JP2015046952A - 配電盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、太陽光発電システムで使用されるパワーコンディショナを構成するインバータ、フィルタ、制御回路、変圧器の外に、高圧遮断器、地絡過電圧継電器などを1個の筺体の配電盤に納めて小型化を図り、組立作業を容易にし、設置スペースを縮小した配電盤を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、太陽光パネルから直流電力を交流電力に変換するインバータを有したパワーコンディショナと、該パワーコンディショナから出力される交流電力を高圧電力に昇圧する変圧器と、該変圧器と既存の電力系統の間に配置された遮断器とを1台の配電盤に収納し、前記配電盤は、パワーコンディショナを収納する室と遮断器及び継電器を収納する室とで形成し、該遮断器及び継電器を収納する室の後側に変圧器を配置したことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、太陽光発電システムにおいて、太陽光パネルより得られた直流電力をパワーコンディショナ(PCS(Power Conditioning System)ともいう)によって交流電力に変換し、これらの機器を配置し電力系統に接続する配電盤に関する。
近年、地球温暖化防止に向けたCO削減の国際的な取組みなど環境保全意識の高まりを背景に、太陽光発電システムの普及が拡大しつつある。この太陽光発電システムにおいて、太陽の光エネルギーは太陽電池モジュールによって直流電力に変換され、この直流電力がパワーコンディショナによって交流電力に変換され、電力系統に接続され売電可能となる。
具体的には、パワーコンディショナにおいては、太陽電池の出力を受けてこれを所定の交流に変換するインバータを備え、インバータの出力を変圧器により系統電圧に変換し、電力系統と接続される。
パワーコンディショナの構成は、インバータ、フィルタ、制御回路、変圧器などからなり、太陽光パネルの出力電圧をインバータにて交流電圧に変換し、出力している。
また、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」においては、10kW以上のパワーコンディショナの場合、6,600Vの電力系統へ連系するための変圧器や遮断器が必要となる。また、パワーコンディショナ、変圧器または遮断器等をそれぞれ個別に設置してもよいが、特許文献1(特許第5177782号公報)に記載のように、パッケージにして一体化することも考えられる。
しかし、特許文献1の構成は、それぞれの機器が分割されて配置されているため、作業性が複雑となっている。
特許第5177782号公報
特許文献1には、太陽光発電における太陽電池など、盤筐体の外から流入した電力を低圧交流電力に変え、この低圧交流電力をより高圧な高圧交流電力に変え、この高圧交流電力を盤筐体の外へ送電する配電盤に関し、盤筐体内に低圧交流電力変換部と高圧交流電力部を、盤筐体外に変圧器を設け、低圧ケーブルと高圧ケーブルを、盤筐体の内外に亘る位置で並列させ、低変換部、高送電部、変圧器の順に並べることで、「盤の小型化」、「冷却効率の向上」及び「不用意な接触の抑制」の同時実現を図るというもので、盤筐体2と、盤筐体2外からの直流電力を低交流電力Lに変える低圧交流電力変換部3と、低圧交流電力変換部3からの低圧交流電力Lをより高圧な高圧交流電力Hに変える変圧器4と、変圧器4からの高圧交流電力Hを盤筐体2外へ送電する高圧交流電力部5を有し、盤筐体2内に低圧交流電力変換部3と高圧交流電力部5を設け、盤筐体2外に変圧器4を取り付け、低圧ケーブル6Lと高圧ケーブル6Hは、盤筐体2内外に亘る位置で並列に配設され、低圧交流電力変換部3、高圧交流電力部5、変圧器4の順で、所定方向に並べて配置されていることが記載されている。
本発明の目的は、太陽光発電システムで使用されるパワーコンディショナを構成するインバータ、フィルタ、制御回路、変圧器の外に、高圧遮断器、地絡過電圧継電器などを1個の筺体の配電盤に納めて小型化を図り、組立作業を容易にし、設置スペースを縮小した配電盤を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、太陽光パネルから直流電力を交流電力に変換するインバータを有したパワーコンディショナと、該パワーコンディショナから出力される交流電力を高圧電力に昇圧する変圧器と、該変圧器と既存の電力系統の間に配置された遮断器とを1台の配電盤に収納したことを特徴とする。また、上記の配電盤において、前記配電盤は、パワーコンディショナを収納する室と遮断器及び継電器を収納する室とで形成し、該遮断器及び継電器を収納する室の後側に変圧器を配置したことを特徴とする。
太陽光発電システムで使用されるパワーコンディショナを構成するインバータ、フィルタ、制御回路、変圧器の外に、高圧遮断器、地絡過電圧継電器などを1台の配電盤に納めたため、変圧器などの配線を短くでき、配電盤全体の銅損を減少し、小型化を図れたため省スペースで設置することができた。
また、配電盤は金属フレームを用いた筐体で構成しており、制御用パネルの取り付けが容易にでき、作業効率が良くなった。また、配電盤の屋根の上に配置した吊耳の形状及び配置を引っ張り力に対し強度を増す配置としたため、配電盤自体を分割せずに吊り下げて搬送、移動できるようになった。
太陽光発電システムの配電盤の接続構成図を示す。 本発明の配電盤の概略構成図を示す。 配電盤に具体的に機器を配置した縦断面の正面図を示す。 配電盤の側面図を示す。 配電盤の外観斜視図を示す。 配電盤の組み立ての第1ステップの斜視図を示す。 配電盤の組み立ての第2ステップの斜視図を示す。 配電盤の組み立ての第3ステップの斜視図を示す。 配電盤の組み立ての第4ステップの斜視図を示す。 配電盤の組み立ての第5ステップの斜視図を示す。 配電盤の組み立ての第6ステップの斜視図を示す。 配電盤の背面側からみた縦断面図を示す。 配電盤の冷却を説明するための概念図及び具体的に機器を配置したときの空気の流れを示す図である。 配電盤の屋根に吊耳を屋根の辺と平行に配置したときの引っ張り力による吊耳の形状変化図を示す。 配電盤の屋根に吊耳を屋根の辺と45°傾斜して配置したときの引っ張り力による吊耳の形状変化図を示す。 パワーコンディショナを1台増設した場合の配電盤の配置図を示す。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1においては、太陽光発電システムで使用する機器を設置した配電盤の構成について説明する。図1は、太陽光発電システムの配電盤の接続構成図を示す。図1において、10は配電盤、11は電力系統、12は遮断器、13は変圧器、14はパワーコンディショナ、15は地絡過電圧継電器、16は太陽光パネルである。
太陽光パネル16から出力される直流電力は、インバータ、フィルタリアクトル、フィルタコンデンサなどで構成されるパワーコンディショナ14に入力され、インバータで三相交流に変換し、フィルタ回路で高調波分をカットする。そして、変圧器13により電圧を昇圧し、系統電圧に変換し、遮断器12を介して電力系統11に出力する。また、変圧器13の出力は、地絡が発生したことを知らせる地絡過電圧継電器15に接続されている。また、図1において、MCCBはノーヒューズブレーカ等の開閉器で、MCは電磁接触器、INVはインバータである。
次に、パワーコンディショナの配電盤10の構成について、図2A〜図2C及び図3を用いて説明する。
一般に、図1に示したそれぞれの機器を1台の配電盤に収納する場合、高圧遮断器などの機器があるため絶縁距離を確保する必要があり、大形化にならざるを得なかった。その結果、配電盤を移動することは困難であった。この問題を解消するため、本発明の配電盤を図2Aに示す構成とした。
図2Aにおいて、図2A(a)は、配電盤10の概略構成の側面図を示し、図2A(b)はその正面図を示す。図2A(b)の概略構成の正面図において、配電盤10の右側のスペースにはパワーコンディショナ14を配置し、このパワーコンディショナ14の上側には冷却ファン18を配置する。また、配電盤10の左側のスペースには遮断器19や継電器20を配置し、配電盤10の左右のスペースの間には、熱遮蔽板21を配置する。また、図2A(a)の概略構成の側面図において、配電盤10の左側スペースに遮断器19や継電器20を配置する後側には、変圧器17(図1の13に対応)を配置している。そして変圧器17は配電盤10の側面板及び背面板で囲うことはせず、外気に触れる構成とする。また、図2A(a)、(b)において、配電盤の横幅は概略2400mm、高さが概略2600mmで、奥行が概略1400mmである。
次に、図2Bは、配電盤10に具体的な機器を配置した前面の縦断面の正面図を示す。図2Bにおいて、配電盤10の右側のスペースには、計器パネル42などのパワーコンディショナ14を配置し、このパワーコンディショナ14を配置した天井部即ち屋根30の上側には冷却ファン18を配置している。ここで、配電盤の右側のスペースを、パワーコンディショナ収納スペースという。また、配電盤10の左側のスペースには、LBS(高圧気中負荷開閉器)22、OCR(過電流継電器)23、DGR(地絡方向継電器)24、OVGR(地絡過電圧継電器)25の遮断器及び継電器を配置したパネルを配置している。ここで、配電盤の左側のスペースを、遮断器及び継電器収納スペースという。また、配電盤10の左右のスペースの間には、右側のスペースからの熱を左側のスペースに伝達しないように熱遮蔽板21を設置している。
次に、図2Cにおいて、配電盤10の側面図を示す。図2Cにおいて、右側が配電盤10の前面側で、左側が背面側である。26は配電盤前面の扉、28は遮断器や継電器のパネルを収納しているスペース、17は遮断器や継電器のパネルを収納しているスペースの裏側に配置した変圧器、29は変圧器上部ダクト、30は天井部の屋根、18は屋根30の上側に配置された冷却ファン、31は屋根30のコーナに配置された吊耳である。
変圧器17は、上記している通り、配電盤10の側面板及び背面板で囲う構成にしておらず、配電盤周囲の外気と直接触れ冷却するように構成している。このように変圧器を直接外気に触れる構成としたため、変圧器の冷却フィン(波形リブ)が盤外に露出し冷却されるため、配電盤10内に変圧器冷却用の冷却ファンやエアコンを内蔵する必要はない。ただし、変圧器17のブッシングなど充電部については、配電盤10の内部とし、絶縁保護を行う。また、変圧器17を配電盤ベース40上に設置することで、配電盤全体を一体にて運搬可能となる。
また、屋根30は、前面部の厚みを背面部より厚くして傾斜を形成し、降雨時流れ落ちるようにしている。
次に、図3に本発明の配電盤10の外観斜視図を示す。図3に示した配電盤10は、全体の外形形状が直方体形状で、正面から見て右側のスペースに太陽光パネル16からの直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ装置を配置する機器及びパネルを配置している。261はパワーコンディショナ収納スペースの扉で、263は取手である。配電盤10の左側のスペースには、LSB、OCR、PGR、OVGRなどの遮断器、継電器を配置しており、後側には変圧器17を配置する。262は遮断器や継電器を収納するスペースの扉で、264はその取手である。配電盤10の屋根30には、冷却ファン18をパワーコンディショナ収納スペースの上側に配置し、各コーナに吊耳31を配置している。吊耳については後で説明する。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2の配電盤の組立について、図4A〜図4Fを用いて説明する。図4Aは、ベース40の上に変圧器17、PCS筺体フレーム41を組み立てる工程を示す斜視図である。図4Aにおいて、ベース40はL字形状やコ字形状をした金属製フレームで、全体の矩形枠を形成し、パワーコンディショナ収納スペースを形成するフレーム、変圧器17を設置するためのフレーム、遮断器や継電器を収納するスペースを形成するフレームをベース40の矩形枠に嵌め込んで、配電盤10のベース40を構成する。
そして、このベース40の上に、インバータ43、インバータ用入出力パネル44、及びパワーコンディショナ用計器パネル42を配置する、直方体の枠体であるパワーコンディショナ筺体フレーム41をベース40に形成し、インバータ43などを取り付ける。また、変圧器17は、配電盤10の左奥のベース40の上に設置し、変圧器17の上部の端子板46の周囲には変圧器上部ダクト連結部45を配置する。変圧器上部ダクト連結部45は、L字形状またはコ字形状の金属フレームで、四角い枠に形成されている。
次に、図4Aの状態において、変圧器17の前面側サイドに仕切板を配置する工程を図4Bに示し、説明する。図4Bは、配電盤10の左側の遮断器や継電器収納スペースと変圧器17とを仕切る仕切板47を配置する斜視図を示す。仕切板47は、金属板で形成され、変圧器17で生じる磁力線などの影響を遮断器や継電器に及ぼさないようにしている。
次に、図4Bの仕切板47を設置した状態において、変圧器上部ダクト48を配置する工程を図4Cに示し、説明する。図4Cは、変圧器17の端子の周囲に配置した変圧器上部ダクト連結部45の上に、変圧器上部ダクト48を配置する斜視図を示し、図4Cにおいて、変圧器上部ダクト48は、直方体の三面で形成され、変圧器17の端子部の箇所に対応する所は四角形の孔481を形成し、背面側にも孔482を形成している。この変圧器上部ダクト48を上方より変圧器上部ダクト連結部45の上に載置し、合わせ面をネジで止め固定する。
次に、変圧器上部ダクト48を固定した状態において、配電盤10のPCS収納スペースと遮断器及び継電器収納スペースとを仕切る熱遮蔽板21を配置する工程を図4Dに示し、説明する。図4Dにおいて、パワーコンディショナ収納スペースと遮断器及び継電器収納スペースとの境界に熱遮蔽板21を配置する。熱遮蔽板21はパワーコンディショナ収納スペースに発生する熱を遮断器及び継電器収納スペースに伝達するのを妨げるために設けている。これについては後で説明する。また、パワーコンディショナ収納スペースの側面には、金属板で形成したパワーコンディショナ収納スペース用側面板を配置し、ネジにより固定する。
次に、図4Dにて熱遮蔽板21及びパワーコンディショナ収納スペース用側面板を配置した状態において、パワーコンディショナ収納スペースに正面板50及び背面板51を配置し、遮断器及び継電器収納スペースに遮断器及び継電器パネル53を配置し、遮断器及び継電器収納スペースの正面板52を配置する工程を図4Eに示し、説明する。図4Eにおいて、パワーコンディショナ収納スペースの正面板50は、矩形の枠体を成し、ベース40と側面板49とに当接させてネジ止めで固定する。パワーコンディショナ収納スペースの背面板51は、金属板をコ字形状に折り曲げて形成し、ベース40と側面板49と熱遮蔽板21とにそれぞれ当設させてネジ止めして固定する。
また、遮断器及び継電器収納スペースの正面板52は、側面板を折り曲げてL字形状とし、正面板の前面は扉262を配置するため大きな矩形の孔を形成し、パワーコンディショナ収納スペースの正面板50と、仕切板47とに当設し、ネジ止めにて固定する。また、遮断器及び継電器パネル53は、正面板50の後側のフレームに配置し固定する。
次に、配電盤10の正面板、側面板および背面板を配置して固定し、盤内にインバータ、パワーコンディショナ用機器パネル、インバータ用入出力パネル、変圧器、遮断器及び継電器パネル等を配置した状態において、屋根を配置する工程を図4Fに示し、これについて説明する。図4Fは、配電盤10の下側の正面板50、52、側面板49及び背面板51で囲われたなかにそれぞれの機器が配置された状態の上側に、冷却ファン18をパワーコンディショナ側の上に配置した屋根30を配置する斜視図を示す。また、屋根の各コーナには、吊耳31を配置しており、配電盤10をクレーンなどにより吊り下げて移動するときに用いる。
以上が、配電盤10の組立ての説明である。
(実施例3)
本発明の実施例3の変圧器、変圧器上部ダクト連結部及び変圧器上部ダクトの関係について、図5を用いて説明する。図5は、配電盤10の背面側からみた図を示す。図5において、左側はパワーコンディショナ収納スペースで、55は抵抗器が並んだ抵抗器パネルを示し、44はインバータ入出力パネルである。配電盤10の右側は、変圧器17と変圧器上部ダクト48とを接続する変圧器上部ダクト連結部45を備えている。変圧器上部ダクト48は、結線バー、高圧CT、ZPD(コンデンサ形地絡検出装置)など高圧設備機器が配置されて、このパネルの裏側にLBS22、OCR23、DGR24、OVGR25などがあり接続されている。
また、変圧器上部ダクト連結部45は、図4Cの斜視図に示しているように変圧器17の一次側及び二次側の端子が整列して配置されている。この変圧器17の一次側及び二次側から変圧器上部ダクト48の結線バー、高圧CT及びZPDなどに接続される構成になっているため、接続線は最小の長さとなっている。
従って、このような構成にすることにより、配電盤全体の銅損を小さくする効果を有する。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4の配電盤10の冷却について、図6を用いて説明する。
図6において、図6(a)は配電盤10の冷却を説明するための概念図で、図6(b)は配電盤10のPCS用計器パネルを搭載した場合の冷却用空気の流れ54を示す。図6(a)において、配電盤10のパワーコンディショナ収納スペースと遮断器及び継電器収納スペースとで最も発熱する機器はパワーコンディショナのインバータで、次が変圧器である。変圧器17は、上記の通り外気の空気に触れて冷却フィンを用いて冷却しているため冷却ファンやエアコンなどを用いる必要はない。
しかし、インバータ43は発熱量が大きく、配電盤10内に配置しているため冷却ファンを用いて冷却する必要がある。実施例4は、屋根30のパワーコンディショナ収納スペースの上側に冷却ファン18を配置し、パワーコンディショナ収納スペースの下方より空気を冷却ファン18により吸い上げて、冷却する構成としている。また、パワーコンディショナ収納スペースと遮断器及び継電器収納スペースとの間には、熱遮蔽板21を配置しているため、温度の高いパワーコンディショナ収納スペースより発熱量が小さく温度が低い遮断器及び継電器収納スペースの方へ熱が伝わらないようにしている。このように熱遮蔽板21を設けることにより、空気の流れ54によりインバータ43を集中して冷却することが可能である。
図6(b)は、配電盤10のパワーコンディショナ収納スペースにパワーコンディショナ計器パネル42を配置し、熱遮蔽板21を隔てて遮断器及び継電器パネル28を配置した配電盤の構成において、矢印54のように下方より上方に向かって冷却ファン18によって空気が流れるように、配電盤の下側または側面板には通気孔56を配置している。このような構成により、パワーコンディショナ用機器特にインバータの冷却を集中して行うことができ、熱遮蔽板21により発熱量の小さい遮断器または継電器への熱の影響をなくすことができる。
(実施例5)
次に、本発明の実施例5の配電盤10をクレーンなどで吊り下げて、設置又は移動するとき屋根のコーナに配置した吊耳について、図7及び図8を用いて説明する。図7(a)及び図8(a)は、配電盤10の屋根30の上面図を示し、図7(b)及び図8(b)は、吊耳を吊り下げたときの引張り力により変形した形状を示している。実施例5で用いた吊耳31は、突起状の板材で、先端が半円形状を成し、半円部分に線材などを通すための丸い孔を有している。
図7A(a)に示した吊耳の場合、すなわち屋根30の各コーナに配置した吊耳31の厚み方向を屋根30の短辺と平行に配置して、配電盤10を吊り下げた場合、吊耳31に掛かる引っ張り力により図7A(b)に示す形状となることが解析により得られた。
また、図7B(a)に示した吊耳の場合、すなわち屋根30の各コーナに配置した吊耳31の厚み方向を、屋根30の短辺に対し45°傾斜させて、中心方向に向かうように配置する。このような構成において、配電盤10を屋根30の上方の1点から各コーナの吊耳31にワイヤなどの線材を通し、吊り下げたとき吊耳31は力の荷重方向に板厚が厚くなっているため、強度が増加している。
図7B(a)の構成で、配電盤10を吊り下げたとき、吊耳31は図7B(b)に示すが、ほとんど形状に変形している箇所は見られない。従って、吊下げ強度を十分に得る効果を有する。以上述べたように、本発明の配電盤構造において、小型化を実現でき、配電盤10の吊耳の強度も確保することができる。
(実施例6)
次に、本発明の実施例6の構成について、図8を用いて説明する。図8において、図8(a)は配電盤の側面図で、図8(b)は正面図を示す。図8(b)において、実施例6は、実施例1の構成にパワーコンディショナ収納スペースを1台並列に増加した構成を示している。パワーコンディショナ14を増設して2台使用する場合は、図8(b)のように並列して連結して使用する。また、さらにパワーコンディショナ14を増設して使用する場合は、パワーコンディショナ14を3台並列に連結して使用する。また左側の遮断器及び継電器収納スペース及び変圧器の箇所は、図8(a)に示すように実施例1と同じである。このように、パワーコンディショナ14を増設する場合、パワーコンディショナ1台以外を一体の配電盤とすることで作業性の向上を図れる。
10‥配電盤
11‥電力系統
12‥遮断器
13、17‥変圧器
14‥パワーコンディショナ
15‥地絡過電圧継電器
16‥太陽光パネル
18‥冷却ファン
19‥遮断器
20‥継電器
21‥熱遮蔽板
22‥LBS(高圧気中負荷開閉器)
23‥OCR(過電流継電器)
24‥DGR(地絡方向継電器)
25‥OVGR(地絡過電圧継電器)
26‥扉
28‥継電器収納盤
29、48‥変圧器上部ダクト
30‥屋根
31‥吊耳
261‥パワーコンディショナ収納スペース用扉
262‥遮断器及び継電器収納スペース用扉
263、264‥取手
40‥ベース
41‥パワーコンディショナ筺体フレーム
42‥パワーコンディショナ用計器パネル
43‥インバータ
44‥インバータ用入出力パネル
45‥変圧器上部ダクト連結部
46‥変圧器端子部
47‥仕切板
49‥パワーコンディショナ収納スペース用側面板
50‥パワーコンディショナ収納スペース用正面板
51‥パワーコンディショナ収納スペース用背面板
52‥遮断器及び継電器収納スペース用正面板
53‥遮断器及び継電器パネル
54‥空気の流れ
55‥抵抗器パネル
56‥通気孔

Claims (9)

  1. 太陽光パネルから直流電力を交流電力に変換するインバータを有したパワーコンディショナと、
    該パワーコンディショナから出力される交流電力を高圧交流電力に昇圧する変圧器と、
    該変圧器と既存の電力系統の間に配置された遮断器とを1台の配電盤に収納したことを特徴とする配電盤。
  2. 請求項1記載の配電盤において、
    前記配電盤は、パワーコンディショナを収納する室と遮断器及び継電器を収納する室とで形成し、該遮断器及び継電器を収納する室の後側に変圧器を配置したことを特徴とする配電盤。
  3. 請求項2記載の配電盤において、
    前記変圧器は、外気で冷却する構成としたことを特徴とする配電盤。
  4. 請求項2記載の配電盤において、
    前記配電盤において、パワーコンディショナを収納する室と遮断器及び継電器を収納する室との間に、熱遮蔽板を配置したことを特徴とする配電盤。
  5. 請求項1記載の配電盤において、
    前記パワーコンディショナを配置した配電盤の屋根に冷却ファンを配置したことを特徴とする配電盤。
  6. 請求項1記載の配電盤において、
    前記配電盤の屋根の各コーナに配置した吊耳を、先端が半円形状で丸孔を有した金属板で形成し、前記屋根の短辺に対し略45°の傾きとなるように配置したことを特徴とする配電盤。
  7. 請求項1記載の配電盤において、
    前記配電盤の屋根に傾斜を設けたことを特徴とする配電盤。
  8. 請求項2記載の配電盤において、
    前記変圧器の上側に高圧設備機器を配置した変圧器上部ダクトを設け、前記変圧器と前記高圧設備機器との接続線を短くしたことを特徴とする配電盤。
  9. L字形状またはコ字形状の枠体フレームで形成したベースと、
    該ベースの一方の領域に筺体フレームを組み立て、インバータ、計器パネルを配置し、
    前記ベースの他方の領域の後側に変圧器を配置し、該変圧器の上部に高圧設備機器を配置した変圧器上部ダクトを配置し、
    前記変圧器の前面側に仕切板を配置し、該仕切板の前面に遮断器及び継電器パネルを配置し、
    前記配電盤の周囲を正面板、側面板及び背面板で覆い、天井部は屋根を配置したことを特徴とする配電盤。
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