JP2015051581A - 樹脂製パネル及び成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂製パネルの軽量化、高剛性を図ると共に、反りのない樹脂製パネルを得る。【解決手段】本開示の一態様にかかる樹脂製パネル(1)は、裏壁(3)と、裏壁(3)と間隔をおいて対向する表壁(2)と、裏壁(3)の一部を表壁(2)に向けて窪ませて表壁(2)の内面に溶着したリブ(3a)と、を有する樹脂製パネル(1)であって、押出装置から押し出されて流れ出た裏壁(3)を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の溶融樹脂と、表壁(2)を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の溶融樹脂と、を分割金型で型締めすることで、裏壁(3)と、表壁(2)と、リブ(3a)と、を構成し、リブ(3a)の長手方向(3a1)は、第1の溶融樹脂及び第2の溶融樹脂の流れ方向と非平行であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の荷室に設置されるパッケージトレイ、デッキボード、フロアボード等の樹脂製パネルに関する。
本出願人が出願した技術文献として、円筒形状の溶融樹脂をブロー成形し、表皮付パネルを成形する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1:特開平10−235720号公報参照)。
上記特許文献1では、ブロー成形時のブロー圧で一方の壁部の外面に表皮材を熱溶着し、他方の壁部に上記一方の壁部の内面に接するまで突出させたインナーリブを形成し、表皮付パネルを成形することにしている。
しかし、上記特許文献1のように、円筒形状の溶融樹脂を使用する場合は、インナーリブを形成する部分の溶融樹脂が引き伸ばされるため、ピンホールが発生しないように、円筒形状の溶融樹脂の肉厚を厚くする必要がある。その結果、最終的に成形される表皮付パネルの重量が重くなってしまう問題がある。このため、上記特許文献1のように、円筒形状の溶融樹脂を用いた場合は、最終的に成形される樹脂製パネルの軽量化を図ることが困難な問題がある。
通常、円筒形状の溶融樹脂(円筒パリソン)の厚み(肉厚)は均一になる。また、分割金型を型締めした際に、円筒パリソンを分割金型に押し付ける押圧力は、円筒パリソンの全面に亘って一様になる。このため、インナーリブ等のリブを形成する一方の分割金型に押圧されるパリソンは、そのリブに応じたブロー比との関係でパリソンが引き伸ばされ、局所的な薄肉部が生じることになる。また、他方の分割金型ではリブを形成しないため、薄肉部が生じないことになる。その結果、円筒パリソンの厚みは、リブを形成する一方の分割金型側で発生する薄肉部に合わせて設定する必要があり、それにより、他方の分割金型側では、余分な厚みが発生することになる。従って、必然的に肉厚が均一である円筒パリソンを使用する場合は、ブロー成形後にリブが形成される壁部の肉厚よりもリブが形成されない壁部の肉厚の方が厚くなり、最終的に成形される樹脂製パネルの軽量化を図ることが困難な問題がある。
なお、樹脂製パネルの軽量化を図るには、例えば、特許文献2(特開2010-201662号公報)のように押出装置から押し出した一対の熱可塑性樹脂シートを用いることで実現することが可能である。特許文献2では、押出装置から押し出した一対の熱可塑性樹脂シートを一対の分割金型に配置するようにしている。このため、リブを形成する一方の分割金型に押し出される熱可塑性樹脂と、リブを形成しない他方の分割金型に押し出される熱可塑性樹脂と、の肉厚を個別に調整し、リブを形成しない他方の分割金型に押し出される熱可塑性樹脂の肉厚を不必要に厚くすることを回避することで、最終的に成形される樹脂製パネルの軽量化を図ることが可能となる。
特開平10−235720号公報 特開2010−201662号公報
なお、樹脂製パネルの剛性を高めるためには、ガラス繊維などの異方性の大きなフィラーを樹脂に混合させて成形することが好ましい。
しかし、ガラス繊維などの異方性の大きなフィラーを混合させた樹脂を上述した押出装置から押し出して、上述したリブを有する樹脂製パネルを成形すると、最終的に成形された樹脂製パネルに反りが発生してしまう場合があることを発見した。この反りは、樹脂製パネルに形成するリブの長手方向が押出装置から押し出されて流れ出た樹脂の流れ方向と平行な場合に、顕著に発生する。このため、樹脂製パネルの更なる改良を図るべく、樹脂製パネルの軽量化、高剛性を図りつつ、反りのない樹脂製パネルを得る必要がある。
本開示の目的は、樹脂製パネルの軽量化、高剛性を図ると共に、反りのない樹脂製パネルを得ることにある。
本開示の一態様にかかる樹脂製パネルは、
裏壁と、前記裏壁と間隔をおいて対向する表壁と、前記裏壁の一部を前記表壁に向けて窪ませて前記表壁の内面に溶着したリブと、を有する樹脂製パネルであって、
押出装置から押し出されて流れ出た前記裏壁を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の溶融樹脂と、前記表壁を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の溶融樹脂と、を分割金型で型締めすることで、前記裏壁と、前記表壁と、前記リブと、を構成し、前記リブの長手方向は、前記第1の溶融樹脂及び前記第2の溶融樹脂の流れ方向と非平行である、ことを特徴とする。
本発明によれば、樹脂製パネルの軽量化、高剛性を図ると共に、反りのない樹脂製パネルを得ることができる。
本実施形態の樹脂製パネル1の構成例を示す図であり、(a)は、樹脂製パネル1の全体斜視図であり、(b)は、(a)に示す樹脂製パネル1の上面図であり、(c)は、(a),(b)に示すA-A'断面図であり、(d)は、(a),(b)に示すB-B'断面図である。 本実施形態の樹脂製パネル1を成形する成形装置の構成例を示す図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第1の図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第2の図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第3の図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第4の図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第5の図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第6の図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第7の図である。 樹脂製パネル1の成形工程例を示す第8の図である。 本実施例の樹脂製パネル1の構成例を示す図であり、(a)は、樹脂製パネル1の全体斜視図であり、(b)は、(a)に示すF-F'断面図であり、(c)は、(a)に示すE-E'断面図である。 実施例の試験結果を示す図である。 リブ3aの長手方向が樹脂の流れ方向に平行に形成された場合の樹脂製パネルの構成例を示す図である。
<本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1の概要>
まず、図1、図2、図8、図9を参照しながら、本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1の概要について説明する。図1は、本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1の構成例を示し、図2は、図1に示す樹脂製パネル1を成形する成形装置の構成例を示し、図8、図9は、樹脂製パネル1の成形工程の一部を示す。
本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1は、図1に示すように、裏壁3と、裏壁3と間隔をおいて対向する表壁2と、裏壁3の一部を表壁2に向けて窪ませて表壁2の内面に溶着したリブ3aと、を有する樹脂製パネル1である。
本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1は、例えば、図2に示す押出装置12から押し出されて流れ出た裏壁3を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の溶融樹脂P1と、表壁2を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の溶融樹脂P2と、を分割金型32で型締めすることで、裏壁3と、表壁2と、リブ3aと、を構成し、リブ3aの長手方向は、第1の溶融樹脂P1及び第2の溶融樹脂P2の流れ方向と非平行である樹脂製パネル1を得ることになる。例えば、図1に示すリブ3aの長手方向を構成する長手部分3a1は、第1の溶融樹脂P1及び第2の溶融樹脂P2の流れ方向と非平行な直交方向に形成されている。図1において、第1の溶融樹脂P1及び第2の溶融樹脂P2の流れ方向は、B-B'方向であり、樹脂製パネル1の長手方向である。また、流れ方向と直交する方向は、A-A'方向であり、樹脂製パネル1の短手方向である。
本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1を成形する場合は、まず、図2に示すように、押出装置12から押し出されて流れ出た裏壁3を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の溶融樹脂P1と、表壁2を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の溶融樹脂P2と、を一対の分割金型32間に垂下させる。
次に、図8に示すように、第1の溶融樹脂P1と第2の溶融樹脂P2とを分割金型32のキャビティ116面に吸引し、第1の溶融樹脂P1と第2の溶融樹脂P2とをキャビティ116に沿った形状に賦形する。
次に、図9に示すように、分割金型32を型締めし、リブ3aの長手方向が、第1の溶融樹脂P1及び第2の溶融樹脂P2の流れ方向と非平行に形成された樹脂製パネル1を成形する。
本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1は、押出装置12から押し出されて流れ出た裏壁3を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の溶融樹脂P1と、表壁2を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の溶融樹脂P2と、を分割金型32で型締めすることで、裏壁3と、表壁2と、リブ3aと、を構成し、リブ3aの長手方向が第1の溶融樹脂P1及び第2の溶融樹脂P2の流れ方向と非平行である樹脂製パネル1を構成する。
本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1は、図2に示す成形装置を用いることで、樹脂製パネル1の軽量化を図ることができる。ここで、樹脂製パネル1の剛性を高めるためには、通常、ガラス繊維などの異方性の大きなフィラーを樹脂に混合させて成形することが好ましい。しかし、ガラス繊維などの異方性の大きなフィラーを混合させた樹脂を押出装置12から押し出してリブ3aを有する樹脂製パネル1を成形すると、最終的に成形された樹脂製パネル1に反りが発生してしまう場合がある。この反りは、樹脂製パネル1に形成するリブ3aの長手方向が押出装置12から押し出されて流れ出た樹脂の流れ方向と平行な場合に、顕著に発生する。このため、板状のフィラーを混合させた樹脂を押出装置12から押し出して、リブ3aの長手方向が押出装置12から押し出されて流れ出た樹脂の流れ方向と非平行に形成された樹脂製パネル1を成形した。その結果、反りが発生することなく、所望の剛性を有する樹脂製パネル1を得ることができた。
従って、板状のフィラーを混合させた樹脂を押出装置12から押し出して、リブ3aの長手方向が押出装置12から押し出されて流れ出た樹脂の流れ方向と非平行に形成された樹脂製パネル1を得ることで、樹脂製パネル1の軽量化、高剛性を図ると共に、反りのない樹脂製パネル1を得ることができる。以下、添付図面を参照しながら、本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1について詳細に説明する。
<樹脂製パネル1の構成例>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の樹脂製パネル1の構成例について説明する。図1は、樹脂製パネル1の構成例を示す図であり、図1(a)は、樹脂製パネル1の全体斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す樹脂製パネル1の上面図であり、図1(c)は、図1(a),(b)に示す樹脂製パネル1のA-A'断面図であり、図1(d)は、図1(a),(b)に示す樹脂製パネル1のB-B'断面図である。
本実施形態の樹脂製パネル1は、図1(a)に示すように、表壁2と裏壁3と周囲壁4と補強材ユニット5とを有して構成する。本実施形態の樹脂製パネル1は、図1(c),(d)に示すように、表壁2と裏壁3とが所定の間隔をおいて対向し、表壁2と裏壁3との周囲を周囲壁4で繋いでいる。また、表壁2と裏壁3との間に中空部6を有し、補強材ユニット5は、表壁2と裏壁3との間に配置している。
また、本実施形態の樹脂製パネル1は、図1(a)に示すように、表壁2の表面に装飾などのための化粧部材7が貼着されており、図1(c),(d)に示すように、裏壁3、表壁2、化粧部材7で積層構造を構成している。なお、化粧部材7を貼着しないようにすることも可能である。
また、本実施形態の樹脂製パネル1は、裏壁3の一部を表壁2に向けて窪ませて表壁2の内面に溶着した複数のリブ3aを有して構成し、樹脂製パネル1の剛性および強度を向上させることにしている。本実施形態のリブ3aは、有底であり、リブ3aの底部が表壁2の内面に溶着している。図1では、リブ3aとして、スリットリブを設けた例を示しているが、インナーリブを設けることも可能である。また、リブ3aの数も特に限定せず、樹脂製パネル1の形状に応じて任意の数のリブ3aを設けることが可能である。
リブ3aの形状としては、例えば、図1(b)に示すように、裏壁3の外表面においてリブ3aの形状に長手部分3a1と短手部分3a2とを有する形状であれば、任意の形状で構成することが可能である。長手部分3a1は、リブ3aの長手方向を構成する部分である。短手部分3s2は、リブ3aの短手方向を構成する部分である。リブ3aは、例えば、直線形状、曲線形状、長方形状、楕円形状などの長手部分と短手部分とを有する形状で構成することが可能である。図1(b)においてリブ3aの短手部分3a2は、B-B'の方向である。B-B'の方向は、裏壁3、表壁2を構成する樹脂の流れ方向である。図1(b)においてリブ3aの長手部分3a1は、A-A'の方向である。A-A'の方向は、樹脂の流れ方向B-B'と直交する方向である。
本実施形態の樹脂製パネル1は、板状のフィラーを含んだ樹脂で構成すると共に、リブ3aの長手部分3a1が樹脂の流れ方向B-B'と直交する方向A-A'に形成されている。このため、反りの発生のない樹脂製パネル1を得ることができる。板状のフィラーとしては、ガラス繊維よりも異方性の小さいタルクやマイカなどがあげられる。なお、リブ3aの長手部分3a1が樹脂の流れ方向B-B'と平行な方向に形成されている場合は、樹脂製パネル1を構成する樹脂によっては、反りの発生がある樹脂製パネル1を得ることになる。図1に示す樹脂製パネル1は、樹脂の流れ方向B-B'と直交する方向A-A'に2つのリブ3aを離間して設けている。なお、樹脂の流れ方向B-B'と直交する方向A-A'に離間して設けるリブ3aの数は、特に限定せず、任意の数のリブ3aを配置することが可能である。
また、本実施形態の樹脂製パネル1は、裏壁3に当接面31を有している。当接面31は、例えば、自動車内の別部材上に樹脂製パネル1を載置する際にその別部材と接する部分であり、この当接面31が別部材と当接し、樹脂製パネル1を別部材上に載置する。このため、当接面31を掛け渡すように補強材ユニット5を配置することで、樹脂製パネル1の強度を向上させることができる。また、補強材ユニット5の長手方向と直交する方向に対する強度を向上させることができる。なお、当接面31の形状や位置は、図1(a),(b)に示す平坦形状や位置に限定せず、樹脂製パネル1を別部材上に載置する際の樹脂製パネル1と別部材との当接関係に応じて任意に変更することが可能である。例えば、図1の樹脂製パネル1は、補強材ユニット5を配置しているが、補強材ユニット5を配置しない構成もある。この場合は、リブ3aの長手方向の延長線上に当接面31を有するように構成する。これにより、樹脂製パネル1の強度を向上させることができる。
本実施形態の樹脂製パネル1は、樹脂製パネル1の軽量化を図りつつ、当接面31を有する裏壁3に複数のリブ3aを形成している。このため、裏壁3の当接面31を変形し難く割れ難くするために、裏壁3の平均肉厚を1.1mm以上1.7mm以下の範囲で構成している。また、表壁2は、裏壁3のようにリブ3aを形成しないため、表壁2の平均肉厚を0.7mm以上1.2mm以下の範囲で構成している。これにより、樹脂製パネル1の軽量化を図ると共に、他部材と当接する裏壁3の当接面31が変形し難く割れ難い樹脂製パネル1を得ることができる。
例えば、裏壁3の平均肉厚を1.1mm未満で構成すると、リブ3aが形成される部分は更に薄肉になるため、ピンホールが発生し易くなったり、また、当接面31が変形し易くなったり割れ易くなったりしてしまう。このため、裏壁3の平均肉厚を1.1mm以上で構成している。また、裏壁3の平均肉厚を1.7mmより厚く構成すると、無駄に厚くなり、樹脂製パネル1の軽量化を図ることが困難になる。また、裏壁3と表壁2との肉厚差が大きくなり、裏壁3と表壁2との間の距離が変化し、当接面31が変形し易くなってしまう。このため、裏壁3の平均肉厚を1.1mm以上1.7mm以下の範囲で構成している。また、表壁2も裏壁3とほぼ同様な理由で表壁2の平均肉厚を0.7mm以上1.2mm以下の範囲で構成している。これにより、樹脂製パネル1の軽量化を図ると共に、他部材と当接する裏壁3の当接面31が変形し難く割れ難い樹脂製パネル1を得ることができる。なお、本実施形態の樹脂製パネル1は、裏壁3の平均肉厚を1.1mm以上1.7mm以下の範囲で構成し、表壁2の平均肉厚を0.7mm以上1.2mm以下の範囲で構成することで、化粧部材7がない状態での成形品重量を2.5〜4.2kg/m2にし、樹脂製パネル1の軽量化を図ることを可能にすると共に、裏壁3の当接面31を変形し難く割れ難くさせることを可能にしている。但し、成形品重量は、表壁2が裏壁3よりも軽くなっている。
なお、本実施形態において、表壁2、裏壁3の平均肉厚とは、表壁2および裏壁3の長手方向に沿って略等間隔に設定された少なくとも10箇所(但し、リブ3aが形成されていない図1(b)に示すa1〜a10の10箇所)で測定された肉厚の平均値を意味する。例えば、図1に示す樹脂製パネル1の構成例の場合は、図1(b)に示すように、表壁2においてリブ3aが設けられていない各部位a1〜a10の10箇所で測定された肉厚の平均値である。裏壁3は、表壁2で測定した各部位a1〜a10と対向する位置の各部位で測定された肉厚の平均値である。
また、表壁2と裏壁3とを構成する樹脂シートP1,P2は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル等の樹脂、または、これらをブレンドした混合樹脂に対して、板状のフィラーを混合した材料を用いて構成する。板状のフィラーとしては、ガラス繊維よりも異方性の小さいタルクやマイカなどがあげられる。また、表壁2と裏壁3とは、ドローダウン、ネックインなどにより肉厚のバラツキが発生するのを防止する観点から溶融張力の高い樹脂材料を用いることが好ましく、一方で金型への転写性、追従性を良好とするため流動性の高い樹脂材料を用いることが好ましい。なお、樹脂製パネル1の高剛性を図るためには、板状のフィラーを用いることが好ましい。これは、板状のフィラーを用いることで、樹脂製パネル1の剛性を向上させることができることを各種実験を重ねることで発見したためである。
化粧部材7を構成する材料は、公知の材料が適用可能である。例えば、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維およびこれらのブレンドからなる繊維を加工して得られる編物、織物、不織布、または、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性ポリウレタンエラストマ(TPU)または熱可塑性ポリオレフィンエラストマ(TPO)などの熱可塑性エラストマ(TPE)、ポリエチレンポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる樹脂シートおよびこれらの積層シートから適宜選択可能である。
補強材ユニット5を構成する材料は、公知の材料が適用可能である。例えば、金属製(アルミ等)、あるいは、硬質のプラスチック製が適用可能である。また、補強材ユニット5の形状も図1に示す形状に限定せず、任意の形状で構成することが可能である。例えば、筒形状、C型、コの字型等の形状で構成することも可能である。但し、図1に示す樹脂製パネル1は、裏壁3にリブ3aを形成するため、リブ3aが形成されていない箇所に補強材ユニット5を配置する必要がある。
<樹脂製パネル1の成形方法例>
次に、図2〜図10を参照しながら、本実施形態の樹脂製パネル1の成形方法例について説明する。図2は、樹脂製パネル1を成形する成形装置の構成例を示し、図3〜図10は、樹脂製パネル1を成形する工程例を示す図であり、図2に示す押出装置12のTダイ28側から樹脂シートPと分割金型32とを見た状態を示す。
本実施形態の樹脂製パネル1は、図2に示す成形装置を用いて成形することができる。図2に示す成形装置は、押出装置12と、型締装置14と、を有し、押出装置12から押し出された溶融状態の樹脂シートP1,P2を型締装置14に送り、型締装置14で樹脂シートP1,P2を型締めし、図1に示す樹脂製パネル1を成形する。樹脂シートP1は、裏壁3を構成し、樹脂シートP2は、表壁2を構成する。
本実施形態の樹脂製パネル1は、裏壁3にリブ3aが形成されるため、図2〜図10に示すように、リブ3aを形成するための突出部33が裏壁3側を成形する一方の分割金型32Bのキャビティ116Bに複数設けられている。突出部33は、裏壁3に形成されるリブ3aに応じた形状で構成し、表壁2側を構成する他方の分割金型32Aに向かって突出するようにキャビティ116Bに設けられる。図2に示す突出部33は、図1に示す樹脂製パネル1の長手方向のリブ3aを形成するものであり、図3〜図10に示す突出部33は、図1に示す樹脂製パネル1の短手方向のリブ3aを形成するものである。
また、本実施形態の樹脂製パネル1は、表壁2よりも裏壁3の肉厚を相対的に厚くして構成するため、表壁2を構成する樹脂シートP2よりも裏壁3を構成する樹脂シートP1の肉厚を厚くしている。以下、本実施形態の樹脂製パネル1の成形方法例について詳細に説明する。
図1に示すように、表壁2の表面に化粧部材7を設ける場合は、図3に示すように、シート状の化粧部材7を、分割金型32Aに設けた仮止ピン(図示せず)により、分割金型32Aのキャビティ116Aを覆うように仮止めする。
次に、図2に示すように、樹脂シートP1,P2を押出装置12のTダイ28から押し出し、その押し出した樹脂シートP1,P2を一対のローラ30を通過させて樹脂シートP1,P2の肉厚を調整し、一対の分割金型32の間に垂下させる。
押出装置12の押出の能力は、成形する樹脂製パネル1の大きさ、樹脂シートP1,P2のドローダウンあるいはネックイン発生防止の観点から適宜選択する。より具体的には、実用的な観点から、間欠押出における1ショットの押出量は好ましくは1〜10kgであり、押出スリットからの樹脂シートP1,P2の押出速度は、数百kg/時以上、より好ましくは、700kg/時以上である。また、樹脂シートP1,P2のドローダウンあるいはネックイン発生防止の観点から、樹脂シートP1,P2の押出工程はなるべく短いのが好ましく、樹脂の種類、MFR値、MT値に依存するが、一般的に、押出工程は40秒以内、より好ましくは、10〜20秒以内に完了するのがよい。このため、押出スリットからの単位面積、単位時間当たりの樹脂シートP1,P2の押出量は、50kg/時cm2以上、より好ましくは、150kg/時cm2以上である。
本実施形態の押出装置12は、表壁2の肉厚が裏壁3の肉厚と略同じ、または、薄肉となるように、また、表壁2が裏壁3よりも軽くなるように、表壁2を構成する第2の溶融樹脂シートP2の肉厚を、裏壁3を構成する第1の溶融樹脂シートP1の肉厚よりも薄肉にして押し出す。例えば、表壁2を構成する樹脂シートP2の肉厚は、最終成形品の樹脂製パネル1の表壁2の平均肉厚が0.7mm以上1.2mm以下の範囲となるように調整する。また、裏壁3を構成する樹脂シートP1は、最終成形品の樹脂製パネル1の裏壁3の平均肉厚が1.1mm以上1.7mm以下の範囲となるように調整する。樹脂シートP1,P2の肉厚は、押出スリットの間隔、ローラ30の間隔、ローラ30の回転速度を調整することで変更することができる。
但し、樹脂シートP1,P2は、ドローダウン、ネックインなどにより肉厚のバラツキが発生することを防止する観点から溶融張力の高い樹脂材料を用いることが好ましく、一方で分割金型32への転写性、追従性を良好とするため流動性の高い樹脂材料を用いることが好ましい。例えば、樹脂シートP1,P2は、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンペンテン、メチルペンテン等のオレフィン類の単独重合体あるいは共重合体であるポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン)であって、230℃におけるMFR(JIS K-7210に準じて試験温度230℃、試験荷重2.16kgにて測定)が3.0g/10分以下、さらに好ましくは、0.3〜1.5g/10分のもの、または、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等の非晶性樹脂であって、200℃におけるMFR(JIS K-7210に準じて試験温度200℃、試験荷重2.16kgにて測定)が3.0〜60g/10分、さらに好ましくは、30〜50g/10分でかつ、230℃におけるメルトテンション(株式会社東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、余熱温度230℃、押出速度5.7mm/分で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスからストランドを押し出し、このストランドを直径50mmのローラに巻取速度100rpmで巻き取ったときの張力を示す)が50mN以上、好ましくは120mN以上のものを用いて形成される。
本実施形態の成形装置は、一対のローラ30の回転により一対のローラ30間に挟み込まれた樹脂シートP1,P2を下方に送り出すことで、樹脂シートP1,P2を延伸薄肉化することが可能であり、樹脂シートP1,P2の押出速度と、樹脂シートP1,P2が一対のローラ30により下方に送り出される送出速度と、の相対速度差を、一対のローラ30の回転速度で調整することで、ドローダウンあるいはネックインの発生を防止することが可能である。このため、樹脂の種類、特に、MFR値およびMT値、あるいは単位時間当たりの押出量に対する制約を小さくすることができる。
本実施形態の成形装置は、樹脂シートP1,P2を分割金型32の間に配置し、枠部材駆動装置(図示せず)により枠部材128を対応する樹脂シートP1,P2に向けて移動し、図4に示すように、枠部材128を樹脂シートP1,P2に当接し、樹脂シートP1,P2を枠部材128で保持する。枠部材128は、開口130を有しており、枠部材128で樹脂シートP1,P2を保持する。
次に、枠部材128を分割金型32に向けて移動し、図5に示すように、分割金型32のピンチオフ部118に樹脂シートP1,P2を当接し、樹脂シートP1,P2、ピンチオフ部118、キャビティ116により密閉空間117を形成する。また、マニピュレータ(図示せず)の吸着盤119で保持された補強材ユニット5(図1参照)を、図5に示すように分割金型32の間に挿入する。なお、図5に示す補強材ユニット5は、図1(c)に示す補強材ユニット5を示す。補強材ユニット5を吸着盤119で保持する位置は特に限定せず、任意の位置で保持することが可能である。
次に、分割金型32Bを通じて密閉空間117B内を吸引し、裏壁3を構成する樹脂シートP1をキャビティ116Bに対して押圧し、図6に示すように、裏壁3を構成する樹脂シートP1をキャビティ116Bの凹凸表面に沿った形状に賦形する。本実施形態の分割金型32Bの内部には、真空吸引室(図示せず)が設けられており、真空吸引室は、吸引穴を介してキャビティ116Bに連通し、真空吸引室から吸引穴を介して吸引することにより、樹脂シートP1をキャビティ116Bに向かって吸着させ、樹脂シートP1をキャビティ116Bの外表面に沿った形状に賦形している。また、キャビティ116Bの外表面に設けた突出部33により、樹脂シートP1の外表面にリブ3aを形成している。これにより、樹脂シートP1に複数のリブ3aが形成される。
また、マニピュレータを分割金型32Bに向けて移動し、図7に示すように、分割金型32Bのキャビティ116Bに吸着された樹脂シートP1に補強材ユニット5を押し付け、補強材ユニット5を樹脂シートP1に貼り付ける。この時、補強材ユニット5の両端が裏壁3の当接面31(図1参照)上に位置するように補強材ユニット5を樹脂シートP1に貼り付ける。
本実施形態の樹脂シートP1,P2は、樹脂製パネル1の剛性を向上させるため、板状のフィラーを多く含んでいる。ブロー成形においてフィラーを多く含んだ樹脂を用いると、樹脂の伸びが悪いため、図1に示すようなリブ3aを有する樹脂製パネル1を形成することが困難である。特に、ブロー成形においてフィラーを20%以上含んでしまうと樹脂製パネル1を成形することが困難になる。これに対し、本実施形態では、図2に示す成形装置を用いて押出装置12から押し出された溶融状態の樹脂シートP1,P2を分割金型32のキャビティ116面に吸引し、樹脂シートP1,P2をキャビティ116に沿った形状に賦形して樹脂製パネル1を成形している。このため、フィラーを多く含んでいても図1に示すリブ3aを有する樹脂製パネル1を容易に成形することができる。図2に示す成形装置を用いた場合は、板状のフィラーを20〜50%の範囲で含ませることができる。
本実施形態の樹脂製パネル1を成形する際に用いられる板状のフィラーとしては、ガラス繊維よりも異方性の小さいタルクやマイカなどが挙げられる。板状のフィラーは、成形樹脂に対して20wt%〜50wt%、好ましくは、25〜40wt%混合する。
本実施形態では、押出装置12のTダイ28から押し出す溶融状態の樹脂シートP1,P1を押出装置12で溶融・混練して形成する前に、その樹脂シートP1,P2を構成する各材料をドライブレンドしている。このため、樹脂シートP1,P2に使用する樹脂は、ドライブレンドの乾燥工程において、その乾燥温度(80℃程度)に耐えられる樹脂を含んで構成することが好ましい。この種の樹脂は、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)があげられる。但し、PEにおいては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)よりもHDPE(高密度ポリエチレン)の方が好ましい。樹脂シートP1,P2に使用する樹脂としては、PP+PEの混合樹脂を用いることが好ましい。なお、樹脂シートP1,P2に着色材を混合することも可能である。
次に、吸着盤119を補強材ユニット5から脱着し、マニピュレータを2つの分割金型32の間から引き抜くと共に、表壁2を構成する樹脂シートP2をキャビティ116Aに対して押圧し、図8に示すように、樹脂シートP2をキャビティ116Aに沿った形状に賦形する。なお、本実施形態の分割金型32Aの内部にも、真空吸引室(図示せず)が設けられており、真空吸引室は、吸引穴を介してキャビティ116Aに連通し、真空吸引室から吸引穴を介して吸引することにより、樹脂シートP2をキャビティ116Aに向かって吸着させ、樹脂シートP2をキャビティ116Aの外表面に沿った形状に賦形している。
次に、金型駆動装置により2つの分割金型32を型締めし、図9に示すように、分割金型32Aのキャビティ116Aに吸着された樹脂シートP2に補強材ユニット5およびリブ3aを押し付け、補強材ユニット5およびリブ3aを樹脂シートP2に貼り付ける。また、2枚の樹脂シートP1,P2同士の周辺が溶着されパーティングラインPLが形成される。
なお、本実施形態では、分割金型32で型締めし、補強材ユニット5と樹脂シートP1,P2とが一体化した樹脂製パネル1を成形する際は、分割金型32により補強材ユニット5と樹脂シートP1,P2とを圧縮することが好ましい。これにより、補強材ユニット5と樹脂シートP1,P2との接着強度を更に向上させることができる。
以上の工程により、補強材ユニット5を溶融状態の樹脂シートP1,P2で挟み込んで成形した樹脂製パネル1が完成する。
次に、図10に示すように、2つの分割金型32を型開きし、完成した樹脂製パネル1からキャビティ116を離間させ、パーティングラインPLの周りに形成されたバリを除去する。以上で、図1に示す樹脂製パネル1の成形が完了する。
<本実施形態の樹脂製パネル1の作用・効果>
このように、本実施形態の樹脂製パネル1を成形する場合は、まず、図2に示すように、最終的に成形される図1に示す樹脂製パネル1において、表壁2の肉厚は、裏壁3の肉厚と略同じ、または、薄肉となるように、また、表壁2が裏壁3よりも軽くなるように、表壁2を構成する第2の溶融樹脂シートP2の肉厚を、裏壁3を構成する第1の溶融樹脂シートP1の肉厚よりも薄肉にして押出装置12から押し出す。
次に、図6に示すように、第1の樹脂シートP1を分割金型32Bのキャビティ116Bに沿った形状に賦形し、第1の樹脂シートP1を突出部33に沿った形状に引き伸ばしてリブ3aを形成する。これにより、裏壁3を構成する第1の樹脂シートP1にリブ3aが形成される。
次に、図7に示すようにリブ3aが形成された第1の樹脂シートP1に補強材ユニット5を貼り付ける。
次に、図9に示すように、一対の分割金型32を型締めして、裏壁3を構成する第1の樹脂シートP1と、表壁2を構成する第2の樹脂シートP2と、の周縁同士を溶着すると共に、第1の樹脂シートP1に形成したリブ3aの先端を第2の樹脂シートP2に溶着する。また、補強材ユニット5を第2の樹脂シートP2に貼り付ける。これにより、図1に示す樹脂製パネル1を成形することができる。
本実施形態の樹脂製パネル1は、押出装置12から押し出されて流れ出た裏壁3を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の樹脂シートP1と、表壁2を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の樹脂シートP2と、を分割金型32で型締めすることで、裏壁3と、表壁2と、リブ3aと、を構成し、リブ3aの長手方向は、第1の樹脂シートP1及び第2の樹脂シートP2の流れ方向と非平行である樹脂製パネル1を構成する。
従って、本開示の一態様にかかる樹脂製パネル1は、樹脂製パネル1の軽量化、高剛性を図ると共に、反りのない樹脂製パネル1を得ることができる。
<実施例>
次に、上述した樹脂製パネル1に関する具体的な実施例について説明する。但し、以下の実施例は、一例であり、本実施形態の技術思想は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
図11は、本実施例の樹脂製パネル1の構成を示す図である。(a)は、樹脂製パネル1の全体斜視図であり、裏壁3を上面にした状態を示している。(b)は、(a)に示すF-F'断面図であり、(c)は、(a)に示すE-E'断面図である。図11に示す樹脂製パネル1は、上述した図2に示す成形装置を用いて成形することができる。図11において、Tは、樹脂製パネル1を成形する樹脂の流れ方向を示し、Rは、樹脂の流れ方向と直交する方向を示している。また、Rは、リブ3aの長手方向を示してもいる。
本実施例の樹脂製パネル1は、表壁2と裏壁3と周囲壁4とを有して構成する。本実施例の樹脂製パネル1は、図11(b),(c)に示すように、表壁2と裏壁3とが所定の間隔をおいて対向し、表壁2と裏壁3との周囲を周囲壁4で繋いでいる。また、表壁2と裏壁3との間に中空部6を有している。本実施例の樹脂製パネル1は、図1に示す樹脂製パネル1のように補強材ユニット5や、化粧部材7を用いずに構成している。また、裏壁3の外表面においてリブ3aの長手方向が樹脂の流れ方向Tと直交する方向Rに形成されている。また、樹脂の流れ方向Tと直交する方向Rに複数のリブ3aが離間して形成されている。また、その離間して形成された複数のリブ3aが樹脂の流れ方向Tに互い違いに交互に形成されている。本実施例の樹脂製パネル1は、外形形状が約1080mm×510mmであり、全周に当接面31を有している。
(実施例1)
以下のタルク配合の材料の樹脂シートP1,P2を用いて、製品の推奨重量が3000g/m2の図11に示す樹脂製パネル1を成形した。
タルク配合:PP(ポリプロピレン樹脂)+PE(ポリエチレン樹脂)の混合樹脂にタルク30%を混合。
実施例1の樹脂製パネル1は、反りが発生しなかった。
実施例1の樹脂製パネル1の裏壁3の全周に設けられた内寸1000mm×440mmの当接面31で他部材と当接し、樹脂製パネル1を支持した。そして、図11(a)に示す樹脂製パネル1の中心位置に常温環境下(23℃±2℃)でφ60mmの負荷子で所定の重さの加重を負荷し、数秒後の樹脂製パネル1の変位を測定した。また、樹脂製パネル1に所望の剛性があるか試験した。樹脂製パネル1の中心位置は、樹脂製パネル1の長手方向の中央と、樹脂製パネル1の短手方向の中央と、が交わる交点の位置である。実施例1の樹脂製パネル1は、たわみが少なかった。また、樹脂製パネル1に所望の剛性があることが判明した。
(比較例1)
実施例1と同様のタルク配合の材料の樹脂シートP1,P2を用いて、製品の推奨重量が3000g/m2の図13に示す樹脂製パネルを成形した。図13に示す樹脂製パネルは、図11に示す樹脂製パネル1と異なり、リブ3aの長手方向Rが樹脂の流れ方向Tと平行に形成されている。比較例1は、実施例1のリブ3aの長手方向の向きを樹脂の流れ方向Tと平行にしただけである。
比較例1の樹脂製パネルは、反りが発生しなかった。
比較例1の樹脂製パネルの裏壁3の全周に設けられた内寸1000mm×440mmの当接面31で他部材と当接し、樹脂製パネルを支持した。そして、図13に示す樹脂製パネルの中心位置に常温環境下(23℃±2℃)でφ60mmの負荷子で所定の重さの加重を負荷し、数秒後の樹脂製パネルの変位を測定した。また、樹脂製パネルに所望の剛性があるか試験した。比較例1の樹脂製パネルは、実施例1に比べてたわみが多かった。また、樹脂製パネルに所望の剛性がないことが判明した。
(比較例2)
以下のガラス配合の材料の樹脂シートP1,P2を用いて、製品の推奨重量が3000g/m2の図11に示す樹脂製パネルを成形した。比較例2は、実施例1の樹脂シートP1,P2に混合するタルクをガラス短繊維にしただけである。
ガラス配合:PP(ポリプロピレン樹脂)+PE(ポリエチレン樹脂)の混合樹脂にガラス短繊維30%を混合。ガラス短繊維は、繊維長0.2〜0.5mmのガラス繊維である。
比較例2の樹脂製パネルは、反りが発生しなかった。
比較例2の樹脂製パネルの裏壁3の全周に設けられた内寸1000mm×440mmの当接面31で他部材と当接し、樹脂製パネルを支持した。そして、図11(a)に示す樹脂製パネルの中心位置に常温環境下(23℃±2℃)でφ60mmの負荷子で所定の重さの加重を負荷し、数秒後の樹脂製パネルの変位を測定した。また、樹脂製パネルに所望の剛性があるか試験した。比較例2の樹脂製パネルは、実施例1に比べてたわみが多かった。また、樹脂製パネルに所望の剛性がないことが判明した。
(比較例3)
比較例2と同様のガラス配合の材料の樹脂シートP1,P2を用いて、製品の推奨重量が3000g/m2の図13に示す樹脂製パネルを成形した。図13に示す樹脂製パネルは、図11に示す樹脂製パネル1と異なり、リブ3aの長手方向Rが樹脂の流れ方向Tと平行に形成されている。比較例3は、比較例2のリブ3aの長手方向の向きを樹脂の流れ方向Tと平行にしただけである。
比較例3の樹脂製パネルは、反りが発生した。
比較例3の樹脂製パネルの裏壁3の全周に設けられた内寸1000mm×440mmの当接面31で他部材と当接し、樹脂製パネルを支持した。そして、図13に示す樹脂製パネルの中心位置に常温環境下(23℃±2℃)でφ60mmの負荷子で所定の重さの加重を負荷し、数秒後の樹脂製パネルの変位を測定した。また、樹脂製パネルに所望の剛性があるか試験した。比較例3の樹脂製パネルは、実施例1に比べてたわみが多かった。また、樹脂製パネルに所望の剛性があることが判明した。比較例3の樹脂製パネルに所望の剛性があるのは、樹脂の流れ方向Tに異方性のあるガラス繊維が配向し、ガラス繊維の配向方向とリブ3aの長手方向とが平行になるためである。但し、この比較例3の樹脂製パネルの場合は、反りが顕著に発生するため、製品には好ましくない。
実施例1、比較例1〜3の試験結果を図12に示す。
図12に示す試験結果から明らかなように、タルクを混合した樹脂シートP1,P2で、図11に示すように、リブ3aの長手方向が樹脂の流れ方向Tと直交する方向Rに形成された樹脂製パネル1を成形することで、樹脂製パネル1に反りが発生せず、所望の剛性がある樹脂製パネル1を得ることが判明した。
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述する実施形態では、樹脂シートP1,P2を同一の材料を使用することを前提として説明した。しかし、樹脂シートP1,P2を別々の材料を使用することも可能である。
また、上述した実施形態では、1枚の樹脂製パネル1を例に説明した。しかし、例えば、第1の樹脂製パネルと第2の樹脂製パネルとをヒンジ部を介して連結した樹脂製パネルを構成することも可能である。
また、上述した実施形態では、溶融状態の樹脂シートP1,P2に補強材ユニット5を貼り付けて型締めすることで樹脂製パネル1の内部に補強材ユニット5を配置することにした。しかし、樹脂製パネル1を成形した後に、樹脂製パネル1の側面から補強材ユニット5を挿入して樹脂製パネル1の内部に補強材ユニット5を配置することも可能である。但し、図1に示すように長方形状の補強材ユニット5の場合は、成形後の樹脂製パネル1の側面から挿入することも可能であるが、互いに異方向を向く複数の補強材で構成した梯子形状の補強材ユニット等の形状の場合は、上述した実施形態の成形方法のように、溶融状態の樹脂シートP1,P2に梯子形状の補強材ユニットを貼り付けて成形することが好ましい。
また、上述した実施形態では、図1に示すように、樹脂製パネル1の内部に補強材ユニット5を配置することにした。しかし、図11に示すように、補強材ユニット5を配置しないようにすることも可能である。
1 樹脂製パネル
2 表壁
3 裏壁
3a リブ
3a1 長手部分
3a2 短手部分
31 当接面
4 周囲壁
5 補強材ユニット
6 中空部
7 化粧部材

Claims (7)

  1. 裏壁と、前記裏壁と間隔をおいて対向する表壁と、前記裏壁の一部を前記表壁に向けて窪ませて前記表壁の内面に溶着したリブと、を有する樹脂製パネルであって、
    押出装置から押し出されて流れ出た前記裏壁を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の溶融樹脂と、前記表壁を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の溶融樹脂と、を分割金型で型締めすることで、前記裏壁と、前記表壁と、前記リブと、を構成し、前記リブの長手方向は、前記第1の溶融樹脂及び前記第2の溶融樹脂の流れ方向と非平行である、ことを特徴とする樹脂製パネル。
  2. 前記板状のフィラーは、タルクである、ことを特徴とする請求項1記載の樹脂製パネル。
  3. 前記リブの長手方向は、前記流れ方向と直交する方向である、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂製パネル。
  4. 前記裏壁は、前記リブの長手方向の延長線上に、他部材と当接する当接面を有する、ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の樹脂製パネル。
  5. 裏壁と、前記裏壁と間隔をおいて対向する表壁と、前記裏壁の一部を前記表壁に向けて窪ませて前記表壁の内面に溶着したリブと、を有する樹脂製パネルを、一対の分割金型を用いて成形する成形方法であって、
    押出装置から押し出されて流れ出た前記裏壁を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第1の溶融樹脂と、前記表壁を構成する板状のフィラーを混合した溶融状態の第2の溶融樹脂と、を一対の分割金型間に垂下させる垂下工程と、
    前記第1の溶融樹脂と前記第2の溶融樹脂とを前記分割金型のキャビティ面に吸引し、前記第1の溶融樹脂と前記第2の溶融樹脂とを前記キャビティに沿った形状に賦形する賦形工程と、
    前記分割金型を型締めし、前記リブの長手方向が、前記第1の溶融樹脂及び前記第2の溶融樹脂の流れ方向と非平行に形成された前記樹脂製パネルを成形する成形工程と、を有することを特徴とする成形方法。
  6. 前記板状のフィラーは、タルクである、ことを特徴とする請求項5記載の成形方法。
  7. 一方の分割金型のキャビティには、他方の分割金型に向かって突出する前記リブを形成するための突出部が設けられており、
    前記賦形工程は、前記第1の溶融樹脂を前記突出部に沿った形状に引き伸ばして前記リブを形成する、ことを特徴とする請求項5または請求項6記載の成形方法。
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