JP2015050101A - 鉛バッテリー及び鉛バッテリーの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サルフェーションが効果的に防止され、エンジンの安定した始動が可能な高いバッテリー出力を有し、バッテリー出力の早期のリカバリーが可能な鉛バッテリーを提供すること。
【解決手段】本発明の鉛バッテリーは、希硫酸を電解液として用い、該電解液が、30気圧以上の圧力がかけられた水、又は鉱石由来の電磁波が照射された水を含む。また本発明の鉛バッテリーの処理方法は、処理対象の鉛バッテリーに、下記処理A〜Dの何れか1つを施す工程を有する。処理A:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、30気圧以上の圧力をかける。処理B:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、鉱石由来の電磁波を照射する。処理C:処理対象の鉛バッテリーを、30気圧以上の圧力がかけられた水、又は鉱石由来の電磁波が照射された水に浸漬する。処理D:処理対象の鉛バッテリーに、30気圧以上の圧力をかけた水、又は鉱石から発生する電磁波を照射した水を注入する。
【選択図】なし

Description

本発明は、希硫酸を電解液として用いた鉛バッテリー、特に、新品鉛バッテリーの性能向上又は中古鉛バッテリーの再生に関わる鉛バッテリーの処理方法に関し、電気化学分野に属する。
鉛バッテリー(鉛蓄電池)は、充電及び放電を繰り返し行うことが可能な二次電池として、車両、船舶、航空機等の移動体においてエンジン始動用等に多用されている。例えば自動車においては、昨今燃費低減のため、車速の低下を検知してエンジンを停止し、運転手の発進操作を検知してエンジンを再始動する、いわゆるアイドルストップ機構が採用されるようになってきているところ、このアイドルストップ機構により、特に都市部での自動車の運転中にエンジンの停止・始動が頻繁に行われるケースが増えてきており、斯かるケースに対応すべく、鉛バッテリーには、エンジンの安定した始動性とエンジン始動後のバッテリーの出力の早期のリカバリー(復元)が求められている。
また、石油代替エネルギーが注目されている昨今、化石燃料の使用割合の低い夜間電力や太陽光発電等の石油代替エネルギーを二次電池に充電し、それに蓄電された電力を用い、昼間の商用電力の代替や、最大電力使用時にピークカットが行われるようになり、この用途の蓄電池には、リチウムイオン二次電池(以下、LiBともいう)や鉛蓄電池が主に用いられている。LiBは高容量であるが、0℃以下で容量が低下し、充放電の低温特性が悪く、寒冷地での使用には制限があり、また、希少金属やグラファイト等を使用しているため、鉛を主な材料として構成されている鉛蓄電池に比べて製造コストが高い。そのため、大きさや重量の制限が比較的緩い据置型蓄電池用途、特に容量が10kWhを超える高容量の据置型蓄電池用途には、鉛蓄電池が主に用いられる傾向にある。据置型蓄電池用途の鉛蓄電池には、長寿命が求められる。
ところで、自動車に搭載された鉛バッテリーは、放電することによりエンジン始動、ライト作動等の動作に必要な電力の供給を行い、使用後(放電後)は、自動車に備えられている発電機によって充電される。しかし、これらの放電と充電を繰り返すうちに、バッテリーの陽極(PbO2)及び陰極(Pb)の表面に、不導体の性質を有する硫酸鉛(PbSO4)の結晶被膜(サルフェーション)が生成される。このサルフェーションにより、充電及び放電に寄与できる電極板の表面積が狭くなって容量が低下すると共に内部抵抗が上昇し、充電しても十分な電圧まで達することが不可能となり、鉛バッテリーの寿命が尽きることになる。このように、鉛バッテリーの寿命にはサルフェーションが深く関与しており、鉛バッテリーの寿命延長にはサルフェーションの防止技術が重要となる。
サルフェーションの防止技術に関し、例えば特許文献1には、鉛バッテリーの電解液である希硫酸に、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリビニルアルコール等の非イオン性分散剤を添加することにより、電解液の分散性を向上させ、電極板に生じるサルフェーションの溶解還元反応を促し、生成したサルフェーションを溶解又は分解除去することが開示されている。
特開2012−22809号公報
前述したように、鉛バッテリー(鉛蓄電池)に対する主要な市場ニーズとしては、長寿命化のためサルフェーションの防止、エンジン始動性向上のためバッテリー出力の向上、エンジン始動後のバッテリー出力の早期のリカバリーが挙げられる。特許文献1記載技術(電解液への非イオン性分散剤の添加)に代替し得る新規な技術で、斯かる市場ニーズに十分に対応し得る技術は未だ提供されていない。
本発明の課題は、サルフェーションが効果的に防止され、エンジンの安定した始動が可能な高いバッテリー出力を有し、バッテリー出力の早期のリカバリーが可能な鉛バッテリーを提供することである。
本発明者らは、希硫酸を電解液として用いた鉛バッテリーにおいて、特許文献1に記載の如き、電解液への非イオン性分散剤の添加に代わる新たなサルフェーション防止技術について種々検討した結果、30気圧以上の圧力がかけられた水、又はラジウム鉱石由来の電磁波が照射された水を電解液に用いることにより、鉛バッテリーの酸化還元反応が促進されて、バッテリー出力の向上及びバッテリー出力の早期のリカバリーが可能になると共に、電解液の分散作用が向上し、それにより、サルフェーションの酸化還元反応が促進されてサルフェーションが効果的に防止されることを知見した。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、希硫酸を電解液として用いた鉛バッテリーであって、該電解液が、30気圧以上の圧力がかけられた水、又は鉱石由来の電磁波が照射された水を含む鉛バッテリーである。
また本発明は、前記知見に基づきなされたもので、希硫酸を電解液として用いた鉛バッテリーの性能向上又は再生を目的とする鉛バッテリーの処理方法であって、処理対象の鉛バッテリーに、下記処理A〜Dの何れか1つを施す工程を有する鉛バッテリーの処理方法である。また本発明は、この処理方法の実施により得られた鉛バッテリーである。
・処理A:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、30気圧以上の圧力をかける。
・処理B:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、鉱石由来の電磁波を照射する。
・処理C:処理対象の鉛バッテリーを、30気圧以上の圧力がかけられた水、又は鉱石由来の電磁波が照射された水に浸漬する。
・処理D:処理対象の鉛バッテリーに、30気圧以上の圧力をかけた水、又は鉱石から発生する電磁波を照射した水を注入する。
本発明によれば、サルフェーションが効果的に防止され、自動車等のエンジンを備えた移動体に搭載された場合には、エンジンの安定した始動が可能な高いバッテリー出力を有し、エンジン始動後のバッテリー出力の早期のリカバリーが可能な鉛バッテリーが提供される。
図1は、バッテリー出力のリカバリー性能評価に用いた装置の概略図である。 図2は、実施例6及び比較例2の中古バッテリーの再生試験結果(放電試験結果)を示す図であり、放電カーブB1〜B2が実施例6、放電カーブA1〜A5が比較例2である。
以下、先ず、本発明の鉛バッテリー(鉛蓄電池)について説明する。本発明の鉛バッテリーは希硫酸を電解液として用いるもので、その基本構成は、公知の鉛バッテリーのそれと同様にすることができる。本発明の鉛バッテリーの一実施形態として、電解液(希硫酸)の入った電槽の中に極板群を挿入して構成される、いわゆるベント式鉛バッテリーが挙げられる。ベント式鉛バッテリーは、一般に、電極板(正極板及び負極板)、あるいは電極板及びセパレータを含んで構成されるセルが、電槽の内部に電解液(希硫酸)と共に収納され、該電槽の上部開口が電槽蓋によって閉じられた構成が挙げられるが、本発明の鉛バッテリーは斯かる構成を有するものに限定されない。
本発明の鉛バッテリーの主たる特徴の1つとして、電解液(希硫酸)に含まれる水として、従来の鉛バッテリーの電解液に含まれる通常の水ではなく、水に特定の処理を施してこれを変性させた特定水を用いている点が挙げられる。この特定水は、具体的には、「30気圧以上の圧力がかけられた水」(以下、特定水Aともいう)、又は「鉱石由来の電磁波が照射された水」(以下、特定水Bともいう)である。特定水A及びBの詳細は定かではないが、特定水A及びBは通常の水とは異なる構造を有し、その特異的な構造に起因して、鉛バッテリーにおいて酸化還元反応の促進効果及び電解液の分散作用向上効果を発現すると推察される。特定水A及びBの原料となる水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。
特定水Aに関し、これを得る際に原料となる水にかける圧力が20気圧以下であると、水の変性が殆ど生じないため所望の効果が得られず、また、該圧力が20気圧を超えて30気圧未満であると、水の変性が不安定となって所望の効果が安定して得られず、また、該圧力が30気圧を大きく超えても、所望の効果の点では大きな向上は認められない。以上の点から、特定水Aを得る際に原料となる水にかける圧力は、好ましくは30気圧以上60気圧以下である。
水に30気圧以上の圧力をかける高圧処理は、例えば、高圧プランジャーポンプを用いて常法に従って実施することができる。また、この高圧処理の時間(高圧処理による水の変性に要する時間)は、好ましくは0.1時間以上、更に好ましくは0.1時間以上0.5時間以下である。この高圧処理は、通常一回だけ行い、該高圧処理に要する時間は1つの連続した時間であるが、該高圧処理を複数回に分けて行ってもよく、その場合、それら複数回の高圧処理の各処理時間の合計が、前記の好ましい範囲内にあればよい。
特定水Bに関し、これを調製するのに用いる鉱石としては、ラジウム鉱石が好ましく用いられる。鉱石由来の電磁波を水に照射する方法としては、ラジウム鉱石等の鉱石から照射されるガンマー線等の電磁波を水に効率良く照射する観点から、鉱石を水中に直接投与する方法が好ましい。その場合、水中に投与するラジウム鉱石の量は、該水の質量に対して5%程度が好ましい。また、水に鉱石由来の電磁波を照射する時間(ラジウム鉱石を水中に投与している時間)、即ち、鉱石由来の電磁波照射による水の変性に要する時間は、好ましくは6時間以上、更に好ましくは6時間以上12時間以下である。この電磁波照射時間が4時間以下であると、水の変性が殆ど生じないため所望の効果が得られず、また、該電磁波照射時間が4時間を超えて6時間未満であると、水の変性が不安定となって所望の効果が安定して得られず、また、該電磁波照射時間が6時間を大きく超えても、所望の効果の点では大きな向上は認められない。
特定水A又はBを含む電解液(希硫酸)は、1)予め特定水A又はBを調製し、それを用いて常法に従って電解液(希硫酸)を調製する方法、あるいは2)電解液として用いる希硫酸(硫酸の水溶液)に30気圧以上の圧力をかけるか、又は鉱石由来の電磁波を照射する方法によって調製することができる。前記2)の方法によれば、特定水A又はBを単独で調製する手間を省略できる。また、前記2)の方法は、後述するように、中古鉛バッテリーの再生に利用することができる。
次に、本発明の鉛バッテリーの処理方法について説明する。本発明の鉛バッテリーの処理方法は、希硫酸を電解液として用いた鉛バッテリーの性能向上又は再生を目的とするものである。ここでいう「鉛バッテリーの性能向上」には、新品(未使用)又は中古(新品ではないが使用可能な状態)の鉛バッテリーの性能向上が含まれ、該性能向上には、バッテリー寿命の延長、バッテリー出力の向上、バッテリー出力のリカバリー性の向上等が含まれる。また、ここでいう「鉛バッテリーの再生」には、サルフェーションにより性能劣化が生じた中古鉛バッテリーの再生、電解液の蒸発(ドライアップ)により電極板が露出状態にある充電不能の中古鉛バッテリーの再生等が含まれる。従って、本発明の鉛バッテリーの処理方法において、処理対象の鉛バッテリーには新品及び中古の鉛バッテリーが含まれる。
本発明の鉛バッテリーの処理方法は、処理対象の鉛バッテリーに、下記処理A〜Dの何れか1つを施す工程を有する。
・処理A:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、30気圧以上の圧力をかける。
・処理B:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、鉱石由来の電磁波を照射する。
・処理C:処理対象の鉛バッテリーを、30気圧以上の圧力がかけられた水(特定水A)、又は鉱石由来の電磁波が照射された水(特定水B)に浸漬する。
・処理D:処理対象の鉛バッテリーに、30気圧以上の圧力をかけた水(特定水A)、又は鉱石から発生する電磁波を照射した水(特定水B)を注入する。
前記処理A及びBは、処理対象の鉛バッテリーから電解液(希硫酸)を抜き取り、抜き取った電解液に、前述した水に対する処理と同様の処理(高圧処理又は電磁波照射処理)を施すことにより実施できる。前記処理A又はBの実施後は、処理済みの電解液を処理対象の鉛バッテリーに注入する。
前記処理Cに関し、前記特定水A又はBに浸漬するのは、処理対象の鉛バッテリー(ベント式鉛バッテリー)における、電解液(希硫酸)の入った電槽である。前記処理Cは、通常、前記特定水A又はBが収容された容器に、処理対象の鉛バッテリーにおける電槽を浸漬することで実施される。鉛バッテリー(電槽)の浸漬の程度は、浸漬処理中の前記特定水A又はBの高さが、該鉛バッテリーの電槽内の電解液の高さに対して、好ましくは 50%以上、更に好ましくは75%以上とすることが好ましい。鉛バッテリー(電槽)全体を前記特定水A又はBに浸漬してもよい。
前記処理Cに関し、処理対象の鉛バッテリー(電槽)の浸漬時間は、好ましくは6時間以上、更に好ましくは6時間以上12時間以下である。前記処理Cは、通常一回だけ行い、浸漬時間は1つの連続した時間であるが、前記処理Cを複数回に分けて行ってもよく、その場合、それら複数回の浸漬処理の各処理時間の合計が、前記の好ましい範囲内にあればよい。
前記処理Dに関し、処理対象の鉛バッテリーに電解液が残っている場合は、その電解液を抜き取ってから、前記特定水A又はBを注入する。処理対象の鉛バッテリーが、電解液が蒸発して60%以上消失した状態にある中古鉛バッテリーである場合は、該中古鉛バッテリーの電槽に前記特定水A又はBを注入すればよい。
本発明の鉛バッテリーの処理方法において、処理対象の鉛バッテリーが、サルフェーションにより性能劣化が生じた中古鉛バッテリーである場合、即ち、該処理方法が中古鉛バッテリーの再生を目的としている場合は、通常、前記処理A〜Dの何れか1つを実施後に、処理対象の鉛バッテリーの陽極と陰極との間に電流パルスを印加することにより、該陽極と該陰極とからサルフェーションをイオン化して解離(溶解還元)させる。この電流パルスの印加は、公知の電流パルス発生器等を用いて常法に従って実施することができ、特許文献1記載の方法を利用することもできる。
前記電流パルスのパルス数が多くなると、サルフェーション(硫酸鉛の結晶被膜)の分解効率は向上するものの、熱が発生するため、該パルス数は再生効率とのバランスで適宜設定されることが好ましい。具体的には、前記処理A〜Dの何れか1つを実施後に処理対象の鉛バッテリーの陽極と陰極との間に印加する、電流パルスのパルス数は、好ましくは1秒間に4000〜7000回であり、更に好ましくは1秒間に5000〜6000回である。
また、前記電流パルスのパルス電圧の振幅は、好ましくは±2〜±5Vの範囲内、更に好ましくは±2.5〜±4Vの範囲内であり、また、その電流値は好ましくは20〜100mAの範囲内、更に好ましくは50〜80mAの範囲内にあるものが、硫酸鉛の結晶被膜の剥離脱落を防ぎ、電極へのダメージを回避する観点から好ましい。
本発明の鉛バッテリーの処理方法においては、処理対象の鉛バッテリーに前記処理A〜Dの何れか1つを実施後(必要に応じ、更に前記電流パルスの印加を実施後)、処理対象の鉛バッテリーの陽極と陰極との間に直流電圧を印加して充電する。この充電処理は、この種の鉛バッテリーの充電処理と同様に実施することができる。
本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
〔実施例1〕
5時間率の容量が24Ahである28B17L(商品:D2オリジナル 28B17Lバッテリー)の新品のベント式鉛バッテリーから、電解液(希硫酸)を抜き取り、抜き取った電解液に対し、高圧プランジャーポンプを用いて、30気圧の圧力を0.5時間連続的にかける高圧処理を施した(前記処理A)。この高圧処理済みの電解液を再び鉛バッテリーに戻し、電解液が30気圧の圧力がかけられた水を含む、鉛バッテリーを得た。
〔実施例2〕
高圧処理に代えて電磁波照射処理を施した以外は実施例1と同様にして、電解液が鉱石由来の電磁波が照射された水を含む、鉛バッテリーを得た。電磁波照射処理は、抜き取った電解液(希硫酸)を容器に移し、該電解液中に該電解液の質量に対して5質量%のラジウム鉱石を投与し、その状態で12時間放置することにより実施した(前記処理B)。
〔実施例3〕
抜き取った電解液に代えて新たに調製した電解液(前記特定水Aを含む電解液)を用いた以外は実施例1と同様にして、電解液が30気圧の圧力がかけられた水を含む、鉛バッテリーを得た。電解液(希硫酸)の調製は、先ず、イオン交換水に対し、高圧プランジャーポンプを用いて、30気圧の圧力を0.5時間連続的にかける高圧処理を施し、次いで、その高圧処理済みの水(前記特定水A)に、硫酸を添加して希硫酸(硫酸濃度37.4質量%)を調製することにより実施した。
〔実施例4〕
抜き取った電解液に代えて新たに調製した電解液(前記特定水Bを含む電解液)を用いた以外は実施例1と同様にして、電解液が鉱石由来の電磁波が照射された水を含む、鉛バッテリーを得た。電解液(希硫酸)の調製は、先ず、イオン交換水中に該イオン交換水の質量に対して5質量%のラジウム鉱石を投与し、その状態で12時間放置し、次いで、その電磁波照射処理済みの水(前記特定水B)に、硫酸を添加して希硫酸(硫酸濃度37.4質量%)を調製することにより実施した。
〔実施例5〕
実施例1で用いた新品のベント式鉛バッテリーと同じものを、実施例4で用いた電磁波照射処理済みの水(前記特定水B)に浸漬し(前記処理C)、その浸漬処理を経たものを実施例5とした。この鉛バッテリーの浸漬は12時間連続して行い、また、浸漬の程度は、浸漬処理中の電磁波照射処理済みの水の高さが、該鉛バッテリーの電槽内の電解液の高さに対して50%となるようにした。
〔比較例1〕
実施例1で用いた新品のベント式鉛バッテリーと同じものを比較例1とした。
〔評価試験1(バッテリー出力のリカバリー性能評価試験)〕
図1に示す如き構成のエンジンスターターを用い、実施例1〜5及び比較例1の鉛バッテリーのバッテリー出力のリカバリー性能を評価した。一般のエンジンスターターには、直流直巻型モーターが用いられており、エンジン始動時には100Aもの電流が流れ、小型の鉛バッテリーにとっては、大きな電流を出力することになり、バッテリーの出力できる電流とエンジンスターターのトルクとがほぼ比例関係にあることは公知である。エンジン始動時は、バッテリーは放電状態になり、負極及び正極の両方にサルフェーション(硫酸鉛の結晶被膜)が生成する。しかし、負極は酸化反応、正極は還元反応であり、酸化還元反応が促進されれば、出力される電流が増加し、エンジンスターターのトルクが増加することになる。
図1に示すエンジンスターター1は、排気量1500〜2000ccの4気筒ガソリンエンジン用のもので、そのピニオンギヤ2は、アーム3にUボルト4によりしっかりと固定されており、ピニオンギヤ2からUボルト4に沿って水平方向に1m離間した位置に、トルク測定用のデジタル荷重計6が、エンジンスターター1を固定しているシャーシ5とアーム3(Uボルト4)との間で繋がっている。図1中符号7は、評価対象の鉛バッテリーである。評価試験は、「エンジンスターター1にスイッチを入れ3秒間保持し、トルクを測定し、スイッチを切る」という動作を5回繰り返すことにより実施し、鉛バッテリーは全て満充電状態で評価試験に供した。その5回のトルク測定それぞれの結果を下記表1に示す。
Figure 2015050101
表1から明らかなように、電解液の変性処理を一切行っていない比較例1は、2回目のトルクの落ち込みが比較的大きく、バッテリー出力のリカバリーが十分に行われていないことがわかる。これに対し、電解液の変性処理を行った実施例1〜5は、何れも2回目以降のトルクの落ち込みが比較的小さく、バッテリー出力のリカバリーが早いことがわかる。尚、全ての実施例及び比較例において、4回目以降はトルクの落ち込みが大きく、バッテリー容量の影響が出ているが、それでも、実施例1〜5は比較例1に比して、トルクの落ち込み程度が小さい。以上の結果から、電解液(希硫酸)が前記特定水A又はBを含む鉛バッテリー(実施例3及び4)、あるいは処理対象の鉛バッテリーに前記処理A〜Cの何れか1つを施すこと(実施例1、2及び5)が、鉛バッテリーの酸化還元反応の促進、延いてはバッテリー出力のリカバリー性能の向上に有効であることがわかる。また、実施例1〜5内での比較において、結果に実質的な差が見られないことから、実施例1〜5において実施した各処理の有効性はほぼ同じであり、これらの処理によって電解液(水)は同様の変性がなされたと推察される。
〔実施例6〕
イオン交換水中に該イオン交換水の質量に対して5質量%のラジウム鉱石を投与し、その状態で12時間放置して、電磁波照射処理済みの水(前記特定水B)を調製した。また別途、5時間率の容量が36Ahである55B24L(商品:GSユアサ 55B24Lバッテリー)の中古のベント式鉛バッテリーを用意した。この中古鉛バッテリーは、使用後長時間放置されたもので、サルフェーションが堆積し、閉塞状態にある。この中古鉛バッテリーを、前記電磁波照射処理済みの水に浸漬した(前記処理C)。この鉛バッテリーの浸漬は12時間連続して行い、また、浸漬の程度は、浸漬処理中の電磁波照射処理済みの水の高さが、該鉛バッテリーの電槽内の電解液の高さに対して50%となるようにした。
〔比較例2〕
実施例6で用いた中古のベント式鉛バッテリーと同じものの電解液中に、0.5%の非イオン性分散剤であるリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルを添加し、比較例2とした。
〔評価試験2(バッテリー再生評価試験)〕
実施例6及び比較例2の中古鉛バッテリーについてバッテリーの再生試験を行った。前述したように、放電と充電が繰り返された中古鉛バッテリーの陽極及び陰極には硫酸鉛の結晶被膜(サルフェーション)が生成され、これにより鉛バッテリーの容量が低下する。このサルフェーション対策として、従来、例えば特許文献1に開示されているように、電解液に非イオン性分散剤を添加し、その分散作用を利用してサルフェーションを溶解させていた。比較例2はこの従来法に対応するものである。実施例6で行った処理(中古鉛バッテリーの電磁波照射処理済みの水への浸漬処理)によって電解液が変性し、その変性した電解液に分散作用があるのならば、サルフェーションが堆積し、充電不能になって容量が0になった閉塞した中古鉛バッテリーに対して、再生が可能になるはずであり、その分散作用が大きければ、容量の回復も早くなると考えられる。
実施例6及び比較例2それぞれの中古鉛バッテリーに対し、当初24Vの高電圧をかけサルフェーションを溶解還元し、電流値が1Aになった時点で、1Aの定電流充電に切り替えてバッテリー再生を行ない、電圧が降下し15Vになった時点で通常の充電に切り替えた。バッテリー再生には、15mAの±2V程度の微弱電流パルスを1秒間に5200回発生するパルサーを併用した。2回目以降のバッテリー再生は通常の充電とし、放電条件は10Aの定電流放電で11Vになるまで行うこととし、容量が新品時の約80%にまで回復するまで繰返しバッテリー再生を行った。図2にその結果(放電カーブ)を示す。
図2中、放電カーブA1〜A5は比較例2、放電カーブB1〜B2は実施例6である。比較例2が、再生(80%までの容量回復)までに5回の充放電を繰返したのに対して、実施例6は、再生までに2回充放電を繰返しただけであった。以上のことから、実施例6で行った処理(中古鉛バッテリーの電磁波照射処理済みの水への浸漬処理)は、電解液を変性させ、且つその変性した電解液の分散作用は、従来の、電解液への非イオン性分散剤の添加処理に比して大きいことがわかる。
〔実施例7〕
イオン交換水中に該イオン交換水の質量に対して5質量%のラジウム鉱石を投与し、その状態で12時間放置して、電磁波照射処理済みの水(前記特定水B)を調製した。また別途、長期間屋外に放置され、電解液が基準ラインをはるかに超え、電極が露出状態にあるドライアップした充電不能の完全閉塞した55B24Lの中古のベント式鉛バッテリーを用意した。この中古鉛バッテリーの電槽内に前記電磁波照射処理済みの水を基準ラインまで注入した(前記処理D)。この前記電磁波照射処理済みの水注入後の中古鉛バッテリーの初期電圧は4V、内部抵抗は1Ωを超え測定不能であった。
実施例7の中古鉛バッテリーに対し、前記〔評価試験2(バッテリー再生評価試験)〕と同様の方法で、サルフェーションの溶解還元、バッテリー再生を行ったところ、放電回数2回目で新品容量の約80%まで回復し、内部抵抗は12mΩまで低下した。
こうして再生した実施例7の中古鉛バッテリーを、排気量1800ccの乗用車に搭載し、エンジンの始動性を評価した。新品鉛バッテリーの内部抵抗は通常6〜8mΩであり、排気量1800ccの乗用車への車載時の始動性が懸念されたが、全く問題なく一発でエンジンが始動した。
また、再生した実施例7の中古鉛バッテリー搭載した乗用車を約1年かけて使用し、3万5千km走行させたところ、一般にエンジンが始動し難い冬季でも一発でエンジンが始動し、その他全く問題なく走行できた。またその使用期間中、鉛バッテリーの内部抵抗は、再生当初の12mΩで変わらず、電解液の比重も1.25以上を維持した。
1 エンジンスターター
2 ピニオンギヤ
3 アーム
4 Uボルト
5 シャーシ
6 トルク測定用のデジタル荷重計
7 評価対象の鉛バッテリー(実施例、比較例)

Claims (3)

  1. 希硫酸を電解液として用いた鉛バッテリーであって、該電解液が、30気圧以上の圧力がかけられた水、又は鉱石由来の電磁波が照射された水を含む鉛バッテリー。
  2. 希硫酸を電解液として用いた鉛バッテリーの性能向上又は再生を目的とする鉛バッテリーの処理方法であって、処理対象の鉛バッテリーに、下記処理A〜Dの何れか1つを施す工程を有する鉛バッテリーの処理方法。
    ・処理A:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、30気圧以上の圧力をかける。
    ・処理B:処理対象の鉛バッテリーの電解液に、鉱石由来の電磁波を照射する。
    ・処理C:処理対象の鉛バッテリーを、30気圧以上の圧力がかけられた水、又は鉱石由来の電磁波が照射された水に浸漬する。
    ・処理D:処理対象の鉛バッテリーに、30気圧以上の圧力をかけた水、又は鉱石から発生する電磁波を照射した水を注入する。
  3. 請求項2記載の処理方法の実施により得られた鉛バッテリー。
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