JP2015049343A - 光導波路用部材、光導波路、光導波路の製造方法および電子機器 - Google Patents
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(1) 長尺状のコア部と、前記コア部の側面を覆うように設けられたクラッド部と、を備える層状の導波部と、
前記導波部の一方の面に積層された第1の保護層と、
前記導波部の他方の面に積層され、前記第1の保護層よりも全光線透過率が低い第2の保護層と、
を有することを特徴とする光導波路用部材。
前記光導波路用部材の前記第2の保護層にレーザーを照射することにより、前記第2の保護層から前記コア部の途中または前記コア部の延長線上に達するようレーザー加工された凹部と、
を有することを特徴とする光導波路。
(6) 上記(4)に記載の光導波路を備えることを特徴とする電子機器。
また、本発明によれば、上記光導波路を備えた信頼性の高い電子機器が得られる。
まず、本発明の光導波路用部材の実施形態について説明する。
(コア層)
図1に示すコア層13中に形成されているコア部14は、クラッド部(側面クラッド部15および各クラッド層11、12)で囲まれており、コア部14に光を閉じ込めて伝搬することができる。
屈折率差(%)=|A/B−1|×100
クラッド層11、12の平均厚さは、コア層13の平均厚さの0.05〜1.5倍程度であるのが好ましく、0.1〜1.25倍程度であるのがより好ましい。具体的には、クラッド層11、12の平均厚さは、それぞれ1〜200μm程度であるのが好ましく、3〜100μm程度であるのがより好ましく、5〜60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路100が必要以上に厚膜化するのを防止しつつ、クラッド部としての機能が確保される。
また、図1に示す光導波路用部材1は、最下層として第1カバーフィルム(第1の保護層)2を、最上層として第2カバーフィルム(第2の保護層)3を、それぞれ備えている。
また、上記伸び率は、平均厚さ25μmの試験片についての測定値である。
次に、本発明の光導波路の実施形態について説明する。
次に、図3に示す光導波路を製造する方法の一例について説明する。
図4は、図3に示す光導波路を製造する方法の一例を説明するための断面図である。
[1]まず、(a)クラッド層11を形成するための組成物、コア層13を形成するための組成物、およびクラッド層12を形成するための組成物を、順次成膜して製造する方法、(b)各組成物を用いてクラッド層11、コア層13およびクラッド層12をそれぞれ形成した後、積層する方法、(c)3種の組成物を同時に押出成形して積層体を製造する方法等により、導波部10を得る。
また、レーザーの波長は、例えば100〜950nm程度とされる。
上述したような本発明の光導波路は、他の光学部品との光結合効率に優れたものである。このため、本発明の光導波路を備えることにより、内部において高品質の光通信を行い得る信頼性の高い電子機器が得られる。
1.光導波路の製造
(実施例1)
(1)ポリオレフィン系樹脂の合成
水分および酸素濃度がいずれも1ppm以下に制御され、乾燥窒素で満たされたグローブボックス中において、ヘキシルノルボルネン(HxNB)7.2g(40.1mmol)、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン12.9g(40.1mmol)を500mLバイアル瓶に計量し、脱水トルエン60gと酢酸エチル11gを加え、シリコン製のシーラーを被せて上部を密栓した。
精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(東亜合成製 CHOX、CAS#483303−25−9、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)2g、重合開始剤(光酸発生剤) RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233−72−2)(0.025g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層形成用組成物を得た。なお、ポリマー#1は、活性放射線の照射により離脱性基が離脱する機能を有しており、いわゆるフォトブリーチング現象が生じるものである。
精製した上記ポリマー#1の各構造単位のモル比を、ヘキシルノルボルネン構造単位80mol%、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位20mol%にそれぞれ変更したものを、前記ポリマー#1に代えて用いるようにした以外はコア層形成用組成物と同様にしてクラッド層形成用組成物を得た。
クラッド層形成用組成物をドクターブレードにより厚さ25μmのポリイミドフィルム上に均一に塗布した後、50℃の乾燥機に10分間投入した。溶媒を完全に除去した後、UV露光機で全面に紫外線を照射し、塗布した組成物を硬化させた。これにより、厚さ10μmの無色透明な下側クラッド層および第1カバーフィルム(ポリイミドフィルム)を得た。なお、紫外線の積算光量は500mJ/cm2とした。また、第1カバーフィルムの特性は表1に示す通りである。
作製した下側クラッド層上にコア層形成用組成物をドクターブレードにより均一に塗布した後、50℃の乾燥機に10分間投入した。溶媒を完全に除去して被膜とした後、得られた被膜上に、ライン、スペースの直線パターンが全面に描かれたフォトマスクを圧着した。そして、フォトマスク上から平行露光機により紫外線を照射した。なお、紫外線の積算光量は1300mJ/cm2とした。
作製したコア層上に、(3)と同様にしてクラッド層形成用組成物を塗布し、厚さ10μmの無色透明な上側クラッド層を得た。次いで、その上に、厚さ25μmのポリイミドフィルムを載せ、圧着した。これにより、第2カバーフィルムを得た。以上のようにして光導波路を得た。なお、第2カバーフィルムの特性は表1に示す通りである。
第1カバーフィルムおよび第2カバーフィルムの特性を、表1に示すように変更した以外は、それぞれ実施例1と同様にして光導波路を得た。
第1カバーフィルムおよび第2カバーフィルムの特性を、表1に示すように変更した以外は、それぞれ実施例1と同様にして光導波路を得た。
2.1 ミラー損失の評価
各実施例および各比較例で得られた光導波路について、コア部の一端と、傾斜面(ミラー)を介してコア部と結合される光導波路表面との間について、挿入損失P1を測定した。その後、ミラー部をカットし、直線部の挿入損失P0を測定した。そして、挿入損失P1と挿入損失P0との差P1−P0を、ミラー部の損失とした。なお、これらの挿入損失は、社団法人 日本電子回路工業会が規定した「高分子光導波路の試験方法(JPCA−PE02−05−01S−2008)」の4.6.3ミラー損失の測定方法に準拠して測定した。また、測定には、波長850nmの光を用いた。
そして、測定したミラー損失を以下の評価基準にしたがって評価した。
A:ミラー損失が非常に小さい(1.5dB未満)
B:ミラー損失が小さい(1.5dB以上2.0dB未満)
C:ミラー損失がやや小さい(2.0dB以上2.5dB未満)
D:ミラー損失がやや大きい(2.5dB以上3.0dB未満)
E:ミラー損失が大きい(3.0dB以上3.5dB未満)
F:ミラー損失が非常に大きい(3.5dB以上)
各実施例および各比較例で得られた光導波路について、社団法人 日本電子回路工業会が規定した「高分子光導波路の試験方法(JPCA−PE02−05−01S−2008)」の4.6.4曲げ損失の測定方法の測定2に準拠して360度湾曲させた。このとき、曲げ半径を5mmとした。
A:曲げ損失が非常に小さい(0.2dB未満)
B:曲げ損失が小さい(0.2dB以上0.5dB未満)
C:曲げ損失がやや小さい(0.5dB以上1.0dB未満)
D:曲げ損失がやや大きい(1.0dB以上1.5dB未満)
E:曲げ損失が大きい(1.5dB以上2dB未満)
F:曲げ損失が非常に大きい(2dB以上)
各実施例および各比較例で得られた光導波路について、社団法人 日本電子回路工業会が規定した「高分子光導波路の試験方法(JPCA−PE02−05−01S−2008)」の6.1.2耐折試験に準拠して引張力をかけながら屈曲させる試験を行った。そして、試験前の挿入損失に対する試験後の挿入損失の増分を算出し、これを以下の評価基準に照らして評価した。なお、測定には、波長850nmの光を用いた。また、引張荷重は5N、回転速さは毎分90回、屈曲角度を135°、屈曲回数を1000回、曲げ半径を2mmとした。
A:増分が非常に小さい(0.2dB未満)
B:増分が小さい(0.2dB以上0.5dB未満)
C:増分がやや小さい(0.5dB以上1.0dB未満)
D:増分がやや大きい(1.0dB以上1.5dB未満)
E:増分が大きい(1.5dB以上2dB未満)
F:増分が非常に大きい(2dB以上)
以上の評価結果を表1に示す。
2 第1カバーフィルム
3 第2カバーフィルム
10 導波部
11 クラッド層
12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
100 光導波路
170 凹部
171 傾斜面
172 傾斜面
173 直立面
174 直立面
1701 凹部
1702 凹部
1703 凹部
1704 凹部
1705 凹部
1706 凹部
L1 レーザー光束
Claims (6)
- 長尺状のコア部と、前記コア部の側面を覆うように設けられたクラッド部と、を備える層状の導波部と、
前記導波部の一方の面に積層された第1の保護層と、
前記導波部の他方の面に積層され、前記第1の保護層よりも全光線透過率が低い第2の保護層と、
を有することを特徴とする光導波路用部材。 - 前記第2の保護層の全光線透過率は、前記第1の保護層の全光線透過率の0.5〜0.99倍である請求項1に記載の光導波路用部材。
- 前記第1の保護層の構成材料および前記第2の保護層の構成材料は、それぞれポリイミド系樹脂またはポリエチレンナフタレート系樹脂である請求項1または2に記載の光導波路用部材。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路用部材と、
前記光導波路用部材の前記第2の保護層にレーザーを照射することにより、前記第2の保護層から前記コア部の途中または前記コア部の延長線上に達するようレーザー加工された凹部と、
を有することを特徴とする光導波路。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路用部材の前記第2の保護層にレーザーを照射することにより、前記第2の保護層から前記コア部の途中または前記コア部の延長線上に至る凹部をレーザー加工することを特徴とする光導波路の製造方法。
- 請求項4に記載の光導波路を備えることを特徴とする電子機器。
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