JP2015040750A - 原子炉設備および炉心溶融物冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】炉心溶融物が原子炉容器の底部を貫通して落下する事故があった際に、この炉心溶融物を確実かつ短時間に冷却する。
【解決手段】実施形態によれば、炉心溶融物冷却装置32は、冷却材を炉心溶融物保持装置4よりも高い位置に貯めておく冷却材貯蔵プール6と、冷却材貯蔵プール6の冷却材を炉心溶融物保持装置4に導く冷却材配管8と、冷却材配管8の途中に配置された冷却材導入弁7と、炉心溶融物保持装置4の上に配置されて、高圧流体を閉じ込め、原子炉事故時に、炉心溶融物の熱によって破壊されて流体が放出されて内部圧力が低下する弁閉用圧力保持部9と、原子炉通常運転時には冷却材導入弁7を閉状態に維持し、原子炉事故時に弁閉用圧力保持部9内圧が低下したときに冷却材導入弁7を開く弁駆動機構12と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態によれば、炉心溶融物冷却装置32は、冷却材を炉心溶融物保持装置4よりも高い位置に貯めておく冷却材貯蔵プール6と、冷却材貯蔵プール6の冷却材を炉心溶融物保持装置4に導く冷却材配管8と、冷却材配管8の途中に配置された冷却材導入弁7と、炉心溶融物保持装置4の上に配置されて、高圧流体を閉じ込め、原子炉事故時に、炉心溶融物の熱によって破壊されて流体が放出されて内部圧力が低下する弁閉用圧力保持部9と、原子炉通常運転時には冷却材導入弁7を閉状態に維持し、原子炉事故時に弁閉用圧力保持部9内圧が低下したときに冷却材導入弁7を開く弁駆動機構12と、を備える。
【選択図】図1
Description
この発明の実施形態は、炉心溶融事故時に原子炉容器の下方で保持した炉心溶融物を冷却する炉心溶融物冷却装置および、炉心溶融物冷却装置を備えた原子炉設備に関する。
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止の事故の場合や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断事故により冷却水が喪失した場合等に、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。
しかしながら、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定されうる。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。
このような事態に至った場合、高温の炉心溶融物が原子炉圧力容器下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器底部を溶融貫通して、原子炉格納容器内の床上に落下するに至る。炉心溶融物は原子炉格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを発生させるとともに、コンクリートを溶融浸食する。発生した非凝縮性ガスは原子炉格納容器内の圧力を高め、原子炉格納容器を破損させる可能性があり、また、コンクリートの溶融浸食により原子炉格納容器バウンダリを破損させたり原子炉格納容器構造強度を低下させたりする可能性がある。結果的に、炉心溶融物とコンクリートの反応が継続すると原子炉格納容器破損に至り、原子炉格納容器内の放射性物質が外部環境へ放出される恐れがある。
この炉心溶融物とコンクリートの反応を抑制するためには、炉心溶融物を冷却し、炉心溶融物底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下(一般的なコンクリートで1500K以下)に冷却するか、炉心溶融物とコンクリートが直接接触しないようにする必要がある。そのため、炉心溶融物が落下した場合に備えて、たとえば特許文献1および2に記載されるような、様々な対策が提案されている。
原子炉格納容器下方に落下した炉心溶融物を冷却するためには、冷却水による直接または構造物を介しての間接的な冷却方法が有効である。既知の冷却水供給手段として、特許文献1では、プール水源より配管に接続された溶融弁を介して、原子炉格納容器底部に冷却水を連続的に供給するシステムが考えられている。しかしながら溶融弁を用いた冷却水供給システムでは、溶融弁の動作原理上、また弁自体が発熱体から遠い位置にあることなどから、溶融部分の温度上昇までに長時間を要し、開放までに要する時間が、長い場合は10分から20分程度の時間になる。また、雰囲気環境温度に依存するため、動作にバラツキがあり、信頼性もあまり高くない。冷却水が導入されるまでは、炉心溶融物保持構造物はドライ状態であることから、炉心溶融物から発する熱から炉心溶融物保持構造物を保護するために、冷却水導入時間に応じて耐熱材を厚く敷き詰めなくてはならない。このことから設置スペースを考えると設置上の制約が高まり、特に既設炉に炉心溶融物保持構造物を設置する場合は、より制約が多くなる。
また、他の従来技術として特許文献2を適用することが考えられる。しかし、一般的に、弁などは定期的に動作確認の実施やパッキンなどを交換する必要がある。特許文献2の技術では、動作確認のためには炉心溶融物の重量に相当する300ton程度の荷重付加が必要となり、定期検査が困難なことが予測される。
本発明の実施形態は、炉心溶融物が原子炉容器の底部を貫通して落下する事故があった際に、この炉心溶融物を確実かつ短時間に冷却することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る原子炉設備は、炉心と、前記炉心を収容する原子炉容器と、前記原子炉容器を格納する原子炉格納容器と、前記炉心の下方でかつ前記原子炉容器の下方の前記原子炉格納容器内に配置されて、原子炉事故時に前記炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通して落下した炉心溶融物を受容する炉心溶融物保持装置と、原子炉事故時に前記炉心溶融物保持装置を冷却するための冷却材を前記炉心溶融物保持装置よりも高い位置で前記原子炉容器の外にあらかじめ貯めておく冷却材貯蔵プールと、前記冷却材貯蔵プールに貯められた冷却材を前記炉心溶融物保持装置に導く冷却材配管と、前記冷却材配管の途中に配置されて原子炉通常運転時に閉じているように設定された冷却材導入弁と、原子炉通常運転時には前記冷却材導入弁を閉状態に維持し、原子炉事故時に前記炉心溶融物の熱を受けた際に駆動されて前記冷却材導入弁を開く弁駆動機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る炉心溶融物冷却装置は、原子炉事故時に炉心が溶融して原子炉容器を貫通して落下した炉心溶融物を原子炉格納容器内部で受容する炉心溶融物保持装置を冷却するための炉心溶融物冷却装置であって、冷却材を前記炉心溶融物保持装置よりも高い位置で前記原子炉容器の外にあらかじめ貯めておく冷却材貯蔵プールと、前記冷却材貯蔵プールに貯められた冷却材を前記炉心溶融物保持装置に導く冷却材配管と、前記冷却材配管の途中に配置されて原子炉通常運転時に閉じているように設定された冷却材導入弁と、原子炉通常運転時には前記冷却材導入弁を閉状態に維持し、原子炉事故時に前記炉心溶融物の熱によって駆動されて前記冷却材導入弁を開く弁駆動機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、炉心溶融物が原子炉容器の底部を貫通して落下する事故があった際に、この炉心溶融物を確実かつ短時間に冷却することができる。
以下、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
(構成)
図1は本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図2は本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。ただし図2は、原子炉圧力容器1からの炉心溶融物11を炉心溶融物保持装置4で受け止めて、冷却材貯蔵プール6から冷却材が導入されている状態を示しており、弁閉用圧力保持タンクおよび圧力伝達管等の図示は省略している。図3は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施形態における冷却材導入弁の弁駆動機構を示す縦断面図である。
(構成)
図1は本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図2は本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。ただし図2は、原子炉圧力容器1からの炉心溶融物11を炉心溶融物保持装置4で受け止めて、冷却材貯蔵プール6から冷却材が導入されている状態を示しており、弁閉用圧力保持タンクおよび圧力伝達管等の図示は省略している。図3は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第1の実施形態における冷却材導入弁の弁駆動機構を示す縦断面図である。
水冷却型原子炉の原子炉格納容器30内に、軸を鉛直方向とする円筒状のペデスタル2が設置されている。ペデスタル2により原子炉圧力容器(原子炉容器)1が支持されている。ただし、原子炉圧力容器1の支持構造の図示は省略する。ペデスタル2で囲まれた空間の底部に円形の原子炉格納容器床3が形成されている。通常時は、原子炉圧力容器1内に炉心31が収納されている。
原子炉格納容器床3の上で原子炉圧力容器1の下方に、炉心溶融物保持装置4が配置されている。これは、原子炉事故時に炉心31が溶融することを想定し、その際に炉心溶融物11(図2)が原子炉圧力容器1の底部80を突き破って落下した場合にその炉心溶融物11を保持して原子炉格納容器30から外への放射性物質の漏洩を阻止するためのものである。
原子炉圧力容器1の下方かつ炉心溶融物保持装置4の上方でペデスタル2に囲まれた領域に、水平方向に広がるサンプ床5が配置されている。
原子炉事故時に炉心溶融物保持装置4に保持された炉心溶融物11を冷却するために、炉心溶融物冷却装置32が設置されている。炉心溶融物冷却装置32は、冷却材貯蔵プール6、冷却材配管8、冷却材導入弁7、弁駆動機構12、弁閉用圧力保持タンク(弁閉用圧力保持部)9、圧力伝達管10等を有する。
冷却材貯蔵プール6は、事故時に炉心溶融物11を冷却するための冷却材をあらかじめ貯めておくためのプールであって、炉心溶融物保持装置4より高い位置に配置されている。冷却材貯蔵プール6は、原子炉格納容器30の内側でも外側でもよい。
冷却材配管8は、冷却材貯蔵プール6から炉心溶融物保持装置4に冷却材を導入できるように配置され、その途中に冷却材導入弁7が配置されている。冷却材導入弁7は、弁駆動機構12によって開閉駆動される。後述するように、冷却材導入弁7は、原子炉通常運転時には閉じていて、原子炉事故時に、炉心溶融物保持装置4を冷却する必要があるときに開くように構成されている。
弁閉用圧力保持タンク9は、原子炉通常運転時に冷却材導入弁7を閉じる状態を維持するための弁閉用圧力を保持するためのものであって、原子炉通常運転時に、原子炉格納容器30内の圧力よりも高い圧力P1の流体(たとえば空気)が充填されている。弁閉用圧力保持タンク9は、事故時に原子炉圧力容器1が破損し、炉心溶融物11が落下すると想定される領域、たとえばサンプ床5の上の中央付近に設置されている。事故時に炉心溶融物11が弁閉用圧力保持タンク9の上に落下したときに、その壁が破壊して弁閉用圧力保持タンク9内の流体が流出し、弁閉用圧力保持タンク9内の圧力が低下するように構成されている。
弁閉用圧力保持タンク9の外表面には、ふく射熱吸収が良くなるように、たとえば黒色の塗装などの加工処理を施しておくことが望ましい。
図3に示すように、弁駆動機構12は、シリンダ40と、シリンダ40内で互いに所定間隔をあけて往復摺動する第1ピストン41および第2ピストン42とを有する。シリンダ40内空間は、シリンダ40の第1端部43と第1ピストン41の間の第1空間44と、第1ピストン41と第2ピストン42との間の第2空間45と、シリンダ40の第2端部46と第2ピストン42の間の第3空間47とに仕切られる。
第2空間45内で、第1ピストン41と第2ピストン42との間をラック48が接続している。第1ピストン41と第2ピストン42とラック48は一体でシリンダ40内を往復移動する。ラック48と係合してラック48の直線運動を回転運動に変えるピニオン49が配置されている。ピニオン49の回転軸は冷却材導入弁7(図1、2)の回転軸と係合し、ピニオン49の回転に連動して冷却材導入弁7が開閉するように構成されている。
第3空間47内に圧縮ばね13が配置され、第2ピストン42を第2端部46から離れる方向に押している。第1空間44は、圧力伝達管10を介して弁閉用圧力保持タンク9に接続されている。第3空間47は開口50を通じて外部と連絡している。
(作用)
上記構成で、原子炉通常運転時には、弁閉用圧力保持タンク9内の圧力P1は原子炉格納容器30内圧力よりも高く、この圧力P1によって第1ピストン41が第2端部46に向かって押されている。これにより、圧縮ばね13が縮められ、第1ピストン41および第2ピストン42は第2端部46に近い側にあり、冷却材導入弁7は閉じている。
上記構成で、原子炉通常運転時には、弁閉用圧力保持タンク9内の圧力P1は原子炉格納容器30内圧力よりも高く、この圧力P1によって第1ピストン41が第2端部46に向かって押されている。これにより、圧縮ばね13が縮められ、第1ピストン41および第2ピストン42は第2端部46に近い側にあり、冷却材導入弁7は閉じている。
弁閉用圧力保持タンク9の加圧は、図示しない圧力供給源(コンプレッサー等)から行う。弁閉用圧力保持タンク9は気密構造であるが、微小リークにより弁閉用圧力保持タンク9の圧力が時間とともに低下することも考えられるので、圧力を測定し、自動的に所定圧力P1まで加圧しておくことが望ましい。
ここで、原子炉事故により原子炉圧力容器1内の炉心が溶融し、炉心溶融物11が原子炉圧力容器1の底部80を貫通して炉心溶融物保持装置4の上に落下することを想定する。この場合、炉心溶融物11が発する熱により落下経路の構造物、たとえばサンプ床5や弁閉用圧力保持タンク9を溶融しながら最終的に炉心溶融物保持装置4で保持される。このとき炉心溶融物11の落下位置は不特定なので、たとえばサンプ床5を傾斜させておき、弁閉用圧力保持タンク9の設置場所に炉心溶融物11が流れるようにしても良い。
さらに、炉心溶融物11の落下過程で弁閉用圧力保持タンク9の破壊が免れても、炉心溶融物保持装置4上で炉心溶融物11が保持された状態において、ふく射熱により弁閉用圧力保持タンク9の隔壁は溶融破壊されることになる。これにより、弁閉用圧力保持タンク9内の圧力P1は原子炉格納容器30内圧力まで低下することになる。
弁閉用圧力保持タンク9の外表面にふく射熱吸収の良いたとえば黒色の塗装などの加工処理を施しておくことより、事故時の弁閉用圧力保持タンク9の温度を高めることができるので、弁閉用圧力保持タンク9の隔壁が破壊される確率が増し、より早く弁閉用圧力保持タンク9の隔壁を溶融破壊することができる。
原子炉事故時に弁閉用圧力保持タンク9が破壊されてその圧力P1が開放されると、圧縮ばね13の復元力により、圧縮ばね13が伸びて、第1ピストン41、第2ピストン42およびラック48が第1端部43側に移動する。これにより、ピニオン49が回転して冷却材導入弁7が開く。これにより、冷却材貯蔵プール6内の冷却材が重力によって落下し、冷却材配管8を通じて炉心溶融物保持装置4を含む周辺に供給される。
(効果)
この実施形態によれば、従来よりも設置コストを増加させることなく、また定期検査時の動作確認や部品交換なども容易にすることができる。さらに原子炉圧力容器1から炉心溶融物11が流出した際に、動力や人為的操作を必要とせず、炉心溶融物11の熱を受けた際に不回避的に生じる挙動作用により弁駆動機構12が駆動され、確実に冷却材を導入することが可能で、最終的に原子炉格納容器30の破損および放射性物質の漏洩を防ぐことができる。
この実施形態によれば、従来よりも設置コストを増加させることなく、また定期検査時の動作確認や部品交換なども容易にすることができる。さらに原子炉圧力容器1から炉心溶融物11が流出した際に、動力や人為的操作を必要とせず、炉心溶融物11の熱を受けた際に不回避的に生じる挙動作用により弁駆動機構12が駆動され、確実に冷却材を導入することが可能で、最終的に原子炉格納容器30の破損および放射性物質の漏洩を防ぐことができる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第2の実施形態における冷却材導入弁の弁駆動機構を示す縦断面図である。
図4は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第2の実施形態における冷却材導入弁の弁駆動機構を示す縦断面図である。
この第2の実施形態は第1の実施形態の変形であって、弁駆動機構12の弁開放用の圧縮ばね13(図3)の代わりに、弁開用圧力保持タンク51内の圧力P2によって冷却材導入弁7を開放する。
この第2の実施形態では、原子炉格納容器30内に弁開用圧力保持タンク51が配置され、原子炉通常運転時に弁開用圧力保持タンク51内に空気などの加圧流体が収容されている。弁開用圧力保持タンク51内の圧力P2は、原子炉格納容器30内圧力よりも高く、かつ、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1よりも低く維持される。弁開用圧力保持タンク51は、圧力伝達管52によってシリンダ40内の第3空間47に接続されている。この第2の実施形態では、シリンダ40内の第3空間47内に圧縮ばね13(図3)は存在しない。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
上記構成で、原子炉通常運転時には、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1の方が弁開用圧力保持タンク51内の圧力P2よりも高いことから、第1ピストン41および第2ピストン42は第2端部46に向かって動き、冷却材導入弁7(図1、2)が閉じた状態にある。
原子炉事故により原子炉圧力容器1内の炉心31が溶融した場合に、第1の実施形態と同様に、炉心溶融物11が炉心溶融物保持装置4の上に落下し、炉心溶融物11が発する熱により、落下経路の構造物であるサンプ床5や弁閉用圧力保持タンク9を溶融する。弁閉用圧力保持タンク9の隔壁が溶融破壊されることにより、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1は原子炉格納容器30内圧力まで低下する。これにより、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1が弁開用圧力保持タンク51内圧力P2よりも低くなり、第1ピストン41および第2ピストン42は第1端部43に向かって動き、冷却材導入弁7が開く。これにより、第1の実施形態と同様に、冷却材貯蔵プール6内の冷却材が重力によって落下し、冷却材配管8を通じて炉心溶融物保持装置4を含む周辺に供給される。
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、従来よりも設置コストを増加させることなく、また定期検査時の動作確認や部品交換なども容易にすることができる。さらに原子炉圧力容器1から炉心溶融物11が流出した際に、動力や人為的操作を必要とせず、不回避的に生じる挙動作用により、確実に冷却材を導入することが可能で、最終的に原子炉格納容器の破損および放射性物質の漏洩を防ぐことができる。
また、この実施形態によれば、弁駆動機構12に圧縮ばねを用いないので、圧縮ばねの経年劣化による不具合や交換部品点数、点検項目がさらに軽減される。
[第3の実施形態]
図5は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第3の実施形態における冷却材導入弁の弁駆動機構を示す縦断面図である。この第3の実施形態は第2の実施形態の変形であって、弁駆動機構12の構造が第2の実施形態と相違する。
図5は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第3の実施形態における冷却材導入弁の弁駆動機構を示す縦断面図である。この第3の実施形態は第2の実施形態の変形であって、弁駆動機構12の構造が第2の実施形態と相違する。
この実施形態の弁駆動機構12は、第1シリンダ55と第2シリンダ56とを備え、これらが、互いに軸方向に直列に延びるように配置されている。第1ピストン57が第1シリンダ55内を第1空間58と第2空間59とに仕切りながら往復摺動可能である。第1シリンダ55の第2シリンダ56から遠い側の第1端部43側に第1空間58が形成され、第1ピストン57をはさんで第1空間58の反対側に第2空間59が形成されている。
第2シリンダ56内には、往復摺動可能な第2ピストン60と第3ピストン61とが配置され、第2ピストン60と第3ピストン61とによって、第2シリンダ56内空間が、第3空間62、第4空間63、第5空間64に仕切られている。
第2シリンダ56内で第1シリンダ55に最も近い位置に第3空間62が形成され、第2シリンダ56内の第1シリンダ55から最も遠い位置に第5空間64が形成されている。第2ピストン60と第3ピストン61とにはさまれた空間として第4空間63が形成されている。
第2ピストン60と第3ピストン61とは、ラック48をはさんで互いに一体で移動するように構成されている。第1ピストン57と第2ピストン60はピストン連結棒16によって連結されている。
第1空間58には、圧力伝達管10を介して弁閉用圧力保持タンク9が接続されている。また、第5空間64には、圧力伝達管52を介して弁開用圧力保持タンク51が接続されている。第2空間59および第3空間62には、それぞれ、外部と連通する開口65,66が形成されている。
上記構成で、原子炉通常運転時には、弁開用圧力保持タンク51内の圧力P2は、原子炉格納容器30内圧力よりも高く、かつ、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1よりも低く維持される。原子炉通常運転時には、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1の方が弁開用圧力保持タンク51内の圧力P2よりも高いことから、第1ピストン57、第2ピストン60、第3ピストン61は、第2端部46に向かって、すなわち第5空間64を押し縮める方向に動き、冷却材導入弁7(図1、2)が閉じた状態にある。
原子炉事故により原子炉圧力容器1内の炉心が溶融した場合に、第2の実施形態と同様に、弁閉用圧力保持タンク9の隔壁が溶融破壊される。これにより、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1は原子炉格納容器30内圧力まで低下する。これにより、弁閉用圧力保持タンク9内圧力P1が弁開用圧力保持タンク51内圧力P2よりも低くなり、第1ピストン57、第2ピストン60、第3ピストン61は第1空間58を押し縮める方向に動き、冷却材導入弁7が開く。これにより、第2の実施形態と同様に、冷却材貯蔵プール6内の冷却材が重力によって落下し、冷却材配管8を通じて炉心溶融物保持装置4を含む周辺に供給される。
なお、この実施形態で、ピストン連結棒16が長くなるにつれてピストンの摺動性が悪くなるので、その意味ではピストン連結棒16は短い方が好ましい。
この実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、従来よりも設置コストを増加させることなく、また定期検査時の動作確認や部品交換なども容易にすることができる。さらに原子炉圧力容器1から炉心溶融物11が流出した際に、動力や人為的操作を必要とせず、不回避的に生じる挙動作用により、確実に冷却材を導入することが可能で、最終的に原子炉格納容器の破損および放射性物質の漏洩を防ぐことができる。
[第4の実施形態]
図6は本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第4の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図7は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第4の実施形態における弁閉用圧力保持タンクおよびその周辺を模式的に示す部分斜断面視図である。
図6は本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第4の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図である。図7は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第4の実施形態における弁閉用圧力保持タンクおよびその周辺を模式的に示す部分斜断面視図である。
この第4の実施形態は例えば第1の実施形態の変形例であって、弁閉用圧力保持タンク9の構造が第1の実施形態と相違する。
この実施形態では、弁閉用圧力保持部である弁閉用圧力保持タンク9は、サンプ床5の下方に配置され、サンプ床5の下部の周囲に沿って円周上に延びる母管(圧力保持パイプ)9aと、母管9aに接続されてサンプ床5の下部を覆うように配置された多数の小口径配管(圧力保持パイプ)17とを有する。小口径配管17は母管9aよりも細く、溶接またはカプラ(図示せず)などにより母管9aに接続されている。小口径配管17は、母管9aに比べて薄肉材料からなる。小口径配管17は、金属材料からできていてもよいが、高温で破壊されやすいように、樹脂管やゴム管等で構成してもよい。
母管9aは圧力伝達管10に接続されている。母管9aおよび小口径配管17の外周には、ふく射熱を吸収しやすい塗装などの加工処理を施しておくことが望ましい。
この実施形態で、原子炉通常運転時には、第1の実施形態と同様に、弁閉用圧力保持タンク9内、すなわち母管9aおよび小口径配管17の内部に、原子炉格納容器30内の圧力よりも高い圧力P1の流体が閉じ込められている。
炉心溶融事故が起きて炉心溶融物11が原子炉圧力容器1の底部80を貫通して落下した場合、母管9aや小口径配管17に炉心溶融物11が直接衝突したり、また炉心溶融物保持装置4に保持された高温の炉心溶融物11からのふく射熱を母管9aや小口径配管17が受けたりすることにより、母管9aや小口径配管17が破壊され、母管9a内の圧力P1が低下する。これにより、第1の実施形態と同様に、冷却材導入弁7が開いて、冷却材貯蔵プール6内に貯蔵された冷却材が炉心溶融物保持装置4に導かれる。
特にこの実施形態では、多数の小口径配管17がサンプ床5の下部を覆うように配置され、しかも小口径配管17は高温で破壊されやすい構造であるので、炉心溶融事故が起きた場合に、確実に破壊されて冷却材導入弁7を確実に開くことができる。
[第5の実施形態]
図8は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第5の実施形態における弁閉用圧力保持タンクおよびその周辺を模式的に示す部分斜断面視図である。
図8は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第5の実施形態における弁閉用圧力保持タンクおよびその周辺を模式的に示す部分斜断面視図である。
この第5の実施形態は第4の実施形態の変形例である。
この実施形態では、弁閉用圧力保持タンク9の母管9aの外周部から半径方向外側に突出してシリンダ部70が形成され、このシリンダ部70内を往復摺動するピストン71が配置され、このピストン71にピストン連結棒16が接続されている。このピストン連結棒16は第3の実施形態(図5)におけるピストン連結棒16と同等のものである。すなわち、ピストン連結棒16は第3の実施形態(図5)の第2ピストン60に接続されている。
この実施形態で、第4の実施形態と同様に、原子炉通常運転時には、弁閉用圧力保持タンク9内の圧力P1は原子炉格納容器30内圧力よりも高く維持され、冷却材導入弁7は閉状態が維持される。また、炉心溶融事故時に、炉心溶融物11の落下によって弁閉用圧力保持タンク9が破壊されてその内部圧力P1が低下し、冷却材導入弁7が開く。このときの冷却材導入弁7を駆動する機構は第3の実施形態と同様である。
[第6の実施形態]
図9は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第6の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図であって、炉心溶融物を炉心溶融物保持装置で受け止めている状態を示す図である。
図9は、本発明に係る炉心溶融物冷却装置の第6の実施形態とその周辺を示す模式的立断面図であって、炉心溶融物を炉心溶融物保持装置で受け止めている状態を示す図である。
この実施形態では、第1〜第5の実施形態における弁閉用圧力保持タンク9等に代えて、密封タンク19等が用いられる。
すなわち、この実施形態の炉心溶融物冷却装置32は、冷却材貯蔵プール6、冷却材配管8、冷却材導入弁7、弁駆動機構12、圧力伝達管10、密封タンク19等を有する。
密封タンク19は、原子炉格納容器30内で、炉心溶融物保持装置4の上方かつ原子炉圧力容器1の下方に配置され、その内部に、液体20としてたとえば水が封入されている。密封タンク19の壁面に圧力伝達管10が接続され、密封タンク19と圧力伝達管10との接続部は、通常時に、破裂板21によって封止されている。密封タンク19の外表面には、ふく射熱を吸収しやすいように、塗装などの加工処理を施しておくことが望ましい。
圧力伝達管10はシリンダとしての機能を有するもので、圧力伝達管10内の空間を仕切りながらピストン14が往復摺動できるように配置されている。ピストン14にはピストン連結棒75が結合され、ピストン連結棒75は弁駆動機構12に接続されている。圧力伝達管10の破裂板21とピストン14にはさまれた位置に圧力逃し弁22が取り付けられている。
冷却材貯蔵プール6、冷却材配管8、冷却材導入弁7、弁駆動機構12の構造は、たとえば第1の実施形態と同様である。
上記構成の実施形態において、原子炉通常運転時には、密封タンク19内に液体20が密封されていて、冷却材導入弁7は閉じている。
炉心溶融事故が起こって炉心溶融物11が炉心溶融物保持装置4に保持されると、高温の炉心溶融物11によって密封タンク19が加熱される。これにより密封タンク19内の液体20が膨張して蒸発する。これにより、密封タンク19内の内圧が上昇する。密封タンク19内の圧力が所定の閾値を超えると破裂板21が破裂し、密封タンク19の壁面に接続した圧力伝達管10内の圧力が高まる。この圧力によってピストン14が押されて動き、弁駆動機構12が駆動される。これにより冷却材導入弁7が開放され、冷却材貯蔵プール6内の冷却材が重力によって落下し、冷却材配管8を通じて炉心溶融物保持装置4を含む周辺に供給される。
破裂板21は、通常運転時の雰囲気温度変化ではピストン14が可動しないようにするために設置されるのが好ましいが、ピストン14の摺動抵抗によっては破裂板21の設置を省略しても良い。
圧力逃し弁22は、密封タンク19と圧力伝達管10の過大な圧力による破損防止用に設置するのがより好ましい。密封タンク19内の液体20を効率良く加熱するためには、密封タンク19の壁厚を薄くした方が良い。一方、壁厚を薄くすると、耐圧が弱くなる。液体20が蒸発すると急激に圧力が上昇し、密封タンク19や圧力伝達管10が破裂する恐れがある。圧力逃し弁22を設けておけば、必要以上の内圧が負荷されないので、ピストン14を確実に可動することができる。
この第6の実施形態によれば、第1〜第5の実施形態と同様の効果が得られるほか、第1〜第5の実施形態に比べて、通常時に弁閉用圧力保持タンクを加圧、維持するためのコンプレッサー等が不要となるので、交換部品点数、点検項目がさらに緩和される。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
たとえば、上記各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。より具体的な例としては、第4または第5の実施形態(図6〜図8)の弁閉用圧力保持タンク9の構造を、第2または第3の実施形態(図4、図5)に適用してもよい。また、第2または第3の実施形態における弁開用圧力保持タンク51を第6の実施形態(図9)における密封タンク19で置き換えることもできる。この場合は、炉心溶融事故時に弁開用圧力保持タンク51内の圧力P2が上昇するので、第2または第3の実施形態に比べて冷却材導入弁7の開動作を早めることができる。
1…原子炉圧力容器(原子炉容器)、2…ペデスタル、3…原子炉格納容器床、4…炉心溶融物保持装置、5…サンプ床、6…冷却材貯蔵プール、7…冷却材導入弁、8…冷却材配管、9…弁閉用圧力保持タンク(弁閉用圧力保持部)、9a…母管(圧力保持パイプ)、10…圧力伝達管、11…炉心溶融物、12…弁駆動機構、13…圧縮ばね、14…ピストン、16…ピストン連結棒、17…小口径配管(圧力保持パイプ)、19…密封タンク、20…液体、21…破裂板、22…圧力逃し弁、30…原子炉格納容器、31…炉心、32…炉心溶融物冷却装置、40…シリンダ、41…第1ピストン、42…第2ピストン、43…第1端部、44…第1空間、45…第2空間、46…第2端部、47…第3空間、48…ラック(弁駆動力伝達機構)、49…ピニオン(弁駆動力伝達機構)、50…開口、51…弁開用圧力保持タンク(弁開用圧力保持部)、52…圧力伝達管、55…第1シリンダ、56…第2シリンダ、57…第1ピストン、58…第1空間、59…第2空間、60…第2ピストン、61…第3ピストン、62…第3空間、63…第4空間、64…第5空間、65,66…開口、70…シリンダ部、71…ピストン、75…ピストン連結棒、80…底部
Claims (7)
- 炉心と、
前記炉心を収容する原子炉容器と、
前記原子炉容器を格納する原子炉格納容器と、
前記炉心の下方でかつ前記原子炉容器の下方の前記原子炉格納容器内に配置されて、原子炉事故時に前記炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通して落下した炉心溶融物を受容する炉心溶融物保持装置と、
原子炉事故時に前記炉心溶融物保持装置を冷却するための冷却材を前記炉心溶融物保持装置よりも高い位置で前記原子炉容器の外にあらかじめ貯めておく冷却材貯蔵プールと、
前記冷却材貯蔵プールに貯められた冷却材を前記炉心溶融物保持装置に導く冷却材配管と、
前記冷却材配管の途中に配置されて原子炉通常運転時に閉じているように設定された冷却材導入弁と、
原子炉通常運転時には前記冷却材導入弁を閉状態に維持し、原子炉事故時に前記炉心溶融物の熱を受けた際に駆動されて前記冷却材導入弁を開く弁駆動機構と、
を備えることを特徴とする原子炉設備。 - 原子炉通常運転時には前記原子炉格納容器内圧力よりも高い圧力の流体を閉じ込めるとともに原子炉事故時に前記炉心溶融物の熱によって破壊されて前記流体を前記原子炉格納容器内に放出してその内部圧力が低下させるように構成され、前記原子炉格納容器内で前記原子炉容器と前記炉心溶融物保持装置との間に少なくとも一部が配置された弁閉用圧力保持部をさらに備え、
前記弁駆動機構は、原子炉通常運転時には前記弁閉用圧力保持部内の圧力とつり合う反力により前記冷却材導入弁を閉状態に維持し、原子炉事故時に前記弁閉用圧力保持部内の圧力が低下したときに前記反力によって前記冷却材導入弁を開くように構成されることを特徴とする請求項1に記載の原子炉設備。 - 前記弁駆動機構は、
シリンダと、
前記シリンダ内の空間を第1空間と第2空間に仕切りながら往復摺動可能なピストンと、
前記シリンダの前記第1空間と前記弁閉用圧力保持部とを接続する圧力伝達管と、
前記反力を生じさせるように前記第1空間が縮小する向きに前記ピストンを付勢するばねと、
前記第1空間が拡大する向きに前記ピストンが移動したときに前記冷却材導入弁を閉じ、前記第1空間が縮小する向きに前記ピストンが移動したときに前記冷却材導入弁を開くように前記冷却材導入弁を駆動する弁駆動力伝達機構と、
を備えること、を特徴とする請求項2に記載の原子炉設備。 - 前記弁駆動機構は、
シリンダと、
前記シリンダ内の空間を第1空間と第2空間に仕切りながら往復摺動可能なピストンと、
前記シリンダの前記第1空間と前記弁閉用圧力保持部とを接続する圧力伝達管と、
原子炉通常運転時に前記反力を生じさせるために前記弁閉用圧力保持部内の圧力よりも低く前記原子炉格納容器内の圧力よりも高い圧力の流体を閉じ込めておく弁開用圧力保持部と、
前記第1空間が縮小する向きに前記ピストンが移動したときに前記冷却材導入弁を閉じ、前記第1空間が拡大する向きに前記ピストンが移動したときに前記冷却材導入弁を開くように前記冷却材導入弁を駆動する弁駆動力伝達機構と、
を備えること、を特徴とする請求項2に記載の原子炉設備。 - 前記弁閉用圧力保持部は、互いに接続された複数の圧力保持パイプを含むことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の原子炉設備。
- 前記原子炉格納容器内で前記原子炉容器と前記炉心溶融物保持装置との間に少なくとも一部が配置されて、原子炉通常運転時に流体が封入された密封タンクであって、原子炉事故時に前記炉心溶融物の熱によってその内部圧力が上昇する密封タンクと、
破裂板を介して前記密封タンクに接続された圧力伝達管とをさらに備え、
前記弁駆動機構は、原子炉事故時に前記圧力伝達管内の圧力が上昇したときにその上昇した圧力によって前記冷却材導入弁を開くように構成されることを特徴とする請求項1に記載の原子炉設備。 - 原子炉事故時に炉心が溶融して原子炉容器を貫通して落下した炉心溶融物を原子炉格納容器内部で受容する炉心溶融物保持装置を冷却するための炉心溶融物冷却装置であって、
冷却材を前記炉心溶融物保持装置よりも高い位置で前記原子炉容器の外にあらかじめ貯めておく冷却材貯蔵プールと、
前記冷却材貯蔵プールに貯められた冷却材を前記炉心溶融物保持装置に導く冷却材配管と、
前記冷却材配管の途中に配置されて原子炉通常運転時に閉じているように設定された冷却材導入弁と、
原子炉通常運転時には前記冷却材導入弁を閉状態に維持し、原子炉事故時に前記炉心溶融物の熱によって駆動されて前記冷却材導入弁を開く弁駆動機構と、
を備えることを特徴とする炉心溶融物冷却装置。
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JP2013171457A JP2015040750A (ja) | 2013-08-21 | 2013-08-21 | 原子炉設備および炉心溶融物冷却装置 |
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