JP2015047588A - 物体の表面破砕方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この破砕方法は、破砕する表面に溝部により破砕領域を設定し、そしてこの破砕領域内に放電破砕を行い得る放電用孔(破砕用孔)を複数個形成するとともにこの放電用孔内に放電用電極を配置しておき、この放電用電極に電気エネルギーを供給して放電させることにより、その衝撃波により破砕領域全体を破砕する方法である。
物体の表面に矩形状の破砕領域を想定するとともにこの破砕領域の外周に沿って溝部を形成する溝部形成工程と、
上記溝部により囲まれた破砕領域内に、3個の破砕用容器を三角形の頂点に位置するように埋設する埋設工程と、
次にこれら各破砕用容器の金属細線に電気エネルギー供給手段にて電流を流して溶融気化させることにより、当該破砕用容器内に充填された破砕用物質を自己反応により燃焼させ高圧を発生させて破砕領域を破砕する破砕工程とを具備する方法である。
外周が矩形DEFGで表される破砕領域内に破砕用容器を三角形ABCの各頂点に対応する位置に埋設するとともに、点Aを点Dに対応する位置に、点Bを点Eに対応する位置に、点Cを辺FGに対応する位置にそれぞれ配置し
点Aから辺GDまでの最短距離および点Aから辺DEまでの最短距離がh以下となるようにするとともに、点Bから辺EFまでの最短距離がh以下となるようになし、且つ点Cから辺FGまでの最短距離がh以下となるようになし、
さらに各埋設位置同士の最短距離が2h以下となるように、各埋設位置を決定する方法である。
外周が矩形DEFGで表される破砕領域内に破砕用容器を三角形ABCの各頂点に対応する位置に埋設するとともに、点Aを点Dに対応する位置に、点Bを点Eに対応する位置に、点Cを辺FGに対応する位置にそれぞれ配置し
点Aから辺GDまでの最短距離および点Aから辺DEまでの最短距離がh以下となるようにするとともに、点Bから辺DEまでの最短距離および点Bから辺EFまでの最短距離がh以下となるようになし、且つ点Cから辺FGまでの最短距離がh以下となるようになし、
さらに各埋設位置同士の最短距離が2h以下となるように、各埋設位置を決定する方法である。
また、本発明の請求項5に係る物体の表面破砕方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の表面破砕方法において、三角形ABCが正三角形または二等辺三角形となるように埋設位置を配置する方法である。
本実施例に係る表面破砕方法は、例えばコンクリート、岩盤などの物体(以下、被破砕物と称す)の表面を、放電破砕工法により、予め想定された破砕領域に亘って破砕する方法である。
この破砕装置1は、被破砕物Mに形成された装着用孔2に装着し得る有底筒状の破砕用容器(破砕用カートリッジともいう)3と、この破砕用容器3内に且つ当該破砕用容器3の蓋部4を挿通して容器内に配置される一対の電極5,6と、これら両電極5,6同士間に例えば上下方向で接続されて電気エネルギーの供給により瞬時に溶融気化する材料(例えば、銅、タングステンなどが用いられる)から成る金属細線7と、上記破砕用容器3内に充填される自己反応性物質である破砕用物質8と、一対の電極5,6に接続されて電気エネルギーを瞬間的に金属細線7に供給し得る電気エネルギー供給手段9とから構成されている。上記破砕用物質8としては、自己反応性が強いニトロメタンなどが用いられ、またアルコールなどに少なくともニトロメタンが60%以上含んだものを用いてもよい。
この破砕用容器3の破砕能力は、被破砕物Mである鉄筋コンクリートの表面を深さhでもって破砕し得るように設定され、言い換えれば、厚さhのコンクリートを破砕し得る量のニトロメタンが充填されるような大きさとされる。勿論、コンデンサ14に充電される電気量についても、ニトロメタンを発火(燃焼を開始)させ得る量またはそれ以上の量とされる。
説明を分かり易くするために、図2に示すように、3個の破砕用容器3の埋設位置である三角形の3つの頂点をABCで表すとともに、破砕領域Sを表す長方形の四隅の頂点をDEFGで表し、且つ点Aを点Dに対応する位置に、点Bを点Eに対応する位置に、点Cを辺FGに対応する位置にそれぞれ配置するものとする。
三角形が正三角形であり、最短距離miがhであり且つ三角形の辺AB(底辺)の長さが2hである場合には、破砕領域Sの大きさ(横n1×高さn2)は、4h(h+2h+h)×3.7h(h+1.7h+h)となり、また三角形が直角二等辺三角形であり、最短距離miがhであり且つ三角形の辺AB(底辺)の長さが2hである場合には、破砕領域Sの大きさ(横n1×高さn2)は、4h(h+2h+h)×3.4h(h+1.4h+h)となる。これらの場合を纏めると、破砕領域Sの大きさは、4h×(3.4〜3.7)hとなる。なお、上述した破砕領域Sの大きさで、破砕領域Sを正方形にする場合、一辺の長さは短い方の辺(EF,GD)の長さに等しくされる。つまり、長方形の破砕領域Sを正方形にする場合の一辺の長さが、長方形の短辺の長さに一致される。
これら正三角形と直角二等辺三角形を纏めると、破砕領域Sの大きさは、(3.4〜4)h×(2.8〜3.7)hの範囲となる。
以下、破砕用容器の設置作業および破砕方法について詳しく説明する。
まず、図3および図4に示すように、想定された長方形の破砕領域Sの外周に沿って、深さh(実際には、hより少し短く、鉄筋の上側位置となるような深さ)で且つ直線の溝部Tを4本形成する(溝部形成工程)。例えば、コンクリートカッタやグラインダなどの研削工具により、溝部Tを井桁状(升目状)に形成する。勿論、溝部Tにより囲まれる井桁状の内側部分が破砕領域Sとなる。
次に、破砕用容器3の電極5,6に接続された電気エネルギー供給手段9を作動させる。すなわち、昇圧回路12および整流回路13により、コンデンサ14に所定の電気エネルギー(電気量)を蓄積しておき、放電スイッチ16を作動させる。
図6に示すように、破砕用容器3を4個用いた場合の当該容器にて発生した衝撃力をfi(但し、f1=f2=f3=f4)とすると、破砕領域Sの中心部に想定した正方形の要素に作用する力関係を図示すると、図7のようになる。
図9から分かるように、例えば衝撃力f3に対抗するように作用する衝撃力f1およびf2により発生する引張力t1′およびt2′は、t1×cos30°およびt2×cos30°で表されることになり、4個の場合におけるt1およびt3に比べて小さくなる。したがって、三角形の領域内においては、破砕用容器が4個の場合よりも、3個である場合の方が、破砕能力が大きくなっているのが分かる。
この物体の表面破砕方法は、外周が矩形DEFGで表される破砕領域内に破砕用容器を三角形ABCの各頂点に対応する位置に埋設するとともに、点Aを点Dに対応する位置に、点Bを点Eに対応する位置に、点Cを辺FGに対応する位置にそれぞれ配置し、
点Aから辺GDまでの最短距離および点Aから辺DEまでの最短距離がh以下となるようにするとともに、点Bから辺EFまでの最短距離がh以下となるようになし、且つ点Cから辺FGまでの最短距離がh以下となるようになし、
さらに各埋設位置同士の最短距離(三角形の各辺の長さ)が2h以下となるように、各埋設位置を決定する方法である。
なお、上記実施例または変形例においては、三角形の一辺と長方形の一辺とが平行となるように設定したが、必ずしも、平行でなくてもよい。つまり、三角形を少しの角度でもって回転させるように設定してもよい。また、破砕用容器の埋設位置を表す三角形を正三角形と説明したが、これ以外の三角形でもよく、正三角形または二等辺三角形が好ましい。また、二等辺三角形の場合の底角の範囲としては、例えば45°〜60°とするのが好ましい。
また、上記実施例または変形例においては、被破砕物を構造物などの鉄筋コンクリートとして説明したが、それ以外に、例えば岩石などの表面についても、適用し得る。
S 破砕領域
T 溝部
1 破砕装置
2 装着用孔
3 破砕用容器
5 電極
6 電極
7 金属細線
8 破砕用物質
9 電気エネルギー供給手段
11 交流電源
14 コンデンサ
16 放電制御回路
17 放電スイッチ
Claims (6)
- 金属細線が配置されるとともに自己反応性の破砕用物質が充填された破砕用容器と、この破砕用容器の金属細線に接続されて電気エネルギーを供給し得る電気エネルギー供給手段とから成る破砕装置を用いて物体の表面を破砕する方法であって、
物体の表面に矩形状の破砕領域を想定するとともにこの破砕領域の外周に沿って溝部を形成する溝部形成工程と、
上記溝部により囲まれた破砕領域内に、3個の破砕用容器を三角形の頂点に位置するように埋設する埋設工程と、
次にこれら各破砕用容器の金属細線に電気エネルギー供給手段にて電流を流して溶融気化させることにより、当該破砕用容器内に充填された破砕用物質を自己反応させて破砕領域を破砕させる破砕工程とを具備することを特徴とする物体の表面破砕方法。 - 少なくとも埋設工程において、
外周が矩形DEFGで表される破砕領域内に破砕用容器を三角形ABCの各頂点に対応する位置に埋設するとともに、点Aを点Dに対応する位置に、点Bを点Eに対応する位置に、点Cを辺FGに対応する位置にそれぞれ配置し、
点Aから辺GDまでの最短距離および点Aから辺DEまでの最短距離がh以下となるようにするとともに、点Bから辺EFまでの最短距離がh以下となるようになし、且つ点Cから辺FGまでの最短距離がh以下となるようになし、
さらに各埋設位置同士の最短距離が2h以下となるように、各埋設位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の物体の表面破砕方法。 - 少なくとも埋設工程において、
外周が矩形DEFGで表される破砕領域内に破砕用容器を三角形ABCの各頂点に対応する位置に埋設するとともに、点Aを点Dに対応する位置に、点Bを点Eに対応する位置に、点Cを辺FGに対応する位置にそれぞれ配置し
点Aから辺GDまでの最短距離および点Aから辺DEまでの最短距離がH以下となるようにするとともに、点Bから辺DEまでの最短距離および点Bから辺EFまでの最短距離がh以下となるようになし、且つ点Cから辺FGまでの最短距離がh以下となるようになし、
さらに各埋設位置同士の最短距離が2h以下となるように、各埋設位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の物体の表面破砕方法。 - 辺ABが辺DEと平行となるように埋設位置を配置することを特徴とする請求項2または3に記載の物体の表面破砕方法。
- 三角形ABCが正三角形または二等辺三角形となるように埋設位置を配置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物体の表面破砕方法。
- 破砕用物質として主成分がニトロメタンであるものを用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の物体の表面破砕方法。
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