JP2015051886A - Li3BO3の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不純物混在量の少ないLi3BO3の製造方法を提供する。
【解決手段】LiOHおよびLi2B4O7を出発原料とし、加熱反応時の供給ガスとしてアルゴンおよび酸素を、冷却ガスとしてアルゴンを用いることを特徴とするLi3BO3の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】LiOHおよびLi2B4O7を出発原料とし、加熱反応時の供給ガスとしてアルゴンおよび酸素を、冷却ガスとしてアルゴンを用いることを特徴とするLi3BO3の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、Li3BO3の製造方法に関し、さらに詳しくは出発原料としてLiOHおよびLi2B4O7を用いるLi3BO3の製造方法に関する。
近年、Li含有化合物としてLi3BO3を用いる技術の開発が進められている。このため、Li3BO3の製造方法について検討がなされている。
また、Li3BO3の製造に適用し得ると推測される技術も提案されている。
また、Li3BO3の製造に適用し得ると推測される技術も提案されている。
例えば、特許文献1には、減圧下、超微粒子製造用原料を熱プラズマ炎中に導入して気相状態にした後、反応性ガスと冷却用気体を熱プラズマ炎の終端部に向けて導入して超微粒子を生成させ、生成した超微粒子と前記反応性ガスとを接触させる超微粒子の製造方法が記載されており、具体例として銀又は銅の超微粒子を炭素化合物の薄膜で被覆した金属超微粒子を得た例が示されている。
また、特許文献2には、酸化リチウム系粉末と酸化ホウ素系粉末との混合粉末を溶解し、溶解物を凝固、粉砕し、粉砕した凝固粉末を仮焼するホウ酸リチウム粉末の製造方法が記載されており、具体例としてLi2CO3粉末とB2O3粉末とからLi3BO3を主相とするホウ酸リチウム粉末を得た例が示されている。
しかし、特許文献1に記載の技術である熱プラズマ融解法によって出発材料としてLi2CO3とB2O3を用いてLi3BO3微粒子の合成を試みたが、Li3BO3を得ることができなかった。
また、特許文献2に記載の技術によると、Li3BO3以外の相が主相である生成物が得られた。
また、特許文献2に記載の技術によると、Li3BO3以外の相が主相である生成物が得られた。
従って、本発明の目的は、不純物混在量の少ないLi3BO3の製造方法を提供することである。
本発明は、LiOHおよびLi2B4O7を出発原料とし、加熱反応時の供給ガスとしてアルゴンおよび酸素を、冷却ガスとしてアルゴンを用いることを特徴とするLi3BO3の製造方法に関する。
本発明によれば、不純物混在量の少ないLi3BO3を容易に得ることができる。
本明細書において、不純物混在量の少ないとは生成物のXRDパターンにおいてLi3BO3以外の物質に基く最も大きい強度を示す最大ピーク高さがLi3BO3に基く最大ピークのピーク高さの25%以下であることを意味する。
本明細書において、不純物混在量の少ないとは生成物のXRDパターンにおいてLi3BO3以外の物質に基く最も大きい強度を示す最大ピーク高さがLi3BO3に基く最大ピークのピーク高さの25%以下であることを意味する。
本発明の実施態様においては、LiOHおよびLi2B4O7を出発原料とし、典型的には600℃で1時間、加熱反応時のプラズマ発生ガスとしてアルゴン(Ar)および酸素(O2)を用いて加熱反応させた後、キャリアガスとしてArを用いることによって、微粒子状のLi3BO3を得ることができる。
本発明の実施態様において、出発原料のLiOHとLi2B4O7との割合(LiOH:Li2B4O7、モル比)は10:1であることが好適である。
また、前記のArとO2の割合(容積比)は、特に制限はないが10:1〜1:10の範囲内、典型的には1:1である。
本発明の実施態様において、出発原料のLiOHとLi2B4O7との割合(LiOH:Li2B4O7、モル比)は10:1であることが好適である。
また、前記のArとO2の割合(容積比)は、特に制限はないが10:1〜1:10の範囲内、典型的には1:1である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳説する。
本発明の実施態様のLi3BO3の製造方法によって得られる生成物は、図1に示すように、XRDパターンにおいて2θが29.5°(最大ピーク)、33°、34°、38.5°の主要ピークを含む約20本のピークを有している。
本発明の実施態様のLi3BO3の製造方法によって得られる生成物は、図1に示すように、XRDパターンにおいて2θが29.5°(最大ピーク)、33°、34°、38.5°の主要ピークを含む約20本のピークを有している。
これに対して、図3に示すように、Li2CO3およびB2O3を出発原料としたのでは、600℃で1時間、加熱反応時の供給ガスとしてアルゴンおよび酸素を用いて加熱反応させた後、冷却ガスとしてアルゴンを用いても、Li2BO3以外の相が主相である生成物が得られた。
これは、加熱による製造過程で発生・混入したCO2が反応中間体のLi−B−Oと反応し、生成物中に残ったものと考えられる。
これは、加熱による製造過程で発生・混入したCO2が反応中間体のLi−B−Oと反応し、生成物中に残ったものと考えられる。
また、図3に示すように、出発原料としてLiOHおよびLi2B4O7の組み合わせ以外のもの、例えば、Li2CO3およびLiBO2、LiOHおよびB2O3、LiOHおよびLiBO2を用いたのでは、Li2BO3以外の相が主相である生成物が得られる。
また、図3に示すように、出発原料としてLiOHおよびLi2B4O7を用いても、加熱反応時の供給気ガスとしてアルゴンおよび酸素を用いて加熱反応させた後、冷却ガスとして空気を用いると、Li2BO3以外の相が主相である生成物が得られる。
また、図3に示すように、出発原料としてLiOHおよびLi2B4O7を用いても、加熱反応時の供給気ガスとしてアルゴンおよび酸素を用いて加熱反応させた後、冷却ガスとして空気を用いると、Li2BO3以外の相が主相である生成物が得られる。
本発明の製造方法は、加熱反応とその後の生成物の冷却を行える装置であれば任意の装置を用いて実施し得る。
本発明の実施態様においては、加熱反応工程と冷却工程とを1つの装置で行うかあるいは別々の装置で行い得て、好適には加熱反応工程と冷却工程とを1つの装置で行い得る。
前記の方法として、例えば、前記2種の出発原料を加熱処理するための処理容器、前記容器および/又は供給ガスを加熱するための加熱装置としての熱プラズマ装置、アルゴンおよび酸素を別々にあるいは混合して供給する供給ガス供給口、処理容器の後流路に設けられて生成物を吸引する吸気装置、加熱反応後に反応生成物に冷却ガスであるアルゴンを供給するための冷却ガス供給手段、処理容器から排出される粉粒体と気体とを分離する粉粒体分離手段を備えた装置を用いる熱プラズマ法が挙げられる。
本発明の実施態様においては、加熱反応工程と冷却工程とを1つの装置で行うかあるいは別々の装置で行い得て、好適には加熱反応工程と冷却工程とを1つの装置で行い得る。
前記の方法として、例えば、前記2種の出発原料を加熱処理するための処理容器、前記容器および/又は供給ガスを加熱するための加熱装置としての熱プラズマ装置、アルゴンおよび酸素を別々にあるいは混合して供給する供給ガス供給口、処理容器の後流路に設けられて生成物を吸引する吸気装置、加熱反応後に反応生成物に冷却ガスであるアルゴンを供給するための冷却ガス供給手段、処理容器から排出される粉粒体と気体とを分離する粉粒体分離手段を備えた装置を用いる熱プラズマ法が挙げられる。
前記の熱プラズマ法において、処理容器内に供給された出発原料は例えば600℃以上の温度で、例えば0.5〜5時間、典型的には1時間、加熱反応によってLiOHとLi2B4O7とを反応させて、Li3BO3を生成させ、冷却ガスとしてのアルゴンによってLi3BO3微粒子を生成すると考えられる。
前記の方法によって得られるLi2BO3は、通常微粒子状であり、XRDパターンにおいて2θが29.5°(最大ピーク)、33°、34°(2番目に大きいピーク)、38.5°の主要ピークを含む約20本のピークを有するものである。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
以下の各例において、以下の装置を用いてXRD測定を行い、また生成物の比表面積を測定した。なお、以下の測定は例示であって当業者が同等と考える測定法も同様に用い得る。
XRD測定装置:Rigaku ULTIMAIII
以下の実施例は単に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
以下の各例において、以下の装置を用いてXRD測定を行い、また生成物の比表面積を測定した。なお、以下の測定は例示であって当業者が同等と考える測定法も同様に用い得る。
XRD測定装置:Rigaku ULTIMAIII
比較例1
熱プラズマ法により、出発原料としてLi2CO3とB2O3(Li2CO3:B2O3=3:1、モル比)とを用い、供給ガスとしてAr+O2(9:1、容積比)を用いて、600℃で1時間加熱反応させ、冷却ガスとしてArを噴射させて、比表面積が38m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
熱プラズマ法により、出発原料としてLi2CO3とB2O3(Li2CO3:B2O3=3:1、モル比)とを用い、供給ガスとしてAr+O2(9:1、容積比)を用いて、600℃で1時間加熱反応させ、冷却ガスとしてArを噴射させて、比表面積が38m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
実施例1
出発原料としてLiOHとLi2B4O7(LiOH:Li2B4O7=10:1、モル比)とを用いた他は比較例1と同様にして、比表面積が46m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンを図1に示す。
図1から、生成物はLi3BO3以外のピークが観察されなかった。
得られた結果を図2の表に示す。
出発原料としてLiOHとLi2B4O7(LiOH:Li2B4O7=10:1、モル比)とを用いた他は比較例1と同様にして、比表面積が46m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンを図1に示す。
図1から、生成物はLi3BO3以外のピークが観察されなかった。
得られた結果を図2の表に示す。
比較例2
出発原料としてLi2CO3とL12B4O7(Li2CO3:Li2B4O7=5:1、モル比)とを用い、冷却ガスとして空気(Air)を用いた他は実施例1と同様にして、生成物を得た。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
出発原料としてLi2CO3とL12B4O7(Li2CO3:Li2B4O7=5:1、モル比)とを用い、冷却ガスとして空気(Air)を用いた他は実施例1と同様にして、生成物を得た。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
比較例3
出発原料としてLi2CO3とLiBO2(Li2CO3:LiBO2=1:1、モル比)とを用いた他は実施例1と同様にして、比表面積が39m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
出発原料としてLi2CO3とLiBO2(Li2CO3:LiBO2=1:1、モル比)とを用いた他は実施例1と同様にして、比表面積が39m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
比較例4
出発原料としてLiOHとB2O3(LiOH:B2O3=6:1、モル比)とを用いた他は実施例1と同様にして、比表面積が45m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
出発原料としてLiOHとB2O3(LiOH:B2O3=6:1、モル比)とを用いた他は実施例1と同様にして、比表面積が45m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
比較例5
出発原料としてLiOHとLiBO2(LiOH:LiBO2=2:1、モル比)とを用いた他は実施例1と同様にして、比表面積が45m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
出発原料としてLiOHとLiBO2(LiOH:LiBO2=2:1、モル比)とを用いた他は実施例1と同様にして、比表面積が45m2/gの微粒子状の生成物を得た。
得られた生成物のXRD測定パターンから、Li3BO3以外の相が主相であることが確認された。
得られた結果を他の結果とまとめて図3の表に示す。
本発明によれば、不純物混在量の少ないLi3BO3を容易に得ることができる。
Claims (1)
- LiOHおよびLi2B4O7を出発原料とし、加熱反応時の供給ガスとしてアルゴンおよび酸素を、冷却ガスとしてアルゴンを用いることを特徴とするLi3BO3の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2013184207A JP2015051886A (ja) | 2013-09-05 | 2013-09-05 | Li3BO3の製造方法 |
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JP2015051886A true JP2015051886A (ja) | 2015-03-19 |
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ID=52701211
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111362275A (zh) * | 2020-03-18 | 2020-07-03 | 浙江大学 | 一种硼酸锂的制备方法 |
-
2013
- 2013-09-05 JP JP2013184207A patent/JP2015051886A/ja active Pending
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