本発明が適用された遊技島について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用された遊技島の内部構造を示す断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図4は、遊技島の中央下部の内部構造を示す平面図である。尚、以下の説明において、説明の便宜上、図1の手前側を遊技島の前側、奥側を後側、左右方向を左右側として説明する。
図1に示されるように、遊技島1は、左右方向に向けて細長に形成されており、その前後面には、遊技機の一例であるパチンコ遊技機2及び該パチンコ遊技機2において遊技に使用する遊技球としてのパチンコ球の貸出を実施させる球貸処理機(図示略)が、長手方向(左右方向)に向けて複数列設されている。
遊技島1の略中央上部には、パチンコ球が貯留される上部タンク3が設けられており、この上部タンク3内に貯留されたパチンコ球は、遊技島1内の長手方向両端部に向かってそれぞれ下方に傾斜するように配設された左右の供給樋4に流入するようになっている。これら左右の供給樋4には、流下するパチンコ球を各パチンコ遊技機2に供給するための支流樋5が、供給樋4の前後(球の流下方向に向かって左右)の側板に、流下方向に向かって所定間隔おきに複数配設されており、これら支流樋5に供給されたパチンコ球は、各パチンコ遊技機2の背面に設けられた球タンク6に供給されるようになっている。
左右の供給樋4それぞれの下流側端部には、例えばメンテナンス時等において供給樋4内のパチンコ球を後述する流下溝9L,9R内にそれぞれ流出させる球抜き管7が設けられている。尚、通常時にはこの球抜き管7内をパチンコ球が流下しないようになっている。
遊技島1の内部には、パチンコ遊技機2より排出されたアウト球を受け入れて後述する流下溝9L,9Rに排出するアウトタンク8が、パチンコ遊技機2が載置される膳板13の上面に、各パチンコ遊技機2に対応するように複数設けられている。尚、各アウトタンク8からは排出ノズル8aが下方に向けて延設されており、受け入れた球をこの排出ノズル8aを介して排出するようになっている。
また、上部タンク3からは、該上部タンク3内部に貯留されるパチンコ球の貯留量が所定量以上となってオーバーフローしたパチンコ球を、後述する流下溝9L,9Rそれぞれに導くオーバーフロー樋12が左右に向けて延設されているとともに、これら左右のオーバーフロー樋12の下流側端部からは、オーバーフロー管18が垂下されている。
左右の流下溝9L,9Rは遊技球流路を構成しており、図1〜図3に示されるように、当該遊技島1の内部前後左右側にそれぞれ配置される木製の側板9a〜9d及び底板9eにより、上面が開口する横長箱状にそれぞれ形成されており、遊技島1の長手方向の略中央位置に配置される揚送清浄装置25を挟んでその左右側、つまり遊技島1の左右両側(長手方向の両側)の下部にそれぞれ配置される。
流下溝9L,9Rそれぞれにおける前後の側板9a,9b及び底板9eは、遊技島1の左右方向に向けて横長に形成されている。底板9eは、その上面が遊技島1の長手方向の端部側から中央の揚送清浄装置25側に向けて下方に傾斜するように配設されており、パチンコ球が流下(移動)する遊技球流路を構成している。また、この底板9eの上面には、該底板9eの上面を幅方向にわたり保護するための遊技球流路保護部材50(以下、流路保護部材50と略称する)が、底板9eの長手方向に向けて敷設されている。
図2及び図3に示されるように、流路保護部材50は、底板9eの前後幅方向の側端部、つまりパチンコ球の流下方向に向かって左右側端部にそれぞれ配設される一対の側部樋51,52から構成されている。尚、底板9e、側部樋51,52の幅方向とは、図1における前後幅方向、つまりパチンコ球の流下方向(各部材の長手方向)に向かって直交する方向である。
これら一対の側部樋51,52とは、塩化ビニル樹脂材を押し出し成形により流下溝9Lの底板9eの長手方向に向けて連続する板状にそれぞれ別個に形成されている。特に側部樋51,52にあっては、いわゆる2色・異材質成形により、後述する球受部56が軟質材、板状部54及び側壁部55が硬質材にて一体的に形成されており、球受部56にてアウトタンク8から排出ノズル8aを介して排出されるパチンコ球の衝撃及び衝撃音を吸収できるようになっている。尚、流路保護部材50の材質は上記塩化ビニル樹脂材に限定されるものではなく、該流路保護部材50上に落下されるパチンコ球(例えばパチンコ遊技機2の球タンク6や供給樋4,オーバーフロー樋12等から零れ落ちた球等)による衝撃により破損することなく、かつ、衝撃や衝撃音を吸収しうる性質を有するものであれば、他の合成樹脂材あるいは金属材等にて構成してもよい。また、このような流路保護部材50は必ずしも設けられていなくてもよい。
側部樋51,52は、所定幅寸法を有する板状部54と、該板状部54の外側端部から上方に向けて連設される側壁部55と、該側壁部55の上部に内向きに突設される球受部56と、から構成され、それぞれ球の流下方向に向かって左右対称に形成されている。つまり、これら一対の側部樋51,52は、押し出し成形により所定長さに形成した2つの部材を、底板9eの上面に互いに対向配置すればよいため、製造コストを効果的に低減できる。なお、パチンコ球が流下する流路底面54aを構成する板状部54の上面は、幅方向の中央に向けて若干下方に傾斜するように形成されており、パチンコ球が外側端部に滞留することが防止されている。
また、遊技島1の左側端部には、遊技者が獲得したパチンコ球を計数するための計数装置15が配設されており、この計数装置15内に投入されたパチンコ球は、該計数装置15に設けられている球投入口15aから連設された返却路16を介して、流下溝9L内に配設された誘導樋19に流入し、該誘導樋19により揚送清浄装置25側まで誘導された後、流下溝9L内に落下するようになっている。つまり、計数装置15にて計数された計数済み球は、遊技島1の内部左側に配設された流下溝9Lに返却されるようになっている。
尚、本実施例では、遊技者が獲得したパチンコ球を計数するための計数装置15が遊技島1の左側端部に一つ、つまり、複数のパチンコ遊技機2に対応して一の計数装置15が配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、計数装置を各パチンコ遊技機1に対応して配設してもよい。
誘導樋19は、図1及び図3に示されるように、所定の前後幅寸法を有するとともに前後幅方向に向けて略水平をなす水平面部19aと、該水平面部19aにおける前後幅方向の両端側から外方に向けて上方に傾斜するように連設される傾斜面部19b,19bとが屈曲形成されてなる1枚の金属板からなり、流下溝9Lの内部における前後幅方向の中央所定高さ位置に、返却路16から揚送清浄装置25側に向けて下方に傾斜するように延設されている。尚、該誘導樋19の上面には、ゴム製の保護シート(図示略)が敷設されており、流下するパチンコ球との当接や、遊技島1の内部上方から落下してくるパチンコ球(例えばパチンコ遊技機2の球タンク6や供給樋4,オーバーフロー樋12等から零れ落ちた球等)による誘導樋19の損傷が防止されている。
また、誘導樋19の下流側端部は、図1に示されるように流下溝9L内部における揚送清浄装置25側に立設された区画板21まで延設されており、該誘導樋19上を流下してくる計数球は、流下溝9L内部における区画板21よりも上流側に落下されるようになっている。尚、誘導樋19上を流下してくる計数球は、流下途中または下流側端部に設けられた幅方向を向く球受板(図示略)に衝突すること等により、該水平面部19aから傾斜面部19bに乗り上げて該傾斜面部19bの外端縁から落下するようになっている(図4参照)。
流下溝9L内部における区画板21よりも上流側に落下した球は、区画板21の下部に形成された連通口21a(図1参照)を通過して区画板21よりも下流側に形成される合流部22内に流入した後、後述する接続樋10L及び合流通路11を介して揚送清浄装置25に供給される。
誘導樋19の前後幅方向の両側方には、図3に示されるように、遊技島1の前後面にそれぞれ配設された各アウトタンク8から排出されるパチンコ球を回収する回収樋17,17が並設されている。回収樋17,17は、硬質の塩化ビニル樹脂により樋状に形成されており、流下溝9Lの内部における誘導樋19よりも若干上方位置に、計数装置15側から揚送清浄装置25側に向けて下方に傾斜するように配設されており、その下流側端部は区画板21の上方を越えて合流部22まで延設されている。
このように、各パチンコ遊技機2からアウトタンク8を介して排出されるパチンコ球は、回収樋17,17を流下して合流部22内に排出されるため、誘導樋19を流下する計数球よりも優先して揚送清浄装置25に誘導されるようになっている。
すなわち、流下溝9L,9Rは、中央の揚送清浄装置25から左右端部側に向けてそれぞれ並設される各パチンコ遊技機2からアウトタンク8を介して排出されるパチンコ球を長手方向にわたり受け入れることができるように構成されており、左側の流下溝9Lは、計数装置15にて計数された計数済み球を長手方向にわたり受け入れることができるように構成されている。
左右の流下溝9L,9Rにおける揚送清浄装置25側に配置される側板9cの下部には、揚送清浄装置25の本体下部に形成されたパチンコ球の流入口37(図4参照)に連通する連通口10aが形成されている。流下溝9L,9R内のパチンコ球は、連通口10aから流出した後、該連通口10aに接続される接続樋10L,10R(図4及び図8参照)をそれぞれ流下し、流入口37に連通する合流通路11にて合流され、流入口37から揚送清浄装置25の本体内部に流入する。そして、装置内部に設けられたコンベア等の揚送部材(図示略)等により上方に揚送されるとともに、揚送中において後述する清浄布116等の清浄部材(研磨部材とも言う)により清浄(研磨)されるようになっている。また、揚送・研磨された揚送球は、上部タンク3内上部に配置される排出口38(図1参照)から上部タンク3内に排出されるようになっている。
これら遊技島1内に配設される供給樋4、支流樋5、オーバーフロー樋12、回収樋17,17、オーバーフロー管18、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11および揚送清浄装置25により、遊技島1内におけるパチンコ球の循環経路が構成されており、これらのうち供給樋4、支流樋5、オーバーフロー樋12、回収樋17,17、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11は、パチンコ球が移動(本実施例では自然流下)する遊技球流路を構成している。また、これらのうち回収樋17,17、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11は、パチンコ遊技機2から排出された遊技球を回収して揚送清浄装置25に誘導する回収通路を構成している。
また、接続樋10L,10Rにはシャッタ装置200L,200Rが設けられており、流下溝9L,9Rから揚送清浄装置25の流入口37への遊技球の流入を可能または不可とすることができるようになっている(図8参照)。
尚、本実施例における遊技島1は、上部タンク3や流下溝9L,9R内部に貯留された遊技球のみを制御により循環して使用するいわゆる独立式の遊技島であるが、例えば遊技場内に並設される他の遊技島と上部タンク同士を適宜連結樋等により連結して、他の遊技島間で遊技球の貯留量の調整を行うことができるようにしてもよい。また、遊技者が獲得した遊技球を計数する計数装置が各パチンコ遊技機2に対応して設けられ、各遊技島内において遊技球を循環使用することが可能に構成されたユニット式の遊技島であってもよい。
次に、揚送清浄装置25の詳細な構造について説明する。図5は、(A)は揚送清浄装置を斜め前から見た斜視図、(B)は揚送清浄装置を斜め後ろから見た斜視図である。図6は、揚送清浄装置の内部構造を示す断面図である。図7は、図6のC−C断面図である。
揚送清浄装置25は、図5及び図6に示されるように、床面(設置面)上にアンカー固定されるベース板110上に立設される上下方向に延びる本体100と、本体100の上部(遊技球の移送方向の下流側)に設けられた左右方向(水平方向)を向く回転軸101a周りに回動自在に設けられる上部ローラ101と、本体100の下部(遊技球の移送方向の下流側)に設けられた左右方向(水平方向)を向く回転軸102a周りに回動自在に設けられる下部ローラ102と、これら上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡される所定幅を有する無端帯状の搬送ベルト103と、本体100の後面側の一側辺を中心に回動自在に設けられ、搬送ベルト103の上昇路に対向して配置される上下方向に延びる直線状通路115(図6参照)を形成する直線状通路カバー104と、下部ローラ102の下方に配置され、搬送ベルト103に遊技球を押圧するために該下部ローラ102の外周面に沿って略円弧状に形成されたアール状通路部材としてのアール状通路カバー105と、該下部ローラ102の下方におけるアール状通路カバー105の反対側に対向して配置され、アール状通路カバー105に遊技球を誘導する球導入部材としての球導入通路カバー106と、搬送ベルト103の下降路に対向して配置される背面通路カバー122と、から主に構成されている。
本体100は、図6及び図7に示すように、長板状の第1フレーム板としてのフレーム板100Lと、該フレーム板100Lに対し離れて並設される長板状の第2フレーム板としてのフレーム板100Rと、これら左右のフレーム板100L,100Rの間における長手方向の一端側と他端側とに架設される2つの回転軸101a,102aと、左右のフレーム板100L,100Rの前側辺に沿うように回転軸101a,102aの間に所定間隔おきに複数設けられ、該左右のフレーム板100L,100Rに両端が支持された複数のガイド軸109aと、左右のフレーム板100L,100Rの後側辺における回転軸102aの近傍位置に設けられ、該左右のフレーム板100L,100Rに両端が支持されたガイド軸107aと、から構成され、これら回転軸101a,102a、ガイド軸109a、ガイド軸107aにより左右一対のフレーム板100L,100Rが互いに平行をなすように離間配置された状態で一体化されている。
尚、左右のフレーム板100L,100Rの下端は支持部材(図示略)等によりベース板110に固定されている。また、フレーム板100L,100Rの後長辺100a,100bにおける下部ローラ102とガイドローラ107との間には、側面視略三角形状をなす切欠凹部150a,150bがそれぞれ形成されている。切欠凹部150a,150bは、フレーム板100L,100Rにおいて搬送ベルト103を挟んで対向する後長辺100a,100bの長手方向の同位置に形成されている。
ガイド軸107aにはガイドローラ107が回動可能に設けられ、各ガイド軸109aにはガイドローラ109が回動可能に設けられている。また、フレーム板100L,100Rそれぞれの後長辺100a,100bには、後端面100c,100dそれぞれに突設された前後方向を向くガイド軸140a周りに回動可能に設けられたガイドローラ140が、後長辺100a,100bそれぞれの長手方向に向けて所定間隔おきに複数設けられている。このように、上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡された搬送ベルト103は、複数のガイドローラ107,109により内面103bが案内されて内側への撓みが防止され、後側辺においては左右側端面が左右のガイドローラ140により案内されて左右方向の蛇行が防止されている(図8,図9参照)。
これら搬送ベルト103の外面103aに対向して配置される上部通路カバー118、直線状通路カバー104、アール状通路カバー105、球導入通路カバー106は、上部ローラ101及び下部ローラ102の回転により周回する搬送ベルト103に遊技球を押圧して揚送するための通路部材を構成している。
尚、下部ローラ102は、本体下部に設けられる揚送清浄モータ80により駆動する駆動ローラとされ、上部ローラ101は従動ローラとされており、図6中矢印方向(時計回り)に回転するようになっている。また、図6に示されるように、下部ローラ102の上方近傍位置、つまり、ガイドローラ107と下部ローラ102との間における切欠凹部150a,150bに対応する位置には、搬送ベルト103の張力を調整可能なテンションローラ108が配置されており、搬送ベルト103の外面103aにおけるガイドローラ107と下部ローラ102との間に当接して内側に押圧付勢することにより搬送ベルト103に対し所定の張力を付与している。
直線状通路カバー104は、上下方向に延びる板状部材にて構成され、図5に示されるように、本体100の後面における一側辺に、該本体100の後面を開閉可能に枢着されており、他側辺に突設された上・中・下段の係止ピン112a〜112cに、本体100に枢着された上・中・下段の係止部材111a〜111cが係止されることで、閉塞位置にてロックできるようになっている。
直線状通路カバー104の内面には、特に図7に示されるように、上下方向に延設される直線状通路115を形成するための略半球状の凹溝113が複数列(本実施例では7列)並設して形成された縦長の通路板114が、複数のコイルバネ117を介して搬送ベルト103に向けて付勢された状態で配置されており、直線状通路カバー104を閉塞位置に位置したときに、搬送ベルト103の外面103aに対向配置され、これら複数の凹溝113により、上下方向に延びる複数列の直線状通路115が形成される。
そしてこれら各凹溝113にガイドされる各直線状通路115内の遊技球Pは、この通路板114により搬送ベルト103に押圧されることにより、搬送ベルト103の移動により通路内を上方に向けて移動して揚送されるようになっている。つまり、通路板114における遊技球Pとの対向面(内面)は、遊技球Pの移送面を構成している。
また、この通路板114の内面側には、各通路内を移送する遊技球Pに摺接することにより清浄する清浄部材としての清浄布116が敷設されていることで、この清浄布116を介して通路板114により遊技球Pが搬送ベルト103に向けて押圧されることで、搬送ベルト103の移動により、遊技球Pが清浄布116に摺接(当接)されながら移送されるため、遊技球Pが揚送とともに清浄(研磨)されるようになっている。つまり、本実施例における揚送清浄装置25は、遊技球Pを清浄しながら揚送する。
この清浄布116は帯状をなし、直線状通路カバー104の通路板114の内面に沿って上下方向(遊技球の移送方向の上流側から下流側)に張設される。該張設された清浄布116の上側は、直線状通路カバー104の上端部(下流側折返し部)にて外側下向きに折返された後、直線状通路カバー104の外面上部に設けられた上部クランプ装置400(図6参照)に挿通した状態で保持され、直線状通路カバー104の外面に沿って敷設される。また、清浄布116の下側は、直線状通路カバー104の下端部(上流側折返し部)にて外側上向きに折返された後、直線状通路カバー104の外面下部に設けられた下部クランプ装置410(図6参照)に挿通した状態で保持され、直線状通路カバー104の外面に沿って敷設される。
このように清浄布116は、直線状通路カバー104の上下端部にてそれぞれ外向きに折返され、直線状通路カバー104の外面に沿って引き出された上部を上部クランプ装置400にて、下部を下部クランプ装置410にて保持する必要があるため、少なくとも直線状通路カバー104の上下幅寸法、つまり、直線状通路115において清浄布116が遊技球に当接可能に敷設される清浄部の長手幅寸法よりも長尺な帯布にて構成されており、遊技球との摺接面が汚れた場合、上部クランプ装置400及び下部クランプ装置410による保持状態を解除し、直線状通路115の清浄部に配置されている清浄布116の使用済み部を上部または下部から引き出して、未使用部を直線状通路115の清浄部に配置することで交換できるようになっている。
尚、本実施例では、清浄布116は手動にて未使用部を引き出して清浄部に配置するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、巻取りローラ等を介して自動的に未使用部が清浄部に引き出されるようにしてもよい。
このように直線状通路カバー104により形成される直線状通路115は、図6に示されるように、回転軸101aから回転軸102aにかけて本体100の前面側、つまり搬送ベルト103の上昇側に形成されている。そして直線状通路115を上方に移送された遊技球Pは、本体100の上部に設けられた上部通路カバー118により形成される円弧状の上部通路119により前面側(図5中右側)に折り返された後、該上部通路カバー118に連設された排出カバー120内を流下して、該排出カバー120に形成された排出口38から排出され、上部タンク3内に貯留されるようになっている。
直線状通路115の下方、つまり上流側には、前述したアール状通路カバー105により形成されるアール状通路121が形成されており、本体100の前面側下部に設けられた流入口37から流入される遊技球を、上方の直線状通路115に向けて誘導するようになっている。
アール状通路121には、このアール状通路カバー105の上流側にある流入口37に設けられる球導入通路カバー106により形成される球導入通路123を流下する遊技球Pが流入されるようになっている。また、流入口37は、本体100の下部背面側に設けられ、複数のパチンコ遊技機2から排出される遊技球を回収する回収通路の一部を構成する合流通路11が接続されている。
次に、本体100の下部及びの詳細について、図8〜図16に基づいて説明する。図8は、本体の下部及びテンションユニットを示す側面図である。図9は、本体の下部及びテンションユニットを示す背面図である。図10は、本体及びテンションユニットを示す底面図である。図11は、(A)は図8のD−D断面図、(B)はE−E断面図である。図12は、(A)は本体とテンションユニットを示す分解側面図、(B)は(A)のF−F断面図である。図13は、テンションユニットの要部を示す側面図である。図14は、(A)はロックアームの先端を示す拡大図、(B)は(A)のG−G断面図である。図15は、(A)(B)はテンションユニットの取り付け方法を示す説明図である。図16は、(A)はテンションユニットの取り付け方法を示す説明図、(B)は(A)のH−H断面図である。
図8〜図12に示すように、本体100は、一方のフレーム板100Lと、該フレーム板100Lに対し略平行をなすように離間して配置された他方のフレーム板100Rと、が回転軸101a,102a、ガイド軸109a、ガイド軸107aにより一体化されることで一の構造体を構成している。尚、本実施例では、フレーム板100L,100Rは回転軸101a,102a、ガイド軸109a、ガイド軸107aにより一体化されているが、これら軸部材以外の連結フレームにて一体化されていてもよい。
図12に示すように、切欠凹部150a,150bは、後側に開放する側面視略三角形状に形成され、少なくとも開口幅L3はテンションローラ108の直径L4よりも長寸(L3>L4)とされ、深さL3’はテンションローラ108の直径L4よりも短寸(L3’<L4)とされている。尚、深さL3’を、テンションローラ108の直径L4と同寸(L3’=L4)または長寸(L3’>L4)としてもよい。本実施例では、後述するように搬送ベルト103を押圧付勢した状態において、テンションローラ108の前半部、詳しくは、回動軸が後長辺100a,100bよりも前側に配置される程度に配置可能な深さL3’を有しており、左右のフレーム板100L,100Rにおいて搬送ベルト103を挟んで対向する後長辺100a,100bの長手方向の同位置に形成されている。
搬送ベルト103は、左右のフレーム板100L,100R同士の離間幅寸法L1よりも小寸の左右幅寸法L2を有し、フレーム板100L,100Rの周縁よりも外側を周回するように上部ローラ101、下部ローラ102、ガイドローラ107,109、テンションローラ108に掛け渡されている。また、テンションローラ108を除く上部ローラ101、下部ローラ102、ガイドローラ107,109は、無端状の搬送ベルト103の内側に配設されて該搬送ベルト103の内面に当接され、テンションローラ108は、無端状の搬送ベルト103の外側に配設されて該搬送ベルト103の外面103aにおける下部ローラ102とガイドローラ107との間に当接し搬送ベルト103の外面103aが内側に凹むように押圧付勢する。これにより、搬送ベルト103は切欠凹部150a,150bに差し掛かったところで、該切欠凹部150a,150bの縁辺に沿うように前後に移動する。
次に、テンションローラ108を含むテンションユニット160について説明する。テンションユニット160は、テンションローラ108と、該テンションローラ108を支持する支持体161と、から構成される。支持体161は、フレーム板100L,100Rそれぞれの外面に固定される左右一対の支持アーム162a,162b及びこれら左右一対の支持アーム162a,162bの下端を連結する連結片162cにより背面視略上向きコ字形をなすアーム部材162と、連結片162cにネジにて取り付けられる側面視下向きコ字形をなすガイド部材163と、ガイド部材163に対し前後方向に移動可能に設けられる平面視前向きコ字形をなす軸受部材164と、アーム部材162に取り付けられ該アーム部材162がフレーム板100L,100Rそれぞれの外面に係止された状態を維持するためのロック部材165と、から主に構成される。
図12(A)に示すように、支持アーム162a,162bそれぞれの上端辺には、連結片162cに向けて延びる軸支溝170a,170bが形成されており、フレーム板100L,100Rの外側面に突設された軸支部材180に軸支可能とされている。軸支部材180は、図12(B)に示すように、軸支部180aと、該軸支部180aの先端に形成される軸支部180aよりも大径の頭部180bと、から構成されており、軸支部180aに軸支溝170a,170bを挿入することで、支持アーム162a,162bを軸心方向の移動を規制した状態で揺動可能に支持できるようになっている。
また、支持アーム162a,162bそれぞれの前長辺の所定箇所には、後長辺に向けて延びる係止溝171a,171bが形成されており、フレーム板100L,100Rの外側面に突設された係止部材190に係止可能とされている。係止部材190は、図12(B)に示すように、係止部190aと、該係止部190aの先端に形成される係止部190aよりも大径の頭部190bと、から構成されており、係止部190aに係止溝171a,171bを挿入することで、支持アーム162a,162bの軸心方向の移動及び揺動を規制できるようになっている。
尚、軸支部180aの長さL10は、支持アーム162a,162bの板厚より若干長寸に形成され、係止部190aの長さL11は、支持アーム162a,162bの板厚より長寸で、支持アーム162a,162bの板厚と後述するロック片178の板厚とを合算した長さよりも若干短寸とされ、後述するように、係止部190aに係止溝171a,171bを係止した状態で後述するロック片178を圧入可能とされている。
係止溝171a,171bから後側に離れた位置には、ロック部材165を軸支するための軸孔172a,172bが形成されている。また、支持アーム162a,162bの内面における軸孔172a,172bの近傍位置には、搬送ベルト103の左右側面をガイドするガイドローラ195が上下方向を向く軸部材196を介して回動可能に支持されている。
このようにアーム部材162は、軸支部材180に軸支溝170a,170bを挿入することで、フレーム板100L,100Rに対し揺動可能に支持される。具体的には、テンションローラ108及び軸受部材164の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置される第1位置(図15(B)参照)と、テンションローラ108及び軸受部材164の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置されない第2位置(図15(A)参照)と、の間で揺動可能に支持され、係止溝171a,171bは、第1位置において係止部材190の係止部190aに係止される。
図8に示すように、上部ローラ101及び下部ローラ102の直径L7は、フレーム板100L,100Rの長辺に対し直交する短手幅寸法L8よりも長寸とされ(L7>L8)、搬送ベルト103の左右幅寸法L2(図9参照)は、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1(図9参照)よりも小寸とされ(L2<L1)、フレーム板100L,100Rそれぞれの周端面の一部である後端面100c,100d及び支持アーム162a,162bの内面には、搬送ベルト103の左右側面をガイドするガイド部としてのガイドローラ140,195が設けられていることで、搬送ベルト103がフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dよりも外側で、かつ、フレーム板100L,100Rの間を周回することで、ガイドローラ140,195をフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dに配設することができるため、ガイドローラ140,195をフレーム板100L,100Rの間に配置する場合よりもフレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を短寸とすることができるばかりか、支持アーム162a,162bにガイドローラ140,195が設けられることで、切欠凹部150a,150bの近傍位置にもガイドローラ195を配設することが可能となる。
ロック部材165は、支持アーム162a,162bの外面側にそれぞれ配置される左右一対のロックアーム175a,175bと、ロックアーム175a,175bの一辺同士を連結する連結片175cと、から構成される。ロックアーム175a,175bには軸孔176a,176bが形成されており、該ロックアーム175a,175bを支持アーム162a,162bの外側に配置した状態で軸孔172a,172bと軸孔176a,176bとを合致させ、軸部材177a,177b(図9参照)をそれぞれ外側から挿通することで、アーム部材162に対しロック部材165が軸部材177a,177bを中心として揺動可能に設けられる。
詳しくは、図13に示すように、ロック部材165は、アーム部材162に対し、連結片175cの上辺が支持アーム162a,162bの後側辺に近接するロック位置(図13中実線位置)と、連結片175cの下辺が支持アーム162a,162bの後側辺に当接するロック解除位置(図13中2点鎖線位置)と、の間で揺動可能に軸支され、図示しないコイルバネ等により常時ロック位置側に向けて回動するように付勢されている。
図13及び図14(A)に示すように、ロックアーム175a,175bの先端には、それぞれロック片178が形成されている。ロック片178は、ロック位置において係止溝171a,171bの一縁側に沿うように配置され、該係止溝171a,171b側には係止突部178aが形成されている。また、ロック片178は、図14(B)に示すように、所定の板厚を有し、その外面には、係止溝171a,171bに向けて支持アーム162a,162b側に傾斜するテーパ面178bが形成されており、板厚が係止溝171a,171b側に向けて漸次肉薄になるように横断面略楔形に形成されている。
図11に示すように、ガイド部材163は、テンションローラ108に沿うように延設される側面視略下向きコ字形をなす金属板にて構成され、上板163cが連結片162cにネジにより取り付けられている。前板163aの上下位置には貫通孔300a,300bが形成されているとともに、後板163bにおける貫通孔300a,300bに対応する位置には貫通孔301a,301bが形成されている。
軸受部材164は、テンションローラ108に沿うように延設される後板164aと、該後板164aの左右側端から前側に屈曲される軸受板164b,164cと、により側面視略前向きコ字形をなす金属板にて構成される。軸受板164b,164cには、テンションローラ108の回動軸108aの上下端が回動可能に支持されている。また、後板164aの後面上下位置には、ガイド軸302a,302bが突設されており、これらガイド軸302a,302bがガイド部材163の貫通孔300a,300b、301a,301bに挿通されていることにより、軸受部材164及びテンションローラ108は、ガイド部材163に対し前後方向に移動可能に支持されている。
また、図10に示すように、後板164aの下辺右位置からは支持片303が後側に向けて延設されており、該支持片303には、右側のガイド軸302aに環装された固定部材304が支持されている。また、ガイド軸302aにおける固定部材304と後板163bとの間には、圧縮コイルバネ305が、軸受部材164及びテンションローラ108をガイド部材163から離れる方向、つまり、搬送ベルト103側に向けて付勢するように環装されており、搬送ベルト103に対する付勢力を微調整できるようになっている。尚、ガイド軸302a,302bの先端にはストッパ302cが設けられており、ガイド軸302a,302bの貫通孔300a,300b、301a,301bからの逸脱が規制されている。
尚、本実施例では、上下のうち一方のガイド軸302aにのみテンションローラ108を付勢する圧縮コイルバネ305が環装されていたが、他方のガイド軸302bにも圧縮コイルバネ305を設けてもよい。また、特に圧縮コイルバネ305を設けなくてもよい。
また、図12(A)に示すように、このように構成された支持体161は、左右一対の支持アーム162a,162bを有するアーム部材162と、テンションローラ108を回動可能に支持する回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164とを有し、回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164は、左右一対の支持アーム162a,162bを有するアーム部材162に対し該支持アーム162a,162bの基端側(軸支溝170a,170b側)に向けて鋭角(例えば、角度θ=約45度)に取り付けられていることで、アーム部材162に対し回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164を鈍角に取り付ける場合よりも、テンションローラ108をアーム部材162の揺動軸心となる軸支部180aに近づけて配置できるので、アーム部材162に対するガイド部材163及び軸受部材164の取付強度が向上する。
また、搬送ベルト103が回動すると該搬送ベルト103の下降路側に配置されるテンションローラ108には下向きの力、つまり、テンションローラ108がアーム部材162から離れる方向に力が作用するが、アーム部材162は、左右のフレーム板100L,100Rの外面に一端が軸支され、他端が搬送ベルト103の外側に配置されるように下方に向けて外側に傾斜するように配置され、該アーム部材162に対し回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164が鋭角に取り付けられることで、テンションローラ108が搬送ベルト103とアーム部材162との間に挟まれるように配置されるため、アーム部材162によりテンションローラ108を搬送ベルト103に対し強く押し付けることが可能となる。さらに、テンションローラ108を搬送ベルト103の外面103aに対し略直交する方向に押圧付勢することができる。
また、図9に示すように、テンションローラ108の左右幅寸法L5及び該テンションローラ108の左右側部を回動可能に支持する回動軸108aや軸受部材164の左右幅寸法L6は、左右のフレーム板100L,100R同士の離間幅寸法L1よりも長寸とされている(L5,L6>L1)が、フレーム板100L,100Rには、テンションローラ108や軸受部材164の少なくとも一部を配置可能な大きさを有する切欠凹部150a,150bが形成されていることで、テンションローラ108や軸受部材164の前部をフレーム板100L,100Rに接触させることなく、後長辺100a,100bより前側に配置することが可能となっている。
次に、このように構成されたテンションユニット160のフレーム板100L,100Rへの取り付け状況について、図15及び図16に基づいて説明する。
まず、図15(A)に示すように、左右の支持アーム162a,162bがフレーム板100L,100Rの外側面に配置し、支持アーム162a,162bをフレーム板100L,100Rの長手方向に対し略直交する姿勢で軸支溝170a,170bを軸支部材180の軸支部180aに挿入する。尚、このときテンションローラ108は、圧縮コイルバネ305の付勢力により、ガイド部材163から離れた位置に配置されている。
次いで、図15(B)に示すように、支持アーム162a,162bを軸支部180aに支持させた第2位置から右側面視で時計回りに回動させ、テンションローラ108を搬送ベルト103の外面103aに当接させた後、さらに搬送ベルト103の外面103aを押圧するように回動させて第1位置まで移動し、係止溝171a,171bを係止部190aに係止させる。尚、搬送ベルト103の外面103aを押圧するとき、支持アーム162a,162bの上端の軸支溝170a,170bが軸支部180aに軸支されていることにより、テンションユニット160の軸支溝170a,170bの反対側の端部を搬送ベルト103側に押し付けるように支持アーム162a,162bを回動させるだけで、テンションユニット160を搬送ベルト103側に強く押し付けることができるとともに、テンションローラ108を切欠凹部150a,150bに容易に配置することができる。尚、このときテンションローラ108は、圧縮コイルバネ305の付勢力に抗してガイド部材163に近づく。
次いで、図16(A)に示すように、支持アーム162a,162bが第1位置にあるときに、ロック部材165の連結片175cの下辺を押し上げるように右側面視反時計回りに回動させて、ロック部材165をロック解除位置からロック位置に向けて移動させる。ここで、図16(B)に示すように、ロック部材165のロック片178のテーパ面178b側の肉薄部が、支持アーム162a,162bの外面と頭部180bとの間に入り込む。そして、ロック部材165の連結片175cの下辺をさらに強く押し上げることにより、ロック片178のテーパ面178b側の肉薄部が支持アーム162a,162bの外面と頭部180bとの間に挟持されることにより、支持アーム162a,162bの内面がフレーム板100L,100Rの外面に強く圧接され、その摩擦抵抗力が搬送ベルト103の張力より上回ることにより、支持アーム162a,162bが第2位置側へ押し戻されることが防止され、第2位置にてロック(維持)される。
また、ロック部材165により支持アーム162a,162bが第1位置に維持された状態において、搬送ベルト103の張力により支持アーム162a,162bを第2位置側へ押し戻す力が働くと、ロック部材165のロック片178のテーパ面178b側の肉薄部が支持アーム162a,162bの外面と頭部180bとの間により深く入り込むため、支持アーム162a,162bを第2位置にロック(維持)する力が増大して第2位置から回動しにくくなる。
さらに、係止突部178aが係止溝171a,171bの開口側に配置されることで、支持アーム162a,162bが搬送ベルト103の弾性力により第1位置から第2位置側に戻されそうになったときに係止部190aが係止突部178aに接触することで第1位置から第2位置側への移動が規制される。
このように、支持アーム162a,162bが第1位置に維持された状態において、搬送ベルト103の外面103aにおける下部ローラ102とガイドローラ107との間がテンションローラ108により前側(内側)に押圧付勢され、切欠凹部150a,150bの縁辺に沿うように側面視略三角形状をなすように凹む。これにより、上部ローラ101と下部ローラ102との間に掛け渡された搬送ベルト103に所定の張力が付与される。
テンションローラ108は、上部ローラ101と下部ローラ102との間に掛け渡された搬送ベルト103の外面103aにおける下降路の外側(後側)に配置され、上部ローラ101と下部ローラ102との間の直線状部の一部をフレーム板100L,100R側に凹ませるように押圧することにより搬送ベルト103に所定の張力を発生させるが、フレーム板100L,100Rに切欠凹部150a,150bが形成されていることにより、テンションローラ108の左右幅寸法L5及び該テンションローラ108の左右側部を回動可能に支持する回動軸108aや軸受部材164の左右幅寸法L6よりも、左右のフレーム板100L,100R同士の離間幅寸法L1を長寸としなくても、テンションローラ108や回動軸108a、軸受部材164をフレーム板100L,100Rに接触させることなく、テンションローラ108や回動軸108a、軸受部材164の一部がフレーム板100L,100Rの後長辺100a,100bよりも前側に位置するように、つまり、テンションローラ108や回動軸108a、軸受部材164の一部を切欠凹部150a,150bに配置することができるため、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を極力短寸として本体100を小型化することができる。
これにより、テンションユニット160が後側に大きく膨出することが防止されるばかりか、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を、テンションローラ108の左右幅寸法L5や回動軸108aや軸受部材164の左右幅寸法L6よりも長寸にしなくて済むため、左右幅を極力コンパクト化することができるため、遊技島1の内部に広い設置スペースを確保せずとも揚送清浄装置25を設置することが可能となる。
また、図16(A)に示すように、支持アーム162a,162bは、係止溝171a,171bを係止部190aに係止させた第1位置に維持された状態において、フレーム板100L,100Rに対し斜めに傾斜して配置されるとともに、軸受部材164やガイド部材163からなる回動支持アームがアーム部材162に対し鋭角に設けられ、かつ、回動支持アームのガイド軸302a,302bが搬送ベルト103の外面103aに対しテンションローラ108を略直交する方向に付勢するように配置されるため、搬送ベルト103を好適に付勢することができる。
以上説明したように、本発明の実施例としての揚送清浄装置25にあっては、長板状の第1フレーム板としてのフレーム板100Lと、該フレーム板100Lに対し離れて並設される長板状の第2フレーム板としてのフレーム板100Rと、フレーム板100Lとフレーム板100Rとの間における長手方向の一端側と他端側それぞれに架設される2つの軸部材としての回転軸101a,102aと、該2つの回転軸101a,102aそれぞれに回動可能に設けられた2つの回動ローラとしての上部ローラ101及び下部ローラ102と、上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡された無端帯状の搬送ベルト103と、該搬送ベルト103の外面103aに対向して配置された清浄部材としての清浄布116と、を備え、下部ローラ102を駆動させて搬送ベルト103を周回させることにより該搬送ベルト103と清浄布116との間に挟持された遊技球Pを搬送しながら清浄する揚送清浄装置25において、フレーム板100L,100Rにおいて搬送ベルト103を挟んで対向する後長辺100a,100bの長手方向の同位置に形成される切欠凹部150a,150bと、搬送ベルト103の外面103aに当接し付勢されることで該搬送ベルト103に所定の張力を付与するテンションローラ108と、テンションローラ108を回動可能に支持する支持体161と、を備え、切欠凹部150aは、該テンションローラ108または支持体161の少なくとも一部を配置可能な大きさを有することで、テンションローラ108が搬送ベルト103の外面103aに当接し付勢されるときにフレーム板100L,100Rとの離間幅寸法L1に制限されることなく、テンションローラ108の少なくとも一部をフレーム板100L,100Rの長辺100c,100dより内側に配置することができるため、揚送清浄装置25をコンパクトにすることができる。
また、支持体161は、フレーム板100L,フレーム板100Rそれぞれに支持される2つの支持アーム162a,162bを有することで、テンションローラ108の左右端部を、フレーム板100L,100Rそれぞれに支持された2つの支持アーム162a,162bを介して安定して支持できる。
尚、本実施例では、支持体161はフレーム板100L,100Rに係止することにより取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本体100以外の箇所に取り付けられていても良い。また、回動軸108aの左右端部がそれぞれ別個のフレーム板100L,100Rに支持されていたが、左右いずれか一方のフレーム板にて支持されていても良い。
また、フレーム板100L,100Rは、支持アーム162a,162bを、テンションローラ108または支持体161の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置される第1位置(例えば、図16(A)に示す位置)とテンションローラ108または支持体161の少なくとも一部が切欠凹部150a,150bに配置されない第2位置(例えば、図15(A)に示す位置)との間で揺動可能に支持する軸支部180aと、支持アーム162a,162bそれぞれに設けられた係止溝171a,171bが係止される係止部190aと、を備え、係止溝171a,171bは、第1位置にて係止部190aに係止される(例えば、図15(B)参照)ことで、支持アーム162a,162bを、第2位置において軸支部180aに支持させて位置決めした状態で第1位置まで揺動(回動)することで、係止溝171a,171bを係止部190aに容易に係止させることができるため、テンションローラ108または支持体161の少なくとも一部を切欠凹部150a,150bに容易に配置することができる。
また、テンションローラ108を支持する支持体161を揺動(回動)可能に支持する軸支部材180が、搬送ベルト103の回動を支持する第1フレーム板100L及び第2フレーム板100Rに設けられていることで、搬送ベルト103に対するテンションローラ108の相対位置が不変となるため、例えば、後述するように本体100が揺動(移動)可能に設けられている場合でも(図18参照)、テンションローラ108を常に搬送ベルト103の同じ位置で押圧付勢することができる。
また、支持体161に設けられ、係止部190aと係止溝171a,171bとの係止状態を維持する維持部としてのロック片178を有するロック部材165を備え、該ロック部材165は、ロック片178が係止部190aと係止溝171a,171bとの間に圧入されて係止状態を維持する維持位置(例えば、図16(A)に示す位置)と、ロック片178が係止部190aと係止溝171a,171bとの間から離脱して係止状態の維持が解除される解除位置(例えば、図15(A)に示す位置)と、の間で移動可能であることで、ロック部材165を支持体161に対し移動させるだけで、係止部190aと係止溝171a,171bとの係止状態の維持または解除を容易に行うことができる。
尚、本実施例では、係止部190aと係止溝171a,171bとの係止状態を維持する維持部としてのロック片178を有するロック部材165を備えていたが、このように係止部と被係止部との係止状態を維持する維持部材は特に設けなくてもよい。また、維持部として、係止部と被係止部とを挟持することにより係止状態を維持するものに限定されるものではなく、係止部と被係止部とに挿通されて相対移動を規制するもの等であっても良い。
また、上部ローラ101、下部ローラ102の直径L7は、フレーム板100L,100Rの長辺に対し直交する短手幅寸法L8よりも長寸とされ(L7>L8)、搬送ベルト103の左右幅寸法L2は、フレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1よりも小寸とされ(L2<L1)、フレーム板100L,100Rそれぞれの後端面100c,100d及び支持アーム162a,162bの内面には、搬送ベルト103aの幅方向の両側面をガイドするガイドローラ140,195が設けられていることで、搬送ベルト103がフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dよりも外側で、かつフレーム板100L,100Rとの間を周回することで、ガイド部をフレーム板100L,100Rの後端面100c,100dに配設することができるため、ガイドローラ140,195をフレーム板100L,100Rとの間に配置する場合よりもフレーム板100L,100Rの離間幅寸法L1を短寸としてコンパクト化することができるばかりか、支持アーム162a,162bにガイドローラ195が設けられることで、切欠凹部150a,150の近傍位置にもガイドローラ195を配設することが可能となる。
支持体161は、支持アーム162a,162bと、テンションローラ108を回動可能に支持するガイド部材163及び軸受部材164と、を有し、ガイド部材163及び軸受部材164は、支持アーム162a,162bに対し該支持アーム162a,162bの基端側に向けて鋭角(例えば、約45度)に取り付けられることで、アーム部材162に対し回動支持アームとしてのガイド部材163及び軸受部材164を鈍角に取り付ける場合よりも、テンションローラ108をアーム部材162の揺動軸心となる軸支部180aに近づけて配置できるので、支持アーム162a,162bに対するガイド部材163及び軸受部材164の取付強度が向上する。
図17は、本発明の変形例としての揚送清浄装置を示す縦断面図である。尚、本変形例において前記実施例の揚送清浄装置25と同様に構成される部位に関しては同様の符号を付すことで詳細な説明は省略することとする。前記実施例では、テンションローラ108は、下部ローラ102の上方近傍位置に配設されていたが、テンションローラ108の配設位置は前記実施例に記載の位置に限定されるものではなく、例えば、図17に示すように、搬送ベルト103における清浄布116と反対側の下降路における上部ローラ101の近傍位置に配設されていてもよい。
また、この場合、テンションローラ108は、搬送ベルト103の下降路に配設され、支持アーム162a,162bは、下端が軸支部180aに軸支され、上端が斜め上方を向く姿勢で配設されている。よって、テンションローラ108は、上方から下方に向けて移動する搬送ベルト103により後方に向けて引き込まれるため、好適に搬送ベルト103に対し張力を付与することができる。
尚、テンションローラ108の配設位置は、前記実施例や本変形例のように下部ローラ102や上部ローラ101の近傍位置に限らず、下部ローラ102と上部ローラ101との間の任意の位置に配設可能であり、また、搬送ベルト103の下降路に配設するものに限定されるものではなく、例えば、上昇路において遊技球Pの搬送に影響しない位置に配設してもよい。
図18は、(A)は本発明の他の変形例としての清浄装置を示す断面図、(B)は本体を開放位置に移動した状態を示す断面図である。尚、本変形例において前記実施例の揚送清浄装置25と同様に構成される部位に関しては同様の符号を付すことで詳細な説明は省略することとする。前記実施例では、清浄装置の一例として、遊技球を上方に揚送しながら清浄する揚送清浄装置25を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を斜め上方や水平方向に移送しながら清浄する清浄装置であってもよい。つまり、遊技球を揚送しながら清浄する清浄揚送装置に限定されるものではない。
図18に示す清浄装置25Bは、清浄布116が、清浄部材固定躯体350に固定された支持板353に設けられている。具体的には、清浄布116は、清浄面を右側から左側に向けて斜め上方に傾斜するように上向きに配設され、被巻取りローラ351に巻回された清浄布116が、巻取りローラ352が回転駆動されることにより巻き取り可能とされている。つまり、汚れた清浄布116を適宜巻き取って新規な清浄布116が引き出されるようになっている。
本体100は、清浄布116の上面に沿うように配置され、下部ローラ102の回動軸102aが清浄部材固定躯体350の所定箇所に軸支されており、図18(A)に示すように、搬送ベルト103が清浄布116の上面に対向する清浄位置と、搬送ベルト103が清浄布116の上面に対向しない開放位置と、の間で揺動可能に設けられている。よって、清浄布116を安定して支持できるようになっている。また、清浄布116の交換作業やメンテナンス作業を行う際に、本体100を清浄位置から開放位置に揺動させることで清浄面を簡単に露呈させることができる。
また、本体100は、清浄布116及び被巻取りローラ351や巻取りローラ352を支持する支持板353に設けられた2つの係止フック354に係止可能な係止部355が取り付けられており、清浄位置において、係止フック354を係止部355に係止することにより、清浄位置に保持されるようになっている。このように、フレーム板100L,100Rが清浄部材固定躯体350に係止されることで、フレーム板100L,100Rと清浄布116との位置関係に誤差が生じにくい。
また、本体100には、清浄部材固定躯体350に取り付けられた係止フック356に係止可能な係止部357が取り付けられており、清浄位置において、係止フック356を係止部357に係止することにより、清浄位置に保持されるようになっている。また、清浄部材固定躯体350には、搬送ベルト103にて搬送された遊技球Pを誘導する誘導部材358が設けられ、フレーム板100L,100Rの他端側は、清浄布116が搬送ベルト103の外面103aに対向する清浄位置において、清浄部材固定躯体350に係止可能に設けられていることで、フレーム板100L,100Rを安定して支持できる。
図19に示すように、接続樋10L,10Rに設けられたシャッタ装置200L,200Rは、接続樋10L,10Rに対し出退可能に設けられた可動板201L,201Rと、該可動板201L,201Rを接続樋10L,10Rから上方に退避する開放位置と接続樋10L,10Rに向けて突出する閉鎖位置との間で移動させるシャッタモータ202L,202Rと、から構成される。つまり、シャッタ装置200L,200Rは、可動板201L,201Rを開放位置に移動させて遊技球の流入口37への流下を許容する許容状態と、可動板201L,201Rを閉鎖位置に移動させて遊技球の流入口37への流下を許容しない非許容状態(流下を規制する規制状態)と、に変化可能とされている。また、シャッタ装置200L,200Rは、左右の可動板201L,201Rが揚送清浄装置25の流入口37の左右方向の略中心位置からそれぞれ同じ所定距離L20離れた箇所に配設されている。
また、流下溝9L,9R内には、該流下溝9L,9R内を流下し連通口10aを介して流入口37へ供給される遊技球を検出する近接センサ210L,210Rが設けられている。近接センサ210L,210Rは、可動板201L,201Rからそれぞれ同じ所定距離L21離れた箇所に配設されている。本実施例では、距離L21は距離L20よりも長寸とされているが、距離L21は距離L20と同じまたは短寸とされていてもよい。
本実施例では、シャッタ装置200L,200Rが非許容状態となることにより、接続樋10L,10Rにて可動板201L,201Rにより遊技球の流下が規制されて、接続樋10L,10Rから上流側の流下溝9L,9Rに向けて揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が滞留(待機)されるようになっている。また、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)連続して検出されたときには、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量(例えば、可動板201L,201Rから近接センサ210L,210Rがある位置までに滞留される遊技球数)以上滞留しているとして、後述する揚送清浄動作の開始条件が成立する。
一方、シャッタ装置200L,200Rが許容状態となることにより、接続樋10L,10Rにて可動板201L,201Rによる遊技球の流下規制が解除され流下可能な状態において、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)検出されなかったときには、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量(例えば、可動板201L,201Rから近接センサ210L,210Rがある位置までに滞留される遊技球数)以上滞留していないとして、後述する揚送清浄動作の停止条件が成立する。
尚、以下においては、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)連続して検出されたときに近接センサ210L,210R;onと判定され、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)以上検出されなかったときに近接センサ210L,210R;offと判定されるものとする。また、近接センサ210L,210R;onと判定された場合、近接センサ210L,210R;offと判定されるまで近接センサ210L,210R;onと判定されたままとされるとともに、近接センサ210L,210R;offと判定された場合、近接センサ210L,210R;onと判定されるまで近接センサ210L,210R;offと判定されたままとされるようになっている。
尚、本実施例では、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定するための検出手段として、近接センサ210L,210Rが適用されているが、近接センサ以外の検出スイッチ等を適用してもよい。また、本実施例では、可動板201L,201Rから近接センサ210L,210Rの位置まで滞留可能な遊技球数を予め設定し、流下溝9L,9Rの所定箇所に配設した近接センサ210L,210Rが遊技球を検出することで、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各パチンコ遊技機2やアウト球タンクから排出される遊技球を計数し、該計数された遊技球数に基づいて、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定するようにしてもよいし、回収通路にかかる遊技球の重量に基づいて判定するようにしてもよい。
図20(A)には、揚送清浄装置25の回路構成の一例が示されている。揚送清浄装置25は、揚送清浄装置25の駆動を制御するための各種回路が搭載されている。揚送清浄基板221には、例えば揚送清浄装置25の駆動を制御するための揚送清浄制御用コントローラ220や、遊技球検出用の近接センサ210L,210Rからの検出信号を取り込んで揚送清浄制御用コントローラ220に伝送するスイッチ回路223、揚送清浄制御用コントローラ220からのモータ駆動信号をシャッタモータ202L,202R、揚送清浄モータ80に伝送する出力回路224などが搭載されている。
揚送清浄制御用コントローラ220は、揚送清浄制御用のプログラム等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)230と、揚送清浄制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)231と、揚送清浄制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)232と、I/O(Input/Outputport)233とを備えて構成される。
揚送清浄制御用コントローラ220には、揚送清浄装置25に供給するための電力を直流電力から交流電力に変換するためのインバータ240を介して電力が供給されている。また、インバータ240は、図19に示すように、金属ボックス241に覆われた状態で収納されており、インバータ240から発生するノイズにより周辺機器に影響を与えることを回避できるようになっている。また、揚送清浄制御用コントローラ220は、遊技島1に設置され該遊技島1内における各種機器(例えば、計数装置15など)に接続される島コントローラ250に接続されている。
図20(B)の説明図に示すように、揚送清浄制御用コントローラ220は、近接センサ210L,210Rによる遊技球の検出結果に基づいて、揚送清浄装置25の揚送清浄モータ80及びシャッタモータ202L,202Rの駆動制御を行う。具体的には、揚送清浄制御用コントローラ220は、揚送清浄装置25の駆動初期状態においては、シャッタ装置200L,200Rを非許容状態とする。そして、接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rに向けて揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が滞留し、いずれかの近接センサ210L,210R;onであると判定したとき(近接センサ210L,210R;on)、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留している、つまり、揚送清浄動作の開始条件が成立したとして、設定された清浄開始待ち時間(ta)が経過したときに、on判定された近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rにより可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させ、シャッタ装置200L,200Rを許容状態とするとともに、揚送清浄モータ80を駆動して、揚送清浄動作を開始する。
また、揚送清浄動作を開始した後、いずれかの近接センサ210L,210R;offであると判定したとき(近接センサ210L,210R;off)、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していない、つまり、揚送清浄動作の停止条件が成立したとして、off判定された近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rにより可動板201L,201Rを開放位置から閉鎖位置に移動させ、シャッタ装置200L,200Rを非許容状態とした後、予め定められた清浄停止待ち時間(tb)が経過したとき、揚送清浄モータ80の駆動を停止して、揚送清浄動作を停止する。
この清浄停止待ち時間(tb)は、揚送清浄装置25への遊技球の流入を規制したときに既に可動板201L,201Rを通過した全ての遊技球が揚送されるまでに要する時間を設定することが好ましい。具体的には、可動板201L,201Rが閉鎖位置に移動したときに揚送清浄装置25内に残存している遊技球に加え、可動板201L,201Rの下流側にある遊技球、つまり、図19に示すように、可動板201L,201Rから流入口37までの距離L20間に滞留している遊技球全てが揚送清浄装置25内に供給され排出口38から排出されるまでに要する時間とされる。よって、近接センサ210L,210R;offであると判定したとき(近接センサ210L,210R;off)から清浄停止待ち時間(tb)が経過した時点で揚送清浄装置25の揚送清浄駆動を停止することで、揚送清浄装置25に残存する遊技球、合流通路11、接続樋10L,10Rにある遊技球を全て揚送して、少なくとも揚送清浄装置25内部に遊技球が残存しない状態としてから揚送清浄駆動を停止させることができる。
このように揚送清浄駆動を間欠的に行う場合において、揚送駆動を停止させたときに揚送経路内に遊技球が残存しないことで、揚送清浄駆動を再開させる際に遊技球による負荷がかからない状態で揚送清浄モータ80の駆動を開始させることができる(駆動初期時にかかる負荷を軽減できる)。また、後述する搬送ベルト103にも駆動開始時に大きな負荷がかからないので、搬送ベルト103が破損すること等を防止できる。
尚、このように揚送清浄動作の停止条件が成立したときから予め定められた清浄停止待ち時間(tb)が経過したときに揚送清浄駆動を停止するのではなく、例えば揚送清浄装置25の排出口38に遊技球の検出センサ等を設け、揚送清浄装置25への遊技球の流入を規制した後、前記検出センサが遊技球を検出してから所定時間内に新たな遊技球が検出されなくなったことを条件に、揚送清浄駆動を停止させるようにしてもよい。
また、揚送清浄装置25のメンテナンス作業等を実施する場合等には、特定の停止操作を行うことにより、揚送清浄装置25の揚送駆動を手動で停止させることができるようになっているが、この場合においても、シャッタ装置200L,200Rにより揚送清浄装置25への遊技球の流入を規制した後、所定期間が経過した時点で揚送清浄装置25の揚送清浄駆動を停止する。
また、揚送清浄制御用コントローラ220は、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)検出されず近接センサ210L,210R;offと判定したときから停止期間タイマにより計時を開始し、次回、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間(例えば、10秒)連続して検出され近接センサ210L,210R;onと判定するまでの時間、つまり、揚送清浄動作が停止されている停止期間(tc)を計時する。
そして、図20(C)に示すように、揚送清浄制御用コントローラ220は、近接センサ210L,210R;onと判定したときに、停止期間タイマにより計時された時間(停止期間:tc)が、0〜30秒の範囲内である場合は、後述する清浄停止待ち時間であり、可動板201L,201Rが閉鎖位置であるが、揚送清浄モータ80は駆動している状態、つまり、揚送清浄動作の実行中であるため、清浄開始待ち時間(ta)を設定せず(ta=0秒)、即座に遊技球を検出した近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させてシャッタ装置200L,200Rを許容状態とし、揚送清浄動作を継続する。
尚、本実施例では、特に詳細な図示はしないが、揚送清浄制御用コントローラ220は、揚送清浄装置25の起動処理において、清浄開始待ち時間(ta)として所定時間(例えば、30秒)を設定するようにしているため、起動後、最初に近接センサ210L,210R;onと判定したときは、清浄開始待ち時間(ta)30秒が経過したときに、近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させてシャッタ装置200L,200Rを許容状態とし、揚送清浄動作を開始する。
また、停止期間(tc)が31〜120秒の範囲内である場合は、清浄開始待ち時間(ta)として120秒を設定し、近接センサ210L,210R;onと判定したときから120秒が経過したときに、遊技球を検出した近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させてシャッタ装置200L,200Rを許容状態とする。また、停止期間(tc)が121秒以上である場合は、清浄開始待ち時間(ta)として180秒を設定し、近接センサ210L,210R;onと判定したときから180秒が経過したときに、遊技球を検出した近接センサに対応する側のシャッタモータ202L,202Rを介して可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置に移動させ、シャッタ装置200L,200Rを許容状態とする。
すなわち、本実施例では、揚送清浄動作の開始条件が成立したとき、所定の清浄開始待ち時間(ta)が経過したことに基づいて揚送清浄動作を開始するが、この清浄開始待ち時間(ta)が、前回の揚送清浄動作が停止してから新たな揚送清浄開始条件が成立するまでの時間に応じて変更される、つまり、停止期間に応じて異なる清浄開始待ち時間が設定される。
例えば、揚送清浄動作を停止したときから回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が短い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が多い場合は、上部タンク3の貯留量が減少してパチンコ遊技機2への遊技球の供給が途絶えることがないように、清浄開始待ち時間として短い時間が設定されるので清浄動作が早く開始される。一方、揚送清浄動作を停止したときから回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が長い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が少ない場合は、上部タンク3の貯留量が減少してパチンコ遊技機2への遊技球の供給が直ちに途絶えることがなく、清浄開始待ち時間として長い時間が設定されるので、清浄動作が余裕をもって開始されるなど、パチンコ遊技機2の稼働状況に応じて効率よく清浄動作を行うことが可能となる。
尚、本実施例では、停止期間(tc)が31〜120秒の範囲内である場合は、清浄開始待ち時間(ta)が120秒に変更(設定)され、停止期間(tc)が121秒以上である場合は、清浄開始待ち時間(ta)が180秒に変更(設定)されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、停止期間(tc)や該停止期間(tc)に応じて設定される清浄開始待ち時間(ta)は上記以外の時間を設定するようにしてもよい。
また、本実施例では、停止期間(tc)に応じて清浄開始待ち時間(ta)が120秒または180秒に変更(設定)されるようになっていたが、3以上の清浄開始待ち時間(ta)に変更(設定)可能としてもよい。
また、本実施例では、近接センサ210L,210R;offと判定したことに基づいて対応するシャッタ装置200L,200Rを非許容状態に変化させるタイミングは、流入口37からシャッタ装置200L,200Rの上流側まで遊技球が滞留している状態とされている。具体的には、近接センサ210L,210R;offと判定されたときに、流入口37からシャッタ装置200L,200Rの上流側まで遊技球が滞留されているように、近接センサ210L,210Rは、可動板201L,201Rからそれぞれ同じ距離L21だけ上流側に離れた箇所に配設されている。
つまり、揚送清浄装置25の駆動が開始された後、回収された遊技球が新たに加わることなく、流入口37から近接センサ210L,210Rにかけて滞留している遊技球がシャッタ装置200L,200Rの上流側付近まで減少するのに要する時間が約10秒以上、すなわち、近接センサ210L,210Rにより遊技球が検出されなくなってから近接センサ210L,210R;offと判定されるまでに要する時間である10秒よりも長い時間となる距離L21とされていればよい。このようにすることで、可動板201L,201Rが開放位置から閉鎖位置に移動したときに、その上流側にも遊技球が存在することになるので、回収された遊技球が直接可動板201L,201Rに衝突して損傷することを防止できる。
次に、揚送清浄制御用コントローラ220が実行する揚送清浄処理について、図21のフローチャートに基づいて説明する。図21は、揚送清浄制御用コントローラが実行する揚送清浄処理の制御内容を示すフローチャートである。尚、揚送清浄処理は、揚送清浄装置の起動処理を行った後のタイマ割込み処理にて実行される処理である。
揚送清浄制御用コントローラ220は、まず、揚送清浄装置25の揚送清浄モータ80が駆動して揚送清浄動作が実行されていることを示す清浄中フラグがRAM231にセットされているか否かを判定する(ステップS101)。清浄中フラグがセットされていない場合(ステップS101;No)、揚送清浄動作の開始条件が成立したと判定されてから揚送清浄動作を行うまでの清浄開始待ち時間(ta)であることを示す清浄開始待ちフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS102)。
清浄開始待ちフラグがセットされていない場合(ステップS102;No)、近接センサ210L,210R;onであるか否か、つまり、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒連続して検出されたか否かを判定する(ステップS103)。近接センサ210L,210R;onでない場合は、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、そのまま処理を終了する。また、近接センサ210L,210R;onである場合、つまり、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留している場合は(ステップS103;Yes)、停止期間タイマのカウント値を確認し、該停止期間タイマの値が31〜120秒の範囲の値であるか否かを判定する(ステップS104)。停止期間タイマの値が31〜120秒の範囲の値である場合(ステップS104;Yes)、清浄開始待ちタイマに120秒に相当する値をセットする(ステップS105)。また、停止期間タイマの値が31〜120秒の範囲の値でない場合(ステップS104;No)、清浄開始待ちタイマに180秒に相当する値をセットする(ステップS107)。そして、ステップS105またはステップS107の後、清浄開始待ちフラグをセットし(ステップS106)、終了する。尚、停止期間タイマの値が30秒以内の場合は、後述する清浄停止待ち時間であって清浄中フラグがセットされているので、後述するステップS128〜130の処理が行われる。
清浄開始待ちフラグがセットされている場合(ステップS102;Yes)、清浄開始タイマのタイマ値を1減算し(ステップS108)、清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になったか否か、つまり、近接センサ210L,210R;offと判定されてから、ステップS105またはステップS107にて設定された時間が経過したか否かを判定する(ステップS109)。清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になっていないときは(ステップS109;No)、清浄開始待ち時間であるとして、そのまま処理を終了する。また、清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になっているときは(ステップS109;Yes)、可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに(ステップS110)、揚送清浄モータ80を駆動させて揚送清浄動作を開始させる(ステップS111)。そして、清浄開始待ちフラグをクリアし(ステップS112)、清浄中フラグをセットした後(ステップS113)、処理を終了する。
また、ステップS101にて清浄中フラグがセットされている場合(ステップS101;Yes)、揚送清浄動作の停止条件が成立したと判定されてから揚送清浄動作を停止するまでの清浄停止待ち時間(tb)であることを示す清浄停止待ちフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS120)。清浄停止待ちフラグがセットされていない場合(ステップS120;No)、近接センサ210L,210R;offであるか否か、つまり、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒検出されなかったか否かを判定し(ステップS121)、近接センサ210L,210R;offでない場合(ステップS121;No)は、そのまま処理を終了する。また、近接センサ210L,210R;offである場合(ステップS121;Yes)は、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、可動板201L,201Rを開放位置から閉鎖位置へ移動させるとともに(ステップS122)、清浄停止待ちタイマ値に清浄停止待ち時間である30秒に相当する値をセットし(ステップS123)、清浄停止待ちフラグをセットした後(ステップS124)、停止期間タイマのタイマをスタートさせ(ステップS125)、処理を終了する。
清浄停止待ちフラグがセットされている場合(ステップS120;Yes)、清浄停止待ちタイマのタイマ値を1減算し(ステップS126)、清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS127)。清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になっていない場合(ステップS127;No)、近接センサ210L,210R;onであるか否か、つまり、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒連続して検出されたか否かを判定し(ステップS128)、近接センサ210L,210R;onでない場合(ステップS128;No)は、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、そのまま処理を終了する。また、近接センサ210L,210R;onである場合、つまり、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留している場合は(ステップS128;Yes)、清浄停止待ち時間中であることから、停止期間タイマの値は0〜30秒の範囲内であるため、清浄開始待ちタイマに所定時間を設定することなく、可動板201L,201Rを閉鎖位置から開放位置へ移動させるとともに(ステップS129)、清浄停止待ちフラグをクリアして(ステップS130)、処理を終了する。つまりこの場合、揚送清浄動作は継続して実行される。
また、清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になった場合(ステップS127;Yes)、揚送清浄モータ80の駆動を停止して(ステップS131)、揚送停止待ちフラグ及び清浄中フラグをクリアし(ステップS132)、処理を終了する。
次に、図22及び図23に基づいて、揚送清浄動作に伴う遊技球の回収状況の一例を説明する。尚、ここでは揚送清浄装置25、右側のシャッタ装置200R、近接センサ210Rの動作状況について説明し、左側のシャッタ装置200L、近接センサ210Lの動作状況は同一であるため説明は省略する。
図22(A)に示すように、シャッタ装置200Rを非許容状態とされている場合において、各パチンコ遊技機2から排出された遊技球は、流下溝9R内に落下し、該流下溝9Rから接続樋10Rに向けて流下して回収されていく。そして、接続樋10Rにおいて、閉鎖位置にある可動板201Rにより流下が規制されることで、揚送清浄装置25により揚送清浄される遊技球が、接続樋10Rの可動板201Rから流下溝9Rに向けて滞留(待機)されていく。
そして図22(B)に示すように、パチンコ遊技機2から新たに排出された遊技球が滞留している遊技球群の最後尾に次々と滞留していく。そして、滞留している遊技球群の最後尾が近接センサ210R付近に到達し、近接センサ210Rにより遊技球が所定時間である10秒連続して検出されたと判定されると(近接センサ210R;on)、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10Rから流下溝9Rにかけて所定量以上滞留しているとして、近接センサ210R;onと判定された時点から所定の清浄開始待ち時間(ta)が経過したときに、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置に移動されるとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。これにより、該可動板201Rにて規制され滞留していた遊技球が流入口37に誘導され、揚送清浄装置25の内部に流入されていく(図22(C)参照)。
また、揚送清浄動作が行われることで、図23(D)に示すように、流入口37から合流通路11、接続樋10Rを介して流下溝9Rに向けて滞留している遊技球が揚送清浄装置25に取り込まれて減少していく一方で、各パチンコ遊技機2から排出され回収される遊技球があれば、流入口37から合流通路11、接続樋10Rを介して流下溝9Rに向けて遊技球が滞留している状況が継続する。そして、各パチンコ遊技機2から排出され回収される遊技球数より揚送清浄装置25に取り込まれる遊技球数が上回ると、滞留している遊技球は減少していく。尚、揚送清浄装置25に取り込まれる遊技球数が各パチンコ遊技機2から排出され回収される遊技球数より上回ると、滞留している遊技球は維持または増加する。
そして、滞留している遊技球が減少し、滞留している遊技球群の最後尾が近接センサ210Rから離れていくと、近接センサ210L,210Rにより遊技球が所定時間である10秒検出されなくなると、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留していないとして、図23(E)に示すように、可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動される。
尚、前述したように、シャッタ装置200Rの上流側に遊技球がある状態で可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動されるように距離L21が設定されていることで、可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動したときに上流側に遊技球がいない状況となることがないので、接続樋10Rを流下する遊技球が可動板201Rに直接衝突することが防止されている。
そして、近接センサ210R;offと判定され可動板201Rが開放位置から閉鎖位置に移動されてから、清浄停止待ち時間である30秒が経過するまでに近接センサ210Rが新たにonとならなければ、揚送清浄モータ80の駆動が停止される。この後、図22(A)の状態に戻ることになる。
次に、図24及び図25に基づいて、揚送清浄動作の開始、停止状況の一例を説明する。図24は、(A)は停止期間が121秒以上の場合、(B)は停止期間が30秒〜120秒の場合の揚送清浄動作の開始タイミングを示すタイミングチャートである。図25は、停止期間が0〜30秒の場合の揚送清浄動作の開始タイミングを示すタイミングチャートである。
図24(A)に示すように、例えば、近接センサ210R;onと判定された場合、その時点から清浄開始待ちタイマによるカウントが開始され、清浄開始待ち時間(ta1)として30秒が設定されている場合、該30秒が経過した時点で、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。
そして、揚送清浄動作中において近接センサ210R;offと判定された場合、清浄停止待ちタイマによるカウントが開始されるとともに、停止期間タイマによるカウント(計時)が開始される。そして、清浄停止待ち時間(tb)である30秒が経過した時点で、揚送清浄モータ80の駆動が停止され、揚送清浄動作が終了する。
次いで、近接センサ210R;offと判定された後、近接センサ210R;onと判定されたとき、その時点での停止期間タイマの値が121秒以上である場合、つまり、前回の近接センサ210R;offと判定されたときから121秒以上の時間が経過している場合、清浄開始待ち時間(ta2)として180秒が設定される。よって、近接センサ210R;onと判定されたときから180秒が経過した時点で、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。
また、図24(B)に示すように、揚送清浄動作中において近接センサ210R;offと判定された後、再度近接センサ210R;onと判定されたとき、その時点での停止期間タイマの値が31秒〜120秒の間である場合、つまり、前回の近接センサ210R;offと判定されたときから31秒〜120秒以内の時間が経過していた場合、清浄開始待ち時間(ta3)として120秒が設定される。よって、近接センサ210R;onと判定されたときから120秒が経過した時点で、可動板201Rが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80が駆動されて揚送清浄動作が開始される。
また、図25(A)に示すように、右側の近接センサ210R;onと判定されたことに基づいて揚送清浄動作が実行されている場合において、例えば遊技島1の左側のパチンコ遊技機2から回収される遊技球が増加して、左側の近接センサ210L;onと判定されたとき、その時点での停止期間タイマの値が30秒以内である場合、つまり、前回の近接センサ210R;offと判定されたときから30秒以内の時間が経過していた場合は、右側の近接センサ210R;offと判定されたことに基づく清浄停止待ち時間内であって、右側の可動板201Rは閉鎖位置にあるが揚送清浄モータ80による揚送清浄動作が実行中であるため、清浄開始待ち時間(ta4)は設定されず、左側の可動板201Lが閉鎖位置から開放位置へ移動するとともに、揚送清浄モータ80による揚送清浄動作は継続される。
このように、清浄停止待ち時間内において近接センサ210L,210R;onと判定された場合、つまり、停止期間タイマの値が30秒以内の時間である場合、閉鎖位置にある可動板201L,201Rを直ちに開放位置に移動して揚送清浄動作を継続するようになっていることで、揚送清浄動作を停止した後に直ちに開始するといった無駄な制御を行わずに済むとともに、遊技球を速やかに上部タンク3に揚送することができるので、パチンコ遊技機2への遊技球の供給が途絶えることを回避できる。
尚、本実施例では、上記のように、清浄停止待ち時間内において近接センサ210L,210R;onと判定された場合、つまり、停止期間タイマの値が30秒以内の時間である場合、閉鎖位置にある可動板201L,201Rを直ちに開放位置に移動して揚送清浄動作を継続するようになっているが、清浄開始待ち時間として所定時間(例えば、60秒など)を設定し、一旦、揚送清浄動作を停止した後、清浄開始待ち時間が経過してから揚送清浄動作を新たに開始するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としての遊技島1にあっては、複数設置されたパチンコ遊技機2から排出される遊技球を回収する回収通路としての回収樋17,17、誘導樋19、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11と、これら回収通路にて回収された遊技球を清浄する揚送清浄装置25と、を備え、揚送清浄制御用コントローラ220は、図21に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったか否か、つまり、揚送清浄装置25にて揚送清浄される遊技球が接続樋10L,10Rから流下溝9L,9Rにかけて所定量以上滞留しているか否かを判定し、図21に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったと判定した後、ステップS109において清浄開始待ちタイマのタイマ値が0になったと判定したときに可動板201L,201Rを開放位置に移動して揚送清浄モータを駆動させ、また、ステップS121において近接センサ210L,210R;offになったと判定した後、ステップS127において清浄停止待ちタイマのタイマ値が0になったと判定したときに可動板201L,201Rを閉鎖位置に移動して揚送清浄モータを停止させる。また、揚送清浄制御用コントローラ220は、図21に示す揚送清浄処理におけるステップS121において近接センサ210L,210R;offになったと判定したとき、ステップS125にて停止期間タイマをスタートさせて計時を開始させ、図21に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったと判定したとき、ステップS104にて停止期間タイマの値が31〜120秒の間であるときにはステップS105にて清浄開始待ちタイマに120秒をセットし、ステップS104にて停止期間タイマの値が31〜120秒の間でないときにはステップS107にて清浄開始待ちタイマに180秒をセットし、ステップS128にて近接センサ210L,210R;onになったと判定したときには、清浄開始待ちタイマに値をセットせずに可動板201L,201Rを開放位置に移動させる。
このようにすることで、回収通路に所定量以上の遊技球が滞留していると判定したときに揚送清浄動作を開始させ、回収通路に所定量以上の遊技球が滞留していないと判定したときに揚送清浄動作を停止させる、つまり、揚送清浄装置25を間欠駆動できるため、無駄な揚送清浄動作、例えば、揚送清浄する遊技球が少ないにもかかわらず揚送清浄動作を実行してしまうこと等が防止される。
また、揚送清浄動作を停止したときから回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が短い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が多い場合は揚送清浄動作を早く開始させ、回収通路に所定量以上の遊技球が滞留するまでの時間が長い場合、つまり、稼働しているパチンコ遊技機2が少ない場合は余裕をもって揚送清浄動作を開始させるなど、パチンコ遊技機2の稼働状況に応じて効率よく揚送清浄動作を行うことが可能となる。
また、本実施例では、流下溝9L,9R、接続樋10L,10R、合流通路11に滞留している遊技球を検出する検出手段としての近接センサ210L,210Rと、揚送清浄装置25と近接センサ210L,210Rとの間に設けられ、該揚送清浄装置25への遊技球の流入を許容する許容状態と許容しない非許容状態とに変化可能な可動手段としてのシャッタ装置200L,200Rと、を備え、揚送清浄制御用コントローラ220は、図21に示す揚送清浄処理におけるステップS103において近接センサ210L,210R;onになったか否かを判定し、また、ステップS121において近接センサ210L,210R;offになったと判定したとき、ステップS122にてシャッタ装置200L,200Rを非許容状態に変化させ、ステップS123にて清浄停止待ちタイマに30秒に相当する値をセットし、その後、ステップS127にて清浄停止待ちタイマの値が0になったと判定したときに、ステップS131にて揚送清浄モータ80を停止させる。
このようにすることで、揚送清浄装置25内に遊技球が残存する状態で揚送清浄動作が停止することが防止できるとともに、シャッタ装置200L,200Rが非許容状態にあるときに遊技球が直接シャッタ装置200L,200Rの可動板201L,201Rに衝突することを防止できる。
また、本実施例では、揚送清浄装置25に供給するための電力を直流電力から交流電力に変換するためのインバータ240と、インバータ240を囲う金属製の金属ボックス241と、を備えることで、インバータ240を使用することにより発生するノイズにより周辺機器(例えば、揚送清浄制御用コントローラ220や近接センサ210L,210R、パチンコ遊技機2の各種電子機器等)に影響を与えることを回避できる。
尚、本実施例では、本発明の清浄装置の一例として、遊技島1の下部に回収された遊技球を、遊技島1の上部の上部タンク3に揚送しつつ清浄する揚送清浄装置25が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を遊技島1の上部に揚送せずに清浄機能のみを有する清浄装置に適用してもよい。具体的には、例えば、揚送装置とは別個に、遊技島1の内部に配設された遊技球流路の一部に本発明が適用された清浄装置を配設すればよい。さらに、清浄装置は、遊技島1に配設されるものに限定されるものではなく、遊技島1以外の箇所で単独で使用されるものでもよい。
また、本実施例では、近接センサ210L,210R;offと判定されたとき、所定の清浄停止待ち時間が経過してから揚送清浄モータ80の駆動を停止するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、近接センサ210L,210R;offと判定されたとき、所定の清浄停止待ち時間の経過を待つことなく、直ちに揚送清浄モータ80の駆動が停止されるようにしてもよい。
また、本実施例では、近接センサ210L,210R;onと判定されたことに基づいて揚送清浄動作が開始された後、近接センサ210L,210R;offと判定されたことに基づいて揚送清浄動作の停止条件が成立するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、揚送清浄動作が開始されてから所定時間経過後に揚送清浄動作の停止条件が成立するようにしてもよい。
また、本実施例では、図21に示す揚送清浄処理において、ステップS121にて近接センサ210L,210R;offと判定されたことに基づいて、ステップS125にて停止期間タイマによる計時を開始するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップS121にて近接センサ210L,210R;offと判定された場合、ステップS122〜124の処理のみを実行し、ステップS131にて揚送清浄モータ80の駆動を停止したことに基づいて、停止期間タイマによる計時を開始するようにしてもよい。
図26には、本発明の変形例としての揚送清浄処理の一例が示されている。
前記実施例では、図21に示す揚送清浄処理において、ステップS121にて近接センサ210L,210R;offと判定されたことに基づいて、ステップS125にて停止期間タイマによる計時を開始するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図26に示すように、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定された場合、ステップS104〜107の処理を実行した後、ステップS106aにおいて、清浄開始待ち時間設定用タイマをリセットし、該清浄開始待ち時間設定用タイマによる計時を開始するようにしてもよい。また、この場合、ステップS104aにおいて、清浄開始待ち時間設定用タイマのタイマ値が200〜300秒であるか否かを判定するようにすればよい。
このようにした場合、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定されたことに基づいて、ステップS111にて揚送清浄動作を開始するとともに、当該揚送清浄動作が停止された後、次回、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定されたときに、前回近接センサ210L,210R;onと判定されたときから今回近接センサ210L,210R;onと判定されるまでの時間に応じて、ステップS105またはステップS107にて清浄開始待ち時間が設定(変更)される。
すなわち、本発明は、前記実施例のように、近接センサ210L,210R;offと判定されたときから次に近接センサ210L,210R;onと判定されるまでの時間、つまり、揚送清浄動作が停止されている時間に応じて清浄開始待ち時間を設定(変更)するものに限定されるものではなく、本変形例のように、近接センサ210L,210R;onと判定されてから次に近接センサ210L,210R;onと判定されるまでの時間、つまり、前回揚送清浄動作が実行された期間とその後に揚送清浄動作が停止されていた期間とを合算した期間に応じて清浄開始待ち時間を設定(変更)するようにしてもよい。
また、本変形例の場合においても、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定されたときに、ステップS106aにて清浄開始待ち時間設定用タイマによる計時を新たに開始するものに限定されるものではなく、ステップS103にて近接センサ210L,210R;onと判定され、ステップS111にて揚送清浄モータ80の駆動を開始したことに基づいて、清浄開始待ち時間設定用タイマによる計時を開始するようにしてもよい。
また、本実施例では、接続樋10L,10Rにシャッタ装置200L,200Rが設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、流下溝9L,9R等、他の回収通路に配設されていてもよいし、特にこのようなシャッタ装置200L,200Rは設けられていなくてもよい。また、本実施例のシャッタ装置200L,200Rのように、シャッタ装置は各接続樋10L,10Rに対応して2箇所に配設されるものに限定されず、合流通路11における流入口37の手前に1つのみ配設されていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例の揚送清浄装置25は、本体100の上下に設けられた上部ローラ101と下部ローラ102とに掛け渡され、上部ローラ101及び下部ローラ102の回転により周回する搬送ベルト103と、下部ローラ102を駆動させる揚送清浄モータ80と、を備え、揚送清浄モータ80を駆動して下部ローラ102を回転させて搬送ベルト103を回転させることにより遊技球を揚送する揚送清浄装置25が適用されていたが、例えば、揚送清浄モータ80を駆動して上部ローラ101を回転させて搬送ベルト103を回転させるものでもよい。
また、前記実施例では、遊技島1は、パチンコ遊技機2を設置可能な遊技島であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機から排出される遊技球を回収可能な回収通路が必要な第1遊技機としての通常のパチンコ遊技機(前記実施例に記載のパチンコ遊技機2)だけでなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される封入式パチンコ遊技機(図示略)や、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(図示略)と、を含む複数種類の遊技機を設置可能としてもよい。
特に図示しないが、例えば、所定の間隔を隔てて立設される複数の支持体と、該複数の支持体間における該支持体の下端より上方の上方位置に架設される長板状の設置板と、前記設置板の下方に該設置板の長手方向に沿って配設される腰板とを備え、該設置板の長手方向に沿って遊技機が設置される遊技島において、前記設置板は、前記遊技機にて遊技を行う遊技者側から見て前記腰板の奥側に配設される該遊技機に関連する関連設備が必要な第1遊技機と、前記関連設備が不要な第2遊技機と、を含む複数種類の遊技機を設置可能であり、前記設置板に前記第1遊技機が設置されるときの態様であって前記腰板により前記設置板の下方における前記複数の支持体間に遊技者側空間が形成されない第1態様と、前記設置板に前記第2遊技機が設置されるときの態様であって前記設置板の下方における前記複数の支持体間の少なくとも下部に遊技者側空間が形成される第2態様と、のいずれかに変更可能としてもよい。
このように、前記実施例に記載のパチンコ遊技機2は、遊技機から排出される遊技球を回収可能な回収通路や揚送装置等の遊技機に関連して設置される関連設備が必要な遊技機であったが、例えば、遊技島1に設置する遊技機を上記封入式パチンコ遊技機(図示略)やスロットマシンのように関連設備が不要な遊技機に変更する場合、揚送清浄装置25は不要となり、該揚送清浄装置25を設置しておくためのスペースを有効に利用できなくなる。よって、前述したように本体100が極力コンパクト化されることで、関連設備が不要な遊技機を設置する場合において清浄装置が邪魔になることを極力回避できる。