JP2015042321A - ダブルバルーン式内視鏡装置 - Google Patents

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賢 植木
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Kazutaka Uehara
一剛 上原
肇 和田
Hajime Wada
肇 和田
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Abstract

【課題】深部消化管まで容易に挿入することができ、深部まで挿入される場合であっても被検者の苦痛が少ないダブルバルーン式内視鏡装置を提供すること。【解決手段】内視鏡本体11の遠位端側外周に内視鏡本体11の固定用バルーン15を有し、スライディングチューブ12の遠位端側外周に固定用バルーン14を有するダブルバルーン式内視鏡装置10Aにおいて、スライディングチューブ12の遠位端部と内視鏡本体11との間には内視鏡本体11の推進用バルーン16Aが配置されており、内視鏡本体11の推進用バルーン16Aは、遠位端側が内視鏡本体11の固定用バルーン15の近位端側に固定されており、近位端側がスライディングチューブ12の遠位端に固定されており、スライディングチューブ12又は内視鏡本体11には、挿入器具の推進用バルーン16Aの内部に気体を導入及び吸引するための気体流路13aが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ダブルバルーン式内視鏡装置に関し、詳しくは、深部消化管まで容易に挿入することができ、深部まで挿入される場合であっても被検者の苦痛が少ないダブルバルーン式内視鏡装置に関する。
内視鏡は、主に人体内部を観察することを目的とした医療機器であり、現在では内視鏡観察下で直接治療や検体の採取などを行う内視鏡的処置のための各種デバイスを備えたものも開発・実用化されている。内視鏡は、構造によって硬性鏡、軟性鏡、カプセル型に大別され、特に大腸や小腸などの消化管を観察する際には、診断だけで無く治療も同時に行える軟性鏡が現在の主流となっている。
一般的な内視鏡(軟性鏡)は、柔軟な素材でできた管の先端側(内視鏡操作部側から見た遠位端側。以下、「遠位端側」と表現する。)に観察のための光学系や超音波センサ等が取り付けられており、管の中には光源や検出器用の配線、内視鏡的処置を実施するための各種デバイス操作用のケーブルが通された構造をしており、経口・経鼻的もしくは経肛門的に消化管内に挿入され、目的の箇所まで導入されて観察・各種処置が行われる。消化管の中でも、小腸は口からも肛門からも遠く、複雑に屈曲しているために摩擦力も大きくなり、特に深部小腸の病変部になると、従来であれば内視鏡が深部まで到達できず、観察が困難であった。また、例えば大腸内視鏡装置を用いた大腸の内視鏡検査に際しても、大腸内視鏡操作者の技量にもよるが、約10%の症例で深部大腸への大腸内視鏡の挿入が困難な例が存在する。
その理由としては、
(ア)軟性の内視鏡に対して押す力を活用しているために内視鏡が撓んで遠位端側に力が加わらないこと、
(イ)内視鏡は、内視鏡操作部を手元で把持して操作するため、力の作用点が内視鏡の手元側にあるので、軟性の内視鏡の遠位端側に力が加わらないこと、
(ウ)内視鏡と消化管との間の摩擦力が大きいこと、
等にあるものと考えられる。
例えば、図5は経肛門的に内視鏡を挿入している状態を示す図であるが、S状結腸が大きく屈曲しているため、矢印で示した箇所で内視鏡が大きく撓んでしまっている状態を模式的に示している。この状態では、より強く押し込んでも、S状結腸を過度に伸展させるだけで、内視鏡の遠位端側を前進させる方向へは殆ど力が伝わらないことがわかる。
このような従来の内視鏡が抱える問題点に対し、バルーン内視鏡と総称される小腸深部の観察・治療を可能にした内視鏡が、実用化されている。バルーン内視鏡は、内視鏡の遠位端側にバルーンが備えられており、備えているバルーンの数で、シングルバルーン式又はダブルバルーン式と呼ばれるが、いずれも、内視鏡の挿入操作中に適宜バルーンを膨らませることで、外筒部と消化管内壁を摩擦力で固定させることができる。
例えば、下記特許文献1には、遠位端側外周に本体固定用バルーンを取り付けた内視鏡本体と、遠位端側外周にチューブ固定用バルーンを取り付け、内部に内視鏡本体を挿通させて内視鏡本体挿入時のガイドを行うスライディングチューブを有すると共に、各バルーンにエアを供給するポンプ装置を有し、各ポンプ装置は、各バルーン内のエアの圧力を測定して各バルーン内の圧力を制御する制御手段を有する、ダブルバルーン式内視鏡の発明が開示されている。
下記特許文献1に開示されているダブルバルーン式内視鏡50は、図6に示すように、内視鏡本体51及び内視鏡本体51が挿通されているスライディングチューブ52のそれぞれの遠位端側に、本体固定用バルーン53及びチューブ固定用バルーン54を備えている。このダブルバルーン式内視鏡50は、まず本体固定用バルーン53及びチューブ固定用バルーン54を萎ませた状態(図6A)で消化管内へ挿入されるが、上述したように深部へ進むに従って挿入させることが困難になる。
そこで、チューブ固定用バルーン54を膨らませてスライディングチューブ52を消化管に固定した上で、内視鏡本体51を進ませる操作(図6B)と、本体固定用バルーン53を膨らませて内視鏡本体を消化管に固定した上で、スライディングチューブ52の遠位端を内視鏡本体51の遠位端付近まで進ませる操作(図6C)とを、繰り返すことで、深部への挿入を進めていくことができるものである。
例えば、深部小腸へ挿入する際には、以下に述べる(a)〜(f)の操作を繰り返すことで、従来よりも深く挿入することができる。すなわち、
(a)内視鏡本体51を、従来どおりの方法で(挿入部付近から押し込んで)挿入していく、
(b)それ以上押し込めなくなったところで、内視鏡本体51の遠位端側に取り付けられている本体固定用バルーン53を膨らませて内視鏡本体51を固定する(図6C)。
(c)内視鏡本体51が固定されている状態で、内視鏡本体をガイドとしてスライディングチューブ52を挿入部付近から押し込むことで、スライディングチューブ52の遠位端側を本体固定用バルーン53の位置まで進める(図6C矢印)。
(d)スライディングチューブ52の遠位端側に取り付けられているチューブ固定用バルーン54を膨らませて、スライディングチューブ52を固定する(図6B)。
(e)スライディングチューブ52が固定されている状態で、内視鏡本体51及びスライディングチューブ52を引き戻すと、固定箇所より手前側の小腸が縮み、固定箇所より奥側の小腸が伸展する。
(f)固定箇所より奥側の小腸が伸展されているので、本体固定用バルーン53を萎ませると、内視鏡本体51を更に奥へと押し込むことが可能となる(図6B矢印)。
特開2002−301019号公報
上記特許文献1に開示されているダブルバルーン式内視鏡装置によれば、従来の内視鏡装置に比すると小腸内にも挿入し易くなる。しかしながら、このダブルバルーン式内視鏡であっても、小腸の奥へ挿入されるにしたがって、内視鏡本体を進めることが困難となる。これは、内視鏡の硬さが硬いゴム程度しかないため撓み易いことと、内視鏡の挿入方法が被検者の口もしくは肛門である挿入部付近から力をかけて押し込むことであることに起因している。すなわち、内視鏡が小腸の奥へ挿入される度に摩擦も大きくなり、内視鏡は撓みやすくなってしまい、挿入部付近から力を加えて押し込んでも、内視鏡の遠位端側が推進する方向には力が伝わり難くなるからである。
本発明者らは、内視鏡等の挿入器具が挿入部付近から押し込まれるのではなく、外筒の遠位端側から押し出すように力が加えられれば、内視鏡等の挿入器具の撓み易さに左右されることなく推進させることができると考え、外筒の遠位端側に長手方向に伸縮自在な挿入器具の推進用バルーンを取り付けて固定点を形成すれば、消化管内に挿入された状態でも内視鏡等の挿入器具を外筒の遠位端側から容易に押し出すことができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、深部消化管に挿入されても、内視鏡等の挿入器具及び外筒を容易に進ませることができるダブルバルーン式内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明のダブルバルーン式内視鏡装置は、
スライディングチューブと、前記スライディングチューブ内に挿通される内視鏡本体とを備え、前記スライディングチューブの遠位端部外周には前記スライディングチューブの固定用バルーンが形成され、前記内視鏡本体の遠位端部外周には前記内視鏡本体の固定用バルーンが形成された、ダブルバルーン式内視鏡装置において、
前記スライディングチューブの遠位端部と前記内視鏡本体の固定用バルーンとの間には前記内視鏡本体の推進用バルーンが配置されており、
前記内視鏡本体の推進用バルーンは、遠位端側が前記内視鏡本体の固定用バルーンの近位端側に位置する前記内視鏡本体に固定されており、近位端側が前記スライディングチューブの遠位端に固定されており、
前記スライディングチューブ又は前記内視鏡本体には、前記内視鏡本体の推進用バルーン内部に気体を導入及び吸引するための気体流路が形成されており、
前記内視鏡本体を突出させる際には、前記スライディングチューブの固定用バルーンの内部に気体を導入して前記スライディングチューブを体腔内に固定するとともに、前記内視鏡本体の固定用バルーンの内部の気体を吸引して窪ませた状態で前記内視鏡本体の推進用バルーン内に気体を導入することにより行い、
前記スライディングチューブを牽引する際には、前記内視鏡本体の固定用バルーンの内部に気体を導入して前記内視鏡本体を体腔内に固定するとともに、前記スライディングチューブの固定用バルーンの内部から空気を吸引して窪ませた状態で前記内視鏡本体の推進用バルーン内から気体を吸引して窪ませることにより行い、
これらの前記内視鏡本体を突出させる操作及び前記スライディングチューブを牽引する操作を順次おこなわせることを特徴とする。
本発明のダブルバルーン式内視鏡装置においては、外筒としてのスライディングチューブの遠位端部と挿入器具としての内視鏡本体の固定用バルーンとの間に内視鏡本体の推進用バルーンが配置されており、スライディングチューブ又は内視鏡本体に内視鏡本体の推進用バルーン内部に気体を導入及び吸引するための気体流路が形成されている。スライディングチューブの固定用バルーンを膨らませて体腔内に固定した後、気体流路から内視鏡本体の推進用バルーン内に気体を導入すると内視鏡本体の推進用バルーンがスライディングチューブの遠位端を起点として延伸するため、内視鏡本体の遠位端がスライディングチューブの遠位端より突出する。この内視鏡本体を駆動する力は内視鏡本体の推進用バルーン内に導入される気体により与えられるため、ダブルバルーン内視鏡装置の操作部側からダブルバルーン内視鏡装置を押し込むよりも大きな力で体腔内に押し込むことができる。
その後、スライディングチューブの固定用バルーンを萎ませて、内視鏡本体の固定用バルーンを膨らませて体腔内に固定し、内視鏡本体の推進用バルーン内の気体を吸引すると、内視鏡本体の推進用バルーンが萎むため、内視鏡本体の遠位端側を起点としてスライディングチューブが内視鏡本体の遠位端側に引き寄せられるので、スライディングチューブを更に体腔内に押し込むことができる。この場合も、スライディングチューブを駆動する力は内視鏡本体の推進用バルーンから吸引される気体により与えられるため、ダブルバルーン内視鏡装置の操作部側からダブルバルーン内視鏡装置を押し込むよりも大きな力で体腔内に押し込むことができる。本発明のダブルバルーン式内視鏡装置によれば、以上の操作を繰り返すことにより、従来のダブルバルーン式内視鏡装置よりも確実に体腔内に挿入することができるようになる。
すなわち、従来は、医師が内視鏡を手で持ち押し込んで挿入していたが、本発明では、内視鏡の先端に推進力発生装置を搭載し、自己推進するシステムとしたものである。このような内視鏡を10両編成のディーゼル列車に例えると、従来法では最後尾の10両目がエンジンを載せたディーゼル機関車であり、客席列車を最後尾から押し進んでいる状態であり、5両目あたりで列車の列が歪みやすく脱線し易い仕組みである。これに対し、本発明の内視鏡装置は先頭車両がディーゼル機関車であり、客席列車を牽引して進む状態と捉えることができ、従来法と比較して車列の歪みが少なくなる(内視鏡のたわみが少なくなる)効果がある。
更に、内視鏡先端への推進力発生装置の搭載によって、内視鏡(列車)が大腸壁(トンネルの壁)に強くぶつからないため、腸管の過伸展を防ぐことができ苦痛の少ない検査が可能となると同時に、大腸壁を破る穿孔の危険も回避でき、安全な検査となる。被検者の検査に対する苦痛や不安が低減されると、大腸がん検査の受診率も上昇することが期待され、大腸がんによる死者数の低減に繋がる可能性も期待される。
なお、内視鏡本体の推進用バルーン内部に気体を導入及び吸引するための気体流路は、スライディングチューブの内径側又は外側に別途気体流路を形成してもよく、また、スライディングチューブの厚さが充分にある場合にはスライディングチューブ内に気体流路を形成してもよく、更には、内視鏡本体具の内部に気体流路を形成してもよい。
また、本発明のダブルバルーン式内視鏡装置においては、前記内視鏡本体の推進用バルーンは、延伸状態で、内側環状壁と前記内側環状壁を気密に囲む外側環状壁とを有する内部が中空の環状筒状体からなり、前記環状筒状体の内側環状壁の遠位端側の外面が前記内視鏡本体の遠位端側外周に固定されており、前記環状筒状体の外側環状壁の近位端側が前記スライディングチューブの遠位端側に固定されていることが好ましい。
内視鏡本体の推進用バルーンが上記の構成を備えていると、内視鏡本体の推進用バルーン内を排気すると、内視鏡本体の推進用バルーンの近位端側の内側環状壁は容易に内視鏡本体の外表面に沿って遠位端側に近づいていく。その後、内視鏡本体の推進用バルーン内に気体を導入すると、内視鏡本体の推進用バルーンの近位端側の内側環状壁は容易に内視鏡本体の外表面に沿って遠位端側から離間していく。そのため、本発明のダブルバルーン式内視鏡装置によれば、内視鏡本体の推進用バルーンに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、スムーズに内視鏡本体及びスライディングチューブを消化管の奥に挿入することができるようになる。
また、本発明のダブルバルーン式内視鏡装置においては、前記内視鏡本体の推進用バルーンは、前記外側環状壁及び内側環状壁が蛇腹状に形成されているものとすることができる。
本発明のダブルバルーン式内視鏡装置においては、内視鏡本体の推進用バルーンの外側環状壁及び内側環状壁が共に柔軟性材料で形成されていれば、上記効果を奏することができる。しかしながら、内視鏡本体の推進用バルーンの外側環状壁及び内側環状壁が蛇腹状に形成されていると、内視鏡本体の推進用バルーン内に気体を導入ないし排気した際に、容易に、一定の形状を維持した状態で変形し易くなる。しかも、内視鏡本体の推進用バルーンが蛇腹状に形成されていると、内視鏡本体の推進用バルーン内に気体を導入させた場合に径方向に大きく膨れることなく長さ方向に容易に延伸することができるようになる。そのため、本発明のダブルバルーン式内視鏡装置によれば、内視鏡本体の推進用バルーンに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、故障が少なく、よりスムーズに内視鏡本体及びスライディングチューブを消化管の奥に挿入することができるようになる。
また、本発明のダブルバルーン式内視鏡装置においては、前記内視鏡本体の推進用バルーンは、内部の外径側と内径側との間に形成された少なくとも1つの隔壁によって複数の室に区画されており、前記隔壁には開口が形成されているものとすることができる。
内視鏡本体の推進用バルーンの内部の外径側と内径側との間に形成された少なくとも1つの隔壁によって複数の室に区画されていると、内視鏡本体の推進用バルーン内に気体を導入させた場合に径方向に大きく膨れることがなくなる。また、複数の室内への気体の導入ないし複数の室からの気体の吸引は、隔壁に形成された開口によって確保することができる。そのため、本発明のダブルバルーン式内視鏡装置によれば、内視鏡本体の推進用バルーンに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、よりスムーズに内視鏡本体及びスライディングチューブを消化管の奥に挿入することができるようになる。
図1Aは第1実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置の挿入時の模式断面図であり、図1Bは図1Aの内視鏡本体を突出させた際の模式断面図であり、図1Cは更にスライディングチューブを移動させた際の模式断面図である。 図2Aは第2実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置の内視鏡本体を突出させた際の模式断面図であり、図2Bは第3実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置の内視鏡本体を突出させた際の模式断面図であり、図2Cは第4実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置の内視鏡本体を突出させた際の模式断面図である。 図3Aは第1参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置の挿入時の模式断面図であり、図3Bは図3Aの細径内視鏡を突出させた際の模式断面図であり、図3Cは更に内視鏡本体を移動させた際の模式断面図である。 図4Aは第2参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置の内視鏡本体を突出させた際の模式断面図であり、図4Bは第3参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置の内視鏡本体を突出させた際の模式断面図であり、図4Cは第4参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置の内視鏡本体を突出させた際の模式断面図である。 従来の内視鏡装置の挿入状態を示す模式図である。 従来のダブルバルーン式内視鏡装置を説明する模式図である。
以下、本発明の各実施形態を図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための一例を説明するためのものであって、本発明をこれらの実施形態に特定することを意図するものでなく、本発明は特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。また、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではなく、更に、本発明の理解に不要な部分については記載を省略した部分がある。
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態にかかるダブルバルーン式内視鏡装置10Aの概略構成について説明する。なお、図1Aは第1実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置の挿入時の模式断面図であり、図1Bは図1Aの内視鏡本体を突出させた際の模式断面図であり、図1Cは更にスライディングチューブを移動させた際の模式断面図である。
第1実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Aは、内視鏡本体11と、内部に内視鏡本体11が通されるスライディングチューブ12とを備えている。内視鏡本体11は、例えば従来から普通に使用されている大腸内視鏡であり、遠位端側に照明光学系(図示省略)が設けられていると共に、内部に各種処置具が挿入される鉗子孔13が形成されている。また、スライディングチューブ12の遠位端側には、スライディングチューブ12の固定用バルーン14が形成されている。このスライディングチューブ12の固定用バルーン14は、内視鏡操作部(図示省略)側から所定のガスを導入ないし吸引することによって、膨張させたり萎ませたりすることができようになっている。
また、内視鏡本体11は、遠位端側に内視鏡本体11の固定用バルーン15が形成されており、スライディングチューブ12内に挿入され、スライディングチューブ12の遠位端側から突出している。この内視鏡本体11の固定用バルーン15も内視鏡操作部側から所定のガスを導入ないし吸引することによって、膨張させたり萎ませたりすることができようになっている。なお、第1実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Aでは、スライディングチューブ12及びスライディングチューブ12の固定用バルーン14がそれぞれ本発明の外筒及び外筒固定用バルーンに対応し、内視鏡本体11及び内視鏡本体11の固定用バルーン15がそれぞれ本発明の挿入器具及び挿入器具の固定用バルーンに対応する。
第1実施形態にかかるダブルバルーン式内視鏡装置10Aでは、スライディングチューブ12の遠位端部と内視鏡本体11の固定用バルーン15との間に、挿入器具の推進用バルーン16Aが配置されている。この挿入器具の推進用バルーン16Aは、蛇腹状に形成されており、延伸状態では、図1Bに示すように、内側環状壁16aとこの内側環状壁16aを気密に囲む外側環状壁16bとを有する内部が中空の環状筒状体となるようになされているとともに、遠位端側の一部を除いて内側環状壁16aと内視鏡本体11との間に隙間16cが生じるように形成されている。
そして、挿入器具の推進用バルーン16Aは、遠位端側の内側環状壁16aの外表面が内視鏡本体11の固定用バルーン15の近位端側の外表面に固定されており、近位端側がスライディングチューブ12の遠位端に固定されている。すなわち、挿入器具の推進用バルーン16Aは、内側環状壁16aと内視鏡本体11の外周側との間に隙間16cが形成されるようにして、遠位端側が内視鏡本体11の外周側に固定されており、近位端側がスライディングチューブ12の遠位端側に固定されている。このスライディングチューブ12に対して挿入器具の推進用バルーン16Aを固定した位置が内視鏡本体11を押し出すための固定点となる。
また、内視鏡本体11内には、挿入器具の推進用バルーン16A内に気体を導入させ、また、挿入器具の推進用バルーン16A内から気体を吸引するための気体流路13aが形成されている。この気体流路13aは、内視鏡操作部まで延在されており、内視鏡操作部から挿入器具の推進用バルーン16A内に対する気体の導入及び吸引を制御できるようになっている。ここでは、内視鏡本体11内に形成された気体流路13aは、内視鏡本体11の遠位端側に形成された開口13bを介して挿入器具の推進用バルーン16Aの内部と連通されている。
図1Aに示すように、第1実施形態にかかるダブルバルーン式内視鏡装置10Aは、消化管内への挿入前に、固定用バルーン14、15を萎ませておき、挿入器具の推進用バルーン16Aも萎ませておく。この状態でダブルバルーン式内視鏡装置10Aを消化管内へ押し込んで挿入し、それ以上押し込めなくなったところで、固定用バルーン14を膨張させてスライディングチューブ12を消化管内に固定する。
次いで、内視鏡操作部側から気体流路13aを経て挿入器具の推進用バルーン16A内に気体を導入すると、図1Bに示したように、挿入器具の推進用バルーン16Aは延伸状態となる。このとき、挿入器具の推進用バルーン16Aの遠位端側が内視鏡本体11の外周に固定されており、挿入器具の推進用バルーン16Aの近位端がスライディングチューブ12の遠位端に固定されているので、挿入器具の推進用バルーン16Aはスライディングチューブ12の遠位端側を起点として延伸状態となる。これによって、内視鏡本体11はスライディングチューブ12の遠位端側から更に突出されるので、操作部側からダブルバルーン内視鏡装置10Aを挿入するよりも大きな力で更に消化管内奥に挿入することができる。
内視鏡本体11がスライディングチューブ12の遠位端側より所定量突出されると、内視鏡本体11の固定用バルーン15が膨張されると共にスライディングチューブの固定用バルーン14が萎ませられ、内視鏡本体11が消化管内に固定される。この状態で、内視鏡操作部側で気体流路13aを経て挿入器具の推進用バルーン16A内から気体を吸引すると、挿入器具の推進用バルーン16Aは内視鏡本体11の遠位端側を起点として萎むため、スライディングチューブ12に対して遠位端側に牽引する力が付与される。それによって、図1Cに示すように、スライディングチューブ12の遠位端側は内視鏡本体11の遠位端側にまで移動することができるようになる。次いで、図1B及び図1Cに示した操作を適宜繰り返すことによって、従来のダブルバルーン式内視鏡装置のように、内視鏡本体11及びスライディングチューブ12を消化管の奥へ移動させることができるようになる。
なお、ここでは、挿入器具の推進用バルーン16Aとして、外側環状壁16bと内側環状壁16aとの間に何も形成されていないものを用いた例を示した。しかしながら、外側環状壁16bと内側環状壁16aとの間に両者間の距離が一定以上とならないように規制する手段、たとえば一定長さの糸やシート等を取り付けておいてもよい。このような規制手段を設けておくと、挿入器具の推進用バルーン内に気体を導入させた場合に径方向に膨れることがなくなるので、長さ方向に強力に延伸させることができるようになる。
なお、第1実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Aにおいては、挿入器具の推進用バルーン16A内へ気体を導入ないし吸引するための気体流路13aを内視鏡本体11内に形成した例を示したが、スライディングチューブ12の内側又は外側に別途気体流路を形成してもよく、また、スライディングチューブ12の厚さが充分にある場合にはスライディングチューブ12内に気体流路を形成してもよい。
また、第1実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Aにおいては、挿入器具の推進用バルーン16Aの内側環状壁16a及び外側環状壁16bを共に蛇腹状とした例を示した。しかしながら、内側環状壁16a及び外側環状壁16b共に柔軟性材料で形成されている限り、同様の作用効果を生じる。しかしながら、内側環状壁16a及び外側環状壁16bを蛇腹状とすれば、挿入器具の推進用バルーン16Aを膨らませる際ないし萎ませる際に一定の形状を維持した状態で変形しながら伸縮することができるので、故障が少なく、よりスムーズに内視鏡本体11及びスライディングチューブ12を消化管の奥に挿入することができるようになる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Bを、図2Aを用いて説明する。なお、図2Aは第2実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置10Bの内視鏡本体11を突出させた際の模式断面図である。
この第2実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Bは、図2Aに示したように、挿入器具の推進用バルーン16B内にコイルバネ16dを外側環状壁16bと一体となるように配置した以外は第1実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Aと構成に相違はない。そのため、図2Aにおいては、第1実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
第2実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Bのように、挿入器具の推進用バルーン16B内にコイルバネ16dが挿入されていると、コイルバネ16dの圧縮力ないし伸縮力をも利用できるようになる。そのため、挿入器具の推進用バルーン16Bの延伸状態でコイルバネ16dに圧縮力が残留している状態とするかあるいは挿入器具の推進用バルーン16Bの萎んだ状態で伸張力が残留している状態とすることにより、挿入器具の推進用バルーン16B内に気体を導入する際に必要な圧力ないし挿入器具の推進用バルーン16B内から気体を排気する際に必要な圧力を任意に変えることができるようになる。
しかも、第2実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Bのように、挿入器具の推進用バルーン16B内にコイルバネ16dを外側環状壁16bと一体となるように配置すると、挿入器具の推進用バルーン16B内に気体を導入させた場合に径方向に大きく膨れることがなくなる。そのため、挿入器具の推進用バルーン16Bに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、よりスムーズに内視鏡本体11及びスライディングチューブ12を消化管の奥に挿入することができるようになる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Cを、図2Bを用いて説明する。なお、図2Bは第3実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置10Cの内視鏡本体11を突出させた際の模式断面図である。
この第3実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Cは、図2Bに示したように、挿入器具の推進用バルーン16Cの内部の内側環状壁16aと外側環状壁16bとの間に、少なくとも1つの隔壁16eを設けて複数の室16fに区画し、この隔壁16eのそれぞれに開口16gを形成したものである。このような構成とすると、挿入器具の推進用バルーン16C内に気体を導入させた場合に径方向に大きく膨れることがなくなり、また、複数の室16f内への気体の導入ないし複数の室16fからの気体の吸引は、隔壁16eに形成された開口16gによって確保することができる。そのため、第3実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Cにおいても、挿入器具の推進用バルーン16Cに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、よりスムーズに内視鏡本体11及びスライディングチューブ12を消化管の奥に挿入することができるようになる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Dを、図2Cを用いて説明する。なお、図2Cは第4実施形態に係るダブルバルーン式内視鏡装置10Dの内視鏡本体11を突出させた際の模式断面図である。
この第4実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Dは、図2Cに示したように、挿入器具の推進用バルーン16Dが、コイル状となった状態で固定されている。この推進用バルーン16Dは、一方の端がスライディングチューブ12の遠位端に固定されており、もう一方の端は内視鏡本体11の遠位端側に固定されていると共に、その内部は開口13bを介して気体流路13aと連通されている。
このような構成とすると、第3実施形態で示したような、隔壁16e及び開口16gを設けずとも、内視鏡の推進方向に効率よく伸張させることが可能となる。例えば、バルーンの巻付け回数が10回であって、気体の導入によりバルーンの直径が5mm拡大したと仮定すると、内視鏡の径方向へのバルーンの伸張はバルーン部分全体で5mm×2=1cmであるのに対して、内視鏡の長手方向へのバルーンの伸張はバルーン部分全体で5mm×10=5cmとなる。
従って、第4実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Dにおいても、挿入器具の推進用バルーン16Dに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、内視鏡本体11及びスライディングチューブ12を消化管の奥に挿入することができるようになる。なお、推進用バルーン16Dは内視鏡本体11及びスライディングチューブ12に固定された際にコイル形状を取り得れば良いため、コイル状に形成されたバルーンは当然のこと、直線ないし曲線状に形成されたバルーンであっても推進用バルーン16Dとして第4実施形態に適用可能である。
[第1参考例]
次に、図3を参照して、第1参考例にかかるダブルバルーン式内視鏡装置10Eの概略構成について説明する。なお、図3Aは第1参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置10Eの挿入時の模式断面図であり、図4Bは図4Aの細径内視鏡11aを突出させた際の模式断面図であり、図4Cは更に内視鏡本体11を移動させた際の模式断面図である。また、図4においては、図1に示した第1実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明する。
第1〜3実施形態のダブルバルーン式内視鏡装置10A〜10Cでは、本発明の挿入器具に対応する構成が内視鏡本体11であり、本発明の外筒に対応する構成がスライディングチューブ12の場合を示したが、第1参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Eでは、本発明の挿入器具に対応する構成が細径内視鏡11aであり、本発明の外筒に対応する構成が内視鏡本体11に対応するものである。
なお、細径内視鏡11aは、内視鏡本体11の鉗子孔13内に挿入することができる外径が約5mm以下とされており、内部に処置具挿入口13cを備えているが、細径であるために照明光学系は備えていない。この細径内視鏡11aのガイドのために照明光学系が必要である場合、細径内視鏡11aの処置具挿入口13c内に別途照明光学系を挿入することによって細径内視鏡11aを所定位置にまでガイドすることができる。そして、細孔内視鏡11aを所定位置までガイドした後は、処置具挿入口13cから照明光学系を取り出し、処置具挿入口13c内に各種処置具を挿入することにより、所定の処理操作が行われる。
第1参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Eは、図3に示すように、内視鏡本体11を備えている。内視鏡本体11は、例えば従来から普通に使用されている大腸内視鏡であり、遠位端側に照明光学系(図示省略)が設けられていると共に、内部に各種処置具が挿入される鉗子孔13が形成されている。そして、ここでは鉗子孔13内に細径内視鏡11aが挿入されている。なお、細径内視鏡11aは、内視鏡操作部まで延在されている。また、内視鏡本体11の遠位端側には固定用バルーン14が形成されていると共に、細径内視鏡11aの遠位端側には細径内視鏡11aの固定用バルーン15が形成されている。この固定用バルーン14及び15はそれぞれ内視鏡操作部側から所定のガスを導入ないし吸引することによって、膨張させたり萎めさせたりすることができようになっている。
第1参考例にかかるダブルバルーン式内視鏡装置10Eでは、内視鏡本体11の遠位端部と細径内視鏡11aの固定用バルーン15との間に、挿入器具の推進用バルーン16Eが配置されている。この挿入器具の推進用バルーン16Eは、蛇腹状に形成されており、延伸状態では、図3Bに示すように、内側環状壁16aとこの内側環状壁16aを気密に囲む外側環状壁16bとを有する内部が中空の環状筒状体となるようになされているとともに、遠位端側の一部を除いて内側環状壁16aと細径内視鏡11aとの間に隙間16cが生じるように形成されている。
そして、挿入器具の推進用バルーン16Eは、遠位端側の内側環状壁16aの外表面が細径内視鏡11aの固定用バルーン15の近位端側の外表面に固定されており、近位端側が内視鏡本体11の遠位端に固定されている。すなわち、挿入器具の推進用バルーン16Eは、内側環状壁16aと細径内視鏡11aの外周側との間に隙間16cが形成されるようにして、遠位端側が細径内視鏡11aの外周側に固定されており、近位端側が内視鏡本体11の遠位端側に固定されている。この内視鏡本体11に対して挿入器具の推進用バルーン16Eを固定した位置が細径内視鏡11aを押し出すための固定点となる。
また、内視鏡本体11内には、挿入器具の推進用バルーン16E内に気体を導入させ、また、挿入器具の推進用バルーン16E内から気体を吸引するための気体流路13aが形成されている。この気体流路13aは、内視鏡操作部まで延在されており、内視鏡操作部から挿入器具の推進用バルーン16E内に対する気体の導入及び吸引を制御できるようになっている。ここでは、内視鏡本体11内形成された気体流路13aは、内視鏡本体11の遠位端側に形成された開口13bを介して挿入器具の推進用バルーン16Eの内部と連通されている。
図3Aに示すように、第1参考例態にかかるダブルバルーン式内視鏡装置10Eは、消化管内への挿入前に、固定用バルーン14、15を萎ませておき、挿入器具の推進用バルーン16Eも萎ませておく。この状態でダブルバルーン式内視鏡装置10Eを消化管内へ押し込んで挿入し、それ以上押し込めなくなったところで、固定用バルーン14を膨張させて内視鏡本体11を消化管内に固定する。
次いで、内視鏡操作部側から気体流路13aを経て挿入器具の推進用バルーン16E内に気体を挿入すると、図3Bに示したように、挿入器具の推進用バルーン16Eは延伸状態となる。このとき、挿入器具の推進用バルーン16Eの遠位端側が細径内視鏡11aの外周に固定されており、挿入器具の推進用バルーン16Eの近位端が内視鏡本体11の遠位端に固定されているので、挿入器具の推進用バルーン16Eは内視鏡本体11の遠位端側を起点として延伸状態となる。これによって、細径内視鏡11aは内視鏡本体11の遠位端側から更に突出されるので、操作部側からダブルバルーン内視鏡装置10Eを挿入するよりも大きな力で更に消化管内に挿入することができる。
細径内視鏡11aが内視鏡本体11の遠位端側より所定量突出されると、細径内視鏡11aの固定用バルーン15が膨張されると共に内視鏡本体11の固定用バルーン14が萎ませられ、細径内視鏡11aが消化管内に固定される。この状態で、内視鏡操作部側で気体流路13aを経て挿入器具の推進用バルーン16E内から気体を吸引すると、挿入器具の推進用バルーン16Eは細径内視鏡11aの遠位端側を起点として萎えるため、内視鏡本体11に対して遠位端側に牽引する力が付与される。それによって、図3Cに示すように、内視鏡本体11の遠位端側は細径内視鏡11aの遠位端側にまで移動することができるようになる。次いで、図3B及び図3Cに示した操作を適宜繰り返すことによって、従来のダブルバルーン式内視鏡装置のように、内視鏡本体11及び細径内視鏡11aを消化管の奥へ移動させることができるようになる。
[第2参考例]
次に、第2参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Fを、図4Aを用いて説明する。なお、図4Aは第2参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置10Fの細径内視鏡11aを突出させた際の模式断面図である。
この第2参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Fは、図4Aに示したように、挿入器具の推進用バルーン16F内にコイルバネ16dを外側環状壁16bと一体となるように配置した以外は第1参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Cと構成に相違はない。そのため、図4Aにおいては、第1参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Cと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
第2参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Fのように、挿入器具の推進用バルーン16F内にコイルバネ16dが挿入されていると、コイルバネ16dの圧縮力ないし伸縮力をも利用できるようになる。そのため、挿入器具の推進用バルーン16Fの延伸状態でコイルバネ16dに圧縮力が残留している状態とするかあるいは挿入器具の推進用バルーン16Fの萎んだ状態で伸張力が残留している状態とするかにより、挿入器具の推進用バルーン16F内に気体を導入する際に必要な圧力ないし挿入器具の推進用バルーン16F内から気体を排気する際に必要な圧力を任意に変えることができるようになる。
しかも、第2参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Fのように、挿入器具の推進用バルーン16F内にコイルバネ16dを外側環状壁16bと一体となるように配置すると、挿入器具の推進用バルーン16F内に気体を導入させた場合に径方向に大きく膨れることがなくなる。そのため、挿入器具の推進用バルーン16Fに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、よりスムーズに内視鏡本体11及び細径内視鏡11aを消化管の奥に挿入することができるようになる。
[第3参考例]
次に、第3参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Gを、図4Bを用いて説明する。なお、図4Bは第3参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置10Gの細径内視鏡11aを突出させた際の模式断面図である。
この第3参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Gは、図4Bに示したように、挿入器具の推進用バルーン16Gの内部の内側環状壁16aと外側環状壁16bとの間に、少なくとも1つの隔壁16eを設けて複数の室16fに区画し、この隔壁16eのそれぞれに開口16gを形成したものである。このような構成とすると、挿入器具の推進用バルーン16G内に気体を導入させた場合に径方向に大きく膨れることがなくなり、また、複数の室16f内への気体の導入ないし複数の室16fからの気体の吸引は、隔壁16eに形成された開口16gによって確保することができる。そのため、第3参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Gにおいても、挿入器具の推進用バルーン16Gに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、よりスムーズに内視鏡本体11及び細径内視鏡11aを消化管の奥に挿入することができるようになる。
[第4参考例]
次に、第4参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Hを、図4Cを用いて説明する。なお、図4Cは第4参考例に係るダブルバルーン式内視鏡装置10Hの細径内視鏡11aを突出させた際の模式断面図である。
この第4参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Hは、図4Cに示したように、挿入器具の推進用バルーン16Hが、コイル状にした状態で固定されている。この推進用バルーン16Hは、一方の端が細径内視鏡11aの遠位端側に固定されており、もう一方の端は内視鏡本体11の遠位端に固定されていると共に、その内部は開口13bを介して気体流路13と連通されている。
このような構成とすると、第3参考例で示したような、隔壁16e及び開口16gを設けずとも、内視鏡の推進方向に効率よく伸張させることが可能となる。例えば、バルーンの巻付け回数が10回であって、気体の導入によりバルーンの直径が5mm拡大したと仮定すると、内視鏡の径方向へのバルーンの伸張はバルーン部分全体で5mm×2=1cmであるのに対して、内視鏡の長手方向へのバルーンの伸張はバルーン部分全体で5mm×10=5cmとなる。
従って、第4参考例のダブルバルーン式内視鏡装置10Hにおいても、挿入器具の推進用バルーン16Hに気体を導入する操作と排気する操作を繰り返すことにより、内視鏡本体11及び細径内視鏡11aを消化管の奥に挿入することができるようになる。なお、推進用バルーン16Hは細径内視鏡11a及び内視鏡本体11に固定された際にコイル形状を取り得れば良いため、コイル状に形成されたバルーンは当然のこと、直線ないし曲線状に形成されたバルーンであっても推進用バルーン16Hとして第4参考例に適用可能である。
10A〜10H…ダブルバルーン式内視鏡装置
11…内視鏡本体
11a…細径内視鏡
12…スライディングチューブ
13…鉗子孔
13a…気体流路
13b…(気体流路の)開口
13c…(細径内視鏡の)処置具挿入口
14、15…固定用バルーン
16A〜16H…挿入器具の推進用バルーン
16a…内側環状壁
16b…外側環状壁
16c…隙間
16d…コイルバネ
16e…隔壁
16f…(複数の)室
16g…開口

Claims (4)

  1. スライディングチューブと、前記スライディングチューブ内に挿通される内視鏡本体とを備え、前記スライディングチューブの遠位端部外周には前記スライディングチューブの固定用バルーンが形成され、前記内視鏡本体の遠位端部外周には前記内視鏡本体の固定用バルーンが形成された、ダブルバルーン式内視鏡装置において、
    前記スライディングチューブの遠位端部と前記内視鏡本体の固定用バルーンとの間には前記内視鏡本体の推進用バルーンが配置されており、
    前記内視鏡本体の推進用バルーンは、遠位端側が前記内視鏡本体の固定用バルーンの近位端側に位置する前記内視鏡本体に固定されており、近位端側が前記スライディングチューブの遠位端に固定されており、
    前記スライディングチューブ又は前記内視鏡本体には、前記内視鏡本体の推進用バルーン内部に気体を導入及び吸引するための気体流路が形成されており、
    前記内視鏡本体を突出させる際には、前記スライディングチューブの固定用バルーンの内部に気体を導入して前記スライディングチューブを体腔内に固定するとともに、前記内視鏡本体の固定用バルーンの内部の気体を吸引して窪ませた状態で前記内視鏡本体の推進用バルーン内に気体を導入することにより行い、
    前記スライディングチューブを牽引する際には、前記内視鏡本体の固定用バルーンの内部に気体を導入して前記内視鏡本体を体腔内に固定するとともに、前記スライディングチューブの固定用バルーンの内部から空気を吸引して窪ませた状態で前記内視鏡本体の推進用バルーン内から気体を吸引して窪ませることにより行い、
    これらの前記内視鏡本体を突出させる操作及び前記スライディングチューブを牽引する操作を順次おこなわせることを特徴とするダブルバルーン式内視鏡装置。
  2. 前記内視鏡本体の推進用バルーンは、延伸状態で、内側環状壁と前記内側環状壁を気密に囲む外側環状壁とを有する内部が中空の環状筒状体からなり、前記環状筒状体の内側環状壁の遠位端側の外面が前記内視鏡本体の遠位端側外周に固定されており、前記環状筒状体の外側環状壁の近位端側が前記スライディングチューブの遠位端側に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のダブルバルーン式内視鏡装置。
  3. 前記内視鏡本体の推進用バルーンは、前記外側環状壁及び内側環状壁が蛇腹状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のダブルバルーン式内視鏡装置。
  4. 前記内視鏡本体の推進用バルーンは、内部の外径側と内径側との間に形成された少なくとも1つの隔壁によって複数の室に区画されており、前記隔壁には開口が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のダブルバルーン式内視鏡装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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