JP2015039470A - 針デバイス及び針デバイスを用いた医療デバイスの埋設方法 - Google Patents

針デバイス及び針デバイスを用いた医療デバイスの埋設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体への侵襲が少なく、かつ、皮下に医療デバイスを所望のレイアウトで埋設することが可能な針デバイスとその埋設方法を提供する。
【解決手段】医療用の針デバイス10であって、針11と、針11の先端11aから当該針11の軸心Pに沿った方向に延設されたワイヤ12と、を有する針デバイス10。この針デバイスによれば、針の先端から針の軸心に沿った方向にワイヤが延設されることにより、針の先端をワイヤの延設方向に誘導することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、皮下に医療デバイスを埋設する際に用いる針デバイスと、針デバイスを用いた医療デバイスの埋設方法に関する。
従来、薬物療法等を用いる痛み治療を行っても有用な効果を示さない場合や、副作用等によりその治療が継続できない場合に、神経又は筋肉を電気刺激することにより痛みを緩和する電気刺激療法が効果をあげている。
電気刺激療法の1つである脊髄電気刺激療法は、脊髄を介して脳へ伝播する痛みを緩和するために、SCS(Spinal Cord Stimulation)システムを利用して脊髄の神経を電気刺激するものである。脊髄電気刺激療法では、脊髄を介して脳へ伝播する痛みを緩和するので、長期に渡って痛みを伴う慢性疼痛の治療に効果がある。しかしながら、脊髄電気刺激療法においては、脊髄に刺激電極を埋め込む際の侵襲が大きく中枢感染等のリスクが高い。
一方、脊髄電気刺激療法に比べて侵襲の少ない末梢神経野刺激療法は、局所領域の痛みを緩和するために、PNFS(Peripheral Nerve Field Stimulation)システムを利用して皮下にある神経(末梢神経)を電気刺激するものである。末梢神経野刺激療法では、痛みのある局所領域の皮下に埋め込んだ刺激電極を使って末梢神経を刺激することで中枢神経へ伝播する痛みを抑制するので、慢性疼痛の治療に効果があることが知られている。
ここで、生体の目的とする位置にデバイスを埋めこむことが可能な埋め込み補助冶具及び方法として、例えば下記特許文献に開示されたものが知られている。この特許文献には、回転可能な支持部材及び挿入部材により、デバイスの挿入位置を任意に選択し、目的の深さにデバイスを埋め込むことができることが記載されている。
米国特許第8,082,035号明細書
しかしながら、生体の目的とする位置にデバイスを埋めこむことが可能な埋め込み補助冶具及び方法では、デバイス等を疼痛領域の目的の深さ位置に埋設できるが、上述した刺激電極を有する電極リード等を皮下の所定の位置まで貫通することまではできない。
また、疼痛領域が広範囲の場合には、複数の刺激電極(電極リード)を疼痛領域に配置するか、その領域を囲む必要がある。しかしながら、従来の冶具及び方法では、連続的に方向を変えて皮下に埋め込むことはできないため、例えば複数の刺激電極(電極リード)を配置した後、それぞれを接続し皮下に埋め込むという工程をとる必要がある。この場合、外科手術等により生体を切開し、電極リードの接続部分を埋め込むため、生体に不要な侵襲を与えてしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、生体への侵襲が少なく、かつ、皮下に医療デバイスを所望のレイアウトで埋設することが可能な針デバイスとその埋設方法を提供するものである。
本発明に係る針デバイスは、医療用の針デバイスであって、針と、針の先端から当該針の軸心に沿った方向に延設されたワイヤとを有する。
本発明に係る針デバイスによれば、針の先端から針の軸心に沿った方向にワイヤが延設されることにより、針の先端をワイヤの延設方向に誘導することができる。これにより、一度皮下にワイヤを貫通させた状態とした後、方向を変えて再度皮下に埋設する場合に、ワイヤが引き出された同一の針穴に針の先端を誘導することができる。したがって、先端が誘導された針穴を連結点として、所定方向に向けて皮下組織に連続して針の先端を進めていくことが可能となる。
本発明に係る第1の医療デバイスの埋設方法は、上記構成の針デバイスを用いて皮下にワイヤを埋設する医療デバイス埋設方法であって、針の先端を皮下に刺入し、その刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出すことにより、ワイヤの遠位端を刺入口に残した状態で当該ワイヤを皮下に貫通させた状態とする第1の工程と、刺入口から突出しているワイヤの遠位端を牽引することにより針の先端をワイヤが引き出された位置に誘導する第2の工程と、針先が誘導された位置を新たな刺入口として針の先端を皮下に刺入し、当該新たな刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出す第3の工程とを有する。
本発明に係る第1の医療デバイスの埋設方法によれば、ワイヤが引き出された同一の針穴に針の先端を誘導することにより、針穴を連結点として、所定方向に皮下に連続して針の先端を進めていくことが可能となる。
本発明に係る第2の医療デバイスの埋設方法は、皮下にワイヤを埋設するワイヤ埋設方法であって、基端側にワイヤが接続された針の先端を皮下に刺入し、その刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出すことにより、ワイヤの遠位端を刺入口に残した状態で当該ワイヤを皮下に貫通させた状態とする第1の工程と、皮下から引き出された針を中空管に穿通させ、当該中空管を前記ワイヤが引き出された位置に誘導する第2の工程と、中空管が誘導された位置を新たな刺入口として中空管を介して針の先端を皮下に刺入し、当該新たな刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出す第3の工程とを有する。
本発明に係る第2の医療デバイスの埋設方法によれば、中空管の先端をワイヤが引き出された位置に誘導することにより、再度皮下に埋設する場合にワイヤが引き出された同一の針穴に針の先端を誘導することができる。これにより、針穴を連結点として、所定方向に皮下に連続して針の先端を進めていくことが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、針穴を連結点として皮下に連続して針の先端を進めていくことが可能となるため、生体への侵襲が少なく、かつ、皮下に医療デバイスを所望のレイアウトで埋設することが可能な針デバイスとその埋設方法を提供できる。
皮膚組織の概略断面図である。 図2Aは、第1実施形態の針デバイスの平面図である。図2Bは、図2Aの針デバイスのワイヤが溝部に嵌合された状態のA−A断面図である。図2Cは、図2Aの針デバイスのワイヤが溝部から離脱された状態のA−A断面図である。 図3Aは、変形例1の針デバイスの平面図である。図3Bは、図3Aの針デバイスの針の軸心方向に沿ったB−B断面図である。図3Cは、図3Aの針デバイスのワイヤが溝部から離脱された状態のB−B断面図である。図3Dは、変形例1の針デバイスに用いられるワイヤの平面図である。 図4Aは、変形例2の針デバイスの平面図である。図4Bは、図4Aの針デバイスの針の軸心方向に沿ったC−C断面図である。図4Cは、図4Aの針デバイスのワイヤが溝部から離脱された状態のC−C断面図である。 図5はネジ付きワイヤ式の接続機構である。 図6Aは、ボール付ワイヤ式の接続機構の上面側からの平面図である。図6Bは、図6Aのワイヤの軸心方向に沿った縦断面図である。 図7は、スーチャーホール式の接続機構である。 図8A〜Cは、第1の医療デバイスの埋設方法を示す説明図である。 図9D〜Fは、第1の医療デバイスの埋設方法を示す説明図である。 第2実施形態の埋設補助具の平面図である。 図11A〜Dは、第2の医療デバイスの埋設方法を示す説明図である。 図12E〜Hは、第2の医療デバイスの埋設方法を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態例について説明する。以下に述べる実施形態例は、本発明の好適な具体例である。そのため、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本発明の範囲は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明に用いた各図における寸法、形状及び配置関係は概略的なものである。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
説明は、以下の順序で行う。
1.第1実施形態:針の先端部にワイヤが接続された例
1−1.針デバイスの構成
1−2.針デバイスの変形例1
1−3.針デバイスの変形例2
1−4.第1の医療デバイスの埋設方法
2.第2実施形態:針の基端側にワイヤが接続された例
2−1.埋設補助具の構成
2−2.第2の医療デバイスの埋設方法
本発明の針デバイスは、任意のレイアウトで皮下に医療デバイスを埋め込むためのものであり、例えば、末梢神経野刺激療法(PNFS)を行う際に用いる。
まず、皮膚組織Sの構造について簡単に説明する。
図1は、皮膚組織Sの概略断面図である。生体の皮膚は、主に外側から表皮1、真皮2、皮下組織3の順に積層されてなる。
表皮1は、皮膚組織Sの最外層であり、重層扁平上皮からなる。真皮2は、密な線維性結合組織からなり、血管や神経が分布する。
皮下組織3は、真皮2と筋肉など組織との間に挟まれ、真皮2と比較すると繊維密度が低い結合組織でつくられている。この層には皮下脂肪と呼ばれる脂肪の組織が多く含まれ、皮静脈、皮神経が走行している。
皮下に医療デバイス(ワイヤ、電極リード等)を設ける場合には、繊維密度が低い結合組織からなる皮下組織3内に設けることが好ましい態様である。
そこで以下の説明においては、皮下組織3に医療デバイスを所望のレイアウトで埋設することが可能な針デバイスとその埋設方法の実施形態例を説明する。
<1.第1実施形態:針の先端部にワイヤが接続された例>
[1−1.針デバイスの構成]
本発明の第1実施形態に係る針デバイスの構成例について図2を参照して説明する。図2Aは、第1実施形態の針デバイスの平面図である。また、図2Bは、図2Aの針デバイスのワイヤが溝部に嵌合された状態のA−A断面図である。また、図2Cは、図2Aの針デバイスのワイヤが溝部から離脱された状態のA−A断面図である。
針デバイス10は、例えば皮下にある神経(特に末梢神経)又は筋肉を電気刺激する末梢神経刺激療法に用いられる器具である。
図2A〜Cに示す針デバイス10は、針11と、針11の先端11aから針11の軸心Pに沿った方向に延設されたワイヤ12とを有する。また、針11は、接続部13と溝部14を有する。
尚、以降の説明では、針11の鋭利な部分を先端11aと称し、その反対側を基端11bと称し、針11の延設方向に沿った中心軸を軸心Pと称する。また、ワイヤ12が針11と接続されている側の端部を「近位端」と称し、これと逆側の端部を「遠位端」と称する。
(針11)
図2Aに示すように、針11は、皮膚に刺入させる先端11aを有し、その先端11aから突出する状態となるようにワイヤ12が設けられている。また、針11は、ワイヤ12と接続される接続部13と、接続部13から針11の先端11aまで軸心Pに沿って設けられた溝部14とを有する。
針11は、医療用針であって、耐久性に優れ、かつ生体適合性がある素材で形成されている。例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料で構成されている。ただし、これに限定されず、耐久性に優れ、かつ生体適合性がある素材であればどのようなものであってもよい。
針11の直径は、皮膚への刺入時に低侵襲となるように2.0mm以下であることが好ましい。また、針11の全長は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
接続部13は、針11にワイヤ12が接続される部分であり、溝部14内に設けられている。また、本実施形態では、接続部13は軸心P上に位置するが、針11の先端11aから突出する状態となるようにワイヤ12が設けられればよく、これに限られない。また、針11とワイヤ12とは、例えば、溶着により固定されていてもよいし、ワイヤ12が針11に埋め込まれることによりで固定されていてもよい。
溝部14は、接続部13から針11の先端11a側に針11の軸心Pに沿って設けられ、ワイヤ12の嵌合が自在な開口形状を有している。
例えば、図2Bに示すように、ワイヤ12を溝部14に嵌合させた状態では、ワイヤ12は、接続部13から針11の軸心Pに沿って配設され、先端11aから突出するように溝部14に収納される。この場合、針11の先端11aがワイヤ12の延設方向に一致するようになる。
一方、図2Cに示すように、ワイヤ12を溝部14から脱離させた状態では、針11の先端11aからワイヤ12が取り除かれる。この場合、針11の先端11aから皮膚へ刺入することができるため、先端11aに設けられていたワイヤ12に阻まれることなくスムーズに刺入することができ、これにより針11の先端11aやワイヤ12の損傷を防止する。
また図2B及びCに示すように、溝部14は、接続部13側における内側の側壁に傾斜部15を有する。傾斜部15は、溝部14の接続部13側に形成され、断面形状が軸心Pに対して基端11b方向に傾斜を有するように形成されている。尚、傾斜部15の形状は、軸心Pに対して基端11b方向に角度を有していればよく、例えば平面形状や曲面形状となっていてもよい。また、傾斜部15は、溝部14の開口に向かって開口幅を広げるテーパー形状であり、傾斜部15が曲面を有する形状であることが好ましい。
したがって、ワイヤ12を針11の溝部14から脱離させた状態で針11の基端11b側に引いた場合、傾斜部15を有することにより、ワイヤ12と溝部14との接点において集中荷重を生じることないため、ワイヤ12に負荷がかからず変形することもない。
また、溝部14の内径は、ワイヤ12の素材、形状に合わせて容易に嵌合できる径とし、適宜定められる。好ましくは、ワイヤ12が溝部14に嵌合された状態を維持できる程度の径とし、例えば溝部14とワイヤ12との径がほぼ等しいものとする。また、溝部14は、針11の側周面11cから軸心P方向に開口径が狭まるようなテーパー形状、又は、軸心Pから側周面11c方向に開口径が狭まるような逆テーパー形状としても良い。
尚、針11は、ワイヤ12を溝部14に嵌合させた状態を維持するための固定部が形成されていてもよい。例えば、溝部14内に嵌合されたワイヤ12が先端11aからずれないように、針11の先端11a側につめ状の固定部を設けて、嵌合させる際及び脱離される際にある程度の押圧力を要する構成としてもよい。また、固定部は、針11の先端11a側に限られず、例えば溝部14内の所望の位置に形成されていてもよい。溝部14を逆テーパー形状とした場合には、溝部14の開口全体がつめ状の固定部となる。
また、針11には、先端11aから基端11b方向に等間隔の目盛り等の目印がついていてもよい。目印はマーカーによって印されていてもよいし、針に予め溝が付けられていてもよい。これにより、目盛りにしたがって刺入の深さを確認しながら針11の先端11aを刺入することができる。
(ワイヤ12)
ワイヤ12は、生体の皮下組織に所望のレイアウトで電極リードやカテーテル等を植え込むための誘導に用いられる医療デバイスである。そして、ワイヤ12は、その近位端が針11の接続部13において接続され、接続部13から針11の軸心Pに沿って先端11a方向に延設される。また、ワイヤ12の遠位端には、例えば刺激電極を有する電極リード等、皮下に埋設される細線状の他の医療デバイスが接続可能な構成となっている。
以上のようなワイヤ12は、いわゆる医療用のガイドワイヤまたは牽引ワイヤであって、柔軟性、復元性、強い引っ張り強度を有し、かつ生体適合性がある素材で形成されているものが好ましい。このようなワイヤ12の構成材料としては、金属材料で構成されているのが好ましく、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等)、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。)などの各種金属材料を使用することができるが、超弾性合金であるのが好ましい。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに復元性があり、曲がり癖が付き難い。
ワイヤ12を超弾性合金で構成することにより、ワイヤ12の近位端側にも十分な曲げに対する柔軟性と復元性が得られ、また湾曲・屈曲する形状に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られる。そして、ワイヤ12が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、復元性により曲がり癖が付かないので、ワイヤ12を埋設する際に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。これにより、皮下組織にワイヤ12を所望のレイアウトで埋設できる。尚、ワイヤの材料はこれに限定されず、柔軟性、復元性、強い引っ張り強度を有し、かつ生体適合性がある素材であればどのようなものであってもよい。
牽引ワイヤとしての用途を優先する場合は、柔軟性、強い引っ張り強度を有する自然材料や樹脂材料であっても良い。例えば、絹糸、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンなどの材料も使用することができる。
ワイヤ12の直径は、溝部14内に嵌合される大きさであるとする。また、ワイヤ12の直径は、近位端側と遠位端側で変えてもよい。この場合のワイヤ12の直径は、近位端側では溝部14内への収納性が良好となるように1.0mm未満とし、遠位端側では針デバイス10が皮下組織内をスムーズに走行できるようにする観点から針11よりも小さく、遠位端に接続される電極リード等の他の医療デバイスよりも大きい1.0〜2.0mm程度とすることが好ましい。また、ワイヤ12の全長は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
尚、本実施形態の針デバイス10は、針11の先端11aから針の軸心Pに沿った方向に延設されたワイヤ12を有していれば、上述した構成に限られない。例えば、針11の先端11a側に溝部14を設けずにワイヤ12が延設されていてもよい。
(効果)
このような針デバイス10によれば、針11の先端11aから針11の軸心Pに沿った方向にワイヤ12が延設されることにより、一度皮下にワイヤ12を貫通させた状態とした後、方向を変えて再度皮下に埋設する場合に、ワイヤ12が引き出された同一の針穴に針11の先端11aを誘導することができる。これにより、先端11aが誘導された針穴を連結点として、所定方向に向けて皮下組織に連続して針11の先端11aを進めていくことが可能となり、生体に低侵襲で、ワイヤ12を所望のレイアウトで埋設することが可能となる。また、針11に溝部14を設けてワイヤ12の嵌合を自在にしたことにより、針11の先端11aからワイヤ12を取り除いた状態とすることもできる。これにより、ワイヤ12が取り除かれた針11の先端11aからの刺入が可能となり、初回の穿刺時に針11をスムーズに皮膚へ刺入することができる。この結果、針11の先端11aやワイヤ12の損傷を防止することができる。
[1−2.針デバイスの変形例1]
次に、変形例1を説明する。図3Aは、変形例1の針デバイスの平面図である。また、図3Bは、図3Aの針デバイスの針の軸心方向に沿ったB−B断面図である。また、図3Cは、図3Aの針デバイスのワイヤが溝部から離脱された状態のB−B断面図である。また、図3Dは、変形例1の針デバイスに用いられるワイヤの平面図である。
図3Aに示す変形例1の針デバイス20は、針21に対してワイヤ22が後付けで固定される構成である。
図3A〜Cに示す変形例1の針デバイス20は、針21と、針21の先端21aから針の軸心Pに沿った方向に延設されるワイヤ22とを有する。また、針21は、コネクタ部23と溝部24とを有し、溝部24とコネクタ部23との間にワイヤ固定部25を備える。また、ワイヤ22は、その近位端にボール26を有する。
(針21)
図3Aに示すように、針21は、先端21aから針21の軸心Pに沿って設けられた溝部24と、溝部24における針21の基端21b側に設けられたコネクタ部23とを有する。また、針21は、溝部24とコネクタ部23との間にワイヤ固定部25を備えている。尚、針21の構成材料、外径形状等は、先の図2Aに示した針11と同様のもので構成される。
溝部24は、針21の先端21a側の軸心P上に沿って設けられ、ワイヤ22の嵌合が自在な開口形状を有している。また、溝部24は、針21の基端21b側に設けられたコネクタ部23と連続的に形成されている。
コネクタ部23は、針21とワイヤ22とが接続される部分であり、次に説明するワイヤ22に設けられたボール26が収納される内部形状を有しており、溝部24から連続する凹部形状を有している。
コネクタ部23の内部形状は、溝部24から連続する凹部形状であり、ボール26を収納でき、スムーズに回転できる程度の広さを有する。
図3Bに示すように、コネクタ部23は、ボール26が収納された状態において、例えば針21の軸心P上にボール26の中心が位置するような凹部形状を形成している。尚、コネクタ部23の内部形状は、針21の先端21aにワイヤ22が延設されるような構成であればどのような形状でもよく、例えば針21の軸心Pから外れた位置にボール26の中心が位置するように形成されていてもよい。
ワイヤ固定部25は、例えば溝部24の開口幅を部分的に狭めた構成であり、コネクタ部23側の溝部24の開口に設けられ、外圧により溝部24の開口の一部分をワイヤの直径よりも小さく狭めることができる構成となっている。すなわち、図3Aに示すように、溝部24はボール26をコネクタ部23へ収納した後、溝部24の幅方向の両側からワイヤ固定部25を挟み込むように押圧力をかけることで溝部24の開口が狭められる構成となっている。そして、コネクタ部23側の溝部24の開口をワイヤ22の直径よりも狭めることにより、針デバイス20の使用時に針21とワイヤ22とが外れないように固定される。
したがって、例えば図3Bに示すように、ワイヤ22を溝部24に嵌合させた状態では、ワイヤ22は、コネクタ部23から針21の軸心Pに沿って配設され、先端21aから突出するように溝部24に収納される。この場合、針21の先端21aがワイヤ22の延設方向に一致するようになる。
一方、図3Cに示すように、ワイヤ22を溝部24から脱離させた状態では、ワイヤ固定部25においてワイヤ22が溝部24内に固定されるため、ワイヤ22が針21から脱離することはない。またこれにより、針21の先端21aからワイヤ22が取り除かれ、ワイヤ固定部25にワイヤ22が接するようにして基端21b方向に延設される。この場合、針21の先端21aから皮膚へ刺入することができるため、初回の穿刺時に先端21aに設けられていたワイヤ22に阻まれることなくスムーズに刺入することができ、これにより針21の先端21aやワイヤ22の損傷を防止する。
また、先の図2Aに示す針デバイス10と同様に、針21の先端21aには、ワイヤ22を固定するための固定部が設けられていてもよいし、先端21aから基端21b方向に等間隔の目盛り等の目印がついていてもよい。
(ワイヤ22)
ワイヤ22は、図3Dに示すように、ワイヤ22の近位端にボール26を有するボール付ワイヤである。尚、ワイヤ22の構成材料、外径形状等は、先の図2Aに示したワイヤ22と同様のもので構成される。
ワイヤ22の近位端に接続されたボール26は、針21のコネクタ部23に収納される。ボール26の構成材料は、生体適合性がある素材で形成されており、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン又はチタン合金のような金属材料で構成されている。ただし、これに限定されず、生体適合性がある素材であればどのようなものであってもよい。
(効果)
このような針デバイス20によれば、第1実施形態の針デバイス10の効果に加えて、針21に対してワイヤ22が後付けで固定される構成であることにより、目的の用途に合わせて選択された針21とワイヤ22をそれぞれ組み合せることが可能となる。これにより、埋め込み領域の大きさや埋め込み部分を問わず、皮下に医療デバイスを所望のレイアウトで埋設することが可能となるため、治療範囲の選択の幅が広がる。
[1−3.針デバイスの変形例2]
次に、変形例2を説明する。図4Aは、変形例2の針デバイスの平面図である。また、図4Bは、図4Aの針デバイスの針の軸心方向に沿ったC−C断面図である。また、図4Cは、図4Aの針デバイスのワイヤが溝部から離脱された状態のC−C断面図である。
図4Aに示す変形例2の針デバイス30は、溝部及びコネクタ部の形状が図3Aに示す針デバイス20とは異なる。このため、変形例1と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4A〜Cに示す変形例2の針デバイス30は、先端21aから針21の軸心Pに沿って設けられた溝部34と、溝部34における針21の基端21b側に設けられたコネクタ部33と、コネクタ部33の基端21b側に設けられた傾斜部35を備えて構成されている。
溝部34は、針21の先端21a側の軸心P上に沿って設けられ、ワイヤ22の嵌合が自在な開口形状を有している。また、溝部34は、コネクタ部33と連続的に形成される。尚、溝部34の開口は、コネクタ部33の開口と連続的に形成され、開口幅は先端21aからコネクタ部33に至るまでワイヤ22が嵌合できる幅に形成されている。
コネクタ部33は、ワイヤ22に設けられたボール26が収納される内部形状を有しており、溝部34の基端21b側において溝部34から連続する凹部形状を有している。また、コネクタ部33は、基端21b側に連続する傾斜部35を有している。また、コネクタ部33は、ボール26をコネクタ部33内にはめ込んだ状態で、コネクタ部33上の開口がボール26の直径よりも狭められる構成となっている。上記以外は、先の図2Aに示すコネクタ部23と同様の構成である。
これにより、ワイヤ22を溝部34から脱離させた場合であっても、ボール26がコネクタ部33から脱離することはなく、ワイヤ22が針21から脱離することはない。
またコネクタ部33は上述した構成に限られず、ボール26をコネクタ部33内にはめ込んだ状態で、ボール26がコネクタ部33から抜けない構成であれば、例えばボール26が熱等により伸縮自在な素材からできたものを用いることにより、コネクタ部33の開口から抜けない構成としてもよい。この場合、コネクタ部33の開口は、ボールが縮んだ際の最小直径よりも大きく、かつ膨張した際の最大直径よりも小さく形成する。また、コネクタ部33の内部形状は、膨張した際の最大直径におけるボールが収納できる程度の広さとし、スムーズに回転できる程度の広さを有する。
以上のように、ワイヤ22のボール26を熱等により伸縮自在な素材を用いて構成する場合には、その材料としては、特に限定されず、生体適合性がある素材であって、熱膨張制御の可能な金属材料や合金等であればどのようなものであってもよい。
傾斜部35は、図4B及びCに示すように、コネクタ部33の基端21b側における内側の側壁に連続して設けられ、断面形状が軸心Pに対して基端21b方向に傾斜を有するように形成されている。尚、傾斜部35の形状は、軸心Pに対して基端21b方向に角度を有していればよく、例えば平面形状や曲面形状となっていてもよく、コネクタ部33の開口に向かって開口幅を広げるテーパー形状であり、傾斜部35が曲面を有する形状であることが好ましい。
したがって、ワイヤ22を針21の溝部34から脱離させた状態で針21の基端21b側に引いた場合、コネクタ部33の基端21b側に傾斜部35を有することにより、ワイヤ22とコネクタ部33の開口部分との接点において集中荷重を生じることないため、ワイヤ22に負荷がかからず変形することもない。
(効果)
このような針デバイス30によれば、変形例1の針デバイス20の効果に加えて、コネクタ部33の基端21b側に傾斜部35を有することにより、ワイヤ22とコネクタ部33の開口部分との接点において集中荷重を生じることないため、ワイヤ22に負荷がかからず変形を防止できる。
(針デバイスと医療器具との接続機構)
次に、上述した第1実施形態に係る針デバイス10におけるワイヤ12の遠位端と電極リード等の医療デバイスとの接続機構を簡単に説明する。尚、この接続機構は上述した変形例1及び2に係る針デバイス20及び30にも適用できる。
図5はネジ付きワイヤ式の接続機構である。また、図6は、ボール付ワイヤ式の接続機構の上面側からの平面図である。また、図6Bは、図6Aのワイヤ12の軸心方向に沿った縦断面図である。また、図7は、スーチャーホール式の接続機構である。
図5に示す、針デバイス10におけるワイヤ12の遠位端には、ネジ41が一体形成され電極リード等の医療デバイス40の一端に設けられたコネクタ部43と接続される。
また、接続機構は、図6A及びBに示すように、ワイヤ12の遠位端にボール46を有するボール付きワイヤであってもよい。この場合、電極リード等の医療デバイス40の一端には、ワイヤ12のボール46が嵌合可能なコネクタ部43が形成されている。尚、コネクタ部43は先の図3Aに示した針21に設けられたコネクタ部23と同様の形状であってもよい。
また、図7に示すように、ワイヤ12の遠位端が電極リード等の医療デバイス40の一端に結びつけられた形状であってもよい。
[1−4.第1の医療デバイスの埋設方法]
次に図8A〜図9Fを用いて、第1実施形態に係る針デバイス10を用いた皮下組織内への医療デバイスの埋設方法を説明する。図8A〜図9Fは、第1の医療デバイスの埋設方法を示す説明図である。
[図8A]
まず、図8Aに示すように、針11の先端11aを皮下組織へ刺入する。この際、針デバイス10においてワイヤ12を溝部14から脱離させた状態とする。これにより、針11の先端11aに設けられていたワイヤ12に阻まれることなく、針11の先端11aを刺入するとともに、針11の先端11aによるワイヤ12の損傷を防止する。
この際、針11の先端11aに刺入の深さ位置を示す目印付きの針11の場合には、その目盛りにしたがって刺入の深さを確認しながら針11の先端11aを刺入する。また、皮下組織は繊維密度が低い結合組織からなるため、表皮及び真皮と異なり抵抗が少なく刺入することができる。このため、刺入深さを刺入感覚で定めてもよいし、経験に基づき皮下組織をつまみ上げて厚みを確認した上で刺入してもよい。
尚、刺入する深さは、針11の先端11aが先の図1に示す皮膚組織S内の皮下組織3まで到達する位置までとし、皮膚表面から5mm〜10mmの深さ位置とする。
また、針11の刺入角度は、90°が好ましい。
[図8B]
次に図8Bに示すように、皮膚表面からの深さ位置を保持しつつ、針11の先端11aを所定方向に押し進め、刺入した針穴S1(以下、第1の刺入口S1とする)から離間した所定位置において、針11の先端11aを皮膚表面から突出させる。
[図8C]
次に図8Cに示すように、針デバイス10を、皮下組織から皮膚表面上へ引き出す。この際、ワイヤ12の遠位端を第1の刺入口S1側に残した状態でワイヤ12を皮下に貫通させた状態とする。
[図9D]
次に図9Dに示すように、第1の刺入口S1から突出しているワイヤ12を遠位端側に牽引することにより、針11の先端11aを針デバイス10が引き出された位置に誘導する。この際、針デバイス10のワイヤ12を針11の溝部14に嵌合させ、針11の先端11aからワイヤ12を突出させた状態とする。これにより、針11の先端11aをワイヤ12の延設方向に確実に一致させることができる。尚、針11の溝部14がワイヤ12とほぼ同じ径のものを用いた場合には、押圧力により嵌合させ、針11の先端11aに固定部が設けられている場合には、押圧力によりはめ込むことで嵌合させる。
そして、針11の先端11aが誘導された位置を新たな刺入口(以下、第2の刺入口S2とする)として、先端11aを皮下組織まで刺入する。
[図9E]
次に図9Eに示すように、皮膚表面からの深さ位置を保持しつつ、針11の先端11aを所定方向に押し進め、第2の刺入口S2から離間した所定位置において、針11の先端11aを皮膚表面から突出させる。例えば、疼痛領域等を囲む場合においては、針11の先端11aをすでに皮下に埋設されているワイヤ12の延設方向に対して角度をつけて押し進め、皮膚表面に突出させる。
[図9F]
次に図9Fに示すように、針デバイス10を、皮下組織から皮膚表面上へ引き出すことにより、第1の刺入口S1から針デバイス10が引き出された位置まで皮下組織内においてワイヤ12を貫通させた状態とする。
以上の後には必要に応じて、上述した図9D〜Fを用いて説明した工程を繰り返すことにより、先端11aが誘導された針穴を連結点として、所定方向に向けて皮下組織に連続して針11の先端11aを進めていき、これにより、皮下組織内に医療デバイスとしてワイヤ12を所望のレイアウトで埋設した状態とする。
その後は、例えばワイヤ12をガイドワイヤとして誘導させることで、電気刺激リード等の長尺状の医療デバイスを皮下組織内に挿通させることができる。
尚、上述した埋設方法は、皮下組織に限られずどの深さ位置においても埋設可能である。また、上述した変形例1及び2に係る針デバイス20及び30においても適用できる。
(効果)
このような第1の医療デバイスの埋設方法によれば、針11の先端11aからワイヤ12を延設させた針デバイス10を用い、ワイヤ12が引き出された同一の針穴に針11の先端11aを誘導することにより、先端11aが誘導された針穴を連結点として、所定方向に皮下に連続して針11の先端11aを進めていくことが可能となる。この結果、生体に低侵襲で、かつ医療デバイスとしてワイヤ12を所望のレイアウトで埋設することが可能となる。
したがって、例えば末梢神経野刺激療法(PNFS)に用いる場合に、上述した第1の医療デバイスの埋設方法によれば、腰痛治療で疼痛領域を連続して囲むことができるため、生体に低侵襲で、電極刺激リード等を所望のレイアウトで埋設することが可能となる。また、脊髄電気刺激療法(SCS)に用いる場合に、電気刺激リードと、生体の所定の位置に埋設された電気刺激装置とを接続する中継リードを皮下に埋設する必要がある。この場合においても、第1の医療デバイスの埋設方法によれば、所定方向に向けて皮下組織に連続して針11の先端11aを進めていくため、同様の効果が得られる。
<2.第2実施形態:針の基端側にワイヤが接続された例>
[2−1.埋設補助具の構成]
次に、本発明の第2実施形態に係る埋設方法として、基端側にワイヤが接続された針デバイスを用いて皮下に医療デバイスを埋設する方法を説明する。この埋設方法を説明するに先立ち、まずこの埋設方法に用いる埋設補助具の構成について説明する。図10は、埋設補助具の平面図である。
(埋設補助具50)
図10に示す埋設補助具50は、針が穿通する中空管51であって、中空管51の側部に突起部52を有して構成される。
中空管51は、一方の開口端を先端51aとし、ある程度の剛性を有する素材で形成され、例えば医療用シース等の刺入性に優れ、かつ生体適合性がある素材で形成されている。このような中空管51の構成材料としては、例えばナイロン、ポリエチレン等の樹脂材料を使用することができる。ただし、これに限定されず、刺入性に優れ、かつ生体適合性がある素材であればどのようなものであってもよい。
また、中空管51は、その構成材料によって透明なもので構成されていてもよい。
また、中空管51は、突起部52から先端51aに向けて外径が狭くなるテーパー形状を有して構成される。中空管51の長手方向の長さは、中空管51内を穿通させる針よりも短い長さを有して構成される。尚、中空管51は、突起部52から先端51aに向けて外径が狭くなるテーパー形状に限られず、例えば突起部52と先端51aにおける中空管51の外径が同一であってもよい。
中空管51の先端51a側の内径W1は、この埋設補助具50とともに用いられる針とワイヤ、及び、2本のワイヤ同士がスムーズに中空管51内を挿通できる程度の直径とする。また、中空管51におけるもう一方の開口端である基端51b側の内径W2は、先端51a側の内径W1よりも広いものとする。これにより、中空管51の基端51b側から針11の先端11aをスムーズに挿入することができる。尚、本実施形態では、中空管51の基端51b側の内径W2を、先端51a側の内径W1よりも広いものとしたが、これに限られず、例えば先端51a側の内径W1と基端51b側の内径W2とが同じであってもよい。
また、中空管51の開口形状は、円形状であってもよいし、例えば、針の通路とワイヤの通路とを連結して一つの通路とした形状であってもよい。尚、連結部の開口幅はワイヤの直径よりも大きいこととする。
突起部52は、図10に示すように、例えば中空管51の側部の外周に沿って設けられたフランジ状であり、中空管51の先端51aから所望の位置に形成されている。突起部52から先端51aまでの長さLは、皮膚表面からワイヤが埋め込まれる深さに相当し、例えば皮下組織にワイヤを埋設する場合には5〜10mmが好ましい。これにより、皮膚表面から所望の深さ位置にワイヤを埋め込むことが可能となる。
また、突起部52は、中空管51に固定されていてもよいし、例えば中空管51の側部に沿ってスライド可能とし、任意の位置で固定される構成であってもよい。突起部52が中空管51の側部に沿ってスライドする場合には、突起部52から先端51aまでの長さLを適宜選択できるため、皮膚表面からワイヤが埋め込まれる深さを用途に合わせて調整できる。
この場合の突起部52の固定方法としては、例えば突起部52の外周面から中空管51の厚み方向に固定用の孔部を形成し、その孔部にネジ等で固定されてもよい。
また、中空管51の側部から突起部52の外周までの幅W3は、中空管51の先端51aを皮下に挿入し、そのまま皮膚表面に対して例えば中空管51を水平方向に傾けた場合に、周辺の皮膚と干渉しない程度の幅であって、かつ突起部52がストッパとなって中空管51の挿入深さが規制される大きさであることとする。例えば、幅W3は、2mm〜5mmであることとする。
尚、埋設補助具50は、突起部52を有しない中空管51のみの構成であってもよいし、円筒管に限られず、例えば四角柱や三角柱等の角柱形状であってもよい。また、突起部52を有しない中空管51のみの構成である場合には、中空管51の先端51aから基端51b方向に等間隔の目盛り等の目印がついていてもよい。目印はマーカーによって印されていてもよいし、中空管51に予め溝が付けられていてもよい。これにより、埋設補助具50の先端51aにおいて、皮膚表面からの挿入深さを確認できる構成となっている。
(効果)
このような埋設補助具50によれば、通常の医療用針であって基端側にワイヤが接続された針デバイスであっても、一度皮下に針のワイヤを貫通させた状態とした後、方向を変えて再度皮下に埋設する場合に、埋設補助具50に針を穿通することでワイヤが引き出された同一の針穴に埋設補助具50を誘導することができる。そして、埋設補助具50を誘導された針穴に挿入し、針の先端を埋設補助具50の基端側から挿入することで、ワイヤが引き出された同一の針穴に針の先端を誘導することが可能となる。これにより、埋設補助具50が誘導された針穴を連結点として、所定方向に向けて皮下組織に連続して針の先端を進めていくことが可能となり、生体に低侵襲で、かつ医療デバイスとしてワイヤを所望のレイアウトで埋設することが可能となる。また、埋設補助具50の中空管51に突起部52を設けて構成することにより、皮膚表面から所望の深さ位置にワイヤを埋め込むことが可能となる。
[2−2.第2の医療デバイスの埋設方法]
次に図11A〜図12Hを用いて、第2実施形態に係る皮下に医療デバイスを埋設する方法を説明する。本実施形態において、針デバイス60は、針61と、針61の基端61b側に接続されたワイヤ62とを有して構成されている。尚、図11A〜図12Hは、第2の医療デバイスの埋設方法を示す説明図である。
尚、以降の説明では、針61の鋭利な部分を先端61aと称し、その反対側を基端61bと称する。また、ワイヤ62が針61と接続されている側の端部を「近位端」と称し、これと逆側の端部を「遠位端」と称する。
[図11A]
まず、図11Aに示すように、針61の先端61aを皮下組織へ刺入する。
この際、目印付きの針61の場合には、刺入の深さを確認しながら針61の先端61aを刺入する。この目印はマーカーによって印されていてもよいし、針に予め溝が付けられていてもよい。そして、また、皮下組織は繊維密度が低い結合組織からなるため、表皮及び真皮と異なり抵抗が少なく刺入することができる。このため、刺入深さを刺入感覚で定めてもよいし、経験に基づき皮下組織をつまみ上げて厚みを確認した上で刺入してもよい。
尚、針61の刺入する深さは、例えば針61の先端61aが先の図1に示す皮膚組織Sの皮下組織3まで到達する位置までとし、皮膚表面から5mm〜10mmの深さ位置とする。
また、針11の刺入角度は、90°が好ましい。
[図11B]
次に図11Bに示すように、皮膚表面からの深さ位置を保持しつつ、針61の先端61aを所定方向に押し進め、刺入した針穴S1(以下、第1の刺入口S1とする)から離間した所定位置において、針61の先端61aを皮膚表面から突出させる。
[図11C]
次に図11Cに示すように、針デバイス60を、皮下組織から皮膚表面上へ引き出す。この際、ワイヤ12の遠位端を第1の刺入口S1側に残した状態でワイヤ62を皮下に貫通させた状態とする。
[図11D]
次に図11Dに示すように、皮下から引き出された針61を、埋設補助具50の中空管51の先端51a側から穿通させ、その中空管51の先端51aをワイヤ62が引き出された位置に誘導する。そして、ワイヤ62が引き出された位置を新たな刺入口(以下、第2の刺入口S2とする)として、中空管51の先端51aを皮下組織に挿入する。この際、中空管51の側部に設けられた突起部52がストッパとなることにより、中空管51の挿入深さが規制され、所望の深さ位置に中空管51の先端51aを挿入することができる。
[図12E]
次に図12Eに示すように、中空管51の長手方向が皮膚表面に対して平行となるように中空管51を回動させ、皮下組織を拡張させる。例えば、疼痛領域等を囲む場合においては、中空管51の先端51aをすでに皮下に埋設されているワイヤ62の延設方向に対して角度をつけて回転させる。
[図12F]
次に図12Fに示すように、中空管51により皮膚表面からの深さ位置を保持しつつ、中空管51の基端51b側から針61の先端61aを挿入する。そして、中空管51に沿って針61の先端61aを押し進め、第2の刺入口S2から離間した所定位置において、針61の先端61aを皮膚表面から突出させる。
[図12G]
次に図12Gに示すように、針デバイス60を、皮下組織から皮膚表面上へ引き出す。この際、ワイヤ62の遠位端を第1の刺入口S1側に残した状態でワイヤ62を皮下に貫通させた状態とする。
[図12H]
次に図12Hに示すように、皮膚表面上に引き出されたワイヤ62の近位端を牽引することにより、第2の刺入口S2から皮膚表面上に露出しているワイヤ62を皮下組織内に引き入れ、第1の刺入口S1から針デバイス60が引き出された位置までワイヤ62を貫通させた状態とする。
尚、ここではワイヤ62の近位端を牽引したが、第1の刺入口S1側においてワイヤ62の遠位端側に牽引してもよい。
以上の後には必要に応じて、上述した図11D〜図12Hを用いて説明した工程を繰り返すことにより、中空管51の先端51aが誘導された針穴を連結点として、所定方向に向けて皮下組織に連続して針61の先端61aを進めていき、これにより、皮下組織内に医療デバイスとしてワイヤ62を所望のレイアウトで埋設した状態とする。
その後は、例えばワイヤ62をガイドワイヤとして誘導させることで、電気刺激リード等の長尺状の医療デバイスを皮下組織内に挿通させることができる。
(効果)
このような第2の医療デバイスの埋設方法によれば、中空管51の先端51aをワイヤ62が引き出された位置に誘導し、この中空管51に針61を穿通させることにより、ワイヤ62が引き出された同一の針穴に針61の先端61aを誘導することができる。これにより、先端61aが誘導された針穴を連結点として、所定方向に皮下に連続して針61の先端61aを進めていくことが可能となる。この結果、生体に低侵襲で、かつ医療デバイスとしてワイヤ62を所望のレイアウトで埋設することが可能となる。
したがって、例えば末梢神経野刺激療法(PNFS)に用いる場合に、上述した第2の医療デバイスの埋設方法によれば、腰痛治療で疼痛領域を連続して囲むことができるため、生体に低侵襲で、電極刺激リード等を所望のレイアウトで埋設することが可能となる。また、脊髄電気刺激療法(SCS)に用いる場合に、電気刺激リードと、生体の所定の位置に埋設された電気刺激装置とを接続する中継リードを皮下に埋設する必要がある。この場合においても、第1の医療デバイスの埋設方法によれば、所定方向に向けて皮下組織に連続して針61の先端61aを進めていくため、同様の効果が得られる。
尚、以上においては、第2の医療デバイスの埋設方法として、針の基端側にワイヤを固定した針デバイス60と、埋設補助具50となる中空管51とを用いた医療デバイスの埋設方法を説明した。しかしながら、図11A〜図12Hを用いて説明した第2の医療デバイスの埋設方法は、第1実施形態で説明した針デバイス10、およびその変形例1、2として説明した構成の針デバイス20及び30を用いても同様に行うことができ、同様の効果を得ることが可能である。
また、本発明は上述した実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
S…皮膚組織
1…表皮
2…真皮
3…皮下組織
10,20,30,60…針デバイス、
11,21,61…針
11a,21a,51a,61a…先端
11b,21b,51b,61b…基端
11c…側周面
12,22,62…ワイヤ
13…接続部
14,24,34…溝部
15,35…傾斜部
23,33,43…コネクタ部
25…ワイヤ固定部
26,46…ボール
40…医療デバイス
41…ネジ
50…埋設補助具
51…中空管
52…突起部
S1…第1の刺入口
S2…第2の刺入口
W1,W2…内径
W3…幅
L…長さ

Claims (7)

  1. 医療用の針デバイスであって、
    針と、
    前記針の先端から当該針の軸心に沿った方向に延設されたワイヤと、を有する
    針デバイス。
  2. 前記針は、前記針と前記ワイヤが接続された接続部から前記針の先端まで軸心に沿って設けられた溝部を有し、
    前記ワイヤは、前記溝部内に嵌合自在に前記接続部に対して接続されている
    請求項1に記載の針デバイス。
  3. 針と、前記針の先端から当該針の軸心に沿った方向に延設されたワイヤと、を有する針デバイスを用いて皮下に医療デバイスを埋設する医療デバイス埋設方法であって、
    前記針の先端を皮下に刺入し、その刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出すことにより、前記ワイヤの遠位端を前記刺入口に残した状態で当該ワイヤを皮下に貫通させた状態とする第1の工程と、
    前記刺入口から突出している前記ワイヤの遠位端を牽引することにより前記針の先端を前記ワイヤが引き出された位置に誘導する第2の工程と、
    前記針の先端が誘導された位置を新たな刺入口として前記針の先端を皮下に刺入し、当該新たな刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出す第3の工程とを有する
    医療デバイスの埋設方法。
  4. 前記第3の工程の後に、前記第2の工程と第3の工程とをこの順に繰り返し行うことにより所定のレイアウトで前記ワイヤを皮下に埋設する
    請求項3に記載の医療デバイスの埋設方法。
  5. 皮下に医療デバイスを埋設する医療デバイス埋設方法であって、
    基端側にワイヤが接続された針の先端を皮下に刺入し、その刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出すことにより、前記ワイヤの遠位端を前記刺入口に残した状態で当該ワイヤを皮下に貫通させた状態とする第1の工程と、
    皮下から引き出された前記針を中空管に穿通させ、当該中空管を前記ワイヤが引き出された位置に誘導する第2の工程と、
    前記中空管が誘導された位置を新たな刺入口として前記中空管を介して前記針の先端を皮下に刺入し、当該新たな刺入口から離間した位置において当該針を皮下から引き出す第3の工程とを有する
    医療デバイスの埋設方法。
  6. 前記第3の工程の後に、前記第2の工程と第3の工程とをこの順に繰り返し行うことにより所定のレイアウトで前記ワイヤを皮下に埋設する
    請求項5に記載の医療デバイスの埋設方法。
  7. 前記ワイヤの遠位端に細線状の医療デバイスを接続させ、前記ワイヤの近位端を牽引することにより、医療デバイスを皮下に引き込み所定のレイアウトで埋設する
    請求項4〜6のいずれか一項に記載の医療デバイスの埋設方法。
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