JP2015043825A - 腰枕の製造方法及び腰枕 - Google Patents

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Abstract

【課題】個々人の体格及び脊柱の生理的湾曲の形状に合わせた腰の生理的湾曲を調整することのできる腰枕の製造方法及び腰枕を提供する。
【解決手段】腰部に当接させて使用する腰枕を製造する方法であって、エックス線腰椎側面像に基づいて、大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線と第3腰椎椎体の略中心部との間の水平方向の長さAと、臀部の最端部と接する鉛直線と第3腰椎の高位の位置に相当する背部との間の水平方向の長さBとの和(A+B)の値を求める工程と、腰枕を上面が断面円弧状に突出する細長略直方体に形成し、細長略直方体の底面から上面の頂部までの枕高さを和(A+B)の値とする工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、腰の生理的湾曲を調整するために用いられる腰枕を製造するための方法及びその腰枕に関する。
人間の脊柱は、頸椎が前弯、胸椎が後弯、腰椎が前弯したS字カーブと呼ばれる生理的湾曲を備えている。この生理的湾曲は、頭や腕の荷重又は運動時に足から伝えられる衝撃を吸収し分散させるという重要な役割を果たしている。しかしながら、同じ姿勢を長時間取り続けることや運動不足といった何らかの原因によって、この生理的湾曲の形状が崩れることがある。とりわけ、腰椎部分の生理的湾曲の形状が崩れると、腰椎にかかるとされている体重の数倍程度の力や地面からの衝撃を吸収分散させることができず、腰回りの筋肉や骨格にこれらの応力が集中するために、筋肉が疲労して炎症を起こしたり、椎間板が逸脱して、腰痛や椎間板ヘルニア等を引き起こしやすい。
そこで、この崩れた生理的湾曲の形状を回復させ、又は正しい生理的湾曲の形状を維持させるための腰枕が検討されている。特許文献1には、腰椎を押圧して腰椎前弯を回復させるための略蒲鉾形状の腰枕が記載されている。この腰枕は、硬質の台板と半硬質フォームの緩衝材とで軟質フォームの中材を挟み、各部材を接合して形成されている。
特開2013−90889号公報
しかしながら、特許文献1に記載の腰枕では、その枕高さについて、使用者ごとに台板裏面に厚さ調整板を接着して調整する必要がある。この際、適当な枕高さとはどの程度の高さであるのか明確でないため、調整が難しいという問題がある。
また、この腰枕は、腰椎を押圧して腰椎前弯を回復するものであるが、個々人によって骨格や脊柱の生理的湾曲の形状は異なるところ、個々人に合った腰椎前弯を回復するようには構成されていない。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的は、個々人の骨格や脊柱の生理的湾曲の形状に合わせた腰の生理的湾曲を調整することのできる腰枕の製造方法及びその腰枕を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の、腰部に当接させて使用する腰枕を製造する方法は、エックス線腰椎側面像に基づいて、大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線と第3腰椎椎体の略中心部との間の水平方向の長さAと、臀部の最端部と接する鉛直線と第3腰椎の高位の位置に相当する背部との間の水平方向の長さBとの和(A+B)の値を求める工程と、腰枕を上面が断面円弧状に突出する細長略直方体に形成し、細長略直方体の底面から上面の頂部までの枕高さを和(A+B)の値とする工程とを備えている。
本発明の腰枕の製造方法によれば、使用者のエックス線腰椎側面像を用いて、使用者の骨格や腰椎カーブの形状に基づく所定の値(A+B)を求めることにより、腰枕の細長略直方体の底面から上面の頂部までの高さ、すなわち、使用者に適した腰枕の高さを容易かつ明確に得ることができる。それゆえ、主に仰臥状態で腰部に当接させることによって、腰枕の所定の高さで形成された断面円弧状の上面が腰部を押圧し、腰椎カーブの理想的なバランスの取れた位置である、大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線が第3腰椎の椎体を通るように使用者の腰椎の形状を矯正することのできる腰枕を製造することができる。なお、本明細書において、鉛直方向とは使用者の頭足方向(立位における上下方向)のことをいい、鉛直線とはその鉛直方向の線のことをいう。また、水平方向とは使用者の腹背方向(前後の横断方向又は横方向)のことをいい、水平線とはその水平方向の線のことをいう。
また、本発明の腰枕の製造方法は、エックス線腰椎側面像に基づいて、第2腰椎の椎体上端部を通る水平線と、第4腰椎の椎体下端部又は腸骨稜上端部を通る水平線との間の鉛直方向の長さC1又はC2を求める工程と、細長略直方体の短手方向の長さを鉛直方向の長さC1又はC2の値とする工程とを備えていることも好ましい。これにより、使用者のエックス線腰椎側面像を用いて、所定の鉛直方向の長さC1又はC2を求めることにより、腰枕の細長略直方体の短手方向の長さ、すなわち、使用者に適した腰枕の短手方向の幅長さを容易かつ明確に得ることができる。それゆえ、使用者の5つの腰椎のうち第3腰椎を中心に第2腰椎〜第4腰椎を所定の高さで形成された湾曲面で押圧して腰椎の形状を矯正させつつ、第5腰椎より下に位置する仙骨や第1腰椎より上に位置する胸椎の湾曲形状には影響を与えず、第1腰椎や第5腰椎にはほとんど腰枕を当接させずに自然な高さで腰椎カーブを矯正することができる腰枕を製造することができる。
さらに、本発明の腰枕の製造方法は、エックス線腰椎側面像に基づいて、少なくとも第2腰椎の椎体前面の略中心部、第3腰椎の椎体前面の略中心部及び第4腰椎の椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線の曲率半径Rを求める工程と、細長略直方体の断面円弧状に突出する上面の曲率半径を、近似曲線の曲率半径Rが24cm未満の場合には19cm、24cm以上の場合には24cmとする工程とを備えることも好ましい。これにより、エックス線腰椎側面像に基づいて、使用者の腰椎カーブの曲率半径Rを容易かつ明確に得ることができる。それゆえ、得た腰椎カーブの曲率半径Rにより、使用者に適した腰枕の上面の曲率半径を選択することができ、腰椎カーブの矯正をより好適に行うことのできる腰枕を製造することができる。
本発明の腰枕は、腰部に当接させて使用する細長略直方体の腰枕であって、細長略直方体の上面は断面円弧状に突出する形状に形成され、細長略直方体の底面から上面の頂部までの高さが、腰椎側面視における大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線と第3腰椎椎体の略中心部との間の水平方向の長さAと、腰椎側面視における臀部の最端部と接する鉛直線と第3腰椎の高位の位置に相当する背部との間の水平方向の長さBとの和(A+B)の値である。
本発明の腰枕は、上面が断面円弧状に突出する形状に形成された細長略直方体形状をしており、その断面円弧状の上面を腰部に当接させて使用するものであるところ、この腰枕の細長略直方体の底面から上面の頂部までの高さ、すなわち、本発明の腰枕の高さは、使用者の側面視における大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線から第3腰椎の略中心部までの水平方向の長さAと、使用者の側面視における臀部の最端部と接する鉛直線から第3腰椎の高位に相当する背部までの水平方向の長さBとの和(A+B)の値として構成されている。これにより、主に仰臥状態において、この腰枕を使用者の腰部に当接させた際に、使用者に適した高さで形成された枕の上面が腰部を押圧し、腰椎カーブの理想的なバランスの取れた状態である、大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線が第3腰椎の椎体を通るように使用者の腰椎カーブを矯正することができる。
また、本発明の腰枕は、細長略直方体の短手方向の長さが、腰椎側面視における第2腰椎の椎体上端部を通る水平線と、第4腰椎の椎体下端部又は腸骨稜上端部を通る水平線との間の鉛直方向の長さC1又はC2であることも好ましい。これにより、使用者の5つの腰椎のうち第3腰椎を中心に第2腰椎〜第4腰椎を所定の高さで形成された湾曲面で押圧して腰椎の形状を矯正させつつ、第5腰椎より下に位置する仙骨や第1腰椎より上に位置する胸椎の湾曲形状には影響を与えず、第1腰椎や第5腰椎にはほとんど腰枕を当接させずに自然な高さで腰椎カーブを矯正することができる。
さらに、本発明の腰枕は、細長略直方体の断面円弧状に突出する上面の曲率半径が、腰椎側面視における、少なくとも第2腰椎の椎体前面の略中心部、第3腰椎の椎体前面の略中心部及び第4腰椎の椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線の曲率半径Rが24cm未満の場合には19cm、24cm以上の場合には24cmであることも好ましい。これにより、使用者の腰椎カーブの矯正をより好適に行うことのできる腰枕の上面のカーブ形状が選択される。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する腰枕の製造方法及び腰枕を提供することができる。
(1)使用者の骨格や脊柱の生理的湾曲の形状に合わせて、腰枕の高さや短手方向の幅長さ、断面円弧状に突出する上面の曲率半径を使用者に合わせたものとすることができ、使用者の腰椎の生理的湾曲や腰部の形状を好適に調整することができる腰枕が得られる。
(2)腰枕の高さを使用者の骨格に基づく所定の高さに設定することにより、腰椎カーブを理想的なバランスの取れた位置である、大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線が第3腰椎の椎体を通るように使用者の腰椎の形状を矯正することができる。
(3)腰枕の短手方向の幅長さを所定の長さに設定することにより、第3腰椎を中心に第2腰椎〜第4腰椎を所定の高さで形成された湾曲面で押圧して腰椎の形状を矯正させつつ、第5腰椎より下に位置する仙骨や第1腰椎より上に位置する胸椎の湾曲形状には影響を与えず、第1腰椎や第5腰椎にはほとんど腰枕を当接させずに自然な高さで腰椎カーブを矯正することができる。
(4)腰枕の断面円弧状に突出する上面の曲率半径を所定の半径に設定することにより、使用者の腰椎カーブの矯正をより確実に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る腰枕を示す(a)斜視図、(b)側面図である。 腰椎近傍のエックス線腰椎側面(矢状面)像を模式的に示すと共に図1に示す腰枕の製造方法を示す説明図である。 図1に示す腰枕の使用方法を示す(a)説明図及び(b)その部分拡大図である。
以下、図1〜図3を参照しつつ本発明の一実施形態に係る腰枕1及びその製造方法について説明する。図1に示すように、腰枕1は細長略直方体状であり、その上面10はゆるやかな断面円弧状に突出する形状に形成されている。この腰枕1は、その断面円弧状に形成された上面10を腰部に当接させて使用される。本実施形態にかかる腰枕1では、使用者の骨格や腰椎の生理的湾曲の形状に合うように腰枕の高さH、短手方向の長さW及び断面円弧状に突出する上面の曲率半径が設定されている。これらの腰枕の高さH、短手方向の長さW及び上面の曲率半径といった所定の値は、主に使用者のエックス線腰椎側面像に基づいて求められ、設計される。ここでエックス線腰椎側面像とは、使用者の腰椎を側面方向からレントゲン撮影することにより得られる画像である。このエックス線腰椎側面像は、使用者の自然な状態での腰椎カーブ及び骨格等の位置を把握するために、自然な立位状態で撮影されたものが好ましく、姿勢の補正も行われていないものが好ましい。また、このエックス線腰椎側面像では、少なくとも、使用者の第1腰椎から第5腰椎、臀部の最端部及び大腿骨頭の位置関係が1枚の画像内で確認できることが好ましい。
以下、腰椎近傍のエックス線腰椎側面(矢状面)像を模式的に示した図2を用いて、本発明の腰枕1を製造する際に、腰枕の高さH、短手方向の長さW及び断面円弧状に突出する上面の曲率半径を設計する方法について説明する。なお、エックス線腰椎側面像の説明の際に用いる上下方向とは被写体の頭足方向のことをいい、横方向及び横断方向とは被写体の腹背方向のことをいう。
まず、腰枕1の高さHの設計方法について説明する。腰枕1の高さH、すなわち、底面11から上面10の頂部までの高さHは、使用者の身体を側面(矢状面)から見た際に、大腿骨頭の略中心部30を通る鉛直線L1と第3腰椎の椎体の略中心部232との間の水平方向の長さAと、臀部の最端部50と接する鉛直線L2と第3腰椎の高位の位置に相当する背部60との間の水平方向の長さBとの和(A+B)の値として求められる。
ここで、側面(矢状面)視における、大腿骨頭の略中心部30を通る鉛直線L1と第3腰椎の椎体の略中心部232との間の水平方向の長さAについて、詳細に説明する。図2の腰椎近傍のエックス線腰椎側面像を模式的に示す図によれば、大腿骨の上端に位置する大腿骨頭3が示されているところ、この大腿骨頭3の略中心部30を通る鉛直線L1とは、大腿骨頭3を上下方向(縦方向)に略等分に分割する鉛直線である。具体的には、この鉛直線L1は、例えば、大腿骨頭3の側面視における横幅を上下方向(縦方向)に略2分する鉛直線や、大腿骨頭3の外縁で形成される円形状と近似する円の略中心を通る鉛直線とすることができる。他方、第3腰椎の椎体の略中心部232とは、図2に示すように、第3腰椎23の側面視において、第3腰椎の棘突起233を除いた残りの略矩形状の部位において、対角線を描いた際の交点とすることが好ましい。この対角線の交点を第3腰椎の椎体の略中心部232とすることにより、図2に示すように、この交点232から鉛直線L1までの水平方向の長さAが得られる。また、第3腰椎の椎体の略中心部232は、上述の交点に限定されず、第3腰椎23の側面視において、第3腰椎の棘突起233を除いた残りの略矩形状の部位の横幅を上下方向に略2分する鉛直線上の点とするほか、第3腰椎23の側面視において、第3腰椎23の椎体230のみの略矩形状の部位における対角線を描いた際の交点とすること、第3腰椎23の椎体230のみの横幅を上下方向に略2分する鉛直線上の点とすることも好ましい。
次に、側面(矢状面)視における、臀部の最端部50と接する鉛直線L2と第3腰椎の高位の位置に相当する背部60との間の水平方向の長さBについて説明する。臀部の最端部50と接する鉛直線L2とは、図2に示すように、臀部5の最も盛り上がった部分に当接する鉛直線である。他方、第3腰椎の高位の位置に相当する背部60とは、図2に示すように、腰椎の高位から水平方向に引いた直線が背部6と接する位置である。第3腰椎の高位の位置とは、第3腰椎の上方周辺のことをいい、具体的には、第3腰椎の棘突起233のある位置、特に好ましくは、第3腰椎の棘突起233の上方周辺の位置のことをいう。これにより、図2に示すように、第3腰椎の高位の位置に相当する背部60から鉛直線L2までの水平方向の長さBが得られる。
上述したように、腰椎近傍のエックス線腰椎側面像に基づき、側面視における大腿骨頭の略中心部30を通る鉛直線L1と第3腰椎の椎体の略中心部232との間の水平方向の長さAと、臀部の最端部50と接する鉛直線L2と第3腰椎の高位の位置に相当する背部60との間の水平方向の長さBの値が得られたことから、これらAとBとの和(A+B)の値が得られる。このA+Bの値を本発明の腰枕1の枕の高さHとし、腰枕を製造する。これにより、使用者の骨格に基づいて得られた矯正されるべき高さの腰枕を確実に得ることができる。このように、腰枕の高さHを使用者の骨格に基づく所定の高さに設定することにより、腰椎カーブを理想的なバランス位置である大腿骨頭の略中心部30を通る鉛直線L1が第3腰椎の椎体230を通るように使用者の腰椎の形状を矯正することができる。この方法により製造された腰枕1は枕高さHの調整が必要なく、使用者の骨格や腰椎の形状に合っているものであるため、安心して矯正に使用することができる。
次に、図2を参照しつつ、本実施形態に係る腰枕の短手方向の長さWの設計方法について説明する。腰枕1の短手方向の長さWは、使用者の身体を側面(矢状面)から見た際に、第2腰椎の椎体上端部222を通る水平線L3と第4腰椎の椎体下端部242を通る水平線L4との間の鉛直方向の長さC1として求められる。ここで、第2腰椎の椎体上端部222を通る水平線L3とは、5つの腰椎2のうち、上から2番目の第2腰椎22の椎体の上端部222を通る水平線である。水平線L3は第2腰椎の椎体220の上端部222に当接するか、上端部222を通る線であればよい。他方、第4腰椎の椎体下端部242を通る水平線L4とは、5つの腰椎2のうち、上から4番目の第4腰椎24の椎体の下端部242を通る水平線である。水平線L4は第4腰椎の椎体240の下端部242に当接するか、下端部242を通る線であればよい。これにより、図2に示すように、水平線L3から水平線L4までの鉛直方向の長さC1が得られる。
また、第4腰椎の椎体下端部242の代わりに、一般的に第4腰椎24と第5腰椎25との間に位置する腸骨稜上端部40の位置を用いて、本実施形態に係る腰枕の短手方向の長さWを設計することも可能である。具体的には、第2腰椎の椎体上端部222を通る水平線L3と腸骨稜上端部40を通る水平線L5との間の鉛直方向の長さC2として求めることができる。ここで、腸骨稜上端部40を通る水平線L5とは、腸骨稜4の上端部40に当接するか、上端部40を通る線であればよい。これにより、図2に示すように、水平線L3から水平線L5までの鉛直方向の長さC2が得られる。
上述のようにして、腰椎近傍のエックス線腰椎側面像に基づき、水平線L3から水平線L4までの鉛直方向の長さC1又は水平線L3から水平線L5までの鉛直方向の長さC2が得られたことから、この値を本発明の腰枕の短手方向の長さWとし、腰枕1を製造する。これにより、使用者の骨格に適した幅長さWの腰枕を確実に得ることができる。それゆえ、第3腰椎23を中心に第2腰椎22〜第4腰椎24を所定の高さで形成された湾曲面で押圧して腰椎2の形状を矯正させつつ、第5腰椎25より下に位置する仙骨7や第1腰椎21より上に位置する胸椎8の湾曲形状には影響を与えず、第1腰椎21や第5腰椎25にはほとんど腰枕を当接させずに自然な高さで腰椎カーブを矯正することができる。さらに、一般的に腰椎カーブの前弯が小さくなる等して腰椎カーブ形状が崩れると、本来であれば腰椎カーブの中心である第3腰椎よりも下位の腰椎に前弯の中心が位置することが多い。本発明により得られた腰枕1により、腰椎カーブの中心を第3腰椎とするように腰椎2の形状を好適に矯正することができる。
次に、本実施形態に係る腰枕1の断面円弧状に突出するように湾曲した上面10の曲率半径の設計方法について説明する。まず、図2に示す腰椎近傍のエックス線腰椎側面像に基づき、側面視における第2腰椎22、第3腰椎23及び第4腰椎24の各椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線L6の曲率半径を求める。ここで、第2腰椎22〜第4腰椎24の各椎体前面の略中心部とは、例えば、腰椎近傍のエックス線腰椎側面像において、各腰椎椎体を横方向に略2分する線と各椎体前面の外縁とが交差する点や、各腰椎椎体の前面の外縁長さを略等分する点であることが好ましい。このように決定された各椎体前面の略中心部を通る曲線から当該曲線の近似曲線(近似円)を求めることにより、その曲率半径Rが得られる。また、この曲率半径Rを求める際には、第2腰椎22、第3腰椎23及び第4腰椎24のみでなく、第1腰椎21〜第5腰椎25の5つ全ての腰椎を検討に入れ、これら5つの各椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線L6の曲率半径Rを求めることも好ましい。このようにして、エックス線腰椎側面像に基づいて、使用者の腰椎カーブの曲率半径Rの値を得ることができる。ここで、理想的な腰椎カーブの曲率半径は19cm程度とされているところ、ここで得られた使用者の腰椎カーブの曲率半径Rの値が24cm以上の場合に、腰枕上面の曲率半径を19cmとしてしまうと、使用者の腰椎カーブの角度と腰枕上面のカーブとの差が大きくなり、使用の際に違和感が感じられたり、適正な矯正がなされ難い。そのため、上述の手法にて得られた曲率半径Rが24cm未満の場合には腰枕上面の曲率半径を19cmとし、曲率半径Rが24cm以上である場合には腰枕上面の曲率半径を24cmとして腰枕を製造する。これにより、使用者の腰椎カーブの矯正をより好適に行うことのできる曲率半径を有する腰枕1が得られる。
腰枕1を形成するための材料としては、使用した場合においても設計された枕の高さH、短手方向の長さW、及び上面の円弧の曲率半径が大きく変化しないような材料が用いられる。具体的には、特に限定されないが、硬質ウレタンフォーム等の硬質発泡プラスチック、硬質固綿、ビーズ、木材、積層させた紙や布等が挙げられる。ただし、固すぎると使用感を損なうことがあるため、適度な弾性を有していることが好ましい。また、上述の材料により製造された腰枕1を柔らかな感触を与えるカバーに入れて使用することも好ましい。
次に、図3を参照しつつ、本実施形態における腰枕1の使用方法について説明する。本実施形態における腰枕1は、主に仰臥位において、湾曲した上面10を腰部に当接させて使用される。この際、腰枕1は使用者の骨格に基づいて設計された矯正されるべき高さHで使用者の腰部を押圧する。これにより、腰椎カーブを理想的なバランス位置である大腿骨頭の略中心部30を通る鉛直線L1が第3腰椎の椎体230を通るように使用者の腰椎の形状を矯正することができる。また、腰枕の短手方向の幅長さWが使用者の第2腰椎22〜第4腰椎24の間の長さで形成されていることにより、第3腰椎23を中心に第2腰椎22〜第4腰椎24を所定の高さで形成された湾曲面で押圧して腰椎2の形状を矯正させつつ、第5腰椎25より下に位置する仙骨7や第1腰椎21より上に位置する胸椎8の湾曲形状には影響を与えず、第1腰椎21や第5腰椎25にはほとんど腰枕を当接させずに自然な高さで腰椎カーブを矯正することができる。また、使用する際に腰枕の設置位置がずれてしまった場合においても、第5腰椎25より下に位置する仙骨7や第1腰椎21より上に位置する胸椎8の湾曲形状には影響を与えずに腰椎カーブを矯正することができる。さらに、腰枕1の断面円弧状に突出する上面10の曲率半径を所定の半径に設定することにより、使用者の腰椎カーブの矯正をより好適に行うことができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含むものである。
1 腰枕
10 上面
11 底面
12 側面
13 正面
H 枕の高さ
W 枕の短手方向の長さ
2 腰椎
21 第1腰椎
210 第1腰椎の椎体
211 第1腰椎の椎体前面の中心部
22 第2腰椎
220 第2腰椎の椎体
221 第2腰椎の椎体前面の中心部
222 第2腰椎の椎体上端部
23 第3腰椎
230 第3腰椎の椎体
231 第3腰椎の椎体前面の中心部
232 第3腰椎の椎体の略中心部
233 第3腰椎の棘突起
24 第4腰椎
240 第4腰椎の椎体
241 第4腰椎の椎体前面の中心部
242 第4腰椎の椎体下端部
25 第5腰椎
250 第5腰椎の椎体
251 第5腰椎の椎体前面の中心部
3 大腿骨頭
30 大腿骨頭の中心部
4 腸骨稜
40 腸骨稜上端部
5 臀部
50 臀部の最端部
6 背部
60 第3腰椎の高位の位置に相当する背部
7 仙骨
8 第12胸椎
L1 大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線
L2 臀部の最端部と接する鉛直線
L3 第2腰椎の椎体上端部を通る水平線
L4 第4腰椎の椎体下端部を通る水平線
L5 腸骨稜上端部を通る水平線
L6 第2腰椎の椎体前面の略中心部、第3腰椎の椎体前面の略中心部及び第4腰椎の椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線
A 大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線から第3腰椎椎体の略中心部までの水平方向の長さ
B 臀部の最端部と接する鉛直線から第3腰椎の高位の位置に相当する背部までの水平方向の長さ
C1 第2腰椎の椎体上端部を通る水平線と、第4腰椎の椎体下端部を通る水平線との間の鉛直方向の長さ
C2 第2腰椎の椎体上端部を通る水平線と、腸骨稜上端部を通る水平線との間の鉛直方向の長さ
R 第2腰椎の椎体前面の略中心部、第3腰椎の椎体前面の略中心部及び第4腰椎の椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線の曲率半径

Claims (6)

  1. 腰部に当接させて使用する腰枕を製造する方法であって、
    エックス線腰椎側面像に基づいて、大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線と第3腰椎椎体の略中心部との間の水平方向の長さAと、臀部の最端部と接する鉛直線と第3腰椎の高位の位置に相当する背部との間の水平方向の長さBとの和(A+B)の値を求める工程と、
    前記腰枕を上面が断面円弧状に突出する細長略直方体に形成し、前記細長略直方体の底面から上面の頂部までの枕高さを前記和(A+B)の値とする工程とを備えることを特徴とする腰枕の製造方法。
  2. エックス線腰椎側面像に基づいて、第2腰椎の椎体上端部を通る水平線と、第4腰椎の椎体下端部又は腸骨稜上端部を通る水平線との間の鉛直方向の長さC1又はC2を求める工程と、
    前記細長略直方体の短手方向の長さを前記鉛直方向の長さC1又はC2の値とする工程とを備えることを特徴とする請求項1に記載の腰枕の製造方法。
  3. エックス線腰椎側面像に基づいて、少なくとも第2腰椎の椎体前面の略中心部、第3腰椎の椎体前面の略中心部及び第4腰椎の椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線の曲率半径Rを求める工程と、
    前記細長略直方体の断面円弧状に突出する上面の曲率半径を、前記近似曲線の曲率半径Rが24cm未満の場合には19cm、24cm以上の場合には24cmとする工程とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の腰枕の製造方法。
  4. 腰部に当接させて使用する細長略直方体の腰枕であって、
    前記細長略直方体の上面は断面円弧状に突出する形状に形成され、
    前記細長略直方体の底面から上面の頂部までの高さが、
    腰椎側面視における大腿骨頭の略中心部を通る鉛直線と第3腰椎椎体の略中心部との間の水平方向の長さAと、腰椎側面視における臀部の最端部と接する鉛直線と第3腰椎の高位の位置に相当する背部との間の水平方向の長さBとの和(A+B)の値であることを特徴とする腰枕。
  5. 前記細長略直方体の短手方向の長さが、
    腰椎側面視における第2腰椎の椎体上端部を通る水平線と、第4腰椎の椎体下端部又は腸骨稜上端部を通る水平線との間の鉛直方向の長さC1又はC2であることを特徴とする請求項4に記載の腰枕。
  6. 前記細長略直方体の断面円弧状に突出する上面の曲率半径が、
    腰椎側面視における、少なくとも第2腰椎の椎体前面の略中心部、第3腰椎の椎体前面の略中心部及び第4腰椎の椎体前面の略中心部を通る曲線の近似曲線の曲率半径Rが24cm未満の場合には19cm、24cm以上の場合には24cmであることを特徴とする請求項4又は5に記載の腰枕。
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