以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、説明においては、遊技者に近い側を前方、遠い側を後方とする。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3には矩形状の遊技盤5(図2参照)を前方から収納可能としている。また、前面枠3の前側には、側部(図1中、左側)が軸着された透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技盤5の表面をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット11を設け、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット12を上皿ユニット11に対して左右方向にずれた位置に配置している。また、下皿ユニット12の一側方(図1中、右側方)には、発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)14を備え、他側方(図1中、左側方)には下側スピーカ15を備えている。さらに、上皿ユニット11の前側には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出用ボタン18を備え、透明部材保持枠8の上縁部の左右両側には可動式の発光装置(ムービングライト)20を備え、該発光装置20の下方には上側スピーカ21を備えている。
遊技盤5は、図2および図3に示すように、合板やプラスチックなどで形成された矩形状の遊技盤本体22を備え、該遊技盤本体22の表面に複数のサイドケース24を止着して遊技領域25を区画形成し、遊技領域25の側方(図2中、左側方)には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域25の一側上部まで案内する発射球案内路26をガイドレール27により縦長な円弧状に形成している。また、遊技領域25内の略中央に包囲枠体30を備え、該包囲枠体30の前側部を遊技盤本体22の前側に突出した状態で配置するとともに、後側部を遊技盤本体22の裏側に突出した状態で配置し、包囲枠体30の後方には変動表示装置31(本発明における表示装置に相当)を備え、複数(本実施形態では3つ)の識別情報を変動表示させる特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)の演出表示を変動表示装置31の前面に設けられた表示部31aで表示可能としている。なお、表示部31aにおいては、変動表示領域31bを表示部31aの左右方向に沿って複数(本実施形態では3つ)横並びに設定し、変動表示領域31b毎に識別情報を上下方向に変動する表示を行って、特図変動表示ゲームの演出表示である飾り特図変動表示ゲームを実行するように構成されている。
また、遊技盤5のうち遊技領域25を挟んで発射球案内路26とは反対側(図2中、右側)に止着された2つのサイドケース24の間(上側サイドケース24aと下側サイドケース24bとの間)には縦長なケース接続部材33を遊技盤5の側縁に沿って配置し、上側サイドケース24aの下端と下側サイドケース24bの上端とをケース接続部材33で接続している。さらに、上側サイドケース24aの円弧状の下縁部の途中にはゴム等の弾性材で構成された緩衝部材34を配置し、発射球案内路26からサイドケース24に沿って移動してきた遊技球を緩衝部材34へ衝接して該遊技球の飛翔勢を減衰させるように構成されている。
そして、遊技領域25のうち包囲枠体30の一側方(図1中、左側方)には普図始動ゲート36を配置し、遊技球の普図始動ゲート36への入賞(通過)を契機として普図変動表示ゲームを実行可能としている。また、包囲枠体30の下方には第1始動口41と第2始動口42とからなる始動入賞領域43を設けている。具体的には、包囲枠体30の左右方向の中央部の直下に第1始動口41を備え、該第1始動口41の直下には、羽根状の普通電動役物42aが左右に備えられた第2始動口42を備え、第1始動口41への遊技球の入賞に基づいて変動表示装置31が表示部31aで第1特図変動表示ゲームの演出表示(識別情報の変動表示)を実行し、第2始動口42への遊技球の入賞に基づいて変動表示装置31が表示部31aで第2特図変動表示ゲームの演出表示(識別情報の変動表示)を表示するように設定されている。さらに、該第2始動口42の下方には大入賞口(アタッカー)45を配置し、大入賞口45の左右両側方には、発光により各種の装飾表示を行うサイドランプ46を配置し、該サイドランプ46に一般入賞口47を備えている。そして、大入賞口45の下方に位置する遊技領域25の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口48を設け、遊技領域25のうち包囲枠体30、普図始動ゲート36、始動入賞領域43、サイドランプ46、大入賞口45等の取付部分を除いた箇所には複数の遊技釘(図示せず)を植設している。また、下側サイドケース24bには一括表示装置49を備え、該一括表示装置49において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示を行う。
次に、包囲枠体30について説明する。
包囲枠体30は、図3に示すように、遊技盤本体22の表面側に前側部として配置されるセンターケースユニット(装飾枠部)51と、遊技盤本体22の裏面側に後側部として配置される枠体基部52とを備えて構成されており、遊技盤本体22の中央部に開設された大きな枠体装着開口部22aに、センターケースユニット51と枠体基部52とで遊技盤本体22を前後から挟む状態で装着されている。また、包囲枠体30には、変動表示装置31における演出表示の進行に関連して作動する演出用役物装置54を複数種類備え、例えば、各演出用役物装置54が変動表示ゲームの演出表示の進行状況毎に予め設定された態様で作動するように構成されている。なお、各演出用役物装置54については、後で詳細に説明する。
センターケースユニット51は、遊技領域25のうち変動表示装置31の前方に配置された枠体構造のユニットであり、当該センターケースユニット51の中央部分には表示開口部56が遊技盤5の表裏方向へ貫通する状態で開設され、該表示開口部56から変動表示装置31の表示部31aを遊技盤5の前方へ臨ませている。具体的な構造を説明すると、図4に示すように、遊技盤本体22の表面のうち枠体装着開口部22aの開口縁に沿って止着される環状の装飾ベース57を備え、該装飾ベース57の上部には庇状の鎧部58を左右両側方へ向けて下り傾斜した状態で備えるとともに、装飾ベース57よりも前方へ突出した状態に設定している。また、鎧部58のうち普図始動ゲート36側(図4中、左側)の傾斜下端から縦長な側辺部59を装飾ベース57よりも前方へ突出した状態で備え、鎧部58と側辺部59とで円弧状の壁を形成して遊技球(詳しくは遊技領域25内を包囲枠体30の上方から流下してくる遊技球)が鎧部58や側辺部59に当接可能とし、遊技球が包囲枠体30の内部へ入ることを規制している。そして、装飾ベース57の下部には、上面に遊技球が横方向(遊技盤5の表裏方向および左右方向)へ転動可能なステージ部60を遊技盤5の左右方向に沿って横長に延設し、装飾ベース57の前面のうち表示開口部56およびステージ部60を挟んで側辺部59とは反対側(図4中、右側)には、センターケースユニット51の一側を装飾する側部装飾部材62を止着している。
さらに、側辺部59の前面には、当該側辺部59を装飾する側辺装飾部材63を止着し(図5参照)、側辺部59の内部には、遊技球をステージ部60へ誘導可能な球導入路(ワープ流路)64を設けている。そして、図2に示すように、球導入路64の入口64aをセンターケースユニット51の外方(詳しくは遊技領域25のうち普図始動ゲート36よりも上方の位置)へ向けて開放した状態で開設し、球導入路64の出口64bをステージ部60の側端部へ連通している。なお、球導入路64の入口64aを普図始動ゲート36よりも上方に配置したことにより、球導入路64の入口64aを普図始動ゲート36よりも下方に配置した場合(言い換えると、普図始動ゲート36を通過した遊技球が球導入路64の入口64aに向かって流下し得る設定)と比べて、普図始動ゲート36への遊技球の誘導度合い(入賞度合い)を左右する遊技釘の位置設定が球導入路64への遊技球の流入度合い(ステージ部60への誘導度合い)にも影響してしまうことを避け易い。
表示開口部56の下縁に位置するステージ部60は、図4および図5に示すように、左右両側から中央部へ向けて下り傾斜した略円弧状の透光性部材(例えば透明な合成樹脂)で形成され、当該ステージ部60の中央部(左右方向の中央部)を上方へ緩やかに隆起している。また、ステージ部60の左右方向の途中には、遊技球を前方へ案内可能な球放出部66を複数箇所、具体的には、ステージ部60の中央の隆起部の左右両側方、言い換えるとステージ部60のうち始動入賞領域43(第1始動口41、第2始動口42)の直上から外れた位置に配置している。そして、球放出部66の底面をその左右方向の中央部分が下方に凹む湾曲面で形成し、この湾曲面を前方へ下り傾斜した状態に設定して、球放出部66に到達した遊技球が球放出部66上を左右に揺動しながらステージ部60の前方へ転動して遊技領域25のうち始動入賞領域43から側方にはずれた箇所へ放出できるように構成されている。
さらに、ステージ部60の左右方向の中央部には入賞誘導路67を始動入賞領域43の直上へ向けて下り傾斜した溝状に形成し、入賞誘導路67に到達した遊技球が入賞誘導路67の下り傾斜方向に沿って流下して遊技領域25のうち始動入賞領域43の直上へ放出できるように構成されている。また、図6に示すように、入賞誘導路67の左右両側縁には球進入阻止突起68をステージ部60の表面よりも上方へ突設し、ステージ部60上の遊技球が入賞誘導路67に側方から進入することを阻止している。この結果、入賞誘導路67がステージ部60上の遊技球を当該入賞誘導路67の傾斜上端のみから受け入れ可能となり、入賞誘導路67に誘導される遊技球がステージ部60の左右方向に沿った転動勢を残したまま遊技領域25へ放出されること、さらには始動入賞領域43の直上から側方へ逸れて始動入賞領域43へ入賞し難くなることを抑えている。なお、右側の球放出部66とステージ部60の右端部との間、左側の球放出部66とステージ部60の左端部との間、左右両側の球放出部66と入賞誘導路67との間には、それぞれ落下阻止片69をステージ部60の前縁部から上方へ突出し、遊技球がステージ部60のうち球放出部66から外れた位置から前方へ落下することを阻止している。
また、図4および図5に示すように、ステージ部60の後方には、透光性部材(例えば透明な合成樹脂)で形成された仕切り壁部71を止着してステージ部60と後述する演出用役物装置54の一部との間に位置させている。そして、仕切り壁部71の上部をステージ部60から上方へ立設し、仕切り壁部71の上端からは庇状の透明なステージ天井部72を遊技盤5の前方へ向けて延設し、ステージ部60上の遊技球がステージ部60の後方や上方へ外れる不都合、ひいては変動表示装置31や演出用役物装置54に衝突する不都合を仕切り壁部71およびステージ天井部72により阻止している。さらに、仕切り壁部71のうち側辺部59側に位置する端部からは球導入路64の後部を区画する球導入区画壁73を延設し、仕切り壁部71のうち変動表示装置31側に位置する裏面には、凹凸による装飾模様が施された透明な仕切り装飾板74を止着している(図4参照)。
センターケースユニット51の側部を装飾する側部装飾部材62は、図7に示すように、遊技領域25の側縁部寄り(図7(a)中、右寄り)に位置する領域区画部77と、該領域区画部77よりも表示開口部56側(図7(a)中、左側)に位置する装飾パネル78とを備えて構成されている。領域区画部77は、側部装飾部材62の一側縁(図7(a)中、右側縁)に位置する縦長円弧状の側縁区画壁80を備え、該側縁区画壁80から表示開口部56側(図7(a)中、左側)に離間した位置には縦長円弧状のガイド壁81を側縁区画壁80に沿って形成し、側縁区画壁80とガイド壁81との離間距離を遊技球の直径よりも広く設定して、遊技球が流下可能な球流下領域82を側縁区画壁80とガイド壁81とにより区画形成している。また、側縁区画壁80をサイドケース24およびケース接続部材33に沿って延在させるとともにサイドケース24およびケース接続部材33から表示開口部56側へ僅かに離間、詳しくは遊技球が通過不能な間隔で離間し(図8参照)、側縁区画壁80により遊技領域25の一側縁(変動表示装置31を挟んで発射球案内路26とは反対側に位置する側縁)を区画するとともに、この区画された遊技領域25の一側縁に沿って球流下領域82を設定して遊技球が通過できるように構成されている。
さらに、側縁区画壁80の前縁とガイド壁81の前縁との間には、透光性部材で形成された流下領域装飾カバー84を備えて球流下領域82をセンターケースユニット51の前方から被覆し、球流下領域82内の遊技球が流下領域装飾カバー84を通して視認できるように構成されている。また、側縁区画壁80の後縁とガイド壁81の後縁とを装飾ベース57の前面へ当接して、装飾ベース57の側部により球流下領域82をセンターケースユニット51の後方から閉塞している(図3および図4参照)。そして、球流下領域82に遊技球を受け入れる球入口82aを遊技領域25のうちセンターケースユニット51の上方へ向けて開口し、球流下領域82から遊技球を放出する球出口82bを遊技領域25のうちセンターケースユニット51の下方へ向けて開口している(図2参照)。また、球入口82aにおいては、側縁区画壁80の上部およびガイド壁81の上部を表示開口部56側へ湾曲して、緩衝部材34の直下から表示開口部56側(発射球案内路26側)にずれた位置に設定し、緩衝部材34に衝接した遊技球が球入口82aに進入し易いように構成されている。さらに、球流下領域82には複数の衝接突起85を当該球流下領域82の延在方向に沿って側縁区画壁80およびガイド壁81から互い違いに突設し、球流下領域82内を流下する遊技球を衝接突起85に衝接させて落下勢を減衰可能としている。なお、領域区画部77の上下方向の中間部分には止着作業開口86を開設して装着ベースの前面の一部を露出させ、該止着作業開口86から止着具や工具を挿入して装飾ベース57を遊技盤本体22へ止着できるように構成されている。
装飾パネル78は、流下領域装飾カバー84の側縁部を表示開口部56側へ延出して形成されたパネルであり、当該装飾パネル78の前面の一部には複数の文字や模様で施された不透明状態のパネル装飾部88を備え、装飾パネル78のうちパネル装飾部88から外れた箇所を装飾視認窓部89とし、装飾パネル78の後方に位置する演出用役物装置54の一部をセンターケースユニット51の前方から装飾視認窓部89を通して視認可能としている。
次に、枠体基部52について説明する。
枠体基部52は、図3および図9に示すように、遊技盤5の裏面側に止着される額縁状の基部ケース91を前側が開放した状態で備え、該基部ケース91の後部には矩形状の開口窓91aを遊技盤5の表裏方向へ貫通して開設し、基部ケース91の後方から変動表示装置31を装着して、変動表示装置31の表示部31aを開口窓91aおよびセンターケースユニット51の表示開口部56から包囲枠体30の前方へ臨ませている。さらに、開口窓91aの周縁の前側には、複数の演出用役物装置54(演出役物ユニット95、昇降役物ユニット96)を備えている。
詳しくは、開口窓91aの外周縁の前側には額縁状のユニット取付枠97を備え、該ユニット取付枠97の内側開口の上縁部および左右両側縁部には複数の装飾材98を止着している。また、ユニット取付枠97の上辺部の前面には、演出役物ユニット95の一部を構成する第1可動役物ユニット101を装着して表示開口部56の上縁部と変動表示装置31との間に配置し、ユニット取付枠97のうち装飾パネル78側に位置する右側辺部の前面には、演出役物ユニット95の一部を構成する第2可動役物ユニット102を装着して装飾パネル78と変動表示装置31との間に配置している。さらに、ユニット取付枠97のうち球導入路64側に位置する左側辺部の前面には、LED等の発光体が実装された取付枠発光基板104を装着して透明な取付枠レンズカバー105で前方から被覆し、ユニット取付枠97の下辺部には昇降役物ユニット96を装着して仕切り壁部71(詳しくは表示開口部56の下縁部に位置する仕切り壁部71)と変動表示装置31との間に配置している。そして、図2および図3に示すように、第1可動役物ユニット101が表示部31aの上方に位置し、第2可動役物ユニット102が装飾パネル78により前方から被覆された状態で表示部31aの側方に位置し、昇降役物ユニット96が仕切り壁部71により前方から被覆された状態で表示部31aの下方に位置するように構成されている。
演出役物ユニット95は、第1可動役物ユニット101(本発明における上下動役物ユニットに相当)と第2可動役物ユニット102とを備えて演出動作を実行可能なユニットである。第1可動役物ユニット101は、図10および図11に示すように、ユニット取付枠97に止着される横長な可動役物ベースパネル110を備え、該可動役物ベースパネル110の前面の球導入路64寄り(図11中、左寄り)には、LED等の発光体が実装されたベース発光部(図示せず)を止着して透光性を有するベース装飾レンズカバー111で被覆し、ベース発光部から発生する光をベース装飾レンズカバー111に通して可動役物ベースパネル110の前方へ照射可能としている。また、可動役物ベースパネル110の前面のうち球流下領域82寄り(図11中、右寄り)には装飾動作ユニット112を装着している。
装飾動作ユニット112は、図12に示すように、可動役物ベースパネル110に止着される動作ベース114と、該動作ベース114に回動可能な状態で軸着される短冊状の第1ユニットベース115(本発明におけるユニットベースに相当)と、該第1ユニットベース115を回動(揺動)させる第1ユニット駆動機構116とを備えている。そして、動作ベース114のうちベース装飾レンズカバー111側に位置する端部(図12中、左端部)には第1ユニット回動軸受118を遊技盤5の表裏方向に沿って貫通し、第1ユニットベース115の一端部(詳しくは球流下領域82側に位置する軸着端部(図12中、右端部)の裏面側からは第1ユニット回動軸119を遊技盤5の表裏方向に沿って延設し、第1ユニット回動軸119を第1ユニット回動軸受118へ挿通して第1ユニットベース115を動作ベース114へ軸着している。そして、第1ユニットベース115のうち第1ユニット回動軸119から外れた箇所と、動作ベース114のうち第1ユニット回動軸受118から外れた箇所とを第1ユニット駆動機構116で接続している。
第1ユニットベース115は、第1フロントベース115aと第1リアベース115bとを前後に重合して形成されており、作動により装飾効果を発揮する複数(本実施形態では3つ)の第1装飾本体部121と、該第1装飾本体部121に装飾動作を実行させる第1本体駆動機構122を搭載し、第1装飾本体部121を第1ユニットベース115の長手方向に沿って並べて配置している。第1装飾本体部121は、図11に示すように、第1フロントベース115aの前面に配置される円板状の第1装飾本体基部121aを備え、該第1装飾本体基部121aの前面に花の形状を模した第1本体装飾具121b(図10参照)を複数止着して構成されている。
第1本体駆動機構122は、図12および図13に示すように、回動力を出力する単一の第1本体駆動モータ126と、該第1本体駆動モータ126に接続される第1回動伝達機構127とを備えて構成されている。そして、第1ユニットベース115の裏側のうち第1ユニット回動軸119から外れた位置に第1本体駆動モータ126を装着して出力軸を第1ユニットベース115内に挿入し、第1本体駆動モータ126の出力軸の先端には第1本体駆動ギア129を共回り状態で止着している。また、第1装飾本体部121毎に接続される複数の第1回動ギア130と、隣り合う第1回動ギア130の間に配置された第1回動伝達ギア131とを第1ユニットベース115の長手方向に沿って並ぶ状態で連結して第1回動伝達機構127を構成し、第1回動ギア130と第1装飾本体部121とを接続軸132(詳しくは、第1フロントベース115aを遊技盤5の表裏方向へ貫通する接続軸132)で接続して共回り可能とし、第1ユニットベース115内で最も第1ユニット回動軸119寄りに位置する第1回動ギア130を第1本体駆動ギア129へ噛合している。そして、第1本体駆動モータ126を駆動して回動力を出力すると、この回動力が第1回動伝達機構127により各第1装飾本体部121へ伝達され、全ての第1装飾本体部121が同じ方向に回動して装飾動作を実行するように構成されている(図14参照)。
第1ユニット駆動機構116は、図12に示すように、第1ユニット駆動モータ136と複数のギア(第1ユニット駆動ギア137、第1ユニット係合ギア138、第1ユニット伝達ギア139)とで構成されている。詳しくは、動作ベース114のうち球流下領域82側に位置する端部(図12中、右端部)には、第1ユニット駆動モータ136を出力軸が当該第1ユニット駆動モータ136の後部から遊技盤5の表裏方向に沿って延在する姿勢で備え、第1ユニット駆動モータ136の出力軸には第1ユニット駆動ギア137を共回り状態で止着している。また、第1ユニット駆動ギア137と第1ユニット回動軸受118との間には、第1ユニットベース115に係合する第1ユニット係合ギア138を配置し、該第1ユニット係合ギア138と第1ユニット駆動ギア137とを第1ユニット伝達ギア139で連結して、第1ユニット駆動ギア137の回動力が第1ユニット伝達ギア139により伝達されて第1ユニット係合ギア138を回動するように構成されている。さらに、第1ユニット係合ギア138の前面のうちギア回転中心から外れた位置からは第1ユニットカムフォロワ140を突設し、第1ユニットベース115から第1ユニット駆動モータ136側へ延在する第1ユニットカム溝141内に第1ユニットカムフォロワ140を係合している(図11参照)。そして、第1ユニット係合ギア138の後面のうちギア回転中心から外れた位置には第1ユニット位置検出片142を突設し、動作ベース114のうち第1ユニット係合ギア138の上方には、第1ユニット位置検出片142を検出可能な第1ユニット位置検出センサ143を備えている。なお、動作ベース114の前面および後面にはギアホルダー144を止着して各ギア137,138,139の動作ベース114からの脱落を阻止し、動作ベース114の前方には第1駆動機構カバー145を装着して第1ユニット駆動機構116を被覆している(図11参照)。
このような構成を備えた装飾動作ユニット112においては、第1ユニット駆動機構116(第1ユニット駆動モータ136)を駆動して第1ユニットカムフォロワ140を回動し、第1ユニットベース115に第1装飾本体部121の装飾動作(回動)とは異なる動作、詳しくは表示部31aの前方で識別情報の変動方向に沿って上下移動する第1ユニット動作を実行させる。具体的に説明すると、第1ユニットカムフォロワ140が回動して上昇すると、第1ユニットカムフォロワ140が第1ユニットカム溝141を上方へ押圧し、この上向きの押圧力により第1ユニットベース115が第1装飾本体部121および第1本体駆動機構122とともに第1ユニット回動軸119を中心に回動して第1ユニットベース115の他端部(第1ユニット回動軸119を挟んで第1ユニットカム溝141とは反対側に位置する移動端部)が下降し、表示開口部56の上縁部から表示部31aの前方へ移動する(図14参照)。そして、第1ユニットカムフォロワ140が上死点へ到達すると、図15に示すように、第1ユニットベース115が下方のステージ部60へ向けて下り傾斜し、且つ第1ユニットベース115の移動端部が表示部31aの左右方向の中央部分の前方に位置する状態(下降状態)に変換する。
一方、第1ユニットカムフォロワ140が回動して下降すると、第1ユニットカムフォロワ140が第1ユニットカム溝141を下方へ押圧し、この下向きの押圧力により、第1ユニットベース115が第1装飾本体部121および第1本体駆動機構122とともに第1ユニット回動軸119を中心に回動して第1ユニットベース115の移動端部が上昇し、表示部31aの前方から表示開口部56の上縁部へ向けて移動する。そして、第1ユニットカムフォロワ140が下死点へ到達すると、図2に示すように、第1ユニットベース115が表示部31aから上方へ外れて表示開口部56の上縁部に沿って横向き姿勢となる状態(上昇状態)に変換する。このとき、第1ユニット位置検出片142が第1ユニット位置検出センサ143に検出され、この検出により第1ユニットベース115が上昇状態に変換したことを検知可能となる。
第2可動役物ユニット102は、図16〜図18に示すように、ユニット取付枠97に止着される第2ユニットベース150に、作動により装飾効果を発揮する複数(本実施形態では3つ)の第2装飾本体部151と、該第2装飾本体部151に装飾動作を実行させる第2本体駆動機構152とを搭載して構成されており、第2ユニットベース150の前面に第2装飾本体部151を第2ユニットベース150の長手方向に沿って並べて配置して、第2装飾本体部151を遊技盤5の前方から装飾パネル78の装飾視認窓部89を通して視認可能としている。また、最も下側に位置する第2装飾本体部151を他の第2装飾本体部151よりも前方の装飾パネル78側へ寄せた位置に配置している(図18(b)参照)。
第2ユニットベース150は、前側に位置する第2フロントベース150aと後側に位置する第2リアベース150bとを前後に重合して縦長に形成されており、第2フロントベース150aの側方(図16中、右側方)および下方には、透光性を有する第2装飾レンズカバー154を止着している。また、第2フロントベース150aおよび第2リアベース150bを透光性部材で形成し、第2フロントベース150aと第2リアベース150bとの間には、LED等の発光体が実装された第2ベース発光基板155を配置し、発光体からの光が第2フロントベース150aおよび第2装飾レンズカバー154を通って第2可動役物ユニット102の前方(言い換えると装飾パネル78側)へ照射されるように構成されている。
第2装飾本体部151は、図17に示すように、第2フロントベース150aの前面に配置される円板状の第2装飾本体基部151aを備え、該第2装飾本体基部151aの前面に花の形状を模した第2本体装飾具151b(図16参照)を複数止着して構成されている。
第2本体駆動機構152は、図17および図18に示すように、回動力を出力する単一の第2本体駆動モータ157と、該第2本体駆動モータ157に接続される第2回動伝達機構158とを備えて構成されている。そして、第2ユニットベース150の下部の裏側に第2本体駆動モータ157を装着して出力軸を第2ユニットベース150内に挿入し、第2本体駆動モータ157の出力軸の先端には第2本体駆動ギア159を共回り状態で止着している。また、第2装飾本体部151毎に接続される複数の第2回動ギア161と、隣り合う第2回動ギア161の間に配置された第2回動伝達ギア162とを第2ユニットベース150の長手方向に沿って並ぶ状態で連結して第2回動伝達機構158を構成し、第2回動ギア161と第2装飾本体部151とを接続軸163(詳しくは、第2フロントベース150aを遊技盤5の表裏方向へ貫通する接続軸163)で接続して共回り可能とし、第2ユニットベース150内で最も下側に位置する第2回動ギア161を第2本体駆動ギア159へ噛合している。
さらに、第2ユニットベース150の下部に配置された第2回動ギア161(下側回動ギア161b)を第2ユニットベース150の上下方向の中央部に配置された第2回動ギア161(中央回動ギア161c)および第2ユニットベース150の上部に配置された第2回動ギア161(上側回動ギア161t)よりも前方の装飾パネル78側へ寄せて配置している。また、第2ユニットベース150の下寄りの位置で隣り合う下側回動ギア161bおよび中央回動ギア161cとの間には、連結回動軸165aの両端に連結ギア165bが共回り状態でそれぞれ設けられた連結ギアユニット165を備え、該連結ギアユニット165の連結回動軸165aを第2本体駆動モータ157の出力軸および接続軸163と平行な姿勢で延在させて2つの連結ギア165bを遊技盤5の表裏方向にずらして位置させている。そして、連結ギアユニット165の前側に位置する連結ギア165bを下側回動ギア161b(隣り合う第2回動ギア161の一方)に噛合して連結し、後側に位置する連結ギア165bを第2回動伝達ギア162(詳しくは中央回動ギア161cの下方に位置する第2回動伝達ギア162)に噛合して中央回動ギア161c(隣り合う第2回動ギア161の他方)へ連結している。このような構成の第2回動伝達機構158を備え、第2本体駆動モータ157を駆動して回動力を出力すると、この回動力が第2回動伝達機構158により各第2装飾本体部151へ伝達され、全ての第2装飾本体部151が同じ方向に回動して装飾動作を実行するように構成されている。
次に、昇降役物ユニット96について説明する。
昇降役物ユニット96は、図19に示すように、アゲハ蝶の羽根を模した装飾ユニットであり、互いに左右対称となる2つの昇降装飾ユニット(第1昇降装飾ユニット171,第2昇降装飾ユニット172)と、これらの昇降装飾ユニット171,172を連動して昇降動作を行わせる昇降駆動機構173とを備えて構成されている。具体的には、第1昇降装飾ユニット171と第2昇降装飾ユニット172とをユニット取付枠97の下辺部の前方に位置させ、第1昇降装飾ユニット(右側昇降装飾ユニット)171を変動表示装置31の一側寄り(図19中、右寄り)に配置し、第2昇降装飾ユニット(左側昇降装飾ユニット)172を変動表示装置31の他側寄り(図19中、左寄り)に配置している。また、図20に示すように、第1昇降装飾ユニット171と第2昇降装飾ユニット172とを昇降駆動機構173で連結し、該昇降駆動機構173のうち第1昇降装飾ユニット171と第2昇降装飾ユニット172との間に位置する部分を駆動機構カバー174(図19参照)で前方から被覆している。
第1昇降装飾ユニット171は、図21に示すように、昇降可能な複数(本実施形態では3つ)の第1昇降役物本体部176(本発明における昇降役物本体部の一種)と、第1昇降役物本体部176を発光装飾するLED等の第1昇降発光体177とを具備し、第1昇降役物本体部176を昇降させて装飾効果を発揮するように構成されている。具体的に説明すると、第1昇降装飾ユニット171の後部には、遊技盤5の正面から見て逆L字状を呈する第1昇降ユニットアーム178を備え、該第1昇降ユニットアーム178のうち縦長な側辺部の上端箇所をユニット取付枠97のうち球流下領域82側に位置する側辺部(図21中、右側の側辺部)に回動自在な状態で軸着している。さらに、第1昇降ユニットアーム178の屈曲部の後面から第1昇降ガイドピン179(図20(b)参照)を後方のユニット取付枠97へ向けて突設し、ユニット取付枠97の下辺部に設けられた円弧状の第1昇降ガイド溝180に第1昇降ガイドピン179を遊嵌し、第1昇降ガイドピン179を第1昇降ガイド溝180に沿って移動させて第1昇降ユニットアーム178を上下方向へ揺動可能(回動可能)としている。
また、各第1昇降役物本体部176(第1アーム側役物本体部176R,第1ステージ側役物本体部176F,第1中間役物本体部176C)を、蝶の羽の形状を模したパネル部材で構成して変動表示装置31の表示部31aの表面に沿って延在する姿勢、且つ羽の付け根部分を模した端部が変動表示装置31の左右方向の中央側(言い換えると第2昇降装飾ユニット172寄り)に位置する姿勢に設定し、第1昇降役物本体部176毎に第1昇降発光体177をそれぞれ実装している。詳しくは、第1昇降役物本体部176の裏面(変動表示装置31側を向いた面)を凹ませ、ステージ部60側を向いた前面に第1昇降発光体177が実装された第1昇降発光基板181を第1昇降役物本体部176の裏面の凹みに収納している(図22参照)。そして、第1昇降役物本体部176のうち第1昇降発光体177を被覆する箇所を透光性部材で形成して透光窓部182とし、第1昇降発光体177からの光を透光窓部182へ通して第1昇降装飾ユニット171の前方へ照射可能としている。なお、第1アーム側役物本体部176Rにおいては、裏面の凹みを後方から第1昇降カバーパネル183で閉成している。
さらに、第1アーム側役物本体部176Rを第1昇降ユニットアーム178の下辺部へ前方から止着して第1昇降カバーパネル183の裏面を第1昇降ユニットアーム178の前面へ当接し、第1アーム側役物本体部176Rよりも前方のステージ部60側には第1ステージ側役物本体部176Fを配置し、遊技盤5の表裏方向に離間した第1ステージ側役物本体部176Fと第1アーム側役物本体部176Rとの間には第1中間役物本体部176Cを配置している。また、第1ステージ側役物本体部176Fのうち第2昇降装飾ユニット172側に位置する端部には、遊技盤5の表裏方向に沿って延在する第1昇降回動軸186の前端部を嵌合して第1ステージ側役物本体部176Fと共回り可能とし、該第1昇降回動軸186の後部を、第1中間役物本体部176Cのうち第2昇降装飾ユニット172側に位置する端部と、第1アーム側役物本体部176Rおよび第1昇降ユニットアーム178のうち第2昇降装飾ユニット172側に位置する端部へ回動可能な状態で挿通し、第1ステージ側役物本体部176Fと第1中間役物本体部176Cとが第1昇降ユニットアーム178に対して第1昇降回動軸186を中心に上下方向へ回動できるように構成されている。
そして、図23に示すように、第1ステージ側役物本体部176Fの裏面(第1中間役物本体部176C側を向いた裏面)に止着された第1ステージ側役物係合部材187には、第1昇降回動軸186を中心とする縦長円弧状の第1ステージ側役物係合溝187aを第1昇降回動軸186から球流下領域82側(図23(b)中、右側)に外れた位置に形成し、第1中間役物本体部176Cの前面のうち第1昇降回動軸186から外れた位置から突設された第1中間役物係合突起188を第1ステージ側役物係合溝187aへ係合している。また、第1中間役物本体部176Cの裏面(第1アーム側役物本体部176R側を向いた裏面)に止着された第1中間役物係合部材189には、第1昇降回動軸186を中心とする縦長円弧状の第1中間役物係合溝189aを第1昇降回動軸186から球流下領域82側(図23(a)中、右側)に外れた位置に設け、第1アーム側役物本体部176Rの前面のうち第1昇降回動軸186から外れた位置から突設された第1アーム側役物係合突起190を第1中間役物係合溝189aへ係合している。
このような係合構造を備えた第1昇降装飾ユニット171においては、第1中間役物係合突起188が第1ステージ側役物係合溝187aの上端に係合し、且つ第1アーム側役物係合突起190が第1中間役物係合溝189aの上端に係合すると、各第1昇降役物本体部176が遊技盤5の表裏方向に重合した状態(第1装飾重合状態)に設定されるとともに、第1ステージ側役物本体部176Fおよび第1中間役物本体部176Cが第1装飾重合状態から下方へずれることを阻止される(図19および図24参照)。一方、第1装飾重合状態から第1ステージ側役物本体部176Fおよび第1中間役物本体部176Cを上方へ回動して第1中間役物係合突起188が第1ステージ側役物係合溝187aの下端に係合し、且つ第1アーム側役物係合突起190が第1中間役物係合溝189aの下端に係合すると、各第1昇降役物本体部176が上下方向にずれて広がった状態(第1装飾展開状態)に設定される。詳しくは、遊技盤5の正面から見て第1昇降回動軸186を中心とした時計方向に沿って第1ステージ側役物本体部176F、第1中間役物本体部176C、第1アーム側役物本体部176Rの順に下方へずれて配置される(図25参照)。なお、第1昇降装飾ユニット171の状態変換時における各第1昇降役物本体部176の挙動については、後で詳細に説明する。
第2昇降装飾ユニット172は、図21に示すように、昇降可能な複数(本実施形態では3つ)の第2昇降役物本体部196(本発明における昇降役物本体部の一種)と、第2昇降役物本体部196を発光装飾するLED等の第2昇降発光体197とを具備し、第2昇降役物本体部196を昇降させて装飾効果を発揮するように構成されている。具体的に説明すると、第2昇降装飾ユニット172の後部には、遊技盤5の正面から見てL字状を呈する第2昇降ユニットアーム198を備え、該第2昇降ユニットアーム198のうち縦長な側辺部の上端箇所をユニット取付枠97のうち球導入路64側に位置する側辺部(図21中、左側の側辺部)に回動自在な状態で軸着している。さらに、第2昇降ユニットアーム198の屈曲部の後面から第2昇降ガイドピン199(図20(b)参照)を後方のユニット取付枠97へ向けて突設し、ユニット取付枠97の下辺部に設けられた円弧状の第2昇降ガイド溝200に第2昇降ガイドピン199を遊嵌し、第2昇降ガイドピン199を第2昇降ガイド溝200に沿って移動させて第2昇降ユニットアーム198を上下方向へ揺動可能(回動可能)としている。
また、各第2昇降役物本体部196(第2アーム側役物本体部196R,第2ステージ側役物本体部196F,第2中間役物本体部196C)を、蝶の羽の形状を模したパネル部材で構成して変動表示装置31の表示部31aの表面に沿って延在する姿勢、且つ羽の付け根部分を模した端部が変動表示装置31の左右方向の中央側(言い換えると第1昇降装飾ユニット171寄り)に位置する姿勢に設定し、第2昇降役物本体部196毎に第2昇降発光体197をそれぞれ実装している。詳しくは、第2昇降役物本体部196の裏面(変動表示装置31側を向いた面)を凹ませ、ステージ部60側を向いた前面に第2昇降発光体197が実装された第2昇降発光基板201を第2昇降役物本体部196の裏面の凹みに収納している。そして、第2昇降役物本体部196のうち第2昇降発光体197を被覆する箇所を透光性部材で形成して透光窓部202とし、第2昇降発光体197からの光を透光窓部202へ通して第2昇降装飾ユニット172の前方へ照射可能としている。なお、第2アーム側役物本体部196Rにおいては、裏面の凹みを後方から第2昇降カバーパネル203で閉塞している。
さらに、第2アーム側役物本体部196Rを第2昇降ユニットアーム198の下辺部へ前方から止着して第2昇降カバーパネル203の裏面を第2昇降ユニットアーム198の前面へ当接し、第2アーム側役物本体部196Rよりも前方のステージ部60側には第2ステージ側役物本体部196Fを配置し、遊技盤5の表裏方向に離間した第2ステージ側役物本体部196Fと第2アーム側役物本体部196Rとの間には第2中間役物本体部196Cを配置している。また、第2ステージ側役物本体部196Fのうち第1昇降装飾ユニット171側に位置する端部には、遊技盤5の表裏方向に沿って延在する第2昇降回動軸206(図20(b)参照)の前端部を嵌合して第2ステージ側役物本体部196Fと共回り可能とし、該第2昇降回動軸206の後部を、第2中間役物本体部196Cのうち第1昇降装飾ユニット171側に位置する端部と、第2アーム側役物本体部196Rおよび第2昇降ユニットアーム198のうち第1昇降装飾ユニット171側に位置する端部へ回動可能な状態で挿通し、第2ステージ側役物本体部196Fと第2中間役物本体部196Cとが第2昇降ユニットアーム198に対して第2昇降回動軸206を中心に上下方向へ回動できるように構成されている。
そして、第2ステージ側役物本体部196Fの裏面(第2中間役物本体部196C側を向いた裏面)に止着された第2ステージ側役物係合部材207には、第2昇降回動軸206を中心とする縦長円弧状の第2ステージ側役物係合溝207aを第2昇降回動軸206から球導入路64側に外れた位置に形成し、第2中間役物本体部196Cの前面のうち第2昇降回動軸206から外れた位置から突設された第2中間役物係合突起208を第2ステージ側役物係合溝207aへ係合している。また、第2中間役物本体部196Cの裏面(第2アーム側役物本体部196R側を向いた裏面)に止着された第2中間役物係合部材209には、第2昇降回動軸206を中心とする縦長円弧状の第2中間役物係合溝209aを第2昇降回動軸206から球導入路64側に外れた位置に設け、第2アーム側役物本体部196Rの前面のうち第2昇降回動軸206から外れた位置から突設された第2アーム側役物係合突起210を第2中間役物係合溝209aへ係合している。
このような係合構造を備えた第2昇降装飾ユニット172においては、第2中間役物係合突起208が第2ステージ側役物係合溝207aの上端に係合し、且つ第2アーム側役物係合突起210が第2中間役物係合溝209aの上端に係合すると、各第2昇降役物本体部196が遊技盤5の表裏方向に重合した状態(第2装飾重合状態)に設定されるとともに、第2ステージ側役物本体部196Fおよび第2中間役物本体部196Cが第2装飾重合状態から下方へずれることを阻止される(図19参照および図24参照)。一方、第2装飾重合状態から第2ステージ側役物本体部196Fおよび第2中間役物本体部196Cを上方へ回動して第2中間役物係合突起208が第2ステージ側役物係合溝207aの下端に係合し、且つ第2アーム側役物係合突起210が第2中間役物係合溝209aの下端に係合すると、各第2昇降役物本体部196が上下方向にずれて広がった状態(第2装飾展開状態)に設定される。詳しくは、遊技盤5の正面から見て第2昇降回動軸206を中心とした反時計方向に沿って第2ステージ側役物本体部196F、第2中間役物本体部196C、第2アーム側役物本体部196Rの順に下方へずれて配置される(図25参照)。なお、第2昇降装飾ユニット172の状態変換時における各第2昇降役物本体部196の挙動については、後で詳細に説明する。
昇降駆動機構173は、図26に示すように、第1昇降ユニットアーム178および第2昇降ユニットアーム198を回動させるアーム回動機構215と、第1昇降装飾ユニット171の第1昇降回動軸186を回動させる第1軸回動機構216と、第2昇降装飾ユニット172の第2昇降回動軸206を回動させる第2軸回動機構217とを備えて構成されている。
アーム回動機構215は、第1昇降ユニットアーム178寄りに配置される第1アーム回動ギア221と、第2昇降ユニットアーム198寄りに配置される第2アーム回動ギア222とを各回動軸方向が遊技盤5の表裏方向に平行となる姿勢で横に並べて噛合し、第2アーム回動ギア222の下方には昇降駆動モータ223(本発明における昇降駆動源に相当)を配置し、該昇降駆動モータ223の出力軸に共回り状態で止着された昇降駆動ギア224を第2アーム回動ギア222に噛合している(図20(b)参照)。また、第1アーム回動ギア221の前面のうち回動軸から外れた位置からは第1アーム回動カムフォロア221aを突設し、第2アーム回動ギア222の前面のうち回動軸から外れた位置からは第2アーム回動カムフォロア222aを突設し、噛合状態の第1アーム回動ギア221と第2アーム回動ギア222とを回動すると、第1アーム回動カムフォロア221aと第2アーム回動カムフォロア222aとが遊技盤5の正面から見て常時左右対称となる状態で連動するように構成されている。
さらに、第1アーム回動ギア221よりも前方には、第1アーム回動ギア221側から第1昇降ユニットアーム178側へ向けて延在する長尺な第1アーム回動ロッド226を備え、当該第1アーム回動ロッド226の長手方向の中央部分をユニット取付枠97に軸着して第1アーム回動ロッド226を回動可能としている。そして、第1アーム回動ロッド226のうち第1アーム回動ギア221側に位置する一端部には、第1アーム回動ロッド226の長手方向に沿って延在する第1アーム回動カム溝226aを形成して第1アーム回動カムフォロア221aを係合し、第1アーム回動ギア221の回動に伴う第1アーム回動カムフォロア221aの移動に伴って第1アーム回動カム溝226aが上下移動するように構成されている。さらに、第1アーム回動ロッド226のうち軸着部を挟んで第1アーム回動カム溝226aとは反対側(第1昇降ユニットアーム178側)に位置する他端部には第1アーム係合受部226bを形成し、第1昇降ユニットアーム178の下辺部のうち左右方向の中間部分に突設された第1アーム係合部178aに第1アーム係合受部226bを係合している。
また、第2アーム回動ギア222よりも前方には、第2アーム回動ギア222側から第2昇降ユニットアーム198側へ向けて延在する長尺な第2アーム回動ロッド227を備え、当該第2アーム回動ロッド227の長手方向の中央部分をユニット取付枠97に軸着して第2アーム回動ロッド227を回動可能としている。そして、第2アーム回動ロッド227のうち第2アーム回動ギア222側に位置する一端部には、第2アーム回動ロッド227の長手方向に沿って延在する第2アーム回動カム溝227aを形成して第2アーム回動カムフォロア222aを係合し、第2アーム回動ギア222の回動に伴う第2アーム回動カムフォロア222aの移動に伴って第2アーム回動カム溝227aが上下移動するように構成されている。さらに、第2アーム回動ロッド227のうち軸着部を挟んで第2アーム回動カム溝227aとは反対側(第2昇降ユニットアーム198側)に位置する他端部には第2アーム係合受部227bを形成し、第2昇降ユニットアーム198の下辺部のうち左右方向の中間部分に突設された第2アーム係合部198aに第2アーム係合受部227bを係合している。
第1昇降回動軸186を回動させる第1軸回動機構216は、図26(a)および(b)に示すように、第1昇降回動軸186の後端部に第1昇降回動ギア231を共回り状態で止着して備え、第1昇降回動軸186と第1アーム係合部178aとの間には、第1昇降ユニットアーム178の下辺部の長手方向に沿って延在する横長短冊状の第1回動操作アーム232を配置し、該第1回動操作アーム232の中央部分を第1昇降ユニットアーム178に回動自在な状態で軸着している。また、第1回動操作アーム232のうち第1昇降回動軸186側に位置する一端部には扇状の第1伝達ギア233を突設して第1昇降回動ギア231へ噛合し、他端部からは第1回動操作カムフォロワ234を後方のユニット取付枠97側へ向けて突設している。そして、第1回動操作アーム232を回動して第1回動操作カムフォロワ234が上死点に位置した状態では、第1昇降回動ギア231が下死点に位置して第1昇降回動ギア231および第1昇降回動軸186の回動を規制し、第1昇降装飾ユニット171を第1装飾重合状態に維持するように構成されている。さらに、ユニット取付枠97の下辺部のうち第1回動操作アーム232の後方に位置する箇所には、第1回動操作カムフォロワ234を係合する第1回動操作カム溝235を第1昇降ユニットアーム178の軸着位置側(図26(a)中、右側)から第1アーム回動ギア221側(図26(a)中、左側)へ向けて上り傾斜した直線状態で形成し、第1昇降ユニットアーム178の回動中心(軸着部)から第1回動操作カム溝235までの離間距離が第1昇降ユニットアーム178の上昇方向(遊技盤5の正面から見て時計方向)に沿って次第に広がるように設定されている。
第2昇降回動軸206を回動させる第2軸回動機構217は、図26(a)に示すように、第2昇降回動軸206の後端部に第2昇降回動ギア241を共回り状態で止着して備え、第2昇降回動軸206と第2アーム係合部198aとの間には、第2昇降ユニットアーム198の下辺部の長手方向に沿って延在する短冊状の第2回動操作アーム242を配置し、該第2回動操作アーム242の中央部分を第2昇降ユニットアーム198に回動自在な状態で軸着している。また、第2回動操作アーム242のうち第2昇降回動軸206側に位置する一端部には扇状の第2伝達ギア243を突設して第2昇降回動ギア241へ噛合し、他端部からは第2回動操作カムフォロワ244を後方のユニット取付枠97側へ向けて突設している。そして、第2回動操作アーム242を回動して第2回動操作カムフォロワ244が上死点に位置した状態では、第2昇降回動ギア241が下死点に位置して第2昇降回動ギア241および第2昇降回動軸206の回動を規制し、第2昇降装飾ユニット172を第2装飾重合状態に維持するように構成されている。さらに、ユニット取付枠97の下辺部のうち第2回動操作アーム242の後方に位置する箇所には、第2回動操作カムフォロワ244を係合する第2回動操作カム溝245を第2昇降ユニットアーム198の軸着位置側(図26(a)中、左側)から第2アーム回動ギア222側(図26(a)中、右側)へ向けて上り傾斜した直線状態で形成し、第2昇降ユニットアーム198の回動中心(軸着部)から第2回動操作カム溝245までの離間距離が第2昇降ユニットアーム198の上昇方向(遊技盤5の正面から見て反時計方向)に沿って次第に広がるように設定されている。
このような構成を備えた昇降役物ユニット96においては、昇降駆動機構173により第1昇降役物本体部176および第2昇降役物本体部196を昇降動作させて下降状態と上昇状態とに変換する。具体的に説明すると、図24および図26に示すように、第1アーム回動カムフォロア221aを第1アーム回動ギア221の上部に配置して第1アーム回動カム溝226aを上死点へ位置させるとともに、第2アーム回動カムフォロア222aを第2アーム回動ギア222の上部に配置して第2アーム回動カム溝227aを上死点へ位置させると、第1アーム係合受部226bおよび第2アーム係合受部227bがそれぞれ下死点へ位置して第1アーム係合部178aおよび第2アーム係合部198aを引き下げ、第1昇降ユニットアーム178および第2昇降ユニットアーム198が軸着部を中心として下方へ回動して下死点に位置する。
第1昇降ユニットアーム178が下死点に位置する状態では、第1軸回動機構216の第1回動操作カムフォロワ234が上死点に位置した状態で第1回動操作カム溝235の傾斜下端に係合し、第1昇降装飾ユニット171が第1装飾重合状態に設定される。また、第2昇降ユニットアーム198が下死点に位置する状態では、第2軸回動機構217の第2回動操作カムフォロワ244が上死点に位置した状態で第2回動操作カム溝245の傾斜下端に係合し、第2昇降装飾ユニット172が第2装飾重合状態に設定される。このようにして昇降役物ユニット96が下降状態に設定され、この下降状態では各昇降役物本体部176,196が仕切り壁部71に後方から重なって位置する。そして、第1ステージ側役物本体部176Fを発光装飾する第1昇降発光体177、および第2ステージ側役物本体部196Fを発光装飾する第2昇降発光体197が発光すれば、この光を第1ステージ側役物本体部176Fおよび第2ステージ側役物本体部196Fに形成された透光窓部182,202および仕切り壁部71へ通して前方のステージ部60へ照射することができる。
また、昇降駆動モータ223を駆動して第1アーム回動ギア221および第2アーム回動ギア222を回動することにより、第1アーム回動カムフォロア221aを第1アーム回動ギア221の上部から下方へ移動するとともに、第2アーム回動カムフォロア222aを第2アーム回動ギア222の上部から下方へ移動すると、第1アーム回動カム溝226aが上死点から下方へ移動して第1アーム回動ロッド226が揺動するとともに、第2アーム回動カム溝227aが上死点から下方へ移動して第2アーム回動ロッド227が揺動する。そして、第1アーム回動ロッド226の揺動により、第1アーム係合受部226bが下死点から上昇して第1アーム係合部178aを押し上げ、第1昇降ユニットアーム178が軸着部を中心として上方へ回動され、第2アーム回動ロッド227の揺動により、第2アーム係合受部227bが下死点から上昇して第2アーム係合部198aを押し上げ、第2昇降ユニットアーム198が軸着部を中心として上方へ回動される。
このとき、第1軸回動機構216においては、第1回動操作カムフォロワ234が第1回動操作カム溝235に沿って上昇するが、第1昇降ユニットアーム178の回動中心から第1回動操作カム溝235までの離間距離が第1昇降ユニットアーム178の上昇方向に沿って次第に広がるように設定されているため、第1昇降ユニットアーム178が上昇するにしたがって第1回動操作カムフォロワ234が第1回動操作カム溝235の縁部に押し下げられて、第1昇降ユニットアーム178の回動中心から次第に離れる。この結果、第1回動操作アーム232が第1伝達ギア233を上方へ回動させて、第1昇降回動ギア231および第1昇降回動軸186とともに第1ステージ側役物本体部176Fを遊技盤5の正面から見て反時計方向へ回動して第1昇降ユニットアーム178、第1アーム側役物本体部176R、第1中間役物本体部176Cの前方から上方へずれる。さらに、第1ステージ側役物本体部176Fが上方へ回動して第1ステージ側役物係合溝187aの下端が第1中間役物係合突起188に係合すると、第1中間役物本体部176Cが上方に位置する第1ステージ側役物本体部176Fと共回りし始め、第1昇降ユニットアーム178、第1アーム側役物本体部176Rの前方から上方へずれる。
また、第2軸回動機構217においては、第2回動操作カムフォロワ244が第2回動操作カム溝245に沿って上昇するが、第2昇降ユニットアーム198の回動中心から第2回動操作カム溝245までの離間距離が第2昇降ユニットアーム198の上昇方向に沿って次第に広がるように設定されているため、第2昇降ユニットアーム198が上昇するにしたがって第2回動操作カムフォロワ244が第2回動操作カム溝245の縁部に押し下げられて、第2昇降ユニットアーム198の回動中心から次第に離れる。この結果、第2回動操作アーム242が第2伝達ギア243を上方へ回動させて、第2昇降回動ギア241および第2昇降回動軸206とともに第2ステージ側役物本体部196Fを遊技盤5の正面から見て時計方向へ回動して第2昇降ユニットアーム198、第2アーム側役物本体部196R、第2中間役物本体部196Cの前方から上方へずれる。さらに、第2ステージ側役物本体部196Fが上方へ回動して第2ステージ側役物係合溝207aの下端が第2中間役物係合突起208に係合すると、第2中間役物本体部196Cが上方に位置する第2ステージ側役物本体部196Fと共回りし始め、第2昇降ユニットアーム198、第2アーム側役物本体部196Rの前方から上方へずれる。
そして、図25および図27に示すように、第1アーム回動カムフォロア221aを第1アーム回動ギア221の下部に配置して第1アーム回動カム溝226aを下死点へ位置させるとともに、第2アーム回動カムフォロア222aを第2アーム回動ギア222の下部に配置して第2アーム回動カム溝227aを下死点へ位置させると、第1アーム係合受部226bおよび第2アーム係合受部227bがそれぞれ上死点へ位置し、第1アーム係合受部226bにより押し上げられた第1昇降ユニットアーム178、および第2アーム係合受部227bにより押し上げられた第2昇降ユニットアーム198がそれぞれ上死点に位置する。
第1昇降ユニットアーム178が上死点に位置する状態では、第1軸回動機構216の第1回動操作カムフォロワ234が第1回動操作カム溝235の傾斜上端に係合して当該第1回動操作カムフォロワ234の下死点(第1昇降ユニットアーム178に対する下死点)まで押し下げられ、この押し下げ力が第1回動操作アーム232の第1伝達ギア233から第1昇降回動ギア231へ伝達されて第1昇降回動軸186を遊技盤5の正面から見て反時計方向へ十分に回動し、第1昇降装飾ユニット171を第1装飾展開状態へ変換する。また、第2昇降ユニットアーム198が上死点に位置する状態では、第2軸回動機構217の第2回動操作カムフォロワ244が第2回動操作カム溝245の傾斜上端に係合して当該第2回動操作カムフォロワ244の下死点(第2昇降ユニットアーム198に対する下死点)まで押し下げられ、この押し下げ力が第2回動操作アーム242の第2伝達ギア243から第2昇降回動ギア241へ伝達されて第2昇降回動軸206を遊技盤5の正面から見て時計方向へ十分に回動し、第2昇降装飾ユニット172を第2装飾展開状態へ変換する。このようにして昇降役物ユニット96が上昇状態に変換し、この上昇状態では、第1昇降役物本体部176が第1装飾展開状態で仕切り壁部71とは上方にずれて表示部31aの前方に位置するとともに、第2昇降役物本体部196が第2装飾展開状態で仕切り壁部71とは上方にずれて表示部31aの前方に位置する。そして、第1装飾展開状態の第1昇降装飾ユニット171(第1昇降役物本体部176)と、第2装飾展開状態の第2昇降装飾ユニット172(第2昇降役物本体部196)との間を離間して表示視認空間部248を形成し、変動表示装置31の表示部31aにおける演出表示をセンターケースユニット51の前方から表示視認空間部248を通して視認できるように設定される。
さらに、昇降駆動モータ223を駆動して第1アーム回動ギア221および第2アーム回動ギア222を回動することにより、第1アーム回動カムフォロア221aを第1アーム回動ギア221の下部から上方へ移動するとともに、第2アーム回動カムフォロア222aを第2アーム回動ギア222の下部から上方へ移動すると、第1アーム回動カム溝226aが下死点から上方へ移動して第1アーム回動ロッド226が揺動するとともに、第2アーム回動カム溝227aが下死点から上方へ移動して第2アーム回動ロッド227が揺動する。そして、第1アーム回動ロッド226の揺動により、第1アーム係合受部226bが上死点から下降して第1アーム係合部178aを引き下げ、第1昇降ユニットアーム178が軸着部を中心として下方へ回動され、第2アーム回動ロッド227の揺動により、第2アーム係合受部227bが上死点から下降して第2アーム係合部198aを引き下げ、第2昇降ユニットアーム198が軸着部を中心として下方へ回動される。
このとき、第1軸回動機構216においては、第1回動操作カムフォロワ234が第1回動操作カム溝235に沿って下降するが、第1昇降ユニットアーム178の回動中心から第1回動操作カム溝235までの離間距離が第1昇降ユニットアーム178の上昇方向に沿って次第に広がるように設定されているため、第1昇降ユニットアーム178が下降するにしたがって第1回動操作カムフォロワ234が第1昇降ユニットアーム178に対して上昇すること、さらには第1伝達ギア233が第1昇降回動軸186から受ける回動力により回動されて下方へ移動することを許容する。すると、第1ステージ側役物本体部176Fが自重によって回動し、第1中間役物係合突起188を第1ステージ側役物係合溝187aの下端へ係合していた第1中間役物本体部176Cと共回りして下降する。そして、第1中間役物本体部176Cが第1アーム側役物本体部176Rの前方に重合すると、第1中間役物係合溝189aの上端部が第1アーム側役物係合突起190に係合して第1中間役物本体部176Cの下降が停止し、下降し続ける第1ステージ側役物本体部176Fの第1ステージ側役物係合溝187aの下端部が第1中間役物係合突起188から下方へ外れる。さらに、第1ステージ側役物本体部176Fが下降し続けて第1中間役物本体部176Cの前方に重合すると、第1ステージ側役物係合溝187aの上端部が第1中間役物係合突起188に係合して第1ステージ側役物本体部176Fの下降が停止する。
また、第2軸回動機構217においては、第2回動操作カムフォロワ244が第2回動操作カム溝245に沿って下降するが、第2昇降ユニットアーム198の回動中心から第2回動操作カム溝245までの離間距離が第2昇降ユニットアーム198の上昇方向に沿って次第に広がるように設定されているため、第2昇降ユニットアーム198が下降するにしたがって第2回動操作カムフォロワ244が第2昇降ユニットアーム198に対して上昇すること、さらには第2伝達ギア243が第2昇降回動軸206から受ける回動力により回動されて下方へ移動することを許容する。すると、第2ステージ側役物本体部196Fが自重によって回動し、第2中間役物係合突起208を第2ステージ側役物係合溝207aの下端へ係合していた第2中間役物本体部196Cと共回りして下降する。そして、第2中間役物本体部196Cが第2アーム側役物本体部196Rの前方に重合すると、第2中間役物係合溝209aの上端部が第2アーム側役物係合突起210に係合して第2中間役物本体部196Cの下降が停止し、下降し続ける第2ステージ側役物本体部196Fの第2ステージ側役物係合溝207aの下端部が第2中間役物係合突起208から下方へ外れる。さらに、第2ステージ側役物本体部196Fが下降し続けて第2中間役物本体部196Cの前方に重合すると、第2ステージ側役物係合溝207aの上端部が第2中間役物係合突起208に係合して第2ステージ側役物本体部196Fの下降が停止する。このようにして第1昇降装飾ユニット171が第1装飾重合状態に変換するとともに、第2昇降装飾ユニット172が第2装飾重合状態に変換して、昇降役物ユニット96が下降状態に変換する。
なお、図26(a)および図27に示すように、第1アーム回動ロッド226の下部のうち軸着部よりも第1アーム係合受部226b寄りの位置には昇降状態検出片250を下方へ向けて突設し、ユニット取付枠97のうち第1アーム回動ロッド226の下方には、昇降状態検出片250を検出可能な昇降状態検出センサ251を備えている。そして、昇降役物ユニット96が下降状態に変換すると、昇降状態検出センサ251が昇降状態検出片250を検出し、昇降状態検出センサ251から出力される検出信号により昇降役物ユニット96が下降状態に変換したことを検知できるように構成されている。
そして、第1昇降装飾ユニット171は、図28〜図30に示すように、第1昇降役物本体部176毎に収納された第1昇降発光基板181同士(言い換えると第1昇降役物本体部176毎に収納された第1昇降発光体177同士)を電気的に接続する第1光源接続配線253を2本備え、一方の第1光源接続配線253を第1アーム側役物本体部176Rの上縁部から第1中間役物本体部176Cの下縁部へ向けて延設し、他方の第1光源接続配線253を第1アーム側役物本体部176Rの上縁部から第1ステージ側役物本体部176Fの下縁部へ向けて延設している。さらに、第1ステージ側役物本体部176Fの上縁部には、後方に位置する他の第1昇降役物本体部176(第1中間役物本体部176C、第1アーム側役物本体部176R)側へ向けて延在する第1配線カバー254を備え、該第1配線カバー254により他の第1昇降役物本体部176の上縁部および第1アーム側役物本体部176Rの上縁部から引き出された第1光源接続配線253を上方から被覆可能としている。したがって、昇降役物ユニット96を上昇状態に変換して第1昇降装飾ユニット171を第1装飾展開状態に設定すると、図30に示すように、第1光源接続配線253が最も下方に位置する第1アーム側役物本体部176Rから他の第1昇降役物本体部176へ向けて延設され、第1配線カバー254が最も上方に位置する第1ステージ側役物本体部176Fの上縁部から延設される。また、図31に示すように、第1昇降ユニットアーム178の側辺部内には、各第1昇降発光基板181に電力や信号を供給する第1供給配線255を通し、2本の第1光源接続配線253が接続された第1アーム側役物本体部176R内の第1昇降発光基板181の下部に第1供給配線255の下端を接続し、第1供給配線255の上端をユニット取付枠97側へ引き出してユニット取付枠97上の第1中継基板256に接続している。
また、第2昇降装飾ユニット172は、第2昇降役物本体部196毎に収納された第2昇降発光基板201同士(言い換えると第2昇降役物本体部196毎に収納された第2昇降発光体197同士)を電気的に接続する第2光源接続配線を2本備え(図示せず)、一方の第2光源接続配線を第2アーム側役物本体部196Rの上縁部から第2中間役物本体部196Cの下縁部へ向けて延設し、他方の第2光源接続配線を第2アーム側役物の上縁部から第2ステージ側役物本体部196Fの下縁部へ向けて延設している。さらに、図19に示すように、第2ステージ側役物本体部196Fの上縁部には、後方に位置する他の第2昇降役物本体部196(第2中間役物部、第2アーム側役物本体部196R)側へ向けて延在する第2配線カバー258を備え、該第2配線カバー258により他の第2昇降役物本体部196の上縁部および第2アーム側役物本体部196Rの上縁部から引き出された第2光源接続配線を上方から被覆可能としている。したがって、昇降役物ユニット96を上昇状態に変換して第2昇降装飾ユニット172を第2装飾展開状態に設定すると、第2光源接続配線が最も下方に位置する第2アーム側役物本体部196Rから他の第2昇降役物本体部196へ向けて延設され、第2配線カバー258が最も上方に位置する第2ステージ側役物本体部196Fの上縁部から延設される。また、第2昇降ユニットアーム198の側辺部内には、各第2昇降発光基板201に電力や信号を供給する第2供給配線(図示せず)を通し、2本の第2光源接続配線が接続された第2アーム側役物本体部196R内の第2昇降発光基板201の下部に第2供給配線の下端を接続し、第2供給配線の上端をユニット取付枠97側へ引き出してユニット取付枠97上の第2中継基板に接続している(図示せず)。
さらに、遊技盤5は、包囲枠体30と変動表示装置31との間に、表示部31aに表示される演出表示とは異なる補助表示を実行して演出を行う補助演出ユニット260を備えている。補助演出ユニット260は、図32(a)に示すように、表示部31aの前方に重なって配置される矩形状の透明な導光板261と、該導光板261の外方に配置された補助表示光源262とを備えて構成されている。導光板261は、透明アクリルや透明ガラスなどの透光性部材で構成された平板であり、遊技者が当該導光板261を通して表示部31a上の演出表示を視認可能としている。また、表示部31a側を向いた裏面のうち遊技盤5の前方から見て表示部31aの各変動表示領域31bと重なる箇所には、変動表示領域31b毎に対応する補助表示領域265(左側補助表示領域265L,中央補助表示領域265C,右側補助表示領域265R)をそれぞれ設定している。また、各補助表示領域265にはドット溝267を複数刻設して、複数の花びらの輪郭を表現するドットパターンをそれぞれ施している。また、補助表示領域265毎に形成されたドット溝267には光屈曲部267aを形成し、当該補助表示領域265を照射対象として補助表示光源262から照射された光のみを光屈曲部267aにより導光板261の前方へ向けて屈曲させ、当該補助表示領域265を照射対象としない光については、導光板261の前方へ屈曲させずに導光板261の側方へ透過させるように構成されている。したがって、照射対象となった補助表示領域265においてのみドットパターンが屈曲光により光り、複数の花びらの輪郭を表示して補助表示を実行できるように構成されている。
補助表示光源262は、補助表示領域265毎に対応して光を照射する照明装置269を導光板261の縁に沿って複数並べて構成されている。具体的には、導光板261の左右両側の上方には、導光板261の左右両側に位置する補助表示領域265に光を照射する照明装置269(左側表示用照明装置269L,右側表示用照明装置269R)をそれぞれ配置し、導光板261の側方(図32(a)中、左側方)には、導光板261の左右方向の中央に設定された補助表示領域265に光を照射する照明装置269(中央表示用照明装置269C)を配置している。各照明装置269は、図33(a)に示すように、導光板261の縁に沿って長尺な照明ケース272のうち導光板261側を開放し、該照明ケース272内にはLED等の発光素子273が実装された発光基板274を発光素子273が導光板261側を向いた状態で収納し、照明ケース272の開放口には、発光素子273からの光を拡散する拡散レンズ275を配置し、導光板261のうち照明装置269が対向する縁部全体に亘って光が照射されるように構成されている(図33(b)参照)。なお、各照明装置269の位置は、導光板261の上方または左側方に限定されない。要は、光屈曲部267aが照明装置269からの光を導光板261の前方へ屈曲可能であれば、導光板261の下方や右側方に配置してもよい。
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置280、および該遊技制御装置280を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置280は、図34に示すように、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための制御プログラム等を記憶しているROM、および遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM、入力部(入力インターフェース)、出力部(出力インターフェース)等から構成されている。そして、各種検出装置(磁気センサスイッチ281、振動センサスイッチ282、第1始動口スイッチ283、第2始動口スイッチ284、ゲートスイッチ285、入賞口スイッチ286、カウントスイッチ287、前面枠開放検出スイッチ288、保持枠開放検出スイッチ289、電源装置290等)からの検出信号を受けて、特別遊技状態(大当り状態)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種々の処理を行う。さらに、演出制御装置295や払出制御装置296の他、大入賞口45を開閉するための大入賞口ソレノイド297、普通電動役物42aを開閉するための普電ソレノイド298、一括表示装置49、外部情報端子299等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
演出制御装置295は、図35に示すように、演出制御を司るCPU、演出制御のための制御プログラムを格納したPROM、画像データ等を格納した画像ROM、画像制御時のワークエリアとして利用されるVRAM、入力インターフェース、出力インターフェース等から構成されている。そして、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴って発生する信号、具体的には、遊技制御装置280からの制御信号、遊技演出用ボタン18に設けられたスイッチからの信号、各演出用役物装置54に設けられた各センサからの信号等に基づいて、演出用役物装置(制御対象部)54の演出動作を制御する。詳しくは、変動表示装置31の表示部31aの表示、上側スピーカ21や下側スピーカ15からの効果音出力、遊技盤5に設けられた演出用役物装置54の発光体等を含む盤装飾装置300の発光や透明部材保持枠8に設けられたLED等の枠装飾装置301の発光、遊技盤5に設けられた演出用役物装置54の各駆動源や透明部材保持枠8に設けられた演出部材(図示せず)を駆動する駆動源等の枠演出装置302の駆動を制御する。
次に、上記した構成を有する遊技盤5(パチンコ遊技機1)の作用、特に、包囲枠体30の作用や補助演出ユニット260の作用について説明する。なお、遊技制御装置280は、予め変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)を行っておらず、且つ特別遊技状態を発生していない状態(通常遊技状態)で遊技進行を制御しているものとする。また、演出制御装置295は、昇降役物ユニット96を下降状態に設定し、補助演出ユニット260の動作を停止(照明装置269を消灯)する制御を実行し、演出役物ユニット95に対しては、第1ユニットベース115を上昇状態に設定し、第1装飾本体部121および第2装飾本体部151の回転を停止する制御を実行しているものとする。
発射装置(図示せず)から発射された遊技球が発射球案内路26を通って遊技領域25へ飛入し、包囲枠体30の上方を通過して緩衝部材34まで到達すると、この遊技球は、緩衝部材34に衝接して飛翔勢を弱められ、下方へ落下して球流下領域82の球入口82aへ進入する。そして、球流下領域82内を流下して球出口82bから遊技領域25のうち包囲枠体30の下方へ放出され、さらには遊技領域25の下端まで到達してアウト口48に回収される。このように、側縁区画壁80とガイド壁81とにより区画形成される球流下領域82をセンターケースユニット51に備えれば、センターケースユニット51を大型化したとしても、遊技領域25の一側縁に遊技球を流下させることができる。したがって、遊技球の移動範囲が狭くなったという印象を遊技者に与え難くすることができ、遊技の興趣の低減を抑えることができる。また、流下領域装飾カバー84を透光性部材で形成したので、球流下領域82内の遊技球の挙動を流下領域装飾カバー84を通して遊技者に見せることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。さらに、球流下領域82の球入口82aを遊技領域25のうちセンターケースユニット51の上方へ向けて開口し、球出口82bを遊技領域25のうちセンターケースユニット51の下方へ向けて開口したので、遊技者は、遊技球が遊技領域25の上部から下部に亘って大きく移動する挙動を観賞することができ、遊技の興趣を一層向上させることができる。
そして、球流下領域82には複数の衝接突起85を当該球流下領域82の延在方向に沿って側縁区画壁80およびガイド壁81から互い違いに突設しているので、遊技球を衝接突起85に次々と衝接させて流下勢を弱めることができ、遊技球が球流下領域82内を移動する時間、ひいては球流下領域82内における遊技球の挙動の観賞時間を長引かせて遊技者を楽しませることができる。さらに、側縁区画壁80をサイドケース24およびケース接続部材33から離間しているので、遊技球が衝接突起85に衝接した際に発生する衝撃がサイドケース24およびケース接続部材33に伝達することを阻止でき、サイドケース24およびケース接続部材33が損傷し易くなる不都合を抑制することができる。
また、遊技領域25に飛入した遊技球が普図始動ゲート36へ入賞(通過)すると、遊技制御装置280が普図変動表示ゲームを実行し、この普図変動表示ゲームの結果態様に応じて異なる制御信号を一括表示装置49へ送信し、結果態様を示す普通図柄を一括表示装置49で表示する制御を行う。そして、普図変動表示ゲームの結果態様が「当り」を示す状態になった場合には、第2始動口42の普通電動役物42aを開いて、遊技球が第2始動口42へ入賞し易い状態に変換し、「はずれ」を示す状態になった場合には普通電動役物42aを閉じた状態に維持する。
さらに、遊技領域25を流下する遊技球が球導入路64の入口64aに流入すると、この遊技球は、球導入路64を流下して球導入路64の出口64bからステージ部60上へ排出され、ステージ部60上を転動した後、球放出部66や入賞誘導路67からステージ部60の前方へ放出される。そして、球放出部66から放出された場合には、遊技領域25のうち始動入賞領域43から外れた箇所へ流下し易く、したがって、始動入賞領域43へ入賞し難い。さらに、入賞誘導路67から放出された場合には、遊技領域25のうち始動入賞領域43の直上へ流下し易く、したがって、始動入賞領域43へ入賞し易い。
そして、遊技球が始動入賞領域43のうち第1始動口41へ入賞して第1始動口スイッチ283により検出されると、遊技制御装置280が第1始動口41への入賞を契機(始動条件)にして第1特図変動表示ゲームを実行し、始動入賞領域43のうち第2始動口42へ入賞して第2始動口スイッチ284により検出されると、遊技制御装置280が第2始動口42への入賞を契機(始動条件)にして第2特図変動表示ゲームを実行する。さらに、遊技制御装置280は、各特図変動表示ゲームの結果態様に応じて異なる制御信号を一括表示装置49および演出制御装置295へ送信する。この結果、一括表示装置49では結果態様を示す特別図柄を表示し、演出制御装置295では、各特図変動表示ゲームの進行に応じた表示(ゲームの結果態様が決定する前の段階の演出表示であって、各変動表示領域31bにおける識別情報の変動表示)や演出用役物装置54による装飾動作(役物動作)に応じた表示を変動表示装置31に実行させる制御を実行し、その後に、結果態様に対応する演出表示(具体的には、各変動表示領域31bにおいて識別情報を変動表示した後に停止表示する演出表示)を変動表示装置31に実行させる制御を行う。そして、各特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」であった場合には、遊技制御装置280は、予め設定された期間に亘って特別遊技状態を発生させて大入賞口45を開き、遊技球が大入賞口45に入賞し易い状態に変換する一方、「はずれ」であった場合には、大入賞口45を閉じた状態に維持して、遊技球の大入賞口45への入賞を規制する。
さらに、演出制御装置295は、変動表示装置31における演出表示の制御とともに、演出用役物装置54の演出動作(装飾動作)の制御や補助演出ユニット260の表示制御を実行する。昇降役物ユニット96による演出動作に関しては、例えば、図36のタイムチャートに示すように、変動表示装置31が各特図変動表示ゲームの進行に応じた表示を実行している期間において、まず、昇降役物ユニット96を下降状態に維持して第1ステージ側役物本体部176Fおよび第2ステージ側役物本体部196Fをステージ部60の後方に位置させておき、この状態で、第1ステージ側役物本体部176F内の第1昇降発光体177および第2ステージ側役物本体部196F内の第2昇降発光体197を発光させる。すると、第1ステージ側役物本体部176Fおよび第2ステージ側役物本体部196Fからの光が仕切り壁部71を通ってステージ部60に照射され、予め設定された期間(ステージ照射期間)に亘ってステージ部60の発光装飾が実行される。したがって、ステージ部60の周辺で演出動作を実行する構成要素がステージ部60に光を照射する発光手段としても機能することができる。これにより、ステージ部60の発光手段を配置するスペースを、演出動作実行用の構成要素(昇降役物ユニット96)を配置するスペースとは別個に確保する必要がなく、限られたパチンコ遊技機1内のスペースを有効に活用しつつ遊技の興趣を高めることができる。
また、ステージ照射期間が経過した後には、第1ステージ側役物本体部176F内の第1昇降発光体177および第2ステージ側役物本体部196F内の第2昇降発光体197を消灯し、昇降役物ユニット96を予め設定された期間(第1演出期間)に亘って複数回小刻みに動かして遊技者の演出動作に対する期待を煽る。このとき、昇降役物ユニット96は、演出制御装置295による演出制御に基づいて、下降状態から第1昇降装飾ユニット171および第2昇降装飾ユニット172を動かして上昇させ、上昇状態に変換する手前の中間状態で停止して下降状態に戻す。また、中間状態では昇降役物ユニット96における全ての第1昇降発光体177および第2昇降発光体197を発光する。第1演出期間が経過したならば、演出制御装置295は、予め設定された期間(第2演出期間)に亘って昇降役物ユニット96を下降状態に維持するとともに全ての第1昇降発光体177および第2昇降発光体197を消灯する制御を行い、第2演出期間の経過後には、予め設定された期間(第3演出期間(上昇期間))に亘って昇降役物ユニット96を上昇状態へ変換するとともに、全ての第1昇降発光体177および第2昇降発光体197を発光する制御を行う。さらに、変動表示装置31において役物動作に応じた演出表示を行う制御を実行し、該演出表示を昇降役物ユニット96に形成した表示視認空間部248からセンターケースユニット51の前方へ臨ませる。第3演出期間が経過したならば、昇降役物ユニット96を上昇状態から下降状態へ変換し、昇降役物ユニット96が下降状態に変換した後に全ての第1昇降発光体177および第2昇降発光体197を消灯する制御を行い、さらには、変動表示装置31に対しては、ゲーム進行に応じた演出表示に戻す制御を行う。
このようにして演出動作を実行する昇降役物ユニット96においては、下降状態に変換すると、複数の第1昇降役物本体部176を重ねて配置するとともに複数の第2昇降役物本体部196を重ねて配置し、上昇状態に変換すると、複数の第1昇降役物本体部176を上下方向にずらして配置するとともに複数の第2昇降役物本体部196を上下方向にずらして配置するので、広い収納空間を必要とせず、装飾演出時には収納状態よりも広がって演出効果を高めることができる。また、第1昇降役物本体部176毎に第1昇降発光体177をそれぞれ実装し、第2昇降役物本体部196毎に第2昇降発光体197をそれぞれ実装しているので、各昇降役物本体部176,196を別個に発光装飾することができ、昇降役物ユニット96による演出効果の向上を図ることができる。さらに、第1光源接続配線253を上昇状態において最も下方に位置する第1アーム側役物本体部176Rから他の第1昇降役物本体部176へ向けて延設し(図30参照)、第2光源接続配線を上昇状態において最も下方に位置する第2アーム側役物本体部196Rから他の第2昇降役物本体部196へ向けて延設したので、演出動作を行わない箇所から各光源接続配線を引き出す場合と比べて、昇降役物本体部176,196の演出動作に伴う各光源接続配線の動きを小さくすることができる。したがって、各光源接続配線が曲げ動作により受ける負荷を小さく抑えることができ、各光源接続配線を断線し難くすることができる。
また、第1ステージ側役物本体部176Fの上縁部に第1配線カバー254を備えて第1光源接続配線253を上方から被覆し、第2ステージ側役物本体部196Fの上縁部に第2配線カバー258を備えて第2光源接続配線を上方から被覆するので、昇降役物ユニット96の演出動作時に第1光源接続配線253および第2光源接続配線が遊技者の目障りになることを避けることができる。さらに、昇降役物ユニット96の上昇状態においては、変動表示装置31における演出表示が表示視認空間部248を通して視認可能となるので、昇降役物ユニット96における演出と変動表示装置31における演出との相乗効果を期待することができる。
なお、昇降役物ユニット96における発光装飾は、本実施形態における発光パターンに限定されない。例えば、第1アーム側役物本体部176Rおよび第2アーム側役物本体部196Rに限定して発光装飾を実行したり、第1中間役物本体部176Cおよび第2中間役物本体部196Cに限定して発光装飾を実行したりしてもよい。また、昇降発光体177,197の発光色や、透光窓部182,202の色を昇降役物本体部毎に異ならせて設定してもよい。
演出役物ユニット95による演出動作に関しては、本実施形態では昇降役物ユニット96と当接して干渉する虞があるため、昇降役物ユニット96の演出動作とは連動せず、変動表示装置31における表示動作および補助演出ユニット260における表示動作と連動して行われる。例えば、演出制御装置295は、各特図変動表示ゲームの進行に応じた表示を変動表示装置31で実行している最中に、まず予め設定されたタイミングで第2本体駆動機構152を駆動する制御(第2装飾制御)を実行して、全ての第2装飾本体部151を回動して第2可動役物ユニット102(第2装飾本体部151)に装飾動作を行わせる。次に、第2装飾本体部151を回動し続けた状態で第1本体駆動機構122を駆動する制御(第1装飾制御)を実行して、全ての第1装飾本体部121を回動して第1可動役物ユニット101(第1装飾本体部121)に装飾動作を行わせる。
第1装飾本体部121および第2装飾本体部151を回動したならば、これらの回動を維持した状態で第1ユニット駆動機構116を駆動する制御(第1ユニット動作制御)を実行して、第1ユニットベース115に第1ユニット動作を行わせて上昇状態から下降状態へ変換する。これにより、演出用役物装置54(演出役物ユニット95)における演出動作を次第に追加して実行することができ、遊技者に演出動作が盛り上がっていく様子を見せて十分に楽しませようとすることができる。したがって、演出用役物装置54の一部が変動表示装置31の前方に移動したとしても、十分な演出効果を期待することができる。さらに、表示部31aの上方には第1可動役物ユニット101を配置し、表示部31aの側方には第2可動役物ユニット102を配置したことにより、演出動作が変動表示装置31の側方から上方へ伝播したかのように見せることができ、視覚効果の向上を一層高めることができる。
また、第2装飾制御において全ての第2装飾本体部151に装飾動作を行わせた後、第1装飾制御において全ての第1装飾本体部121に装飾動作を行わせるので、第1可動役物ユニット101上の演出動作および第2可動役物ユニット102上の演出動作を十分に目立たせることができる。さらに、第1本体駆動機構122には単一の第1本体駆動モータ126を備えて全ての第2装飾本体部151を回動可能とし、第2本体駆動機構152には単一の第2本体駆動モータ157を備えて全ての第1装飾本体部121を回動可能としたので、第1装飾本体部121毎および第2装飾本体部151毎に駆動源を備えずに済み、演出の実行に必要な構成をシンプルにすることができる。そして、第2本体駆動機構152においては、連結回動軸165aの両端に連結ギア165bが共回り状態でそれぞれ設けられた連結ギアユニット165を備え、連結ギアユニット165を配置して隣り合う第2回動ギア161を前後にずらして配置したので、第2回動ギア161と共回りする第2装飾本体部151のレイアウトの自由度を増すことができる。
さらに、装飾パネル78と変動表示装置31との間に第2可動役物ユニット102を備えたので、球流下領域82内の遊技球の挙動と第2可動役物ユニット102における演出動作との相乗効果を期待することができ、遊技の興趣の更なる向上を図ることができる。また、装飾パネル78には装飾視認窓部89を設けて第2可動役物ユニット102の第2装飾本体部151をセンターケースユニット51の前方から視認可能としたので、遊技者が第2可動役物ユニット102における演出動作を視認し易い。さらに、包囲枠体30には、第2可動役物ユニット102の他に、昇降役物ユニット96と第1可動役物ユニット101とを備え、昇降役物ユニット96をセンターケースユニット51の表示開口部56の下縁部と変動表示装置31との間に配置し、第1可動役物ユニット101をセンターケースユニット51の表示開口部56の上縁部と変動表示装置31との間に配置しているので、演出動作を実行可能な構成要素を包囲枠体30に複数備えることができ、複雑な演出を遊技者に見せることができる。また、大型のセンターケースユニット51を備えているので、演出動作用の構成要素を配置する空間部を十分に確保することができ、複数の演出動作用の構成要素を備え易くすることができる。
そして、演出役物ユニット95の演出動作と、変動表示装置31における表示動作および補助演出ユニット260における表示動作との連動は、第1ユニットベース115の第1ユニット動作時(演出制御装置295による第1ユニット動作制御の実行時)に行われる。具体的には、演出制御装置295は、変動表示装置31の変動表示領域31bにおいて識別情報を変動表示させておき、図37のタイムチャートに示すように、第1ユニット動作制御を実行し始めて第1ユニットベース115が上昇状態から下方へ移動している最中に、左側表示用照明装置269Lおよび右側表示用照明装置269Rを点灯する制御を実行して、導光板261の左側補助表示領域265Lおよび右側補助表示領域265Rにおいて補助表示を行う(図38(a)参照)。また、第1ユニットベース115が下降状態へ変換したことを契機にして、左側表示用照明装置269Lおよび右側表示用照明装置269Rを消灯とともに中央表示用照明装置269Cを点灯する制御を実行して、導光板261の左側補助表示領域265Lおよび右側補助表示領域265Rにおける補助表示を停止するとともに中央補助表示領域265Cにおいて補助表示を行う(図38(b)参照)。
さらに、第1ユニットベース115が下降状態から上方へ移動して上昇状態に戻る最中には、まず、第1ユニットベース115が上昇し始めたタイミングで、中央表示用照明装置269Cを消灯するとともに右側表示用照明装置269Rを点灯する制御を実行して、中央補助表示領域265Cにおける補助表示を停止するとともに右側補助表示領域265Rにおいて補助表示を行う。そして、第1ユニットベース115が上昇している途中、例えば、第1ユニットベース115の先端部が左側補助表示領域265Lの前方に到達したタイミングで、右側表示用照明装置269Rを消灯するとともに左側表示用照明装置269Lを点灯する制御を実行して、右側補助表示領域265Rにおける補助表示を停止するとともに左側補助表示領域265Lにおいて補助表示を行う。
このようにして補助演出ユニット260が第1ユニットベース115の第1ユニット動作を契機にして補助表示を実行するので、第1可動役物ユニット101の演出動作を際立たせることができ、第1可動役物ユニット101による演出と補助演出ユニット260による演出との相乗効果を期待することができる。また、補助演出ユニット260が変動表示領域31bに対応して設定された補助表示領域265にて補助表示を実行し、さらに、演出制御装置295が第1ユニットベース115の第1ユニット動作および補助演出ユニット260における補助表示と、変動表示装置31における識別情報の変動表示と、を連動させる制御を実行するので、変動表示ゲームの結果態様に対する期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。そして、補助演出ユニット260を導光板261と補助表示光源262とで構成し、導光板261上に設定された補助表示領域265には光屈曲部267aを形成し、該光屈曲部267aにより屈曲された光により補助表示を実行するように構成したので、従来にない斬新な演出表示を実行可能な補助演出ユニット260を簡単な構成で実現することができる。また、導光板261を透明にしたので、発光表示される補助表示が宙に浮いているかのように遊技者に見せることができ、一層斬新な演出表示を行うことができる。しかも、補助演出ユニット260が補助表示を実行していない状態(非実行状態)においては、変動表示装置31における表示が見え難くなることがない。
なお、第1ユニットベース115が変動表示領域31bの前方を通過するタイミングに合わせて、変動表示装置31が表示中の識別情報を異なる識別情報へ変動させるように設定すれば、第1ユニットベース115が識別情報をめくったかのように演出表示を実行することができて好適である。
ところで、上記実施形態では、第1装飾本体部121および第2装飾本体部151が回動により装飾動作を行い、第1ユニットベース115が上下方向への移動により第1ユニット動作を行うように構成されたが、本発明はこれに限定されない。要は、互いに異なる動作であれば、第1ユニットベース115の第1ユニット動作と、第1装飾本体部121および第2装飾本体部151の装飾動作とをどのような動作に設定してもよい。例えば、第1ユニット動作を第1ユニットベース115のスライド、変形、視認不能状態から視認可能状態への変換、およびこれらの組み合わせにより実現し、第1装飾本体部121および第2装飾本体部151の装飾動作を、スライド、変形、視認不能状態から視認可能状態への変換、およびこれらの組み合わせにより第1ユニット動作とは異なる動作で実現してもよい。また、第1装飾本体部121と第2装飾本体部151とは、同じ動作(本実施形態では、同じ方向への回動)により装飾効果を発揮するように設定すれば、第2可動役物ユニット102における動きが第1可動役物ユニット101にも広がったという印象を遊技者に与えることができ、遊技者の遊技に対する期待を増大させることができるが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1装飾本体部121と第2装飾本体部151とが互いに類似する動作(互いに異なる方向へのスライド動作や、互いに異なる方向への回動等)を行うように設定してもよい。
また、上記実施形態では、補助表示を実行可能な補助演出手段として補助演出ユニット260を挙げたが、本発明はこれに限定されない。要は、変動表示装置31における演出表示とは異なる補助表示を実行できれば、どのような構成の補助演出手段でどのような補助表示を実行してもよい。例えば、補助演出手段を変動表示装置31とは別個に設けず、変動表示装置31において補助表示を遊技球の入賞に基づく演出表示とは異なる態様で実行してもよい。言い換えると、変動表示装置31が補助演出手段としても機能するように設定してもよい。また、変動表示装置31とは異なる表示手段、例えば、イラストが記載された透明な表示板を補助演出手段として構成し、該表示板を変動表示装置31の前方に移動するなどして遊技者がイラストを視認可能な状態に変換して補助表示を行うように設定してもよい。さらに、これらの例示を組み合わせて補助演出手段を実現してもよい。
そして、上記実施形態では、第2可動役物ユニット102を表示部31aの右側方に配置したが、本発明はこれに限定されない。要は、第2可動役物ユニット102を表示部31aの側方に配置すればよく、したがって、表示部31aの左側方に配置してもよい。
さらに、上記実施形態では、昇降役物ユニット96を下降状態に変換すると、昇降役物ユニット96の前面全体が仕切り壁部71により前方から被覆されるように設定したが、本発明はこれに限定されない。要は、下降状態の昇降役物ユニット96から照射される光がステージ部60に照射されて発光装飾を施すことができればよく、例えば、下降状態の昇降役物ユニット96を当該昇降役物ユニット96の上部が仕切り壁部71の上端部よりも上方に突出した状態で位置させてもよい。そして、昇降役物ユニット96の上昇状態と第1ユニットベース115における下降状態とが同時に設定されることを避けたが、本発明はこれに限定されない。取付位置やサイズを調整して昇降役物ユニット96と第1ユニットベース115とが干渉しないように設定すれば、昇降役物ユニット96と第1ユニットベース115とを同時に駆動して演出動作を行ってもよい。
ところで、上記実施形態では、第1可動役物ユニット101に装飾効果を発揮する構成として第1装飾本体部121を備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図39〜図44に示す第2実施形態では、基本的には第1実施形態と同じ構成であるが、第1可動役物ユニット101に第1装飾本体部121とは別個の装飾部を備えている点で異なる。具体的に説明すると、第1可動役物ユニット101は、図39および図40に示すように、装飾部として機能する複数(本実施形態では3つ)の揺動可能な揺動装飾部材311を第1ユニットベース115の長手方向に沿って並ぶ状態であって、且つ第1ユニットベース115の内側から下方に突出する状態で吊り下げて備えている。また、上昇状態(表示開口部56の上縁部に沿って横向き姿勢となる状態)における第1ユニットベース115の内部のうち揺動装飾部材311の上端部よりも上方には、第1ユニットベース115の長手方向に沿って延在する短冊状の装飾発光基板312を備え、該装飾発光基板312のうち各揺動装飾部材311の上方に位置する箇所には、揺動装飾部材311に光を照射するLED等の揺動装飾発光源313をそれぞれ備えている。さらに、各揺動装飾発光源313を第1ユニットベース115の第1フロントベース115aにより被覆して第1可動役物ユニット101の前方から視認不能としている。
揺動装飾部材311は、図40および図41に示すように、縦長な揺動ロッド316を備え、該揺動ロッド316の上端部には揺動軸受部317を遊技盤5の表裏方向に沿って貫通し、該揺動軸受部317を接続軸132(本発明における揺動装着部の一種)へ遊嵌して第1可動役物ユニット101に揺動可能な状態で装着されている。そして、揺動ロッド316のうち揺動端部となる下部を第1ユニットベース115の下方に露出して表示部31aの前方に配置し、この下部を第1ユニットベース115の長手方向(言い換えると、遊技盤5の左右方向)に沿って往復動させて揺動動作を実行可能としている。また、揺動ロッド316の下部の前面には、花の形状を模した装飾光反射部318を揺動ロッド316の長手方向に沿って複数(本実施形態では3つ)並べて備え、該装飾光反射部318の表面にはメッキなどの処理を施して、揺動装飾発光源313から揺動装飾部材311へ照射された光を装飾光反射部318により遊技盤5の前方(遊技者側)へ反射するように構成されている(図42参照)。なお、揺動装飾部材311および装飾光反射部318は複数ではなくて一つでも構わない。また、各揺動装飾部材311に備えられる装飾光反射部318の数が異なっても構わない。
そして、接続軸132に吊り下げられた揺動装飾部材311においては、揺動動作を実行して停止位置や姿態などの視認状態が異なる第1装飾姿勢(揺動開始時姿勢)と第2装飾姿勢(最大揺動姿勢)とに変換する。第1装飾姿勢では、図43(a)に示すように、揺動ロッド316が第1ユニットベース115の長手方向に対して直交する状態(第1ユニットベース115が上昇状態である場合には、揺動装飾部材311が自重により吊り下げられた状態)であり、装飾光反射部318が揺動装飾発光源313の光照射軸方向に沿って並び、揺動装飾発光源313の光照射範囲内(図43(a)中、二点鎖線で仕切られた帯状範囲内)に位置する。一方、第2装飾姿勢では、図43(b)に示すように、揺動ロッド316が第1ユニットベース115の長手方向に対して直交する姿勢(第1装飾姿勢)から傾いた状態であり、装飾光反射部318が揺動装飾発光源313の光照射軸方向とは異なる方向に沿って並び、複数の装飾光反射部318のうち少なくとも最下部に位置する装飾光反射部318が揺動装飾発光源313の光照射範囲から外れる。
このような構成の揺動装飾部材311および揺動装飾発光源313を第1可動役物ユニット101に備えたパチンコ遊技機1においては、図44に示すように、演出制御装置295が第1ユニット駆動機構116(詳しくは第1ユニット駆動モータ136)を駆動する第1ユニット動作制御を実行して第1ユニットベース115に第1ユニット動作(上下動)を行わせると、吊り下げ状態の揺動装飾部材311が第1ユニットベース115の第1ユニット動作により駆動されて表示部31aの前方で揺動動作を実行する。言い換えると、第1ユニットベース115を駆動する第1ユニット駆動モータ136が本発明における揺動駆動源として機能し、揺動装飾部材311が第1ユニット駆動モータ136により駆動されて(具体的には、第1ユニットベース115を介して伝達される第1ユニット駆動モータ136の駆動力により駆動されて)揺動動作を実行する。さらに、演出制御装置295が揺動装飾発光源313の発光制御を実行し、揺動装飾発光源313が第1ユニットベース115の上下動に連動して発光し、揺動装飾部材311が第1装飾姿勢になる等して装飾光反射部318が揺動装飾発光源313の光照射範囲内に位置すると、揺動装飾発光源313からの光が装飾光反射部318により遊技盤5の前方へ反射される。
このようにして第1可動役物ユニット101が揺動装飾発光源313からの光を間接光にして装飾演出を実行するので、遊技者が揺動装飾発光源313を直接視認することを避けることができ、遊技者が遊技演出を観賞して眩しさを感じる不都合を避けることができる。また、光の反射による演出を第1可動役物ユニット101の動きに連動して変化させることができる。したがって、遊技者に不快感を与えずに十分な演出効果を期待することができる。さらに、第1ユニットベース115の第1ユニット動作に起因する揺れを利用して各揺動装飾部材311を揺動させるので、各揺動装飾部材311の揺動が不規則になる。したがって、揺動装飾発光源313の光が装飾光反射部318に当ったり外れたりするタイミングが不規則になり、揺動装飾部材311による間接光の演出が単調になることを避けることができる。なお、揺動装飾部材311毎に重量を異ならせれば、各揺動装飾部材311の揺動周期を異ならせ易くなり、間接光の演出の単調化をさらに避けることができて好適である。
また、演出制御装置295は、表示部31aに複数の花びらが散る様子の映像を表示する制御を実行し、第1可動役物ユニット101が上下動して揺動装飾部材311が揺動動作を実行している最中には、複数の花びらが揺動装飾部材311の揺動方向(左右方向)に沿って移動しながら散る様子の映像を表示する制御を実行する。このようにして変動表示装置31の表示部31aが第1ユニットベース115の第1ユニット動作を契機にして演出表示を実行すれば、第1可動役物ユニット101の揺動装飾部材311の演出動作(揺動および光の反射)を際立たせることができ、揺動装飾部材311による演出と変動表示装置31による演出との相乗効果を期待することができる。さらに、揺動装飾部材311が備えられた第1ユニットベース115を、表示部31aに表示中の識別情報の変動方向に沿って上下動させれば、特図変動表示ゲームの結果態様に対する期待感を遊技者に十分に与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
ところで、揺動装飾部材311は、接続軸132にしまりばめ状態で嵌合して第1装飾本体部121と共回りさせてもよい。言い換えると、第1装飾本体部121毎に接続される第1回動ギア130(本発明における回動ギアに相当)に揺動装飾部材311を接続し、第1装飾本体部121の回動駆動源である単一の第1本体駆動モータ126を本発明における揺動駆動源として機能させ、第1本体駆動モータ126の回動力を第1回動伝達機構127(本発明における回動伝達機構に相当)により各揺動装飾部材311へ伝達してもよい。第1本体駆動モータ126の回動力を第1回動伝達機構127により伝達して各揺動装飾部材311に揺動動作を実行させれば、揺動装飾部材311の揺動動作(揺動範囲や揺動実行時間など)を制御することができる。
なお、揺動装飾部材311と第1装飾本体部121とを共回りさせる構成では、第1装飾本体部121の回動角が揺動装飾部材311の揺動範囲に制限される。そこで、揺動装飾部材311の揺動機構を第1装飾本体部121の回動機構とは別個に第1ユニットベース115に備えてもよい。具体的には、回動力を出力する単一の回動駆動源を本発明における揺動駆動源として第1本体駆動モータ126とは別個に備え、揺動装飾部材311毎に接続された回動ギアを第1回動伝達機構127の構成要素とは別個に連結して、回動駆動源の回動力を各揺動装飾部材311へ伝達する回動伝達機構を第1回動伝達機構127とは別個に構成してもよい(何れも図示せず)。揺動装飾部材311の揺動機構を第1装飾本体部121の回動機構とは別個に備えれば、第1装飾本体部121の動作を規制せずに、揺動装飾部材311の揺動動作を制御することができる。
さらに、第1可動役物ユニット101に第1装飾本体部121を備えず、代わりに揺動装飾部材311を備えてもよい。例えば、揺動装飾部材311をしまりばめ状態で嵌合した接続軸132の前端に第1装飾本体部121を設けず、第1本体駆動モータ126および第1回動伝達機構127を揺動装飾部材311を駆動させるためだけの構成としてもよい。また、図45に示すように、第1可動役物ユニット101には第1装飾本体部121、第1本体駆動モータ126、第1回動伝達機構127を備えず、代わりに第1ユニットベース115内に揺動支持軸320(本発明における揺動装着部の一種)を遊技盤5の表裏方向に延在する状態で備え、該揺動支持軸320に揺動装飾部材311を遊嵌してもよい。
そして、第1装飾本体部121の有無に拘らず、揺動装飾部材311の揺動動作を制御可能とする構成(回動駆動源や回動伝達機構)を備えた場合には、演出制御装置295が本発明における回動制御手段および表示制御手段として機能して、回動駆動源を制御するとともに表示部31aを制御してもよい。例えば、図44(a)および(b)に示すように、演出制御装置295の制御により、第1本体駆動モータ126等の回動駆動源が遊技盤5の正面から見て時計方向となる第1回動方向の回動力を出力して、揺動装飾部材311を装飾光反射部318が遊技盤5の正面から見て左方向へ移動する状態で揺動させると、表示部31aが演出制御装置295に制御されて、花びらの模様を表示部31aの右側から左側へ移動する動画で表現された第1演出表示を実行してもよい。一方、回動駆動源が遊技盤5の正面から見て反時計方向となる第2回動方向(第1回動方向とは反対となる第2回動方向)の回動力を出力して、揺動装飾部材311を装飾光反射部318が遊技盤5の正面から見て右方向へ移動する状態で揺動させると、表示部31aが演出制御装置295に制御されて、花びらの模様を表示部31aの左側から右側へ移動する動画で表現された第2演出表示(第1演出表示とは異なる第2演出表示)を実行してもよい。このようにして、回動駆動源の回動力の方向を制御して揺動装飾部材311の動作を異ならせる度に、表示部31aで表示される演出表示を異ならせれば、揺動装飾部材311の演出動作(揺動および光の反射)を表示部31aにおける演出表示により一層際立たせることができ、揺動装飾部材311による演出と変動表示装置31による演出との相乗効果をさらに期待することができる。なお、第1演出表示および第2演出表示は、互いに異なればどのような表示内容でもよい。
ところで、第1可動役物ユニット101は、第1装飾姿勢における揺動装飾部材311に光を照射する発光源と第2装飾姿勢における揺動装飾部材311に光を照射する発光源とを別個に備えてもよい。例えば、図46に示す変形例では、第1装飾発光源323aと第2装飾発光源323bとを別個に備えて揺動装飾発光源323を構成し、第1装飾発光源323aを第1装飾姿勢における揺動装飾部材311の揺動ロッド316の延長線上(上昇状態の第1ユニットベース115においては、揺動装飾部材311の直上)に配置する一方、第2装飾発光源323bを第1装飾発光源323aから揺動装飾部材311の揺動方向へずれた位置(上昇状態の第1ユニットベース115においては、第1装飾発光源323aの左右両側方)に配置している。そして、第1装飾姿勢における揺動装飾部材311の装飾光反射部318には、第1装飾発光源323aからの光を照射し、第2装飾姿勢における揺動装飾部材311のうち第1装飾発光源323aの光照射範囲から外れた装飾光反射部318には、第2装飾発光源323bからの光を照射するように構成されている。このような第1装飾発光源323aと第2装飾発光源323bとを揺動装飾部材311の上方に設ければ、揺動装飾部材311が第1装飾姿勢または第2装飾姿勢のいずれに変換したとしても、揺動装飾発光源323からの光の反射による演出が実行されなくなる不都合を避けることができる。また、第1装飾発光源323aと第2装飾発光源323bとで色や明るさなど発光態様を異ならせれば、光の反射による演出を華やかに実行することができ、一層の演出効果を期待することができる。
また、第1可動役物ユニット101においては、図47に示すように、隣り合う揺動装着部(接続軸132や揺動支持軸320)のうち第1ユニット回動軸119側に位置する一の揺動装着部が他の揺動装着部よりも第1可動役物ユニット101の前寄りにずれる状態に並べて配置してもよい。このような構成を採用する等して、揺動装飾部材311が揺動可能な状態で装着される接続軸132や揺動支持軸320などの揺動装着部を、揺動装飾部材311の揺動方向とは異なる方向に沿って複数並べて配置すれば、揺動状態の揺動装飾部材311同士が衝突する不都合を避けることができる。さらに、第1可動役物ユニット101に複数の揺動装飾部材311を備えたとしても、各揺動装飾部材311のレイアウトの自由度が制限され難い。なお、揺動装着部を並べる方向は、揺動装飾部材311の揺動方向とは異なる方向であれば、どのように設定してもよい。
さらに、揺動装飾部材311においては、図48(a)に示すように、上下に並んだ装飾光反射部318のうち下側に位置する装飾光反射部318を、上側に位置する装飾光反射部318よりも第1可動役物ユニット101の前寄りにずれる状態で並べて配置してもよい。このような構成を採用する等して、複数の装飾光反射部318を揺動装飾発光源313,323の光照射軸方向とは異なる上下方向に沿って並んだ状態であって、且つ各装飾光反射部318が揺動装飾発光源313,323側に露出する状態で備えれば、揺動装飾部材311に複数の装飾光反射部318を上下方向に並べて設けたとしても、揺動装飾発光源313,323からの光が上の装飾光反射部318に遮られて下の装飾光反射部318まで届かない不都合を避けることができ、光の反射による演出を十分に実行することができる。なお、装飾光反射部318を並べる方向は、揺動装飾発光源313,323の光照射軸方向とは異なる上下方向であればどのように設定してもよい。例えば、図48(b)に示すように、揺動装飾発光源313,323の光照射軸方向が第1可動役物ユニット101の後方に向かって下り傾斜する方向に設定されている場合には、第1装飾姿勢の揺動装飾部材311において装飾光反射部318を第1可動役物ユニット101の前後にずらして配置しなくてもよい。
ところで、上記各実施形態では、包囲枠体30と変動表示装置31の表示部31aとの間に補助演出ユニット260を配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図49に示す第3実施形態では、基本的には第1実施形態と同じであるが、補助演出ユニット330を演出用役物装置54の一部として昇降役物ユニット96とステージ部60との間に備えた点で異なる。具体的に説明すると、第3実施形態における包囲枠体30は、ステージ部60の後方に位置する透明な仕切り壁部71と昇降役物ユニット96との間に、表示部31aに表示される演出表示とは異なる補助表示を実行して演出を行う補助演出ユニット330を備えている。
補助演出ユニット330は、図50(a)に示すように、昇降役物ユニット96よりも前方に配置されて表示部31aを被覆する矩形状の透明な導光板331と、該導光板331の外方に配置された補助表示光源332とを備えて構成されている。導光板331は、透明アクリルや透明ガラスなどの透光性部材で構成された平板であり、遊技者が当該導光板331を通して表示部31a上の演出表示を視認可能とし、上昇状態の昇降役物ユニット96における昇降役物本体部(第1装飾展開状態の第1昇降役物本体部176および第2装飾展開状態の第2昇降役物本体部196)を前方から十分に被覆可能な大きさに設定されている。詳しくは、昇降役物ユニット96が下降状態に変換すると、各第1昇降役物本体部176および各第2昇降役物本体部196が表示部31aと導光板331との間で表示部31aの下縁部寄りに位置し(図50(b)参照)、昇降役物ユニット96が上降状態に変換すると、各第1昇降役物本体部176および各第2昇降役物本体部196が下降状態における位置よりも上方に位置して導光板331の上下幅に亘って広がるように設定されている(図50(a)参照)。
また、当該導光板331の裏面のうち導光板331の前方から見て上昇状態における各昇降役物本体部176,196と重なって羽根を模した形状の領域を補助表示領域335とし、該補助表示領域335にはドット溝337を複数刻設して(図50(b)参照)、第1装飾展開状態の第1昇降役物本体部176および第2装飾展開状態の第2昇降役物本体部196を遊技盤5の正面から見たときの形状を表現するドットパターンを施している。さらに、各ドット溝337には光屈曲部338を形成し、補助表示光源332から照射された光を光屈曲部338により導光板331の前方へ向けて屈曲させるように構成されている。
補助表示光源332は、導光板331の外縁から光を入射させる照明装置340を導光板331の縁に沿って複数並べて構成されている。具体的には、図51に示すように、導光板331の側方(図51(a)中、左側方)には、導光板331の側縁に沿って上下方向に並んだ2つの照明装置340(下側に位置する第1照明340a、および上側に位置する第2照明340b)を備えている。そして、導光板331のうち上昇状態の昇降役物本体部176,196の下部寄りに位置する補助表示領域335(下側補助表示領域335a)のドット溝337内の光屈曲部338(下側光屈曲部338a)には、第1照明340aから発生した光を入射可能とする一方、導光板331のうち上昇状態の昇降役物本体部176,196の上部寄りに位置する補助表示領域335(上側補助表示領域335b)のドット溝337内の光屈曲部338(上側光屈曲部338b)には、第1照明340aとは別個の第2照明340bから発生した光を入射可能としている。また、第1照明340aおよび第2照明340bにおいては、内部に実装された発光体の点灯数を増減させたり、発光体自体の輝度を調整したりする等して、光量(光の強弱)を調整できるように構成されている。
このような構成の補助演出ユニット330を演出用役物装置54に含むパチンコ遊技機1においては、図52に示すタイムチャートに基づいて演出動作を実行する。詳しくは、演出制御装置295の制御に基づいて、昇降役物ユニット96が下降状態から上昇状態へ変換し始めると、第1照明340aが光を導光板331へ照射し始めるとともに光量を次第に増加させ、この光の照射により、導光板331が下側補助表示領域335aに羽根の下半部分を模した補助表示を次第に明るくなる状態で表示する。また、昇降役物ユニット96が下降状態から上昇状態へ変換している途中では、第1照明340aが光量を最大にして下側補助表示領域335aにおける補助表示を十分に明るい状態で表示し(図51(a)参照)、さらに、第2照明340bが光を導光板331へ照射し始めるとともに光量を次第に増加させ、この光の照射により、導光板331が上側補助表示領域335bに羽根の上半部分を模した補助表示を次第に明るくなる状態で表示する。そして、昇降役物ユニット96が上昇状態への変換を完了すると、第2照明340bが光量を最大にして上側補助表示領域335bにおける補助表示を十分に明るい状態で表示し、導光板331(光屈曲部338)が上昇状態における昇降役物本体部176,196の外縁に沿った輪郭形状を有する補助表示(羽根の形状を模した補助表示)を補助表示領域335の全体に亘って表示する(図51(b)参照)。
次に、昇降役物ユニット96が上昇状態から下降状態へ変換し始めると、第2照明340bが光量を次第に減少させ、導光板331が上側補助表示領域335bで表示されている補助表示を次第に暗くする。また、昇降役物ユニット96が上昇状態から下降状態へ変換している途中では、第2照明340bが光の照射を停止して導光板331が上側補助表示領域335bにおける補助表示を停止し、さらに、第1照明340aが光量を次第に減少させ、導光板331が下側補助表示領域335aで表示されている補助表示を次第に暗くする。そして、昇降役物ユニット96が下降状態への変換を完了すると、第1照明340aが光の照射を停止して導光板331が下側補助表示領域335aにおける補助表示を停止する。
このようにして、照明装置340が昇降役物ユニット96の下降状態から上昇状態への変換時に導光板331の外縁から光を入射させ、光屈曲部338によって屈曲された光により、昇降役物ユニット96の装飾効果を補助する補助表示を表示するので、昇降役物本体部176,196に発光源が備わっていなかったとしても、昇降役物本体部176,196の前方で発光による装飾演出を行うことができる。したがって、昇降役物本体部176,196の軽量化、ひいては昇降駆動源である昇降駆動モータ223に掛かる負荷の軽減を図るとともに、昇降役物ユニット96と補助表示ユニット(導光板331)とによる演出効果を十分に期待することができる。また、上昇状態における昇降役物本体部176,196の外縁に沿った輪郭形状を有する補助表示を表示するので、昇降役物本体部176,196が発光しているかのような装飾演出を実行することができ、昇降役物ユニット96と導光板331とによる演出効果を一層向上させることができる。さらに、下側光屈曲部338aに光を入射させる第1照明340aと、上側光屈曲部338bに光を入射させる第2照明340bとを別個に備えたので、補助表示領域335のうち上下動中の昇降役物本体部176,196と重なる箇所にのみ補助表示を実行する等して、補助表示の実行態様を複雑に設定することができる。
また、昇降役物ユニット96を上昇状態に変換した状態で、演出制御装置295が制御を行い、表示部31aのうち導光板331の前方から見て昇降役物本体部176,196の外方に位置する領域に、昇降役物本体部176,196を装飾する演出表示を実行すれば、昇降役物本体部176,196の周辺を表示部31aで装飾することができ、昇降役物ユニット96と変動表示装置31とによる演出の相乗効果を期待することができる。さらに、表示部31aのうち表示視認空間部248を通して前方に臨む位置に演出表示を表示する制御を実行すれば、変動表示装置31における変動表示装置31における演出表示が表示視認空間部248を通して視認可能となるので、昇降役物ユニット96における演出と変動表示装置31における演出との相乗効果を一層期待することができる。なお、表示部31aで実行される演出表示を昇降役物本体部176,196の発光よりも暗く設定したり明るく設定したりすれば、昇降役物本体部176,196を目立たせることができ、昇降役物本体部176,196の発光と同じ明るさに設定すれば、昇降役物本体部176,196が表示部31aと一体になるかのような演出効果を期待することができる。
ところで、補助表示領域335で実行される補助表示は、上下に分割して表示されることに限定されない。例えば、図53に示す第3実施形態の変形例では、補助表示領域335の輪郭部(外縁部)335cと、該輪郭部335cで囲まれた内側部335dとに分けて補助表示を実行するように構成されている。具体的に説明すると、導光板331のうち補助表示領域335の輪郭部335cに位置するドット溝337は、当該輪郭部335cを照射対象として補助表示光源332から照射された光のみを光屈曲部338(輪郭光屈曲部338c)により導光板331の前方へ向けて屈曲させ、当該輪郭部335cを照射対象としない光については、導光板331の前方へ屈曲させずに導光板331の外方へ透過させるように構成されている。また、導光板331のうち補助表示領域335の内側部335dに位置するドット溝337は、当該内側部335dを照射対象として補助表示光源332から照射された光のみを光屈曲部338(内側光屈曲部338d)により導光板331の前方へ向けて屈曲させ、当該内側部335dを照射対象としない光については、導光板331の前方へ屈曲させずに導光板331の外方へ透過させるように構成されている。
さらに、補助表示光源332は、導光板331の外縁から光を入射させる照明装置340を導光板331の縁に沿って複数並べて構成されている。具体的には、図53に示すように、導光板331の側方(図53(a)中、左側方)に備えられた第1照明340aおよび第2照明340bの他に、導光板331の上縁に沿って並んだ2つの照明装置340(第1昇降役物本体部176側(図53中、右側)に位置する第3照明340c、および第2昇降役物本体部196側(図53中、左側)に位置する第4照明340d)を備えている。そして、補助表示領域335の輪郭部335cに形成された輪郭光屈曲部338cには、第1照明340aおよび第2照明340bから発生した光を入射可能とし、第1昇降役物本体部176側に位置する補助表示領域335の内側部335dに形成された光屈曲部338には、第3照明340cから発生した光を入射可能とし、第2昇降役物本体部196側に位置する補助表示領域335の内側部335dに形成された光屈曲部338dには、第4照明340dから発生した光を入射可能としている。また、各照明装置340a〜dにおいては、内部に実装された発光体の点灯数を増減させたり、発光体自体の輝度を調整したりする等して、光量(光の強弱)を調整できるように構成されている。
このような構成の補助演出ユニット330を演出用役物装置54に含むパチンコ遊技機1においては、図54に示すタイムチャートに基づいて演出動作を実行する。詳しくは、演出制御装置295の制御に基づいて、昇降役物ユニット96が下降状態から上昇状態へ変換し始める前に、第3照明340cおよび第4照明340dが光を導光板331へ照射し始めるとともに光量を次第に増加させ、この光の照射により、導光板331が補助表示領域335の輪郭部335cに羽根の輪郭部分を模した補助表示を次第に明るくなる状態で表示する。また、第3照明340cおよび第4照明340dが光量を最大にして輪郭部335cの補助表示を十分に明るい状態で表示すると(図53(a)参照)、第1照明340aおよび第2照明340bが光を導光板331へ照射し始めるとともに光量を次第に増加させ、この光の照射により、導光板331が補助表示領域335の内側部335dに輪郭部335cよりもひと回り小さい羽根の形状を模した補助表示を次第に明るくなる状態で表示する。そして、第1照明340aおよび第2照明340bが光量を最大にして内側部335dの補助表示を十分に明るい状態で表示すると(図53(a)参照)、昇降役物ユニット96が下降状態から上昇状態へ変換する。このようにして、昇降役物ユニット96の上昇状態への変換前に補助表示領域335において補助表示を実行すれば、補助表示を昇降役物ユニット96の演出動作の予告演出として機能させることができる。なお、昇降役物ユニット96の上昇状態への変換前に第1照明340aおよび第2照明340bのみを発光させて、昇降役物ユニット96の演出動作の予告演出を補助表示領域335の輪郭部335cのみにおいて実行してもよいし、あるいは、昇降役物ユニット96の上昇状態への変換前に第3照明340cおよび第4照明340dのみを発光させて、昇降役物ユニット96の演出動作の予告演出を補助表示領域335の内側部335dのみにおいて実行してもよい
また、昇降役物ユニット96が上昇状態から下降状態へ変換し始めると、第3照明340cおよび第4照明340dが光量を次第に減少させ、導光板331が内側部335dで表示されている補助表示を次第に暗くする。さらに、昇降役物ユニット96が上昇状態から下降状態へ変換している途中では、第3照明340cおよび第4照明340dが光の照射を停止して導光板331が内側部335dにおける補助表示を停止し、さらに、第1照明340aおよび第2照明340bが光量を次第に減少させ、導光板331が輪郭部335cで表示されている補助表示を次第に暗くする。そして、昇降役物ユニット96が下降状態への変換を完了すると第1照明340aおよび第2照明340bが光の照射を停止して導光板331が輪郭部335cにおける補助表示を停止する。
ところで、上記第3実施形態およびその変形例における昇降役物ユニット96は、図55(a)および(b)に示すように、昇降役物本体部176,196の一部を透明部材で形成したり貫通したりして透光窓部343を備え、表示部31aに表示される演出表示を透光窓部343および導光板331を通して視認可能としてもよい。透光窓部343から表示部31aにおける演出表示を臨ませれば、表示部31aの表示内容を昇降役物本体部176,196内で表示したかのように見せて装飾演出を実行することができ、遊技演出の自由度を増すことができる。
また、上記第3実施形態およびその変形例における補助表示は、羽根を模した形状であることに限定されない。要は、上昇状態における昇降役物本体部176,196の外縁に沿った輪郭形状を有する補助表示を表示可能であれば、どのような形状の補助表示であってもよい。例えば、上昇状態における昇降役物本体部176,196の外縁に沿って直線や曲線を延在させて輪郭形状を形成した補助表示であってもよい。さらに、昇降役物本体部176,196の前面や仕切り壁部71にドット溝を形成して導光板331として機能させ、昇降役物本体部176,196や仕切り壁部71において補助表示を実行するように構成してもよい。なお、昇降役物本体部176,196の前面に補助表示を表示可能とする場合には、他の昇降役物本体部176,196よりも移動範囲(上下動範囲)が狭くガタつきが小さいアーム側役物本体部176R,196Rに導光処理(ドット溝の加工)を施せば、ブレが生じ難い補助表示を実行することができて好適である。
ところで、従来の遊技機、例えば、パチンコ遊技機においては、始動口への遊技球の入賞を始動条件にして複数の識別情報を変動表示して変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別態様となった場合には、大入賞口を開閉動作させて特別遊技状態(大当り状態)を発生させ、大入賞口に多くの遊技球を入賞可能とするように構成されている。
また、パチンコ遊技機の中には、変動表示ゲームの実行中に遊技球が始動口へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな変動表示ゲームの実行を始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留するとともに、始動記憶に対応して始動記憶表示を予め設定された上限数まで表示するものがある。さらに、保留中の変動表示ゲームの結果態様や実行態様を当該変動表示ゲームが実行される前に判定し、始動記憶表示の表示態様(色彩や形状など)を異ならせて変動表示ゲームの結果態様や実行態様(識別情報の変動パターンなど)の判定結果を予告すること(所謂先読み予告の実行)が提案されている(例えば、特開2004−174075号公報参照)。
しかしながら、パチンコ遊技機においては、遊技状態の変化に伴って変動表示ゲームの実行態様の判定基準が変化するように設定されている。このため、一の変動表示ゲームの実行態様を保留中に判定して先読み予告を実行した後、一の変動表示ゲームよりも先に保留されていた他の変動表示ゲームが実行されて遊技状態が変化(例えば大当り状態が発生)した場合、一の変動表示ゲームの実行態様が先読み予告の内容とは異なるものに設定されることがある。したがって、先読み予告された始動記憶表示を、該始動記憶表示に対応する変動表示ゲームの実行直前まで同じ表示態様に維持すると、実際に実行される実行態様と先読み予告内容とが整合しないことが起こり得る。
この不整合を解消する手段として、先読み予告が実行された後に遊技状態が変化した場合においては、先読み予告が実行された態様の始動記憶表示を先読み予告非実行の態様に切替えて表示し直すことが考えられるが、遊技者に著しく違和感を与える可能性がある。
上記の事情に鑑み、始動記憶表示の表示態様を切替えたとしても遊技者に違和感を与え難い遊技機を提供することを目的として、次の制御に関する発明(以下、制御発明と称す)を提案する。
第1の制御発明は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置を備え、
前記変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出するとともに、該乱数を前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として予め設定された遊技記憶上限数まで記憶する始動入賞記憶手段と、
前記始動入賞記憶手段に記憶されている前記始動記憶に対応して始動記憶表示を記憶表示部に表示する始動記憶表示手段と、
前記始動入賞記憶手段に前記始動記憶として記憶される前記乱数を、該乱数に対応する前記始動記憶に基づいて前記変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段と、
を備え、
前記事前結果判定手段による前記乱数の判定結果には、該乱数に対応する前記始動記憶に基づいて実行される前記変動表示ゲームの結果態様の情報を含み、
前記始動記憶表示手段は、
前記始動記憶表示を通常表示態様とは異なる特定表示態様で表示する制御を実行可能な第1表示態様制御手段と、
前記特定表示態様で表示された前記始動記憶表示を前記通常表示態様に切替えて表示する切替制御を実行可能な第2表示態様制御手段と、
を備え、
前記第1表示態様制御手段は、前記始動入賞記憶手段に記憶されている所定始動記憶に対応する前記乱数を前記事前結果判定手段により判定した結果に基づいて、該所定始動記憶に対応する前記始動記憶表示を前記特定表示態様で表示する制御を実行し、
前記第2表示態様制御手段は、
前記所定始動記憶に先行して記憶されている先行始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果態様が前記特別結果態様となることを条件として、前記切替制御を実行し、
前記切替制御を実行する場合に、前記始動記憶表示の表示態様が前記特定表示態様から前記通常表示態様へ切替わることを遊技者に報知する切替報知演出を発生させることを特徴とする遊技機である。
第2の制御発明は、前記第2表示態様制御手段は、前記所定始動記憶に対応する前記乱数を前記事前結果判定手段により判定した結果に基づいて、前記切替報知演出の演出態様を決定することを特徴とする第1の制御発明に記載の遊技機である。
第3の制御発明は、前記第2表示態様制御手段は、前記特定表示態様で表示される前記始動記憶表示が複数表示されている場合に、該複数の前記始動記憶表示をそれぞれ前記通常表示態様へ切替えるとともに、前記切替報知演出とは異なる複数切替報知演出を発生させることを特徴とする第2の制御発明に記載の遊技機である。
第4の制御発明は、前記特別遊技状態の発生を制御する特別遊技状態制御手段を備え、
前記第2表示態様制御手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態が開始されるときに、前記切替制御を実行することを特徴とする第1の制御発明からから第3の制御発明のいずれかに記載の遊技機である。
第5の制御発明は、前記特別遊技状態の発生を制御する特別遊技状態制御手段を備え、
前記第2表示態様制御手段は、前記特別遊技状態制御手段によって前記特別遊技状態が開始されてから終了するまでの間に、前記切替制御を実行することを特徴とする第1の制御発明から第3の制御発明のいずれかに記載の遊技機である。
第6の制御発明は、前記始動記憶に基づく前記変動表示ゲームにおける前記識別情報の変動表示時間を、前記始動記憶として記憶される前記乱数のうち、前記識別情報の変動パターンを決定する乱数に基づいて設定する変動表示時間設定手段と、
前記変動表示時間設定手段によって設定される前記変動表示時間内における前記変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム制御手段と、
を備え、
前記変動表示ゲーム制御手段は、前記変動表示時間の終了前に、実行中の前記変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となることを報知する特別結果態様報知を実行し、
前記第2表示態様制御手段は、前記特別結果態様報知の実行から前記変動表示時間の終了までの間に前記切替制御を実行することを特徴とする第1の制御発明から第3の制御発明のいずれかに記載の遊技機である。
そして、上記制御発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
第1の制御発明によれば、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出するとともに、該乱数を変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として予め設定された遊技記憶上限数まで記憶する始動入賞記憶手段と、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に対応して始動記憶表示を記憶表示部に表示する始動記憶表示手段と、始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶される乱数を、該乱数に対応する始動記憶に基づいて変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前結果判定手段と、を備え、事前結果判定手段による乱数の判定結果には、該乱数に対応する始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの結果態様の情報を含み、始動記憶表示手段は、始動記憶表示を通常表示態様とは異なる特定表示態様で表示する制御を実行可能な第1表示態様制御手段と、特定表示態様で表示された始動記憶表示を通常表示態様に切替えて表示する切替制御を実行可能な第2表示態様制御手段と、を備え、第1表示態様制御手段は、始動入賞記憶手段に記憶されている所定始動記憶に対応する乱数を事前結果判定手段により判定した結果に基づいて、該所定始動記憶に対応する始動記憶表示を特定表示態様で表示する制御を実行し、第2表示態様制御手段は、所定始動記憶に先行して記憶されている先行始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となることを条件として、切替制御を実行し、切替制御を実行する場合に、始動記憶表示の表示態様が特定表示態様から通常表示態様へ切替わることを遊技者に報知する切替報知演出を発生させるので、始動記憶表示が特定表示態様から通常表示態様へ切替わることを遊技演出の一部として遊技者に認識させることができる。したがって、始動記憶表示の表示態様を表示途中で切替えたとしても、遊技者に違和感を与え難い。
第2の制御発明によれば、第2表示態様制御手段は、所定始動記憶に対応する乱数を事前結果判定手段により判定した結果に基づいて、切替報知演出の演出態様を決定するので、切替報知演出を所定始動記憶に応じて様々な演出態様に設定することができ、遊技の興趣を高めることができる。また、乱数を判定結果に基づいて設定された切替報知演出の演出態様により、判定対象の乱数に対応する変動表示ゲームが特別結果態様になるか否かを報知すれば、始動記憶表示の表示態様を切替えたとしても、遊技者が受ける違和感や不満感を軽減することができる。
第3の制御発明によれば、第2表示態様制御手段は、特定表示態様で表示される始動記憶表示が複数表示されている場合に、該複数の始動記憶表示をそれぞれ通常表示態様へ切替えるとともに、切替報知演出とは異なる複数切替報知演出を発生させるので、特定表示態様で表示される始動記憶表示が複数あったとしても、まとめて表示態様の切替えを行うことができる。また、複数の始動記憶表示を同時に切替えれば、切替えを迅速に終了させることができる。
第4の制御発明によれば、特別遊技状態の発生を制御する特別遊技状態制御手段を備え、第2表示態様制御手段は、特別遊技状態制御手段によって特別遊技状態が開始されるときに、切替制御を実行するので、遊技者は、始動記憶表示が特定表示態様から通常表示態様に切替わることを、特別遊技状態の開始によって認識することができる。また、始動記憶表示の表示態様の切替えを特別遊技状態の演出開始の一部として観賞すれば、始動記憶表示の表示態様の切替えが実行されたとしても違和感を受け難くなり、特別遊技状態における遊技に集中することができる。
第5の制御発明によれば、特別遊技状態の発生を制御する特別遊技状態制御手段を備え、第2表示態様制御手段は、特別遊技状態制御手段によって特別遊技状態が開始されてから終了するまでの間に、切替制御を実行するので、始動記憶表示の表示態様の切替えタイミングの自由度を増すことができる。また、特別遊技状態における演出表示と始動記憶表示の表示態様の切替えとを連携させて実行すれば、特別遊技状態における演出の興趣の向上を期待することができる。
第6の制御発明によれば、始動記憶に基づく変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示時間を、始動記憶として記憶される乱数のうち、識別情報の変動パターンを決定する乱数に基づいて設定する変動表示時間設定手段と、変動表示時間設定手段によって設定される変動表示時間内における変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム制御手段と、を備え、変動表示ゲーム制御手段は、変動表示時間の終了前に、実行中の変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となることを報知する特別結果態様報知を実行し、第2表示態様制御手段は、特別結果態様報知の実行から変動表示時間の終了までの間に切替制御を実行するので、変動表示ゲームにおいて特別結果態様報知を実行した後の演出(再抽選演出や特別結果祝福演出などの演出)と、始動記憶表示の表示態様の切替えとを連携させて表示することができ、演出効果を高めることができる。
上記第1〜第6の制御発明を上記各実施形態のパチンコ遊技機1において実施するための構成(一括表示装置49、変動表示装置31の表示部31a、遊技制御装置280、演出制御装置295)について具体的に説明すると、下側サイドケース24bに備えられた一括表示装置49には普通図柄表示器(普図表示器)、第1特別図柄表示器(特図1表示器)、第2特別図柄表示器(特図2表示器)等を実装している(何れも図示せず)。普通図柄表示器は、始動条件となる遊技球の普図始動ゲート36への入賞(通過)を契機として普図変動表示ゲームを行うLED等の表示器であり、普図変動表示ゲームの実行時に点灯あるいは消灯して普通図柄(普図)を表示するように構成されている。そして、普図変動表示ゲームの結果態様が「当り」を示す状態になった場合には第2始動口42の普通電動役物42aが開いて、遊技球が第2始動口42へ入賞し易い状態に変換する。また、変動表示装置31では、遊技球が普図始動ゲート36を通過したが普図変動表示ゲームの実行を保留することを普図始動記憶表示として普図保留上限数(例えば4つ)まで表示できるように構成されている(図示せず)。
第1特別図柄表示器は、始動条件となる遊技球の第1始動口41への入賞を契機にして第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を行う7セグLED等の表示器であり、第1特図変動表示ゲームの実行時に数字、記号等の特別図柄を変動表示するように構成されている。また、第2特別図柄表示器は、始動条件となる遊技球の第2始動口42への入賞を契機にして第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を行う7セグLED等の表示器であり、第2特図変動表示ゲームの実行時に数字、記号等の特別図柄を変動表示するように構成されている。そして、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)の結果態様が予め定められた特別結果態様(大当り)を示す状態になった場合には、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態から特別遊技状態(15R通常大当り状態、または15R確変大当り状態のいずれか)に変化する。15R通常大当り状態に変化すると、大入賞口45で20秒間の開放、または遊技球が10個入賞するまでの開放をラウンド遊技として15回実施し、この開放の実施後に、次回の特図変動表示ゲームにおいて大当り態様となる確率が通常状態時と同じ確率に設定される。一方、15R確変大当り状態に変化すると、大入賞口45で20秒間の開放、または遊技球が10個入賞するまでの開放をラウンド遊技として15回実施し、この開放の実施後に、次回の特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様となる確率が通常状態時よりも高い確率に設定される。
そして、図56(a)に示すように、特図変動表示ゲームの実行中における変動表示装置31では、表示部31aの左側、中央、右側に表示される3つの識別情報(図柄)を変動表示して飾り特図変動表示ゲーム(特図変動表示ゲームの演出表示)を実行する。さらに、表示部31aの左下隅部に設定された第1記憶表示部501には、遊技球が第1始動口41に入賞したが第1特図変動表示ゲームの実行を保留することを、特図始動記憶表示mの一種である第1特図始動記憶表示m1として第1特図保留上限数(例えば4つ)まで表示できるように構成されている。また、表示部31aの右下隅部に設定された第2記憶表示部502には、遊技球が第2始動口42に入賞したが第2特図変動表示ゲームの実行を保留することを、特図始動記憶表示mの一種である第2特図始動記憶表示m2として第2特図保留上限数(例えば4つ)まで表示できるように構成されている。なお、第1特図始動記憶表示m1および第2特図始動記憶表示m2は、識別情報よりも小さいサイズで表示される。
遊技制御装置280は、始動入賞記憶手段として機能し、普図始動ゲート36や始動入賞領域43への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出するとともに、該乱数を変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として予め設定された遊技記憶上限数(保留上限数)まで記憶する。具体的には、遊技球が普図始動ゲート36を通過したが普図変動表示ゲームの実行を保留することを普図始動記憶(普図変動表示ゲームの実行権利)として普図保留上限数(例えば4つ)まで記憶可能としている。さらに、遊技球が第1始動口41に入賞したが第1特図変動表示ゲームの実行を保留すること、言い換えると第1特図変動表示ゲームの実行権利を第1特図始動記憶(特図1始動記憶)として第1特図保留上限数(例えば4つ)まで記憶可能とし、遊技球が第2始動口42に入賞したが第2特図変動表示ゲームの実行を保留すること、言い換えると第2特図変動表示ゲームの実行権利を第2特図始動記憶(特図2始動記憶)として第2特図保留上限数(例えば4つ)まで記憶可能としている。また、始動記憶が遊技制御装置280に記憶されると、演出制御装置295が始動記憶表示手段として機能して、記憶中(保留中)の各始動記憶に対応する始動記憶表示(普図始動記憶表示、第1特図始動記憶表示m1、第2特図始動記憶表示m2)を記憶表示部(第1記憶表示部501、第2記憶表示部502等)に表示する制御を実行する。
そして、遊技制御装置280および演出制御装置295は、特図変動表示ゲームの結果態様の先読み予告を実行するように構成されている。詳しくは、保留中の特図変動表示ゲームがどのような実行態様や結果態様になる予定であるかを事前(詳しくは、特図変動表示ゲームの実行の保留が解除される前)に判定および予告する演出(事前演出)を実行するように構成されている。なお、特図変動表示ゲームの実行態様、詳しくは変動表示装置31に表示される飾り特図変動表示ゲームの実行態様においては、複数のリーチ演出(ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、特殊リーチ1、特殊リーチ2、特殊リーチ3)が設定されている(図57参照)。また、事前演出(先読み演出)については、後で詳細に説明する。
さらに、遊技制御装置280の一部(例えばROM)には、特図変動表示ゲームで発生し得る結果態様(「大当り」、「ハズレ」)毎、および特図変動表示ゲームの実行時における遊技状態(「通常状態」、「大当り後状態」)毎に設定された変動パターン選択テーブルを予め設定して記憶している。変動パターン選択テーブルには、図57に示すように、特図始動記憶として記憶される乱数のうち識別情報の変動パターンを決定する変動パターン乱数の範囲毎に、リーチ演出と変動表示時間(飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示時間)とを組み合わせて設定している。なお、「通常状態」中に実行される特図変動表示ゲームにおいては、結果態様が「大当り」となる場合には、「ノーマルリーチ」、「SP1リーチ」、「SP2リーチ」、「SP3リーチ」のいずれかが実行され、結果態様が「ハズレ」となる場合には、「ノーマルリーチ」、「SP1リーチ」、「SP2リーチ」、「SP3リーチ」のいずれかが実行されるか、またはいずれのリーチ演出も実行されない。また「大当り後状態」中に実行される特図変動表示ゲームにおいては、結果態様が「大当り」となる場合には、「ノーマルリーチ」、「特殊リーチ1」、「特殊リーチ2」、「特殊リーチ3」のいずれかが実行され、結果態様が「ハズレ」となる場合には、「特殊リーチ1」、「特殊リーチ2」、「特殊リーチ3」のいずれかが実行されるか、またはいずれのリーチ演出も実行されない。
このように複数の変動パターン選択テーブルを遊技状態毎に対応して別個に設定しているため、特図変動表示ゲームの実行前後で遊技状態が変化した場合、具体的には、特図変動表示ゲームの実行前では「通常状態」であったが、特図変動表示ゲームが特別結果態様になったために特別遊技状態が発生し、この特別遊技状態の終了後には「大当り後状態」となることが決定した場合には、適用される変動パターン選択テーブル、言い換えると飾り特図変動表示ゲームで実行予定のリーチ演出の判定基準が特図変動表示ゲームの実行前後で異なる。
次に、上記各実施形態のパチンコ遊技機1における遊技の実行、特に、事前演出が実行され得る特図変動表示ゲーム中の処理と、該特図変動表示ゲーム終了後の処理について説明する。
発射装置(図示せず)から発射された遊技球が遊技領域25へ飛入して流下し、普図始動ゲート36へ入賞(通過)すると、遊技制御装置280は、普図始動記憶が普図保留上限数まで記憶されているか否か、言い換えると、遊技球が普図始動ゲート36へ入賞したが未処理(実行待機)となっている普図変動表示ゲームの実行保留回数が保留上限回数(例えば4つ)まで到達しているか否かを判定する。普図変動表示ゲームの実行保留回数が保留上限回数に到達していなければ、今回の普図始動ゲート36への入賞分の普図始動記憶を新たに記憶し、保留上限回数に到達していれば、今回の普図始動ゲート36への入賞分の普図始動記憶を記憶せず、普図変動表示ゲームの実行を新たに保留しない。このとき、演出制御装置295においては、表示部31aの一部に普図始動記憶表示を普図始動記憶の記憶数と同じ数だけ表示する制御を実行する。
さらに、遊技制御装置280は、保留されている普図始動記憶のうち保留期間が長い普図始動記憶から1つずつ記憶解除して消化するとともに、普図始動記憶を1つ消化する毎に普図変動表示ゲームを1回実行し、普通図柄表示器に普図変動表示ゲームの結果を表示する。なお、直前に記憶した普図始動記憶のみ記憶している場合には、この記憶したばかりの普図始動記憶を記憶解除して普図変動表示ゲームを実行する。実行された普図変動表示ゲームの結果態様が「当り」を示す態様であった場合には、普通電動役物42aを開いて遊技球が第2始動口42へ入賞し易い状態に変換し、「ハズレ」を示す態様であった場合には普通電動役物42aを閉じた状態に維持する。そして、演出制御装置295においては、消化処理(記憶解除)された普図始動記憶に対応する普図始動記憶表示を変動表示装置31の表示部31aから消去する制御を行う。
また、遊技球が第1始動口41へ入賞すると、遊技制御装置280は、第1特図始動記憶が第1特図保留上限数まで記憶されているか否か、言い換えると、遊技球が第1始動口41へ入賞したが未処理(実行待機)となっている第1特図変動表示ゲームの実行保留回数が保留上限回数(例えば4つ)まで到達しているか否かを判定する。第1特図変動表示ゲームの実行保留回数が保留上限回数に到達していなければ、始動入賞記憶手段として機能して、今回の第1始動口41への入賞分に対応する乱数を抽出するとともに、抽出された乱数を新たな第1特図始動記憶として記憶し、保留上限回数に到達していれば、今回の第1始動口41への入賞分の乱数抽出や第1特図始動記憶の記憶を実行せず、第1特図変動表示ゲームの実行を新たに保留しない。さらに、事前結果判定手段として機能して、記憶された乱数(第1特図始動記憶)を当該乱数に基づく第1特図変動表示ゲームの実行前に判定し、この判定の結果として、実行予定の第1特図変動表示ゲームの結果態様(「大当り」か「ハズレ」)や実行態様(リーチ演出)の情報を取得し、取得した情報に基づいて事前判定コマンドを生成し、演出制御装置295に送信する(図70参照)。
そして、遊技球が第2始動口42へ入賞すると、遊技制御装置280は、第2特図始動記憶が第2特図保留上限数まで記憶されているか否か、言い換えると、遊技球が第2始動口42へ入賞したが未処理(実行待機)となっている第2特図変動表示ゲームの実行保留回数が保留上限回数(例えば4つ)まで到達しているか否かを判定する。第2特図変動表示ゲームの実行保留回数が保留上限回数に到達していなければ、始動入賞記憶手段として機能して、今回の第2始動口42への入賞分に対応する乱数を抽出するとともに、抽出された乱数を新たな第2特図始動記憶として記憶し、保留上限回数に到達していれば、今回の第2始動口42への入賞分の乱数抽出や第2特図始動記憶の記憶を実行せず、第2特図変動表示ゲームの実行を新たに保留しない。さらに、事前結果判定手段として機能して、記憶された乱数(第2特図始動記憶)を当該に基づく第2特図変動表示ゲームの実行前に判定し、この判定の結果として、実行予定の第2特図変動表示ゲームの結果態様(「大当り」か「ハズレ」)や実行態様(リーチ演出)の情報を取得し、取得した情報に基づいて事前判定コマンドを生成し、演出制御装置295に送信する(図70参照)。
そして、遊技制御装置280が特図始動記憶(第1特図始動記憶、第2特図始動記憶)を記憶すると、演出制御装置295は、始動記憶表示手段として機能して、第1記憶表示部501に第1特図始動記憶表示m1を第1特図始動記憶の記憶数と同じ数だけ表示する制御、および第2記憶表示部502に第2特図始動記憶表示m2を第2特図始動記憶の記憶数と同じ数だけ表示する制御を実行する。この制御においては、演出制御装置295が第1表示態様制御手段として機能し、遊技制御装置280により判定された乱数の判定結果(事前判定コマンド)に基づいて、第1特図始動記憶表示m1および第2特図始動記憶表示m2における事前演出の態様を決定する。具体的には、演出制御装置295の一部に予め記憶された事前演出振分テーブルを参照し、特定表示態様(内側を塗りつぶした円)で表示したり、または特定表示態様とは異なる通常表示態様(内側を塗りつぶさない円)で表示したりする。
ここで、特定表示態様は、図58に示すように、塗りつぶしの色を異ならせて複数の種類(本実施形態では3種類)が設定されている。そして、塗りつぶしの色が「青」である場合には、特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となる期待度(特図始動記憶表示mが特定表示態様で出現した場合に、特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となる確率)、言い換えると「大当り」と予告した先読みの信頼度が複数種類の中で最も低く設定されている。また、塗りつぶしの色が「赤」である場合には、特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となる期待度が複数種類の中で最も高く設定され、塗りつぶしの色が「黄」である場合には、特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」となる期待度が「赤」よりも低く「青」よりも高い中間に設定されている。
さらに、事前演出振分テーブルは、各リーチ演出の内容に対応する事前演出態様の選択肢およびその選択率を組み合わせて設定している。そして、演出制御装置295には、事前演出の実行が設定された特図変動表示ゲームで発生し得る結果態様(「大当り」、「ハズレ」)毎、および事前演出の実行時における遊技状態(「通常状態」、「大当り実行後」)毎に異なる別個の事前演出振分テーブルを記憶している。例えば、図59(a)に示す事前演出振分テーブル1は、事前演出の実行が設定された特図変動表示ゲームの結果態様が「ハズレ」と判定され、且つ事前演出の実行時における遊技状態が「通常状態」である場合に参照されるテーブルである。この事前演出振分テーブル1のうち、リーチ演出が「SP2リーチ」に設定された場合について例示すると、特図始動記憶表示mを塗りつぶしなしの円で表現して通常表示態様とする「変化なし」が70%の確率で選択され、円の内側を青色で塗りつぶして特定表示態様とする「青」が15%の確率で選択され、円の内側を黄色で塗りつぶして特定表示態様とする「黄」が10%の確率で選択され、円の内側を赤色で塗りつぶして特定表示態様とする「赤」が5%の確率で選択されるように設定されている。
また、図59(b)に示す事前演出振分テーブル2では、事前演出の実行が設定された特図変動表示ゲームの結果態様が「大当り」と判定され、且つ事前演出の実行時における遊技状態が「通常状態」である場合に参照されるテーブルである。この事前演出振分テーブル2のうち、リーチ演出が「SP2リーチ」に設定された場合について例示すると、特図始動記憶表示mを塗りつぶしなしの円で表現して通常表示態様とする「変化なし」が50%の確率で選択され、円の内側を青色で塗りつぶして特定表示態様とする「青」が10%の確率で選択され、円の内側を黄色で塗りつぶして特定表示態様とする「黄」が10%の確率で選択され、円の内側を赤色で塗りつぶして特定表示態様とする「赤」が30%の確率で選択されるように設定されている。
さらに、遊技制御装置280は、保留されている第1特図始動記憶および第2特図始動記憶のうち保留期間が長いものから1つずつ記憶解除して消化するとともに、特図始動記憶を1つ消化する毎に特図変動表示ゲームを1回実行する。そして、第1特図始動記憶が消化されて第1特図変動表示ゲームが実行されると、第1特別図柄表示器に第1特図変動表示ゲームの結果(詳しくは、第1特図変動表示ゲームの結果態様を示す特別図柄)を表示し、第2特図始動記憶が消化されて第2特図変動表示ゲームが実行されると、第2特別図柄表示器に第2特図変動表示ゲームの結果(詳しくは、第2特図変動表示ゲームの結果態様を示す特別図柄)を表示する。なお、直前に記憶した特図始動記憶のみ記憶している場合には、この記憶したばかりの特図始動記憶を記憶解除して特図変動表示ゲームを実行する。
また、演出制御装置295においては、消化処理(記憶解除)された特図始動記憶に対応する特図始動記憶表示mを変動表示装置31の表示部31aから消去する制御、および、消化処理(記憶解除)された特図始動記憶に対応する飾り特図変動表示ゲーム(3つの識別情報の変動表示)を表示部31aにて行う制御を実行する。このとき、遊技制御装置280は、変動表示時間設定手段として機能して、変動パターン乱数に基づいて変動パターン選択テーブルから識別情報の変動表示時間を選択し、さらには飾り特図変動表示ゲームにおけるリーチ演出を選択する。さらに、演出制御装置295が変動表示ゲーム制御手段として機能し、遊技制御装置280により設定(選択)された変動表示時間およびリーチ演出に基づいて、変動表示時間内における特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の実行態様を制御する。そして、選択されたリーチ演出が予め設定された態様である場合には、変動表示時間の終了前に、実行中の特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様(「大当り」)となることを報知する特別結果態様報知(例えば、3つの識別情報を同じ図柄に揃った状態で仮停止させる表示の開始)を実行する。
実行された特図変動表示ゲームの結果態様が結果態様が「ハズレ」を示す態様であった場合には、遊技状態を通常状態とし、大入賞口45を閉じた状態に維持する。一方、実行された特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様(「大当り」)となった場合には、遊技制御装置280は、特別遊技状態制御手段として機能して、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り状態)を発生させ、大入賞口45を開閉動作させて遊技球を大入賞口45へ入賞可能とし、遊技球が大入賞口45に入賞すれば遊技者に遊技価値としての賞球(遊技球)を付与する。さらに、演出制御装置295は、第2表示態様制御手段として機能して、特定表示態様で表示されていた特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えて表示する制御(切替制御)を実行する。言い換えると、所定始動記憶(特定表示態様で特図始動記憶表示mが表示された特図始動記憶)に先行して記憶される特図始動記憶(先行始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となることを条件として切替制御を実行する。また、切替制御を実行すると切替報知演出(クリア演出)を発生させて、特図始動記憶表示mの特定表示態様から通常表示態様への表示切替え(言い換えると、実行中の事前演出の停止)を遊技者に報知する。
ここで、切替報知演出においては、複数の演出態様(本実施形態では3つのクリア演出態様)が予め設定されている(図60および図61参照)。クリア演出パターン1では、特定表示態様の特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えるタイミングで破裂音などの効果音を発生させる(図60(a)参照)。クリア演出パターン2では、特定表示態様の特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えるタイミングで特図始動記憶表示mから内側の塗りつぶし部分を抜き出し、表示部31aの中央部分へ移動した後に破裂して消滅する態様の演出を発生させる(図60(b)参照)。クリア演出パターン3では、特定表示態様の特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えるタイミングで特図始動記憶表示mから内側の塗りつぶし部分を抜き出すとともに破裂音などの効果音を発生させ、さらに塗りつぶし部分が表示部31aの中央部分へ移動した後に破裂して消滅する態様の演出を発生させる(図60(c)参照)。
また、切替報知演出の演出態様は、所定始動記憶(または特定表示態様の特図始動記憶表示m)に対応する乱数を遊技制御装置280により判定した結果(「大当り」、「ハズレ」)に基づき、演出制御装置295の一部に予め記憶されているクリア演出振分テーブルを参照して決定される。ここで、演出制御装置295には、特定表示態様の特図始動記憶表示mに基づいて実行される特図変動表示ゲーム(事前演出対象ゲーム)で発生し得る結果態様(「大当り」、「ハズレ」)毎に異なる別個のクリア演出振分テーブルを記憶している。そして、各クリア演出振分テーブルには、特定表示態様(事前演出態様)の状態に対応して切替報知演出の演出態様(クリア演出態様)の選択肢およびその選択率を組み合わせて設定している。
具体的には、図62(a)に示すクリア演出振分テーブル1は、事前演出対象ゲームの結果態様が「ハズレ」と判定されている場合に参照されるテーブルである。このクリア演出振分テーブル1のうち「黄」の態様で事前演出が実行されている場合について例示すると、「パターン1」のクリア演出態様が70%の確率で選択され、「パターン2」のクリア演出態様が20%の確率で選択され、「パターン3」のクリア演出態様が10%の確率で選択されるように設定されている。また、図62(b)に示すクリア演出振分テーブル2は、事前演出対象ゲームの結果態様が「大当り」と判定されている場合に参照されるテーブルである。このクリア演出振分テーブル2のうち「黄」の態様で事前演出が実行されている場合について例示すると、「パターン1」のクリア演出態様が20%の確率で選択され、「パターン2」のクリア演出態様が20%の確率で選択され、「パターン3」のクリア演出態様が60%の確率で選択されるように設定されている。
このようにして、所定始動記憶に先行して記憶される特図始動記憶(先行始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様(大当り)となった場合には、特定表示態様の特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えて事前演出をクリア(事前演出の実行を停止)するので、遊技状態の変化に伴って特図変動表示ゲームの実行態様の判定基準が変化(具体的には、特図変動表示ゲームの実行態様の判定基準として適用される変動パターン選択テーブルが特図変動表示ゲームの実行前後で相違)したとしても、事前演出が現行の判定基準から外れた内容の実行態様を予告してしまう不都合を避けることができる。また、切替報知演出を行って特図始動記憶表示mの表示切替えを遊技者に報知するので、特図始動記憶表示mが特定表示態様から通常表示態様へ切替わることを、遊技演出の一部として遊技者に認識させることができる。したがって、特図始動記憶表示mの表示態様を表示途中で通常記憶表示に切替えたとしても、遊技者に違和感を与え難い。
さらに、所定始動記憶に対応する乱数の判定結果に基づいて、切替報知演出の演出態様を決定するので、切替報知演出を所定始動記憶に応じて様々な演出態様に設定することができ、遊技の興趣を高めることができる。また、乱数を判定結果に基づいて設定された切替報知演出の演出態様により、判定対象の乱数に対応する特図変動表示ゲームが特別結果態様になるか否かを報知すれば、特図始動記憶表示mの表示態様を切替えたとしても、遊技者が受ける違和感や不満感を軽減することができる。
そして、第2表示態様制御手段として機能する演出制御装置295は、特別遊技状態制御手段として機能する遊技制御装置280によって特別遊技状態が開始されるときに、切替制御を実行して切替報知演出を発生させてもよいし、または、図60に示すように、特別遊技状態が開始されてから終了するまでの間に、切替制御を実行して切替報知演出を発生させてもよい。特別遊技状態の開始時に切替制御を実行すれば、遊技者は、特図始動記憶表示mが特定表示態様から通常表示態様に切替わることを、特別遊技状態の開始によって認識することができる。さらに、特図始動記憶表示mの表示態様の切替えを特別遊技状態の演出開始の一部として観賞すれば、特図始動記憶表示mの表示態様の切替えが実行されたとしても違和感を受け難くなり、特別遊技状態における遊技に集中することができる。また、特別遊技状態の開始から終了までの間に切替制御を実行すれば、特図始動記憶表示mの表示態様の切替えタイミングの自由度を増すことができる。そして、特別遊技状態における演出表示と特図始動記憶表示mの表示態様の切替えとを連携させて実行すれば、特別遊技状態における演出の興趣の向上を期待することができる。
また、識別情報の変動表示(時間)が終了する前に特別結果態様報知が実行される場合には、第2表示態様制御手段として機能する演出制御装置295は、特別結果態様報知の実行から変動表示時間の終了までの間に切替制御を実行して切替報知演出を発生させてもよい。このような制御を実行すれば、特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様報知を実行した後の演出(例えば、再抽選演出(見かけ上、確変が発生するか否かの抽選が行われているかのように表示する演出)や、特別結果祝福演出などの演出)と、始動記憶表示の表示態様の切替えとを連携させて表示することができ、演出効果を高めることができる。
次に、上記した特図始動記憶表示mの表示態様の切替えおよび切替報知演出の表示を実現する制御を、図63〜図76に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、パチンコ遊技機1に電源が投入された場合に遊技制御装置280において実行されるメイン処理では、図63および図64に示すように、所定時間周期(例えば、4ミリ秒周期)で行われるタイマ割込みを禁止する処理(S1)、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(S2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域のスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(S3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(S4)を行う。その後、払出制御装置296のプログラムの正常起動を待つための待機(例えば4msの時間待ち)を行い(S5)、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(S6)、出力部の全ポートをオフ(出力が無い状態)に設定し(S7)、シリアルポートを設定する処理を行う(S8)。
さらに、電源装置290に設けられた初期化スイッチがONになっているか否かを判定し(S9)、初期化スイッチがONでないと判定された場合には、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックし(S10,S11)、停電検査領域1の値が正常であれば、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックし(S12,S13)、停電検査領域2の値が正常であれば、RWMに記憶されているデータが正常なものであるか否かを判定するために、チェックサムが正常であるか否か調べる。具体的には、RWM内の領域のチェックサムを算出し(S14)、算出されたチェックサムと、停電があった際にRWMに記憶されていたチェックサムとが一致するか否かを判定する(S15,S16)。そして、チェックサムが正常であると判定された場合、すなわちRWMに記憶されているデータが正常であると判定された場合には、全ての停電検査領域およびチェックサム領域をクリアし(S17,S18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(S19)。また、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態(詳しくは、特図変動表示ゲームの結果態様が大当りとなる確率が通常の遊技進行時よりも高く設定された状態)であるか否かを判定し(S20)、高確率状態であると判定された場合には、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(S21)、一括表示装置49に設けられる高確率報知LEDを点灯させるONデータをセグメント領域に設定する(S22)。そして、ステップS20において高確率状態ではないと判定された場合、またはステップS22において高確率報知LEDを点灯させる準備を行った場合には、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置295へ送信する(S23)。
一方、ステップS9にて初期化スイッチがONであると判定された場合、またはステップS11,S13にて停電検査領域の値が異常であると判定された場合、またはステップS16にてチェックサムが異常であると判断された場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域のクリア(S24)、およびアクセス禁止領域より後の全スタック領域のクリア(S25)を実行し、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(S26)。そして、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブし(S27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置295へ送信する(S28)。
そして、ステップS23にて停電復旧時のコマンドを演出制御装置295に送信した後、またはステップS28にて電源投入時のコマンドを演出制御装置295に送信した後には、タイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動し(S29)、乱数生成回路を起動設定する(S30)。さらに、電源投入時の乱数生成回路内のソフト乱数レジスタの値を抽出して各種初期値乱数(特図変動表示ゲームにおける大当り図柄を決定する乱数の初期値、または普図変動表示ゲームにおける当たり図柄を決定する乱数の初期値)としてRWMにセーブし(S31)、ステップS1で禁止された割込みを許可し(S32)、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(S33)。
ステップS33にて初期値乱数更新処理を実行したならば、停電が発生したか否かを判定するために、電源装置290から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(S34)、停電監視信号がONであるか否かを判定する(S35)。停電監視信号がONではない場合、すなわち、停電が発生していないと判定された場合にはステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理(S33)、停電監視信号のチェック回数の設定(S34)、停電監視信号の判定(S35)を繰り返し行う。一方、停電監視信号がONである場合には、ステップS34で設定したチェック回数分の停電監視信号のON状態が継続しているか否かを判定する(S36)。そして、チェック回数分の停電監視信号のON状態が継続していない場合には、ステップS35に戻って停電監視信号の判定を再び実行し、チェック回数分の停電監視信号のON状態が継続している場合、すなわち、停電が発生していると判定された場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。さらに、各停電検査領域に停電検査領域チェックデータをセーブする処理(S39,S40)、電源遮断時におけるRWMのチェックサムを算出する処理(S41)を行った後、チェックサムをセーブし(S42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(S43)を行ってから、パチンコ遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。
また、遊技制御装置280は、メイン処理においてタイマ割込みを許可している場合には、所定時間周期毎にタイマ割込み処理を実行する。タイマ割込み処理について、図65に示すフローチャートを用いて説明すると、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移してレジスタ退避の処理を行い(S51)、各種センサ(第1始動口スイッチ283、第2始動口スイッチ284、ゲートスイッチ285等)からの入力を取込む入力処理(S52)、各種処理でセットされた出力データに基づいてソレノイド(大入賞口ソレノイド297、普電ソレノイド298)等のアクチュエータを駆動制御する出力処理(S53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置295や払出制御装置296等に出力するコマンド送信処理(S54)、乱数更新処理1(S55)、乱数更新処理2(S56)を行う。その後、第1始動口スイッチ283、第2始動口スイッチ284、入賞口スイッチ286等の遊技球検出用センサから正常な信号の入力があるか否かの監視や、前面枠3や透明部材保持枠8が開放されていないか等のエラーの監視を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(S57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(S58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(S59)を行う。
各変動表示ゲームの処理を実行したならば、一括表示装置49における各変動表示ゲームの表示内容や遊技に関する各種情報の表示内容を編集するセグメントLED編集処理(S60)、磁気センサスイッチ226や振動センサスイッチ227からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(S61)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(S62)を行う。そして、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言し(S63)、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰し(S64)、割込みを許可(S65)してタイマ割込み処理を終了する。
タイマ割込み処理にて行われる特図ゲーム処理(S58)においては、第1始動口スイッチ283および第2始動口スイッチ284からの入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特別図柄の表示の設定を行う。図66に示すフローチャートに基づいて具体的に説明すると、まず、第1始動口スイッチ283および第2始動口スイッチ284の遊技球の検出(言い換えると、第1始動口41または第2始動口42への入賞)を監視する始動口スイッチ監視処理(S71)と、大入賞口45内に設けられたカウントスイッチ287の遊技球の検出(言い換えると、大入賞口45への入賞)を監視するカウントスイッチ監視処理(S72)とを実行する。なお、始動口スイッチ監視処理については、後で詳細に説明する。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか否か、または−1更新後にタイムアップしたか否かをチェックし(S73,S74)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理を実行し(S75)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S76)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(S77)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理を行う(S78)。
具体的には、ゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(S79)を行い、ゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(S80)を行う。また、ゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りとなっているので、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り状態における大入賞口45の開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(S81)を行う。
さらに、ゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口45の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(S82)を行い、ゲーム処理番号が「4」の場合には、インターバルコマンドまたは大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(S83)を行う。そして、ゲーム処理番号が「5」の場合には、大当り状態の終了時において大入賞口45内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(S84)を行い、ゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理(S79)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(S85)を行う。
このようにしてゲーム分岐処理を実行した後、または、ステップS74において特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定された後には、第1特別図柄表示器の変動表示を制御するためのテーブルを準備し(S86)、第1特別図柄表示器に係る図柄変動制御処理を行う(S87)。さらに、第2特別図柄表示器の変動を制御するためのテーブルを準備し(S88)、第2特別図柄表示器に係る図柄変動制御処理を行う(S89)。
次に、特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理(S71)を、図67に示すフローチャートに基づいて説明する。
始動口スイッチ監視処理においては、まず、第1始動口41による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S91)、この後に特図始動口スイッチ共通処理(S92)を行う。なお、特図始動口スイッチ共通処理については後で詳細に説明する。次に、普通電動役物42aが作動中であるか否か、すなわち、普通電動役物42aが開いて遊技球が第2始動口42へ入賞し易い状態であるか否かを判定し(S93)、普通電動役物42aが作動中ではないと判定した場合には、第2始動口42への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S94,S95)。
そして、ステップS95において不正入賞数が不正判定個数以上でないと判定された場合、またはステップS93において普通電動役物42aが作動中であると判定した場合には、第2始動口42による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S96)、この後に特図始動口スイッチ共通処理(S97)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方,ステップS95において不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合には、ステップS96,S97を実行せずに始動口スイッチ監視処理を終了し、第2始動口42への入賞に基づく演出の準備を行わない。
次に、始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理(S92,S97)を、図68に示すフローチャートに基づいて説明する。
特図始動口スイッチ共通処理においては、まず、第1始動口スイッチ283および第2始動口スイッチ284のうち監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かをチェックし(S101,S102)、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、入力がある場合には、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブし(S103)、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報がパチンコ遊技機1の外部に設けられた管理装置(図示せず)に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードし(S104)、このロードした値を更新(+1)して出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S105,S106)。このチェックの結果、出力回数がオーバーフローしない場合には、更新後の値を遊技制御装置280のRWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S107)。そして、更新の値を始動口信号出力回数領域にセーブした後、または、ステップS106にて出力回数がオーバーフローした場合には、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(特図始動記憶の記憶数)が上限値未満か否かをチェックし(S108,S109)、このチェックの結果、特図保留数が上限値以上である場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、特図保留数が上限値未満である場合には、更新対象の特図保留数を更新(+1)する処理(S110)を行った後、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)の準備(S111)、および特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)の準備(S112)を実行し、コマンド設定処理を行う(S113)。さらに、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出し(S114)、大当り乱数を抽出して準備し(S115)、この大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(S116)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(S117)、この大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S118)。さらに、特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数(変動パターン乱数1〜3)を抽出し、各変動パターン乱数に対応してRWMに設定された乱数セーブ領域にそれぞれセーブし(S119〜S121)、特図保留情報判定処理を実行する(S122)。なお、変動パターン乱数1は、飾り特図変動表示ゲームの後半演出におけるリーチ演出系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2は、リーチ演出系統の中から詳細な演出の振分を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は、飾り特図変動表示ゲームの前半演出(リーチ発生前の演出)を選択するための乱数である。
ステップS122において特図保留情報判定処理を実行したならば、監視対象の始動口入賞フラグを変動順序フラグとしてロードして特図変動表示ゲームの開始順序を設定し(S123)、第1特図始動記憶の記憶数である第1特図保留数(特図1保留数)と、第2特図始動記憶の記憶数である第2特図保留数(特図2保留数)との合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出し(S124)、変動順序フラグを変動順序フラグセーブ領域にセーブ(S125)して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
次に、特図始動口スイッチ共通処理中に実行される特図保留情報判定処理(S122)を、図69に示すフローチャートに基づいて説明する。
特図保留情報判定処理においては、まず、大当り判定処理を行い(S131)、特図始動口スイッチ共通処理のステップS115にて抽出された大当り乱数が大当り判定値(予め設定されたゲーム結果決定条件)と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する(S132)。そして、大当りであると判定された場合には、判定対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定した後(S133)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得して設定し(S134)、大当りではないと判定された場合には、ハズレ情報テーブルを設定する(S135)。
ステップS134,S135において大当り情報テーブルまたはハズレ情報テーブルのいずれかを設定したならば、ステップS134またはステップS135で設定した情報テーブル(ハズレ情報テーブル、大当り情報テーブル)から図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報(作業用)領域にセーブする(S136)。続いて、ステップS134またはステップS135で設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S137)。次に、監視対象の始動口スイッチ(第1始動口スイッチ283または第2始動口スイッチ284のいずれか)の始動口入賞フラグの準備(S138)および始動口入賞演出コマンド設定テーブルの準備(S139)を実行したのち、当該監視対象の始動口(第1始動口41または第2始動口42のいずれか)に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(S140)を行う。
さらに、特図変動表示ゲームの実行態様(詳しくは飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動態様)のうちの後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(S141)、飾り特図変動表示ゲームの実行態様(変動態様)を設定する変動パターン設定処理(S142)を行い、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(S143)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(S144)、コマンド設定処理(S145)を行う。そして、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S146)、コマンド設定処理(S147)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、遊技制御装置280は、図70に示すように、監視対象の始動口への入賞を検出すると、特図始動口スイッチ共通処理のステップS111,S112において準備される飾り特図保留数コマンド、特図保留情報判定処理のステップS143,S144において準備される始動口入賞演出コマンド、ステップS146において準備される始動口入賞演出図柄コマンドの順でコマンドを演出制御装置295へ送信する。また、始動口入賞演出コマンドおよび始動口入賞演出図柄コマンドは、事前演出を実行するか否かの判定に用いられる事前判定コマンドとして機能し、図71に示すように、保留中の特図変動表示ゲームの結果態様の内容に対応して予め複数設定されている。具体的には、始動口入賞演出図柄コマンドでは、保留中の特図変動表示ゲームの結果態様が「ハズレ」、「15R通常大当り」、「15R確変大当り」であることを示す内容が設定されており、始動口入賞演出コマンドでは、保留中の特図変動表示ゲームの結果態様および飾り特図変動表示ゲームの実行態様(リーチ演出)が「ハズレ・Nリーチ以下」や「大当り・SPリーチ3」等の組み合わせであることを示す内容が設定されている。
次に、特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理(S79)を、図72(a)に示すフローチャートに基づいて説明する。
特図普段処理においては、まず、特図保留数(第1特図保留数および第2特図保留数)が0であるか否かをチェックし(S151,S152)、特図保留数が0であれば、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S153,S154)。客待ちデモを開始済みでない場合には、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(S155)、客待ちデモコマンドの準備(S156)を実行し、コマンド設定処理(S157)を行う。そして、コマンド設定処理の実行後、またはステップS154において客待ちデモが開始済みであると判定された場合には、この特図普段処理の終了後に特図ゲーム処理が再び特図普段処理を実行する設定処理を行って(S158)、特図普段処理を終了する。
また、ステップS152において特図保留数が0ではない場合(第1特図保留数と第2特図保留数の少なくとも一方が0でない場合)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップS125においてRWMの変動順序フラグセーブ領域にセーブしておいた変動順序フラグをロードし(S159)、このロードした変動順序フラグが第1特図変動表示ゲームの変動開始を示すフラグか否かをチェックする(S160,S161)。チェックの結果、第1特図変動表示ゲームの変動開始を示すものである場合には、特図1変動開始処理(S162)、および特図普段処理の終了後に特図ゲーム処理において特図変動中処理(S80)に移行する設定処理(S163)を行って、特図普段処理を終了する。一方、第1特図変動表示ゲームの変動開始を示すものでない場合、すなわち第2特図変動表示ゲームの変動開始を示すフラグである場合には、特図2変動開始処理(S164)、および特図普段処理の終了後に特図ゲーム処理において特図変動中処理(S80)に移行する設定処理(S165)を行って、特図普段処理を終了する。
なお、遊技領域25において、発射勢を最大に設定して発射された遊技球が普図始動ゲート36に入賞し易くなる構成(例えば、遊技領域25の右側に普図始動ゲート36を配置し、遊技領域25の左側に発射球案内路26を配置した構成)を採用する場合には、図72(b)に示すように、コマンド設定処理(S157)を実行してから特図普段処理移行設定処理(S158)を実行するまでの間に、遊技球の発射状態の警告を設定する処理を実行してもよい。具体的には、コマンド設定処理(S157)を実行した後、遊技状態が「大当り後状態」として発生し得る普電サポート状態(普図変動表示ゲームにおける当りの確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物42aの開閉動作を頻発させて第2始動口42に遊技球を入賞し易くした状態)であるか否かを判定し(S166)、普電サポート状態であればステップS158に移行し、普電サポート状態でなければ、右打ち警告LEDをOFFする表示番号を遊技状態表示番号領域にセーブ(S167)してから、ステップS158に移行する設定にしてもよい。
次に、演出制御装置295の1stCPU(主制御用マイコン)で行われる1stメイン処理を、図73に示すフローチャートに基づいて説明する。
演出制御装置295の1stメイン処理においては、まず、割込みを禁止し(S171)、RAMを0クリアして(S172)、CPUを初期化するCPU初期化処理(S173)を行う。さらに、RAMの初期値を設定し(S174)、乱数を初期化する乱数初期化処理を行い(S175)、各種割込みのタイマを起動して(S176)、割込みを許可する(S177)。割込みを許可したならば、ループ処理を行う。ループ処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(S178)、遊技演出用ボタン18の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理を行い(S179)、遊技制御コマンド解析処理を行う(S180)。この遊技制御コマンド解析処理(S180)では、遊技制御装置280から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
ステップS180において遊技制御コマンド解析処理を行ったならば、変動表示装置31や装飾装置300,301、演出装置54,302などのテストを行うためのテストモードに関する処理を行う(S181)。このテストモード処理(S181)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理を実行しないが、テストモードにおいて変動表示装置31の表示やスピーカ15,21からの音声の出力、装飾装置300,301のLEDの発光、演出装置54,302の動作などを行う場合には、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは、パチンコ遊技機1への電源供給の遮断により終了する。
ステップS181においてテストモード処理を実行したならば、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(S182)、パチンコ遊技機1でエラーが発生した場合に遊技制御装置280から送信されるエラー報知コマンドに基づいて報知を行う遊技機エラー監視処理(S183)、演出制御装置295の2ndCPU(映像制御用マイコン)に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(S184)、スピーカの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(S185)、盤装飾装置300および枠装飾装置301の発光制御を行う装飾制御処理(S186)、盤演出装置44、枠演出装置302のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(S187)、飾り特図変動表示ゲームの実行態様(変動態様)の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(S188)を行って、WDTをクリアする処理(S178)に戻る。
次に、1stメイン処理中に実行される1stシーン制御処理(S182)を、図74に示すフローチャートに基づいて説明する。
1stシーン制御処理においては、まず、テストモード中であるかを判定し(S191)、テストモード中である場合には直ちに1stシーン制御処理を終了し、テストモード中でない場合には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(S192)。なお、シーン変更コマンドは、遊技制御装置280から演出制御装置295に送信される遊技に関する各種のコマンド(電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、大当り/小当りファンファーレコマンド、大入開放n回目コマンド、インターバルコマンド、大当り/小当りエンディングコマンドなど)である。ステップS192においてシーン変更コマンドを受信したと判定した場合には、更新する遊技状態を取得し(S193)、受信したシーン変更コマンドが取得した遊技状態に対して有効なものであるかを判定する(S194)。そして、有効なコマンドである場合には、受信コマンドをセーブし(S195)、シーンを変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S196)。
ステップS196において演出リクエストフラグをセットした後、または、ステップS192においてシーン変更コマンドを受信していない場合、または、ステップS194において有効なコマンドでなかったと判定された場合には、直近の有効であったコマンドのコマンド識別子による分岐処理を行い(S197)、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。具体的には、電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理を行い(S198)、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理を行い(S199)、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理などを行う客待ち処理を行い(S200)、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理などを行う変動中処理を行う(S201)。また、図柄停止コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理を行い(S202)、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理を行い(S203)、大入開放n回目コマンドを受信した場合には、大当り状態において実行されるラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理を行う(S204)。さらに、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理を行い(S205)、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理を行う(S206)。
なお、ステップS201において実行される変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定、例えば、遊技制御装置280から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づく演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、ステップS202において実行される図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させる処理などの設定を行う。
ステップS197における分岐処理により選択された上述の各処理を行ったならば、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。具体的には、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づいて実行される図柄コマンド受信処理(S207)、特図始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(第1特図保留数コマンド、第2特図保留数コマンド)に基づいて実行される保留数コマンド受信処理(S208)、事前判定コマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づいて実行される事前演出設定処理(S209)、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(転落情報コマンド、確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づいて実行される確率情報コマンド受信処理(S210)を行う。なお、ステップS208において実行される保留数コマンド受信処理では、始動入賞時及び変動開始時に送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより保留記憶数を更新(増減)する。また、ステップ210において実行される確率情報コマンド受信処理では、確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに背景コマンドを演出制御装置295の2ndCPUへ送信する。
次に、1stシーン制御処理中に実行される事前演出設定処理(S209)を、図75に示すフローチャートに基づいて説明する。
事前演出設定処理においては、まず、事前判定コマンド受信待ちの特図始動記憶(言い換えると、保留数コマンドに対応する事前判定コマンドを受信していない特図始動記憶)があるか否かを確認し(S211,S212)、該当する特図始動記憶がある場合には、事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(S213)。そして、事前判定コマンドを受信していない場合、またはステップS212において該当の特図始動記憶がない場合には、事前演出設定処理を直ちに終了する。また、ステップS213において事前判定コマンドを受信したと判定されると、事前判定コマンドの内容を当該事前判定コマンドに対応する始動記憶領域へセーブし(S214)、始動入賞口演出図柄コマンド(図71参照)から当該特図始動記憶の図柄情報や特図変動表示ゲームの結果態様を取得する(S215)。
続いて、ステップS215において取得された結果態様が「ハズレ」であるか否かを判定し(S216)、「ハズレ」であった場合には、遊技状態が普電サポート状態であるか否かを判定する(S217)。そして、普電サポート状態であった場合には事前演出振分テーブル3をセットし(S218)、普電サポート状態でない場合には事前演出振分テーブル1(図59(a)参照)をセットする(S219)。また、ステップS216において「ハズレ」でない場合には、遊技状態が普電サポート状態であるか否かを判定する(S220)。そして、普電サポート状態であった場合には事前演出振分テーブル4をセットし(S221)、普電サポート状態でない場合には事前演出振分テーブル2(図59(b)参照)をセットする(S222)。ステップS218,S219,S221,S222において事前演出振分テーブルをセットしたならば、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報(リーチ演出情報)を取得し(S223)、設定された事前演出振分テーブル、およびステップS223において取得されたリーチ系統情報から事前演出態様(特定表示態様)を選択し(S224)、対象となる特図始動記憶に対して、ステップS224において選択された事前演出態様を設定して(S225)、事前演出設定処理を終了する。
なお、ステップS212における特図始動記憶の確認に加えて、事前演出を実行する条件(例えば、「大当り状態」以外の状態において保留された特図始動記憶であること)を満たしているか否かを判定し、満たしていない場合には事前演出設定処理を直ちに終了するように設定してもよい。
次に、1stシーン制御処理におけるラウンド中処理(S204)中に実行されるクリア演出設定処理(切替報知演出設定処理)を、図76に示すフローチャートに基づいて説明する。
クリア演出設定処理においては、まず、事前演出が実行された特図始動記憶表示m(言い換えると、特定表示態様で表示された特図始動記憶表示m)があるか否かをチェックし(S231,S232)、特定表示態様の特図始動記憶表示mがなければクリア演出設定処理を直ちに終了する。一方、特定表示態様の特図始動記憶表示mがあれば、実行されている事前演出の態様を確認し(S233)、該当の特図始動記憶に対応して記憶されている始動口入賞演出図柄コマンドを確認し(S234,S235)、確認の結果、始動口入賞演出図柄コマンドが「ハズレ」を示す内容であればクリア演出振分テーブル1をセットし(S236)、「ハズレ」以外を示す内容(「大当り」を示す内容)であればクリア演出振分テーブル2をセットする(S237)。ステップS236,S237においてクリア演出振分テーブルをセットしたならば、セットされたクリア演出振分テーブルおよび事前演出態様を参照してクリア演出態様を選択し(S238)、この選択された態様のクリア演出の実行開始(切替報知演出の表示開始)を設定して(S239)、クリア演出設定処理を終了する。なお、クリア演出設定処理をファンファーレ処理(S203)において実行し、大当り状態が開始されるときにクリア演出(切替報知演出)が表示されるように設定してもよい。また、クリア演出設定処理をラウンド中処理(S204)において実行する場合には、クリア演出を、ラウンド遊技中に行われる再々抽選演出表示(大当り状態終了後に次回の特図変動表示ゲームにおいて大当り態様となる確率が高確率となるか否かの予告)とともに表示し、クリア演出が再々抽選演出の一部であるかのように見せてもよい。
ところで、特定表示態様の特図始動記憶表示mが複数表示されている場合には、図61に示す切替報知演出とは異なる複数切替報知演出を発生させてもよい。例えば、図77(d)および図78に示すクリア演出パターン7では、第2表示態様制御手段として機能する演出制御装置295が、単一の特図始動記憶表示mの表示切替え時では実行されない複数切替報知演出(具体的には、特図始動記憶表示mから抜き出された塗りつぶし部分を移動しながらキャラクター等の報知演出画像へ変形させ、変形後の報知演出画像とともに「おめでとう」等のメッセージを表示する演出)を発生させるように設定されている。複数の特図始動記憶表示mをそれぞれ通常表示態様へ切替えるとともに、切替報知演出とは異なる複数切替報知演出を発生させれば、特定表示態様で表示される特図始動記憶表示mが複数あったとしても、まとめて表示態様の切替えを行うことができる。また、複数の特図始動記憶表示mを同時に切替えれば、切替えを迅速に終了させることができる。
なお、特定表示態様の特図始動記憶表示mが複数表示されている場合に実行され得る演出態様としては、図61に示す切替報知演出を各特図始動記憶表示mにそれぞれ適用して実行する旨が選択肢として設定されている。具体的に説明すると、クリア演出パターン4では、特定表示態様の各特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えるタイミングで破裂音などの効果音を発生させる(図77(a)参照)。クリア演出パターン5では、特定表示態様の各特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えるタイミングで特図始動記憶表示mから内側の塗りつぶし部分を抜き出し、表示部31aの中央部分へ移動した後に破裂して消滅する態様の演出を発生させる(図77(b)参照)。クリア演出パターン6では、特定表示態様の各特図始動記憶表示mを通常表示態様に切替えるタイミングで各特図始動記憶表示mから内側の塗りつぶし部分をそれぞれ抜き出すとともに破裂音などの効果音を発生させ、さらに書く塗りつぶし部分が表示部31aの中央部分へ移動した後に破裂して消滅する態様の演出を発生させる(図77(c)参照)。
そして、特定表示態様の特図始動記憶表示mが複数表示されている場合に実行されるクリア演出設定処理は、基本的には、特定表示態様の特図始動記憶表示mが1つ表示されている場合のクリア演出設定処理(図76参照)と同じであるが、ステップS232を実行してからステップS233を実行するまでの処理が異なる。詳しくは、図79に示すフローチャートに基づいて説明すると、ステップS232において特定表示態様の特図始動記憶表示mがあると判定された場合には、特定表示態様の特図始動記憶表示mが複数表示されているか否かを判定し(S241)、複数表示されていない場合(1つのみ表示されている場合)にはステップS233を実行し、複数表示されている場合には、該当記憶複数時処理を実行して(S242)、クリア演出設定処理を終了する。
クリア演出設定処理中に実行される該当記憶複数時処理(S242)においては、図80に示すフローチャートに基づいて詳しく説明すると、まず、特定表示態様の各特図始動記憶表示mにおいて実行されている事前演出態様(各特定表示態様)をそれぞれ確認するとともに(S251)、該当の特図始動記憶に対応して記憶されている始動口入賞演出図柄コマンドを確認し(S234,S235)、確認の結果、複数の確認結果が「大当り」を示す内容であれば、特図始動記憶表示mの特定表示態様から通常表示態様への切替え時にクリア演出パターン7で設定された複数切替報知演出を発生させる旨を選択し(S254)、「大当り」を示す内容が複数確認されない(「大当り」を1つだけ確認した)場合には、確認結果が全て「ハズレ」を示す内容であるか否かを判定する(S255)。そして、全て「ハズレ」を示す内容である場合には、図81(a)に示すクリア演出振分テーブル3をセットし(S256)、全てが「ハズレ」を示す内容ではない場合には、図81(b)に示すクリア演出振分テーブル4をセットする(S257)。
ステップS256,S257においてクリア演出振分テーブル3またはクリア演出振分テーブル4をセットしたならば、セットされたクリア演出振分テーブルおよび事前演出態様を参照してクリア演出態様を選択する(S258)。ここで、特図始動記憶表示mが異なる特定表示態様(事前演出態様)で別個に表示されている場合には、表示されている特定表示態様のうち「大当り」の期待度(図58参照)が最も高いと定義されている特定表示態様をクリア演出態様の選択基準として適用する。具体的には、特図始動記憶表示mが「青」「黄」「赤」の特定表示態様で別個に表示されている場合には、「大当り」の期待度が最も高い「赤」をクリア演出態様の選択基準とし、クリア演出振分テーブルにおいて「赤」の場合の選択肢および選択率を参照する。さらに、ステップS258、またはステップS254においてクリア演出態様(切替報知演出の演出態様、または複数切替報知演出)が選択されたならば、この選択された態様のクリア演出の実行開始(切替報知演出の表示開始)を設定して(S259)、クリア演出設定処理を終了する。
なお、特定表示態様の特図始動記憶表示mが複数表示されている場合においても、特別遊技状態制御手段として機能する遊技制御装置280によって特別遊技状態(大当り状態)が開始されるときに、切替制御を実行して切替報知演出または複数切替報知演出を発生させてもよいし、または、特別遊技状態が開始されてから終了するまでの間に、切替制御を実行して切替報知演出または複数切替報知演出を発生させてもよい。また、特別遊技状態の開始から終了までの間に切替報知演出または複数切替報知演出を発生させる場合には、1つのラウンド遊技の実行中に全ての特図始動記憶表示mの表示切替えを実行してもよいし、1回のラウンド遊技の実行毎に1つの特図始動記憶表示mの表示切替えを実行し、複数のラウンド遊技の実行後に複数の特図始動記憶表示mの表示切替えが完了するように設定してもよい。
ところで、上記制御発明に関する実施形態(第1制御実施形態)では、保留されている第1特図始動記憶および第2特図始動記憶のうち保留期間が長いものから1つずつ記憶解除して消化したが、本制御発明はこれに限定されない。例えば、第2特図始動記憶を第1特図始動記憶に優先して消化してもよい。この優先消化を実現する第2制御実施形態の特図始動口スイッチ共通処理においては、基本的には第1制御実施形態の特図始動口スイッチ共通処理(図68参照)と同じであるが、ステップS103を実行してからステップS104を実行するまでの処理、ステップS109を実行した後の処理、ステップS114を実行してからステップS116を実行するまでの処理、ステップS122を実行してから特図始動口スイッチ共通処理を終了するまでの処理が異なる。具体的には、図82に示すように、ステップS103の実行後、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し(S261)、大当り乱数が準備されたならばステップS104を実行する。また、ステップS114の実行後には、大当り乱数の抽出および準備を実行せず、直ちにステップS116を実行する。さらに、ステップS109において特図保留数が上限値以上である場合には、ステップS102にてチェックされた入力が第1始動口スイッチへの入力であるか否かを判定し(S262,S263)、第1始動口スイッチへの入力でない場合には直ちに特図始動口スイッチ共通処理を終了し、第1始動口スイッチへの入力であった場合には、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(S264)、コマンド設定処理を実行して(S265)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。そして、ステップS122の実行後には直ちに特図始動口スイッチ共通処理を終了して、変動順序フラグに関する処理を実行しない。
また、第2制御実施形態の特図保留情報判定処理においては、基本的には第1制御実施形態の特図保留情報判定処理(図69参照)と同じであるが、処理開始からステップS131を実行するまでの処理が異なる。具体的には、図83に示すように、特図保留情報判定処理の開始後、事前演出を実行してよい条件(事前演出実行条件)を満たしているか否かを判定し(S271,S272)、満たしていればステップS131を実行し、満たしていない場合には直ちに特図保留情報判定処理を終了する。
さらに、第2制御実施形態の特図普段処理においては、基本的には第1制御実施形態の特図普段処理(図72(a)参照)と同じであるが、処理開始からステップS153,S162,S164を実行するまでの処理が異なる。具体的には、図84に示すように、特図普段処理の開始後、第2特図保留数が0か否かをチェックし(S281,S282)、第2特図保留数が0でなければステップS164を実行する。一方、第2特図保留数が0であれば、第1特図保留数が0か否かをチェックし(S283,S284)、第1特図保留数が0でなければステップS162を実行し、0であればステップS153を実行する。
ところで、上記各制御実施形態においては、特図変動表示ゲームの実行時における遊技状態(「通常状態」、「大当り後状態」)毎に異なる変動パターン選択テーブルを設定し(図57参照)、この変動パターン選択テーブルを参照してリーチ演出等を決定したが、本制御発明はこれに限定されない。例えば、図85に示すように、特図始動記憶の保留数(始動記憶数)毎に異なる変動パターン選択テーブルを設定してもよい。
このとき、或る特図始動記憶の保留開始時(言い換えると事前演出実行時)と保留解除時(言い換えると、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行直前)とで特図始動記憶の保留数が異なれば、事前演出の実行時に適用される変動パターン選択テーブルと、特図変動表示ゲームの実行時に適用される変動パターン選択テーブルとが相違する。この結果、特図変動表示ゲームで行われるリーチ演出(変動表示パターン)と、事前演出の実行により予告されたリーチ演出とが、同じ変動パターン乱数に基づいて決定されたとしても異なる場合がある。言い換えると、変動パターン乱数において、リーチ演出が事前演出の予告どおりに実行されない不確定範囲(図85中、塗りつぶしで表現した範囲)が設定されてしまう。そこで、不確定範囲内の変動パターン乱数が抽出された場合には、この変動パターン乱数に基づく事前演出の実行を回避することが好ましい。
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、遊技盤に設けられた始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて演出表示を表示部で実行可能な表示装置と、演出表示の進行に関連して作動する演出用役物装置とを備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。