JP2015038254A - 電磁波透過用金属被膜の製造方法及び電磁波透過用金属被膜 - Google Patents

電磁波透過用金属被膜の製造方法及び電磁波透過用金属被膜 Download PDF

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Abstract

【課題】本件発明の課題は、量産性が高い電磁波透過用金属被膜の製造方法及び当該金属被膜を提供することにある。【解決手段】上記課題を解決するため、無電解めっき法により、基材の表面に金属被膜を形成し、当該金属被膜に残留した内部応力により当該金属被膜を分割させて、微細金属領域の集合体から成る電磁波透過用金属被膜を得ることを特徴とする電磁波透過用金属被膜の製造方法、及び当該製造方法により製造された電磁波透過用金属皮膜を提供する。【選択図】図1

Description

本件発明は、電磁波透過性を備える電磁波透過用金属被膜を製造するための方法及びその方法で製造された電磁波透過用金属被膜に関する。
従来より、電磁波透過性が要求される部材を装飾するために、真空蒸着法により基材の表面に海島構造を有するインジウム被膜を部材に設けることが行われている。海島構造を有するインジウム被膜は、海島構造を有することにより電磁波を透過することができると共に、極めて微細な海島構造を有するため装飾用金属被膜として十分な金属光沢を有している。このため、このような海島構造を有するインジウム被膜は、例えば、エンブレム等、自動車に搭載されるミリ波レーダ装置のカバー部材(レドーム)を装飾する金属被膜として用いられている(例えば、「特許文献1」及び「特許文献2」参照)。
しかしながら、真空蒸着法は、真空設備等の設備コストを要すると共に、真空蒸着法では、真空容器の内部で成膜する必要があるため、基材の大きさが真空容器内に収容可能な大きさに限定されるなどの制約もあった。また、真空容器内に基材をその都度設置して成膜する必要があるため、量産性が低いという課題もある。
特開2000−159039号公報 特開2000−049522号公報
従って、本件発明の課題は、量産性が高い電磁波透過用金属被膜を製造可能な電磁波透過用金属被膜の製造方法及び当該方法で製造された電磁波透過用金属被膜を提供することを目的とする。
そこで、本発明者等は、鋭意研究を行った結果、以下の製造方法及びその方法で製造された電磁波透過用金属被膜を採用することで上記課題を達成するに到った。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法は、基材の表面に金属被膜を形成し、当該金属被膜に残留した内部応力により当該金属被膜を分割させて、微細金属領域の集合体から成る金属被膜を得ることを特徴とする。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法において、前記電磁波透過用金属被膜において、互いに隣接する微細金属領域が電気的に隔離されるように、前記内部応力により前記金属被膜を分割することが好ましい。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法において、透過させる電磁波の最大波長に応じて、前記微細金属領域の最大幅が所定の大きさ以下なるように、前記金属被膜に残留した内部応力により当該金属被膜を分割することが好ましい。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法において、前記金属被膜の厚みが1μm以下となるように、前記基材の表面に金属被膜を形成することが好ましい。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法において、無電解めっき法により前記基材の表面に金属被膜を形成する際に、触媒付着性能を向上するための前処理を行うことが好ましい。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法において、前前記金属被膜を無電解めっき法により形成する際には、無電解パラジウムめっき液又は無電解パラジウム合金めっき液を用い、前記基材の表面にパラジウム被膜又はパラジウム合金被膜を形成することが好ましい。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜は、上記本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本件発明によれば、無電解めっき法を採用しているため、真空蒸着法により海島構造を有する金属被膜を形成する場合と異なり、大量生産が可能であり、且つ、真空設備等の設備コストを低減することができる。また、真空蒸着法と異なり、真空容器の内部で成膜する必要がないため、当該電磁波透過用金属被膜を設ける基材の大きさが真空容器内に収容可能な大きさに限定されるなどの基材の大きさに関する制約が少ない。また、無電解めっき法を採用しているため、基材の形状に対する制約が少なく、複雑な表面形状を有する基材についても、電磁波透過性を有する金属被膜を設けることができる。従って、多様な製品に、外観上、十分な金属光沢を有し、且つ、電磁波を透過可能な金属被膜を量産性よく設けることができる。
実施例1で得た電磁波透過用金属被膜の表面を写した実態顕微鏡写真である。 レドームを介してミリ波を送受信したときの受信波の信号レベルを示す図である。 微細金属領域の平均最大幅が異なる電磁波透過用金属被膜を適用したレドームを介して、ミリ波を送受信したときの受信波の信号レベルを示す図である。 微細金属領域の平均最大幅と透過減衰率との関係を示す図である。 実施例2で得た電磁波透過用金属被膜の表面を写した実態顕微鏡写真である。 実施例3で得た電磁波透過用金属被膜の表面を写した実態顕微鏡写真である。 実施例4で得た電磁波透過用金属被膜の表面を写した実態顕微鏡写真である。 実施例5で得た電磁波透過用金属被膜の表面を写した実態顕微鏡写真である。 実施例6で得た電磁波透過用金属被膜の表面を写した実態顕微鏡写真である。
以下、本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法、及びその方法で製造された電磁波透過用金属被膜の好ましい実施の形態を説明する。
〈電磁波透過用金属被膜〉
まず、本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法により製造することのできる電磁波透過用金属被膜について説明する。本件発明に係る電磁波透過用金属被膜は、無電解めっき法により、基材の表面に金属被膜を形成し、当該金属被膜に残留した内部応力により当該金属被膜を分割させることにより得られるもので、微細金属領域の集合体から成る。例えば、図1に示すように、互いに隣接する微細金属領域は絶縁チャネル(クラック)により、電気的に隔離されており、当該絶縁チャネルは平面視において網目状に分布している。このように、本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法により得られた電磁波透過用金属被膜は、絶縁チャネルに囲まれた無数の微細金属領域の集合体として構成されたものである。なお、図1において、絶縁チャネルは黒い線状に視認される微細な領域であり、微細金属領域はこれらの絶縁チャネルに囲まれた白く所定の面積を有する領域である。以下、金属被膜、基材の順に説明する。なお、本実施の形態では、主として、自動車等に搭載されるミリ波レーダ装置から出入射するミリ波を透過可能なミリ波透過用の金属被膜を製造する場合を例に挙げて説明する。
1.金属被膜
本件発明に係る金属被膜は、上述のとおり、微細な絶縁チャネルにより囲まれた極めて微細な金属領域の集合体であり、基材の表面がこれらの微細金属領域により不連続に被覆される。
微細金属領域の平均最大幅: 本件発明では、透過させる電磁波の最大波長に応じて、微細金属領域の最大幅を所定の大きさ以下にすることにより、当該最大波長以下の電磁波が金属被膜に吸収又は反射されるのを防止し、当該波長の電磁波を減衰することなく透過させることが可能になる。但し、ここでいう微細金属領域の最大幅とは、例えば、測定対象とする微細金属領域の一端から他端までの距離を測定した場合、最長となる端部間の距離を指す。また、画像処理装置を用いる等して、当該微細金属領域の面積と等しくなる円の直径を算出して得られる径を上記最大幅としてもよい。具体的には、画像処理装置を用いて単位面積(1mm)当たりに存在する微細金属領域の数と、微細金属領域が占める面積とを求め、これにより微細金属領域の平均面積を求め、当該平均面積と等しい円の直径を計算により求めることで、これを微細金属領域の平均最大幅とすることができる。基材の表面に分布する微細金属領域の数が単位面積(1mm)当たり10000個を超える場合、当該微細金属領域の平均最大幅は14.1μm以下となる。これは一つ一つの微細金属領域が、一辺の長さが10μmの正方形状を呈する場合の対角線の長さに相当する。ここでは、平均最大幅について述べているが、各微細金属領域の最大幅に大きなバラツキがなく、各微細金属領域が略同じ大きさであり、略同じ形状である方がよいのは勿論である。
ここで、特に、当該電磁波透過用金属被膜をミリ波透過用金属被膜として用いる場合について説明する。この場合、当該微細金属領域の平均最大幅を、14.1μm以下(若しくは、各微細金属領域が正方形状であると仮定したときの一辺の平均長さを10μm以下)とすることにより、ミリ波或いは、ミリ波よりも周波数の小さな電磁波の透過減衰率を0dBとすることができる。一方、この微細金属領域の平均最大幅が14.1μmを超える場合、微細金属領域の分布率を上述の範囲とすることが困難になると共に、電磁波の一部が吸収または反射し、電磁波の減衰が生じる恐れがあるため好ましくない。当該電磁波透過用金属被膜を、ミリ波レーダ装置に適用する場合、次に図2及び図3を参照しながら説明するように、電磁波の減衰が生じると、レーダの指向性が低下する恐れがあるため好ましくない。なお、ミリ波とは、波長1mm〜10mm、周波数30GHz〜300GHzの電磁波をいい、ミリ波レーダ装置には、主として76.5GHzの電磁波が使用されており、将来的には81GHz付近の電磁波周波数帯も使用される方向にある。本件発明では、主として76.5GHzの電磁波を用いたミリ波レーダ装置について説明するが、当該電磁波透過用金属被膜が透過可能な電磁波は、76.5GHzの周波数のものに限定されるものではなく、種々の周波数の電磁波を透過可能であるのは勿論である。
図2に、ミリ波レーダ装置において、送信波(ミリ波)を中心位置から±12.5度の角度範囲で出射したときに、受信した受信波の信号波形を示す。矢印Aは、レドームを介在させずにミリ波の出入射を行ったときの信号波形を示し、矢印Bは、レドームを介在させて、同様にミリ波を出入射したときの信号波形を示す。なお、レドームとは、ミリ波レーダ装置に設けられるアンテナや内部の電子機器等を保護するための電磁波透過性を有するドーム状の外装部材を指す。
図2に示すように、レドームが介在させずにミリ波の出入射を行う場合は0度を中心として、メインローブは、左右対称の信号波形が得られる。しかしながら、レドームを介在させてミリ波の出入射を行う場合、受信波の信号レベルが低下すると共に、その信号波形の中心位置(ピーク位置)が0度からズレる。図3に、微細金属領域の平均最大幅が14.1μm以下の電磁波透過用金属被膜(矢印B)、微細金属領域の平均最大幅が20μmの金属被膜(矢印C)、微細金属領域の平均最大幅が30μmの金属被膜(矢印D)を適用したレドームを用いて、図2と同様にして測定した受信波の信号波形を示す。なお、図3において矢印Aはレドームを介在させずにミリ波を出入射したときの受信波の信号波形を示す。
図3に示すように、微細金属領域の平均最大幅が14.1μm以下の電磁波透過用金属被膜を用いた場合、信号波形の中心位置に0.2度のズレが生じた。微細金属領域の平均最大幅が20μmの金属被膜の場合は、0.3度、当該平均最大幅が30μmの金属被膜の場合は、0.4度のズレが生じる。
微細金属領域の平均最大幅が14.1μm以下の電磁波透過用金属被膜の場合、当該金属被膜の電磁波透過減衰率は略0dBになることが確認されている。従って、矢印Bで示す受信波の信号レベルの低下及び信号波形に生じたズレは基材又は基材の形状に起因すると考えられる。このため、予め基材等に起因する信号波形のズレに基づいて、受信角度を補正することにより、障害物等の存在する位置を精度よく検出することが可能になる。
一方、微細金属領域の平均最大幅が14.1μmを超える場合、電磁波透過率が0dBではなくなるため、当該金属被膜を介してミリ波を出入射することにより、当該金属被膜においても電磁波が減衰し、受信波の信号レベルが低下するとともに、電磁波透過率が0dBでないと、場所による透過率のバラツキが発生し、信号波形の中心位置のズレが大きくなる。このとき、レドームの全面における電磁波透過減衰率を均一なものとすることは困難であるため、ミリ波を出入射する方向によって、受信波の信号レベルの低下の度合いや、受信角度のズレにバラツキが生じる可能性が高い。従って、電磁波透過率が0dBではない電磁波透過用金属被膜をレドームに適用した場合、障害物の存在する位置を精度よく検出することが困難になる。また、各レドーム毎にそのバラツキが異なるため、製品間における位置検出精度にもバラツキが生じることになる。
以上のような観点から、当該電磁波透過用金属被膜をミリ波、或いはミリ波よりも周波数の小さい電磁波を透過するための金属被膜として用いる場合には、微細金属領域の平均最大幅を14.1μm以下とすることが好ましい。これによりミリ波、或いはミリ波よりも周波数の小さい電磁波の透過減衰率を0dBとすることができ、当該電磁波透過用金属被膜をレドームに適用することにより、障害物の存在する位置等を精度よく検出することができる。
微細金属領域の分布率: また、当該電磁波透過用金属被膜をミリ波、或いはミリ波よりも周波数の小さい電磁波を透過するための金属被膜として用いる場合にはこの微細金属領域は、基材の表面に単位面積(1mm)当たり10000個を超えて設けることが好ましい。基材の表面に微細金属領域を単位面積(1mm)当たり10000個を超えて分布させることにより、電磁波の透過減衰率を概ね0dBにすることができるため好ましい。また、基材の表面に単位面積(1mm)当たり10000個を超えて微細金属領域分布させることにより、微細金属領域及び絶縁チャネルのいずれについても極微細なものとすることができ、その大きさも略均一なものとすることができる。このため、極微細な微細金属領域及び絶縁チャネルを基材の表面に均一に分布させることが可能になり、外観上、十分な金属光沢を発現させることができる。
一方、基材の表面に分布する微細金属領域の数が単位面積(1mm)当たり10000個以下の場合、電磁波の一部が金属被膜に吸収又は反射されてしまう場合があり、透過減衰率0dBを達成することが困難になるため好ましくない。また、金属被膜において電磁波が減衰する場合、このような金属被膜をレドームに適用したミリ波レーダ装置では、後述するように出入射角度にズレが生じ、受信波を受信した方向を誤って検出する恐れがあるため好ましくない。更に、単位面積当たりの微細金属領域の数が減少するにつれて、絶縁チャネルの幅が大きくなる傾向があり、絶縁チャネルが目視可能な幅になった場合、当該金属被膜を装飾目的で使用することができなくなるため、好ましくない。
絶縁チャネル: 本件発明において、絶縁チャネルとは、微細金属領域を隔てる間隙を指し、上述したように、互いに隣接する微細金属領域を電気的に隔離している。この絶縁チャネルは、後述するように無電解めっき法により基材の表面に連続した金属被膜を形成した後、残留した内部応力によって生じたクラックにより形成される。この絶縁チャネルの幅は、特に限定されるものではない。また、絶縁チャネルの幅は、個々の微細金属領域を電気的に隔離するために、互いに隣接する微細金属領域間の絶縁を図るために十分な幅、すなわち互いに隣接する微細金属領域間で短絡の生じない幅であることが求められる。さらに、本件発明に係る電磁波透過用金属被膜は、外装部材の装飾被膜として用いられるため、当該絶縁チャネルの幅は裸眼で視認不可能な程度の幅であることが好ましい。
金属被膜の膜厚: 本件発明において、金属被膜の膜厚は、最大1μmであるが、0.01μm〜0.5μmであることが好ましい。金属被膜の膜厚が0.01μm未満である場合、光輝性が低下し、外観上、十分な金属光沢を発現することができない場合がある。一方、金属被膜の膜厚が0.5μmを超えると、後述するように、無電解めっき法により当該金属被膜を形成する際に、微細な絶縁チャネルを無数に設けることが困難になる。当該観点から、金属被膜の膜厚は0.3μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。
構成金属: 以上の金属被膜は、無電解めっき法により析出可能な金属であり、且つ、上述した構成を形成可能な金属であれば如何なる金属から形成されていてもよい。しかしながら、本件発明では次に説明する理由から、特に、当該金属被膜をパラジウム又はパラジウム合金から構成することが好ましい。パラジウム合金としては、例えば、パラジウム−リン、パラジウム−ニッケル、パラジウム−ニッケル−リン、パラジウム−コバルト等を挙げることができる。パラジウム又はパラジウム合金を用いることにより、上述した極薄いものであっても外観上、十分な金属光沢を発現させることができる。また、パラジウム又はパラジウム合金は、内部応力の比較的高い金属であり、無電解めっき法により金属被膜を形成した後、残留応力を利用して金属被膜に無数の微細な絶縁チャネルを形成することができる。パラジウムは貴金属であるため、ニッケルあるいはスズに比べて酸化されにくく、環境に対して変色しにくい。
基材: 次に、本件発明に係る基材について説明する。上記の金属被膜が設けられる基材として、樹脂、セラミックス、紙、ガラス及び繊維等種々のものを用いることができる。樹脂としては、熱可塑性絶縁性樹脂及び熱硬化性絶縁性樹脂のいずれを用いてもよく、基材として用いる樹脂の材質は特に限定されるものではない。基材として使用可能な絶縁性樹脂の一例として、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル−エチレン−スチレン)樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー(LCP)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、セルロース樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等を挙げることができる。但し、これら列挙した各種樹脂は、一例に過ぎず、本件発明では、基材として、種々の熱可塑性絶縁性樹脂及び熱硬化性絶縁性樹脂を用いることができる。
上述した基材の形状は特に限定はなく、板材、シート材、フィルム材等の他、上述した自動車のエンブレム等、立体形状のものを用いることもできる。本件発明に係る電磁波透過用金属被膜は、無電解めっき法により得られたものであるため、複雑な立体形状を有する基材であっても、基材の表面全面に精度よく金属被膜を形成することができる。
下地層: 基材の表面に無電解めっき法により金属被膜を形成する際には、例えば、基材の表面を改質するための各種の下地層を設けることができる。特に、本件発明では、後述するように、無電解めっき法により基材の表面に金属被膜を形成した後、金属被膜に残留する内部応力を利用してクラックを生じさせるため、基材と金属被膜との間に弾力性を有し、且つ、密着性のよい下地層を設けることが好ましい。このような下地層として、例えば、アクリル系樹脂、或いはウレタン系樹脂等を溶媒に溶解してワニスを調製し、ワニスを基材の表面に塗布して、乾燥又はUV硬化等を行うことにより形成することができる。
〈電磁波透過用金属被膜の製造方法〉
次に、上記電磁波透過用金属被膜の製造方法を説明する。本件発明に係る電磁波透過用金属皮膜の製造方法は、基材の表面に金属被膜を形成し、当該金属被膜に残留した内部応力により当該金属被膜にクラックを生じさせて、微細金属領域の集合体から成る金属被膜を得ることを特徴とする。このように、本件発明では、微細金属領域の集合体としての電磁波透過用金属被膜を得る際に金属被膜を微細に分割させるための特別な処理を有していないことを特徴としている。すなわち、本件発明によれば、熱処理等の方法により、金属被膜にクラックを生じさせる方法を採用していないため、例えば、樹脂製の基材を採用した場合であっても、基材に対して熱の影響が及ぶのを防止することができ、且つ、形状の均一なムラのない金属被膜を形成することができる。
ここで、本件発明では、上記金属被膜を形成可能であれば、無電解めっき法の具体的な手順等に関する限定はない。例えば、一般にキャタリスト溶液と称されるスズ−パラジウム混合触媒溶液に基材を浸漬し、水洗の後、5vol%〜10vol%の硫酸又は塩酸からなるアクセレータ(促進剤)に浸漬し、基剤の表面に吸着したパラジウムを触媒として金属を析出させる等の通常の手順により、基剤の表面に金属被膜を形成することができる。しかしながら、通常の無電解めっき法により、基材の表面に単に装飾等の目的で金属被膜を形成する場合と比較すると、以下の点で異なっている。
不連続な非導通性被膜: 本件発明では、無電解めっき法により基材の表面に金属被膜を形成したのち、水洗工程或いは乾燥工程等の後処理工程において、金属被膜に残留する内部応力により微細なクラックを生じさせて、本件発明にいう絶縁チャネルを網目状に形成することを特徴とする。但し、乾燥工程とは、自然乾燥によるものであってもよいし、基材に熱の影響を及ぼさない程度の温度で乾燥させる工程であってもよい。
浸漬時間: 通常の無電解めっき法では、基材の表面に完全に連続した導通膜が形成されるまで十分に基材を無電解めっき浴に浸漬するが、本件発明では、基材の表面に完全に連続した導通膜を得る必要はなく、通常の場合と比較すると浸漬時間を短くすることができる。基材の浸漬時間は、具体的な浴組成や浴の金属塩濃度等によっても異なるが、30秒〜90秒の範囲内とすることが好ましい。無電解めっき浴に対して、基材を浸漬する時間を当該範囲内とすることにより、その後の後処理工程において、金属被膜に残留した内部応力により金属被膜の表面に無数のクラックを生じさせて、単位面積(1mm)当たり10000個を超える微細金属領域を設けることが可能になる。
これに対して、浸漬時間が30秒未満である場合、微細なクラックを十分に発生させることができない。この場合、単位面積(1mm)当たりの微細金属領域の個数が10000個以下となる。また、浸漬時間が90秒を超える場合、基材の表面にクラックを有する金属被膜を得ることができるが、クラックを肉眼で視認することができるようになり、装飾性が低下するため外観上好ましくない。また、単位面積(1mm)当たり10000個を超える微細金属領域を有する金属被膜を形成する場合は、浸漬時間が90秒を超えることは好ましくない。この場合、析出した金属被膜の厚みが厚くなり、その結果、単位面積(1mm)当たり10000個を超える微細金属領域を有する金属被膜を形成することが困難になる。
上述した本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法によれば、無電解めっき浴から基材を引き揚げた直後は、連続膜であっても、水洗工程或いは乾燥工程等の後処理工程を経ることにより、基材の表面には、上述した微細金属領域の集合体としての不連続な非道通性の金属被膜を得ることができる。
無電解めっき浴: 無電解めっき浴としては、基材表面に析出させる金属(合金含む)の塩、還元剤等を含む既存の無電解めっき浴を採用することができる。上述した通り、当該金属被膜は、パラジウム又はパラジウム合金等の内部応力の高い金属から成ることが好ましく、この場合、無電解パラジウムめっき浴又は無電解パラジウム合金めっき浴を用いることが好ましい。
なお、無電解めっき法により、基材の表面に金属被膜を形成する際には、酸/アルカリ洗浄等の脱脂処理等の清浄化処理、市販の薬液等を用いて、コンディショニング処理、プレディップ処理等の各種前処理を行ってよいのは勿論である。
また、基材の表面が平滑であり、触媒がうまく付着しない場合には、機械的処理、化学的処理又は光学的処理(UV処理、プラズマ処理等)等によって、基材の表面を粗面化するなどの前処理を行ってもよい。また、基材の触媒付着能を向上するために、上述した親水性樹脂材料を用いて形成した下地層を設けてもよい。
さらに、上記金属被膜を得た後、水洗等により、表面を清浄化する等の各種の後処理を適宜行ってもよいのは勿論である。
〈本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の利用態様〉
以上説明した本件発明に係る電磁波透過用金属被膜は、ミリ波レーダ装置のカバー部材(レドーム)を装飾する金属被膜として好適に用いることができる。
車載用レーダ装置: 本件発明に係る車載用レーダ装置(図示略)は、ミリ波を送信波として送信する送信手段と、送信波が先行車等の対象物により反射した電波を受信波として受信する受信手段と、送信波を送信してから受信波を受信するまでの時間を計測する計測手段と、計測手段により測定された時間に基づき対象物との距離や、対象物との相対速度等を算出する演算手段等を備えて構成される。このような車載用レーダ装置は、一般に、車両のフロントグリルの裏面側等、車両の外装部材の裏面側に配置される。より具体的には、フロントグリルの車幅方向中央に設けたエンブレム、又はエンブレム及びフロントグリルの後方に車載用レーダ装置が配置される。そして、ミリ波レーダ装置のカバー部材として、エンブレム又は/及びフロントグリルが採用される。
エンブレム: エンブレムは、例えば、ポリカーボネート樹脂等の透明の基材の裏面側に、マスキング部を含む背景色塗布層と、本件発明に係る金属被膜層とが順次積層された層構成を有する構成とすることができる。マスキングされた意匠部分上に設けられた金属被膜を基材の表面側から観察することができる。従って、当該エンブレムを基材の表面側から観察すると、意匠部分にのみ金属被膜が設けられているように見える。また、金属被膜層には、金属被膜を保護するための保護膜を設けることが好ましい。本件発明に係る電磁波透過用金属被膜は、極めて微細な微細金属領域の集合体として構成されるため、基材表面に対する密着強度には一定の限界が生じる。しかしながら、保護膜を設けることにより、基材の表面から電磁波透過用金属被膜が剥離するのを防止することができる。
また、エンブレムの他の形態として、エンブレムを表す形状に成形された基材の表面に本件発明に係る金属被膜を設ける構成とすることができる。具体的には、エンブレムを表す所定形状に形成された基材の表面に、本件発明に係る金属被膜と、意匠塗装層と、トップコート層とを順次設けた層構成とすることができる。この場合、基材の裏面側に金属被膜を設けるのではなく、基材の表面に金属被膜を設ける層構成としているため、不透明の基材を用いることができる。基材として、例えば、ABS樹脂、AES樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマー等を用いることができる。この場合も、金属被膜は、基材と、意匠塗装層或いはトップコート層とによって挟み込まれるため、金属被膜と基材との密着強度に一定の限界が生じる場合であっても、基材の表面から電磁波透過用金属被膜が剥離するのを防止することができる。
フロントグリル: また、フロントグリルについても、フロントグリル形状に成形された樹脂基材の表面に本件発明に係る電磁波透過用金属被膜を設ける構成とすることができる。このとき、樹脂基材の表面に本件発明に係る電磁波透過用金属被膜を設けることを除いては、従来公知の方法と同様にしてフロントグリルを作製することができる。
また、上記実施の形態によれば、無電解めっき法を採用しているため、真空蒸着法により海島構造を有する金属被膜を形成する場合と異なり、真空設備等の設備コストを低減することができる。また、真空蒸着法と異なり、真空容器の内部で成膜する必要がないため、当該電磁波透過用金属被膜を設ける基材の大きさが真空容器内に収容可能な大きさに限定されるなどの基材の大きさに関する制約が少ない。また、無電解めっき法を採用しているため、基材の形状に対する制約が少なく、複雑な表面形状を有する基材についても、微細金属領域の集合体から成る電磁波透過用金属被膜を設けることができる。従って、多様な製品に、外観上、十分な金属光沢を有し、且つ、電磁波を透過可能な金属被膜を低コストで、量産性よく設けることができる。
さらに、本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法を用いて、単位面積(1mm)当たり微細金属領域を10000個を超えて、基材の表面に分布させれば、当該電磁波透過用金属被膜の電磁波の透過減衰率を略0dBにすることができる。従って、レーダ面積を覆ったレドーム領域の透過率のバラツキがなくなるため、本件発明に係る電磁波透過用金属被膜を採用したミリ波レーダ装置では、送信波や受信波を出入射するときの出入射角度にずれが生じず、障害物等の位置や相対速度を精度よく検出することができる。
以上説明した上記実施の形態は、本件発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。例えば、上記実施の形態において、電磁波透過用金属被膜として、ミリ波レーダ装置のミリ波経路上に配置されるカバー部材等を主として説明したが、本件発明に係る電磁波透過用金属被膜はミリ波レーダ装置のカバー部材を装飾する用途に限定されるものではない。上述したように本件発明に係る電磁波透過用金属被膜は、単位面積当たりの微細金属領域の数や、微細金属領域の平均最大幅等を適宜調整することにより、種々の波長の電磁波を選択的に透過することができる。
次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1では、基材として、20mm×50mm×0.3mmのポリカーボネート製シートを用いた。この基材の一方の面にアクリル系樹脂を溶媒で希釈した塗布液をスプレー塗布し、その後、UV硬化させることにより、厚み20μmの下地層を形成した。
次に、下地層が形成された基材を、60℃の条件下でアルカリ脱脂を行った。その後、45℃の条件下で市販のコンディショニング液に2分間浸漬し、その後スズ−パラジウム水溶液0.3g/Lに、45℃の条件下で、2分間浸漬した。
次に、10%の硫酸水溶液に、基材を45℃の条件下で、1分間浸漬した。そして、上述の工程を経て、下地層に触媒としてのパラジウム金属が吸着された基材を、40℃に調整した以下の浴組成を有する無電解パラジウムーリン合金めっき浴に40秒浸漬し、下地層の表面にパラジウムーリンから成る金属被膜を成膜した。
無電解パラジウム−リン合金めっき浴
塩化パラジウム :0.01M(mol/L)
次亜リン酸ナトリウム :0.2M
チオジグリコール酸 :3.0g/L
そして、基材を無電解パラジウムーリン合金めっき浴から引き揚げると、クラックが残留応力により生じ、単位面積(1mm)当たりに微細な微細金属領域が30720個分布した金属被膜から成る電磁波透過用金属被膜を得た。このとき形成された微細金属領域の平均最大幅は8.1μm、金属被膜の膜厚は0.027μmであった。なお、各微細金属領域が正方形状であると仮定した場合、一辺の平均長さ(以下、「一辺平均長さ」と称する)は5.7μmとなる。
実施例2では、基材を無電解パラジウムーリン合金めっき浴に浸漬する時間を70秒に変更した以外は、実施例1と同様にして電磁波透過用金属被膜を得た。このとき基材の表面に設けられた微細金属領域の分布率は10203/mmであり、当該微細金属領域の平均最大幅は13.9μm(一辺平均長さ:9.9μm)であり、膜厚は0.055μmであった。
実施例3では、基材を以下の無電解パラジウム−リン合金めっき浴に浸漬し、浴温を50℃、浸漬時間を30秒に変更した以外は、実施例1と同様にして電磁波透過用金属被膜を得た。このとき基材の表面に設けられた微細金属領域の分布率は3614/mmであり、当該微細金属領域の平均最大幅は23.5μm(一辺平均長さ:5.7μm)であった。
無電解パラジウム−リン合金めっき浴
塩化パラジウム :0.01M(mol/L)
次亜リン酸ナトリウム :0.2M
チオジグリコール酸 :200mg/L
実施例4では、基材を無電解パラジウム−リン合金めっき浴に浸漬する時間を70秒に変更した以外は、実施例3と同様にして電磁波透過用金属被膜を得た。このとき基材の表面に設けられた微細金属領域の分布率は496/mmであり、当該微細金属領域の平均最大幅は63.5μm(一辺平均長さ:45.0μm)であった。
実施例5では、チオジグリコール酸を添加しない以外は実施例3と同様の無電解パラジウムーリン合金めっき浴を採用し、他条件は実施例3と同様にして電磁波透過用金属被膜を得た。このとき基材の表面に設けられた微細金属領域の分布率は2267/mmであり、当該微細金属領域の平均最大幅は21.0μm(一辺平均長さ:14.9μm)であった。
実施例6では、基材を無電解パラジウムーリン合金めっき浴に浸漬する時間を70秒に変更した以外は、実施例5と同様にして電磁波透過用金属被膜を得た。このとき基材の表面に設けられた微細金属領域の分布率は887/mmであり、当該微細金属領域の平均最大幅は47.5μm(一辺平均長さ:33.7μm)であった。
〈参考評価〉
各実施例で得た電磁波透過用金属被膜の76.6GHzにおける電磁波透過減衰量をアジレント社製 ネットワークアナライザーを用いて測定した。測定の際には、まず、ポリカーボネート製の基材自体の電磁波透過減衰量を測定しておき、次に、各実施例及び比較例において得た試料(基材+電磁波透過用金属被膜)全体の電磁波透過減衰量を測定した。そして、各試料の電磁波透過減衰量から基材自体の電磁波透過減衰量を差し引き、各実施例及び比較例で得た電磁波透過用金属被膜自体の電磁波透過減衰量を求めた。結果を表1に示す。また、微細金属領域の平均最大幅に対して、電磁波透過減衰率を示したグラフを図4に示す。
表1及び図4に示すように、電磁波透過用金属被膜を構成する微細金属領域の分布率及び平均最大幅と、電磁波透過減衰率とは負の相関を示し、微細金属領域の分布率が10000/mmを超え、微細金属領域の平均最大幅が14.1μm以下になった場合、電磁波の透過減衰率が略0dBになることが確認された。
また、図1及び図5〜図9に示すように、実施例1及び実施例2で得た電磁波透過用金属被膜と、実施例3〜実施例6で得た電磁波透過用金属被膜とを比較すると、実施例1及び実施例2で得た金属被膜の方が、各微細金属領域の面積が小さく、平均最大幅が小さいことが確認できる。また、微細金属領域の分布率が高いため、微細金属領域間の大きさのバラツキが少ないことが分かる。これに対して、実施例3〜実施例6で得た電磁波透過用金属被膜のように、微細金属領域の分布率が低くなると、一つ一つの微細金属領域の大きさにバラツキが生じ、例えば、ミリ波の透過減衰率が高くなると共に、面内における透過減衰率のバラツキが生じる可能性が高くなる。実施例1及び実施例2で得た電磁波透過用金属被膜をミリ波透過用金属被膜として用いれば、図2及び図3を参照しながら説明したように、ミリ波レーダ装置が送受信する送信波、受信波のいずれについても予め設計された方向に出入射することができ、障害物等の位置や相対速度を精度よく検出可能であることが可能になる。
本件発明に係る電磁波透過用金属被膜の製造方法によれば、無電解めっき法を採用することにより、外観上、十分な金属光沢を有し、且つ、電磁波を透過可能な電磁波透過用金属被膜を、種々の形状の基材の表面に設けることができる。従って、多様な製品に、外観上、十分な金属光沢を有し、且つ、電磁波を透過可能な金属被膜を量産性よく設けることが可能になる。

Claims (7)

  1. 無電解めっき法により、基材の表面に金属被膜を形成し、当該金属被膜に残留した内部応力により当該金属被膜を分割させて、微細金属領域の集合体から成る電磁波透過用金属被膜を得ること、
    を特徴とする電磁波透過用金属被膜の製造方法。
  2. 前記電磁波透過用金属被膜において、互いに隣接する微細金属領域が電気的に隔離されるように、前記内部応力により前記金属被膜を分割する請求項1に記載の電磁波透過用金属被膜の製造方法。
  3. 透過させる電磁波の最大波長に応じて、前記微細金属領域の最大幅が所定の大きさ以下なるように、前記内部応力により当該金属被膜を分割する請求項1又は請求項2に記載の電磁波透過用金属被膜の製造方法。
  4. 前記金属被膜の厚みが1μm以下となるように、前記基材の表面に金属被膜を形成する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電磁波透過用金属被膜の製造方法。
  5. 前記無電解めっき法により、前記基材の表面に金属被膜を形成する際に、触媒付着性能を向上するための前処理を行う請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電磁波透過用金属被膜の製造方法。
  6. 前記金属被膜を無電解めっき法により形成する際には、無電解パラジウムめっき液又は無電解パラジウム合金めっき液を用い、前記基材の表面にパラジウム被膜又はパラジウム合金被膜を形成する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電磁波透過用金属被膜の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法により製造されたことを特徴とする電磁波透過用金属被膜。
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