JP2015038091A - ペプチド担持ナノ粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、インスリンを含む生物活性ペプチドを担持および/または安定化することができる組成物、ならびにそのような生物活性ペプチドを対象に送達する方法を提供することを目的とする。【解決手段】(i)金属を含むコアと、(ii)コアに共有結合により連結した複数のリガンドを含むコロナであって、前記リガンドの少なくとも1つが、炭水化物部分を含む、コロナと、(iii)コロナに結合した少なくとも1つのペプチドとを含むナノ粒子を用いれば、ペプチドを安定化できることを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、特に薬における使用のためのペプチド担持ナノ粒子に関し、例えば血中グルコース調節の、障害の治療のための方法を含む。
本発明は、哺乳動物、特にヒトの治療用を含む、組成物および生成物、ならびにそのような組成物および生成物を作製および投与する方法を対象とする。
ペプチド等の生物活性剤は、しばしば、低い安定性、特に熱安定性が問題となり、これは、調製、処理、保存および/または送達中に薬剤が供され得る条件を制限する場合がある。例えば、インスリンは、1型および2型糖尿病等の制御および治療に広く使用されている。ヒトにおける使用のためのインスリンの調合薬は、一般に、1種または複数の防腐剤および/または安定剤とともに製剤化される。さらに、限定的な胃腸管安定性は、典型的には、インスリン等の生物活性ペプチドの有効な経口投与の障害となる。
WO2002/032404 WO2004/108165 WO2005/116226 WO2006/037979 WO2007/015105 WO2007/122388 WO2005/091704 未公開欧州特許出願第EP09382185.8号
インスリンを含む生物活性ペプチドを担持および/または安定化することができる組成物、ならびにそのような生物活性ペプチドを対象に送達する方法の必要性は、いまだ満たされていない。
本発明は、ペプチド等の活性薬剤の安定化および送達に好適な活性物質担持成分、すなわち、活性物質に連結、結合、会合または別の方法で接続された成分を提供することにより、上記の問題に対処する。
本発明は、本明細書において説明されるように、金属コアと、リガンドのコロナと、リガンドの1つまたは複数に結合した活性物質とを含むナノ粒子を提供する。このようにして、本発明のナノ粒子は、インスリン等の生物活性ペプチドの担体または送達成分を提供し、それによりこのペプチドは安定化され得る。
本発明の一態様において、
(i)金属を含むコアと、
(ii)コアに共有結合により連結した複数のリガンドを含むコロナであって、前記リガンドの少なくとも1つが、炭水化物部分を含む、コロナと
を含み、
(iii)少なくとも1つのペプチドがコロナに非共有結合により結合している、ナノ粒子が提供される。ペプチドは、いくつかの場合において、可逆的におよび/または非共有結合によりコロナに結合していてもよい。
ペプチドは、ナノ粒子を生理溶液、例えば生理食塩水に接触させると、結合したペプチドの少なくとも一部またはそれ以上がナノ粒子から放出されるように、コロナに結合していてもよい。この放出は、例えばペプチドをその受容体と相互作用させることにより、活性ペプチドの生物学的効果を促進し得る。一般に、ペプチドは、生物活性ペプチドであり、すなわち、哺乳動物対象における生理学的反応を刺激することができる。いくつかの場合において、本発明によれば、ペプチドは、インスリン、GLP-1、IGF1、IGF2、リラキシン、INSL5、INSL6、INSL7、膵臓ポリペプチド(PP)、ペプチドチロシンチロシン(PTT)、神経ペプチドY、オキシトシン、バソプレッシン、GnRH、TRH、CRH、GHRH/ソマトスタチン、FSH、LH、TSH、CGA、プロラクチン、ClIP、ACTH、MSH、エンドルフィン、リポトロピン、GH、カルシトニン、PTH、インヒビン、リラキシン、hCG、HPL、グルカゴン、インスリン、ソマトスタチン、メラトニン、チモシン、チムリン、ガストリン、グレリン、チモポエチン、CCK、GIPセクレチン、モチンVIP、エンテログルカゴン、IGF-1、IGF-2、レプチン、アディポネクチン、レジスチン、オステオカルシン、レニン、EPO、カリシトロール、ANP、BNP、ケモカイン、サイトカイン、アディポカインおよびそれらの全ての生物活性類似体からなる群から選択され得る。したがって、ある特定の場合において、ペプチドは、哺乳動物対象における血中グルコースレベルの低減を刺激することができ得る。例えば、ペプチドは、単量体および/または二量体ヒトインスリンを含んでもよく、またはそれらからなってもよい。さらに、ペプチドは、GLP-1またはその類似体を含んでもよく、またはそれらからなってもよい。さらに、少なくとも1つのペプチドは、上に指定された2種以上のペプチドの組合せ、例えばインスリンおよびGLP-1、またはインスリンおよびGLP-1類似体を含んでもよい。
いくつかの場合において、本発明によれば、前記炭水化物部分は、単糖および/または二糖を含んでもよい。炭水化物部分は、本明細書においてさらに定義される通りであってもよく、炭水化物模倣物を含む。炭水化物部分は、硫黄含有連結基、アミノ含有連結基、リン酸含有連結基および酸素含有連結基からなる群から選択される連結基を介してコアに共有結合により連結していてもよい。いくつかの場合において、連結基は、少なくとも2つの炭素のアルキル鎖を含む。
本発明によれば、炭水化物部分を含む前記少なくとも1つのリガンドは、いくつかの場合において、2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシド、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシド、2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド、5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシドおよび2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドからなる群から選択され得、炭水化物部分を含む前記少なくとも1つのリガンドは、その硫黄原子を介してコアに共有結合により連結している。
コアに共有結合により連結した前記複数のリガンドは、少なくとも第1のリガンドおよび第2のリガンドを含んでもよく、第1および第2のリガンドは異なることが、本明細書において特に企図される。例えば、第1および第2のリガンドは、以下の通りであってもよい。
(a)前記第1のリガンドは、2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシドを含み、前記第2のリガンドは、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、
(b)前記第1のリガンドは、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドは、5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシドを含むか、
(c)前記第1のリガンドは、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドは、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、または、
(d)前記第1のリガンドは、2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドは、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含み、
前記第1および第2のリガンドは、そのそれぞれの硫黄原子を介してコアに共有結合により連結している。
いくつかの場合において、第1のリガンドは、炭水化物部分を含んでもよく、前記第2のリガンドは、非炭水化物リガンドを含んでもよい。リガンドの1つまたは複数は、アミノ基であってもよい。特に、第2のリガンドは、その硫黄原子を介してコアに共有結合により連結した1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含んでもよい。
本明細書においてさらに説明されるように、ナノ粒子上に異なるリガンドが存在する場合、リガンドは、例えば、ある特定の規定の比または比の範囲で存在し得る。例えば、第1のリガンドおよび前記第2のリガンドは、1:40から40:1、1:10から10:1、またはさらには1:2から2:1の範囲内の比でナノ粒子上に存在し得る。
本発明によるナノ粒子は、コロナを形成する様々な数のリガンドを有し得ることが判明している。例えば、いくつかの場合において、コロナは、コア1個当たり少なくとも5個のリガンド、例えばコア1個当たり約10個から約1000個の間のリガンド、またはコア1個当たり44〜106個のリガンドを含む。
コア1個当たりの結合ペプチド分子の数は、特に限定されない。ある特定の用途においては、コア1個当たりわずか1個、2個、3個または4個のペプチドを使用することが望ましくなり得るが、他の場合においては、本発明のナノ粒子は、コア1個当たり少なくとも5個以上の結合ペプチド分子を含んでもよい。
本発明によれば、ナノ粒子コアは、いくつかの場合において、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Fe、Co、Cd、Gd、Znまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される金属を含んでもよい。ある特定の金属の組合せおよび具体的なコア組成物は、本明細書においてさらに説明される。
本発明によるナノ粒子コアは、いくつかの場合において、約0.5nmから約50nm、例えば約1nmから約10nm、または約1.5nmから約2nmの範囲内の直径を有してもよい。
本発明によれば、前記少なくとも1つのペプチドは、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の異なる種のペプチドを含んでもよい。特に、ナノ粒子は、同じナノ粒子のコロナに結合したインスリンおよびGLP-1を含んでもよい。ナノ粒子に結合した2種以上のペプチドの存在は、単一種のペプチドの結合と比較して、ある特定の状況(例えばある特定の臨床的状況)において好ましいことがある。特に、ペプチドの組合せは、ペプチドが相互に有益または相補的な機能を果たす、および/または、例えば相乗的に呼応して作用するように、ナノ粒子上に担持され得る。2種以上の存在は、1つまたは複数の状態の治療を目的として、および1つまたは複数の治療適応症のために使用され得る。
本発明によれば、本発明のナノ粒子は、二価状態を有する成分、例えば二価状態を有する金属もしくは化合物、またはそれらの酸化物もしくは塩を含んでもよい。例えば、二価状態で存在する能力を有する金属または金属錯体が、特に有用である。そのような成分は、添加時に二価状態であってもよく、または、添加後に二価状態に変換されてもよい。二価成分の酸化物および塩もまた有用であり、直接添加されてもよく、または添加後にその場で形成されてもよい。二価成分の有用な塩には、ハロゲン化物塩、例えば塩化物、ヨウ化物、臭化物およびフッ化物が含まれる。そのような二価成分は、例えば、亜鉛、マグネシウム、銅、ニッケル、コバルト、カドミウム、またはカルシウム、ならびにそれらの酸化物およびそれらの塩を含み得る。成分は、望ましくは、安定化効果を生成するのに十分な量、および/または、二価状態を有する成分の非存在下でのコロナに対するペプチドの結合レベルよりも大きなレベルまで、コロナに対するペプチドの結合を向上させるのに十分な量で存在する。いくつかの場合において、二価状態を有する成分は、望ましくは、コア金属(例えば金)に対して約0.5当量から2.0当量、または任意選択でコア金属(例えば金)に対して約0.75当量から1.5当量の量で存在する。本発明に関して、「当量」は、モル当量であってもよく、例えば、1.0当量の亜鉛は、ナノ粒子のコア内の金原子の数と同じ数の亜鉛原子またはZn2+陽イオンを意味すると解釈され得る。
二価成分は、いくつかの場合において、ナノ粒子のコロナ内に存在してもよい。二価成分は、ナノ粒子の合成プロセスにおける二価成分の含有の結果として、ナノ粒子のコロナ内を含むナノ粒子内に含まれてもよいことが、本明細書において特に企図される。追加的に、または代替的に、二価成分は、ナノ粒子の合成後に添加されてもよい。いくつかの場合において、本発明によれば、亜鉛等の二価成分は、Zn2+およびZnOから選択され得る。例えば、亜鉛は、ZnCl2の形態であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、複数の本発明のナノ粒子を提供する。例えば、複数は、100個、1000個、100000個またはそれ以上であってもよい。複数は、会合した形態であってもよく、懸濁液であってもよく、または、単一パッケージ、容器もしくは担体内に共に含有されてもよい。ある特定の場合において、複数は、1つまたは複数の用量(例えば、規定量のペプチドまたはペプチド活性単位)の形態、例えば、治療用量または規定数の用量の形態をとってもよい。
さらなる態様において、本発明は、
(i)金属を含むコアと、
(ii)コアに共有結合により連結した複数のリガンドを含むコロナであって、複数のリガンドが、少なくとも第1のリガンドおよび第2のリガンドを含む、コロナと
を含むナノ粒子であって、
(a)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、
(b)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシドを含むか、
(c)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、または、
(d)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含み、
前記第1および第2のリガンドが、そのそれぞれの硫黄原子を介してコアに共有結合により連結している、ナノ粒子を提供する。
本発明のこの態様によるナノ粒子は、金属または金属錯体等の二価成分を含んでもよい。1つの特に有用な成分は、亜鉛である。二価成分は、いくつかの場合において、ナノ粒子のコロナ内に存在してもよい。二価成分は、ナノ粒子の合成プロセスにおける二価成分の含有の結果として、ナノ粒子のコロナ内を含むナノ粒子内に含まれてもよいことが、本明細書において特に企図される。追加的に、または代替的に、二価成分は、ナノ粒子の合成後に添加されてもよい。いくつかの場合において、本発明によれば、亜鉛が二価成分として使用されてもよく、亜鉛は、Zn2+およびZnOから選択され得る。例えば、亜鉛は、ZnCl2の形態であってもよい。本明細書に開示されるように、他の二価材料、その塩および酸化物が使用されてもよい。成分は、望ましくは、安定化効果を生成するのに十分な量、および/または、二価状態を有する成分の非存在下でのコロナに対するペプチドの結合レベルよりも大きなレベルまで、コロナに対するペプチドの結合を向上させるのに十分な量で存在する。いくつかの場合において、二価状態を有する成分は、望ましくは、コア金属(例えば金)に対して約0.5当量から2.0当量、または任意選択でコア金属(例えば金)に対して約0.75当量から1.5当量の量で存在する。本発明に関して、「当量」は、モル当量であってもよく、例えば、1.0当量の亜鉛は、ナノ粒子のコア内の金原子の数と同じ数の亜鉛原子またはZn2+陽イオンを意味すると解釈され得る。
さらなる態様において、本発明は、複数の本発明のナノ粒子と、1種または複数の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。いくつかの場合において、医薬組成物は、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、皮内(i.d.)または皮下(s.c.)経路による哺乳動物対象への投与用に製剤化されてもよい。
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1つのペプチドを安定化させる方法であって、少なくとも1つのペプチドがナノ粒子のコロナに結合するのを可能にする条件下で、少なくとも1つのペプチドを本明細書において定義されている本発明のナノ粒子に接触させるステップを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物対象における血中グルコースを低下させる方法であって、治療上有効な量の本発明のナノ粒子、例えばコロナに結合したインスリンおよび/またはGLP-1を有するナノ粒子を投与するステップを含む方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物対象における糖尿病を治療する方法であって、治療上有効な量の本発明のナノ粒子、例えばコロナに結合したインスリンおよび/またはGLP-1を有するナノ粒子を投与するステップを含む方法を提供する。本発明のナノ粒子またはナノ粒子を含む医薬組成物は、任意の好適な投与経路により対象に投与され得る。具体的な場合において、本発明のナノ粒子または前記ナノ粒子を含む医薬組成物は、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、皮内(i.d.)または皮下(s.c.)投与されてもよい。
さらなる態様において、本発明は、医学的治療方法における使用のための本発明のナノ粒子を提供する。ナノ粒子は、例えば、1つ、または典型的には複数の本発明のナノ粒子を、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤または担体と組み合わせることにより、薬学的使用のために製剤化され得る。本発明のナノ粒子または前記ナノ粒子を含む医薬組成物は、対象への任意の好適な送達経路による投与用に製剤化され得る。特に、本発明のナノ粒子または前記ナノ粒子を含む医薬組成物は、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、皮内(i.d.)または皮下(s.c.)投与用に製剤化され得る。
さらなる態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物対象における血中グルコースを低下させる、および/またはそれを必要とする哺乳動物対象における糖尿病を治療する方法における使用のための、本発明のナノ粒子(例えばコロナに結合したインスリンおよび/またはGLP-1を有するナノ粒子)を提供する。
さらなる態様において、本発明は、それを必要とする哺乳動物対象における血中グルコースを低下させる、および/または糖尿病を治療する方法における使用のための医薬の調製における、本発明のナノ粒子(例えばコロナに結合したインスリンおよび/またはGLP-1を有するナノ粒子)の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、
少なくとも1つの本発明のナノ粒子と、
少なくとも1つのナノ粒子を収容するための容器と、
添付文書および/またはラベルと
を備える製造品を提供する。
さらなる態様において、本発明は、メゾスコピックなポリペプチドまたはタンパク質クラスターを形成するための方法であって、前記クラスターが、その中に埋め込まれた1つまたは複数の本発明のナノ粒子を有し、前記方法が、前記ポリペプチドまたはタンパク質を、前記1つまたは複数のナノ粒子に周囲温度で接触させるステップを含む方法を提供する。いくつかの場合において、周囲温度は、15℃から30℃の間、例えば20℃から25℃の間であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、1つまたは複数のクラスターを解離させるための方法であって、前記1つまたは複数のクラスターが、その中に埋め込まれた1つまたは複数の本発明のナノ粒子を有するメゾスコピックなペプチドまたはタンパク質のクラスターを含み、前記方法が、前記クラスターを、35℃から前記ペプチドまたはタンパク質の融点(Tm)までの温度に供し、それにより、前記1つまたは複数のクラスターを、個々のナノ粒子-ペプチド凝集体に解離させるステップを含む、方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、溶液中の1つまたは複数のナノ粒子-ペプチド凝集体から単量体ペプチドを放出させるための方法であって、溶媒のイオン強度を増加させるステップを含み、前記ナノ粒子-ペプチド凝集体が、1つまたは複数の本発明のナノ粒子を含む、方法を提供する。いくつかの場合において、方法は、前記1つまたは複数のナノ粒子-ペプチド凝集体の、血漿、間質液または唾液等の生体液への溶解を含む。
本発明は、説明された態様および好ましい特徴の組合せが明らかに許容されない場合、または避けられることが明示的に述べられている場合を除き、そのような組合せを含む。本発明のこれらの態様および実施形態、ならびにさらなる態様および実施形態を、添付の実施例および図面を参照しながら、以下でさらに詳細に説明する。
9:1のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-GlcC2(9)GlcNAc(1)」の概略図である。 4:1のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-GlcC2(4)GlcNAc(1)」の概略図である。 1:1のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-GlcC2(1)GlcNAc(1)」の概略図である。 1:9のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-GlcC2(1)GlcNAc(9)」の概略図である。 1:1のGlcC2:α-Gal比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-GlcC2(1)α-Gal(1)」の概略図である。 1:1のβGlcC2:EG6NH2比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-βGlcC2(1)EG6NH2(1)」の概略図である。 1:1のGlcNHAc:EG6NH2比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-GlcNHAc(1)EG6NH2(1)」の概略図である。 1:1のα-Glc:EG6NH2比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-α-Glc(1)EG6NH2(1)」の概略図である。 α-Glcの複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-α-Glc」の概略図である。 1:1のGlcC2:GlcNH_IAA比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-GlcC2(1)GlcNH_IAA(1)」の概略図である。 1:1のα-Gal:EG6NH2比の複数のリガンドを有するナノ粒子「NP-α-Gal(1)EG6NH2(1)」の概略図である。ある特定の例において、NP-α-Gal(1)EG6NH2(1)ナノ粒子は、本明細書においてバッチNP10と呼ばれる。 11種の異なるナノ粒子コロナ組成物に対する、金の量(ナノモル)当たりの結合ヒトインスリン(ナノモル)のインスリン結合曲線である。 NP-α-Gal(1)EG6NH2(1)ナノ粒子{バッチ#NP10}の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 数によるMI-NP-10アミン-gal(すなわちNP-α-Gal(1)EG6NH2(1)ナノ粒子)に対する動的光散乱(DLS)で測定された粒径分布プロットである。 体積によるMI-NP-10アミン-gal(すなわちNP-α-Gal(1)EG6NH2(1)ナノ粒子)に対する動的光散乱(DLS)で測定された粒径分布プロットである。 数によるインスリン結合MI-NP-10アミン-gal(すなわちNP-α-Gal(1)EG6NH2(1)ナノ粒子)に対する動的光散乱(DLS)で測定された粒径分布プロットである。 体積によるインスリン結合MI-NP-10アミン-gal(すなわちNP-α-Gal(1)EG6NH2(1)ナノ粒子)に対する動的光散乱(DLS)で測定された粒径分布プロットである。 温度ピークが示されたα-ガラクトース-EG-アミン-Auナノ粒子{バッチ#NP10}に対する実験的熱重量分析(TGA)データである。 金ナノ粒子に結合したインスリンのグラフであり、菱形は、亜鉛の非存在下でのナノ粒子を示し、三角は、1.33当量の亜鉛の存在下で合成されたナノ粒子を示し、丸は、亜鉛の非存在下で合成されたが、合成後に1.33当量の亜鉛が添加されたナノ粒子を示す。 金ナノ粒子の様々な量における、金ナノ粒子に対するGLP-1の結合を示す。 GLP-1およびインスリンの両方を含むナノ粒子調製物のGLP-1およびインスリンを示すMALDIトレースである。 GLP-1およびインスリンの両方を含むナノ粒子調製物のGLP-1およびインスリンを示すHPLCトレースである。
本発明を説明するにあたり、以下の用語が使用されるが、これは、以下に示されるように定義されることを意図する。
本明細書において使用される場合、「ナノ粒子」は、ナノメートル規模を有する粒子を指し、いかなる具体的な形状制限も示唆することを意図しない。特に、「ナノ粒子」は、ナノスフェア、ナノチューブ、ナノボックス、ナノクラスター、ナノロッド等を包含する。ある特定の実施形態において、本明細書において企図されるナノ粒子および/またはナノ粒子コアは、略多面体または球状構造を有する。
複数の炭水化物含有リガンドを含むナノ粒子は、例えば、WO2002/032404、WO2004/108165、WO2005/116226、WO2006/037979、WO2007/015105、WO2007/122388、WO2005/091704(そのそれぞれの全内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる)に記載されており、そのようなナノ粒子は、本発明による使用を見出すことができる。さらに、(例えばチオール-金結合を介して)有機化合物で官能化された酸化鉄フェライト(式XFe2O4(式中、X=Fe、MnまたはCoである)を有する)の磁性コアを含む金被覆ナノ粒子は、2009年9月25日出願の未公開欧州特許出願第EP09382185.8号(その全内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる)に記載されており、本発明によるナノ粒子/ナノ粒子コアとしての使用に特に企図される。
本明細書において使用される場合、「コロナ」は、ナノ粒子コアの露出表面を部分的または完全に被覆し得る層またはコーティングを指す。コロナは、少なくとも1つの炭水化物部分を含む複数のリガンドを含む。したがって、コロナは、金属コアを包囲する、または部分的に包囲する有機層であるとみなすことができる。ある特定の実施形態において、コロナは、ナノ粒子のコアの不動態化を提供する、および/またはそれに関与する。したがって、ある特定の場合において、コロナは、金属含有コアを実質的に安定化させるのに十分完全なコーティング層を含み得る。しかしながら、例えば貴金属でコーティングされた金属酸化物含有内部コアを含むコアを有するある特定のナノ粒子は、コア表面を部分的にのみコーティングするコロナを含んでもよいことが、本明細書において特に企図される。
本明細書において使用される場合、「ペプチド」は、任意の配列のアミノ酸を包含することを意図し、特に、ペプチド、ポリペプチドタンパク質(2次、3次および/または4次構造を有するタンパク質を含む)ならびにそれらの断片を含む。「〜に結合したペプチド」という表現は、ナノ粒子の複数のリガンドの1つまたは複数の、1つまたは複数の一部(例えば、化学基または部分)と結合相互作用を形成するペプチドのアミノ酸配列の一部を包含する(ただし全体を含んでもよい)ことを特に意図する。ある特定の実施形態において、ペプチドは、500kDa未満、100kDa未満、50kDa未満、例えば20kDaまでの分子量を有してもよい。
したがって、一態様において、本発明は、
(i)金属を含むコアと、
(ii)コアに共有結合により連結した複数のリガンドを含むコロナであって、前記リガンドの少なくとも1つが、炭水化物部分を含む、コロナと、
(iii)コロナに結合した少なくとも1つのペプチドと
を含むナノ粒子を提供する。
「結合した」という用語は、2つの成分の間の物理的および/または化学的会合を含むことを意図する。この用語は、化学的連結の任意の形態、例えば、共有結合、イオン結合、水素結合、またはファンデルワールス力もしくは静電気力等の分子間力を含む。この用語は、物理的接続または連結を含む。この物理的および/または化学的会合は、可逆的であること、すなわち、成分が一方から他方へ分離または解離して、例えば担体成分から活性成分を放出してもよいことを意図し得る。
ペプチドは、可逆的にコロナに結合していてもよい。とりわけ、ペプチドは、非共有結合によりナノ粒子の一部に結合していてもよいことが特に企図される。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、現在、ペプチドは、ナノ粒子のコロナを提供する1つまたは複数のリガンドとの1つまたは複数の可逆的結合相互作用に関与し得ると考えられている。特に、アミノ酸の配列の一部は、1つまたは複数のリガンドとの水素結合、ファンデルワールス力および/または静電相互作用に関与し得る(例えば、露出したリガンドの1つまたは複数の官能基と相互作用する)。ペプチド結合は、ナノ粒子の1つまたは複数のリガンドとの吸着、吸収または他の直接的もしくは間接的相互作用に関与し得る。
本発明のある特定の実施形態を参照しながら本明細書において説明されるように、ペプチドは、ナノ粒子を生理溶液に接触させると、結合したペプチドの少なくとも一部または一部分がナノ粒子から放出されるように結合していてもよい。本明細書において説明されるように、ペプチドは、ペプチドが、結合している間安定化される(例えば熱安定化される)が、生物学的に活性な形態で放出可能および利用可能である(例えば、ペプチドがELISAにより検出可能である、および/または、遊離ペプチドの特徴である生体外もしくは生体内系における少なくとも1つの生物学的作用を発揮することができるように放出可能である)ように、ナノ粒子に結合していてもよい。特に、ペプチドが(ヒト)インスリンを含む場合、ペプチドは、インスリン結合ナノ粒子の懸濁液が、(ヒト)インスリンに対するELISAにおいて陽性の結果をもたらす、および/または哺乳動物対象への投与後にその対象における血中グルコースレベルに影響を与えるように、ナノ粒子に結合していてもよい。
ナノ粒子からの結合ペプチド分子の解離に関して、2段階または複数段階の放出(例えば、最初の高速放出に次ぐ、より遅い後続の放出段階)を含む、様々な放出反応速度論が企図される。例えば、放出は、ナノ粒子からの結合ペプチド分子の数秒または数分以内の急速解離に次ぐ、少なくとも2時間、4時間、6時間、8時間またはそれ以上の時間にわたるさらに持続的な放出を含み得る。そのような放出反応速度論は、ある特定の状況、例えば、遊離ペプチドの注射等に比べて持続的作用が望ましい場合において有利となり得る。
ペプチド(ポリペプチド、タンパク質、またはその断片を含むがこれらに限定されない)は、インスリン、GLP-1、IGF1、IGF2、リラキシン、INSL5、INSL6、INSL7、膵臓ポリペプチド(PP)、ペプチドチロシンチロシン(PTT)、神経ペプチドY、オキシトシン、バソプレッシン、GnRH、TRH、CRH、GHRH/ソマトスタチン、FSH、LH、TSH、CGA、プロラクチン、ClIP、ACTH、MSH、エンドルフィン、リポトロピン、GH、カルシトニン、PTH、インヒビン、リラキシン、hCG、HPL、グルカゴン、ソマトスタチン、メラトニン、チモシン、チムリン、ガストリン、グレリン、チモポエチン、CCK、GIPセクレチン、モチンVIP、エンテログルカゴン、レプチン、アディポネクチン、レジスチン、オステオカルシン、レニン、EPO、カリシトロール、ANP、BNP、ケモカイン、サイトカイン、アディポカインおよびそれらの生物活性類似体からなる群から選択され得る。ある特定の実施形態において、ペプチドは、哺乳動物対象における血中グルコースレベルの低減を刺激することができる。したがって、いくつかの場合において、本発明によれば、ペプチドは、単量体および/または二量体ヒトインスリンを含み得る。
ある特定の場合において、本発明によれば、平均して、コア1個当たり少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個またはそれ以上のペプチド分子が結合していてもよい。単一の種類のペプチド、または2種以上の異なるペプチドが存在してもよい。2種の異なるペプチドの組合せがナノ粒子に結合している場合、異なるペプチドは、いくつかの場合において、1:10から10:1、例えば1:2から2:1の比で存在してもよい。したがって、有利に同時投与されるペプチドの相補的組合せが、特に企図される。
本明細書において使用される場合、「炭水化物」という用語は、一般式Cn(H2O)m(式中、n=mであり、nは、3より大きい)の化合物を含むことを意図する。また、一般式Cn(H2O)mに含まれない炭水化物類似体/模倣物も、炭水化物の定義に含まれる。炭水化物類似体/模倣物は、擬似糖(カルバ糖)、アミノ糖、イミノ糖およびイノシトールを含むが、これらに限定されない。アミノ糖は、ポリヒドロキシル化ピペリジン、ピロリジン、ピロリジジンおよびインドリジジンを含む。
本明細書において説明されるように、本発明によるナノ粒子は、金属含有コアに共有結合により連結した複数のリガンドを含む。リガンドは、同じまたは異なっていてもよい。具体的実施形態において、複数のリガンドは、少なくとも1つの炭水化物部分を含むリガンドの第1のクラスと、非炭水化物リガンドの第2のクラスとを含んでもよい。本明細書において使用される場合、炭水化物部分を含む少なくとも1つのリガンドは、一般に、1つもしくは複数の糖基、例えば単糖、二糖および/もしくは多糖、ならびに/または1つもしくは複数の擬似糖基(例えば、カルバ糖、アミノ糖、イミノ糖、イノシトール、ポリヒドロキシル化ピペリジン、ピロリジン、ピロリジジンおよびインドリジジンから選択される擬似糖)を含む。リガンドは、ナノ粒子のコアに共有結合により連結している。したがって、「炭水化物部分」という用語は、配糖体等の炭水化物の化学誘導体を含むと理解されるべきであり、リガンドは、非糖原子または分子に繋がった糖基または擬似糖基(例えば、カルバ糖、アミノ糖、イミノ糖、イノシトール、ポリヒドロキシル化ピペリジン、ピロリジン、ピロリジジンおよびインドリジジンから選択される擬似糖)を含む。特定の場合において、本発明による炭水化物部分を含むリガンドは、ガラクトース、グルコース、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、マンノース、フコースおよび/またはラクトースの配糖体を含んでもよく、例えば、炭水化物部分は、ガラクトピラノシドおよび/またはグルコピラノシドを含んでもよい。炭水化物含有リガンドは、硫黄含有連結基、アミノ含有連結基およびリン酸含有連結基から選択される連結基を介してコアに共有結合により連結していてもよい。また、コアからの連結基の組合せが使用されてもよい。いくつかの場合において、連結基は、少なくとも2つの炭素のアルキル鎖を含んでもよい。
コアに連結したリガンドは、例えば多糖、オリゴ糖または単糖基を含む1つまたは複数の炭水化物(糖)基を含む。また、リガンドは、糖脂質または糖タンパク質等のグリカノコンジュゲートであってもよい。炭水化物基に加えて、リガンドは、ペプチド基、タンパク質ドメイン、核酸分子(例えばDNA/RNA断片)および/または蛍光プローブのうちの1つまたは複数を追加的に含んでもよい。
ある特定の場合において、粒子は、その上に固定化された2種以上のリガンド、例えば2種、3種、4種、5種、10種、20種または100種の異なるリガンドを有してもよい。代替的に、または追加的に、複数の異なる種類の粒子を一緒に使用することができる。
ある特定の場合において、粒子の個々の金属コアに連結したリガンドの平均数は、少なくとも5個、少なくとも10個または少なくとも20個のリガンドである。数は、コア1個当たり10個から10000個、例えば10個から1000個、より具体的には20個から500個または44個から106個のリガンドの範囲内であってもよい。
好ましくは、リガンドの実質的に全てが、粒子のコアに共有結合により繋がっている。これを実現するためのプロトコルは、当技術分野において知られている(例えば、WO2002/032404、WO2004/108165、WO2005/116226、WO2006/037979、WO2007/015105、WO2007/122388、WO2005/091704を参照されたい)。これは、還元性末端基を有するリガンドを、金等の貴金属と、還元条件下で反応させることにより実現することができる。粒子を生成する例示的方法は、チオール誘導体化炭水化物部分を使用して、リガンドを粒子に接続する。したがって、リガンドは、保護ジスルフィドとして誘導体化される。好都合には、メタノール中のジスルフィド保護リガンドは、四塩化金酸の水溶液に添加することができる。好ましい還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。ある特定の実施形態において、ナノ粒子は、有機溶媒ならびに水および生理溶液に溶解性である。本発明者らは、本明細書において説明されるようなナノ粒子が、治療用途に好適であること、ならびに、非毒性であり、尿に溶解および/または排泄され得ることを見出した。
ある特定の場合において、本発明によれば、炭水化物部分を含む少なくとも1つのリガンドは、2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシド、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシド、2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド、5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシドおよび2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドからなる群から選択され、炭水化物部分を含む前記少なくとも1つのリガンドは、チオールの硫黄を介してコアに共有結合により連結している。
追加的に、または代替的に、複数のリガンドは、アミン基を含んでもよい。したがって、炭水化物基を含むリガンドは、アミン基を含んでもよい(例えば、グルコサミン等の炭水化物の一部として、および/またはリガンドの非炭水化物部分の構成基として)。さらに、複数のリガンドが少なくとも1つの非炭水化物リガンドを含む場合、非炭水化物基は、アミン基を含んでもよい。少なくとも1つの非炭水化物リガンドは、チオールの硫黄を介してコアに共有結合により連結した1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含んでもよい。
本発明のある特定の実施形態によれば、複数のリガンドは、炭水化物部分を含む前記少なくとも1つのリガンドと、前記少なくとも1つの非炭水化物リガンドとを含んでもよく、前記リガンドは異なり、1:40から40:1の比、例えば1:10から10:1の比、より具体的には1:2から2:1の比でナノ粒子上に存在する。
ナノ粒子「コア」は、金属を含む。好適なコアは、例えば、WO2002/032404、WO2004/108165、WO2005/116226、WO2006/037979、WO2007/015105、WO2007/122388、WO2005/091704(そのそれぞれの全内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる)に記載されており、そのようなナノ粒子コアは、本発明による使用を見出すことができる。さらに、酸化鉄フェライト(式XFe2O4(式中、X=Fe、MnまたはCoである)を有する)の磁性コアを含む金被覆ナノ粒子は、2009年9月25日出願の未公開欧州特許出願第EP09382185.8号(その全内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる)に記載されており、本発明による使用を見出すことができる。
いくつかの場合において、本発明によれば、ナノ粒子コアは、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Fe、Co、Gd、Znまたはそれらの任意の組合せの群から選択される金属を含む。コアは、Au、Ag、Pt、PdおよびCu、またはそれらの任意の組合せの群から選択される不動態化金属を含んでもよい。ある特定の実施形態において、金属の特定の組合せ、例えばAu/Fe、Au/Ag、Au/Cu、Au/Ag/Cu、Au/Pt、Au/Pd、Au/Ag/Cu/Pd、Au/Gd、Au/Fe/Cu、Au/Fe/Gd、Au/Fe/Cu/Gdの群から選択される金属の組合せが使用されてもよい。
いくつかの場合において、本発明によれば、ナノ粒子コアは、磁性であってもよい。コアは、Mn2+、Gd3+、Eu2+、Cu2+、V2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、Fe3+およびランタニド3+の群から選択される金属等のNMR活性原子を含んでもよい。
いくつかの場合において、本発明によれば、ナノ粒子コアは、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウムおよび硫化亜鉛の群から選択されるもの等の半導体を含んでもよい。
いくつかの場合において、本発明によれば、ナノ粒子コアは、Au、Ag、Cu、Pt、PdおよびZn、またはそれらの任意の組合せの群から選択される金属でコーティングされた金属酸化物を含んでもよい。金属酸化物は、有利には、式XFe2O4(式中、Xは、Fe、MnおよびCoの群から選択される金属である)の金属酸化物であってもよい。
いくつかの場合において、本発明によれば、ナノ粒子コアは、約0.5nmから約50nm、例えば約1nmから約10nm、より具体的には約1.5nmから約2nmの範囲内の平均直径を有してもよい。
以下は、例示を目的として示されるものであり、特許請求の範囲の限定として解釈されるべきではない。
(実施例)
(実施例1)
リガンドの調製
2-チオ-エチル-α-D-ガラクトシド(α-ガラクトースC2SH)の調製
Figure 2015038091
ガラクトース(3g、16.65mmol)の2-ブロモエタノール(30ml)中の懸濁液に、酸性樹脂Amberlite 120-Hを、pH2に達するまで添加する。反応物を50〜60℃で16時間撹拌する。反応混合物を濾過し、MeOHで洗浄する。pH8に達するまでトリエチルアミンを添加する。粗反応物を濃縮し、トルエンと3回共蒸発させる。反応混合物をピリジン(75mL)に溶解し、Ac2O(35mL)および触媒量のDMAPを0℃で添加し、室温で3時間撹拌する。混合物をAcOEtで希釈し、1.H2O、2.HCl(10%)、3.NaHCO3溶液、4.H2Oで洗浄する。有機層を回収し、無水Na2SO4で脱水する。TLC(ヘキサン:AcOEt 3:1、2回溶出)は、(所望の)主要生成物およびより低いRfの副生成物を示す。ヘキサン:酢酸エチル 6:1混合物を溶離液として使用したフラッシュクロマトグラフィーにより生成物を精製すると、2-ブロモエチル-α-ガラクトシド(2)が得られる。
前の反応の生成物2を、27mlの2-ブタノンに溶解する。この溶液に、触媒量のテトラブチルアンモニウムヨージドおよび4当量のチオ酢酸カリウムを添加する。得られる懸濁液を、室温で2時間撹拌する。この期間中、反応物を、出発材料の消失についてTLC(ヘキサン-AcOEt 2:1、2回溶出)により試験する。混合物を20mlのAcOEtで希釈し、飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相を脱水し、濾過し、真空下で蒸発させる。生成物をヘキサン/AcOEt 2:1→1:1中で精製すると、アセチルチオ-α-ガラクトシド3が得られる。
新たな反応生成物3を、ジクロロメタン-メタノール 2:1混合物に溶解する。この混合物に、1Nナトリウムメトキシド(1当量)の溶液を添加し、室温で1時間撹拌する。pH5〜6に達するまで、Amberlite IR-120H樹脂を添加する。次いで、得られる混合物を濾過し、乾燥するまで濃縮すると、最終生成物(α-ガラクトースC2SH)が得られる。
アミノ-チオール連結基の調製
Figure 2015038091
PPh3(3g、11.4mmol)の乾燥THF20ml中の溶液に、DIAC(2.3g、11.4mmol)を添加する。混合物を0℃で15分間、白色生成物が出現するまで撹拌する。この混合物に、ヘキサエチレングリコール(1.45mL、5.7mmol)およびHSAc(610μl、8.55mmol)の乾燥THF(20mL)中の溶液を滴下(滴下漏斗)により添加する。15分後、生成物はTLC上でRf0.2で出現し始める。溶液をエバポレーター内で濃縮する。粗反応物を50mlのジクロロメタンに溶解し、K2CO3の10%溶液で洗浄する。有機相を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮する。溶離液としてAcOEt:ヘキサン 1:1、AcOEtおよび最後にDCM:MeOH 4:1を使用した粗生成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、アセチル-チオ-ヘキサエチレングリコール誘導体が得られた。
反応生成物を5mlのDMFに溶解し、PPh3(2.25g、8.55mmol)、NaN3(0.741g、11.4mmol)およびBrCl3C(0.845ml、8.55mmol)を添加し、続いて溶液を室温で40分間撹拌する。TLC(DCM:MeOH 25:1)を行うと、得られる生成物は、出発生成物よりも高いRfを有する。反応混合物を100mlのジエチルエーテルで希釈し、H2Oで3回洗浄する。有機相を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、真空下で蒸発させる。DMC/MeOH 200:1およびDCM/MeOH 40:1の溶離液混合物を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより生成物を精製すると、アジド-アセチルチオ-ヘキサエチレングリコール誘導体が得られる。
トリフェニルホスフィンオキシドを除去するために、反応生成物を10mlのTHFに溶解し、この溶液に0.5gのMgCl2を添加する。反応物を80℃で2時間、白色沈殿物が出現するまで撹拌し、次いでセライトを通して濾過する。生成物をエタノール:H2O 3:1の混合物に溶解し、Zn粉末(0.45g、6.84mmol)およびNH4Cl(0.6g、11.4mmol)を添加する。反応物を還流下で1時間、出発材料の存在がTLC(DCM/MeOH 25:1)により検出できなくなるまで撹拌する。セライトを通して反応物を濾過し、溶媒を蒸発させる。粗反応物をAcOEtで希釈し、5mlのH2Oで抽出する。水相を乾燥するまで蒸発させると、アミノ-チオール-ヘキサエチレングリコール生成物が得られる。
(実施例2)
混合金ナノ粒子の調製
β-グルコースC2誘導体1、N-アセチルグルコサミンC2誘導体2、α-ガラクトースC2誘導体3、α-グルコースC2誘導体4、グルコサミンC5誘導体5およびヘキサエチレングリコールアミン連結基6は、Midatech Bioguneストックからのものを使用した。N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、HAuCl4、NaBH4は、Sigma-Aldrich Chemical Companyから購入した。イミダゾール-4-酢酸一塩酸塩は、Alfa Aesar Companyから購入した。高品質MeOHおよびNanopure水(18.1mΩ)を、全ての実験および溶液に使用した。
Figure 2015038091
リガンドの命名
GlcC2
Figure 2015038091
2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシド(β)
GlcNHAcC2
Figure 2015038091
2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド(β)
GlcNH2-IAA-C5
Figure 2015038091
5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシド(α、β異性体混合物)
α-GalC2(α)
Figure 2015038091
2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシド(α)
α-GlcC2(α)
Figure 2015038091
2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシド
EG6NH2
Figure 2015038091
1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールまたは1-アミノ-6-メルカプト-ヘキサエチレングリコール(俗称)
複数のリガンドを有するナノ粒子(NP)の調製
NP-GlcC2(9)GlcNAc(1)
1(21.6mg、90μmmol)および2(2.8mg、10μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を7mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.8mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、9:1のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-GlcC2(9)GlcNAc(1)」の概略図を、図1に示す。
NP-GlcC2(4)GlcNAc(1)
1(19.2mg、80μmmol)および2(5.6mg、20μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を7mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.8mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、4:1のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-GlcC2(4)GlcNAc(1)」の概略図を、図2に示す。
NP-GlcC2(1)GlcNAc(1)
1(12mg、50μmmol)および2(14mg、50μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を7mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.9mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:1のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-GlcC2(1)GlcNAc(1)」の概略図を、図3に示す。
NP-GlcC2(1)GlcNAc(9)
1(2.4mg、10μmmol)および2(25.3mg、90μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を7mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.8mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:9のGlcC2:GlcNAc比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-GlcC2(1)GlcNAc(9)」の概略図を、図4に示す。
NP-GlcC2(1)α-Gal(1)
1(12mg、50μmmol)および3(12mg、50μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を7mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.7mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:1のGlcC2:α-Gal比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-GlcC2(1)α-Gal(1)」の概略図を、図5に示す。
NP-βGlcC2(1)EG6NH2(1)
1(12mg、50μmmol)および6(14.85mg、50μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を7mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.9mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:1のβGlcC2:EG6NH2比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-βGlcC2(1)EG6NH2(1)」の概略図を、図6に示す。
NP-GlcNHAc(1)EG6NH2(1)
2(14mg、50μmmol)および6(14.85mg、50μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を6mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.6mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:1のGlcNHAc:EG6NH2比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-GlcNHAc(1)EG6NH2(1)」の概略図を、図7に示す。
NP-α-Glc(1)EG6NH2(1)
4(12mg、50μmmol)および6(14.85mg、50μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を4mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.8mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:1のα-Glc:EG6NH2比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-α-Glc(1)EG6NH2(1)」の概略図を、図8に示す。
NP-α-Glc
4(24mg、100μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を5mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=1.0mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、α-Glcの複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-α-Glc」の概略図を、図9に示す。
NP-GlcC2(1)GlcNH_IAA(1)
1(12mg、50μmmol)および5(12mg、50μmmol)のMeOH(8.3mL)中の溶液に、HAuCl4の0.025M水溶液(1.33mL、33μmmol)を添加した。溶液を30秒間振盪し、次いで、NaBH4の1N水溶液(0.67mL、0.67mmol)を、数回に分けて添加した(134μL×5)。暗色懸濁液を100分間振盪した。メタノール層を除去し、ペレットを10mLの水に溶解し、遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を8mLの100mM MESに溶解し、EDC(153mg、0.8mmol)およびイミダゾール-4-酢酸一塩酸塩(81mg、0.5mmol)で14時間処理した。混合物を遠心濾過(10KDa AMICON 4mL、4500g、15分、15℃)により精製した。このプロセスを3回繰り返し、2mLの水で洗浄した。残渣を4mLの水に溶解した。定量のために一定分量を凍結乾燥した。[NP]=0.9mg/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:1のGlcC2:GlcNH_IAA比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-GlcC2(1)GlcNH_IAA(1)」の概略図を、図10に示す。
NP-α-Gal(1)EG6NH2(1)
アミンα-gal金ナノ粒子Batch MI-NP-10-AMINE-GALの調製:1:1(0.58mmol、3当量)の比のアミン-メルカプトヘキサエチレングリコール連結基6およびα-ガラクトースリガンド3のMeOH(49mL)中の混合物に、金塩の水溶液(7.86mL、0.19mmol、0.025M)を添加した。反応物を30秒間撹拌し、次いで、NaBH4(1N)の水溶液を、数回に分けて添加した(4.32mL、4.32mmol)。反応物を、900rpmで100分間振盪した。この時間後、懸濁液を14000rpmで1分間遠心分離した。上清を除去し、沈殿物を2mLの水に溶解した。次いで、2mLの懸濁液を2つのフィルタ(AMICON、10KDa、4mL)に導入し、4500gで5分間遠心分離した。フィルタ内の残渣をさらに2回水で洗浄した。最終残渣を80mLの水に溶解した。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、1:1のα-Gal:EG6NH2比の複数のリガンドを有する得られたナノ粒子「NP-α-Gal(1)EG6NH2(1)」の概略図を、図11に示す。
金NPの調製において、製造は層流キャビネット下であった。全てのガラスおよびプラスチック材料(例えばエッペンドルフ、バイアルおよび瓶)ならびに溶媒(水、HAc)は、まずオートクレーブ内で滅菌した。他の全ての使い捨て器具(例えばチップおよびフィルタ)は、事前に滅菌された状態であった。
(実施例3)
ナノ粒子へのインスリン結合
以下の方法は、αGal(1)EG6NH2(1)NPに対するインスリンの結合がいかにして行われたかを詳細に示すものである。方法は、一定インスリンおよび様々なNPレベルを使用し、試験された他のNP試料に対してはより低い/異なるレベルのNPが使用されたが、これ以外は方法は試験された全てのNPに対して同じであった。
インスリンストック溶液の調製;清浄なガラスバイアルに20mgのヒトインスリンを量り入れ、8.7mlの10mM HCl混合物を静かに添加すると、インスリンは完全に溶解し、次いで1.3mlの100mMトリス塩基を添加することによりpHを7.5に戻し、溶液は、インスリンがその等電点を通過すると速やかに懸濁し、pHが7.5であることを確認し、蓋をして4℃で保存し、これを2mg/mlインスリンストック溶液とする。
様々な量のαGal(1)EG6NH2(1)NP、例えば15、30、60、120、240および480ナノモルの金含量のNPを、エッペンドルフまたは好適なサイズの容器に入れ、水で全体積を200μlとし、次いで50μlのヒトインスリン(トリスHCl pH7.5中2mg/ml、インスリンストック溶液の調製については上記を参照)を添加する。静かに混合し、室温で2時間放置し、続いて2分間の卓上遠心分離(2000rpm)を行って凝集物を沈降させる。最大上清値を得るために、ちょうど200μlの水および50μlのインスリンを有する標準管に対して行うべきであり、同様にブランク、すなわち50μlのトリスHCl pH7.5+200μlの水に対しても行うべきである。高精度が必要とされる場合は、既知量のαGal(1)EG6NH2(1)NPを含有する試料、すなわち10μgの金含量の試料を水で200μlとし、50μlのインスリン緩衝剤を添加し(トリスHCl pH7.5)、これを使用して、BCAアッセイにおいてαGal(1)EG6NH2(1)NPが与えるわずかに陽性の結果を補正することができる(以下参照*)。
標準的マイクロBCAアッセイ(Pierceキット23235)により上清20μlを3回分析するが、これによって上清にどれ程のインスリンが残留しているかを示すデータが得られる。この値をインスリンのみの標準に対する値から差し引くことにより、NPに結合したインスリンの量を計算するが、これはまた、必要に応じてパーセントとして表現することができる。ここで得られたデータは、使用した100μgのインスリンを最大限に結合させるために必要なαGal(1)EG6NH2(1)-NPの量を示し、これらの条件は、必要量のαGal(1)EG6NH2(1)-NP-インスリンを生成するためにスケールアップすることができる。
*データは、BCAアッセイにおける遊離αGal(1)EG6NH2(1)-NPのわずかな干渉に対して補正することができる。これを行うためには、全ての最終試料に対して金分析を行い、様々な上清中にどれ程の金が残留しているかを計算するが、インスリンに対して過剰のNPを有する試料においてより高いレベルが観察される。以下の例により示されるように、10μgの金含量のNPに対するBCA値を使用して、観察される金含量に対して補正を行う。
インスリンを有さない10μgの金含量のNPがBCAにより0.5を示し、40μgAu試験NP上清が1.25のBCAを示し、また5μgの金含量を示す場合、これは、0.25のBCA値(0.5の50%)が実際には遊離NPによるものであり、したがって、40μg金試験NP上清に対する補正値は、1.25ではなく1.00となるべきであることを意味する。これは単純化された説明のための例であり、上清中の金含量が低い場合は、補正因子は最小限となる。
金の量(ナノモル)当たりの結合ヒトインスリンの量(ナノモル)を図12に示すが、図中、
Glc=2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドであり、
GlcNAc=2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシドであり、
GlcamineIAA=5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシド(α、β異性体混合物)であり、
AGal=2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシドであり、
EG6NH2=1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールであり、
AGlc=2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドであり、
凡例中の数字は、リガンドの化学量を指す。
図12を参照することにより分かるように、約1:1の比のAGalおよびEG6NH2のコロナを有するナノ粒子を使用して、比較的高程度のインスリン結合が得られた。インスリン結合はまた、以下のコロナ組成物のいずれかを有するナノ粒子によっても示された。
AGal:EG6NH2 1:1(トレース11、図12)
Glc:GlcamineIAA 1:1(トレース10、図12)
AGlc:EG6NH2 1:1(トレース8、図12)
BGlc:EG6NH2 1:1(トレース6、図12)
GlcNAc:EG6NH2 1:1(トレース7、図12)。
本明細書において説明されるようなナノ粒子に結合したインスリンは、生理溶液(例えば生理食塩水)との接触時に放出可能であることが判明し、また、(ヒト)インスリンに対するELISAにおいて陽性の結果が達成されるように検出可能であることが判明した。これらの結果は、本発明のインスリン結合ナノ粒子が、生体系および/または生物学的要素との相互作用に利用可能な形態のインスリンを提供することを示している。したがって、ナノ粒子は、インスリンの担体/安定剤(例えば、保存、および/または製剤等に組み込むための処理のため)として作用することができると同時に、例えば対象、臓器またはその細胞への送達後にインスリン(例えば単量体インスリン)にその生物学的効果を発揮させる、または発揮するように利用可能とする能力を維持することもできる。
(実施例4)
ナノ粒子の特性決定
I)インスリン金ナノ粒子バッチMI-NP-10-Ins(NP-α-Gal(1)EG6NH2(1))の特性決定
a)金含量:エトプロパジンと、Au(III)への完全酸化後の金との間の着色錯体の形成に基づく方法を使用して、金含量を測定した。513nmにおいて試料の吸光度を測定し、既知量の金を有する同様の溶液と定量的に比較する。
金含量は、262.5±56.3mg/L(バッチ#NP10)と決定された。
TEM:ナノ粒子懸濁液の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を、図13に示す。
試料は、金コアにおいて以下のサイズ特性を有すると決定された。
カウント=783
平均(直径)=2.323nm±0.716nm
最小=1.002nm
最大=4.859nm
最頻値=2.104nm
d)動的光散乱による粒径分布:MI-NP-10アミン-gal(すなわちNP-α-Gal(1)EG6NH2(1)ナノ粒子)に対し、動的光散乱(DLS)により数および体積分布を測定し、それぞれ図14AおよびBに示す。
図14Aに示されるピークのピーク値は、以下の通りである。
ピーク1 4.875nm
図14Bに示されるピークのピーク値は、以下の通りである。
ピーク1 5.289nm
III)インスリン金ナノ粒子バッチMI-NP-10-INSの最終調製
金ナノ粒子MI-NP-10(13.041mg金)の溶液を、水で49.68mLとした。最終溶液に酢酸を添加し、pH=4.6を得た。次いで、27.85mLのトリスHCl pH7.5中の55.7mgのヒトインスリンを添加した。懸濁液を24時間放置し、この時間後に、4500gで1分間遠心分離した。上清を除去し、さらなるインスリンおよび金含量の分析のために保存した。沈殿物を3.220mLの水に再懸濁させ、500単位インスリン/mLの最終インスリン濃度を得た。
DLS分析により、インスリン-金ナノ粒子の粒径分布を測定した。BCA標準アッセイにより、インスリン含量を測定した。
**インスリン金NPの最終調製物は、層流キャビネット下で製造した。使用した全てのガラスおよびプラスチック材料(例えばエッペンドルフおよび瓶)ならびに溶媒(例えば水、トリスHClおよびHAc)は、オートクレーブ内で滅菌した。他の全ての使い捨て器具(例えばチップおよびフィルタ)は、事前に滅菌された状態であった。
特性決定:
a)MI-NP-10-INS(アミン-gal-INSULINナノ粒子)の数および体積による動的光散乱での粒径分布を、それぞれ図15AおよびBに示す。
図15Aに示されるピークのピーク値は、以下の通りである。
ピーク1 68.46nm
図15Bに示されるピークのピーク値は、以下の通りである。
ピーク1 88.38nm
b)インスリン含量:
ナノ粒子へのインスリン結合の%を、以下の式により決定した。
Figure 2015038091
Figure 2015038091
NP-インスリンナノ粒子中のインスリンおよび金の濃度:
インスリン:55.7mgインスリン
金:13.041mgの金
全体積:3.23mL水
最終インスリン濃度:17.25mgインスリン/mL=500単位/mL
最終金濃度:4.037mgAu/mL。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、本発明者らは、以下のように考える。
102個のAu原子/NP、これは数学的に、1個のNPに14個のインスリン分子が繋がっている結果となる。幾何学的考察では、ナノ粒子の表面上に約7個のインスリン分子の空間が許容されるため、これらの結果は、各NPが7個のインスリン二量体単位を含有することを示唆している。
インスリン金ナノ粒子バッチMI-NP-10-INSのさらなる特性決定により、以下の結果が得られた。
最終インスリン濃度:17.25mgインスリン/mL=500U/mL、既知濃度のインスリン標準溶液に対する補正後の比色ビシンコニン酸アッセイにより測定。
最終金濃度:4.037mgAu/mL、既知濃度の金標準溶液に対する補正後のエトプロパジンアッセイを用いた比色アッセイにより測定。
全体積:MilliQ水中3.23mL。
幾何学的考察を行うと、1個のα-ガラクトース-EG-アミン-Auナノ粒子は102原子の金コアを含有する。したがって、
4.037mg=2.049e-5モル=1.234e19原子=1.21e17ナノ粒子
17.25mg=2.97e-6モル=1.789e18分子
したがって、1個のα-ガラクトース-EG6NH2-Auナノ粒子は、約14個から15個の間のインスリン分子に結合して、最終ナノ粒子を生成する。
熱重量分析の結果:
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、本発明者らは、インスリン-NPに関して、乾燥重量が500ugであり、そのうち410ugが分解していると考える。したがって、有機物パーセントは82%である。1個のα-ガラクトース-EG6NH2-Auナノ粒子中に102原子の金を考えると、金重量は、20091(18%)であり、有機物コロナは12122である。したがって、82有機物%である粒子を有するには、111616の重量、すなわち91525の有機物を有さなければならない。有機物の12122はコロナであるため、有機物の約79403がインスリンとなる。インスリンはMW5808を有するため、粒子1個当たり14モルインスリンとなるはずである。
図16は、実験的熱重量分析(TGA)データを示す。
(実施例5)
インスリン結合のZn最適化
金ナノ粒子(NP)、αGal(1)EG6NH2(1)NPを、上記実施例2に記載のように調製した。NPへのインスリン結合に対するZnの影響を評価するために、Znの非存在下でNPの第1のバッチを合成した。NPの第2のバッチは、1.33当量のZnの存在下で合成した。NPの第3のバッチは、Znの非存在下で合成したが、合成後に1.33当量のZnCl2をNPに添加した。次いで、3つのバッチの金NPに対するヒトインスリンの結合を測定した。
結果を図17に示す。図17は、様々な金NP濃度に対し、17.2ナノモルという一定量のインスリンが結合していることを示すグラフを示す。Znなしで合成されたNP、1.33当量で合成されたNP、および1.33当量のZnCl2を添加したZn不含NPの比較。
図17中のグラフは、亜鉛が存在しない場合、インスリン結合が非常に低いレベルであることを示している。亜鉛が存在する場合、インスリン結合は、定量可能な程まで大幅に高くなる。亜鉛がNP合成中に存在するか、合成後に添加されるかに関わらず、同等のインスリン結合が生じる。
いかなる理論にも束縛されることを望まないが、本発明者らは、Zn2+陽イオンが金NPへの改善されたインスリン結合をもたらすと考える。Znの他の形態、例えばZnOもまた、改善されたインスリン結合を媒介し得る。特に、数ヶ月の期間保存された金NP試料中のZnOの存在は、ZnOが形成可能であり、Zn2+陽イオンに加えて、またはその代替として、NPへの改善されたインスリン結合を媒介または促進し得ることを示す。
インスリンの結晶化、形態および機能におけるZn2+の重要性は、以前に報告されている。しかしながら、本明細書に記載のデータは、Zn2+の存在下を含めて、NPに結合したインスリンが、Zn2+の存在下でのヒトインスリン(すなわちNPに結合していないインスリン)により一般的に関連する六量体形態ではなく、単量体または二量体形態であることを示している。多くの状況(例えば臨床的状況)においては、六量体インスリンと比較して単量体または二量体インスリンが好ましいため、これは、本発明に関連する大きな利点を提示し得る。
本発明者らは、金NP(本明細書において説明される)に対するGLP-1の結合が、Zn(Zn2+および/またはZnOを含むがこれらに限定されない)の存在下で生じることを見出した。本明細書において説明される金NPへのGLP-1結合は、Znの存在下で合成されたNPに対するものであった。本明細書において、Znは、GLP-1結合金ナノ粒子組成物中に存在してもよいことが特に企図される。
(実施例6)
金ナノ粒子へのGLP-1結合
金ナノ粒子(NP)、αGal(1)EG6NH2(1)NPを、上記実施例2に記載のように調製した。インスリンを添加するのではなく、GLP-1を添加した。GLP-1がNPに結合することが判明した。様々な金NP濃度に対し、一定の29.8ナノモルのGLP-1が結合することが、図18に示されている。これらの結果は、インスリン以外のペプチドが本発明のナノ粒子に結合することを示している。
(実施例7)
2種以上のタンパク質が共結合したナノ粒子:混合インスリン/GLP-1ナノ粒子
金ナノ粒子(NP)、αGal(1)EG6NH2(1)NPを、上記実施例2に記載のように調製した。インスリンおよびGLP-1の両方をNPに添加した。GLP-1/インスリンNPの水溶液を、MALDIによる分析に供したが、その結果を図19に示す。GLP-1/インスリンNPをHPLCに供したが、そのトレースを図20に示す。HPLCデータは、19.8mgのインスリンおよび1.33mgのGLP-1が測定されたことを示している。
26.2mgのインスリンおよび1.8mgのGLP-1の混合物を使用して、結合反応を行った。HPLCデータは、ナノ粒子への結合後にインスリン:GLP-1の近似比が維持されることを示している。
MALDIおよびHPLCデータは、金ナノ粒子に対するGLP-1およびインスリンの混合結合を示している。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、本発明者らは、本発明のナノ粒子に対する2つ以上の異なる種のペプチドの共結合が、単一種のペプチドの結合と比較して、ある特定の状況(例えばある特定の臨床的状況)において好ましくなり得ると考える。特に、ペプチドの組合せは、ペプチドが相互に有益な機能を果たす、および/または、例えば相乗的に呼応して作用するように、ナノ粒子上に担持され得る。
本明細書において引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、あらゆる目的において、個々の出版物または特許もしくは特許出願のそれぞれが、具体的および個別に、参照によりその全体が組み込まれるものとして示されるのと同等に組み込まれる。
本明細書に記載の特定の実施形態は、限定を目的とせず、例示を目的として示される。本明細書におけるいずれの副題も、利便性のみを目的として含まれ、いかなる様式でも、本開示を制限するものとして解釈されるべきではない。

Claims (98)

  1. (i)金属を含むコアと、
    (ii)コアに共有結合により連結した複数のリガンドを含むコロナであって、前記リガンドの少なくとも1つが、炭水化物部分を含む、コロナと、
    (iii)コロナに結合した少なくとも1つのペプチドと
    を含むナノ粒子。
  2. ペプチドが、可逆的におよび/または非共有結合によりコロナに結合している、請求項1に記載のナノ粒子。
  3. ペプチドが、ナノ粒子を生理溶液に接触させると、結合したペプチドの少なくとも一部がナノ粒子から放出されるように、コロナに結合している、請求項1または請求項2に記載のナノ粒子。
  4. ペプチドが、哺乳動物対象における生理学的反応を刺激することができる、請求項1から3のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  5. ペプチドが、インスリン、GLP-1、IGF1、IGF2、リラキシン、INSL5、INSL6、INSL7、膵臓ポリペプチド(PP)、ペプチドチロシンチロシン(PTT)、神経ペプチドY、オキシトシン、バソプレッシン、GnRH、TRH、CRH、GHRH/ソマトスタチン、FSH、LH、TSH、CGA、プロラクチン、ClIP、ACTH、MSH、エンドルフィン、リポトロピン、GH、カルシトニン、PTH、インヒビン、リラキシン、hCG、HPL、グルカゴン、インスリン、ソマトスタチン、メラトニン、チモシン、チムリン、ガストリン、グレリン、チモポエチン、CCK、GIPセクレチン、モチンVIP、エンテログルカゴン、IGF-1、IGF-2、レプチン、アディポネクチン、レジスチン、オステオカルシン、レニン、EPO、カリシトロール、ANP、BNP、ケモカイン、サイトカイン、アディポカインおよびそれらの生物活性類似体からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  6. ペプチドが、哺乳動物対象における血中グルコースレベルの低減を刺激することができる、請求項4または請求項5に記載のナノ粒子。
  7. ペプチドが、単量体および/または二量体ヒトインスリンである、請求項5または請求項6に記載のナノ粒子。
  8. 炭水化物部分が、単糖および/または二糖を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  9. 炭水化物部分が、ガラクトース、グルコース、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン、マンノース、フコースおよび/またはラクトースの配糖体を含む、請求項8に記載のナノ粒子。
  10. 炭水化物部分が、ガラクトピラノシドおよび/またはグルコピラノシドを含む、請求項9に記載のナノ粒子。
  11. 炭水化物部分が、硫黄含有連結基、アミノ含有連結基、リン酸含有連結基および酸素含有連結基からなる群から選択される連結基を介してコアに共有結合により連結している、請求項1から10のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  12. 連結基が、少なくとも2つの炭素のアルキル鎖を含む、請求項11に記載のナノ粒子。
  13. 炭水化物部分を含む前記少なくとも1つのリガンドが、2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシド、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシド、2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド、5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシドおよび2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドからなる群から選択され、炭水化物部分を含む前記少なくとも1つのリガンドが、その硫黄原子を介してコアに共有結合により連結している、請求項1から12のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  14. コアに共有結合により連結した前記複数のリガンドが、少なくとも第1のリガンドおよび第2のリガンドを含み、第1および第2のリガンドが異なる、請求項1から13のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  15. (a)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、
    (b)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシドを含むか、
    (c)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、または、
    (d)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含み、
    前記第1および第2のリガンドが、そのそれぞれの硫黄原子を介してコアに共有結合により連結している、請求項14に記載のナノ粒子。
  16. 前記第1のリガンドが、炭水化物部分を含み、前記第2のリガンドが、非炭水化物リガンドである、請求項14に記載のナノ粒子。
  17. 前記第2のリガンドが、アミン基を含む、請求項16に記載のナノ粒子。
  18. 前記第2のリガンドが、その硫黄原子を介してコアに共有結合により連結した1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含む、請求項17に記載のナノ粒子。
  19. 前記第1のリガンドおよび前記第2のリガンドが、1:40から40:1の比でナノ粒子上に存在する、請求項14から18のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  20. 前記比が、1:10から10:1である、請求項19に記載のナノ粒子。
  21. 前記比が、1:2から2:1である、請求項20に記載のナノ粒子。
  22. コロナが、コア1個当たり少なくとも5個のリガンドを含む、請求項1から21のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  23. コロナが、コア1個当たり約10個から約1000個の間のリガンドを含む、請求項22に記載のナノ粒子。
  24. コロナが、コア1個当たり44〜106個のリガンドを含む、請求項23に記載のナノ粒子。
  25. コア1個当たり少なくとも5個以上のペプチド分子が結合している、請求項1から24のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  26. コアが、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Fe、Co、Gd、Znまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される金属を含む、請求項1から25のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  27. コアが、Au、Ag、Pt、PdおよびCu、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される不動態化金属を含む、請求項26に記載のナノ粒子。
  28. コアが、Au/Fe、Au/Ag、Au/Cu、Au/Ag/Cu、Au/Pt、Au/Pd、Au/Ag/Cu/Pd、Au/Gd、Au/Fe/Cu、Au/Fe/Gd、Au/Fe/Cu/Gdからなる群から選択される金属の組合せを含む、請求項26に記載のナノ粒子。
  29. コアが、磁性である、請求項1から28のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  30. コアが、Mn2+、Gd3+、Eu2+、Cu2+、V2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、Fe3+およびランタニド3+からなる群から選択されるNMR活性原子をさらに含む、請求項1から29のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  31. コアが、半導体をさらに含む、請求項1から30のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  32. 半導体が、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウムおよび硫化亜鉛からなる群から選択される、請求項31に記載のナノ粒子。
  33. コアが、Au、Ag、Cu、Pt、PdおよびZn、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される金属でコーティングされた金属酸化物を含む、請求項1から32のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  34. 前記金属酸化物が、式XFe2O4(式中、Xは、Fe、MnおよびCoからなる群から選択される金属である)の金属酸化物である、請求項33に記載のナノ粒子。
  35. ナノ粒子コアが、約0.5nmから約50nmの範囲内の直径を有する、請求項1から34のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  36. 前記直径が、約1nmから約10nmの範囲内、任意選択で約1.5nmから約2nmの範囲内である、請求項35に記載のナノ粒子。
  37. 二価成分を含む、請求項1から36のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  38. 前記二価成分が、ナノ粒子のコロナ内に存在する、請求項37に記載のナノ粒子。
  39. 前記二価成分が、二価金属、二価金属化合物または二価状態を有する他の成分からなる群から選択される、請求項37または38に記載のナノ粒子。
  40. 前記二価成分が、亜鉛、マグネシウム、銅、ニッケル、コバルト、カドミウム、またはカルシウム、ならびにそれらの酸化物および塩からなる群から選択される、請求項37から39のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  41. 前記二価成分が、安定化効果を生成するのに十分な量、および/または、二価成分の非存在下でのコロナに対するペプチドの結合レベルに対して、コロナに対するペプチドの結合を向上させるのに十分な量で存在する、請求項37から40のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  42. 前記二価成分が、前記コア内の前記金属の約0.5当量から約2.0当量の量で存在する、請求項41に記載のナノ粒子。
  43. 前記二価成分が、前記コア内の前記金属の約0.75当量から約1.5当量の量で存在する、請求項41に記載のナノ粒子。
  44. 前記亜鉛が、Zn2+およびZnOから選択される、請求項40に記載のナノ粒子。
  45. 亜鉛が、ZnCl2を含む、請求項44に記載のナノ粒子。
  46. 少なくとも1つのペプチドが、GLP-1を含む、請求項1から45のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  47. コロナに結合した少なくとも2つの異なる種のペプチドを含む、請求項1から46のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  48. 前記少なくとも2つの異なる種のペプチドが、インスリンおよびGLP-1を含む、請求項47に記載のナノ粒子。
  49. 複数の、請求項1から48のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  50. ナノ粒子コアが、約0.5nmから約50nmの範囲内の平均直径を有する、請求項49に記載の複数のナノ粒子。
  51. 前記平均直径が、約1nmから約10nmの範囲内、任意選択で約1.5nmから約2nmの範囲内である、請求項50に記載の複数のナノ粒子。
  52. (i)金属を含むコアと、
    (ii)コアに共有結合により連結した複数のリガンドを含むコロナであって、複数のリガンドが、少なくとも第1のリガンドおよび第2のリガンドを含む、コロナと
    を含むナノ粒子であって、
    (a)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-α-D-ガラクトピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、
    (b)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、5'-チオペンタニル-2-デオキシ-2-イミダゾールアセトアミド-α,β-D-グルコピラノシドを含むか、
    (c)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-β-D-グルコピラノシドまたは2'-チオエチル-α-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含むか、または、
    (d)前記第1のリガンドが、2'-チオエチル-2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシドを含み、前記第2のリガンドが、1-アミノ-17-メルカプト-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-ヘプタデカノールを含み、
    前記第1および第2のリガンドが、そのそれぞれの硫黄原子を介してコアに共有結合により連結している、ナノ粒子。
  53. 前記第1のリガンドおよび前記第2のリガンドが、1:40から40:1の比でナノ粒子上に存在する、請求項52に記載のナノ粒子。
  54. 前記比が、1:10から10:1である、請求項53に記載のナノ粒子。
  55. 前記比が、1:2から2:1である、請求項54に記載のナノ粒子。
  56. コロナが、コア1個当たり少なくとも5個のリガンドを含む、請求項52から55のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  57. コロナが、コア1個当たり約10個から約1000個の間のリガンドを含む、請求項56に記載のナノ粒子。
  58. コロナが、コア1個当たり44〜106個のリガンドを含む、請求項57に記載のナノ粒子。
  59. コアが、Au、Ag、Cu、Pt、Pd、Fe、Co、Gd、Znまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される金属を含む、請求項52から58のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  60. コアが、Au、Ag、Pt、PdおよびCu、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される不動態化金属を含む、請求項59に記載のナノ粒子。
  61. コアが、Au/Fe、Au/Ag、Au/Cu、Au/Ag/Cu、Au/Pt、Au/Pd、Au/Ag/Cu/Pd、Au/Gd、Au/Fe/Cu、Au/Fe/Gd、Au/Fe/Cu/Gdからなる群から選択される金属の組合せを含む、請求項59に記載のナノ粒子。
  62. コアが、磁性である、請求項52から61のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  63. コアが、Mn2+、Gd3+、Eu2+、Cu2+、V2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、Fe3+およびランタニド3+からなる群から選択されるNMR活性原子をさらに含む、請求項52から62のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  64. コアが、半導体をさらに含む、請求項52から63のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  65. 半導体が、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウムおよび硫化亜鉛からなる群から選択される、請求項64に記載のナノ粒子。
  66. コアが、Au、Ag、Cu、Pt、PdおよびZn、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される金属でコーティングされた金属酸化物を含む、請求項52から65のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  67. 前記金属酸化物が、式XFe2O4(式中、Xは、Fe、MnおよびCoからなる群から選択される金属である)の金属酸化物である、請求項66に記載のナノ粒子。
  68. ナノ粒子コアが、約0.5nmから約50nmの範囲内の直径を有する、請求項52から67のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  69. 前記直径が、約1nmから約10nmの範囲内、任意選択で約1.5nmから約2nmの範囲内である、請求項68に記載のナノ粒子。
  70. 二価成分を含む、請求項52から69のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  71. 前記二価成分が、ナノ粒子のコロナ内に存在する、請求項70に記載のナノ粒子。
  72. 前記二価成分が、二価金属、二価金属化合物または二価状態を有する他の成分からなる群から選択される、請求項70または請求項71に記載のナノ粒子。
  73. 前記二価成分が、亜鉛、マグネシウム、銅、ニッケル、コバルト、カドミウム、またはカルシウム、ならびにそれらの酸化物および塩からなる群から選択される、請求項70から72のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  74. 前記亜鉛が、Zn2+およびZnOから選択される、請求項73に記載のナノ粒子。
  75. 亜鉛が、ZnCl2を含む、請求項74に記載のナノ粒子。
  76. 複数の、請求項52から75のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  77. ナノ粒子コアが、約0.5nmから約50nmの範囲内の平均直径を有する、請求項76に記載の複数のナノ粒子。
  78. 前記平均直径が、約1nmから約10nmの範囲内、任意選択で約1.5nmから約2nmの範囲内である、請求項77に記載の複数のナノ粒子。
  79. 複数の、請求項1から78のいずれか一項に記載のナノ粒子と、1種または複数の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  80. 静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、皮内(i.d.)または皮下(s.c.)経路による哺乳動物対象への投与用に製剤化される、請求項79に記載の医薬組成物。
  81. 少なくとも1つのペプチドを安定化させる方法であって、少なくとも1つのペプチドがナノ粒子のコロナに結合するのを可能にする条件下で、少なくとも1つのペプチドを請求項1から75のいずれか一項に記載のナノ粒子に接触させるステップを含む方法。
  82. 少なくとも1つのペプチドが、インスリン、GLP-1、IGF1、IGF2、リラキシン、INSL5、INSL6、INSL7、膵臓ポリペプチド(PP)、ペプチドチロシンチロシン(PTT)、神経ペプチドY、オキシトシン、バソプレッシン、GnRH、TRH、CRH、GHRH/ソマトスタチン、FSH、LH、TSH、CGA、プロラクチン、ClIP、ACTH、MSH、エンドルフィン、リポトロピン、GH、カルシトニン、PTH、インヒビン、リラキシン、hCG、HPL、グルカゴン、インスリン、ソマトスタチン、メラトニン、チモシン、チムリン、ガストリン、グレリン、チモポエチン、CCK、GIPセクレチン、モチンVIP、エンテログルカゴン、IGF-1、IGF-2、レプチン、アディポネクチン、レジスチン、オステオカルシン、レニン、EPO、カリシトロール、ANP、BNP、ケモカイン、サイトカイン、アディポカインおよびそれらの生物活性類似体からなる群から選択される、請求項81に記載の方法。
  83. ペプチドが、単量体および/または二量体ヒトインスリンである、請求項82に記載の方法。
  84. ペプチドが、GLP-1またはその類似体である、請求項82に記載の方法。
  85. 少なくとも1つのペプチドが、少なくとも2つの異なる種のペプチドである、請求項81から84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 少なくとも2つの異なる種のペプチドが、インスリンおよびGLP-1を含む、請求項85に記載の方法。
  87. それを必要とする哺乳動物対象における血中グルコースを低下させる方法であって、治療上有効な量の請求項1から48のいずれか一項に記載のナノ粒子を投与するステップを含む方法。
  88. それを必要とする哺乳動物対象における糖尿病を治療する方法であって、治療上有効な量の請求項1から48のいずれか一項に記載のナノ粒子を投与するステップを含む方法。
  89. 前記投与するステップが、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、皮内(i.d.)または皮下(s.c.)投与するステップを含む、請求項87または請求項88に記載の方法。
  90. 医学的治療方法における使用のための、請求項1から48のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  91. ペプチドが、請求項6、7、46、47または48のいずれか一項に記載の通りであり、方法が、請求項87から89のいずれか一項に記載の通りである、医学的治療方法における使用のための、請求項1から48のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  92. 請求項87から89のいずれか一項に記載の方法における使用のための医薬の調製における、ペプチドが、請求項6、7、46、47または48のいずれか一項に記載の通りである、請求項1から43のいずれか一項に記載のナノ粒子の使用。
  93. 少なくとも1つの請求項1から48のいずれか一項に記載のナノ粒子と、
    少なくとも1つのナノ粒子を収容するための容器と、
    添付文書および/またはラベルと
    を備える製造品。
  94. メゾスコピックなペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質クラスターを形成するための方法であって、前記クラスターが、その中に埋め込まれた1つまたは複数の請求項1から78のいずれか一項に記載のナノ粒子を有し、前記方法が、前記ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を、前記1つまたは複数のナノ粒子に周囲温度で接触させるステップを含む、方法。
  95. 周囲温度が、15℃から30℃の間、または20℃から25℃の間である、請求項94に記載の方法。
  96. 1つまたは複数のクラスターを解離させるための方法であって、前記1つまたは複数のクラスターが、その中に埋め込まれた1つまたは複数の請求項1から78のいずれか一項に記載のナノ粒子を有するメゾスコピックなペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質のクラスターを含み、前記方法が、前記クラスターを、35℃から前記ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の融点(Tm)までの温度に供し、それにより、前記1つまたは複数のクラスターを、個々のナノ粒子-ペプチド凝集体、ナノ粒子-ポリペプチド凝集体またはナノ粒子-タンパク質凝集体に解離させるステップを含む、方法。
  97. 溶液中の1つまたは複数のナノ粒子-ペプチド凝集体から単量体ペプチドを放出させるための方法であって、溶媒のイオン強度を増加させるステップを含み、前記ナノ粒子-ペプチド凝集体が、1つまたは複数の請求項1から78のいずれか一項に記載のナノ粒子を含む、方法。
  98. 前記1つまたは複数のナノ粒子-ペプチド凝集体の、血漿、間質液または唾液への溶解を含む、請求項97に記載の方法。
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