溶解されている。ここで「カーボンナノ材料」とは、ナノオーダーの微細な構造を有するカーボン材料であって、本実施形態に係る効果を有する限りにおいて限定されるわけではないが、カーボンナノチューブ、フラーレン等を例示することができる。
また本実施形態において、溶液に分散させるカーボンナノ材料の濃度については、上記可溶化剤の濃度によって適宜調整可能である限りにおいて限定されず適宜調整が可能である。
また、本実施形態において、カーボンナノ材料を溶液に溶解させる方法としては、溶解できる限りにおいて限定されるわけではないが、可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料の粉末を加えた後、超音波ホモジナイザー等で震盪撹拌を行うことが好ましい。また、この溶解の後、溶解せず残ったカーボンナノ材料を除去するために、ろ過及び遠心分離を行っておくことも好ましい。
また、本実施形態に係る溶液を用いると、カーボンナノ材料層を簡便に形成することができる。ここで「カーボンナノ材料層」とは、層状に形成されたカーボンナノ材料をいい、薄膜といわれる状態もこの概念に含まれる。
すなわち本実施形態に係るカーボンナノ材料層の形成方法は、上記式で示されるアントラセン誘導体からなる可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料を溶解させて基板等の材料層を形成したい面上に塗布する。このようにすることで、カーボンナノ材料を均一に分散させることができ、乾燥などによって溶媒を飛ばすことでカーボンナノ材料層を形成することができる。
また、本実施形態に係る他のカーボンナノ材料層の形成方法は、上記式で示されるアントラセン誘導体からなる可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料を溶解させ、溶液に光を照射することによって、光を照射した部分に前記カーボンナノ材料を析出させる。本実施形態によると、光を照射することにより、カーボンナノ材料を析出させることができ、可溶化剤を殆ど残さない状態の純度の高いカーボンナノ材料層とすることができる。
また本方法では、光照射した部分のみカーボンナノ材料層を析出させることができるといった効果があるため、カーボンナノ材料層を析出させたくない部分にマスクを配置し、析出させたい部分のみに光を照射するいわゆる光パターニングが可能となる。
本実施形態において、照射する光の波長は、可溶化剤及びその濃度によって適宜調整可能であり、カーボンナノ材料を析出させることができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば200nm以上1000nm以下の範囲内であることが好ましい。
また本実施形態において照射する光の強度も、可溶化剤及びその濃度によって適宜調整可能であり、カーボンナノ材料を析出させることができる限りにおいて限定されるわけではないが、0.5mJ・cm−2以上50mJ・cm−2以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは10J・cm−2以下の範囲である。
以上、本発明によって、より可溶化剤の残留が少なく、反応の早い光機能性を有するカーボンナノ材料の可溶化剤及びこれを用いたカーボンナノ材料層の形成方法を提供することができる。
特に、本実施形態において、光反応を起こした可溶化剤はナノカーボン材料との相互作用が小さく、適当な溶媒によって光反応した可溶化剤の洗浄除去が容易であって可溶化剤が殆ど残留しないナノカーボン材料を得ることができる。この可溶化剤の除去工程はナノカーボン材料の精製や加工に重要であって、よしんば可溶化剤によってナノカーボン材料を可溶化できても、その後の工程で可溶化剤そのものを除去できないとナノカーボン材料に不純物を加えていくことになり、ナノカーボン材料の特性を発揮させることが困難になるためである。これが光反応によって可溶化剤の化学的性質を変化させることにより容易にできることは産業技術の上では画期的なことである。
なお、本実施形態において得られるカーボンナノ材料は、一般的な材料分野に広く応用することが可能である。例えば、難溶性材料の加工による材料の改質などの機械分野や、導電性や半導体としての加工によるプリント基板や半導体回路、ディスプレイなどの電子材料分野における応用が期待される。
以下、上記実施形態に係る可溶化剤の効果について実際に作製を行いその効果を確認した。
(実施例1)
(1)文献(J.Motoyoshida、T.Masunaga、D.Harumoto、S.Ishiguro、S.Narita and S.Hayashi、Bull.Chem.Soc.Jpn.、66、1166(1993).)に基づき、プロピルベンゼンとアントラセン−1、5−ジカルボン酸ジクロライドから、ジプロピルヘテロコアジアンスロンを合成した。この化学構造式を下記に示しておく。
(2)ジプロピルヘテロコアジアンスロンを可溶化剤にした単層カーボンナノチューブの分散
単層カーボンナノチューブとして1.2〜1.5nm×2〜5μm のもの(SWeNT CG100、アルドリッチ社)を使用した。
溶液への単層カーボンナノチューブの分散は、ジプロピルヘテロコアジアンスロンのクロロホルム溶液(1.3×10-4mol・dm-3)に、単層カーボンナノチューブを2.5g・dm-3となるように加え、超音波水槽に1時間、冷却しながら超音波ホモジナイザーで1時間分散させた後、遠心分離(10000rpm、30分)を行い、上澄液をとって光照射実験を行った。光照射はLED光源(波長470nm、光強度3.73mJ・cm-2)を用い、酸素雰囲気下でおこなった。光照射前後の溶液の写真を図1に、光照射前後の上澄み液のUV−Vis吸収スペクトルの測定結果を図2に示す。
図2において、700nm以上の平らな光吸収スペクトルは単層カーボンナノチューブ由来のものである。図1及び図2で示す結果から、単層カーボンナノチューブがジプロピルヘテロコアジアンスロンによって分散され、光照射によってジプロピルヘテロコアジアンスロンの消失とともに分散状態が変化したこと、すなわち析出したことがわかる。
(比較例1)
比較例として、上記実施例1と同じ濃度条件で、可溶化剤ジプロピルヘテロコアジアンスロンのみを用いた場合の溶液の吸収スペクトルを図2中に示しておく(吸収スペクトル曲線3)。また、この試料に実施例1と同じ条件で光照射したときの吸収スペクトルも(図中の吸収スペクトル曲線4)図2中に示しておく。これらの比較例1と実施例1との比較から、実施例1においてカーボンナノチューブが分散され、光照射によりジプロピルヘテロコアジアンスロン由来の光吸収が消失し、カーボンナノチューブが析出していることが確認でき、図1の写真とも対応している様子がわかる。
(実施例2)
ジプロピルヘテロコアジアンスロンを可溶化剤にしたときの単層カーボンナノチューブの分散が光照射部分で生じることを明確に示すために、可溶化剤ジプロピルヘテロコアジアンスロンの濃度1.3×10-2mol・dm-3のクロロホルム溶液に、単層カーボンナノチューブを2.5g・dm-3となるように加え、実施例1と同様の操作を行い、単層カーボンナノチューブ分散液を得た。これをビーカーに入れ、底方向から半分を遮光して実施例1と同じ光源により酸素雰囲気下で15分間光照射した。この結果を図3、図4に示す。
この結果、露光部分には黒い析出物が明確に確認できる一方、未露光部分にはこれが見られなかった。すなわち、露光部分でのみ単層カーボンナノチューブの析出が見られることを確認した。また、光析出は分程度の長さで起こり、数時間で沈殿が生じるとされる上記非特許文献9と比べてもと実用性に高いことがわかる。
(実施例3)
実施例1で得られた黒色の光析出物を濾過し、これをクロロホルムで洗浄し、赤外吸収スペクトルを測定した。この結果を図5に示す。
この結果、ジプロピルヘテロコアジアンスロンにより単層カーボンナノチューブが分散されたクロロホルム中の試料から光析出した黒色固体の赤外吸収スペクトル(図中5)は、実験に用いたアルドリッチ社から購入した単層カーボンナノチューブSWeNT CG100の赤外吸収スペクトル(図中6)と同じで、ジプロピルヘテロコアジアンスロンの赤外吸収スペクトル(図中7)やジプロピルヘテロコアジアンスロンのみのクロロホルム溶液で光照射して得られた生成物(図中8)に特徴的なカルボニル基に特有な1650−1680cm-1の特性吸収が全く見られないことから、可溶化剤として用いたジプロピルヘテロコアジアンスロンやその光生成物が完全に除去されていることがわかる。すなわち、可溶化剤によってナノカーボン材料を可溶化でき、光反応によって可溶化剤の化学的性質を変化させることにより容易にでき、その後の工程で可溶化剤そのものを除去できることを示した。この技術によりナノカーボン材料の特性を発揮させることが可能である。
(実施例4)
実施例2の単層カーボンナノチューブがジプロピルヘテロコアジアンスロンによって分散されたクロロホルム溶液をプレパラートガラスに滴下し、乾燥させて薄膜を形成した。次に、酸素雰囲気下において、この薄膜に波長590nm以上のLED光源からの光を照射(2.96J・cm―2)した。なお、半分は遮光して比較部分とした。図6に未露光状態の写真を、図7に半分露光した後の写真を示す。
この結果、露光部分はジプロピルヘテロコアジアンスロンが光反応をして消色していることがわかる。この境界部分を顕微鏡で拡大したのが図8、図9である。露光部分では単層カーボンナノチューブが析出していることがわかる。なお、未露光部分でも露光部分とくらべて小さな析出があるが、可視域での観測中に光析出するものであり、塗布直後には出現していなかったものである。
(効果についてのまとめ)
以上、アントラセン骨格に疎水性の置換基を有する分子を設計、合成し、この化合物によりナノカーボン材料を可溶化し、実用化可能な光エネルギーによりナノカーボン材料を析出させることができた。さらに、適当な溶媒によって光反応した可溶化剤の洗浄除去が容易であり、可溶化剤を含まないナノカーボン材料を得ることができる。さらに、このナノカーボン材料の光析出は、可溶化剤とナノカーボン材料からなる複合体薄膜からできることを全く新規に見出したものである。これにより、ナノカーボン材料の局所的な光析出、すなわち光パターニングを可能とする。
本発明は、カーボンナノ材料の可溶化剤として産業上の利用が可能であり、またこの可溶化剤を用いたカーボンナノ材料層の形成方法としても産業上利用可能である。


Claims (6)

  1. 下記式で示されるアントラセン誘導体からなる可溶化剤。

    (上記式中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であり、R、Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基又はアリール基であり、各環において設けられていてもよい。)
  2. ジプロピルヘテロコアジアンスロン誘導体からなる可溶化剤。
  3. 下記式で示されるアントラセン誘導体からなる可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料を溶解させて塗布するカーボンナノ材料層の形成方法。

    (上記式中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であり、R、Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基又はアリール基であり、各環において設けられていてもよい。)
  4. 前記可溶化剤は、ジプロピルヘテロコアジアンスロン誘導体からなる請求項3記載のカーボンナノ材料層の形成方法。
  5. 下記式で示されるアントラセン誘導体からなる可溶化剤及び溶媒を含む溶液にカーボンナノ材料を溶解させ、前記溶液に光を照射することによって、前記光を照射した部分に前記カーボンナノ材料を析出させるカーボンナノ材料層の形成方法。
    (上記式中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基であり、R、Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基又はアリール基であり、各環において設けられていてもよい。)
  6. 前記可溶化剤は、ジプロピルヘテロコアジアンスロン誘導体である請求項3記載のカーボンナノ材料層の形成方法。
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