JP2015037369A - 発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転力が小さくても回転子が回転する発電効率が高い発電機を提供する。【解決手段】発電機1は、コア1aにコイル巻線1bが巻き付けられた偶数個の固定極Aが固定極支持部材2にリング状に等間隔に配置されている固定子3と、偶数個の永久磁石Bが永久磁石支持部材4にリング状に等間隔に配置されている回転子5と、固定子3の固定極Aと回転子5の永久磁石Bとを向かい合う位置に保持するとともに、回転子5に回転力を伝えるための回転軸6と、を備え、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とは倍数関係とならない偶数であって固定極Aの個数と永久磁石Bの個数との差を2個とした。【選択図】図3

Description

本発明は発電機に関するものである。
発電機は、回転力を電気エネルギーに変換する装置であって、火力発電、水力発電、原子力発電及び風力発電等で広く使用されている。本願の願書に記載の発明者(以下、発明者と省略する)は、特に風力発電に用いる平面型発電機の研究を鋭意重ねてきた。発明者が既に出願した特許文献1に記載の発電機10'は、図38の平面図に示されるように、鉄心コア11aにコイル巻線11bが巻き付けられた複数個の固定極A'が固定極支持部材12にリング状に配置される固定子13を具備する。固定極支持部材12の中心には回転軸16が貫通する孔16'と軸受17と連結されるボス18を配している。また、発電機10'は、図39の平面図に示されるように、複数個の永久磁石Bが永久磁石支持部材14にリング状に配置する回転子15を具備する。永久磁石支持部材14の中心には回転軸16が固着される。図40の縦断側面図に示されるように、永久磁石支持部材14と共に回転可能となっている回転軸16は、固定極支持部材12に対し回転自在となるように回転軸保持部材19に配される軸受17'と固定子13に配されるボス18とによって保持される。発電機10'は、複数個の固定極Aと複数個の永久磁石Bとが互いに向かい合い、永久磁石支持部材14は、回転軸16と共に回転する一方、固定極支持部材12は、軸受17を介して回転軸16に取り付けられているので回転しない。
発明者は、このように複数個の固定極と永久磁石とが設けられている発電機において、発電機の回転子を小さな回転力で回転させることができるほど、発電効率が高くなることに着目した。そして、固定極と永久磁石との数の関係をどのようにすれば、回転軸16を回転させる回転力(トルク)を小さくできるかを鋭意研究して特許文献1には、発明者の研究成果が記載されている。まず、固定極と永久磁石との数を同一にすると、回転軸を回転させるのに大きな回転力を必要とすることに発明者は気がついた。そこで、発明者は、固定極及び永久磁石のうちのいずれか一方の数を偶数個としてその他方の数を奇数個とすることによって、固定極と永久磁石との数が同一である場合に比べてより小さな回転力で発電機を回転させることができる発電機を提案した。
特開2008−289339号公報
従来は電力を得ることができなかった外部から加えられる回転力(例えば、風力発電に際しては、微風による回転力)でも回転子を回転でき発電が可能になれば大きな発電効率の改善効果が得られる。そこで、本発明は、従来に比べて、さらに、小さな回転力で回転子を回転させることができる発電機を提供することをその解決課題とする。
本発明の発電機は、コアにコイル巻線が巻き付けられた偶数個の固定極が固定極支持部材にリング状に等間隔に配置されている固定子と、偶数個の永久磁石が永久磁石支持部材にリング状に等間隔に配置されている回転子と、前記固定子の前記固定極と前記回転子の前記永久磁石とを向かい合う位置に保持するとともに、前記回転子に回転力を伝えるための回転軸と、を備え、前記固定極の個数と前記永久磁石の個数とは倍数関係とならない偶数であって前記固定極の個数と前記永久磁石の個数との差が2個である。
本発明の発電機によれば、回転子と固定子との相対回転角度の変化に応じて変化する回転子と固定子との間の引き合う力を小さくして、小さな回転力によって回転軸を回転させることができ、発電効率が高い発電機の提供ができる。
実施形態の発電機の固定子の一例を示す平面図である。 実施形態の発電機の回転子の一例を示す平面図である。 実施形態の発電機の一例を示す縦断側面図である。 比較例の発電機の固定極の個数と永久磁石の個数とが同数の場合を示す図である。 図4に示す固定極と永久磁石との配置において微小角度だけ放射線上の永久磁石と固定極との回転角度がずれた場合に働く力を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差0)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差π/12)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×2)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×3)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×4)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×5)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×6)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×7)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×8)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×9)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×10)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×11)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/12)×12)を示す図である。 実施形態の発電機における回転角度に対する回転子と固定子との間に働く力との関係を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差0)を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/6))を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(2×π/6))を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(3×π/6))を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(4×π/6))を示す図である。 他の実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差0)を示す図である。 他の実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(π/20))を示す図である。 他の実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(2×π/20))を示す図である。 他の実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(3×π/20))を示す図である。 他の実施形態の発電機における固定極の位置と永久磁石の位置との関係(位相差(4×π/20))を示す図である。 実施形態の発電機における回転子の回転角度(ラジアン)に対する回転子と固定子との間に働く力Fの関係を示す図である(固定極の数>永久磁石の数の場合)。 実施形態の発電機における回転子の回転角度(ラジアン)に対する回転子と固定子との間に働く力Fの関係を示す図である(永久磁石の数>固定極の数の場合)。 固定極の個数が4個であり永久磁石の個数が2個の場合を示す図である。 実施形態の発電機における固定極の構造を示す図である。 E型形状のコアに替えて凸型形状のコアを用いる場合の回転子の回転角度(ラジアン)に対する回転子と固定子との間に働く力の関係を示す図である(永久磁石の数>固定極の数の場合)。 実施形態の発電機(固定極の個数が10個であり永久磁石の個数が8個)におけるコイル巻線の配置を示す図である。 実施形態の発電機におけるコイル巻線(10個のコイル巻線)の種々の結線を示す図である。 実施形態の発電機におけるコイル巻線(10個のコイル巻線)の起電圧を示す図である。 背景技術の発電機の固定子を示す平面図である。 背景技術の発電機の回転子を示す平面図である。 背景技術の発電機を示す縦断側面図である。
実施形態の発電機は、コアにコイル巻線が巻き付けられた偶数個の固定極が固定極支持部材にリング状に等間隔に配置されている固定子と、偶数個の永久磁石が永久磁石支持部材にリング状に等間隔に配置されている回転子と、固定子の固定極と回転子の永久磁石とを向かい合う位置に保持するとともに、回転子に回転力を伝えるための回転軸と、を備え、固定極の個数と永久磁石の個数とは倍数関係とならない偶数であって固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個である。
例えば、固定極の個数が6個で永久磁石の個数が8個としてもよい。ここで、固定極の個数と永久磁石の個数とを入れ替えても、同一の技術思想は保たれるので、固定極の個数が8個で永久磁石の個数が6個であるとしてもよい。しかしながら、永久磁石の個数を固定極の個数よりも大きくする場合により小さな回転力で回転子5を回転させることができるので、永久磁石の個数を固定極の個数よりも大きくすることが望ましい。
コアの形状は凸型形状、またはE型形状としてもよく、凸型形状の場合には、凸型形状のコアの底面が固定極支持部材に固着され、凸型形状のでっぱり部にボビンを介して、または、ボビンを介さずにコイル巻線を巻きつけてもよい。このように、コアの形状を凸型形状とすることによって、コアの形状をE型形状とする場合に比べ、回転子と固定子との相対回転角度の変化に応じて変化する回転子と固定子との間の引き合う力をより小さくできる。その結果として、より小さな回転力で回転子5を回転させることができるので、コアの形状は凸型形状とすることがより望ましい。
以下図面を参照してより詳細に実施形態の発電装置について説明をする。
(実施形態の発電機の構造)
図1は、実施形態の発電機の固定子の一例を示す平面図である。
図1に示す実施形態の発電機の固定子の一例である固定子3は、コア1aにコイル巻線1b(図1には図示せず、図3を参照)が巻き付けられた6個の固定極Aと、固定極Aがリング状に配置されて固定されている円盤状の固定極支持部材2と有している。
固定極支持部材2の中心に示される小さな円は回転軸6が通る孔を示す。この孔を囲んでリング状に示されているボス8は固定極支持部材2に固着される。また、凸型形状をしたコア1aのでっぱり部にはボビン1cが挿入されている。ボビン1cにはコア1aのでっぱり部を巻回するコイル巻線1bが施され、コイル巻線1bの一端1bとコイル巻線1bの他端1bとが引き出されている。
図2は、実施形態の発電機の回転子の一例を示す平面図である。
図2に示す実施形態の発電機の回転子の一例である回転子5は、固定子3と組み合わせて用いられる。回転子5は、8個の直方体状の永久磁石Bとこれらの永久磁石Bがリング状に配置されて固定されている円盤状の永久磁石支持部材4とを有している。永久磁石支持部材4の中心にボス8'が配されている。
図3は、実施形態の発電機の一例を示す縦断側面図である。
図3に示す実施形態の発電機の一例である発電機1は、コア1aにコイル巻線1bが巻き付けられた偶数個の固定極Aが固定極支持部材2にリング状に等間隔に配置されている固定子3と、偶数個の永久磁石Bが永久磁石支持部材4にリング状に等間隔に配置されている回転子5と、固定子3の固定極Aと回転子5の永久磁石Bとを向かい合う位置に保持するとともに、回転子5に回転力を伝えるための回転軸6と、を備える。固定子3と回転子5とは、外筐としての回転軸保持部材9の中に収まるように回転軸6によって保持される。回転軸6は、回転軸保持部材9に配される軸受7'と固定子3に配される軸受7とによって、回転軸保持部材9および固定子3に対して回転可能となるように保持される。一方、固定子3は外筐としての回転軸保持部材9に固着される。回転子5は、ボス8'によって回転軸6に固着されるので回転軸6とともに回転する。一方、固定子3は、軸受7を介しボス8によって回転軸6に固着されるので回転軸6が回転しても回転力は固定子3には伝わらない。固定極Aのコア1aは凸型形状であっても、E型形状であってもよく、図3では凸型形状の場合が図示されている。以下の説明においては、背景技術と実施形態の技術との違いを明確にするためにE型形状のコア1aを用いる場合について説明をし、最後に凸型形状コア1aを用いる場合についてまとめて説明をする。
このように構成される実施形態の発電機1は、例えば、風力発電機の場合においては回転軸6を介して風車(図示しない)に回転子5が連結される。風車に生じる回転力が回転軸6を介して回転子5に伝達され、各々のコイル巻線1bの一端1bと他端1bとの間に電力を発生させる。
(実施形態の発電機の要部および発電機の動作原理)
実施形態の発電機の特徴は、固定極の個数と永久磁石の個数とは倍数関係とならない偶数であって固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個である点にある。ここで、倍数関係とならない偶数とは、倍数関係となる偶数である2個と4個の組み合わせを除外する趣旨である。固定極Aの個数と永久磁石Bの個数との差が2個である場合に何故、小さな回転力によって回転軸を回転させることができるかについて以下、具体的に詳述する。
まず、比較例として、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが同数の場合と、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが倍数関係の場合とについて説明をした後、実施形態の具体例として固定極Aの個数が6個、永久磁石Bの個数が8個の場合について説明をする。
<比較例:固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが同数の場合>
比較例として従来の構造である、固定極Aの個数が8個、永久磁石Bの個数が8個の場合、すなわち、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが同数の場合、について簡単に説明する。
図4は、比較例の固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが同数の場合の模式図である。
図4に示す(●)黒丸(0N、1S、2N、3S、4N、5S、6N、7Sの各符号を付す)は永久磁石Bの配置を示す。0N、2N、4N、6Nの各符号を付す永久磁石Bは、固定極Aに向かい合う面がN極の永久磁石Bである。1S、3S、5S、7Sの各符号を付す永久磁石Bは、固定極Aに向かい合う面がS極の永久磁石Bである。
図4に示す(○)白丸(0C、1C、2C、3C、4C、5C、6C、7Cの各符号を付す)は固定極Aの配置を示す。固定極Aと永久磁石Bとは向かい合うので、各々の黒丸の位置は、各々の白丸と同半径の位置にあるが、見易くするために図4においては、黒丸を白丸の内側に書いている。
各々の永久磁石Bは、各々の固定極Aに対して回転するので回転角度に応じて各々の永久磁石Bと各々の固定極Aとの相対的位置は変化する。図4に示す配置においては、各々の永久磁石Bと各々の固定極Aとの距離が最小となるので、各々の永久磁石Bが各々の固定極Aのコア1aを引く力は、最大となる。この場合には、強い回転力を永久磁石Bが配される回転子5に与えなければ回転子5は回転を開始しない。図4に示す永久磁石Bが各々の固定極Aのコア1aを引く力が最大となる配置は、回転子5の1回転の間に、固定極Aの個数、すなわち、永久磁石Bの個数と同じ回数生じる。しかも、すべての固定極Aと永久磁石Bとの間で引き合う力が発生し、その引き合う力の方向は同じ回転方向である。
図5は、図4に示す配置において微小角度だけ放射線上の永久磁石Bと固定極Aとの回転角度がずれた場合に働く力Fを示す図である。
図5(a)は、微小角度δが正の場合であり、矢印の方向が力Fの働く方向である。すべての固定極Aと永久磁石Bとの間で力Fと同方向の同じ強さの力が働き、その総和が力Fである。よって、力Fは各々の固定極Aと永久磁石Bとの間で働く力の8倍となる。
図5(b)は、微小角度−δが負の場合であり、矢印の方向が力Fの働く方向である。すべての固定極Aと永久磁石Bとの間で力Fと同方向の同じ強さの力が働き、その総和が力Fである。よって、力Fは各々の固定極Aと永久磁石Bとの間で働く力の8倍となる。
<比較例:固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが倍数関係の場合>
固定極Aの個数と永久磁石Bの個数との関係が倍数関係である場合には、固定極Aの個数または永久磁石Bの個数の中で少ない方の個数に該当する数の固定極Aと永久磁石Bとが、同一の半径上の同一の回転角度に配置する。よって、強い回転力を永久磁石Bが配される回転子5に与えなければ回転子5は回転を開始しない。その他の倍数関係においても同様である。例えば、8個と4個の組み合わせにおいては、少ない方の個数である4個に対応し、4か所で固定極Aと永久磁石Bとが、同一の半径上の同一の回転角度に配置して強い引き合う力が生じ、強い回転力を永久磁石Bが配される回転子5に与えなければ回転子5は回転を開始しない。また、固定極Aの個数が4個、永久磁石Bの個数が2個の場合、または、固定極Aの個数が2個、永久磁石Bの個数が4個の場合についても、4個の中少ない方の数である2個については固定極Aと永久磁石Bとが、同一の半径上の同一の回転角度に配置するので強い回転力を回転子5に与えなければ回転子5は回転を開始しない。
固定極Aの個数と永久磁石Bの個数との関係が倍数関係である場合について、固定極Aの個数をN、永久磁石Bの個数をMとして、以下により詳しく説明をする。
Kを2以上の正整数(2、・・・)として、N=K×M、または、M=K×Nの関係が倍数関係である。N=K×Mの場合には、Mが奇数であればNは奇数偶数のいずれの可能性もあり、Mが偶数であればNは偶数である。M=K×Nの場合には、Nが奇数であればMは奇数偶数のいずれの可能性もあり、Nが偶数であればMは偶数である。
固定極Aと永久磁石Bとは、いずれもリング状に円周方向に等間隔に配置されている。固定極Aは、回転軸6の位置から外周方向に放射する放射線の上に配置され、隣接する放射線の角度は2π/N(ラジアン)である。これらの放射線は、2π/N(ラジアン)毎に0(ラジアン)、2π/N(ラジアン)、(2π/N)×2(ラジアン)、(2π/N)×3(ラジアン)・・・・((2π/N)×(N−1))(ラジアン)と等角度のN本の線であり、この線上にN個の固定極Aが配置されている。
永久磁石Bは、回転軸6の位置から外周方向に放射する放射線の上に配置され、隣接する放射線の角度は2π/M(ラジアン)である。これらの放射線は、2π/M(ラジアン)毎に0(ラジアン)、2π/M(ラジアン)、(2π/M)×2(ラジアン)、(2π/M)×3(ラジアン)・・・・((2π/M)×(M−1))(ラジアン)と等角度のM本の線であり、この線上にM個の永久磁石Bが配置されている。
固定極Aと永久磁石Bの位置とが一致する場合、すなわち、固定極Aの角度(固定極Aがその上に配置される放射線の角度)と永久磁石Bの角度(永久磁石Bがその上に配置される放射線の角度)とが一致するときに強い力で固定極Aと永久磁石Bとは引き合う。よって、N=K×Mの場合には回転子5が1回転する間に(2π/N)×K(ラジアン)毎にM回、M個の固定極Aと永久磁石Bとの間で同方向の同じ強さの力が働きく。よって、回転子5と固定子3との間に働く力Fは各々の固定極Aと永久磁石Bとの間で働く力のM倍となる。
一方、M=K×Nの場合には回転子5が1回転する間に(2π/M)×K(ラジアン)毎にN回、N個の固定極Aと永久磁石Bとの間で同方向の同じ強さの力が働く。よって、回転子5と固定子3との間に働く力Fは各々の固定極Aと永久磁石Bとの間で働く力のN倍となる。
<実施形態:固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とがともに偶数、個数の差が2個の場合>
図6ないし図18は、実施形態の発電機における固定極Aの位置(白丸)と永久磁石Bの位置(黒丸)との関係を示す図である。固定極Aと永久磁石Bとは向かい合うので、各々の黒丸の位置は、白丸と同一半径である半径Rの位置にあるが、見易くするために図6ないし図18においては、黒丸を白丸の内側に書いている。なお、固定極Aと永久磁石Bとを入れ替えた場合も以下の説明は妥当する。
図6は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差0)を示す図である。
図7は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差π/12)を示す図である。
図8は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×2)を示す図である。
図9は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×3)を示す図である。
図10は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×4)を示す図である。
図11は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×5)を示す図である。
図12は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×6)を示す図である。
図13は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×7)を示す図である。
図14は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×8)を示す図である。
図15は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×9)を示す図である。
図16は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×10)を示す図である。
図17は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×11)を示す図である。
図18は、実施形態の発電機における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差(π/12)×12)を示す図である。
図6ないし図18は、固定極Aを配する固定子3の位置と永久磁石Bを配する回転子5の位置が、図6に示す基準位置(位相差0)から図18に示す半回転した位置であるπ(ラジアン)までの範囲を、各々の図によってπ/12(ラジアン)回転毎の固定極Aの位置と永久磁石Bの位置とを図示するものである。(π/12)×13ないし2π(1回転)までの図、および、π/12毎の中間にある固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との位置関係を表す図は省略する。それらの位置関係は、図6ないし図18から容易に理解できることと、これらの位置における固定子3と回転子5との間に働く力も図6ないし図18から容易に理解できることが、図面を省略した理由である。
図6は、発電機1における固定極Aの位置と永久磁石Bの位置との関係(位相差0)を示す。回転角度の基準線は、回転軸6と符号0Cを付した白丸で示す固定極Aを結ぶ直線である。基準線上にある符号0Cを付した白丸で示す固定極Aと基準線上にある符号0Nを付した黒丸で示す永久磁石Bとは同一位置にあり、符号0Cを付した固定極Aと符号0Nを付した永久磁石Bとの位相差は0である。
回転軸6と符号0Cを付した固定極Aとを結ぶ放射線と、符号1Cを付した固定極Aとを結ぶ放射線とのなす角度は、π/4(ラジアン)である。同様に、その他の回転軸6と固定極Aとを結ぶ複数本の放射線において、隣接する放射線のなす角度はπ/4(ラジアン)である。
回転軸6と符号0Nを付した永久磁石Bとを結ぶ放射線と符号1Sを付した永久磁石Bとを結ぶ放射線とのなす角度は、π/3(ラジアン)である。同様に、その他の回転軸6と永久磁石Bとを結ぶ複数本の放射線において、隣接する放射線のなす角度はπ/3(ラジアン)である。
ここで、実施形態において永久磁石Bの個数を偶数個に限った理由は、永久磁石Bの個数が奇数個であれば、リング状にN極とS極とが交互に並ぶことがなく磁界の均一性が崩れるからである。図6に示すように永久磁石Bの個数が偶数個であれば、リング状にN極とS極とが交互に並び、磁界の均一性を保つことができる。
図6に示す基準位置における回転子5と固定子3との間に発生する力について以下が成り立つ。回転子5と固定子3との間に発生する力は、各々の永久磁石Bに働く力の総和である。固定極Aと永久磁石Bとの間に働く力の源泉は、固定極Aのコア1aと永久磁石Bとが引き合う力である。固定極Aと永久磁石Bとの間に働く力の大きさは、固定極Aと永久磁石Bとの離間距離の2乗に反比例する。隣接する固定極Aと永久磁石Bとの間における力のみが支配的である。固定極Aと永久磁石Bとが同一放射線上に位置するときは、当該固定極Aと当該永久磁石Bとの間の力のみが支配的である。以下において、各々の永久磁石Bに働く力を求め、それらの力の総和である回転子5を回転させる力を求める。
0Nに働く力
*0Nと0C間の力
f/d
(0Nと0C間の微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。dは回転軸6の伸びる方向の固定極Aと永久磁石Bとの間の距離である。)
1Sに働く力
*1Sと1C間の力
−f/{d+R×(π/3−π/4)
(R×(π/3−π/4)は円周に沿う方向の固定極Aと永久磁石Bと間の距離の2乗であり、dは回転軸6の伸びる方向の固定極Aと永久磁石Bとの間の距離の2乗であり、両者の和は固定極Aと永久磁石Bと間の距離の2乗である。)
*1Sと2C間の力
+f/{d+R×(π/2−π/3)
(R×(π/2−π/3)は円周に沿う固定極Aと永久磁石Bと間の距離の2乗であり、dは回転軸6の伸びる方向の固定極Aと永久磁石Bとの間の距離の2乗であり、両者の和は固定極Aと永久磁石Bと間の距離の2乗である。)
2Nに働く力
*2Nと2C間の力
−f/{d+R×(π/2−π/3)
*2Nと3C間の力
+f/{d+R×(π/3−π/4)
3Sに働く力
*3Sと4C間の力
f/d
(3Sと4C間の微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
4Nに働く力
*4Nと5C間の力
−f/{d+R×(π/3−π/4)
*4Nと6C間の力
+f/{d+R×(π/2−π/3)
5Sに働く力
*5Sと6C間の力
−f/{d+R×(π/2−π/3)
*5Sと7C間の力
+f/{d+R×(π/3−π/4)
以上の0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号0Cを付した固定極Aとの間の力、符号3Sを付した永久磁石Bと符号4Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図7に示すπ/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号2Nを付した永久磁石Bと符号3Cを付した固定極Aとの間の力、符号5Sを付した永久磁石Bと符号7Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図8に示す2×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号1Sを付した永久磁石Bと符号2Cを付した固定極Aとの間の力、符号4Nを付した永久磁石Bと符号6Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図9に示す3×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号1Cを付した固定極Aとの間の力、符号3Sを付した永久磁石Bと符号5Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図10に示す4×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号2Nを付した永久磁石Bと符号4Cを付した固定極Aとの間の力、符号5Sを付した永久磁石Bと符号0Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図11に示す5×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号1Sを付した永久磁石Bと符号3Cを付した固定極Aとの間の力、符号4Nを付した永久磁石Bと符号1Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図12に示す6×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号2Cを付した固定極Aとの間の力、符号3Sを付した永久磁石Bと符号6Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図13に示す7×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号5Sを付した永久磁石Bと符号1Cを付した固定極Aとの間の力、符号2Nを付した永久磁石Bと符号5Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図14に示す8×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号1Sを付した永久磁石Bと符号4Cを付した固定極Aとの間の力、符号4Nを付した永久磁石Bと符号0Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図15に示す9×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号3Cを付した固定極Aとの間の力、符号3Sを付した永久磁石Bと符号7Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図16に示す10×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号5Sを付した永久磁石Bと符号2Cを付した固定極Aとの間の力、符号2Nを付した永久磁石Bと符号6Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図17に示す11×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号4Nを付した永久磁石Bと符号1Cを付した固定極Aとの間の力、符号1Sを付した永久磁石Bと符号5Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図18に示す12×π/12回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号4Cを付した固定極Aとの間の力、符号3Sを付した永久磁石Bと符号0Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
以上のように、他のπ/12×正整数、回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
F=2×f/dとなる理由は以下である。第1の理由は、永久磁石Bの個数と固定極Aの個数がともに偶数であり、2個異なるので、2π/M−2π/N(ラジアン)毎に永久磁石Bと固定極Aとの位置が一致し、その一致する永久磁石Bと固定極Aの組みの数は2組だけであり、その2組の永久磁石Bと固定極Aの間に働く力は同一回転方向であり加算され、1個の永久磁石Bと1個の固定極Aの間に働く力が2倍となることである。第2の理由は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が一致しないその他(その2組の永久磁石Bと固定極A以外)の永久磁石Bと固定極Aとの間に働く力はキャンセルして0(回転力が0)になることである。
図19は、回転角度(ラジアン)に対する回転子と固定子との間に働く力Fの関係を示す図である。図19(a)ないし図19(d)の各々の図の縦軸は力F、横軸は回転角度である。各々の図の縦軸は、仮にすべての永久磁石Bと固定極Aとの位置が一致したとする場合に発生する力を1として規格化している。力Fは(+)正方向(図6のFFを参照)、(−)負方向(図6のFRを参照)に働く。
図19(a)ないし図19(d)に示す各々の発電機で得られる起電力の大きさを同じにするために、各々の発電機における永久磁石Bの磁力の総和が同じであるであるとして対比する。図19(c)の永久磁石Bの個数と固定極Aの個数とが同数である場合の磁力の総和を基準にして、この場合に回転子5と固定子3との間に働く力を1として比較する。永久磁石Bの1個当たりの磁力の強さは、図19(c)の8個を基準にすれば、図19(a)の6個の場合は、8/6倍、図19(d)の4個の場合は、8/4倍となる。
図19(a)は、実施形態の永久磁石Bの個数が6個、固定極Aの個数が8個の発電機1の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が8個中2個一致するので、(8/6)×(2/8)=1/3である。
図19(b)は、図6に示す固定極Aと永久磁石の配置を入れ替え、永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が6個の発電機1の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が8個中2個一致するので、(8/8)×(2/8)=1/4である。
図19(c)は、比較例である永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が8個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が8個中8個一致するので1である。
図19(d)は、別の比較例である永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が4個の倍数関係にある発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が8個中4個一致するので、(8/4)×(4/8)=1である。
永久磁石Bと固定極Aとの間で引き合う力について図19(a)ないし図19(d)を対比する。実施形態の発電機1(永久磁石Bの個数が6個、固定極Aの個数が8個の2個の差)においては、永久磁石Bが2個以外は、無いと同じように引き合う力については作用する。一方、比較例の発電機(永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が8個の同数)においては、すべての永久磁石Bと固定極Aとの間で引き合う力が発生する。また、別の比較例の発電機(永久磁石Bの個数が4個、固定極Aの個数が8個の倍数関係)においては、永久磁石Bと固定極Aとの個数が小さい方の個数に対応する引き合う力が発生する。よって、図19(a)、図19(b)に示すように、実施形態の発電機1が最も小さな回転力によって回転する。
永久磁石Bの個数と固定極Aの個数とを入れ替えた場合にも、実施形態の発電機1、比較例の発電機(永久磁石Bの個数と固定極Aの個数とが同数)、別の比較例の発電機(永久磁石Bの個数と固定極Aの個数とが倍数関係)における永久磁石Bと固定極Aとの間の引き合う力の及ぶ関係は配置に関しては同様になる。しかしながら、永久磁石Bの個数を少なくした場合には、その分、永久磁石Bの磁力を強くしなければ同じ起電力を得られない。そのために、同じ2個の差であっても、図19(b)に示すように永久磁石Bの個数が固定極Aの個数よりも大きい方の組み合わせが、図19(a)に示すように永久磁石Bの個数が固定極Aの個数よりも小さい方の組み合わせよりも小さな回転力によって回転する。
<他の実施形態:固定極Aの個数が6個、永久磁石Bの個数が4個の場合>
図20ないし図23を参照して、固定極Aの個数が6個、永久磁石Bの個数が4個の場合について説明をする。この場合にも、固定極の個数と永久磁石の個数とは倍数関係とならない偶数であって固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個である。固定極Aはπ/3(ラジアン)毎に配され、永久磁石Bはπ/2(ラジアン)毎に配されている。よって、回転子5の回転にともない、π/2−π/3=1/6π(ラジアン)毎に2組の固定極Aと永久磁石Bとは回転の中心である回転軸6からの距離と半径方向の回転角度とが同一となる。図20ないし図23は、位相差が0からπ/2(ラジアン)までを示す図である。その他の位相差の図面および説明は省略する。
図20は、固定極Aと永久磁石Bの位相差が0のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
位相差が0における回転子5と固定子3との間に発生する力は、0N、1S、2N、3Sに働く力の総和である力Fである。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号0Cを付した固定極Aとの間の力、符号2Nを付した永久磁石Bと符号3Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図21は、固定極Aと永久磁石Bの位相差がπ/6のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図21に示すπ/6回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号1Sを付した永久磁石Bと符号2Cを付した固定極Aとの間の力、符号3Sを付した永久磁石Bと符号5Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図22は、固定極Aと永久磁石Bの位相差が2×π/6のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図22に示す2×π/6回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号1Cを付した固定極Aとの間の力、符号2Nを付した永久磁石Bと符号4Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図23は、固定極Aと永久磁石Bの位相差が3×π/6のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図23に示す3×π/6回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号3Sを付した永久磁石Bと符号0Cを付した固定極Aとの間の力、符号1Sを付した永久磁石Bと符号3Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図24は、固定極Aと永久磁石Bの位相差が4×π/6のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図24に示す4×π/6回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号2Cを付した固定極Aとの間の力、符号2Nを付した永久磁石Bと符号5Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
なお、永久磁石Bの個数が4個、固定極Aの個数が6個の場合も、永久磁石Bの個数が6個、固定極Aの個数が4個の場合と同様の配置関係において力が働く。しかしながら、上述したように、同一の起電力を得るためには、永久磁石Bの個数が4個の場合には、永久磁石Bの個数が6個の場合に比べて、1個当たりの磁力をより大きくしなければならない。
<他の実施形態:固定極Aの個数が10個、永久磁石Bの個数が8個の場合>
図25ないし図30を参照して、固定極Aの個数が10個、永久磁石Bの個数が8個の場合について説明をする。この場合にも、固定極の個数と永久磁石の個数とは倍数関係とならない偶数であって固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個である。固定極Aはπ/5(ラジアン)毎に配され、永久磁石Bはπ/4(ラジアン)毎に配されている。よって、回転子5の回転にともない、π/4−π/5=1/20π(ラジアン)毎に2組の固定極Aと永久磁石Bとは回転の中心である回転軸6からの距離と半径方向の位置とが同一となる。図25ないし図30は、位相差が0からπ/5(ラジアン)までを示す図である。他の位相差の図面は省略する。
図25は、固定極Aと永久磁石Bとの位相差が0のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図25に示す固定極Aと永久磁石Bとの位相差が0における回転子5と固定子3との間に発生する力は、0N、1S、2N、3S、4N、5S、6N、7Sに働く力の総和である力Fである。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号0Cを付した固定極Aとの間の力、符号4Nを付した永久磁石Bと符号5Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図26は、固定極Aと永久磁石Bとの位相差がπ/20のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図26に示すπ/20回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5S、6N、7Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号3Sを付した永久磁石Bと符号4Cを付した固定極Aとの間の力、符号7Sを付した永久磁石Bと符号9Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図27は、固定極Aと永久磁石Bとの位相差が2×π/20のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図27に示す2×π/20回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5S、6N、7Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号2Nを付した永久磁石Bと符号3Cを付した固定極Aとの間の力、符号6Nを付した永久磁石Bと符号8Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図28は、固定極Aと永久磁石Bとの位相差が3×π/20のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図28に示す3×π/20回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5S、6N、7Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号1Sを付した永久磁石Bと符号2Cを付した固定極Aとの間の力、符号5Sを付した永久磁石Bと符号7Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
図29は、固定極Aと永久磁石Bとの位相差が4×π/20のときの回転子5と固定子3との位置関係を示す図である。
図29に示す4×π/20回転した位置における回転子5と固定子3との間に発生する力についても同様に0N、1S、2N、3S、4N、5S、6N、7Sに働く力の総和である力Fは、以下のようになる。
F=2×f/d
(微小角度δが正であればFR(−)方向、負であればFF(+)方向の回転力が働く。)
ここで、符号0Nを付した永久磁石Bと符号1Cを付した固定極Aとの間の力、符号4Nを付した永久磁石Bと符号6Cを付した固定極Aとの間の力のみが有効で、その他の力の和は0となる。
なお、永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が10個の場合も、永久磁石Bの個数が10個、固定極Aの個数が8個の場合と同様の配置関係において力が働く。しかしながら、上述したように、同一の起電力を得るためには、永久磁石Bの個数が4個の場合には、永久磁石Bの個数が6個の場合に比べて、1個当たりの磁力をより大きくしなければならない。
図30は、回転子5の回転角度(ラジアン)に対する回転子5と固定子3との間に働く力Fの関係を示す図である。
図30(a)ないし図30(c)に示す各々の実施形態は、永久磁石Bの個数が固定極Aの個数よりも小さい場合である。図(a)は永久磁石Bの個数が4個、固定極Aの個数が6個、図(b)は永久磁石Bの個数が6個、固定極Aの個数が8個、図(c)は永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が10個の場合である。
図19における比較結果とも整合し、図30と図19との対比もできるように、図19におけると同様に、永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が8個の場合に働く力Fを基準値である1として比較検討が可能なように図示する。
図30(a)ないし図30(c)の各々の図の縦軸は力F、横軸は回転角度である。各々の図の縦軸は、力を規格化している。力Fは(+)正方向(図6のFFを参照)、(−)負方向(図6のFRを参照)に働く。
図30(a)は、他の実施形態である永久磁石Bの個数が4個、固定極Aの個数が6個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。永久磁石Bと固定極Aとの位置が6個中2個一致するので、(8/4)×(2/6)=2/3である。ここで(8/4)は、上述した磁力の強さを規格化する係数である。
図30(b)は、実施形態である永久磁石Bの個数が6個、固定極Aの個数が8個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が8個中2個一致するので、(8/6)×(2/8)=1/3である。ここで(8/6)は、上述した磁力の強さを規格化する係数である。
図30(c)は、別の他の実施形態である永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が10個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が10個中2個一致するので、(8/8)×(2/10)=1/5である。ここで(2/10)は、上述した磁力の強さを規格化する係数である。
永久磁石Bと固定極Aとの間で引き合う力について図30(a)ないし図30(c)を対比する。すべての実施形態の発電機においては、永久磁石Bが2個以外は、力Fに関しては無いと同じように作用する。図30(a)では、力Fの最大値は2/3であり、図30(b)では、力Fの最大値は1/3であり、図30(a)では、力Fの最大値は1/5である。このように永久磁石Bの磁力の総和を一定とする場合には、永久磁石Bの個数が大きくなるほど、小さな回転力によって回転子5を回転させることができる。
図31は、永久磁石Bの個数と固定極Aの個数とを入れ替えた場合について図30と対比する図である。
図31(a)は、永久磁石Bの個数が6個、固定極Aの個数が4個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。永久磁石Bと固定極Aとの位置が6個中2個一致するので、(8/6)×(2/6)=1/2である。ここで(8/6)は、上述した磁力の強さを規格化する係数である。
図31(b)は、実施形態である永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が6個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が8個中2個一致するので、(8/8)×(2/8)=1/4である。ここで(8/8)は、上述した磁力の強さを規格化する係数である。
図31(c)は、永久磁石Bの個数が10個、固定極Aの個数が8個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が10個中2個一致するので、(8/10)×(2/10)=4/25である。ここで(8/10)は、上述した磁力の強さを規格化する係数である。
図31と図30とを対比すれば、永久磁石Bの個数と固定極Aの個数とを、固定極Aの個数>永久磁石Bの個数から、永久磁石Bの個数>固定極Aの個数と入れ替えることによって、力Fの最大値は以下のように変化する。図30(a)の2/3が図31(a)の1/2に、図30(b)の1/3が図31(b)の1/4に、図30(c)の1/5が図31(c)の4/25になる。永久磁石Bの個数>固定極Aの個数とする方が、同一起電力を得る場合においては、軽い回転力で回転子5を回転させることができる。永久磁石Bの個数/固定極Aの個数の値が大きい程、永久磁石Bの個数>固定極Aの個数とする場合の改善効果が大きい。永久磁石Bの個数/固定極Aの個数の値が1に近づく程、永久磁石Bの個数>固定極Aの個数とする場合の力Fをより小さくする改善効果が乏しくなる。
図32は、固定極Aの個数が4個であり永久磁石Bの個数が2個の場合を示す図である。
固定極Aの個数が4個であり永久磁石Bの個数が2個、または、固定極Aの個数が2個であり永久磁石Bの個数が4個である場合は、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが偶数であって固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個である特別な場合であるので詳述する。
図32(a)に示す配置は固定極Aと永久磁石Bとの位相差が0であり、図32(a)ないし図32(e)まで、順次、π/4(ラジアン)、すなわち、90°ずつ固定極Aと永久磁石Bとの位相差が増加する。
固定極Aの個数が4個であり永久磁石Bの個数が2個の場合は、固定極Aと永久磁石Bとがともに偶数であり、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数との差が2個である。しかしながら、この2個の永久磁石Bは、力がキャンセルする一点である32(b)、32(d)、32(f)以外のどのような位置にあっても、回転子5の回転を妨げる方向に力Fを及ぼす。他の実施形態のように、永久磁石Bの回転力のキャンセル効果は生じない。すなわち、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが2個と4個の場合には実施形態特有の効果が生じない。固定極Aの個数が2個であり永久磁石Bの個数が4個の場合も同様である。ここで、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数との関係は、倍数関係である。固定極Aの個数と永久磁石Bの個数との差が2個でありながら、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数が倍数関係となるのは、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とが2個と4個の場合だけである。
図33は、実施形態の発電機における固定極Aの構造を示す図である。
ここまでの説明は、特許文献1にも記載されたE型形状のコアを固定極Aに用いて場合について説明をしてきた。E型形状のコアに替えて凸型形状のコアを用いることによって、さらに、小さな回転力で回転子を回転させることができるのでこの点について説明をする。
図33(a)、図33(b)は、特許文献1に記載されたと同様のE型形状のコアを用いる固定極Aの構造を示す図である。図33(a)は平面図、図33(b)は正面図である。図33(a)、図33(b)に示す構造の固定極Aは、E型形状のコア1a、コイル巻線1b、ボビン1c、コイル巻線の一端1bおよび他端1bを有する。
図33(c)、図33(d)は、本実施形態に用いるにより好適な凸型形状のコアを用いる固定極Aの構造を示す図である。図33(c)は平面図、図33(d)は正面図である。図33(c)、図33(d)に示す構造の固定極Aは、凸型形状のコア1a、コイル巻線1b、ボビン1c、コイル巻線の一端1bおよび他端1bを有する。
図33(e)は、永久磁石Bからの磁束がE型形状のコア1aにどのように入るかを示す模式図である。図33(f)は、永久磁石Bからの磁束が凸型形状のコア1aにどのように入るかを示す模式図である。
図33(e)に示すように永久磁石Bからの磁束Mbは、E型形状のコア1aの3本のでっぱり部に磁束Mb1、磁束Mb2、磁束Mb3と分流する。ここで、磁束Mb1はコイル巻線1bに鎖交するので起電力の発生に寄与するが、磁束Mb2、磁束Mb3はコイル巻線1bに鎖交しないので起電力の発生に何ら寄与しない。一方、磁束Mb1、磁束Mb2、磁束Mb3のすべてが永久磁石Bとコア1aとの引き合う力に寄与する。よって、例えば、3本のでっぱり部の磁束Mbに垂直方向の断面積が同じであるとすれば、磁束Mbの1/3しか起電力に寄与しないこととなる。
図33(f)に示すように永久磁石Bからの磁束Mbは、凸型形状のコア1aのでっぱり部を通過する。ここで、磁束Mbはすべてコイル巻線1bに鎖交するので起電力の発生に寄与する。一方、磁束Mbが永久磁石Bとコア1aとの引き合う力に寄与する。
よって、凸型形状のコア1aを用いる場合には、E型形状のコア1aを用いる場合と同じ起電力を得るためには、永久磁石Bから発生する磁束は、例えば、1/3でよいこととなる。このことは、凸型形状のコア1aと永久磁石Bとの引き合う力は、E型形状のコア1aとE型形状のコア1aとを用いる場合の1/3とできることを意味する。
図34は、E型形状のコア1aに替えて凸型形状のコア1aを用いる場合の回転子の回転角度(ラジアン)に対する回転子と固定子との間に働く力Fの関係を示す図である(永久磁石の数>固定極の数の場合)。
図34は図31と対比する図である。図31を得るに用いたE型形状のコア1aに替えて、図34を得るために凸型形状のコア1aを用いた。それとともに、図31を得る場合の永久磁石Bの磁束を、図34を得る場合には1/3にした。上述したように永久磁石Bの磁束を1/3にしても発電機から得られる起電力は変化せず、回転子と固定子との間に働く力Fの大きさは、図31における1/3とできる。
以下、図31と対比して説明する。図34(a)は、永久磁石Bの個数が6個、固定極Aの個数が4個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が6個中2個一致するので、(8/6)×(2/6)×(1/3)=1/6である。ここで(8/6)は、上述した磁力の強さを規格化する係数であり、(1/3)は凸型形状のコアを用いることによる磁束の削減係数である。
図34(b)は、実施形態である永久磁石Bの個数が8個、固定極Aの個数が6個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が8個中2個一致するので、(8/8)×(2/8)×(1/3)=1/12である。ここで(8/8)は、上述した磁力の強さを規格化する係数であり、(1/3)は凸型形状のコアを用いることによる磁束の削減係数である。
図31(c)は、永久磁石Bの個数が10個、固定極Aの個数が8個の発電機の回転角度(ラジアン)と力Fとの関係を示す図である。力Fの最大値は、永久磁石Bと固定極Aとの位置が10個中2個一致するので、(8/10)×(2/10)×(1/3)=4/75である。ここで(8/10)は、上述した磁力の強さを規格化する係数であり、(1/3)は凸型形状のコアを用いることによる磁束の削減係数である。
(実施形態の発電機の起電力)
実施形態の発電機の回転子を小さな力で回転可能とする技術について、以上において説明をしてきた。以下においては、実施形態の発電機の起電力について説明をする。実施形態の発電機においては、固定極Aの個数と永久磁石Bの個数とがともに偶数であり、その個数の差は2個である。このような固定極Aのコイル巻線から得られる起電圧は特別な特徴を有している。
図35は、実施形態の発電機(固定極の個数が10個であり永久磁石の個数が8個)におけるコイル巻線の配置を示す図である。
図36は、実施形態の発電機におけるコイル巻線(10個のコイル巻線)の種々の結線を示す図である。
図37は、実施形態の発電機におけるコイル巻線(10個のコイル巻線)の起電圧を示す図である。
図35、図36、図37を参照して、固定極の個数が10個であり永久磁石の個数が8個の発電機について具体的に説明をする。
図35は、図25に記載した白丸の位置に、コイル巻線0Cないしコイル巻線9Cの各々が配置されていることを示す。永久磁石Bの円周上の間隔が広い場合には、永久磁石Bの回転にともない各々のコイル巻線に発生する起電圧はパルス形状となる。永久磁石Bの円周上の間隔を適宜に定めると、各々のコイル巻線に発生する起電圧は正弦波形状となるので、起電圧は正弦波形状であるとして説明をする。
図36は、コイル巻線0Cないしコイル巻線9Cの各々の接続方法を示す図である。コイル巻線は偶数個であるので、図36(a)ないし図36(d)の4種類の接続が実施例として可能である。図36(a)は、コイル巻線毎に起電力を出力する接続方法である。図36(b)は、コイル巻線の起電圧が同位相となる2つのコイル巻線(回転軸6を中心としてπ(ラジアン)、すなわち、180°回転させたときに重なる位置にあるコイル巻線)を並列接続するものである。起電圧は同じであるが取り出せる電流の大きさは2倍になる。図36(d)は、コイル巻線の起電圧が同位相となる2つのコイル巻線を直列接続するものである。起電圧は2倍となるが、取り出せる電流の大きさは同じである。図36(d)は、図36(a)と同様にコイル巻線毎に起電力を出力する接続方法である。図36(d)に示す接続方法によれば、起電圧φ5ないし起電圧φ9の各々は、起電圧φ0ないし起電圧φ4の各々と位相が180°異なるので、異なる位相の起電圧を10種類得ることができる。ここで、一般的には巻線コイルの個数をNとすれば、図36(d)に示す接続方法によれば、N個の異なる位相の起電力を得ることができる。
図37は、コイル巻線0Cないしコイル巻線9Cの各々から得られる起電圧φ0ないし起電圧φ9の各々を示す。ここで、図37は、コイル巻線の接続方法は、図36(a)に示す接続を用いた場合である。
回転子5が1回転(2πラジアン、360°)すると各々のコイル巻線から4周期の正弦波形状の起電圧が得られる。ここで4周期であるのは永久磁石Bの個数を2で割った数である。一般的には、永久磁石Bの個数がMであれば、回転子1回転すればM/2周期の正弦波形状の起電圧が得られる。
起電圧φ0を基準とすると、起電圧φ1はπ/5遅れ、起電圧φ2は2×π/5遅れ、起電圧φ3は3×π/5遅れ、起電圧φ4は4×π/5遅れる。起電圧φ5は起電圧φ0と同位相であり、起電圧φ6は起電圧φ1と同位相であり、起電圧φ7は起電圧φ2と同位相であり、起電圧φ8は起電圧φ3と同位相であり、起電圧φ9は起電圧φ4と同位相である。ここで、一般的には、コイル巻線の個数がNである場合には、各々のコイル巻線間の位相はπ/(2×N)異なる。そして、起電圧φ0と起電圧φ(N/2)の位相は同位相であり、起電圧φ(0+i)と起電圧φ((N/2)+i)である、(i=1、2、・・M/2)。このように、同位相の起電圧が必ず2個発生し、回転軸6を通過する直線上に配される2個の固定極Aの各々のコイル巻線を並列接続または直列接続することができる理由は、コイル巻線の数が偶数だからである。
例えば、2相の商用交流電力系統と実施形態の発電機とを同期運転して、交流電力系統に電力を送るためには、コイル巻線の個数は4個とし、3相の商用交流電力系統と実施形態の発電機とを同期運転して、交流電力系統に電力を送るためには、コイル巻線の個数は6個とする。発電機から得られる起電力を直流電力に変換して用いる場合には、多相整流回路を用いて整流特性が良好な直流電力を得ることができる。
(実施形態の発電機の要部のまとめ)
実施形態の発電機は、コアにコイル巻線が巻き付けられた偶数個の固定極が固定極支持部材にリング状に等間隔に配置されている固定子と、偶数個の永久磁石が永久磁石支持部材にリング状に等間隔に配置されている回転子と、固定子の固定極と回転子の永久磁石とを向かい合う位置に保持するとともに、回転子に回転力を伝えるための回転軸と、を備える発電機である。実施形態の発電機の要部は、以下である。
実施形態の発電機は、固定極の個数と永久磁石の個数とは倍数関係とならない偶数であって固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個である。ここで、固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個でありながら倍数関係が成立する場合は、固定極の個数が2個で永久磁石の個数が4個、または、固定極の個数が4個で永久磁石の個数が2個の場合である。この場合には、一方の個数が2個であるところから、実施形態から除外される。
偶数であって固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個であることによって以下の効果が生じる。まず、永久磁石の個数が偶数であることによって、必ず、N極とS極とを交互に配置できるので永久磁石が発生する磁界が均一になる。次に、固定極と永久磁石の個数がともに偶数であり、固定極の個数と永久磁石の個数との差が2個であることから、(1)固定極と永久磁石とが向かい合う配置の態様は、一定の回転角度毎に周期的に同じ配置関係が生じる。(2)固定極と永久磁石とが向かい合う配置は、2箇所で同時に発生し、その位置はπ(ラジアン)、すなわち、180°の角度差(位相差)を有する。(3)固定極と永久磁石とが向かい合う配置となる2箇所では同じ回転方向に固定極と永久磁石とが引き合う力が働き、その他の位置にある固定極と永久磁石とが引き合う力の総和は0である。よって、上述した一定の角度周期毎に回転子を回転させる力が最大となるが、その力の大きさは、1個の固定極と1個の永久磁石とが引き合う力の2倍を超えることはない。
固定極の個数よりも永久磁石の個数が2個大きい場合の方が、永久磁石の個数よりも固定極の個数が2個大きい場合よりも、より小さな回転力で回転子を回転させることができる。固定極と永久磁石の個数のいずれが大きいかによる回転子を回転させる力の差は、固定極および永久磁石の個数の増加にともない小さくなる。
固定極の形状については、凸型形状のコアを用いる場合の方が、E型形状のコアを用いる場合よりも、より小さな回転力で回転子を回転させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限らず同一の技術的思想の範囲に及ぶ。また、実施形態は、上述した実施形態のみならずこれらを組み合わせた実施形態も可能である。
1 発電機、 1a コア、 1b コイル巻線、 1c ボビン、 2 固定極支持部材、 3 固定子、 4 永久磁石支持部材、 5 回転子、 6 回転軸、 7, 7' 軸受、 8, 8' ボス、 9 回転軸保持部材、 A 固定極、 B 永久磁石

Claims (4)

  1. コアにコイル巻線が巻き付けられた偶数個の固定極が固定極支持部材にリング状に等間隔に配置されている固定子と、
    偶数個の永久磁石が永久磁石支持部材にリング状に等間隔に配置されている回転子と、
    前記固定子の前記固定極と前記回転子の前記永久磁石とを向かい合う位置に保持するとともに、前記回転子に回転力を伝えるための回転軸と、を備え、
    前記固定極の個数と前記永久磁石の個数とは倍数関係とならない偶数であって前記固定極の個数と前記永久磁石の個数との差が2個である、
    発電機。
  2. 前記永久磁石の個数が前記固定極の個数よりも大きい、請求項1に記載の発電機。
  3. 前記コアの形状は凸型形状をし、前記凸型形状の底面が前記固定極支持部材に固着され、前記凸型形状のでっぱり部に前記コイル巻線が巻きつけられている、請求項1または請求項2に記載の発電機。
  4. 前記回転軸を通過する直線上に配される2個の前記固定極の前記コイル巻線を並列接続または直列接続する、請求項1ないし請求項3の1項に記載の発電機。
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