JP2015044099A - 消火剤貯蔵容器及び消火器 - Google Patents

消火剤貯蔵容器及び消火器 Download PDF

Info

Publication number
JP2015044099A
JP2015044099A JP2014249468A JP2014249468A JP2015044099A JP 2015044099 A JP2015044099 A JP 2015044099A JP 2014249468 A JP2014249468 A JP 2014249468A JP 2014249468 A JP2014249468 A JP 2014249468A JP 2015044099 A JP2015044099 A JP 2015044099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fire extinguisher
storage container
fire
extinguishing agent
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014249468A
Other languages
English (en)
Inventor
土田 英雄
Hideo Tsuchida
英雄 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hatsuta Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Hatsuta Seisakusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hatsuta Seisakusho Co Ltd filed Critical Hatsuta Seisakusho Co Ltd
Priority to JP2014249468A priority Critical patent/JP2015044099A/ja
Publication of JP2015044099A publication Critical patent/JP2015044099A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Abstract

【課題】顔料を含む樹脂を用いて成形されているため、軽量で、かつ内容物である消火剤を適度に視認させうる状態にして美観を高めた消火剤貯蔵容器及びその消火剤貯蔵容器を備えた消火器を提供する。
【解決手段】本発明の1つの消火剤貯蔵容器10は、消火器100用の消火剤貯蔵容器10であって、開口部を除いて継ぎ目なく顔料を含む樹脂を用いて成形されている。加えて、前述の消火剤貯蔵容器の全光線透過率が20%以上90%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂製の消火剤貯蔵容器及びその消火剤貯蔵容器を備えた消火器に関するものである。
従来、消火器に使用される消火剤貯蔵容器は、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属から製造されている。その中でも鉄製の消火剤貯蔵容器は、頑丈で破損しにくく、製造コストが安価であるため、市場に出される消火器数の約9割に対して鉄が使用されているのが現状である。
他方、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた消火器の例が開示されている。1つの文献には、樹脂製の消火剤貯蔵容器の弱点であった低い耐圧性能であっても保持されるように、充填圧力が可能なかぎり低下された消火器が開示されている(特許文献1)。また、他の1つの文献には、清涼飲料水やアルコール飲料などに用いられる薄肉のポリエチレンテレフタレート(PET)の廃品を利用した消火器が開示されている(特許文献2)。
実開昭56−160560号公報 特開平9−313634号公報
上述の通り、一般的に広く利用されている鉄製の消火剤貯蔵容器は非常に重いため、特に女性や子供、あるいは年配者にとって、持ち運びの不便さや操作性の悪さの問題を生じさせていた。
鉄に代表される金属であるがための上述の技術的課題は、一見すると、樹脂製の消火剤貯蔵容器を採用することによって解決されるように見える。しかしながら、現実には、一般的に採用されている金属製の消火器のように、耐用年数として数年(例えば、8年)以上が要求される消火剤貯蔵容器を、容器全体としての軽量さを維持しつつ、樹脂のみによって形成することは容易ではない。
加えて、従来の金属製の消火剤貯蔵容器と比較して、一般的に樹脂製のものはガスを透過しやすいため、例えば、常に高い圧力の気体が長期間保持されなければならない蓄圧式消火器の消火剤貯蔵容器を、樹脂を用いて形成することは容易ではない。従って、特に蓄圧式の消火器の消火剤貯蔵容器に要求される蓄圧性は、加圧式の消火器の消火剤貯蔵容器に求められるそれよりも格段に高いものとなる。
本発明は、上述の従来技術の問題点を解消することにより、軽量で、高い蓄圧性を備えるとともに、ガスを透過させにくい消火器の実現に大きく貢献するものである。
発明者は、様々な視点から現存の金属製消火器に代替しうる樹脂製の消火剤貯蔵容器の開発を鋭意行った。その結果、発明者は、樹脂の特性を生かしつつその弱点を補うことができる消火剤貯蔵容器の構成を見出すことに成功し、本発明が完成した。
本発明の1つの消火剤貯蔵容器は、消火器用の消火剤貯蔵容器である。この消火剤貯蔵容器は、開口部を除いて継ぎ目なく顔料を含む樹脂で成形されるとともに、前述の開口部が閉塞されたときの前述のガスの透過量が3.22×10−7(Pa・m・mm/cm・s・MPa)以下である。
この消火剤貯蔵容器によれば、樹脂を用いて成形されているため、従来から存在する金属製の消火剤貯蔵容器と比べ、格段に軽量化が促進される。また、この消火剤貯蔵容器を使用した消火器の軽量化を実現することにより、火災時において老若男女を問わず誰もが使い易い消火器となり、消火活動がし易い状況を提供することができる。さらに、消火器の軽量化を実現することにより、搬送時において搬送車が排出する二酸化炭素の量を削減することができるため、地球環境の維持保全に大きく貢献し得る。加えて、この消火剤貯蔵容器は、消火剤を放出するのに十分な放出用ガスが充圧されるとともに、その圧力を保持できる。
さらに、この消火剤貯蔵容器によれば、顔料を含む樹脂を用いて成形されているため、内容物である消火剤を適度に視認させうる状態にして美観を高める。加えて、消火器としての重要な性能であるガスバリアー性の向上にも寄与しうる。
また、本発明の1つの消火器は、上述の消火剤貯蔵容器を備えている。
この消火器によれば、上述の消火剤貯蔵容器を備えており、それが樹脂を用いて成形されているため、従来から存在する金属製の消火剤貯蔵容器と比べ、格段に軽量化が促進される。また、この消火剤貯蔵容器を使用した消火器の軽量化を実現することにより、火災時において老若男女を問わず誰もが使い易い消火器となり、消火活動がし易い状況を提供することができる。さらに、消火器の軽量化を実現することにより、搬送時において搬送車が排出する二酸化炭素の量を削減することができるため、地球環境の維持保全に大きく貢献し得る。加えて、この消火剤貯蔵容器は、消火剤を放出するのに十分な放出用ガスが充圧されるとともに、その圧力を保持できる。さらに、この消火器によれば、その消火剤貯蔵容器が顔料を含む樹脂を用いて成形されているため、内容物である消火剤を適度に視認させうる状態にして美観を高める。加えて、消火器としての重要な性能であるガスバリアー性の向上にも寄与しうる。
本発明の1つの消火剤貯蔵容器又は消火器は、軽量化が達成されるとともに高い強度を備える。さらに、消火器が設置される場所の周囲の美観を損なわず、かつ高いガスバリアー性を備えている。
本発明の1つの実施形態における消火器を示す全体外観図である。 本発明の1つの実施形態における消火剤貯蔵容器の正面図である。 本発明の1つの実施形態における消火剤貯蔵容器の正面断面図である。 本発明の1つの実施形態における消火剤貯蔵容器のガス透過量を測定する試験装置を示す概要図である。
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。尚、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしもスケールどおりに示されていない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の消火器100の全体外観図である。図2は、消火剤貯蔵容器10の正面図であり、図3は、消火剤貯蔵容器10の正面断面図である。なお、図2において、便宜上、消火剤貯蔵容器の部位を説明するための破線と実線が設けられている。また、図3において、便宜上、消火剤貯蔵容器10の肉厚を示すための矢印と、口部91の肉厚を表示するために、口部91の断面形状を延長するための破線が設けられている。
図1に示すように、本実施形態の消火器100は、消火剤60(例えば、粉末消火剤)が充填された消火剤貯蔵容器10と、消火剤貯蔵容器10の底部と嵌合して消火剤60を支持する支持台50と、消火剤貯蔵容器10の上方に配設される消火器用ハンドレバー30と、消火剤貯蔵容器10内に貯蔵される消火剤60を消火器用ハンドレバー30に導くためのサイホン管70と、消火器用ハンドレバー30を操作することによりサイホン管70と流通可能に接続される消火剤ホース40とを備える。
また、消火器用ハンドレバー30は、蓋体31、固定レバー32、起動レバー33、起倒杆34、及び安全栓35を備えている。本実施形態では、安全栓35が起倒杆34と係合することにより、起動レバー33が固定レバー32に対して回動不可能な状態に固定される。また、安全栓35が起倒杆34との係合状態から解放されると、起動レバー33が固定レバー32に対して回動可能な状態になる。
加えて、本実施形態における消火剤貯蔵容器10は、消火剤貯蔵部11と、消火剤貯蔵部11の上部に位置する開口部に形成される雄ネジ部12とで構成される。この雄ネジ部12と消火器用ハンドレバー30とが螺合することにより、消火剤貯蔵容器10と消火器用ハンドレバー30とが固定される。尚、消火剤貯蔵容器10と消火器用ハンドレバー30との固定手段は、螺合に限られず、公知の接合手段が適用され得る。
また、本実施形態の消火器100は、顔料としてぺリノン系レッドを含有するポリエチレンナフタレート(PEN)によって形成された消火剤貯蔵容器10を備えている。具体的には、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、マスターバッチ(顔料とPENとを混合したもの)が混合されたポリエチレンナフタレート(PEN)で形成されている。なお、本実施形態では、マスターバッチは、ポリエチレンナフタレート(PEN)100部に対してぺリノン系レッド1.3部の割合で混合することにより形成される。また、ポリエチレンナフタレート(PEN)に対し、前述のマスターバッチが5%乃至30%の割合で混合される。また、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、図1乃至図3に示すように、開口部を除いて、金属製の消火剤貯蔵容器のような継ぎ目が形成されていない。なお、比較例のために、前述のマスターバッチが全く混合されない消火剤貯蔵容器も作製される。
さらに、本実施形態の消火剤貯蔵容器10の口部91の肉厚(T)は、2mm以上5mm以下であり、曲面を持つ肩部92の肉厚(T)は、1.2mm以上12mm以下である。また、円筒状の胴部93の肉厚(T)は、1.2mm以上1.7mm以下であり、曲面を持つ底部94の肉厚(T)は、1.2mm以上12mm以下である。また、本実施形態の消火剤貯蔵容器10の全光線透過率が約50%である。
本実施形態の消火剤貯蔵容器10の全光線透過率は、0%以上90%以下が好ましく、5%以上75%以下であることがさらに好ましい。本実施形態の消火剤貯蔵容器10の全光線透過率が75%を越えると、収められている消火剤の壁面への付着が消火器の汚れに見えてしまうことにより、消火器100が設置される場所の周囲の美観を損なうことになる。他方、全光線透過率が5%未満になると、緊急時に消火剤の残量が確認しづらくなるため実用性が劣ることになる。従って、前述の範囲の適度な透明性を維持することが、実用性と外観上の美観とを調和することになる。なお、さらに好ましい消火剤貯蔵容器の全光線透過率は、20%以上70%以下である。この範囲であれば、さらに、周囲の美観との調和が取れる。
また、本実施形態の消火剤貯蔵容器10の胴部93の肉厚は、0.9mm以上5mm以下であることが好ましい。これは、樹脂の厚さが0.9mmよりも薄いと、消火剤の貯蔵容器として求められる強度(例えば、2.6MPa)を達成できなくなるおそれが高まる一方、5mmよりも厚ければ、経済的に好ましくないとともに内容物たる消火剤を視認し得る透明性の達成が困難になるおそれが高まるためである。上述の観点によれば、胴部93の肉厚は、0.9mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
ここで、本実施形態の消火器100の軽量化を確認すると、従来の鉄製の消火剤貯蔵容器と比べて、全体として重量を約70%に減少させることができた。消火器としての最軽量化を実現することで、火災時において老若男女を問わず誰もが最も使い易い消火器となり消火活動がし易い状況を提供することができる。
次に、本実施形態の消火剤貯蔵容器10の製造方法について説明する。マスターバッチ(顔料とポリエチレンナフタレート(PEN)とを混合したもの)が混合されたポリエチレンナフタレート製の消火剤貯蔵容器10は、延伸ブロー成形、溶融整形などの従来公知の樹脂成形方法により製造することができるが、この中でも、開口部を除いて、継ぎ目がなく、成形状態が良好で、かつ適度な肉厚の容器が得られる点で、延伸ブロー成形が好ましい。
本実施形態では、まず、消火剤貯蔵容器10の材料となるマスターバッチが混合されたポリエチレンナフタレート(PEN)を溶融し、射出金型内にその樹脂を射出又は押出することによって肉厚が約15mmの予備成形品(以下、プリフォームという。)を形成する。次に、胴部93の円周方向の延伸倍率のスカラー量とその円周方向に垂直な方向の延伸倍率のスカラー量との積が12倍を超えて延伸された上で、消火剤貯蔵容器10の側面の肉厚が0.9mm以上5mm以下になるように、消火剤貯蔵容器10が形成される。
上述のとおり、延伸ブローによって消火剤貯蔵容器10を成形することにより、強度又は耐圧が高められるとともに、透明又は半透明と表される透明性を実現し得る。また、消火剤貯蔵容器を透明又は半透明の樹脂製とすることにより、従来から存在する金属製の消火剤貯蔵容器では不可能とされた消火剤貯蔵容器内部の目視が可能となる。すなわち、消火剤貯蔵容器に貯蔵されている消火剤の適度な視認を実現することができる。その結果、一般の使用者又は点検者・管理者は、貯蔵されている消火剤の残量や貯蔵状態を直接的に観察できることとなるため、一般の使用者であっても、設置されている消火器の消火剤の状態が正常か否かを判別することが可能となる。
なお、上述の実施形態における消火剤貯蔵容器10のプリフォームの全光線透過率は、5%以上75%以下であることが好ましい。また、本実施形態における消火剤貯蔵容器10のプリフォームの肉厚は、4mm以上30mm以下であることが好ましい。
本実施形態の消火剤貯蔵容器10のプリフォームの全光線透過率が75%を越えると、延伸ブロー後の消火剤貯蔵容器10内に収められている消火剤の壁面への付着が消火器の汚れに見えてしまうことにより、消火器100が設置される場所の周囲の美観を損なうことになる。他方、前述のプリフォームの全光線透過率が5%未満になると、緊急時に、延伸ブローされた消火剤貯蔵容器10内の消火剤の残量が確認しづらくなるため実用性が劣ることになる。従って、消火剤貯蔵容器10のプリフォームについても、前述の範囲の透明性を維持することが、延伸ブロー後の消火剤貯蔵容器10の実用性と外観上の美観とを調和させることになる。
また、前述のプリフォームを余りに分厚くしても、延伸ブロー後の消火剤貯蔵容器10の透明性が悪化するという問題が生じる。また、最終的な消火剤貯蔵容器10の十分な耐圧を確保するために、特に胴部93の肉厚を0.9mm以上5mm以下にすることが好ましい。従って、本実施形態における消火剤貯蔵容器10のプリフォームの肉厚は、4mm以上30mm以下であることが好ましい。加えて、胴部93の円周方向の延伸倍率のスカラー量とその円周方向に垂直な方向の延伸倍率のスカラー量との積が6以上13.7以下とすることが好ましく、10以上13以下とすることがさらに好ましい。
次に、本実施形態の消火剤貯蔵容器10のガスバリアー性の測定が行われた。
表1は、本実施形態において製造された消火器100における消火剤貯蔵容器10のガスバリアー性の測定結果である。本実施形態の測定は、図4に示すガス透過量の測定装置80を用いて行われた。図4に示すように、測定用試料84(具体的には、消火剤貯蔵容器10より切り出した試験片)の上流側空間81aには測定用ガスのガスボンベ82が配置され、ガスボンベ82から送り出された測定用ガスの圧力は、上流側空間81a内において0.3MPaに設定される。この圧力は、連成計83によって測定される。一方、下流側空間81bは、ロータリーポンプ88及びターボ分子ポンプ87によって十分に排気されるため、高真空状態となっている。また、測定試料84は、ヒーター調整器85bに接続するヒーター85aによって29℃になるように調整される。
上述の測定装置80の構成を用いて、所定時間内に上流側空間81aから下流側空間81bに透過した測定用ガスの量を測定することにより、透過ガス量が測定される。ここで、本実施形態の測定用ガスは、ヘリウムガス(He)である。また、透過ガス量は、レコーダー86bを備えた四重極ガス分析計86aを用いて測定される。加えて、この分析計におけるガス測定器は、ULVAC(アルバック株式会社)製の「ベーシックプロセスガスモニタ Qulee BGM−102R」である。
Figure 2015044099
表1に示すとおり、ポリエチレンナフタレート(PEN)によって形成された上述の消火剤貯蔵容器10に含まれるマスターバッチ(顔料(ぺリノン系レッド)とPENとを混合したもの)の混合率を上げると、ガス透過性が低下した。すなわち、消火剤貯蔵容器10に含まれる顔料の含有量を増加することにより、いわゆるガスバリアー性が高まっていくことが確認された。その結果、本実施形態の消火器100によれば、ぺリノン系レッドに基づくマスターバッチの混合率を高めることにより、前述の測定用ガスの透過量を完全に0にするとまではならないまでも、2.38×10−7(Pa・m・mm/cm・s・MPa)まで低下させることができた。なお、混合率が30%以下であれば、樹脂としての利点である内容物(消火剤)の視認性を維持しうる。このように、樹脂製の消火剤貯蔵容器10に顔料としてマスターバッチ(顔料(ぺリノン系レッド)とPENとを混合したもの)を含有させることは、内容物である消火剤を適度に視認させうる状態にして美観を高めるだけでなく、特に蓄圧式の消火器にとって重要な性能であるガスバリアー性の向上にも寄与しうる。なお、本実施形態は、前述の混合率が30%を超えることを妨げるものではない。しかし、前述の混合率が30%を超えると、樹脂の透光性が低下するために、内容物である消火剤を適度に視認することが難しくなる可能性が高まるため、好ましくない。
上述の通り、消火剤貯蔵容器をガスバリアー性が高い樹脂製とすることにより、これまで述べた樹脂の特長を維持しつつ、消火剤貯蔵容器内の圧力低下を抑制することができる。その結果、そのような樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた消火器は、加圧式のみならず蓄圧式の消火器としても実用的に用いることが可能となった。
なお、本実施形態では、測定用ガスがヘリウムガス(He)であったが、測定用ガスはこれに限定されない。例えば、窒素ガス(N)のみ、窒素ガス(N)とヘリウムガス(He)との混合ガス、又は窒素ガスとヘリウムガス以外の他のガス(例えば、ネオン(Ne)やアルゴン(Ar))との混合ガスであってもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態の消火器200は、消火剤貯蔵容器20を備える。ここで、消火剤貯蔵容器20は、第1の実施形態の消火剤貯蔵容器10に含まれる顔料が、ペリノン系レッドの代わりに酸化チタン(TiO)である点を除き、第1の実施形態の消火器100と同じ構成を備えている。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略されうる。
なお、本実施形態の消火器200は、顔料として酸化チタン(TiO)を含有するポリエチレンナフタレート(PEN)によって形成された消火剤貯蔵容器20を備えている。具体的には、本実施形態の消火剤貯蔵容器20は、マスターバッチ(顔料とPENとを混合したもの)が混合されたポリエチレンナフタレート(PEN)で形成されている。なお、本実施形態では、マスターバッチは、ポリエチレンナフタレート(PEN)100部に対して酸化チタン(TiO)0.13部の割合で混合することにより形成される。また、ポリエチレンナフタレート(PEN)に対し、前述のマスターバッチが5%乃至30%の割合で混合される。また、本実施形態の消火剤貯蔵容器20は、図1乃至図3に示すように、開口部を除いて、金属製の消火剤貯蔵容器のような継ぎ目が形成されていない。なお、比較例のために、前述のマスターバッチが全く混合されない消火剤貯蔵容器も作製される。
表2は、本実施形態において製造された消火器200における消火剤貯蔵容器20のガスバリアー性の測定結果である。ここで、透過量の測定は、前述の消火剤貯蔵容器10における測定用ガスの透過量の測定方法と同じある。
Figure 2015044099
表2に示すとおり、ポリエチレンナフタレート(PEN)によって形成された上述の実施形態の消火剤貯蔵容器20に含まれるマスターバッチ(顔料(酸化チタン)とPENとを混合したもの)の混合率を上げると、ガス透過量が低下した。すなわち、消火剤貯蔵容器20に含まれる顔料の含有量を上げることにより、いわゆるガスバリアー性が高まっていくことが確認された。その結果、本実施形態の消火器200によれば、酸化チタンに基づくマスターバッチの混合率を高めることにより、前述の測定用ガスの透過量を完全に0にするとまではならないまでも、3.09×10−7(Pa・m・mm/cm・s・MPa)まで低下させることができた。なお、混合率が30%以下であれば、樹脂としての利点である内容物(消火剤)の視認性を維持しうる。このように、樹脂製の消火剤貯蔵容器20に顔料としてマスターバッチ(顔料(酸化チタン)とPENとを混合したもの)を含有させることは、内容物である消火剤を適度に視認させうる状態にして美観を高めるだけでなく、特に蓄圧式の消火器にとって重要な性能であるガスバリアー性の向上にも寄与しうる。なお、本実施形態は、前述の混合率が30%を超えることを妨げるものではない。しかし、前述の混合率が30%を超えると、樹脂の透光性が低下するために、内容物である消火剤を適度に視認することが難しくなる可能性が高まるため、好ましくない。
上述の通り、消火剤貯蔵容器をガスバリアー性が高い樹脂製とすることにより、これまで述べた樹脂の特長を維持しつつ、消火剤貯蔵容器内の圧力低下を抑制することができる。その結果、そのような樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた消火器は、加圧式のみならず蓄圧式の消火器としても実用的に用いることが可能となった。但し、ガスバリアー性を高める観点から、酸化チタンを顔料として採用するよりも、ペリノン系レッドを顔料として用いる方が好ましい。他方、酸化チタンを顔料として採用すると、消火器としては稀な白色の消火剤貯蔵容器が成形されるため、使用者又は点検者等の注意の惹きやすさという観点から言えば、酸化チタンを顔料として採用することも好ましい一態様である。
<その他の実施形態>
上述の各実施形態の消火器の消火剤貯蔵容器に充填される消火剤の種類は特に限定されない。消火剤容器を構成する樹脂への影響がない限り、公知のいかなる消火剤も採用することができる。例えば、粉末消火器としても使用することができる。また、消火剤の充填方法、及びホースやノズルなどの構成部品の材質と形状等については、従来から提案されているものを適宜採用することができる。
また、上述の各実施形態のうち、第1及び第2の実施形態では、マスターバッチが混合された樹脂を用いて消火剤貯蔵容器が形成されている。ここで、その消火剤貯蔵容器の外周表面上に公知の被膜フィルムや公知の顔料を含むフィルムが配置されていてもよい。例えば、消火器の製造メーカー名や消火器の性能を示すための記述や装飾が施されたフィルムは広く一般的に利用されているが、それらの使用は本発明の効果を妨げない。
さらに、上述の各実施形態の効果が損なわれない添加剤であれば、消火剤貯蔵容器を構成する樹脂は、変色の防止や耐候性の向上のために、光安定剤、紫外線吸収剤、老化防止剤などの公知の添加剤が適宜配合され得る。
以上、述べたとおり、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の消火器は、高い蓄圧性と高いガスバリアー性を備えた樹脂製の消火剤貯蔵容器が採用されているため、消火器産業において極めて有用である。
10,20 消火剤貯蔵容器
11 消火剤貯蔵部
12 雄ネジ部
30 消火器用ハンドレバー
31 蓋体
32 固定レバー
33 起動レバー
34 起倒杆
35 安全栓
40 消火剤ホース
50 支持台
60 消火剤
70 サイホン管
80 測定装置
81a 上流側空間
81b 下流側空間
82 ガスボンベ
83 連成計
84 測定用試料
85a ヒーター
85b ヒーター調整器
86a 四重極ガス分析計
86b レコーダー
87 ターボ分子ポンプ
88 ロータリーポンプ
91 口部
92 肩部
93 胴部
94 底部
100,200 消火器

Claims (8)

  1. 消火器用の消火剤貯蔵容器であって、
    開口部を除いて継ぎ目なく顔料を含む樹脂を用いて成形され、かつ
    前記消火剤貯蔵容器の全光線透過率が20%以上90%以下である、
    消火剤貯蔵容器。
  2. 消火器用の消火剤貯蔵容器であって、
    開口部を除いて継ぎ目なく顔料を含む樹脂を用いて成形され、
    前記消火剤貯蔵容器の全光線透過率が20%以上90%以下であり、かつ
    前記開口部が閉塞されたときのガスの透過量が3.20×10−7Pa・m・mm/cm・s・MPa以下である、
    蓄圧式消火器用の消火剤貯蔵容器。
  3. 消火器用の消火剤貯蔵容器であって、
    開口部を除いて継ぎ目なく顔料を含む樹脂を用いて成形され、かつ
    前記開口部が閉塞されたときのガスの透過量が3.20×10−7Pa・m・mm/cm・s・MPa以下である、
    蓄圧式消火器用の消火剤貯蔵容器。
  4. 前記ガスが、窒素又は窒素を含むガスである、
    請求項2又は請求項3に記載の蓄圧式消火器用の消火剤貯蔵容器。
  5. 前記消火剤貯蔵容器が、2mm以上5mm以下の口部の肉厚と、曲面を持つ1.2mm以上12mm以下の肩部の肉厚と、0.9mm以上5mm以下の胴部の肉厚と、1.2mm以上12mm以下の底部の肉厚を有する、
    請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の蓄圧式消火器用の消火剤貯蔵容器。
  6. 前記消火剤貯蔵容器が、2mm以上5mm以下の口部の肉厚と、曲面を持つ1.2mm以上12mm以下の肩部の肉厚と、0.9mm以上5mm以下の胴部の肉厚と、1.2mm以上12mm以下の底部の肉厚を有する、
    請求項1に記載の消火剤貯蔵容器。
  7. 請求項1又は請求項6に記載の消火剤貯蔵用器を備える、
    消火器。
  8. 請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の消火剤貯蔵用器を備える、
    蓄圧式消火器。
JP2014249468A 2009-02-24 2014-12-10 消火剤貯蔵容器及び消火器 Pending JP2015044099A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249468A JP2015044099A (ja) 2009-02-24 2014-12-10 消火剤貯蔵容器及び消火器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009040181 2009-02-24
JP2009040181 2009-02-24
JP2014249468A JP2015044099A (ja) 2009-02-24 2014-12-10 消火剤貯蔵容器及び消火器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009235974A Division JP5689594B2 (ja) 2009-02-24 2009-10-13 消火剤貯蔵容器及び消火器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015044099A true JP2015044099A (ja) 2015-03-12

Family

ID=43038827

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009235975A Pending JP2010221007A (ja) 2009-02-24 2009-10-13 消火剤貯蔵容器及び消火器
JP2014249468A Pending JP2015044099A (ja) 2009-02-24 2014-12-10 消火剤貯蔵容器及び消火器

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009235975A Pending JP2010221007A (ja) 2009-02-24 2009-10-13 消火剤貯蔵容器及び消火器

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2010221007A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5793371B2 (ja) * 2011-08-23 2015-10-14 株式会社初田製作所 消火剤貯蔵容器及びそれを備えた消火器

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4877692A (ja) * 1971-12-27 1973-10-18
JPS56160560U (ja) * 1980-05-02 1981-11-30
JPS62145647U (ja) * 1986-03-08 1987-09-14
JPS6464678A (en) * 1987-03-18 1989-03-10 Tootaru Uaruteru Fuoierushiyut Fire extinguisher
JPS6470081A (en) * 1987-09-07 1989-03-15 Glaverbel Controlling means and method for fire danger
JP3031761U (ja) * 1996-02-22 1996-12-03 株式会社サンケイワーク 家庭用簡易消火器具
JPH09313634A (ja) * 1996-05-30 1997-12-09 Nohmi Bosai Ltd 蓄圧貯水装置
JPH11348184A (ja) * 1998-06-11 1999-12-21 Toppan Printing Co Ltd 積層プラスチック容器
JP2002275313A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Toray Ind Inc 樹脂成形品およびその製造方法
JP2003288883A (ja) * 2001-09-04 2003-10-10 Nec Corp 単電池及び組電池
JP2004196926A (ja) * 2002-12-18 2004-07-15 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂製耐圧容器および高圧体封入容器
US20060131034A1 (en) * 2003-02-07 2006-06-22 Michel Lahouati Fire extinguisher with a reservoir made from a plastic material
JP2006232293A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Toyo Seikan Kaisha Ltd 包装材料
WO2008119147A1 (en) * 2007-03-29 2008-10-09 Delgado Junior Augusto De Jesu Fire extinguisher with disposable plastic container
WO2008133176A1 (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Hatsuta Seisakusho Co., Ltd. 消火器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11100595A (ja) * 1997-07-29 1999-04-13 Kao Corp 漂白剤組成物
JP2005313995A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 包装用シート及びプレススルーパック容器
JP3122242U (ja) * 2006-03-24 2006-06-08 株式会社フジシールインターナショナル 食品用容器
JP4730189B2 (ja) * 2006-04-26 2011-07-20 大日本印刷株式会社 包装材料、およびそれを使用した栄養剤用包装容器
JP5078594B2 (ja) * 2006-12-22 2012-11-21 株式会社大塚製薬工場 着色プラスチック容器

Patent Citations (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4877692A (ja) * 1971-12-27 1973-10-18
JPS56160560U (ja) * 1980-05-02 1981-11-30
JPS62145647U (ja) * 1986-03-08 1987-09-14
JPS6464678A (en) * 1987-03-18 1989-03-10 Tootaru Uaruteru Fuoierushiyut Fire extinguisher
JPS6470081A (en) * 1987-09-07 1989-03-15 Glaverbel Controlling means and method for fire danger
JP3031761U (ja) * 1996-02-22 1996-12-03 株式会社サンケイワーク 家庭用簡易消火器具
JPH09313634A (ja) * 1996-05-30 1997-12-09 Nohmi Bosai Ltd 蓄圧貯水装置
JPH11348184A (ja) * 1998-06-11 1999-12-21 Toppan Printing Co Ltd 積層プラスチック容器
JP2002275313A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Toray Ind Inc 樹脂成形品およびその製造方法
JP2003288883A (ja) * 2001-09-04 2003-10-10 Nec Corp 単電池及び組電池
JP2004196926A (ja) * 2002-12-18 2004-07-15 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂製耐圧容器および高圧体封入容器
US20060131034A1 (en) * 2003-02-07 2006-06-22 Michel Lahouati Fire extinguisher with a reservoir made from a plastic material
JP2006232293A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Toyo Seikan Kaisha Ltd 包装材料
WO2008119147A1 (en) * 2007-03-29 2008-10-09 Delgado Junior Augusto De Jesu Fire extinguisher with disposable plastic container
JP2010522586A (ja) * 2007-03-29 2010-07-08 デルガド・ジュニア,アウグスト・デ・ジェズス 使い捨てプラスチック容器を有する消火器
WO2008133176A1 (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Hatsuta Seisakusho Co., Ltd. 消火器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010221007A (ja) 2010-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5873919B2 (ja) 消火器及び消火剤貯蔵容器
JP5689594B2 (ja) 消火剤貯蔵容器及び消火器
Babor et al. The trouble with alcohol abuse: what are we trying to measure, diagnose, count and prevent?
WO2010098207A1 (ja) 蓄圧式消火器
WO2008133176A1 (ja) 消火器
JP2015044099A (ja) 消火剤貯蔵容器及び消火器
ES2480040T3 (es) Método para producir producto alimenticio líquido y bebida en una botella fabricada con un material polimérico
CA2922756A1 (fr) Ensemble comprenant un capotage de protection et une bouteille de gaz avec un dispositif indicateur de pression ou d'autonomie en position haute
TWI504416B (zh) 多相口腔護理組成物
PT2091832E (pt) Cabeça distribuidora com tampa articulada
JP5486998B2 (ja) 蓄圧式消火器
EP2328820B1 (en) A uv-protected container with product having dyes or lakes
JP5160479B2 (ja) 消火器及び消火剤貯蔵容器
JP5793371B2 (ja) 消火剤貯蔵容器及びそれを備えた消火器
JP5956654B2 (ja) 消火剤貯蔵容器及びそれを備えた消火器
CN205386294U (zh) 一种小型车载灭火器
CN206510829U (zh) 一种车门关合提示装置
CN206634343U (zh) 展示型灯泡包装结构
CN202611278U (zh) 用于防护舱的框架上端密封机构
JP6215680B2 (ja) アルコールガス放出器及びガス検出装置の検査方法
CN112044089A (zh) 一种用于游乐园特别的用于空中秋千的安全座椅
US20150158623A1 (en) Wine Bottle
CN108793043A (zh) 加油机和加油机的使用方法
SARTOR Puff the Red Dragon
Skanjeti et al. Gold as a Potential Contrast Agent for Dual-Energy CT

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161108