JP2015044498A - 舵角補正方法、舵角補正装置、撮像装置、および舵角補正システム - Google Patents

舵角補正方法、舵角補正装置、撮像装置、および舵角補正システム Download PDF

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【課題】操作の煩雑さを低減して舵角を補正する。【解決手段】舵角補正方法は、操舵輪を撮像した測定画像と測定画像の撮像時における移動体のステアリング舵角とを対応付けて取得するステップと、測定画像上の操舵輪と基準舵角において操舵輪を撮像した基準画像上の操舵輪との一致度を算出するステップと、一致度に基づいて前記ステアリング舵角を補正する補正値を算出するステップとを含む。【選択図】図7

Description

本発明は、移動体のステアリングの舵角を補正する舵角補正方法、舵角補正装置、撮像装置、および舵角補正システムに関する。
従来、自動車等の移動体に車載カメラを設置して、撮像した移動体の周辺画像に運転を支援するための指標となる画像を重畳して表示する技術が知られている。このような指標を周辺画像に重畳するために、舵角センサ等により検出されるステアリング舵角が用いられる。検出されるステアリング舵角は、経年使用やステアリング交換等により実際の舵角とずれが生じる場合があるため、ステアリング舵角の中立点補正が行われる(例えば、特許文献1)。
特許第4323402号明細書
しかしながら、従来技術では、ステアリング舵角を補正するためにステアリングを最大舵角又は最小舵角に正確に操作する必要がある。このように、ステアリング舵角の中立点補正には特別な工程が必要であり、操作が煩雑となっていた。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、操作の煩雑さを低減して舵角を補正可能な舵角補正方法、舵角補正装置、撮像装置、および舵角補正システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る舵角補正方法は、
操舵輪を撮像した測定画像と、前記測定画像の撮像時における移動体のステアリング舵角と、を対応付けて取得するステップと、
前記測定画像上の前記操舵輪と、基準舵角において前記操舵輪を撮像した基準画像上の前記操舵輪と、の一致度を算出するステップと、
前記一致度に基づいて前記ステアリング舵角を補正する補正値を算出するステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る舵角補正方法は、
異なるステアリング舵角において複数の前記測定画像を取得するステップを含み、
前記補正値を算出するステップでは、ステアリング舵角に対する前記一致度の分布に基づいて前記補正値を算出することが好ましい。
また、本発明に係る舵角補正方法は、
少なくとも前記測定画像上の前記操舵輪を楕円検出により抽出するステップを含み、
前記一致度を算出するステップでは、検出する楕円のパラメータを用いて前記一致度を算出することが好ましい。
また、本発明に係る舵角補正方法は、
前記一致度を算出するステップでは、楕円の短辺および傾きの少なくとも一方を示すパラメータに対して、他のパラメータよりも大きな重付けを施して前記一致度を算出することが好ましい。
また、本発明に係る舵角補正方法は、
前記一致度を算出するステップでは、前記測定画像および前記基準画像に基づく画像マッチングによる相関度を前記一致度として算出することが好ましい。
また、本発明に係る舵角補正装置は、
操舵輪を撮像した測定画像と撮像時における移動体のステアリング舵角とを対応付けて取得する取得部と、
前記測定画像上の前記操舵輪と、基準舵角において前記操舵輪を撮像した基準画像上の前記操舵輪と、の一致度に基づいて前記舵角を補正する補正値を算出する演算部とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置は、
操舵輪を撮像した測定画像と撮像時における移動体のステアリング舵角とを対応付けて取得する取得部と、前記測定画像上の前記操舵輪と、基準舵角において前記操舵輪を撮像した基準画像上の前記操舵輪と、の一致度に基づいて前記舵角を補正する補正値を算出する演算部とを備える舵角補正装置と、
前記測定画像を撮像する第1の撮像部と、
前記移動体の周辺画像を撮像する第2の撮像部と、
前記周辺画像上に、前記補正値に基づいて運転を支援するための指標を重畳する画像重畳部とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る舵角補正システムは、
操舵輪を撮像した測定画像と撮像時における移動体のステアリング舵角とを対応付けて取得する取得部と、前記測定画像上の前記操舵輪と、基準舵角において前記操舵輪を撮像した基準画像上の前記操舵輪と、の一致度に基づいて前記舵角を補正する補正値を算出する演算部とを備える舵角補正装置と、前記測定画像を撮像する第1の撮像部と、前記移動体の周辺画像を撮像する第2の撮像部と、前記周辺画像上に、前記補正値に基づいて運転を支援するための指標を重畳する画像重畳部とを備える撮像装置と、
前記指標を重畳した画像を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る舵角補正方法、舵角補正装置、撮像装置、および舵角補正システムによれば、操作の煩雑さを低減して舵角を補正可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る舵角補正システムの構成要素の配置を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る舵角補正システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 図1のサイドカメラの撮像画像の例を示す図である。 図3のサイドカメラの撮像画像に対し楕円検出を施した例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る一致度の確率分布を示す図である。 図1の表示部に表示される画像の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る舵角補正システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る一致度の確率分布を示す図である。 本発明の変形例による舵角補正システムの動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
はじめに、本発明の第1の実施形態に係る舵角補正システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る舵角補正システムAの構成要素の移動体10における配置を示す概略図である。移動体10は、例えば車両である。
図1に示すように、舵角補正システムAは、サイドカメラ11およびリアカメラ12を含む撮像装置と、表示部13と、を備える。サイドカメラ11は、移動体10の左右両側にそれぞれ対称に配置される。以下においては、特に言及しない限り移動体10の右側に備えられるサイドカメラ11について説明する。サイドカメラ11は、例えばドアミラー15に、移動体10の操舵輪14を含む移動体10の周辺を撮像可能となるように配置される。また、リアカメラ12は、移動体10の後方周辺を撮像可能となるように配置される。表示部13は、運転席から視認可能な位置に配置され、サイドカメラ11およびリアカメラ12が出力する画像を表示する。
次に、サイドカメラ11の構成について説明する。図2に示すように、サイドカメラ11は、光学系16と、サイドカメラ撮像部(第1の撮像部)17と、舵角判断部18と、サイドカメラ制御部19と、舵角補正装置20と、を備える。
光学系16は、複数のレンズを有する。光学系16は、被写体像を結像させる。
サイドカメラ撮像部17は、例えばCMOS撮像素子であって、光学系によって結像する被写体像を撮像し、測定画像として生成する。前述のように、サイドカメラ11は、操舵輪14を含む移動体10の周辺を撮像可能となるように配置され、測定画像は、多様な操舵輪舵角θである操舵輪14の画像を含み得る。ここで、操舵輪舵角θとは、操舵輪14の操舵可能範囲における舵角中立点を0°とする操舵輪14の切れ角である。本実施形態では、ステアリングの右方向回転により操舵輪舵角θが増加する。
ここで、測定画像について説明する。測定画像上の操舵輪14は、操舵輪舵角θによって形状が異なる。図3は、異なる操舵輪舵角θにおける測定画像の例を示し、図3(a)はθ=0°、図3(b)はθ=10°、図3(c)はθ=20°、図3(d)はθ=30°、図3(e)はθ=−30°である。測定画像上の操舵輪14の側面は、操舵輪14の舵角中立点(θ=0°)において楕円形状である(図3(a)参照)。操舵輪舵角θが増加すると、操舵輪14の側面の一部が移動体10の影に隠れ、楕円の一部が欠けた形状となる(図3(b)−(d)参照)。一方、操舵輪舵角θが減少すると、ある舵角以下で操舵輪14の側面は画像上に写らなくなる(図3(e)参照)。
舵角判断部18は(図2参照)、例えばCAN等の車載ネットワーク100を介して、測定画像の撮像時に舵角センサが検出するステアリング舵角θを取得する。ステアリング舵角θは、ステアリングの操舵可能範囲における舵角中立点を0°とするステアリングの切れ角である。本実施形態では、ステアリングの右方向回転により舵角センサが検出するステアリング舵角θが増加する。一般に、舵角センサが検出するステアリング舵角θおよび操舵輪舵角θは、一対一の対応関係を有する。
サイドカメラ制御部19は、サイドカメラ11の各部位の動作を制御する。例えば、サイドカメラ制御部19は、サイドカメラ撮像部17に周期的に測定画像を生成させる。また、サイドカメラ制御部19は、車載ネットワーク100を介して情報の送受信を行う。
舵角補正装置20は、舵角センサが検出するステアリング舵角θをステアリングの実際の舵角θと一致させるように補正するための補正値を算出する。補正値の算出の詳細については後述する。舵角補正装置20は、取得部21と、補正装置記憶部22と、抽出部23と、演算部24と、を備える。
取得部21は、サイドカメラ撮像部17および舵角判断部18から、測定画像および測定画像撮像時に舵角センサが検出したステアリング舵角θを対応付けて取得する。
補正装置記憶部22は、ステアリングの実際の舵角θが基準舵角θである状態における操舵輪14をサイドカメラ撮像部17により撮像した画像(以下、基準画像という)を予め記憶する。以下において、基準舵角θは0°として説明するが、任意の舵角であってもよい。また、補正装置記憶部22は、演算部24が算出する測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との一致度を、測定画像撮像時に舵角センサが検出したステアリング舵角θと対応付けて蓄積する。また、補正装置記憶部22は、演算部24が算出する補正値θを記憶する。一致度および補正値θの詳細については後述する。
抽出部23は、測定画像上の操舵輪14および基準画像上の操舵輪14をそれぞれ抽出する。例えば、抽出部23は、エッジ検出および楕円検出(近似)により画像上の操舵輪14を抽出する。エッジ検出には、例えばcannyフィルタを用いて、画像上のエッジ部分を検出する。楕円検出には、例えばHough変換を用いて、操舵輪14を近似した楕円形状およびその楕円パラメータを算出する。楕円パラメータは、楕円の中心座標(x,y)、長辺の長さa、短辺の長さb、および画像上の水平軸と楕円の長軸とがなす傾きφである。好適には、抽出部23は、操舵輪14が含まれ得る画像上の所定領域において、画像上の操舵輪14を抽出する。操舵輪14が含まれ得る画像上の所定領域は、例えばサイドカメラ11の取付け角度のばらつきを考慮して予め決定してもよく、抽出部23が任意の方法により自動的に決定してもよい。
ここで、楕円検出により検出される楕円について説明する。図4は、異なる操舵輪舵角θにおける測定画像について検出する楕円(図4太線)の例を示し、図4(a)はθ=0°、図4(b)はθ=10°、図4(c)はθ=20°、図4(d)はθ=30°である。また、図4は、操舵輪14のホイール部分について楕円検出を施す例を示すが、例えば操舵輪14のタイヤ部分について楕円検出を施してもよい。θが10°以上の例では、操舵輪14のホイール部分は楕円の一部が欠けた形状であったが(図3(b−(d)参照)、楕円検出により操舵輪14のホイール部分に適合する楕円が検出される(図4(b)−(d)参照)。検出される楕円は、撮像時の操舵輪舵角θによって形状が異なる。詳細には、検出される楕円は、操舵輪舵角θが増加すると、画像上の水平軸と楕円の長軸とがなす傾きφが減少し、短辺の長さbが増加する。一方、操舵輪舵角θが増加しても、他の楕円パラメータ、すなわち中心座標(x,y)および長辺の長さaの変化が比較的小さい(図4参照)。
演算部24(図2参照)は、測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との一致度を算出する。一致度は、両画像上の操舵輪14の形状の一致性の度合いを示す指標である。本実施形態において、演算部24は、抽出部23により操舵輪14を抽出した測定画像および基準画像を用いて画像マッチングを行ない、画像マッチングの相関度を一致度として算出する。また、演算部24は、算出した一致度(相関度)と、一致度の算出に用いた測定画像の撮像時に舵角センサが検出したステアリング舵角θとを対応づけたデータを、補正装置記憶部22に記憶させる。
また、演算部24は、補正装置記憶部22に記憶させた複数のデータに基づいて、舵角センサが検出したステアリング舵角θに対する一致度(相関度)の確率分布を算出する(図5参照)。確率分布には、任意の確率分布モデルを用いることができる。また、演算部24は、算出した確率分布のピーク位置におけるステアリング舵角θを算出する。好適には、演算部24は、確率分布を算出するのに十分なデータが蓄積されたときに、ステアリング舵角θを算出する。例えば、演算部24は、蓄積したデータの数が所定の閾値th以上であって、且つ、算出した確率分布の分散σが所定の閾値th未満であるときに、ステアリング舵角θを算出するようにしてもよい。
ここで、演算部24が算出する確率分布のピーク位置におけるステアリング舵角θは、ステアリングの実際の舵角θが基準舵角θ(=0°)であるときに舵角センサが検出するステアリング舵角θの推定値である。舵角センサが検出するステアリング舵角θとステアリングの実際の舵角θとの間にずれ(以下、検出ずれという)が存在する場合には、ステアリングの実際の舵角θが0°であるときに舵角センサが検出するステアリング舵角θは、舵角センサの検出ずれに等しい。演算部24は、以下の式により、舵角センサの検出ずれΔθを算出する。
Δθ=θ−θ (1)
演算部24は、算出した検出ずれΔθの絶対値が所定の閾値th以上であるとき、すなわち、舵角センサが検出するステアリング舵角θとステアリングの実際の舵角θとのずれが大きいとき、検出ずれΔθを補正値θとして補正装置記憶部22に記憶する。あるいは、演算部24は、補正装置記憶部22が既に補正値θを記憶している場合には、検出ずれΔθから補正値θを減算した値の絶対値が所定の閾値th以上であるとき、検出ずれΔθを新たな補正値θとして更新し、補正装置記憶部22に記憶する。そして、演算部24は、車載ネットワーク100を介して他の構成要素に補正値θを送信する。
次に、リアカメラ12の構成について説明する。図2に示すように、リアカメラ12は、光学系25と、リアカメラ撮像部(第2の撮像部)26と、リアカメラ記憶部27と、画像重畳部28と、リアカメラ制御部29と、を備える。
光学系25は、サイドカメラ11の光学系16と同様に、複数のレンズを有し、被写体像を結像させる。
リアカメラ撮像部26は、サイドカメラ撮像部17と同様に、光学系25によって結像する周辺画像を撮像する。
リアカメラ記憶部27は、サイドカメラ11から車載ネットワーク100を介して取得する補正値θを記憶する。
画像重畳部28は、車載ネットワーク100を介して、舵角センサが検出するステアリング舵角θを取得する。また、画像重畳部28は、補正値θを用いて舵角センサが検出するステアリング舵角θを補正した値、すなわちステアリング舵角θから補正値θを減算した値を用いて、リアカメラ撮像部26が撮像した周辺画像上の所定位置に運転支援のための指標を重畳する。
運転支援のための指標30とは、例えば図6に示すように、車幅延長線31および距離目安線32である。車幅延長線31は、後進時の移動体10の両端の通過する軌跡であり、ステアリングの舵角に応じて形状および表示位置が異なる。距離目安線32は、現在の移動体10から所定の距離、例えば1mおよび3mの距離を示す。運転者は、指標30によって移動体10の後進時の予測進行方向を認識可能となる。
リアカメラ制御部29(図2参照)は、リアカメラ12の各部位の動作を制御する。また、リアカメラ制御部29は、車載ネットワーク100を介して情報の送受信を行う。
次に、第1の実施形態に係る舵角補正システムAが実行する補正値算出処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。本処理は、例えば、移動体10が走行を開始したときに実行される。
はじめに、サイドカメラ撮像部17は、操舵輪14を含む移動体10の周辺画像(測定画像)を撮像する(ステップS100)。
舵角判断部18は、車載ネットワーク100を介して、ステップS100の測定画像の撮像と同時に舵角センサが検出したステアリング舵角θを取得する(ステップS101)。
次に、取得部21は、ステップS100の測定画像およびステップS101のステアリング舵角θを対応付けて取得する(ステップS102)。
次に、抽出部23は、ステップS102の測定画像、および補正装置記憶部22が予め記憶している基準画像に対してエッジ検出を施す(ステップS103)。また、抽出部23は、測定画像上に操舵輪14の側面が含まれないとき、移動体10の左右反対側のサイドカメラ11が撮像した測定画像を用いる。
続いて、抽出部23は、ステップS103においてエッジ検出を施した測定画像および基準画像に対して楕円検出を行う(ステップS104)。
次に、演算部24は、測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との一致度を算出する(ステップS105)。例えば、演算部24は、画像マッチングの相関度を一致度として算出する。
続いて、演算部24は、ステップS105で算出した一致度と、測定画像撮像時に舵角センサが検出したステアリング舵角θとを対応づけたデータを、補正装置記憶部22に記憶させる(ステップS106)。
続いて、演算部24は、ステップS106で補正装置記憶部22に記憶させたデータに基づいて、舵角センサが検出するステアリング舵角θに対する一致度(相関度)の確率分布を算出する(ステップS107)。
続いて、演算部24は、確率分布を算出するのに十分なデータが蓄積されたか否かを判定する(ステップS108)。例えば、演算部24は、補正装置記憶部22に記憶させたデータの数が所定の閾値th以上であって、且つ、算出した確率分布の分散σが所定の閾値th未満であるときに、十分なデータが蓄積されたと判定する。十分なデータが蓄積されたとき(ステップS108−Yes)、ステップS109に進む。一方、十分なデータが蓄積されていないとき(ステップS108−No)、ステップS100に戻って処理を反復し、データを蓄積する。
ステップS108において、十分なデータが蓄積されたとき(ステップS108−Yes)、演算部24は、ステップS107で算出した確率分布のピーク位置におけるステアリング舵角θを算出する(ステップS109)。
続いて、演算部24は、ステップS109において算出した確率分布のピーク位置におけるステアリング舵角θから基準舵角θを減算して算出する検出ずれΔθの絶対値が、所定の閾値th以上であるか否かを判定する(ステップS110)。検出ずれΔθの絶対値が閾値th以上であるとき(ステップS110−Yes)、ステップS111に進む。一方、検出ずれΔθの絶対値が閾値th未満であるとき(ステップS110−No)、処理を終了する。
ステップS110において、検出ずれΔθの絶対値が閾値th以上であるとき(ステップS110−Yes)、演算部24は、検出ずれΔθを補正値θとして補正装置記憶部22に記憶する(ステップS111)。
このように、第1の実施形態の舵角補正システムによれば、測定画像および基準画像の一致度に基づいて、補正値θを算出する。このため、例えば移動体10の走行中に舵角センサが検出するステアリング舵角θの補正を自動的に行うことができ、操作者による操作の煩雑さを低減できる。
また、第1の実施形態の舵角補正システムによれば、舵角センサが検出するステアリング舵角θに対する一致度の確率分布に基づいて補正値θを算出するため、ステアリングの実際の舵角θが基準舵角θ(=0°)であるときに舵角センサが検出するステアリング舵角θを精度良く推定でき、補正値θの算出精度を向上できる。また、舵角センサが検出するステアリング舵角θの測定誤差の影響を低減し、補正値θの算出精度を向上できる。
また、第1の実施形態の舵角補正システムによれば、舵角センサが検出するステアリング舵角θに対する一致度の確率分布を算出するのに十分なデータが蓄積されているとき、確率分布のピーク位置におけるステアリング舵角θを算出し、θを用いて補正値θを算出する。このため、例えばデータ数が少ない場合や分散が大きい場合等、ピークを正しく検出できていない場合に補正値θの算出・更新を抑制し、補正値θの安定性を向上できる。
また、第1の実施形態の舵角補正システムによれば、舵角センサが検出するステアリング舵角θとステアリングの実際の舵角θとの間のずれΔθの絶対値が閾値th以上であるときに、Δθを補正値θとして記憶する。このため、舵角センサが検出するステアリング舵角θの測定誤差等の影響で生じる微小なずれによる補正値θの算出・更新を抑制し、補正値θの算出精度を向上できる。
また、第1の実施形態の舵角補正システムによれば、測定画像および基準画像に対してエッジ検出を施すため、移動体10の走行中において、例えば天気や外の明るさ等の環境の変化による測定画像への影響を低減し、画像マッチングによる相関度の算出精度を向上できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る舵角補正システムAの構成は第1の実施形態と同様であるが、舵角補正装置20が行う処理が異なる。
第2の実施形態に係る舵角補正装置20は、第1の実施形態と同様に、取得部21と、補正装置記憶部22と、抽出部23と、演算部24と、を備える。取得部21、補正装置記憶部22、および抽出部23については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
演算部24は、第1の実施形態と同様に、測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との一致度を算出する。ここで、第2の実施形態に係る演算部24は、抽出部23が楕円検出により算出した楕円パラメータを用いて、一致度を算出する。詳細には、演算部24は、測定画像から検出した操舵輪14の楕円パラメータにより定まる5次元パラメータ空間上の点tを算出する。同様に、演算部24は、基準画像から検出した操舵輪14の楕円パラメータにより定まる5次元パラメータ空間上の点aを算出する。パラメータ空間上の2点間の距離dは、d=|t−a|により算出される。ここで、測定画像から検出した楕円形状と基準画像から検出した楕円形状との相関が高いとき、各楕円パラメータは互いに近い値をとるため、距離dは小さな値となる。一方、2つの楕円形状の相関が小さいとき、各楕円パラメータは互いに異なる値をとるため、距離dは大きな値となる。したがって、演算部24は、楕円パラメータを用いて算出するパラメータ空間上の距離dを一致度として算出する。このとき、一般に、距離dの値が小さいほど一致性が高くなる。
好適には、演算部24は、複数の楕円パラメータに対して重付けを行った値を用いて一致度を算出する。前述のように、検出される楕円は、操舵輪舵角θによって異なる形状となる(図4参照)。ここで、操舵輪舵角θの変化に対し、楕円の傾きφおよび短辺の長さbの変化量が大きく、他の楕円パラメータ、すなわち中心座標と長辺の長さは変化量が小さい。すなわち、楕円の傾きφおよび短辺の長さbは、操舵輪舵角θの変化に対し感度が高い。例えば、楕円パラメータのうち傾きφおよび短辺の長さbの少なくとも一方に、他のパラメータ、すなわち座標(x,y)および長辺の長さaより大きな重付けを行ってパラメータ空間上の点tおよび点aを決定し、2点間の距離dを一致度として算出する。
また、演算部24は、第1の実施形態と同様に、一致度(距離d)の確率分布を算出し、算出した確率分布のピーク位置におけるステアリング舵角θに基づいて補正値θを算出する。本実施形態において、楕円パラメータを用いて算出するパラメータ空間上の距離dを一致度として用いるため、確率分布のピークは下向きにあらわれる(図8参照)。
このように、第2の実施形態の舵角補正システムによれば、測定画像および基準画像から検出した楕円のパラメータに基づいて算出するパラメータ空間上の距離dを、測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との一致度として算出する。このため、画像マッチングにより一致度を算出する第1の実施形態と比較して処理負担を低減できる。また、複数の楕円パラメータのうち、操舵輪舵角θの変化に対し感度が高い楕円パラメータに大きな重付けをして一致度を算出することにより、一致度の算出精度を向上し、補正値θの算出精度を向上できる。
(変形例)
次に、本発明の実施形態の変形例に係る舵角補正システムについて説明する。変形例に係る舵角補正システムAの構成は第1の実施形態と同様であるが、一致度の確率分布を算出せず、測定画像と基準画像が一致するときに補正値θを算出する点が異なる。
変形例に係る舵角補正装置20は、第1の実施形態と同様に、取得部21と、補正装置記憶部22と、抽出部23と、演算部24と、を備える。取得部21および抽出部23については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
補正装置記憶部22は、基準画像を予め記憶する。また、補正装置記憶部22は、演算部24が算出する補正値θを記憶する。
演算部24は、測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との一致度を算出する。変形例において、画像マッチングによる相関度又は楕円パラメータ空間上の2点間距離dの何れを一致度として採用してもよい。以下においては、測定画像および基準画像を用いた画像マッチングによる相関度を算出する例について説明する。
演算部24は、算出した一致度(相関度)に基づいて、測定画像上の操舵輪14および基準画像上の操舵輪14の形状が一致しているか否かを判定する。形状が一致しているか否かの判定は、例えば、一致度である相関度が所定の閾値th以上であるとき、形状が一致していると判定する。演算部24は、操舵輪14の形状が一致すると判定するとき、以下の式により、舵角センサが検出するステアリング舵角θとステアリングの実際の舵角θとの間のずれ(検出ずれ)Δθを算出する。
Δθ=θ−θ (2)
ここで、θは一致度の算出に用いた測定画像撮像時に舵角センサが検出したステアリング舵角、θは基準舵角である。また、演算部24は、第1の実施形態と同様に、算出した検出ずれΔθの絶対値が所定の閾値th以上であるとき、検出ずれΔθを補正値θとして補正装置記憶部22に記憶する。
次に、変形例に係る舵角補正システムAが実行する補正値算出処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。
はじめに、サイドカメラ撮像部17は、操舵輪14を含む移動体10の周辺画像(測定画像)を撮像する(ステップS200)。
舵角判断部18は、車載ネットワーク100を介して、ステップS200の測定画像の撮像と同時に舵角センサが検出したステアリング舵角θを取得する(ステップS201)。
次に、取得部21は、ステップS200の測定画像およびステップS201のステアリング舵角θを対応付けて取得する(ステップS202)。
次に、抽出部23は、ステップS202の測定画像、および補正装置記憶部22が予め記憶している基準画像に対してエッジ検出を施す(ステップS203)。また、抽出部23は、測定画像上に操舵輪14の側面が含まれないとき、移動体10の左右反対側のサイドカメラ11が撮像した測定画像を用いる。
続いて、抽出部23は、ステップS203においてエッジ検出を施した測定画像および基準画像に対して楕円検出を施す(ステップS204)。
次に、演算部24は、測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との一致度を算出する(ステップS205)。例えば、演算部24は、画像マッチングの相関度を一致度として算出する。
続いて、演算部24は、測定画像上の操舵輪14および基準画像上の操舵輪14の形状が一致しているか否かを判定する(ステップS206)。例えば、演算部24は、一致度である相関度が所定の閾値th以上であるとき、形状が一致していると判定する。形状が一致していると判定するとき(ステップS206−Yes)、ステップS207に進む。一方、形状が一致していないと判定するとき(ステップS206−No)、ステップS200に戻る。
ステップS206において、形状が一致していると判定するとき(ステップS206−Yes)、演算部24は、ステップS202のステアリング舵角θから基準舵角θを減算して算出する検出ずれΔθの絶対値が、所定の閾値th以上であるか否かを判定する(ステップS207)。検出ずれΔθの絶対値が閾値th以上であるとき(ステップS207−Yes)、ステップS208に進む。一方、検出ずれΔθの絶対値が閾値th未満であるとき(ステップS207−No)、処理を終了する。
ステップS207において、検出ずれΔθの絶対値が閾値th以上であるとき(ステップS207−Yes)、演算部24は、検出ずれΔθを補正値θとして補正装置記憶部22に記憶する(ステップS208)。
このように、変形例の舵角補正システムによれば、測定画像と舵角センサが検出するステアリング舵角θとを対応付けて取得するたび、算出する一致度に基づいて両画像上の操舵輪14の形状が一致しているか否かを判定する。そして、形状が一致していると判定するとき、補正値θを算出する。このため、第1の実施形態と異なり、舵角センサが検出するステアリング舵角θと一致度とを対応付けたデータを補正装置記憶部22に蓄積する必要がなく、記憶するデータ容量を低減できる。
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
例えば、舵角補正システムにおける各構成要素は、分割および再配置が可能である。例えば、舵角補正システムは、運転者を支援するナビゲーション装置を更に備え、ナビゲーション装置が舵角補正装置20の演算部25や、リアカメラ12の画像重畳部28を備える構成であってもよい。
また、抽出部23が検出した楕円が正しく操舵輪14を抽出しているか否かを判別する構成を備えてもよい。例えば、測定画像上の楕円内において、エッジ検出を施す前の測定画像の色情報を用いて操舵輪14を抽出しているか否か判断することが考えられる。このようにして、測定画像上の操舵輪14の抽出精度を向上して一致度の算出精度を向上することにより、補正値θの算出精度を向上できる。
また、上述の実施形態において、補正装置記憶部22は基準画像を予め記憶するが、基準画像に対してエッジ検出および楕円検出を施した基準画像を予め記憶するようにしてもよい。この場合、抽出部23は、基準画像に対してエッジ検出および楕円検出を施す必要がなく、処理負担を軽減できる。
また、上述の実施形態において、舵角補正装置20は、算出した補正値θを補正装置記憶部22に記憶させるが、ステアリング舵角センサに補正値θを送信し、ステアリング舵角センサの出力値を補正するようにしてもよい。この場合、画像重畳部28は、車載ネットワーク100を介して取得するステアリング舵角を補正する必要がないため、処理負担を軽減できる。
また、上述の実施形態において、画像重畳部28はリアカメラ12の撮像画像に指標30を重畳するが、例えば、移動体10の前方の周辺画像を撮像するフロントカメラの撮像画像に重畳するようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、画像マッチングによる相関度又は楕円パラメータに基づくパラメータ空間上の2点間距離を一致度として用いたが、測定画像上の操舵輪14と基準画像上の操舵輪14との形状の一致性の度合いを示す指標であれば任意の指標を採用可能である。
また、第1の実施形態において、サイドカメラ制御部19は、サイドカメラ撮像部17に周期的に測定画像を生成させるようにしたが、周期的な撮像に加え又は替えて、所定の条件で測定画像を生成してもよい。例えば、舵角センサが検出するステアリング舵角θが所定の舵角となったときに測定画像を生成することが考えられる。このようにして、一致度の確率分布を算出するのに広域な舵角におけるデータを用いることができ、一致度の確率分布の算出精度を向上することにより、補正値θの算出精度を向上できる。
また、第2の実施形態において、補正装置記憶部22は、基準画像から検出した楕円のパラメータを予め記憶してもよい。この場合、補正装置記憶部22は、基準画像を記憶する必要がなく、記憶するデータ容量を低減できる。
10 移動体
11 サイドカメラ
12 リアカメラ
13 表示部
14 操舵輪
15 ドアミラー
16 光学系
17 サイドカメラ撮像部
18 舵角判断部
19 サイドカメラ制御部
20 舵角補正装置
21 取得部
22 補正装置記憶部
23 抽出部
24 演算部
25 光学系
26 リアカメラ撮像部
27 リアカメラ記憶部
28 画像重畳部
29 リアカメラ制御部
30 指標
31 車幅延長線
32 距離目安線
100 車載ネットワーク

Claims (8)

  1. 操舵輪を撮像した測定画像と、前記測定画像の撮像時における移動体のステアリング舵角と、を対応付けて取得するステップと、
    前記測定画像上の前記操舵輪と、基準舵角において前記操舵輪を撮像した基準画像上の前記操舵輪と、の一致度を算出するステップと、
    前記一致度に基づいて前記ステアリング舵角を補正する補正値を算出するステップとを含む
    ことを特徴とする舵角補正方法。
  2. 請求項1に記載の舵角補正方法であって、
    異なるステアリング舵角において複数の前記測定画像を取得するステップを含み、
    前記補正値を算出するステップでは、ステアリング舵角に対する前記一致度の分布に基づいて前記補正値を算出する
    ことを特徴とする舵角補正方法。
  3. 請求項1又は2に記載の舵角補正方法であって、
    少なくとも前記測定画像上の前記操舵輪を楕円検出により抽出するステップを含み、
    前記一致度を算出するステップでは、検出する楕円のパラメータを用いて前記一致度を算出する
    ことを特徴とする舵角補正方法。
  4. 請求項3に記載の舵角補正方法であって、
    前記一致度を算出するステップでは、楕円の短辺および傾きの少なくとも一方を示すパラメータに対して、他のパラメータよりも大きな重付けを施して前記一致度を算出する
    ことを特徴とする舵角補正方法。
  5. 請求項1又は2に記載の舵角補正方法であって、
    前記一致度を算出するステップでは、前記測定画像および前記基準画像に基づく画像マッチングによる相関度を前記一致度として算出する
    ことを特徴とする舵角補正方法。
  6. 操舵輪を撮像した測定画像と撮像時における移動体のステアリング舵角とを対応付けて取得する取得部と、
    前記測定画像上の前記操舵輪と、基準舵角において前記操舵輪を撮像した基準画像上の前記操舵輪と、の一致度に基づいて前記舵角を補正する補正値を算出する演算部とを備える
    ことを特徴とする舵角補正装置。
  7. 請求項6に記載の舵角補正装置と、
    前記測定画像を撮像する第1の撮像部と、
    前記移動体の周辺画像を撮像する第2の撮像部と、
    前記周辺画像上に、前記補正値に基づいて運転を支援するための指標を重畳する画像重畳部とを備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項7に記載の撮像装置と、
    前記指標を重畳した画像を表示する表示部とを備える
    ことを特徴とする舵角補正システム。
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