JP2015044776A - イリジウム錯体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

イリジウム錯体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率で発光する有機EL素子を提供するために好適な配位子構造を有する新規なイリジウム錯体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】1対の電極間に少なくとも1層の有機層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体を含む層を備えた構成とする。(式(1)中、置換基Ar1、Ar2は、それぞれ独立に、置換又は未置換のフェニル基であり、n1〜n3は、それぞれ独立に、1〜4の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、新規な配位子混合型イリジウム錯体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)に関する。
有機EL素子は、薄膜面発光デバイスであり、実用化に向けて、さらなる高効率化が求められている。その効率の指標の1つである外部量子効率は、キャリアバランス効率、励起子生成効率、発光量子効率及び光取り出し効率の積で表すことができる。
リン光発光材料を用いた場合、光取り出し効率以外は、ほぼ100%の効率を達成しているが、光取り出し効率のみ30%程度であるため、有機ELのさらなる高効率化を図るためには、光取り出し効率の改善が重要な課題となっている。
近年、光取り出し効率の改善のため、配位子混合型イリジウム錯体を用いることが検討されており、発光材料であるイリジウム錯体が基板面に対して水平に配向している分子が多く存在することにより、電荷遷移モーメントの向きが揃い、発光の垂直成分が増加し、結果的に素子外に取り出される光が増加することが報告されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
ところで、有機EL素子において用いられる発光(ゲスト)材料は、一般的に、ホスト材料に分散させることによって、凝集による濃度消光を抑制している。発光特性は、ゲスト材料のドープ濃度のわずかな変化によって大幅に変化し、工業的な製造においては、ゲスト材料のドープ濃度の制御は困難であり、再現性(ロバストネス)に劣る。
したがって、ドープ濃度の影響が小さいゲスト材料が求められている。
これに対して、配位子混合型イリジウム錯体を用いることにより、ゲスト材料自体が凝集を抑制し、濃度消光することなく、ドープ濃度の高低に依存せずに、高い外部量子効率を示すことが報告されている(非特許文献3参照)。また、非特許文献4にも、配位子混合型イリジウム錯体についての報告がなされている。
J.J.Kim, et al., Adv. Funct. Mater., 2013,DOI:10.1002/adfm.201300104 NorbertDanz, et al., Organic Electronics, 2011, p.1663-1668 YueWang, et al., Organic Electronics, 2013, p.1649-1655 DavidC.Morton, et al., Inorg. Chem., 2005, 44, p.4445-4447
しかしながら、上記非特許文献1,2に記載されたようなイリジウム錯体は、分子配向が完全でないため、大幅な高効率化には至っていない。イリジウム錯体は、一般的に八面体構造をとるため、立体的であり、配向しにくい。
また、上記非特許文献3,4に記載されたような構造のイリジウム錯体も、凝集抑制が可能なドープ濃度には限界があり、さらなる外部量子効率の向上が望まれる。
このように、イリジウム錯体の構造は、凝集及び分子配向に影響を及ぼすものであることから、高効率での発光のためには、凝集しにくく、高濃度でのドープが可能であり、また、分子配向しやすい構造を有するイリジウム錯体が求められている。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、高効率で発光する有機EL素子を提供するために好適な配位子構造を有する新規なイリジウム錯体及びそれを用いた有機EL素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係るイリジウム錯体は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2015044776
前記式(1)中、置換基Ar1、Ar2は、それぞれ独立に、置換又は未置換のフェニル基であり、n1〜n3は、それぞれ独立に、1〜4の整数である。
上記のような構造からなる新規の配位子混合型イリジウム錯体は、有機EL素子における発光材料として好適に用いることができる。
また、本発明に係る有機EL素子は、1対の電極間に少なくとも1層の有機層を備えた有機EL素子であって、前記イリジウム錯体を含む層を備えていることを特徴とする。
このように、本発明に係るイリジウム錯体を用いることにより、外部量子効率が高い有機EL素子を得ることができる。
前記有機EL素子においては、有機層の少なくとも1層が発光層であり、前記発光層は、前記イリジウム錯体が単独で、又は、ホスト材料に分散されてなることが好ましい。
本発明に係るイリジウム錯体は、単独でも、ゲスト材料として用いた場合であっても、発光材料として機能し得る。
前記イリジウム錯体は、前記ホスト材料に濃度50%以上でドープされていることが好ましい。
前記イリジウム錯体は、高濃度でドープすることにより、より高効率での発光が得られる。
また、前記イリジウム錯体を含む層は、塗布膜であってもよい。
前記イリジウム錯体は、より簡便なウェットプロセスによって成膜することが可能である。
本発明に係る新規なイリジウム錯体は、高濃度での使用により良好な効率を示す発光材料であり、高効率で発光する有機EL素子に好適に適用することができる。
したがって、本発明に係るイリジウム錯体を用いることにより、外部量子効率が高い有機EL素子を提供することができ、このような有機EL素子は、表示素子や光源等としての有効利用が期待される。
実施例に係る有機EL素子の層構造を模式的に示した概略断面図である。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るイリジウム錯体は、前記一般式(1)で表される化合物である。
前記式(1)中、置換基Ar1、Ar2は、それぞれ独立に、置換又は未置換のフェニル基であり、n1〜n3は、それぞれ独立に、1〜4の整数である。
上記のような構造からなるイリジウム錯体は、新規の配位子混合型イリジウム錯体であり、有機EL素子において高効率での発光を可能とする発光材料として好適に用いることができる。
イリジウム錯体は、上述したように、一般に、八面体構造をとるため、平面性が低く、配向性が低いが、イリジウム錯体における配位子を混合型とし、各配位子の体積を制御することにより、配向性が向上し、発光効率の向上が図られると考えられる。
本発明においては、前記一般式(1)においてIrの右側の主に発光に寄与する配位子を主配位子とし、それ以外、すなわち、前記一般式(1)においてIrの左側の配位子を副配位子とした場合、前記主配位子を平面性が高く、ファンデルワールス体積が大きいものとして、該イリジウム錯体の配向性を向上させる。一方、前記副配位子は、ファンデルワールス体積が小さく、また、三重項エネルギーが主配位子よりも高い、フェニルピラゾールを用いることにより、配向性や発光性を阻害しないものとする。
前記主配位子のファンデルワールス体積の前記副配位子に対するファンデルワールス体積の比は、2倍以上であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物のうち、このような錯体の具体例として、下記に示すようなものが挙げられる。
Figure 2015044776
上記のような本発明に係るイリジウム錯体の合成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、下記実施例に示すような方法により合成することするができる。
上記のようなイリジウム錯体を含む層を備えた本発明に係る有機EL素子は、1対の電極間に少なくとも1層の有機層を備えた構造からなる。具体的な層構造としては、陽極/発光層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層/陰極等の構造が挙げられる。
さらに、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送発光層、電子輸送発光層等をも含む公知の積層構造であってもよい。
また、本発明に係る有機EL素子は、1つの発光層を含む発光ユニットが電荷発生層を介して直列式に複数段積層されてなるマルチフォトンエミッション構造の素子であってもよい。
前記有機EL素子において、本発明に係るイリジウム錯体は、前記有機層のいずれに用いられてもよく、正孔輸送材料、電子輸送材料とともに分散して用いることも可能である。
特に、前記有機EL素子は、前記有機層のうちの発光層に、前記イリジウム錯体が含まれていることが好ましい。
前記イリジウム錯体は、発光材料として好適であり、単独で発光層を構成することも可能であり、また、ホスト材料に分散させて用いることもできる。
このような態様で前記イリジウム錯体を用いた有機EL素子は、高い外部量子効率を示す。
前記イリジウム錯体は、凝集しにくく、高濃度でのドープが可能であり、前記ホスト材料に濃度50%以上でドープすることができ、高濃度ドープにより、より高効率での発光が得られる。
前記イリジウム錯体を含む層は、蒸着膜として形成することも可能であるが、塗布膜として形成することもできる。
ウェットプロセスで成膜した場合も、該イリジウム錯体を用いた有機EL素子は、高い外部量子効率を示すことから、前記イリジウム錯体は、成膜プロセスを問わずに用いることができる。より簡便なウェットプロセスによって成膜することが可能であるため、素子作製の効率化の点でも有用である。
なお、前記有機EL素子においては、本発明に係るイリジウム錯体以外の各層の構成材料は、特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができ、低分子系又は高分子系のいずれであってもよい。
前記各層の膜厚は、各層同士の適応性や求められる全体の層厚さ等を考慮して、適宜状況に応じて定められるが、通常、5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
上記各層の形成方法は、蒸着法、スパッタリング法等などのドライブプロセスでも、スピンコート法、インクジェット法、キャスティング法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等のウェットプロセスであってもよい。
また、電極も、公知の材料及び構成でよく、特に限定されるものではない。例えば、ガラスやポリマーからなる透明基板上に透明導電性薄膜が形成されたものが用いられ、ガラス基板に陽極として酸化インジウム錫(ITO)電極が形成された、いわゆるITO基板が一般的である。一方、陰極は、Al等の仕事関数の小さい(4eV以下)金属や合金、導電性化合物により構成される。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
下記合成例1〜3に示す各工程により、本発明に係るイリジウム錯体の代表例であるIr−1、Ir−2及びIr−3をそれぞれ合成した。なお、各生成化合物の同定は、1H−NMR、マススペクトルにより行った。
(合成例1)Ir−1(Ir(dpppy)(ppz)2)の合成
以下の(1−1)〜(1−4)に示す工程により、前駆体を合成後、Ir−1を合成した。
(1−1)[Ir(ppz)2μ-Cl]2の合成
Figure 2015044776
温度計、窒素導入管、還流管を付した三つ口フラスコに、塩化イリジウム水和物6.12g(19.3mmol)、フェニルピラゾール10.1ml(76.8mmol)、エトキシエタノール480ml、水160mlを加え、撹拌しながら加熱還流した。23時間後、サンプンリングし、薄層クロマトグラフィ(TLC)にて反応の進行を確認した。
ガラスフィルタでろ過し、アセトン、エタノールで洗浄し、ジクロロメタンに溶解し、これらの一連の操作を3回繰り返した。そして、ろ液をエバポレータで濃縮し、減圧乾燥し、白黄色の固体(収率77.6%、収量7.76g)を得た。
(1−2)5−クロロ−2−(3−クロロベンゼン)ピリジン(3,7−DCPPy)の合成
Figure 2015044776
温度計、窒素導入管、還流管を付した四つ口フラスコに、2−ブロモ−5−クロロピリジン4.6g(24mmol)、3−クロロボロン酸3.8(24mmol)、Na2CO3aq60ml、エタノール30ml、トルエン60mlを加え、1時間バブリングした後、Pd(PPh3)40.87g(0.75mmol)を加え、100℃で撹拌しながら加熱還流した(鈴木カップリング反応)。3時間後、サンプンリングし、TLCにて原料の消失を確認した。
トルエンで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、さらに、硫酸ナトリウムで乾燥し、自然ろ過して得られたろ液をエバポレータで濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒 クロロホルム:ヘキサン=1:4)にて精製した後、濃縮し、白色固体(収率89.2%、収量4.80g)を得た。
(1−3)2−(1,1’ビフェニル−3−イル)−5−フェニルピリジン(3,7−DPPPy)の合成
Figure 2015044776
還流管、シリンジ針、平栓、窒素導入管を付した四つ口フラスコに、3,7−DCPPy1.2g(5.2mmol)、フェニルボロン酸1.6g(13.4mmol)、K3PO4aq3ml、ジオキサン35mlを加え、1時間バブリングした後、Pd2(dba)30.19g(0.21mmol)、PCy30.18g(0.63mmol)を加え、100℃で一晩加熱撹拌した(鈴木カップリング反応)。サンプリングし、TLCにて原料の消失を確認した。
クロロホルムで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、さらに、硫酸ナトリウムで乾燥し、自然ろ過して得られたろ液をエバポレータで濃縮した。ショートカラム(展開溶媒 ジクロロメタン)で精製し、濃縮した後、エタノールで再結晶を行い、白色の固体(収率73%、収量1.2g)を得た。
(1−4)Ir(dpppy)(ppz)2の合成
Figure 2015044776
還流管、平栓、温度計、窒素導入管、アルミホイルを付した四つ口フラスコに、3,7−DPPPy1.9g(6.2mmol)、[Ir(ppz)2μ-Cl]23.2g(3.1mmol)、AgOTf1.8g(6.8mmol)、メトキシシクロペンタン190mlを加え、100℃で一晩加熱撹拌した。サンプリングし、TLCにて反応の進行を確認した。
メタノールで洗浄した後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒 クロロホルム:ヘキサン=1:1)及び分取ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)にて精製し、橙色の固体(収率11%、収量0.535g)を得た。
(合成例2)Ir−2(Ir(dhbppy)(ppz)2)の合成
以下の(2−1)〜(2−3)に示す工程により、前駆体を合成後、Ir−2を合成した。
(2−1)2−(4−ヘキシルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2,−ジオキサボラン(HBB)の合成
Figure 2015044776
塩化カルシウム管、滴下ロート、窒素導入管、低温温度計、スターラーを付した四つ口フラスコに、窒素フローしながら、4−ヘキシルブロモベンゼン8.4(41mmol)、THF50mlを加え、ドライアイスを入れたアセトンで−70℃まで冷却した。n−ブチルリチウム26ml(41mmol)を加え、30分後、TLCにて反応の進行を確認した。さらに、イソプロポキシボロン酸ピナコール8.4(41mmol)を加え、室温に戻し、TLCで反応の進行を確認した。
クロロホルムで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、さらに、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した後、40℃で減圧乾燥し、無色透明の液体(収率91%、収量9.9g)を得た。
(2−2)2−(4’−ヘキシル[1,1’−ビフェニル]−3−イル)−5−(ヘキシルフェニル)ピリジン(3,7−DHBPPy)の合成
Figure 2015044776
還流管、シリンジ針、平栓、温度計、窒素導入管を付した100ml四つ口フラスコに、3,7−DCPPy(上記(1−2)参照)3.0g(13mmol)、HBB12g(40mmol)、K3PO4aq30ml(40mmol)、ジオキサン70mlを加え、1時間バブリングをした後、Pd2(dba)30.49g(0.54mmol)、PCy30.66g(1.6mmol)を加え、90℃で一晩加熱撹拌した(鈴木カップリング反応)。サンプリングし、TLCにて原料の消失を確認した。
クロロホルムで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、さらに、硫酸ナトリウムで乾燥し、自然ろ過して得られたろ液をエバポレータで濃縮した。ショートカラム(展開溶媒 ジクロロメタン)で精製した後、濃縮し、エタノールで再結晶を行い、淡黄色の固体(収率72%、収量4.6g)を得た。
(2−3)Ir(dhbppy)(ppz)2の合成
Figure 2015044776
還流管、平栓、温度計、窒素導入管、アルミホイルを付した四つ口フラスコに、3,7−DHBPPy4.5g(9.6mmol)、[Ir(ppz)2μ-Cl]2(上記(1−1)参照)4.9g(4.8mmol)、AgOTf1.7g(10mmol)、メトキシシクロペンタン260mlを加え、100℃で一晩加熱撹拌した。サンプリングし、TLCにて原料の消失を確認した。
メタノールで洗浄した後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒 クロロホルム)にて精製し、減圧乾燥した。さらに、分取GPCにて精製し、橙色の固体(収率10%、収量0.898g)を得た。
(合成例3)Ir−3(Ir(ppz)2(dfppy))の合成
以下の(2−1),(2−2)に示す工程により、前駆体を合成後、Ir−3を合成した。
(3−1)5−(9,9−ジメチル−フルオレン−2−イル)−2−(3−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル)ピリジン(3,7−FluPPy)の合成
Figure 2015044776
還流管、シリンジ針、平栓、窒素導入管を付した四つ口フラスコに、3,7−DCPPy(上記(1−2)参照)2.0g(8.3mmol)、2−(9,9−ジメチルフルオレン−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2,−ジオキサボラン6.4g(20mmol)、K3PO4aq20ml(25mmol)、ジオキサン45mlを加え、1時間バブリングした後、Pd2(dba)30.31g(0.33mmol)、PCy30.41g(1.0mmol)を加え、100℃で一晩加熱撹拌した(鈴木カップリング反応)。サンプリングし、TLCにて原料の消失を確認した。
クロロホルムで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し、さらに、硫酸マグネウムで乾燥し、自然ろ過して得られたろ液をエバポレータで濃縮した。ジクロロメタンに溶解し、ヘキサンを加え、沈殿物をトルエンで再結晶し、白色の固体(収率88%、収量4.5g)を得た。
(3−2)Ir(ppz)2(dfppy)の合成
Figure 2015044776
還流管、平栓、温度計、窒素導入管、アルミホイルを付した四つ口フラスコに、3,7−FluPPy4.0g(7.4mmol)、[Ir(ppz)2μ-Cl]2(上記(1−1)参照)22.8g(3.7mmol)、AgOTf2.1g(8.1mmol)、メトキシシクロペンタン195mlを加え、100℃で2時間加熱撹拌した。サンプリングし、TLCにて反応の進行を確認した。
メタノールで洗浄した後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒 クロロホルム:ヘキサン=1:1)及び分取GPCにて精製した。橙色の固体(収率5%、収量0.35g)を得た。
上記において合成したイリジウム錯体のうち、代表例としてIr−1を用いて、下記実施例において、有機EL素子を作製し、素子評価を行った。
(実施例1)蒸着型有機EL素子の作製
上記において合成したIr−1を発光材料として用い、ホスト材料のCBPにドープし、ドープ濃度を変化させて成膜した蒸着膜による発光層を有する有機EL素子をそれぞれ作製した。
素子構成は、その概要を図1に示すように、基板1/陽極2/正孔輸送層3/発光層4/電子輸送層5/電子注入層6/陰極7とした。具体的には、ITO(130nm)/TAPC(40nm)/CBP:Ir−1(10nm)/B3PyPB(50nm)/Liq(1nm)/Al(100nm)とした。
なお、TAPC、CBP及びB3PyPBの各化合物の構造を下記に示す。
Figure 2015044776
各素子に10Vの直流電圧を印加したところ、Ir−1からの黄色発光が得られた。これらの素子について、発光輝度100cd/m2、1000cd/m2のときの駆動電圧、電力効率、電流効率、外部量子効率の測定を行った。
なお、比較のため、Ir−1に代えて、緑色発光材料であるIr(ppy)3を用いた素子についても、同様の測定評価を行った。
これらの測定結果を表1にまとめて示す。
なお、Ir(ppy)3の構造を下記に示す。
Figure 2015044776
Figure 2015044776
上記評価結果から、Ir−1をドープした素子は、低ドープ濃度において、Ir(ppy)3をドープした素子と同等の外部量子効率を示した。また、イリジウム錯体単膜(100wt%)とした場合に、高い外部量子効率を示すことが認められた。
(実施例2)塗布型有機EL素子の作製
上記において合成したIr−1を発光材料として用い、ホスト材料のCBPに12wt%ドープした塗布膜の発光層を有する有機EL素子を作製した。
素子構成は、その概要を図1に示すように、基板1/陽極2/正孔輸送層3/発光層4/電子輸送層5/電子注入層6/陰極7とした。具体的には、ITO(130nm)/PEDOT:PSS(30nm)/CBP:Ir−1(30nm,12wt%)/B3PyPB(50nm)/Liq(1nm)/Al(100nm)とした。
なお、PEDOT:PSS及びCBP:Ir−1をスピンコートにより塗布成膜し、それ以外については、真空蒸着により成膜した。塗布成膜の条件は、PEDOT:PSSは2500rpmで30秒間スピンコート後、120℃で10分間加熱、また、CBP:Ir−1は、5000rpmで30秒間スピンコート後、60℃で30分間加熱とした。
なお、PEDOT:PSSの構造を下記に示す。
Figure 2015044776
この素子に10Vの直流電圧を印加したところ、Ir−1からの黄色発光が得られた。この素子について、発光輝度100cd/m2、1000cd/m2のときの駆動電圧、電力効率、電流効率、外部量子効率の測定を行った。
なお、比較のため、Ir−1に代えて、緑色発光材料であるIr(ppy)3を用いた素子についても、同様の測定評価を行った。
これらの測定結果を表2にまとめて示す。
Figure 2015044776
上記評価結果から、塗布型素子において、Ir−1をドープした素子は、Ir(ppy)3をドープした素子よりも高い外部量子効率を示すことが認められた。
1 基板
2 陽極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 電子注入層
7 陰極

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体。
    Figure 2015044776
    (式(1)中、置換基Ar1、Ar2は、それぞれ独立に、置換又は未置換のフェニル基であり、n1〜n3は、それぞれ独立に、1〜4の整数である。)
  2. 1対の電極間に少なくとも1層の有機層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、請求項1に記載のイリジウム錯体を含む層を備えていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記有機層の少なくとも1層が発光層であり、前記発光層は、前記イリジウム錯体が単独で、又は、ホスト材料に分散されてなることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記イリジウム錯体が、前記ホスト材料に濃度50%以上でドープされていることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記イリジウム錯体を含む層が塗布膜であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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