本出願は、2007年6月27日に出願された米国特許仮出願第60/946,687号の利益を主張するものであり、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
従来のロボット駆動装置、例えば、真空環境で用いる駆動装置などでは、真空またはその他の制御された環境で玉軸受やころ軸受を使用し、ロボット駆動装置の駆動シャフトを支持している。駆動シャフトを支持する軸受は、金属疲労や軸受の不具合を防止するために、様々な潤滑剤を使用することがある。通常、特別に調合した低蒸気圧グリースが、真空または制御された環境でロボット駆動装置の軸受を潤滑するために使用されている。
しかし、ロボット操作環境で蒸気圧と温度とが低下するとグリースの潤滑性も低下するため、ロボット駆動装置の軸受を潤滑するためにグリースを使用することには限界がある。また、グリースは、例えば、ガス抜けなどにより、真空またはその他の制御された環境で汚染源にもなりうる。さらに、従来のロボット駆動装置で用いるグリースは分解し、軸受から移動し、処理環境を汚染する可能性がある。そのようなグリースは、位置フィードバックエンコーダに移動するグリースの屑のために、モータフィードバックシステムの故障の原因になり得る。
非接触型軸受システムを用いるロボット駆動装置システムを使用し、接触面にグリースやその他の潤滑剤の使用を避けることができれば、利点になるであろう。さらに、システムを駆動するモータの数を増やすことなく可動性を高めることができるロボット駆動装置システムを使用すれば、利点になるであろう。
図1は、例示的実施形態による特徴を組み入れた、基板処理装置100の斜視図を示している。開示する実施形態は、図面に示されている実施形態を参照して記述されるが、当該実施形態は、多数の代替的な実施形態に組み込むことができることを理解されたい。さらに、あらゆる適切な大きさ、形状、もしくはタイプの部材または材料を使用することもできる。
当該例示的実施形態は、大気、真空、または制御された環境などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な環境で、例えば、基板の搬送、基板の揃え、または任意の他の適切な機能において使用されうるロボット駆動装置の信頼性、清浄度、および真空性能を増加させうる。例示的実施形態のロボット駆動装置は、モータのスピンドルを磁力で支持するように、また、スピンドルの例えば水平面での移動や、例えば垂直面に対しての傾斜を可能にするようにスピンドルを操作するように構成されている巻線を含んでもよい。水平面および垂直面は便宜上言及されているに過ぎないこと、また、スピンドルは、後述するように、任意の適切な座標系に関して移動や傾斜しうることに注意されたい。下記で詳述する例示的実施形態は、特に多関節アームおよび回転型駆動装置を有する搬送装置または位置決め装置に関してであるが、例示的実施形態の特徴は、任意の他の適切な搬送または位置決めのシステム、基板を回転させる任意のその他デバイス(基板アライナなど)、および回転型または直線型の駆動装置(リニア駆動装置)を伴う任意の他の適切な機械などの(ただし、これらに限定されない)その他の装置に同様に適用できる。
図1に示す基板処理装置100は、例示的実施形態による特徴を組み入れた、代表的な基板処理ツールである。この例では、処理装置100は、一般的なバッチ処理ツール構成を有するものとして示されている。代替の実施形態では、ツールは任意の所望の構造を有してもよく、例えば、基板の単一の工程処理を行うように構成されているツールであってもよい。他の代替の実施形態では、基板装置は、ソータ、ストッカ、計測装置などの任意の所望のタイプでもよい。装置100で処理される基板215は、液晶表示パネル、半導体ウェハ(200mm径、300mm径、450mm径などのウェハ)や、その他の所望の径の基板、基板処理装置100での処理に適した任意のその他のタイプの基板、ブランク用基板、または特定の寸法や特定の質量などの基板に類似する特性を有する物などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な基板でもよい。
この実施形態では、装置100は通常、フロントセクション105を有してもよく、フロントセクション105は、例えばミニ環境と、雰囲気が隔離された隣接するセクション110とを形成し、セクション110は例えば真空チャンバとして機能するように装備されてもよい。代替の実施形態では、雰囲気が隔離されたセクションは、不活性ガス(例えば、N2)や、任意のその他の隔離された雰囲気、および/または制御された雰囲気を保持してもよい。
例示的実施形態では、フロントセクション105は通常、例えば1つまたは複数の基板保持カセット115と、フロントエンドロボット120とを有してもよい。フロントセクション105はさらに、例えば、フロントセクション105内に位置するアライナ162やバッファなどの、その他のステーションまたはセクションを有してもよい。セクション110は、1つまたは複数の処理モジュール125と、真空ロボットアーム130とを有してもよい。処理モジュール125は、材料の堆積、エッチング、焼成、研磨、イオン注入クリーニングなどの任意のタイプでもよい。実現可能なものとして、各モジュールの位置は、ロボット参照(基準)フレームなどのような所望の参照フレームに関して、コントローラ170に登録されていてもよい。さらに、1つまたは複数のモジュールは、例えば、基板上の基準(図示せず)を用いて確立された所望の配向にある基板で、基板215を処理してもよい。処理モジュール内の基板の所望の配向も、コントローラ170に登録されていてもよい。真空セクション110はさらに、「ロードロック」と称される1つまたは複数の中間チャンバを有してもよい。図1に示す実施形態は、ロードロックA135およびロードロックB140の2つのロードロックを有する。ロードロックAおよびBはインターフェースとして機能し、真空セクション110にある真空の保全性を失うことなく、基板がフロントセクション105と真空セクション110との間で通過できるようにする。基板処理装置100は通常、基板処理装置100の動作を制御するコントローラ170を含んでいる。1つの実施形態では、コントローラは、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとして援用する、2005年7月11日出願の米国特許出願第11/178,615号に説明されているような、クラスタ型制御アーキテクチャの一部でもよい。この例では、コントローラ170は、プロセッサ173とメモリ178とを有している。上記の情報の他に、メモリ178は、基板の偏心および位置ずれの検出と修正とをその場で行う技術などのプログラムを含んでもよい。メモリ178はさらに、装置のセクション105、110の処理モジュールおよびその他の部分やステーションの温度および/または圧力、処理中の基板215の時間的情報、基板の計量に関する情報などの処理パラメータを含んでもよい。また、メモリ178は、その場で基板の偏心を判定するために、装置および基板のこのエフェメリスデータを適用するためのアルゴリズムなどのようなプログラムを含んでもよい。
この例示的実施形態では、「大気ロボット」とも称されるフロントエンドロボット120は、駆動部150と1つまたは複数のアーム155とを含んでもよい。少なくとも1つのアーム155は、駆動部150に装着されていてもよい。少なくとも1つのアーム155は、1つまたは複数の基板215を保持するための1つまたは複数のエンドエフェクタ165に結合しているリスト160に結合していてもよい。エンドエフェクタは165は、リスト160に回転可能に結合していてもよい。大気ロボット120は、フロントセクション105内で基板を任意の位置に搬送するためのものであってもよい。例えば、大気ロボット120は、基板保持カセット115、ロードロックA135、およびロードロックB140の間で、基板を搬送してもよい。大気ロボット120はさらに、基板215をアライナ162へ、およびアライナ162から搬送してもよい。駆動部150は、コントローラ170からコマンドを受け入れ、それに応じて、大気ロボット120の半径方向の操作、円周方向の操作、上昇方向の操作、複合的な操作、およびその他の操作を行ってもよい。
この例示的実施形態では、真空ロボットアーム130は、セクション110の中央チャンバ175(図1参照)に装着されていてもよい。コントローラ170は、開口部180、185をサイクルさせ、処理モジュール125、ロードロックA135、およびロードロックB140の間で基板を搬送するための真空ロボットアーム130の操作を調整するように機能してもよい。真空ロボットアーム130は、駆動部190と1つまたは複数のエンドエフェクタ195とを含んでもよい。その他の実施形態では、大気ボット120および真空ロボットアーム130は、スカラ(selective compliance assembly robot arm(選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム):SCARA)型ロボット、関節アームロボット、フロッグレッグ型装置、または左右相称搬送装置などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切なタイプの搬送装置であってもよい。
例示的実施形態は、ここでは例えば図2のロボット800のような真空ロボットに関して説明されるが、例示的実施形態は、大気環境、制御された雰囲気の環境および/または真空環境などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な環境で操作を行う、任意の適切な搬送装置またはその他の処理装置(例えば、アライナなど)で用いることができることを理解されたい。さらに、例示的実施形態の態様を組み入れた搬送機は、ロボットアーム130のフロッグレッグ型構成、ロボット120のスカラアーム型構成、関節アームロボット、または左右相称搬送装置などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な構成を有しうることを理解されたい。
例示的なロボット搬送機800が図2に示されている。搬送機は、上アーム810、前アーム820、および少なくとも1つのエンドエフェクタ830を有する、少なくとも1つのアームを含んでもよい。エンドエフェクタ830は、前アーム820に回転可能に結合していてもよく、前アーム820は、上アーム810に回転可能に結合していてもよい。上アーム810は、搬送装置の例えば駆動部840に回転可能に結合していてもよい。例示のみを目的とし、駆動部840は、同軸駆動のシャフトまたはスピンドル(図3参照)を含んでもよい。図3に示すように、この例では、同軸駆動のシャフトまたはスピンドルは、2つの駆動シャフト211、212を有するものとして示されているが、代替の実施形態では、スピンドルは、駆動シャフトを2つより多くまたは少なく有してもよい。他の代替の実施形態では、駆動シャフトは、非同軸であるか、例えば、隣接配置内に構成されてもよい。さらにその他の代替の実施形態では、駆動シャフトは、任意の適切な構成を有してもよい。この例では、同軸駆動シャフトの外部シャフト211は、上アーム810に適切に結合していてもよく、内部シャフト212は、前アーム820に適切に結合していてもよい。この例では、エンドエフェクタ830は、「スレーブ」構成で操作してもよいが、代替の実施形態では、エンドエフェクタ830を操作するために、駆動ユニットに付加的な駆動シャフトが含まれていてもよい。駆動部840は、2つのモータ208、209を含んでもよく、一方のモータは外部シャフトを駆動し、もう一方のモータは内部シャフトを駆動してもよい。2つのモータ208、209は、アーム800が少なくとも2自由度(すなわち、例えば、Z軸での回転と、例えば、X−Y面での伸長)を有するように、アーム800の動作を可能にするものであってもよい。
操作では、同方向で同軸スピンドルの内部シャフト212と外部シャフト211との両方(すなわち、同方向で両方のシャフト)に、回転トルクRzが印加されるように、アーム800は、モータ巻線の駆動により、Z軸で回転してもよい。内部シャフト212と外部シャフト211とが正反対の方向に回転するように、例えば、回転トルクRzを内部シャフト212と外部シャフト211とに印加することにより、アームを延ばしたり、退避させたりしてもよい。後述するように、アームの位置は、内部シャフトおよび外部シャフトの回転の中心T1を制御することにより、微調整してもよい。1つの例示的実施形態によれば、同軸スピンドルの内部シャフト212および外部シャフト211、ならびにアーム800は、後述するように、磁気軸受/モータによって支持してもよい。
1つの例示的実施形態によれば、例えばロボット搬送機800の駆動部840に位置する磁気軸受は、下記で詳述するように、例えば、ロボットのアームリンクを駆動するための、駆動部の1つまたは複数の駆動シャフトに印加された、軸性(軸方向)モーメントおよび動径(径方向)モーメントのロード(荷重)を支持する。搬送機が2つのモータから2自由度より大きい自由度を有するように、駆動シャフトを支持する1つまたは複数の磁気軸受は能動的であってもよく、例えば、磁気軸受は、駆動シャフトの(したがって搬送エンドエフェクタの)制御された動作を可能にしうる、半径方向および軸方向の間隙制御を伴うように構成されてもよい。例示のみを目的とし、例えば、駆動部は、下記で詳述するように、例えば、X方向、Y方向、およびZ方向をはじめ、Rx方向、Ry方向、Rz1方向、およびRz2方向で、6自由度または7自由度を提供してもよい。代替の実施形態では、駆動部は、6自由度または7自由度より多いまたは少ない自由度を提供してもよい。これらの複数の自由度により、例えば、下記で詳述するように、ロボット駆動装置に装着されているアームおよびエンドエフェクタの能動的な平準化と、(基板の心出しのための)位置/配向の微調整とを可能にすることができる。
図3を参照すると、1つの例示的実施形態では、搬送機の駆動部840は、第1のモータ固定子(ステータ)208Sおよび回転子(ロータ)208R(これらは第1のモータ208を形成する)、第2のモータ固定子209Sおよび回転子209R(これらは第2のモータ209を形成する)、ならびに2つの同軸シャフト211、212を含んでもよい。実現可能なものとして、代替の実施形態では、同軸シャフトは、駆動シャフトを、2つより多くまたは少なく有してもよい。この例では、固定子の中心線は、ラインCLに沿って位置するように図3に示されている。駆動部840は2つの固定子208S、209Sを有するものとして示されているが、駆動部は、2つより多いまたは少ないシャフトを駆動するための、任意の適切な数の固定子を含んでもよいことを理解されたい。固定子208S、209Sは、例えば、チャンバ内雰囲気を外部雰囲気から隔離する処理チャンバのハウジングの境界である、例えば、任意の適切な境界210によって、回転アセンブリまたはスピンドル(すなわちシャフト、回転子、およびシャフトに装着されたその他のモータ部品)から隔離されていてもよい。例えば、境界210は、回転子208R、209Rの真空での動作を可能にし、固定子208S、209Sの大気環境での動作を可能にしうる。境界は、例えば、真空環境(負圧環境)で用いられる任意の適切な材料で構成されてもよく、また、磁束短絡を生じたり、磁気相互作用による渦電流および加熱の影響を受けやすくなることなく、磁界内に介在されうる材料で構成されてもよい。
境界はさらに、駆動部の温度を最小限に抑えるために、適切な伝熱装置(例えば、受動的または能動的な装置)に結合していてもよい。この例示的実施形態では、第1のモータ回転子208Rは外駆動シャフト211に結合していてもよく、第2のモータ回転子209Rは内駆動シャフト212に結合していてもよい。図3に示すように、外駆動シャフト211および内駆動シャフト212は、同心または同軸の駆動シャフトでもよいが、代替の実施形態では、駆動シャフトは、並列構成またはその他の非同心的な構成などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な構成を有してもよい。
1つの例示的実施形態によれば、固定子208S、209S、およびそれぞれの回転子208R、209Rは、それぞれのシャフト211、212を磁力により支持し(例えば、示されている実施形態では半径方向とZ方向とに)、それぞれのシャフト211、212の少なくとも回転の中心を制御するように構成されているセルフベアリングモータ/磁気スピンドル軸受を形成してもよい。例えば、モータ208、209は、永久磁石および鉄バッキングを伴う鉄心の固定子と回転子とを含んでもよい。代替の実施形態では、固定子は、回転子と相互作用するための、任意の適切な強磁性体材料を含んでもよい。例えば、Z方向に沿う回転子(ロータ)208R、209Rと固定子(ステータ)208S、209Sとの間の相対位置は、例えば、固定子208S、209Sと回転子208R、209Rとの間の受動的な磁気力により、実質的に一定で維持されうる。固定子208S、209Sと回転子208R、209Rとの間の受動的な磁気力はさらに、例えば、X軸およびY軸における回転子208R、209RのRx配向およびRy配向を安定させうる。モータ巻線は、シャフト211、212を回転させるために、それぞれの回転子208R、209Rに、トルクRz1(シャフト211用)およびトルクRz2(シャフト212用)を印加するように構成されてもよく、また、例えば、X方向および/またはY方向の回転子の回転の中心を制御するために、半径方向力および/または接線力を印加するように構成されてもよい。後述するように、2つの回転子208E、209RのX位置および/またはY位置をオフセットすることにより、スピンドルは傾斜することができる。
ここで図4Aおよび図4Bを参照すると、例えば、搬送ロボット800の駆動部840で用いることができる、1つの例示的実施形態による別の例示的な同軸駆動装置が示されている。この例示的実施形態では、同軸駆動装置1400のモータ1410、1420は、図3に示すように、互いに対して軸方向ではなく、半径方向に位置する。例えば、第1のモータ1410は、第2のモータ1420の半径方向外方に位置していてもよい。代替の実施形態では、モータ1410、1420は、軸方向の構成(すなわち、それぞれ上下に積層されるように)または任意の他の適切な構成で配置してもよい。この例示的実施形態では、第1のおよび第2のモータ1410、1420は、図3に関して上述した回転子および固定子に実質的に類似する固定子1410S、1420Sおよび回転子1410R、1420Rを、それぞれ含んでもよい。ただし、この例示的実施形態の回転子1410R、1420Rは、例えばハウジング1460が形成した通路1451、1450内で、それぞれ位置してもよい。シャフト、プーリ、およびロボットアーム部などの(ただし、これらに限定されない)それぞれの回転要素は、例えば、通路1451、1450の開口部を介し、任意の適切な態様でそれぞれの回転子に装着または結合していてもよい。図3に関して上述した態様に実質的に類似する態様で、例えば、Z方向に沿った回転子1410R、1420Rと固定子1410S、1420Sとの間の相対位置は、例えば、受動的な磁気力により、実質的に一定に維持されてもよい。代替の実施形態では、能動的磁気力は、固定子および回転子の相対的な位置決めを提供してもよい。モータ巻線はさらに、回転子のX−Y平面位置の場所を制御するために、トルクRz1’(回転子1410R用)およびRz2’(回転子1420R用)、また、上述したように、半径方向力および/または接線力を印加するように構成されてもよい。代替の実施形態では、モータはさらに、回転子傾斜も制御するように配置してもよい。
ここで図5を参照すると、例えば、搬送ロボット800の駆動部840で用いることができる、セルフベアリングモータ1300の概略図が示され、回転子1310Rを制御する例示的な磁気力が図解されている。図5に示す単一の回転子/固定子は例示のみを目的とし、モータ1300は、図3および図4に関して上述した構成や並列構成などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な構成を有する、任意の適切な数の回転子/固定子を含んでもよいことを理解されたい。図5の例示的実施形態では、固定子131OSは、上述した固定子208S、209Sに実質的に類似してもよい。回転子1310Rはさらに、上述した回転子208R、209Rに実質的に類似してもよく、回転子は、例えば強磁性体材料でできており、永久磁石1310Mと鉄バッキング1310Bとを含んでもよい。代替の実施形態では、任意の適切な材料で回転子を構成してもよい。他の代替の実施形態では、永久磁石は、固定子と相互作用するための任意の適切な強磁性体材料に置き換えてもよい。回転子マグネット1310Mは、回転子の周辺に装着された、交番極性を有するマグネットの列を含んでもよい。回転子の周辺は、回転子の内側の周辺壁または外側の周辺壁であってもよい。代替の実施形態では、マグネット1310Mは、回転子に組み込まれていてもよい。他の代替の実施形態では、マグネット1310Mは、回転子の上または中の任意の適切な場所に位置していてもよい。固定子1310Sは、下記で詳述するように、励磁時に回転子1310Rを回転駆動させ、半径方向および/または軸方向に移動させる巻線セットを含んでいる。この例示的実施形態では、固定子1310Sは、回転子1310Rとの相互作用に適した強磁性体材料で構成されてもよいが、代替の実施形態では、固定子1310Sは、任意の適切な材料で構成されてもよい。固定子1310Sと回転子マグネット1301Mとの間の相互作用は、矢印1350の方向に、回転子1310Rを受動的に浮上させる受動的な力を生じさせうる。浮上力は、湾曲した磁気磁束線1320、1321の結果であってもよく、例えば、回転子マグネット1310Mのエッジ1360が、固定子1365のエッジに対してオフセットしていることで生成されてもよい。代替の実施形態では、浮上力は、任意の適切な態様で生成されてもよい。受動的な浮上力は、回転子1310Rの軸方向および傾斜方向に沿った安定した平衡状態を生じうる。半径方向力または引力は、例えば、矢印1355、1356の方向の磁気磁束線1330の結果として生じうる。こうした引力は、半径方向に回転子1310Rの能動的な心出しおよび/または位置決めがされるように巻線が励磁され、回転子の幾何中心と所望の位置における回転軸とを維持するような、不安定な状態を起こしうる。
ここで図6A〜6Gを参照すると、異なる実施形態によるモータ208の例示的な概略図が、3つの異なる構成で示されている。実現可能なものとして、モータ209は、モータ208に実質的に類似してもよい。固定子208Sは、トルクの印加、および回転子208Rの回転のための力(例えば、接線力、半径方向力、またはそれらの任意の組み合わせ)を提供し、回転子208Rの回転の中心Cを能動的に制御するために半径方向の位置決め力を提供するような巻線を含んでもよい。こうした例示的実施形態では、別々に制御可能なトルクと軸受力とを同時に生成するために、例えば、コントローラ170が必要に応じて任意の適切な数の電気相でそれぞれを駆動するような巻線セグメントに、モータ208を配置してもよい。例示のみを目的とし、各巻線セットは、3相ブラシレスDCモータの1つのセグメントであってもよい。代替の実施形態では、巻線セグメントは、任意の適切なAC駆動モータまたはDC駆動モータの一部でもよい。そのようなモータ構成の1つの例は、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する、2007年6月27日出願の「REDUCED−COMPLEXITY SELF−BEARING BRUSHLESS DC MOTOR」と題する、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第11/769,651号に説明されている。
図6Aに示す例示的実施形態では、固定子208Sは、それぞれの間で任意の所望の機械角を形成するように配置された巻線セット208SA、208SBの2つのペアを含んでもよく、それらの間で適切に対応する電気角シフトを有し、それぞれのシャフト回転子208Rと共働してセルフベアリングモータを形成してもよい。示されている例では、回転子208Rは、例示目的のみで永久磁石の列を有してもよいが、代替の実施形態では、回転子208Rは、永久磁石を有せず、例えば、強磁性体材料から形成されているか、永久磁石の代わりに回転子208Rに装着されている強磁性体材料を有してもよい。図6Aに示すように、巻線セット208SA、208SBは、互いから180度離れて位置していてもよい。代替の実施形態では、機械角は任意の適切な角度でもよく、図6Aに180度と示されているのは、例示のみを目的としている。さらに、例示的実施形態では、巻線セットの間の電気角は、必要に応じて、回転子208Rが装着されているスピンドルの回転および/または位置決めのための半径方向力または接線力を生成するように形成されてもよい。回転子208Rの回転の中心Cが、例えば、直線経路または任意のその他の所望の経路に沿って調節されうるように、巻線208SA、208SBおよび回転子208Rは、半径方向力または接線力を生成するように構成され、励磁されてもよい。例えば、Y方向で、例えば、巻線208SA、208SBによって生じる半径方向力RFの大きさを変化させることにより、回転子208RはY軸に沿って移動しうる。同様に、例えば、各巻線208SA、208SBによって生じる接線力TFを変化させることによって、回転子208Rは、例えば、下記で詳述するように、X方向に移動されうる。本明細書で説明する回転子の回転の中心Cの動作の方向、および力RF、TFの方向は、例示のみを目的とし、X−Y面における回転子の動作の方向、および力TF、RFの方向は、任意の適切な方向でもよいことに注意されたい。実現可能なものとして、回転子208Rの位置決めおよび/または回転のために半径方向力および接線力が同時に生じるように、半径方向力および接線力は互いに引き離されてもよい。実現可能なものとして、巻線208SA、208SBによって生じた合力により、例えばX−Y面で、回転子208Rは常に中心に維持されてもよい。代替の実施形態では、本明細書で説明するモータは、半径方向力および/または接線力が、回転子をX−Y面の任意の適切な方向に移動させるように、任意の適切な態様で整流されてもよい。
ここで図6Bを参照すると、2つの巻線セット1515、1520を用い、各巻線セットが、例えば2つの巻線サブセット1525、1530、および1535、1540としてそれぞれ配置されている、別の例示的実施形態が示されている。巻線セット1515、1520は、巻線セット1515、1520の駆動に適したソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせを含みうる電流増幅器1550によって駆動されてもよい。電流増幅器1550はさらに、巻線セットを駆動するためのプロセッサ、整流機能、および電流ループ機能を含んでもよい。1つの実施形態では、電流増幅器1550は、例えば、コントローラ170などのような任意の適切なコントローラに含まれていてもよい。代替の実施形態では、電流増幅器1550は、任意の適切な位置に配置してもよい。整流機能は、指定の機能のセットに従って各巻線セット1515、1520の1つまたは複数の巻線1525、1530、および1535、1540に電流を決定してもよく、電流ループ機能は、決定された電流を巻線を介して維持するためのフィードバックおよび駆動の機能を提供してもよい。プロセッサ、整流機能、および電流ループ機能は、位置情報を提供する1つもしくは複数のセンサまたはセンサシステムからフィードバックを受けるための回路を含んでもよい。
図6Bの各巻線セット1515、1520の2つの巻線サブセット1525、1530、および1535、1540はそれぞれ、電気角90度で、互いに対して電気的に結合し、シフトする。その結果、2つの巻線セットのペアうちの一方が純粋な接線力を生じさせるとき、もう一方の巻線セットのペアは純粋な半径方向力を生じさせ、またその逆も起こる。この実施形態では、巻線セット1515は、2つのセクション1530および1525を有し、巻線セット1520は、2つのセクション1540および1535を有している。例えば、ローレンツ力を使用した、図6Bの実施形態のセグメント化されている巻線セット1515、1520のための、X軸に沿った所望のトルク(T)と向心力(Fx)との例示的な関係、およびY軸に沿った所望のトルク(T)と向心力(Fy)との例示的な関係は、上記で本明細書の一部を構成するものとして援用した、「REDUCED−COMPLEXITY SELF−BEARING BRUSHLESS DC MOTOR」と題する、米国特許出願第11/769,651号に説明されている。実現可能なものとして、巻線サブセット1525、1530、1535、1540は約90度でオフセットしているように示されているが、約90度より大きいまたは小さいその他の角度でのオフセットでもよいことを理解されたい。
図6Cに示す例示的実施形態では、固定子は、回転子208Rの3つのセクタに延びる3つの巻線セット208SC、208SD、208SEを含んでもよい。この例では、巻線セットは、例示のみを目的とし、互いから120度離間している。代替の実施形態では、3つの巻線セットは、巻線セット208SC、208SD、208SEによって生じる合力で回転子208R(およびシャフト211)の安定した支持を行うために、約120度より大きいまたは小さい角度になりうる、任意の適切な機械角関係を有してもよい。上に注目したとおり、巻線セット208SC、208SD、208SEはさらに、それらの間で適切に対応する電気角シフトを有し、それぞれのシャフト回転子208Rと共働してセルフベアリングモータを形成してもよい。示されている例では、回転子208Rは、図6Aに関して上述した回転子に実質的に類似してもよい。実現可能なものとして、この例示的実施形態では、回転子208Rの回転の中心Cが、例えば、X−Y面の任意の点に向かって移動でき、上述したような単一の軸に沿う直線移動に限定されないように、巻線208SC、208SD、208SEは、半径方向力、接線力および/または軸力を生成するように構成され、励磁されてもよい。回転子208Sの回転の中心Cの動作は、巻線208SC、208SD、208SEのそれぞれの1つと回転子208Rとの間の空隙Gのみにより制限されうることに注意されたい。
図6Dに示すように、別の例示的実施形態では、固定子208Sは、回転子208Rの4つのセクタに延びる4つの巻線セット208SF、208SG、208SH、208SIを含んでもよい。この例では、巻線セット208SF、208SG、208SH、208SIは、例示のみを目的とし、例えば、角度90度で離れているように示されている。代替の実施形態では、4つの巻線セットは、巻線セットによって生じる合力で回転子208R(およびシャフト211)の安定した支持を行うために、約90度より大きいまたは小さい角度になりうる、任意の適切な機械角関係を有してもよい。上に注目したとおり、巻線セット208SF、208SG、208SH、208SIはさらに、それらの間で適切に対応する電気角シフトを有し、それぞれのシャフト回転子208Rと共働してセルフベアリングモータを形成してもよい。示されている例では、回転子208Rは、図6Aに関して上述した回転子に実質的に類似してもよい。上に注目したとおり、回転子208Rの回転の中心Cが、例えば、X−Y面の任意の点に向かって移動でき、単一の軸に沿う直線移動に限定されず、回転子208Rの回転の中心Cの動作が、巻線のそれぞれの1つと回転子との間の空隙Gのみにより制限されうるように、巻線208SF、208SG、208SH、208SIは、半径方向力および/または接線力を生成するように構成され、励磁されてもよい。
実現可能なものとして、図6A〜6Dで説明した各巻線セグメントは、回転子208Rを操作する力を生じさせるための、任意の適切な数の回路を含んでもよい。例えば、図6Eおよび図6Fにあるように、例えば、ジグザグ状の構成を伴う2つの回路280、281を有しうる巻線の1相は、例示のみを目的として示されている。回路280の電流が回路281の電流より大きくなるように回路280、281を駆動する、図6Eに示す例示的な巻線構成では、例えば、矢印282の方向および逆の方向で、合力を生じさせる。実現可能なものとして、回転力282’も、例えば、回転子208Rに印加されるように、回路280、281は、図6Fに示すように筒状構成を有してもよい。複数の回路巻線を含むモータ例の1つは、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する、米国特許出願公開第2005/0264119号に説明されている。
図6Gは、モータ巻線セグメントによって生じる接線力TF1〜TF4が、回転子の動作の制御のために変化する、別の例示的実施形態を示している。図6Gに示すチャートでは、「+」または「−」の各マークは1ユニットの大きさの力を表すが、接線力は印加され、回転子を半径方向で位置決めする適切な異なる合力を生じさせうることに注意されたい。6Gのチャートに示すマークは、力の方向またはトルクの方向であって、数値ではない。実現可能なものとして、巻線セットにより生じる異なる接線力を変化させることにより、本明細書で説明するようなエンドエフェクタの正確な位置決めまたはスピンドルの傾斜を行うために、それぞれの回転子の半径方向の位置決めを行ってもよい。心出しのために接線力を利用する例の1つは、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する、米国特許第6,707,200号に説明されている。
図6A〜6Gに関して上述したモータ208、209は、2つ、3つ、または4つの巻線セットを伴うように示されているが、モータ208、209は任意の適切な数の巻線セットを有してもよいことを理解されたい。さらに、モータ208、209は上記で、巻線のセットが回転子の浮上、回転、軸方向の位置決め、および平面での位置決めを提供しうるセルフベアリングモータとして説明されていることに注意されたい一方で、別々または個別の磁気軸受(例えば、単独または受動的な永久磁石との組み合わせで、ある程度能動的な軸受を提供する専用の巻線)は、磁力で回転子とそれぞれのシャフトとを支持するために、モータの回転子および固定子とともに、または回転子および固定子とは別に、設けられてもよく、別々の磁気軸受は、例えば、回転子の位置を制御するために使用されることをさらに理解されたい。さらにその他代替の実施形態では、回転子およびシャフトは、任意の適切なアクチュエータなどのような、任意の適切な態様で制御可能に支持してもよい。
ここで図7、図7Aおよび図8を参照すると、搬送ロボット800の駆動部840などのような例示的実施形態の駆動部はさらに、本明細書で説明するような回転子の位置決めのための平面位置決め力(例えば、半径方向力)などの、空隙G(図3参照)における所望の力量を生成する一方で、所望の量の軸剛性および傾斜剛性を生成するように、また、いくつかの軸に沿ったコギングによる外乱を最小限に抑えるための反コギング要素を含むように構成されてもよい。1つの実施形態では、反コギング要素は、モータの固定子に組み込まれているか、モータの固定子の一部として統合されていてもよい。その他の実施形態では、反コギング要素は、固定子から分離していてもよい。反コギング要素は、推進方向、間隙方向、および軸方向に沿うコギングによる外乱が全体として最小限になるような、反コギング要素の各部品によって生じるコギング力の重畳を可能にしうる。反コギング要素を含む適切なモータの1つは、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する、2008年6月27日出願の「揚上機能および低コギングの特性を伴うモータ固定子(MOTOR STATOR WITH LIFT CAPABILITY AND REDUCED COGGING CHARACTERISTICS)」 と題する米国特許出願(代理人整理番号390P012912−US(PAR))に説明されている。
図7に示す回転モータのための例示的な固定子5100は、コギング作用を軽減するまたは最小限に抑える一方で、所望の受動的な軸剛性および傾斜剛性のために構成されてもよい。固定子5100は、固定子5100の第1の表面5110から内方に延びている、2つまたはそれ以上の凹部5105、5175(および5615、5685)を含んでもよい。この例示的実施形態では、凹部は、モータの受動的な軸剛性および傾斜剛性に対する無視できるほどの作用を起こすように構成されてもよい。各凹部は、第1の表面から凹部までの遷移領域を2つ含んでもよい。例えば、凹部5105は、第1の表面5110と凹部5105と間で、第1および第2の遷移領域5115、5120をそれぞれ含んでもよい。遷移領域は、必要に応じて、回転子永久磁石5150、5180上で機能し、回転子に反コギング力を生じさせ、回転子のコギングを最小限に抑えるように構成されてもよく、適切な例は、上記で本明細書の一部を構成するものとして援用した、「揚上機能および低コギングの特性を伴うモータ固定子(MOTOR STATOR WITH LIFT CAPABILITY AND REDUCED COGGING CHARACTERISTICS)」と題する米国特許出願に説明されている。同様に、凹部5175は、第1の表面5110と凹部5175との間で、第1および第2の遷移領域5127、5137をそれぞれ含んでもよい。第1の凹部の遷移領域に類似するものとして、第2の凹部の遷移領域5127、5137(または固定子の反コギングセクション)は、回転子永久磁石5190、5195で機能して回転子に反コギング作用を生じさせる、それぞれの反コギング力を生成するように、適切な形状を有してもよい。実現可能なものとして、凹部5615、5685はさらに、凹部5105、5175に関して説明した遷移領域に実質的に類似する適切な遷移領域を有してもよい。固定子凹部の遷移領域は、軸方向(例えば、図7に示す、固定子の面に対して垂直なZ方向)および接線方向で、コギングを最小限に抑える反コギング力を生じさせるように機能してもよい。図7Aは、回転子上で作用するそれぞれの遷移領域によって生じる力5410、5415と、凹部の遷移領域の反コギング作用(例えば、軸方向の)を示す累積的な力5420の図解を示している。示されている例示的実施形態では、凹部5105、5175(例示目的で、互いに隣接するように示されているが、代替の実施形態では、隣接していなくてもよい)は、組み合わせにより、軸の方向と接線方向との両方でコギングをより最小限に抑えるために互いに共働するように、位置していてもよい。
図7に示す例示的実施形態では、開示する実施形態を駆動するために、2つ程度の巻線セット5685、5690を使用してもよい。巻線セット5685、5690は、1つまたは複数の巻線を含んでもよい。例示的実施形態の態様で使用する巻線セットは、1つまたは複数の凹部に位置する1つまたは複数の巻線を含んでもよく、開示する実施形態での使用に適した任意のタイプの巻線を含んでもよいことを理解されたい。例示的実施形態は、例えば、固定子の選択された凹部に配置された1つまたは複数の巻線セットに分けられている巻線セットなどの、セグメント化されている巻線を含んでもよい。各巻線サブセットは、1つまたは複数の巻線を含んでもよく、開示する実施形態に従ってモータ力を生じさせるように駆動されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、巻線セットは、3相巻線セットとして配置してもよいが、任意の適切な巻線セットの配置を用いてもよい。
図7より実現可能なものとして、固定子5100とともに操作する回転子は、隣接するマグネットが交番極性を伴うような複数の永久磁石を含んでもよい。代替の実施形態では、回転子は、任意の適切な強磁性体材料から形成されていてもよい。マグネット5150、5180、5190、および5195は、図示目的で示されている。図示されているマグネットの間に他のマグネットを分散させてもよいことを理解されたい。
例示的実施形態では、固定子100とその回転子との間の間隙に平行なコギング力である半径方向コギング力の低減を提供してもよい。さらに図7を参照すると、上記で本明細書の一部を構成するものとして援用した、「揚上機能および低コギングの特性を伴うモータ固定子(MOTOR STATOR WITH LIFT CAPABILITY AND REDUCED COGGING CHARACTERISTICS)」と題する米国特許出願に説明されているように、それぞれの凹部によって回転子に生じる力が合成され、半径方向コギング力を低減するように、固定子5100の表面5110の凹部5105、5615を適切に配置してもよい。
ここで図8を参照すると、開示する実施形態により、その他の例示的な反コギング要素6800、6210、6215、6220の概略図が示されている。反コギング要素6800、6210、6215、6220は、強磁性体材料などの(ただし、これに限定されない)任意の適切な材料で構成されてもよい。要素6800、6210、6215、6220の形状は、要素の部品によって生じるコギング力の重畳が、結果的には全体として最小限の推進方向および間隙方向に沿ったコギングによる外乱になるように配置されている。
図8の反コギング要素6800の部品には、内弓状セグメント6805、外弓状セグメント6810、第1および第2の遷移域6815、6820、一連のコイルスロット6825、およびスパン角度6830が含まれている。内弓状セグメント6805は、例えば、永久磁石回転子との相互作用を可能にするように配置してもよい。代替の実施形態では、内弓状セグメント6805は、任意の適切に構成された回転子との相互作用を可能にするように構成されてもよい。コイルスロット6825は、例えば3相巻線セットとして配置された巻線セットを封入してもよい。代替の実施形態では、巻線セットは任意の適切な相数を有してもよい。巻線セットは、例えば、正弦整流方式などのような任意の適切な態様を用いて駆動されてもよい。スパン角6830がその弓状セグメント内で分数マグネットピッチの奇数の数を収容するように、スパン角6830を配置してもよい。代替の実施形態では、スパン角は、任意の適切な数のマグネットピッチを収容するように、配置してもよい。
図8に示す例示的実施形態では、4つの反コギング要素6800、6210、6215、6220が例示目的で使用されている。任意の数の反コギング要素(例えば、4つより多いまたは少ない要素)が使用されうることを理解されたい。1つまたは複数の実施形態では、反コギング要素6800、6210、6215、6220は、互いに実質的に類似してもよく、機械角および電気角で90度離れて位置していてもよい。他の実施形態では、反コギング要素6800、6210、6215、6220は、360度の仮想分数スロットピッチに揃うように、対応するコイルスロット6825、6230、6235、6240からそれぞれ機械角で90度離れているように配置してもよい。いくつかの実施形態では、コイルスロットのサブセットのみがコイルを備えてもよい。代替の実施形態では、反コギング要素は、任意の適切な構成および/または互いに対して機械的および電気的な位置決めを有してもよい。反コギング要素の適切な例は、上記で本明細書の一部を構成するものとして援用した、「揚上機能および低コギングの特性を伴うモータ固定子(MOTOR STATOR WITH LIFT CAPABILITY AND REDUCED COGGING CHARACTERISTICS)」と題する米国特許出願に説明されている。
ここで図9を参照すると、1つの例示的実施形態では、搬送ロボット800の駆動部840などのような駆動部は、ハウジング201内に位置するZ駆動ユニット220、第1の回転モータ208、および第2の回転モータ209を含んでもよい。Z駆動ユニット220およびモータ208、209は、図中ではハウジング201内に位置するように示されているが、代替の実施形態では、Z駆動ユニット220および/またはモータ208、209の任意の部分は、別々のハウジング内に位置していてもよいことを理解されたい。さらにその他の代替の実施形態では、駆動ユニットは、任意の適切な構成を有してもよい。
ハウジング201は、プラスティック、金属、セラミック、複合材料、またはこれらの材料の任意の組み合わせなどの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な材料で構成されてもよい。Z駆動ユニット220は、ガイドレール203、Z駆動装置モータ206、玉ねじ機構207、および台車、すなわちキャリッジ205を含んでもよい。ガイドレール203は、ハウジング201内で台車205をZ方向に沿って直線的に案内するための任意の適切な材料から作られた、任意の適切なガイドレールであってもよい。ガイドレール203は、ハウジングへの各端部で、適切に支持されていてもよい。代替の実施形態では、ガイドレールは、その長さに沿ったいくつかの位置で支持されていてもよく、ハウジング内で片持ち梁式になっていてもよい。台車は、ハウジング内で、直線型軸受204A、204B、および玉ねじ部材207Aによって支持されていてもよい。直線型軸受204A、204B、および玉ねじ部材207Aは、例えば、機械的締め具、化学的締め具、粘着剤、溶接物などのような任意の適切な態様で、台車205に装着されていてもよい。直線型軸受204A、204Bは、直線型ガイドレールと相互に作用し、台車のZ方向における移動を可能にしてもよい。玉ねじ部材207Aは、モータ206が玉ねじ207を回転させているとき、Z方向に沿って台車205を移動させるための、玉ねじ207と相互に作用してもよい。玉ねじ207は、玉ねじ部材を回転自在にする任意の適切な軸受207Bによって、1つの端部において支持されていてもよい。玉ねじのもう一方の端部は、任意の適切な態様で、Z駆動装置モータ206に支持され、結合していてもよい。代替の実施形態では、玉ねじ207は、任意の適切な態様で、ハウジング内で支持されていてもよく、回転が生じるようになっていてもよい。Z駆動装置モータは、ステッパモータ、サーボモータ、または任意の他の適切なACモータもしくはDCモータなどの(ただし、これらに限定されない)任意の適切なモータでもよい。代替の実施形態では、駆動装置は、磁気、空気圧、油圧、または電気で駆動されうる、任意の適切な直線型(リニア)アクチュエータを含んでもよい。さらに他の代替の実施形態では、直線型アクチュエータは、任意の適切な態様で駆動されてもよい。実現可能なものとして、図9に示すZ駆動ユニット220の構成は例示的なものであり、Z駆動ユニット220は任意の適切な構成を有してもよい。
図10を参照すると、搬送ロボット800の駆動部840などのような、駆動部8000の一部分の別の例示的実施形態が示されている。この例示的実施形態では、任意の適切な数のZ駆動ユニットを使用してもよい。1つの例示的実施形態では、例えば、コントローラ170などのような、任意の適切なコントローラは、各Z駆動装置の動作に同期してもよい。代替の実施形態では、Z駆動装置の動作は、任意の適切な態様で同期されてもよい。1つの実施形態では、固定子1310Sは、例えば、直線型軸受204A’、204B’で支持されていてもよく、その結果、Z駆動ユニット206’、206’’のペアに接続する。Z駆動ユニット206’、206’’は、上述したZ駆動ユニット206に実質的に類似してもよい。代替の実施形態では、Z駆動ユニットは、任意の適切な駆動機構でもよい。
ここで図11を参照すると、台車205の一部分の例示的な概略図が示されている。図11に示す台車205は、図9および図10に関して上述したように、ハウジング201内で(図9参照)Z駆動ユニットによって、支持されていてもよいことに注意されたい。代替の実施形態では、台車はハウジング201内で、任意の適切な態様で支持されていてもよい。実現可能なものとして、例えば、搬送機800などのようなロボット搬送機の駆動部840は、取付フランジ202を用い、任意の適切な処理装置に結合していてもよい。Z駆動ユニット220などのようなZ駆動ユニットによって生じるパーティクルが基板処理環境に侵入することを防止するために、シール400は、台車205と取付フランジ202との間で設けられてもよい。例えば、シール400の一方の端部は、取付フランジ202に装着されていてもよいが、シールのもう一方の端部は、台車205に装着されていてもよい。この例では、台車205のZ移動を可能にするために、シール400はベローズシールとして示されているが、代替の実施形態では、シールは、金属、プラスティック、ゴム、布などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な材料から作られる、任意の適切なシールであってもよい。他の代替の実施形態では、シール400は省略されてもよく、また、例えば、ハウジング201、取付フランジ202、または台車205の一部分などである障壁を通しての雰囲気を隔離するための、任意の適切な障壁に置き換えられてもよい。
図11に示すように、台車は、第1の固定子208S、第2の固定子209S、エンコーダ410A、410B、410C、および同軸駆動シャフト211、212を含んでもよい。外駆動シャフト211は、エンコーダスケール430A、ストップ面420A、および第1のモータ回転子208Rを含んでもよい。内駆動シャフト212は、エンコーダスケール430B、ストップ面420B、および第2のモータ回転子209Rを含んでもよい。図11に示すように、駆動シャフト211、212(モータスピンドルアセンブリの一部)は、例示目的で、Z軸に沿う長手方向で示されている。固定子208S、209S、および回転子208R、209Rは、上述したセルフベアリングモータ/磁気スピンドル軸受208、209を形成してもよい。例示のみを目的とし、固定子208Sは、駆動部分208D、および軸受部分208B1、208B2を含むように示されているが、上述したように、他の例示的実施形態では、固定子は、回転力、受動的な浮上、および/または半径方向の位置決め力を提供する、1つの部分またはセクションのみを有してもよいことを理解されたい(この点については後述する)。代替の実施形態では、固定子208Sは、2つより多いまたは少ない軸受部分を含んでもよい。固定子駆動部分208Dが励磁されるとき、その結果生じる磁気力が回転子駆動部分208RDを回転の中心すなわち軸C1で回転させ、その結果、外部シャフト211が回転するように、固定子駆動部分208Dは、回転子駆動部分208RDと相互作用する。実質的に同じ態様で、内部シャフト212は、固定子駆動部分209Dおよび回転子駆動部分209RDにより、軸C2で回転可能に駆動される。図3に関して上述したように、回転子が1つの環境で機能し、固定子が別の環境で機能しうるように、隔離障壁210A、210Bが各固定子208S、209Sに覆うように提供されてもよい。隔離障壁210A、210Bは、上述した障壁210に実質的に類似することに注意されたい。
外部シャフト211の回転の中心C1は、固定子の軸受部分208B1、208B2、および回転子の軸受部分208RB1、208RB2によって制御されてもよい。例示的実施形態では、軸受部分は、例えば、能動的な半径方向軸受(例えば、RxおよびRyの方向)および受動的な揚上(例えば、Rz)、受動的な半径方向軸受および能動的な揚上、または受動的な半径方向軸受および受動的な揚上を提供するように構成されてもよい。この例示的実施形態では、軸受部分208B1、208B2は両方とも能動的な軸受であってもよいが、代替の実施形態では、軸受部分の一方が受動的な軸受部分であってもよい。実現可能なものとして、能動的な半径方向軸受が受動的な揚上固定子と組み合わされている場合、回転子はピッチおよび役割に関して安定し、第2の受動的な半径方向軸受は省略しうる。他の代替の実施形態では、能動的な半径方向軸受、回転部分、および受動的な揚上固定子は、固定子および回転子の単一配置に統合してもよい。固定子軸受部分208B1は、例えば、空隙G1を制御するために、回転子軸受部分208RB1と相互作用する一方で、固定子軸受部分208B2は、例えば、空隙G2を制御するために、回転子軸受部分208RB2と相互作用する。図11では、間隙G1およびG2が、図に示す駆動部の半分の、例えばX方向の間隙のみに対応するように、例示のみを目的とし、シャフトの半分が示されていることに注意されたい。上述したように、固定子と回転子との間の間隙は、回転の中心C1の位置が変化すると、モータ208の外周の周りで変化しうることを理解されたい。
同様に、内部シャフト212の回転の中心C2は、軸受部分208B1、208B2、208RB1、および208RB2に関して上述した態様に実質的に類似する態様で、固定子の軸受部分209B1、209B2、および回転子の軸受部分209RB1、209RB2により制御されてもよい。この例示的実施形態では、軸受部分209B1、209B2は両方とも能動的な軸受であってもよいが、代替の実施形態では、軸受部分の一方が受動的な軸受部分であってもよい。上述したように、能動的な半径方向軸受が受動的な揚上固定子と組み合わされている場合、回転子はピッチおよび役割に関して安定し、第2の受動的な半径方向軸受は省略しうる。他の代替の実施形態では、能動的な半径方向軸受、回転部分、および受動的な揚上固定子は、固定子および回転子の単一配置に統合してもよい。固定子軸受部分209B1は、例えば、空隙G3を制御するために、回転子軸受部分209RB1と相互作用する一方で、固定子軸受部分209B2は、例えば、空隙G4を制御するために、回転子軸受部分209RB2と相互作用する。上に注目したとおり、固定子部分と回転子部分との間の間隙G3およびG4は、回転の中心C2の位置が変化すると、モータ209の外周の周りで変化しうることを理解されたい。巻線が、例えば、任意の適切な所定の位置および/または空間的な配向でシャフト211、212の位置決めをするように励磁されるように、例えば、コントローラ170、または任意の他の適切なコントローラなどの搬送装置コントローラは、モータ208、209の外周の周りの様々なポイントでセンサから間隙の測定信号を受信するように構成されてもよい。
ここで図11Aを参照すると、台車205の一部分の別の例示的な概略図が示されている。同種の特徴は同種の基準数を有するように、台車205は、図11に関して上述した台車に実質的に類似することに注意されたい。軸受部分は、図11に関して上述した態様に実質的に類似する態様で、回転子の制御を提供してもよいことに注意されたい。ただし、この例示的実施形態では、例示のみを目的とし、軸受部分208B1および209B2は、能動的な軸受として示されている一方で、軸受部分208B2’および209B1’は、受動的な軸受部分として示されている。この例示的実施形態では、受動的な軸受部分208B2’、208B1’は、任意の適切な態様で、回転子に半径方向の安定性を受動的に提供してもよい。ただし、代替の実施形態では、軸受部分は、任意の適切な能動的または受動的な軸受構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、軸受209B1’および209B2が受動的な軸受(シャフト212およびシャフト211が同心であるように、シャフト212がシャフト211内で適切に支持されている)である一方で、軸受208B1および208B2’は能動的な軸受であってもよい。その他の例では、軸受208B2’および209B1’は能動的である一方で、軸受208B1および209B2は受動的でもよい。この例では、コントローラ170などのような任意の適切なコントローラは、シャフト211、212が任意の適切な所定の場所に位置するように、能動的な軸受部分208B1、209B2を励磁してもよい。この例では、シャフト211、212が、例えば、間隙G1、G4のサイズを制御することにより空間的に配向されうるように、受動的な軸受208B2’および209B1’は、それぞれの能動的な軸受のための支点として機能してもよい。
ここで図11Bを参照すると、台車205の一部分の別の例示的な概略図が示されている。同種の特徴は同種の基準数を有するように、台車は、図11に関して上述した台車に実質的に類似することに注意されたい。しかし、この例示的実施形態では、磁気スピンドル軸受450、451は、回転型駆動装置208’、209’とは別々または個別である。軸受450、451は、上述した軸受部分208B1、208RB1、208B2、208RB2、209B1、209RB1、209B2、209RB2に実質的に類似してもよく、図11に関して上述した態様に実質的に類似する態様で、軸受および揚上の制御を提供するように構成されていることに注意されたい。この例示的実施形態では、駆動装置208’は、台車205に取り付けられた固定子208S’と、シャフト211に装着された回転子208R’とを含んでもよい。駆動装置209’は、台車に取り付けられた固定子209S’と、シャフト212に装着された回転子とを含んでもよい。磁気軸受450は、台車に位置する第1の軸受部材450Aと、シャフト211に装着された第2の軸受部材450Bとを含んでもよい。磁気軸受451は、台車に位置する第1の軸受部材451Aと、シャフト212に装着された第2の軸受部材451Bとを含んでもよい。2つの磁気軸受450、451(各シャフト211、212に1つ)のみが図11Bに示されているが、代替の実施形態では、任意の適切な数の磁気軸受が各シャフト211、212に関連付けされうることを理解されたい。1つの例示的実施形態では、各軸受450、451がシャフト211、212のそれぞれの1つに対し、Rx、Ry軸に沿って個々の傾斜制御を提供するように、磁気軸受は垂直にセグメント化されていてもよい(すなわち、セグメントは垂直にオフセットしている)。他の例示的実施形態では、シャフト211、212が常に同心である一方で、軸受450、451が、ユニットとしての同軸シャフト211、212の半径方向の位置および傾斜(例えば、Rx、Ry)を安定させるか制御するように、シャフトは、例えば、シャフト211、212間に設けられる適切な軸受のような任意の適切な態様で、互いに対して制約されてもよい。
ここで図11Cを参照すると、台車205の一部分の例示的な概略図が示されている。同種の特徴は同種の基準数を有するように、台車は、図11に関して上述した台車に実質的に類似することに注意されたい。ただし、この例示的実施形態では、磁気スピンドル軸受/固定子208’’、209’’は、回転力、浮上、軸力、および/または平面X−Y(すなわち半径方向)の位置決め力(例えば、固定子および受動的な軸受は、一体駆動部材内で互いに統合されている)を提供するように構成されている、1つの部分またはセクションを有するものとして示されている。磁気スピンドル軸受/固定子は、図11に関して上述した態様に実質的に類似する態様で、軸受および揚上の制御を提供するように構成されてもよい。1つの例示的実施形態では、磁気スピンドル軸受/固定子208’’、209’’は、駆動部操作用に異なる駆動力を生成するための介在巻線のセットとして構成されてもよい。代替の実施形態では、巻線は、本明細書で説明する駆動力を生じさせるように整流される、非介在巻線であってもよい。この例示的実施形態では、固定子208S’’、209S’’とそれぞれの回転子208R’’、209R’’との間の相互作用は、図5に関して上述した態様に実質的に類似する態様で、それぞれ磁束場1330、1320および1330’、1320’、ならびに対応する受動的な力および引力を生成する。モータ208’’は、上述したように、間隙G5を制御するように構成されてもよい一方で、モータ209’’は、上述したように、間隙G6を制御するように構成されてもよい。上述したように、間隙G5およびG6を変化させることにより、例えば、スピンドルに結合しているロボットアームの正確な位置決めと、ロボットアーム上に搭載される基板の正確な位置決めのために、スピンドル600は、傾斜しうるか、例えば、X−Y面に位置決めされうる。1つの例示的実施形態では、各軸受208’’、209’’がシャフト211、212のそれぞれの1つに対し、Rx、Ry軸に沿って個々の傾斜制御を提供するように、磁気軸受/固定子は垂直にセグメント化されていてもよい(すなわち、セグメントは垂直にオフセットしている)。他の例示的実施形態では、シャフト211、212が常に同心である一方で、軸受208’’、209’’が、ユニットとしての同軸シャフト211、212の半径方向の位置および傾斜(例えば、Rx、Ry)を安定させるか制御するように、シャフトは、例えば、シャフト211、212間に設けられる適切な軸受のような任意の適切な態様で、互いに対して制約されてもよい。
ここで図11D〜11Fを参照すると、1つの例示的実施形態による、別の例示的なモータ構成が示されている。例えば、モータ1000、1010、およびそれらのコントローラ1050(コントローラ170に類似しうる)は、電気角が共通の一連の整流機能を駆動するために使用され、3次元反力(駆動シャフト211、212の回転軸における推進力、Z方向の推進力、ならびにスピンドル1070の傾斜、回転、位置決めのための、X方向および/またはY方向での案内力など)を生成するように構成されてもよい。つまり、電気角オフセットを伴う電気角を調節することによって、少なくとも1次元反力、2次元反力、および3次元反力が、共通の一連の整流方程式を用いるモータで生成されうる。そのような駆動構成の例は、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する、2007年6月27日出願の「COMMUTATION OF AN ELECTROMAGNETIC PROPULSION AND GUIDANCE SYSTEM」と題する、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第11/769,688号に説明されている。
この例示的実施形態では、駆動ユニット1099の2つのモータ1000、1010は、例えば、少なくとも7自由度を提供している。例えば、シャフト211、212の間の、例えば適切な軸受を介して、シャフト211、212が互いに対して同軸で保持されている場合は、2つのモータは7自由度を提供してもよい。別の例では、シャフト211、212が互いに対して制約されない場合(すなわち、シャフトはすべての軸で互いに関係して移動することができる場合)は、2つのモータが提供する自由度は、例えば、12自由度でもよい。駆動ユニット1099は、特に断りのない限り、図11に関して上述した駆動ユニットに実質的に類似してもよい。図11Dは、各モータ1000、1010が4次元(すなわち、X、Y、Z、およびそれぞれのシャフトの回転)で搬送機の操作のための力を提供するように構成されている、駆動ユニットを示している。実現可能なものとして、モータはさらに、固定子巻線の異なるセグメントが生成する力の結果として生じる、Rx軸、Ry軸、およびRz軸に沿ったモーメントを生成しうる。例えば、1つの例示的実施形態では、モータの巻線は、上述した態様に実質的に類似する態様で、垂直にセグメント化されていてもよい。シャフト211、212の推進システムは、例えば、上述したように、シャフトが互いに同心に保持されているとき、例えばローレンツ力を利用した、Z軸における推進(すなわち、外部シャフト211の回転Rz1および内部シャフト212の回転Rz2)、例えばローレンツ力利用した、Z軸に沿った揚上、ならびに例えばローレンツ力およびマクスウェル力を利用した、X軸およびY軸に沿った間隙制御(すなわち、X−Y面での平面移動、ならびにX軸およびY軸における回転RxおよびRy)を提供するものとして示されている。シャフトが互いに対して制約されない場合、傾斜(Rx、Ry)モーメントは、例えば、各固定子の外周に沿って垂直にオフセットされた巻線セグメントによって生成される、Rz軸に沿った異なる揚力により、各シャフト211、212用に別々に生成されてもよい。代替の実施形態では、推進システムは、任意の適切な態様で、Rx、Ry、Rz1、Rz2、Z、X、Yの軸または面に沿って、シャフト211、212を推進させてもよい。
図11Dに示す例示的実施形態では、モータ1000、1010はそれぞれ、例えば、台車205に位置する巻線セット1000A、1000B、および1010A、1010Bを含んでもよい。各巻線セット1000A、1000B、1010A、1010Bは、図11Fの巻線1000Aに関して示されているように、個々の巻線1065を含んでもよい。代替の実施形態では、巻線セットおよび/または個々の巻線は、例えば、上記で本明細書の一部を構成するものとして援用した米国特許出願公開第2005/0264119号に説明されているような、ジグザグ状または台形の巻線構成などのような、任意の適切な構成を有してもよい。巻線セット1000A、1000B、および1010A、1010Bは、増幅器1051によって駆動されてもよく、増幅器1051はコントローラ1050の一部でもよい。代替の実施形態では、増幅器1051は、コントローラ1050から分離していてもよい。増幅器1051は、例えば、巻線セット1000A、1000B、1010A、1010Bの個々の各巻線1065を別々にまたはグループで駆動できるマルチチャンネル増幅器などのような、任意の適切な増幅器でもよい。巻線セット1000Aおよび1010Aは、同じ配向を有してもよく、巻線セット1000Bおよび1010Bのそれぞれから、例えば約90度で配向されていてもよい。代替の実施形態では、巻線セットは、巻線セットによって生じる合力で回転子(およびシャフト)の安定した支持を行うために、約90度より大きいまたは小さい角度になりうる、任意の適切な機械角関係を有してもよい。上に注目したとおり、巻線セットはさらに、それらの間で適切に対応する電気角シフトを有し、それぞれのシャフト回転子と共働してセルフベアリングモータを形成してもよい。
図11Dに示す例示的実施形態では、駆動ユニット1099の各シャフト211、212は、それぞれマグネット回転子1000P、1010Pを含んでいる。示されている例では、磁気回転子1000P、1010Pは、例示目的のみで、永久磁石の列を有してもよいが、代替の実施形態では、回転子1000P、1010Pは、永久磁石を有せず、例えば、強磁性体材料から形成されていてもよい。各回転子1000P、1010Pは、マグネットの列として配置されていてもよく、それぞれのシャフト211、212の外周の周りに延びていてもよい。1つの例示的実施形態では、図11Eに示すように、回転子1000P、1010Pのマグネットの列は、巻線セット1000A、1000B、1010A、1010Bに面している交流N極1101およびS極1102とともに配置されていてもよい。他の例示的実施形態では、回転子1000P、1010Pは、上記で本明細書の一部を構成するものとして援用した、2007年6月27日出願の「COMMUTATION OF AN ELECTROMAGNETIC PROPULSION AND GUIDANCE SYSTEM」と題する米国特許出願第11/769,688号に説明される構成などの(ただし、これに限定されない)任意の適切な構成を有してもよい。代替の実施形態では、巻線セットおよびマグネット定盤は、本明細書で説明するようなスピンドルアセンブリおよびシャフトを駆動するための、任意の適切な構成を有してもよい。
個々のシャフト211、212および/またはスピンドルアセンブリ1070の例えばx座標、y座標、z座標、Rx座標、Ry座標、Rz座標の位置を感知するために、例えば、図12〜15Bに関して下記で説明するセンサシステムなどのような任意の適切なセンサシステムを提供してもよい。代替の実施形態では、回転子と固定子との間の相対運動は、逆起電力を生成してもよい。逆起電力は、例えば、相での電圧の総和を介して、マグネットの列に対する任意の方向で、および/または、例えば、各巻線セットが複数の回路を含むような異なる回路電圧を介して、マグネットの列に垂直な方向で、位置情報を提供しうる。他の代替の実施形態では、その他の適切なセンサシステムを使用してもよい。
1つの例示的実施形態では、上述したように、スピンドルアセンブリ1070のX方向および/またはY方向での平面移動、スピンドルアセンブリ1070の傾斜Rx、Ry、各シャフト211、212の回転Rz1、Rz2、およびZ軸に沿ったスピンドルアセンブリ1070の動作は、共通の一連の整流方程式を用いて、電気角オフセットを伴う電気角を調節することで制御してもよい。代替の実施形態では、駆動ユニットの部品の動作は、任意の適切な態様で制御してもよい。この例示的実施形態では、2つのモータ1000、1010は、例えば、7自由度を、駆動装置システム1099に提供することに注意されたい。実現可能なものとして、図9に関して上述したように、駆動ユニット1099はさらに、Z駆動ユニットを含んでもよい。
図11を再度参照し、さらに図12を参照すると、外部シャフト211および内部シャフト212の回転位置は、例えば、エンコーダ410A、410B、およびそれぞれのエンコーダスケール430A、430Bなどのような、任意の適切なエンコーダを介して追跡してもよい。代替の実施形態では、回転子と固定子との間の相対運動は、上述したように、位置情報を提供する逆起電力を生じさせてもよい。この例示的実施形態では、エンコーダ410A、410Bは、エミッタ412と読取ヘッド411とを有する光学式エンコーダとして構成されている。代替の実施形態では、エンコーダは、光学式、反射式、容量式、磁気式、および誘導式エンコーダなどの(ただし、これらに限定されない)任意の適切なエンコーダとして構成されてもよい。エンコーダスケール430A、430Bは、エンコーダがそれぞれのシャフトの回転位置を追跡できるように構成されている、任意の適切なスケールでもよい。1つの例示的実施形態では、図11に示すように、エンコーダ410Aは、台車205に取り付けられていてもよく、スケール430Aと相互に作用するように配置されていてもよい。スケール430Aは、外部シャフト211に取り付けられていてもよい。エンコーダ410Bは、台車205に取り付けられていてもよく、スケール430Bと相互に作用するように配置されていてもよい。スケール430Bは、内部シャフト212に取り付けられていてもよい。代替の実施形態では、エンコーダが駆動シャフトのそれぞれの1つに位置する一方で、スケールは台車に位置していてもよい。他の代替の実施形態では、エンコーダおよびエンコーダスケールは、任意の適切な構成を有してもよい。エンコーダ410A、410Bによる位置信号の出力は、シャフトのそれぞれの1つに結合しているアームリンクの位置に関して、および/またはモータ整流のためのフィードバックを提供するために、例えば、コントローラ170によって使用されてもよい。
図12に最も明瞭に示されているように、1つの例示的実施形態では、例示的なエンコーダエミッタ412および読取ヘッド411は、台車に挿入されうるエンコーダフレームすなわちモジュール500に結合していてもよい。エンコーダフレームは、真空環境での用途のために構成されている材料などの、任意の適切な材料で構成されてもよい。エンコーダフレーム500は、エミッタ412および読取ヘッド411が矢印AおよびBの方向に移動し、エンコーダスケール430Aに対してエンコーダを調節できるように構成されてもよい。パーティクルが基板処理環境に侵入するのを防止するために、任意の適切なシール510E、510Cが、エミッタ412と読取ヘッド411とエンコーダフレーム500との間に設けられていてもよい。さらに、パーティクルが基板処理環境に侵入するのを防止するために、適切なシール510A、510Bが、エンコーダフレーム500と台車205との間に設けられていてもよい。エンコーダ410Bは、エンコーダ410Aに実質的に類似してもよいことに注意されたい。代替の実施形態では、エンコーダフレーム500は、例えば、真空処理環境にガス抜けしうる材料の量を減らすために、エンコーダエミッタおよび読取ヘッドが基板処理環境から分離している環境に保持され、光学ビューポートを介して使用されるように構成されてもよい。他の代替の実施形態では、ホール効果センサ、誘導式センサ、レゾルバなどの(ただし、これらに限定されない)任意の適切なフィードバックデバイスを使用してもよい。
ここで図12Aを参照すると、別の例示的実施形態による、別の例示的なエンコーダ構成が示されている。この例示的実施形態では、台車205’は、センサインサートすなわちモジュール550A、550Bを受け入れるための、凹部すなわち開口部530A、530Bを有してもよい。凹部530A、530Bは、センサ部品411’、412’がエンコーダスケール430Aを感知することを可能にする、ビューポート560A、560Bを有してもよい。モジュール550A、550Bは、任意の適切な形状および/または構成を有してもよい。例えば、モジュール550A、550Bは、モジュール550A、550Bをそれぞれの凹部530A、530Bに挿入すると、センサ411’、412’が互いに揃い、エンコーダスケールに揃うように構成されてもよい。代替の実施形態では、モジュールは、センサがそれぞれのエンコーダスケールに揃うように、凹部内で調節可能でもよい。実現可能なものとして、モジュール550A、550Bは、別々のモジュールとして図12Aに示されているが、代替の実施形態では、モジュール550A、550Bは、一体構造(例えば、1つの部品である)を有してもよい。この例示的実施形態では、モジュール550Aは、モジュール550Aが台車205’に挿入されているときエンコーダ読取ヘッド411’がビューポート560Aに揃うように、モジュール550Aに位置するエンコーダ読取ヘッド411’を含んでもよい。この例示的実施形態では、読取ヘッド411’は、基板処理領域へ、または基板処理領域から、雰囲気が漏出したり、汚染物が通過するのを防止するために、モジュール550Aと台車205’との間でシール570Aを形成している。代替の実施形態では、シールは、任意の適切な態様で、読取ヘッドと台車との間で形成されてもよい。他の代替の実施形態では、読取ヘッド411’から分離している「窓」または光学的に透明な材料で、ビューポート560Aを覆い、封止してもよい。モジュール550Bは、モジュール550Bが台車205’に挿入されているときエンコーダエミッタ412’がビューポート560Bに揃うように、モジュール550Bに位置するエンコーダエミッタ412’を含んでもよい。この例示的実施形態では、エミッタ412’は、基板処理領域へ、または基板処理領域から雰囲気が漏出するのを防止するために、モジュール550Aと台車205’との間でシール570Bを形成している。代替の実施形態では、シールは、任意の適切な態様で、読取ヘッドと台車との間で形成されてもよい。他の代替の実施形態では、エミッタ412’から分離している「窓」または光学的に透明な材料で、ビューポート560Bを覆い、封止してもよい。実現可能なものとして、モジュール550A、550Bは、シャフトの配向、平面位置、および回転位置に関してフィードバックを提供するための、コントローラ170などのようなコントローラに適切に接続していてもよい。図面に示す例示的なモジュール550A、550bの構成は例示目的のみとし、モジュール550A、550Bは、任意の適切な構成、および/または誘導式センサや容量式センサなどの(ただし、これらに限定されない)任意の適切なセンサのタイプを有してもよいことに注意されたい。
エンコーダ410A、410B、550A、550Bはさらに、例えば、モータ208、209の固定子と回転子との間の1つまたは複数の間隙G1〜G4を測定するように構成されてもよい。例えば、スケール430Aは、エンコーダが空隙を測定できるように構成されてもよい。代替の実施形態では、エンコーダは、任意の適切な態様で空隙を測定するように構成されてもよい。他の代替の実施形態では、追加のエンコーダやその他のフィードバックデバイスは、1つまたは複数の間隙G1〜G4を測定するために、例えば、シャフト211、212に近接して位置していてもよい。
ここで図13を参照すると、例えば、駆動シャフト211に関しての、例えば、回転位置、軸の位置、X−Y平面位置および/または間隙を検出するための、別の例示的なセンサ構成1100が示されている。この例示的実施形態では、センサ構成1100は、例えば真空環境を大気環境から隔離する、例えば障壁210において、光学ビューポートやフィードスルーを必要としない、非侵襲性センサとして構成されている。
図13のセンサ構成1100は、例えば強磁性体ターゲット1110(例えば、回転子または駆動シャフトに固着されうる)からトランスデューサすなわち読取ヘッドフレームへの間隔を測定するための磁気回路原理を使用してもよい。強磁性体ターゲットは、任意の適切な輪郭(例えば、回転型駆動装置のための湾曲した輪郭、または直線型駆動装置のための平坦な輪郭)を有してもよく、下記で詳述するように、ターゲットに組み込まれる任意の適切な側面外形を有してもよい。この例示的実施形態では、トランスデューサすなわち読取ヘッド1120は、例えば、強磁性体要素1122、永久磁石1123、磁気センサ1124A〜1124D、および実装基板1125を含んでいる。永久磁石1123は、例えば、図13に示す筒状のような、任意の適切な形状を有してもよい。永久磁石1123の磁極は、磁極が実装基板に対して平行になるように配向されていてもよいが、代替の実施形態では、磁極は、任意の適切な態様で配向されていてもよい。磁気センサ1124A〜1124Dは、ホール効果センサ、リードスイッチ、磁気抵抗効果を示す物質などの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な磁気センサでもよい。
強磁性体要素1122は、例えば、図13に示すカップ状などのような、任意の適切な形状を有してもよい。強磁性体要素1122は、カップ状の形状が永久磁石1123と同心であるように、永久磁石1123に対して位置決めしてもよい。代替の実施形態では、強磁性体要素1122は、永久磁石1123と任意の適切な位置関係を有してもよい。永久磁石1123は、例えば、磁力、機械的締め具、および/または粘着剤を介してなどの、任意の適切な態様で、強磁性体要素1122の中心に結合していてもよい。永久磁石1123および強磁性体要素の構成は、磁束が特定の経路に沿って均一な密度で形成されたとき、磁気回路が生成されるようなものであってもよい。図13に示す例示的実施形態では、磁束密度は、円1127に沿って均一であってもよい。
この例では、4つの磁気センサ1124A〜1124Dは、それぞれの出力が実質的に同じになるように、円1127によって示される均一な磁束経路に沿って配置されている。代替の実施形態では、任意の適切な数の磁気センサが、均一な磁束経路に沿って配置されてもよいことを理解されたい。磁気センサの出力は、センサの出力信号を処理して出力信号1128の質を最適化するために、任意の適切な調整回路1126へ送られてもよい。実現可能なものとして、読取ヘッド1120内の磁気センサの数を増やすことによって、読取ヘッド1120のノイズ耐性が増加しうる。代替の実施形態では、磁気センサは、磁束密度線に対して交互の配向を伴うペアとして配置してもよい。センサのペアはそれぞれ、読取ヘッドの位置から任意の適切な信号読み取りデバイスへの信号ルーティングにおけるノイズ耐性を向上させうる、異なる出力を提供することができる。他の代替の実施形態では、磁気センサは、任意の適切な態様で配置してもよい。
操作において、強磁性体ターゲット1110を読取ヘッド1120の前に配置すると、磁気センサ1124A〜1124Dが感知する磁束密度ベクトルを変えてしまうことがあり、よって磁気センサ1124A〜1124Dの出力信号1128を変更してしまうことがある。実現可能なものとして、強磁性体ターゲット1110と読取ヘッド1120との間の間隔すなわち間隙1130は、出力信号1128の値に影響する。さらに実現可能なものとして、永久磁石1123および強磁性体要素1122の形状は、読取ヘッド1120の操作の範囲(例えば、間隔1130)を最大限に伸ばすように最適化されてもよい。
図13の例示的実施形態のセンサ構成は、図14に示すように、非侵襲性な態様で、障壁210を介して、例えば、回転子1200Rと固定子1200Sとの間の間隙を感知できてもよい。図14は、図13に関して上述したセンサ構成の一部分の概略図を示している。この例示的実施形態では、強磁性体ターゲットは、回転子バッキング1210でもよいが、代替の実施形態では、ターゲットは、任意の適切な強磁性体ターゲットでもよい。読取ヘッド1120は、磁束線が障壁210を介して読取ヘッド1120から回転子バッキング1210を通過し、センサ1124へ戻るように、回転子バッキング1210と相互に作用してもよい。センサの信号は、例えば、コントローラ170などのような、信号および間隙1130サイズの測定を読み取るための、任意の適切な電子機器に送られてもよい。
ここで図14Aおよび図14Bを参照すると、1つの例示的実施形態による別の例示的なセンサフィードバックシステムが示されている。図14Aに示すように、センサシステムは、強磁性体ターゲット1340および3つのセンサ1350〜1370を含んでいる。代替の実施形態では、フィードバックシステムは、センサを、3つより多くまたは少なく含んでもよい。この例示的実施形態では、強磁性体ターゲットは、回転子バッキングでもよいが、代替の実施形態では、ターゲットは、任意の適切な強磁性体ターゲットでもよい。図14Bに最も明瞭に示されているように、この例の強磁性体ターゲット1340は、例えば、図4Aおよび図4Bに関して上述したモータで、例示のみを目的とし、使用されうる回転子1300Rとして構成されている。回転子バッキング1340は、回転子バッキング1340の表面1390に組み込まれている側面外形をいくつか有してもよい。この例では、絶対トラック側面外形1330および増分トラック側面外形1310は、バッキング1340内に組み込まれているか、別の方法で形成されている。絶対トラック側面外形1330および増分トラック側面外形1310は、回転子1300Rの位置を適切に追跡するために、任意の適切な側面外形(例えば、ランド、溝、凹部など)を含んでもよい。代替の実施形態では、回転子1300Rは、任意の適切な構成の側面外形を有してもよい。代替の実施形態では、側面外形は、回転子1300Rから分離して設けられ、駆動部内の任意の適切な場所に位置していてもよい。さらに、強磁性体ターゲットは、回転子バッキングとして説明されていることに注意されたい一方で、強磁性体ターゲットは、回転子から分離していてもよいことを理解されたい。例えば、強磁性体ターゲットは、例えば、本明細書で説明する例示的実施形態の駆動シャフト上の任意の適切な位置に装着されていてもよい。
センサ1350〜1370は、互いに実質的に類似してもよく、上述した読取ヘッド1120に実質的に類似してもよい。代替の実施形態では、センサ1350〜1370は、任意の適切なセンサでもよい。この例示的実施形態では、センサ1350〜1370は、各センサが異なるセンサ読み取りを提供するように、回転子1300Rに対して位置決めしてもよい。例えば、センサ1350は、絶対位置センサを形成するために、絶対トラック側面外形1330に揃えてもよい。センサ1360は、回転子バッキング1340の側面外形を伴わない表面1320とインターフェース接続して間隙センサを形成するために、揃えてもよい。センサ1370は、増分位置センサを形成するために、増分トラック側面外形1310に揃えてもよい。代替の実施形態では、センサは、任意の適切な位置決め情報を提供するために、それぞれの磁気ターゲットとともに構成されてもよい。例示的実施形態の駆動部とともに使用するための、その他の適切なフィードバックシステムは、その開示内容の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する、2008年6月27日出願の「POSITION FEEDBACK FOR SELF BEARING MOTOR」と題する、米国特許出願第12/163,984号(代理人整理番号390P012911−US(PAR))に説明されている。
実現可能なものとして、台車205はさらに、例えば、図11に示すセンサ410Cなどのような、Z方向に沿った台車205の位置を感知するための任意の適切なセンサを含んでもよい。センサ410Cは、センサ410A、410Bに実質的に類似してもよい。代替の実施形態では、センサ410Cは、本明細書で説明するセンサなどの(ただし、これに限定されない)任意の適切な構成を有する任意の適切なセンサでもよい。
図11を再度参照すると、実現可能なものとして、搬送装置(例えば、搬送機800)の電源が遮断されていたり、その他の理由で電源が落ちている場合などで、モータ208、209の巻線が励磁されていないとき、モータ/磁気スピンドル軸受208、209は、シャフト211、212を支持しなくてもよい。台車205および/またはシャフト211、212は、巻線が励磁されていないとき、シャフト211、212が任意の適切な態様で支持されるように構成されてもよい。1つの例示的実施形態では、図11に示すように、台車205は、支持表面421Aを含んでもよく、外部シャフト211は、任意の適切な態様でシャフトに結合している支持部材42IBを含んでもよい。代替の実施形態では、支持部材421Bは、シャフト211との一体構造でもよい。巻線208B1、208B2が非励磁されるとき、支持部材412Bが支持表面421Aで静止するように、外部シャフト211は下がってもよい。実現可能なものとして、支持表面421Aおよび支持部材421Bの形状および/または構成は、巻線208B1、208B2が励磁されていないときにシャフト211を安定して支持するための、任意の適切な形状および/または構成でもよい。
シャフト211はさらに、支持表面420Aを有してもよく、内部シャフト212は支持部材420Bを有してもよい。この例では、内部シャフト212の支持部材420Bは、シャフト212との一体構造として示されているが、代替の実施形態では、支持部材420Bは、任意の適切な態様でシャフト212に結合している別個の部材でもよい。巻線209B1、209B2が非励磁されるとき、内部シャフトの支持部材420Bが外部シャフト211の支持表面420Aと相互作用して内部シャフト211を支持するように、内部シャフトは下がってもよい。支持表面420Aおよび支持部材420Bの形状および/または構成は、巻線209B1、209B2が励磁されていないときにシャフト212を安定して支持するための、任意の適切な形状および/または構成でもよい。
図11に示す支持表面および支持部材は例示のみを目的とし、シャフト211、212は、搬送機の電源遮断時には、任意の適切な態様で支持されうることに注意されたい。例えば、代替の実施形態では、シャフトは、玉軸受、ころ軸受、および/または適切なブッシングなどの(ただし、これらに限定されない)任意の適切な支持体で支持されていてもよい。他の代替の実施形態では、永久磁石は、台車内で外部シャフト211および内部シャフト212と近接して位置していてもよい。台車の永久磁石は、搬送機の電源遮断時にシャフト211、212が支持されるように、シャフト211、212に位置するそれぞれの永久磁石と相互に作用してもよい。シャフト211、212を支持するために永久磁石が使用される場合、シャフトの回転の中心が本明細書で説明するように位置決めできるように、巻線208B1、208B2、209B1、209B2は、永久磁石による磁気力を克服するための十分な動力を有しうることに注意されたい。
ここで図15〜17を参照すると、例示的実施形態の例示的な操作について説明される。上述したようにシャフト211、212は、任意の適切な態様で、搬送装置のアームリンクに結合していてもよい。
図15に最も明瞭に示されているように、コントローラ(例えば、コントローラ170)は、回転子208R、209RがZ軸に沿って角度αで傾斜するように、固定子208Sおよび209Sのモータ巻線を励磁して半径方向力および/または接線力を生じさせるように構成されてもよい。これにより、図15に示すように、シャフト211、212の長手方向の中心線C1、C2が、例えば、台車205および/または固定子208S、209Sの中心線Z1に対して傾斜する(すなわち、スピンドル600がX軸および/またはY軸で回転する)。図15に示すように、例示のみを目的とし、空隙G1〜G4は台車205の底部205Bに向かって広くなっているが、空隙は、X−Y面に対する傾斜の方向に応じて、広くなったり狭くなったりすることを理解されたい。コントローラは、アームの伸長時または退避時に空隙G1〜G4および傾斜角度αが維持されるように、固定子208S、209Sの巻線を奨励するように構成されてもよい。代替の実施形態では、巻線は、アームが伸長または退避した後にスピンドル600を傾斜させるために励磁されてもよい。さらにその他代替の実施形態では、スピンドル600は、アームの操作時に任意の時点で傾斜してもよい。実現可能なものとして、傾斜は、X方向の傾斜Rx、Y方向の傾斜Ry、またはXおよびYの両方向の傾斜などのような、任意の適切な方向でもよい。傾斜の角度は、例えば、固定子208S、209Sと回転子208R、209Rとの間の空隙G1〜G4の大きさのみにより制限されうる。
図16に示すように、シャフト211、212の中心線(すなわち、スピンドル600)がZ軸に対して常に平行であるようにスピンドル600がX−Y面で移動するように、巻線はさらに励磁されうる。図16に示す例では、シャフト211、212の長手方向の中心線または回転の中心は、間隔Dによって、例えば、台車205の中心線Z1や、駆動装置システム内の任意の他の適切な位置から離されてもよい。図16に示す空隙G1〜G4は、実質的に等しいものとして示されているが、上に注目したとおり、空隙が測定される固定子/回転子の外周の場所によって、空隙は異なることを理解されたい。X−Y面でスピンドルが移動する(例えば、X−Y移動)間隔Dは、空隙G1〜G4の大きさのみにより制限されうることに注意されたい。
スピンドルアセンブリ600およびそれに結合しているアーム800のX−Y移動および/または傾斜は、例えば、基板処理チャンバ、ロードロック、アライナ、基板カセット、または基板の処理および/または格納に使用される任意の他の適切な装置において、エンドエフェクタ830上の基板Sが適切に空間的に位置するように、アーム800の位置を微調整するために利用してもよい。例えば、図17を参照すると、搬送機900および基板ステーション910の概略図が示されている。搬送機は、上述したように、スピンドルアセンブリ600とアーム800とを含んでいる。基板ステーション910は、例えば、基板アライナなどのような、基板の支持、格納および/または処理を行う任意の適切なステーションでもよい。この例では、スピンドル600’の中心線(例えば、スピンドルと固定子との間の空隙が実質的に均一であるとき)が基板ステーション910の基板着座面911に対して垂直ではないように、搬送機は例えば取り付けられていてもよい。
アーム800のエンドエフェクタ830に位置する基板S自体は、基板着座面911に平行ではないこともある。搬送機900のモータの巻線は、上述したように、基板Sが基板ステーション910に着座したとき、基板が基板着座面911に実質的に平行であるように、X−Y面でスピンドルを角度α’で傾斜させるように励磁されてもよい。実現可能なものとして、スピンドルアセンブリ600はさらに、エンドエフェクタおよびエンドエフェクタ上に搭載される基板Sの基板ステーション910に対しての配向および/または位置を微調整するために、X方向および/またはY方向に移動されてもよい。さらに実現可能なものとして、基板のX方向および/またはY方向の移動は、基板が移動する方向へのスピンドルの傾斜を介して行われてもよく、当該移動は、基板を配置する際にスピンドルの傾斜を相殺するために、例えば、Z方向に基板を移動させうる。エンドエフェクタの配向および/または位置の微調整では、エンドエフェクタを水平にするか、基板着座面や平面に実質的に平行にしてもよく、さらに、ロボットアームの回転、伸長、または退避なしに、例えばX−Y面で、エンドエフェクタの位置を調節してもよい。スピンドルアセンブリ600の中心線の制御を介するエンドエフェクタ位置の微調整はさらに、アーム800のたるみを相殺するために、または任意の他の適切な目的で用いてもよい。
さらに、図17に示す基板ステーション910は、例えば、アライナモータの駆動シャフトに装着された基板着座面が、本明細書の説明のように傾斜および/または移動できるように、図15〜17に関して上述した駆動装置システムに実質的に類似する駆動装置システムを組み込んでもよいことに注意されたい。
本明細書で説明するような例示的実施形態の駆動部は、例えば、X、Y、Z、Rx、Ry、Rz1、およびRz2を含む7自由度を含んでいる。1つの例示的実施形態では、Rz1およびRz2はそれぞれ、シャフト211および212の回転に関連している。X、Y、Rx、およびRyは、スピンドル600の位置および/または傾斜(すなわち、回転子208R、209Rの位置をオフセットする)に関連している。Zは、Z方向に沿った台車205(およびアーム800)の動作に関連している。1つの実施形態では、2つのモータ208、209により提供される6自由度がある一方で、Z駆動ユニット220により7番目の自由度が提供されることに注意されたい。図11D〜11Fに示す実施形態などのその他の実施形態では、2つのモータにより7自由度が提供されてもよい一方で、Z駆動ユニットにより8自由度が提供される。
上に注目したとおり、例示的な駆動装置の自由度の数は7に限定されていない。代替の実施形態では、例示的実施形態による駆動部は、7より多いまたは少ない自由度を有してもよい。例えば、搬送装置は、搬送機全体が1次元、2次元、または3次元の方向に移動することを可能にする、可動台車に取り付けられていてもよい。その他の例では、駆動装置システムは、駆動シャフトを2つより多くまたは少なく有してもよい。
駆動ユニットのこれらの複数の自由度は、基板の精度の高い平準化および位置決めを可能にしうる一方で、搬送機と基板ステーションとの間の任意のずれ、および/または基板搬送機の片持ち梁効果からの任意のたわみを相殺する。例示的実施形態の駆動部により提供される磁気スピンドル軸受はさらに、潤滑剤不要の回転スピンドルを提供することができ、それにより、パーティクルが基板処理領域へ侵入する可能性を軽減する。例示的実施形態の磁気スピンドル軸受はさらに、例えば、駆動部のスピンドルを潤滑するために使用することがあるグリースやその他の潤滑剤によって生じうるガス抜けを軽減する。
実現可能なものとして、本明細書で説明する例示的実施形態は、例えば、ロボット搬送機、または基板アライナなどの(ただし、これに限定されない)その他の装置のモータを駆動するために、任意の適切な態様で、別々または組み合わせで使用しうる。さらに実現可能なものとして、例示的実施形態は、本明細書では回転モータに関して説明されているが、例示的実施形態は、リニアモータシステムの駆動にも同等に適用可能である。
前述の内容は、本明細書の実施形態を例証するに過ぎないものであることを理解されたい。様々な代替形態および変更形態が、本明細書の実施形態から逸脱することなく、当業者によって考案されうる。したがって、本明細書の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にある当該の代替形態、変更形態、および変形形態を全て包含することを意図するものである。