JP2015051633A - パイプラインを補強するために接着テープでオーバーラップさせて結合される外側筒状フィルムを有する筒状ライナー及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】内側筒状フィルム、内側筒状フィルムに設けられた繊維質材料層及び繊維質材料の外側に配置され、紫外線光に対して不透過性である外側筒状フィルムからなる筒状ライナーの製造方法の提供。
【解決手段】内側筒状フィルム２、内側筒状フィルム２に設けられた繊維質材料層４及び繊維質材料４の外側に配置され、紫外線光に対して不透過性である外側筒状フィルム８を有するパイプラインの補強用筒状ライナー１において、外側筒状フィルム８が、径方向内側端部（１０ｂと、オーバーラップ範囲１２において端部１０ｂの外側にのる第二端部１０ａとを有し、これら端部が、筒状ライナー１の長手方向を横切って伸びる接着テープ１３によって相互に連結される筒状ライナー（１）。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１及び７の前文によれば、パイプラインを補強するために接着用テープでオーバーラップさせて結合される外側筒状フィルムを有する筒状ライナー及び前記筒状ライナーの製造方法に関する。

欠陥がある下水道パイプ、即ち下水道管のような欠陥があるパイプラインのトレンチレス復旧の分野では、筒状ライナーが次第に使用されるようになってきている。この筒状ライナーは、「インライナー」として参照され、液体反応性樹脂が含浸された繊維質材料、特に、グラスファイバ繊維から成り、パイプラインに筒状ライナーを挿入し、圧縮空気によって該筒状ライナーを膨張させた後に、放射線源からの光によって硬化される。このような筒状ライナー及び筒状ライナーの製造方法は、国際公開WO００／７３６９２号公報（特許文献１）から公知であり、例えば、該公報に開示された筒状ライナーは、内側筒状フィルムを有し、この内側筒状フィルム上には、外側筒状フィルムによって囲まれる繊維質層が形成されると同時に、樹脂含浸繊維質テープが、マンドレル上にオーバーラップするように巻かれる。

さらに、欧州特許公開EP０１０００２９A１公報（特許文献２）により、筒状ライナーのために使用される内側筒状フィルムが、ポリエステル不織布材料の形態のウェブ状織物材料に、非熱可塑性ポリウレタン尿素コーティングを施し、かつ、その上に熱可塑性ポリウレタン尿素コーティングを施すことによって製造され、フィルムの長手方向縁部が一緒に縫い合わされることが公知である。次いで、その縫い目は、熱溶接可能なフィルムストリップ、または、選択的には、接着接合も可能なフィルムストリップを用いてシールされる。この公報は、どのようにして、コートされた織物材料の二つの長手方向縁部を結合するかについては言及してなく、かつ、どのようにしてフィルムストリップを適用するかの詳細についても言及していない。

さらにまた、本発明の出願人は、その上に不織布層が積層されたエンドレス内側筒状フィルムを有する筒状ライナーの製造方法及び製造装置を知っている。国際公開WO２０１２／０６５６９８号公報（特許文献３）に開示されているように、筒状ライナー内では、オーバーラップされている範囲内において内側の筒状フィルムの内側の長手方向縁部が、それに接着接合又は溶着されるフィルムテープでカバーされている。フィルムテープが実質的に気密に溶着された継ぎ目を提供し、それが効果的に、内側筒状フィルムを覆う樹脂含浸処理された繊維質テープからのスチレン蒸気の排出を防止するが、フィルムテープの溶着は、二つの溶着継ぎ目の導入を必要とし、その結果、製造負担が増大し、製造速度は、それに応じて、下がる。また、この文献は、オーバーラップしている範囲に接着テープを貼り付けることによって繊維質テープ層の周りに緊密に位置するように外側筒状フィルムを配置することについて言及していない。

さらにまた、前記した筒状ライナーでは、外側筒状フィルムが、紫外線光に対して不透過性である上側フィルムに下側フィルムを熱溶接することで製造される。その製造には、二つの側面プラスチック溶着装置が用いられ、これらの装置は、連続的に製造される筒状繊維質テープのインデックススピードで、直線的に側面に沿って動かされる。また、これらの装置は、繊維質チューブの両サイドにおいてお互いの頂部でガイドされ、お互いの頂部に平に置かれた上側及び下側フィルムウェブの端部を一緒に溶着する。前記した筒状ライナーは、出願人によって会社内で製造されている。ここで、オーバーラップされた縫い目とは対照的に、ある問題が生じる。即ち、完成した外側筒状フィルムの両サイドで縫い目剥がれが生じ、その剥がれた縫い目が、筒状ライナーが膨張する時に、著しく低いせん断力に晒され得、硬化する前のダクト内における筒状ライナーの直径の校正を困難にするという問題が生じる。さらにまた、筒状ライナーをダクトへ挿入し、前記筒状ライナーを膨張させた後に、完全に溶着された外側筒状フィルムの両側から翼状に突出する結合部分が、ダクトの内壁と筒状ライナーの外面との間で、折り重なるようにオーバーラップする。小さい内径及び薄い壁厚を有する筒状ライナーの場合、作り出される翼状の結合部分の折り目状のオーバーラップは、完全に硬化された筒状ライナーの内壁に好ましくない歪として不都合なほどに目立ち得る。

国際公開WO００／７３６９２号公報 欧州特許公開EP０１０００２９A１公報 国際公開WO２０１２／０６５６９８号公報

従って、本発明の目的は、内側筒状フィルム、その上に配置される樹脂含浸繊維質材料層及び前記繊維質材料層上に設けられる外側筒状フィルムを有し、費用効率が高い方法で製造され得、品質が高く、前記した従来技術の問題点を回避することができる筒状ライナーを提供することにある。

この目的は、請求項１の特徴部分によって本発明に従って達成される。

本発明のさらなる特徴は、従属項に開示されている。

本発明によれば、パイプライン、特に欠陥があるダクトの補強用の筒状ライナーは、内側筒状フィルムを有し、その上に、液体反応性樹脂が含浸された繊維質材料層が配置され、前記液体反応性樹脂は、紫外線光による放射線によって硬化する。好ましくは、相互にオーバーラップする方法で、マンドレル上に巻かれる個別の繊維質テープから成る繊維質材料の外側には、紫外線光に対して不透過性であるフィルム材料から成る外側筒状フィルムが配置される。

本発明による筒状ライナーは、それが、第一の径方向内側端部と、オーバーラップする範囲において、第一の端部の外側に位置する第二の端部とを有することで区別される。本発明によれば、二つのオーバーラップする端部が、接着テープによって相互に結合され、前記接着テープは、筒状ライナーの長手方向と交差してのびる。接着テープは、好ましくは、筒状ライナーの連続製造の間、オーバーラップする端部に、その接着面から展開される。

本発明によれば、縫い目をオーバーラップさせる方法で接着テープを用いて二つの端部を相互に連結することで、剥離継ぎ目(peel seam)と比較して、二つの端部に円周方向に作用する張力に応じた十分に高い引張強度及び／又は引き裂き強度が得られるという利点が引き出される。接着接合された筒状ライナーの円周方向に作用するこの種の張力は、特に、筒状ライナーがが、修復されるべきダクトの内部に折り畳まれた状態で挿入された後に筒状ライナー内に導入される圧縮空気によって筒状ライナーが膨張している間に生じる。また、一面に永久接着層が塗布されたコスト効率の良い接着テープを使用した時に、オーバーラップする範囲における外側筒状フィルムの端部の接着接合が、高い剪断強度を有し、利用される圧縮空気の圧力を上げること又は下げることによって膨張した時に、筒状ライナーの外周を所定の値に調整することができるようにするという特別な利点が、ここで、提供される。ここで、紫外線光に対して不透過性であり、かつ、エンドレスチューブを形成するために円周状に閉じられている外側筒状フィルムは、強いて言えば、繊維質材料層のために、相互の関連で動かされ得、そのために、圧縮空気が導入された時に繊維質層が径方向に広がることを許容する巻かれた繊維質テープを支えるカウンターとして作用する。

本発明の好ましい実施例では、外側筒状フィルムは第一の上側周囲部分を有し、この第一上側周囲部分は、好ましくは、繊維質層上に、上方から巻き広げられる第一フィルムウェブから成る。さらにまた、外側筒状フィルムは、第二の下側周囲部分を有し、この第二下側周囲部分は、下方から繊維質テープ層まで上がるようにガイドされる第二フィルムウェブから成る。ここで、第二フィルムウェブを繊維質テープ層まで上がるようにガイドすることは、好ましくは、変形ユニット、具体的には、公知の成形ショルダを用いて行われ、その変形ユニットにより、ロールから引き出される第二フィルムウェブは、長手方向端部が、繊維質チューブの側面領域の周りに重ねられるようにガイドされ、好ましくは、平坦に広がっており、その結果、第一周囲部分上に、第一及び第二の径方向外側端部が形成され、それに対応して、第二周囲部分上に、第一及び第二の径方向内側端部が形成される。ここで、第一及び第二フィルムウェブの幅は、周囲部分の二つの端部領域が、好ましくは１０ｍｍから５０ｍｍの範囲でオーバーラップするように選択され、確実に、外側から紫外線光が繊維質材料を貫通できないようにし、かつ、それに含まれている液体反応性樹脂が簡単に硬化できるようにしている。二か所のオーバーラップしている範囲において第一周囲部分と第二周囲部分とを相互に連結し、かつ、それにより、円周状に閉じた外側筒状フィルムを形成するように二つのフィルムウェブを形成するために、本発明によれば、一面に接着性がある接着テープが、フィルムの端部にわたって二か所オーバーラップしている範囲に接着貼付される。前記接着テープは、好ましくは、繊維質テープであり、好ましくは、上方のロールからオーバーラップしている範囲上に巻かれ、例えば、押圧装置、例えばブラシ又は圧搾ローラを介して、筒状ライナーの上側に押圧される。

本発明の好ましい実施例では、第一周囲部分は、第二周囲部分、好ましくは、下側周囲部分の円周方向幅より小さい円周方向幅を有する。送り込まれるフィルムウェブの幅に対応する第一周囲部分の幅は、ここでは、好ましくは、第二周囲部分の円周幅の６０％から９０％の間である。それにより、マンドレル及び下側第二フィルムウェブの送り込みから離れた後に、繊維質チューブが、扁平形状で実質的に一定のインデックス速度で支持面に沿って動く時に、第二周囲部分の二つの長手方向端部が、折り畳まれた後に、第一周囲部分の対応する端部上に、十分なオーバーラップを持って、確実に配置され得るという利点が得られる。

第一及び第二の周囲部分を相互に連結するために、本発明の好ましい実施例では、単一の接着テープの送り込みが行われる。前記接着テープは、第一周囲部分と同じ又は好ましくは僅かに広い幅を有し、二つのオーバーラップしている範囲と交差してのびる。幅が広い一つの接着テープだけを送り込むことにより、接着テープに関する材料費が高くなるにもかかわらず、ロジスティックな費用が下がり、接着テープを送り込む時に生じる失敗のリスクも低減するという利点が得られる。

本発明を基礎とする別の概念によれば、接着テープは、第一及び第二の接着部分に加えて、これら二つの接着部分を相互に接続する伸張部分を有し、前記伸張部分はオーバーラップしている範囲の上に配置される。この伸張部分は、好ましくは、熱可塑性材料、例えば、ポリエチレンフィルムのような熱可塑性フィルムから成り、これは例えば、熱の影響下で、円周方向に縮まり、第一接着部分を第二接着部分の方向に動かすようにする。このような第一及び第二の接着部分に加えて、これら二つの接着部分を相互に接続する伸張部分を有する接着テープは、例えば、ストリップ状の熱可塑性材料、例えば、フィルムストリップの端部領域の上に二本の単一ストリップ接着テープを接着貼付することによって得ることができる。これは、熱可塑性フィルムストリップを、第二周囲部分の折り重ねられた端部領域にわたって配置し、その後接着テープを付けることによって、又は横方向に接着貼付される二つの接着テープを有するこのようなストリップを予め仕上げておくことによって、連続的に実行され得る。本発明のこの実施例によって、外側筒状フィルムが、例えば、熱風送風機を用いた熱の導入を経て、繊維質材料の外側において所望の張力に耐えるようにされ得る。これにより、筒状ライナーが補強されるべきダクト内で拡張した時に、効果的な反対支持面を形成する、その外径が高い精度で調整され得る折り目なし支持面が得られる。

本発明の前述した実施例において、多くの反応性樹脂において溶剤として用いられている環境的に有害なスチレンの放出に対して、オーバーラップしている範囲の改良したシーリングを得るために、本発明のさらに別の実施例によれば、第一端部と第二端部との間の、オーバーラップしている範囲において、付加的に少なくとも一つの接着層が配置され、前記接着層は、オーバーラップしている範囲からの樹脂のにじみ出し及びスチレンガスの放出に対するバリアを形成する。接着層は、好ましくは、径方向外側端部の上側に、即ち、上述した第二の実施例の場合には、第一端部上に、第二周囲部分の二つの側方端部が折り重ねられる前の第一周囲部分の好ましくは両方の側方端部(lateral peripheral portions)上に、溶融した熱溶融型接着剤から成る接着剤の連続ビードとして適用される。このような、下側の第二周囲部分の側部端部にわたって折り畳まれた後に、最短の時間枠で冷める熱溶融型接着剤のビードを使用することにより、端部の折り重ねの間に形成され得る何等かのシワが、つぶされて均一化され、その結果、筒状ライナーが折り畳まれた時に、この種のシワを通して液体反応性樹脂が漏れ出るリスクをさらに低減することができ、かつ、それにより、第一周囲部分と第二周囲部分との端部領域を連結するために接着テープが接着貼付されるオーバーラップしている範囲の外側で反応性樹脂が漏れ出る危険を低減することができるようになるという効果が得られる。

本発明に基づく別の概念によれば、上述した筒状ライナーを製造するための本発明に係る方法において、内側筒状フィルムに繊維質材料連続層を配置するために、好ましくは、紫外線光によって硬化可能な少なくとも一つの反応性樹脂が含浸された繊維質テープが、マンドレルでガイドされた内側筒状フィルム上にオーバーラップするように、ねじ状に巻かれる。ここでは、好ましくは、繊維質材料層を製造するために、複数の異なる層の繊維質テープが一枚一枚重ねて巻かれる。

本発明による方法は、フィルムウェブが連続的に送り込まれ、送り込みの間に、二つの端部が、ガイドユニットを介して、繊維質材料層の円周の周りでガイドされる点で区別される。ここで、ガイドは、一部材フィルムウェブ(a one-part film web)の場合には、少なくとも一つのオーバーラップしている範囲において、径方向外側の端部が径方向内側の端部の外側に載るように行われる。接着テープは、好ましくはロールから同様に連続的に送りこまれ、好ましくは半分だけ一面がオーバーラップする範囲に及び、その他方の面が、第二端部の径方向内方の外側の隣接する端部に及び、二つの端部がオーバーラップした継ぎ目になるようにオーバーラップ方法で相互に連結され、それにより、紫外線不透過性材料から成る円周状に閉じた外側筒状フィルムが、一部材フィルムウェブから連続的に製造される。前記した接着テープが、相互に重なるようにのる二つの端部に接着貼付される。小さな直径、例えば、３０ｃｍより小さい直径を有する筒状ライナーの場合、本発明の最も簡単な実施例では、外側筒状フィルムは、原則として、前記した方法で、単一フィルムウェブ部分から形成され得、本発明の好ましい実施例では、外側筒状フィルムは、第一上側周囲部分及び第二下側周囲部分から組み立てられ、それらは、二つの連続的に送りこまれるフィルムウェブの形態でそれに応じて提供される。ここでは、第一フィルムウェブの形態の第一周囲部分は、繊維質材料層の上側に連続的に広げられ、外側筒状フィルムの第二下側周囲部分は、好ましくは同様に、反対側、言い換えれば、好ましくは下から、繊維質材料層の周りで、ガイドユニットを介して、連続的にガイドされる。第一周囲部分及び第二周囲部分は、ここでは、第一及び第二のオーバーラップする範囲において、第二周囲部分の二つの端部が、第一周囲部分の各上側において、一枚一枚平らに重なるような幅を有する。第一周囲部分と、第二周囲部分の第一周囲領域とは、その後、第一のオーバーラップ範囲上に接着貼付される第一ストリップ接着テープによって相互に連結され、第一周囲部分の第二端部領域と、第二周囲部分の第二端部領域とは、第二のオーバーラップする範囲上に接着貼付される第二ストリップ接着テープによって相互に連結される。接着テープの第一及び第二ストリップは、ここでは、好ましくは、半分で、各オーバーラップする範囲と、第一周囲部分の径方向外方に露出した隣接する端部領域とをカバーする。

関連するフィルムウェブをガイドするために、本発明の前記した二つの実施例では、好ましくは持続的な速度でインデックスされ、支持面上に平らな状態で乗る、以下に繊維質チューブとして参照される繊維質材料の巻かれたチューブの各端部領域の周りで、ガイドユニットが、好ましくは、第一回転ブラシベルトを有する。この第一回転ブラシベルトは、フィルムウェブの外側に接触し、自由な端部に向かう方向で、その剛毛によって、繊維質チューブの上側にのるフィルムウェブの折り重ねられた端部をブラシする。ここでは、上側の領域において一部材フィルムウェブの内方端部の外側は、例えば、ブラシホイール又は圧搾ローラによって、繊維質チューブに対して押圧され得、同時に、回転するブラシベルト、好ましくは、第一端部の上向きの力に反して、頂部にのる第二端部をブラシする。

第一及び第二のフィルムウェブを接着接合することによって外側筒状フィルムが得られる本発明の好ましい実施例では、好ましくは、少なくとも二つの回転ベルト状ブラシユニットが用いられ、これらのユニットは、端部領域において、好ましくは平らに広げられる繊維質テープから成るチューブの折り重ねられた端部の上側に、実質的に対称的に独占的に接近する。ここでは、第一周囲部分ではなく、端部のみが接触される。ここでは、フィルムウェブの外側に接近するブラシベルトの回転方向は、相互に反対であり、第二周囲部分の二つの自由な端部は、同時に第二フィルムウェブに張力をかけ、かつ、それを繊維質テープから成るチューブの外側の周りにガイドする第一周囲部分の中心の方向の張力の影響を受ける。接触領域の角度及び／又は長さを変更することにより、及び／又は各回転ブラシベルトの押圧力に加えて繊維質チューブのインデックス速度に対する回転速度を変更することにより、ここでは、繊維質材料層の外側に実質的に一様なシワのない状態で第二フィルムウェブを支持することができ、二つのストリップの接着テープを付けることで第一及び第二周囲部分を接続した後に、筒状ライナーの外側筒状フィルムが、樹脂含浸繊維材料層の外側に緊密に殆どシワのない状態で支持できるようになる。この場合、下側から送り込まれる第二フィルムウェブが、好ましくは、支持面上で平らなウェブとしてガイドされ、かつ、その重さのために滑り落ちることが防止された繊維質材料の内側チューブの端部の周りでガイドされているので、反対方向に回転する少なくとも二つのブラシベルトを使用することにより、時々、製造を複雑にする鋼板材料の成形ショルダを完全になしで済ますことが可能になるという利点を有する。この場合、巻き取りによって連続的に製造される繊維質チューブの外側は、ブラシベルトを支持するカウンターとして機能し、ここでは、繊維質材料の送り込みの間に生成される材料の不均等性が、ブラシベルトの剛毛の弾力性によって、有利な方法で平衡化される。

最後に、本発明による方法の最後に説明された実施例では、複数の接着テープを接着貼付する前に、又は、好ましくは第一周囲部分と同じ幅である一本のストリップから成る接着テープを接着貼付する前に、溶融された熱溶融型接着剤の連続ビードが第一周囲部分の外側に付けられ、反応性樹脂からの溶媒蒸気の放出を効果的に防止する付加的なバリアが提供される。前記溶融された熱溶融型接着剤の連続ビードは、側方端部を一枚ずつ重ねてガイドした後に、オーバーラップする範囲で冷却し、これにより、生成される任意の不均等性を埋める。

マンドレル上で製造中の本発明による筒状ライナーの概略横断面図を示しており、この図では外側筒状フィルムが送り込まれた単一のフィルムウェブで形成されている。 本発明の第二の実施例の概略横断面図であり、この図では、外側筒状ライナーは、第一及び第二周囲部分を有し、前記第一及び第二周囲部分は、一本のストリップから成る接着テープを用いて第一及び第二の送り込まれたフィルムを接着接合することにより、相互に結合されている。 付加的な長手方向引張ストラップを有する図２ａに従った筒状ライナーの概略上面図である。 本発明による筒状ライナーのさらに別の実施例を示しており、この図では、外側筒状フィルムは、第一及び第二周囲部分を有し、その端部領域は、その上に展開される接着テープによって相互に結合される。 図２ｃに示した筒状ライナーの概略立体的上面図である。 本発明による筒状ライナーの概略説明図であり、この図では、マンドレル上で筒状ライナーが連続的に製造され、筒状ライナーは、第一及び／又は第二周囲部分を有し、これらは、フィルムウェブの形態で送り込まれている。

図１に示すように、筒状ライナー１は、その上に少なくとも一つの繊維質材料層４が配置される内側筒状フィルム２を有する。前記繊維質材料層４は、特に、紫外線光によって硬化され得る反応性樹脂が含浸された繊維質テープ４ａである。本発明による筒状ライナー１の製造方法を示す図３から分かるように、繊維質テープ４ａは、例えば、ＷＯ０７／７３６９２号に示されているように、マンドレル６を有する巻取装置を用いて内側筒状フィルム２上に巻かれる。繊維質材料層４の外側には、外側筒状フィルム８が配置される。この外側筒状フィルム８は、図１に示した実施例では、紫外線光に対して不透過性の単一のプラスチックフィルムから成り、このプラスチックフィルムは、下側において一部材エンドレスフィルムとして送り込まれる。また、外側筒フィルム８は、フィルム端部を繊維室材料の上側に折り重ねることによって形成される。この実施例では、オーバーラップ範囲１２において、径方向内側の端部１０ｂは、径方向外側の端部１０ａと重なる。周方向に閉鎖した外側筒状フィルム８を形成するように二つの端部１０ａ及び１０ｂを実質的に結合するために、片面接着テープ１３が、好ましくは半分だけ、二つの相互にオーバーラップした端部上に上から貼り付けられ、継ぎ目が形成される。この継ぎ目は、オーバーラップ継ぎ目と似ており、外側筒状フィルムの円周方向に作用する力に対して高い引張強度を持つ。時々、マンドレル６上でガイドされたままの繊維質材料チューブ４の端部の周りで、外側筒状フィルム８を形成するためのプラスチックフィルムを折り曲げるために、回転ブラッシングユニット１４ａ及び１４ｂが、好ましくは、設けられる。これらのユニット１４ａ及び１４ｂは、図１に概略的に示されており、例えば、ポリアミド剛毛を有し得、端部から進み、折り重ねられるフィルムウェブの上側を横切りオーバーラップ範囲１２に向けてブラシをかける。二つのブラシベルト１４ａ及び１４ｂの回転速度、並びに外側筒状フィルムの移送方向Ｖに対するそれらの角度は、この実施例では、好ましくは、折り重ねられたフィルムウェブの下にある空気含有物が、オーバーラップ範囲に向けて掃き出されるようにされ、かつ、外側筒状フィルム８のフィルムウェブが、繊維質材料４の外面上にピンと張った状態で位置するようにされる。

図２ａ及び２ｂに示した本発明の実施例では、本発明による筒状ライナー８は、第一の周囲部分８ａを備えている。この第一周囲部分８ａは、好ましくは、エンドレスフィルムウェブとして、上方から、繊維質材料４上に送り込まれる。それは、予め連続的に作られ、マンドレル６から、フレームに固定された支持面１６に亘って、そのインデックススピードＶで動かされる。第一周囲部分８ａのフィルムウェブは、この実施例では、例えば、図３に示すように、ロール１８ａから繰り出され得る。

さらにまた、外側筒状フィルム８は、第二周囲部分８ｂを有する。この第二周囲部分８ｂは、好ましくは、第二ロール１８ｂから繰り出される。第二ロール１８ｂは、繊維質材料４の送り出しチューブの下側に配置されている。この実施例では、繊維質材料４のチューブの周りで下側フィルムウェブ８ａの二つの端部を折り畳むために、前記端部は、ガイドユニット（図面には詳細には示されていない）、例えば、公知の成型肩部、さもなければ図２ａ及び図３に示した二つのブラッシングユニット１４ａ及び１４ｂによって、上向きに作用される。そのため、第二周囲部分８ｂの右側の径方向内側の端部１０ｂ及び左側の径方向内側部分１０ｂ（両方とも図２ａに示されている）は、第一周囲部分８ａの各径方向外側部分１０ａに載る。実質的に、単一ストリップの接着テープ１３が、作り出された二つのオーバーラップ範囲１２の上側に接着される。前記単一ストリップの接着テープ１３は、第一周囲部分８ａがテープ１３によって完全におおわれるような幅を有し、接着テープ１３は、この実施例では、例えば１〜５ｃｍで、第二周囲部分、即ち、第二の送り込まれたフィルムウェブ８ｂの端部を覆い、第二周囲部分の上側に載る。

オーバーラップする方法でネジ状に巻き回される繊維質テープ４ａのチューブのネジ状巻き回しが、完成した筒状ライナー１がダクト（詳細には図示していない）内に挿入する間にバラバラになることを避けるために、図２ａ及び２ｂに概略的に示された長手方向引張ストラップ１７、例えば、繊維ガラス織物が、好ましくは、外側筒状フィルム８の第一周囲部分８ａの下側に配置される。この長手方向引張ストラップ１７は、第一周囲部分８ａ用のフィルムウェブが送り込まれる前に、付加的ローラを介して繊維質材料４のチューブの上面に配置される。図面を見やすくするために、この長手方向引張ストラップは、残りの図面には示されていない。

内側が繊維質材料４と面する第一及び第二の周囲部分８ａ及び８ｂを形成するためのウェブ状材料には、好ましくは、不織布材料が設けられ、それは、好ましくは、ポリエステル不織布のように、そのフィルムウェブを製造する過程で第一及び第二の周囲部分８ａ及び８ｂの内側に予め積層される。ブラッシングユニット１４ａ及び１４ｂを、第二周囲部分８ｂの上側に近づけ、かつ、選択的に付加的に第一周囲部分の下側にも近づけることによって、液体反応性樹脂を含浸させた繊維質材料４のレイヤ上にフィルム材料を、ピンと張った、気泡のない状態で配置することが可能になる。その都度、ブラシは、第一及び第二の周囲部分のフィルム材料の内側に配置された不織布レイヤと共に、中心から外側端部に向かって進む第一周囲部分を横切る。

図２ｃ及び図２ｄに示した本発明の実施例によれば、選択的に、第二周囲部分の二つの外側端部の間の自由部分全体に及ぶ好ましい一本の幅広ストリップ状の接着テープの代わりに、二本の幅狭ストリップ状の接着テープ１３を使用することが可能である。二本の幅狭ストリップ状接着テープは、図１に示した実施例と同様であり、好ましくは、二つの端部領域を半分カバーするだけであり、二つの周囲部分８ａ及び８ｂ用のフィルムウェブと同じ方法で、ロール２０からエンドレス接着テープ材料として送り込まれる。

１ 本発明による筒状ライナー
２ インナー筒状フィルム
４ 樹脂含浸繊維質材料層
４ａ 繊維質テープ
６ 巻き取り装置／マンドレル
８ 外側筒状フィルム
８ａ 第一周囲部分
８ｂ 第二周囲部分
１０ａ 径方向内側端部
１０ｂ 径方向外側端部
１２ オーバーラップ範囲
１３ 接着テープ
１４ａ 第一ブラッシングユニット
１４ｂ 第二ブラッシングユニット
１６ 支持面
１７ 長手方向引張ストラップ
１８ａ 第一周囲部分用フィルムウェブを有するロール
１８ｂ 第二周囲部分用フィルムウェブを有するロール
２０ 接着テープのロール
Ｖ インデックス速度

Claims (10)

1. 内側筒状フィルム（２）、
   内側筒状フィルム（２）に設けられた繊維質材料層（４）及び
   繊維質材料（４）の外側に配置され、紫外線光に対して不透過性である外側筒状フィルム（８）
   を有するパイプラインの補強用筒状ライナー（１）において、
   外側筒状フィルム（８）が、径方向内側端部（１０ｂ）と、オーバーラップ範囲（１２）において端部（１０ｂ）の外側にのる第二端部（１０ａ）とを有し、
   これら端部が、筒状ライナー（１）の長手方向を横切って伸びる接着テープ（１３）によって相互に連結される
   ことを特徴とする筒状ライナー。
2. 外側筒状フィルム（８）が、第一及び第二の周囲部分（８ａ、８ｂ）を有し、
   第一周囲部分（８ａ）上に、第一及び第二の径方向内側端部（１０ａ）が形成され、それに対応して、第二周囲部分（８ｂ）上に、第一及び第二の径方向外側端部（１０ｂ）が形成され、それらは、第一及び第二のオーバーラップ範囲（１２）においてオーバーラップし、長手方向にのびて接着貼付される接着テープ（１３）によって相互に連結される
   ことを特徴とする請求項１に記載の筒状ライナー。
3. 第一周囲部分（８ａ）が、第二周囲部分（８ｂ）の円周幅の６０％から９０％の間の円周幅を有する
   ことを特徴とする請求項２に記載の筒状ライナー。
4. 第一周囲部分（８ａ）と第二周囲部分（８ｂ）とが、一本のストリップ状の接着テープによって相互に連結され、
   前記接着テープが、第一周囲部分（８ａ）の幅と同じか又はそれより大きい幅を有し、かつ、二つのオーバーラップ範囲（１２）を横切ってのびる
   ことを特徴とする請求項２又は３に記載の筒状ライナー。
5. 接着テープ（１３）が、第一及び第二の接着部分に加えて、引張部分を有し、
   前記引張部分が二つの接着部分を相互に連結し、かつ、オーバーラップ範囲（１２）の上方に位置し、
   前記引張部分が、具体的には、第一接着部分が第二接着部分の方向に動かされるように、熱の影響下で円周方向に縮まる熱可塑性材料から成る
   ことを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載の筒状ライナー。
6. オーバーラップ範囲（１２）における第一端部と第二端部（１０ａ，１０ｂ）が、筒状ライナー（１）の長手方向にのびる、具体的には、冷却された熱溶融型接着剤から成る少なくとも一つの接着層によって、相互に付加的に連結される
   ことを特徴とする請求項１〜５の何れか一項に記載の筒状ライナー。
7. 請求項１〜６の何れか一項に記載の筒状ライナーの製造方法であって、
   硬化性反応性樹脂が含浸された少なくとも一つの繊維質テープ（４ａ）を、オーバーラッピング方法で、ねじ状に、マンドレル（６）上でガイドされた内側筒状フィルム（２）上に巻き、
   紫外線光に対して不透過性である少なくとも一つのフィルムウェブ（１８ａ，１８ｂ）の端部（１０ａ，１０ｂ）を連結することによって形成される外側筒状フィルム（８）を、連続的に生成される繊維質材料層（４）上に設ける
   筒状ライナーの製造方法において、
   フィルムウェブ（１８ａ，１８ｂ）を連続的に送り込み、
   送り込みの間に、二つの端部（１０ａ，１０ｂ）を、ガイドユニット（１４ａ，１４ｂ）を介して、繊維質材料層（４）の円周の周りにガイドして、
   少なくとも一つのオーバーラップ範囲（１２）において、径方向外側の端部（１０ａ）が、径方向内側の端部（１０ｂ）の外側に位置し、かつ、オーバーラップ範囲（１２）において、端部の長手方向縁部が、接着テープ（１３）によって相互に連結され、前記接着テープ（１３）が、その接着面が、オーバーラップ範囲（１２）に連続的に接着貼付されるようにした
   ことを特徴とする筒状ライナーの製造方法。
8. 外側筒状フィルム（８）が、第一及び第二の周囲部分（８ａ，８ｂ）を有し、
   前記第一周囲部分（８ａ）が、繊維質材料層（４）の上側にフィルムウェブ（１８ａ）として、連続的に付加され、
   第二周囲部分の二つの端部（１０ａ，１０ｂ）が、第一及び第二オーバーラップ範囲（１２）において、第一周囲部分（８ａ）の各々の上側にのるように、第二周囲部分（８ｂ）が、繊維質材料層（４）の周りで、ガイドユニット（１４ａ，１４ｂ）を介して、反対側から連続的にガイドされ、かつ、
   第一及び第二の周囲部分（８ａ，８ｂ）を連結するために、
   第一接着テープ（１３）が第一オーバーラップ範囲（１２）に接着貼付され、かつ、第二接着テープが第二オーバーラップ範囲（１２）に接着貼付されるか、又は、
   第二上側周囲部分にわたる一本の接着テープ（１２）が、第一及び第二のオーバーラップ範囲上に接着貼付される
   ことを特徴とする請求項７に記載の方法。
9. ガイドユニットが、少なくとも一つの回転ブラッシングベルト（１４ａ，１４ｂ）を有し、
   前記ブラッシングベルト（１４ａ，１４ｂ）がフィルムウェブの外側に接触し、
   接着テープ（１３）が付けられる前に、フィルムウェブの前記外側を、繊維質材料層（４）に対して押圧して、それをピンと張らせるようにした
   ことを特徴とする請求項７又は８に記載の方法。
10. 接着テープ（１３）が接着貼付される前に、付加的な接着剤のビード、具体的には、溶融された液状熱溶融型接着剤のビードが、径方向外側端部（１０ａ）上に、及び／又は径方向内側端部（１０ｂ）上に連続的に付けられる
    ことを特徴とする請求項７〜９の何れか一項に記載の方法。

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