JP2015037023A - 光電極層の製造方法および光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電極層における電極上の色素の吸着安定性を向上させる。
【解決手段】分子内に不飽和結合を有する色素を半導体層に吸着させ、吸着させた色素を架橋反応またはテロメリゼーション反応させる。
【選択図】なし
【解決手段】分子内に不飽和結合を有する色素を半導体層に吸着させ、吸着させた色素を架橋反応またはテロメリゼーション反応させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、光電極層の製造方法およびこの製造方法により製造される光電極層を有する光電変換素子に関するものである。
近年地球の環境破壊が大きな社会問題になっている。その原因のひとつは化石燃料の大量消費による大気中の炭酸ガス増加に起因する地球温暖化によるものである。化石燃料の枯渇はエネルギー資源の問題でもある。原発の安全性が懸念される中、エネルギー問題は深刻さを増しており、化石燃料の代替として風力などの自然エネルギーが見直されている。その中、自然エネルギーの代表ともいうべき太陽光の利用は太陽電池として既に実用化されている。
しかし、現在製品化されているのはシリコン、ガリウム−ヒ素、硫化カドミウム等の無機太陽電池である。これらの無機材料を利用した太陽電池は高変換効率で耐久性も良いものが多い反面、製造にクリーンルームなどの特殊な設備を必要とするため製造コストが高いことに加えて、使用原料の毒性等から環境・資源的な問題を抱えているものが多い。このため、これに代わる低コストで環境負荷の少ない原料を用いた新規太陽電池の開発が強く要望されている。
次世代型の太陽電池として近年特に注目を集めているのは、有機材料を使った太陽電池である。有機太陽電池には大別して有機薄膜太陽電池と色素増感太陽電池(Dye Sensitized Solar Cell、以下、DSCともいう)がある。有機薄膜電池はポリマー、フラーレンなどの有機材料を組み合わせてp−n接合を達成したものであり、動作の機構は無機太陽電池と全く同じである。この有機薄膜太陽電池の製造においても無機太陽電池と同様に真空ラインやクリーンルームなどの特殊な設備が必要であり、コストダウンも含めた早期実用化にはクリアーしなければならない技術的課題も多く、製品化にはもう少し時間が必要とされている。
これに対し、製品化の段階にあるDSCは、p−n接合型とは異なる光合成類似のメカニズムで作動する。DSCは酸化チタンなどの無機半導体に色素を増感剤として吸着させた作用電極と白金等の対極の間を電解液で充たした溶液型電池である。このDSCの製造には特殊な設備は必要とせず、さらに材料も安価であるため大幅なコストダウンの可能性が高い。さらに色素を変更するだけで色バリエーシュンを持ったカラフルな太陽電池を作製することもできる。これは他の太陽電池にはなかった特徴であり、デザイン性は特に優れている(非特許文献1)。
DSCの中でもグレッツエル型と呼ばれるものは、とりわけ洗練されたシンプルな構造を持っており、無機・有機ハイブリッド型モレキュラーデバイスともいうべき光電変換素子である。その作用極には高温焼結で製作したラフネス・ファクターの大きいナノポーラス酸化チタンを用い、これに新規開発の高性能増感色素(ルテニウム色素)を単分子状態で吸着させて作製した作用極と対極の間にヨウ素系電解液を満たし、現在12%を越す高変換効率が達成されている。発明者グレッツエルの基本特許は2008年に切れたため、中小企業の参入も容易になり、低コスト次世代太陽電池として最も製品化が近いといわれている。
しかしながら、このグレッツエル型DSCの製品化においても、クリアーしなければならない課題がいくつか残っている。その一つは電極の耐久性の向上(安定化)と増感色素のコストダウンである。現在知られている実用レベルの高性能色素のほとんどはルテニウム錯体に限られている(例えば特許文献1)。
ルテニウムは年間採掘量50t未満の希少金属であり、資源的およびコスト的な問題に加え、色素の毒性が高いという問題もある。これを克服すべく、ルテニウムなどの金属を含まない有機色素の開発が世界中で精力的に行われ、多くの報告がある(例えば特許文献2)。しかしながら変換効率や、特に耐久性の点で、いまだルテニウム色素を凌駕するものがないのが現状である。さらにルテニウム色素でも変換効率や耐久性が十分というわけではなく、コストダウンや保存性改良などの要望も多くある。
一方、DSCの作用電極として酸化チタン以外にも有望な材料があることが知られている。特に酸化亜鉛電極は、作製に高温焼結が必須でないという点においてフィルム型DSC開発に特に有望な電極材料といえる。
Nature,353,p737−740(1991)
しかし、酸化亜鉛の増感は酸化チタンに比べてはるかに難しく、高性能ルテニウム色素を使っても変換効率は3%程度しかない。さらにアンカー基の多すぎるルテニウム色素では、酸化亜鉛電極を溶かす傾向が大きく電極の安定化にも問題がある。DSCの早期製品化のため、さらにプラスチックDSCの実用化のために、酸化亜鉛用の高性能増感色素の開発と、特に電極への吸着安定化の技術の開発が強く待ち望まれている。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、電極上の色素の吸着安定性を向上させることが可能な光電極層の製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明はこの製造方法により製造される光電極層を有する光電変換素子を提供することを目的とするものである。
本発明の光電極層の製造方法は、分子内に不飽和結合を有する色素を半導体層に吸着させ、吸着させた前記色素を架橋反応またはテロメリゼーション反応させることを特徴とするものである。
前記架橋反応またはテロメリゼーション反応は光照射または通電によるものであることが好ましい。
前記架橋反応またはテロメリゼーション反応は光照射または通電によるものであることが好ましい。
本発明の光電変換素子は、分子内に不飽和結合を有する色素を半導体層に吸着させ、吸着させた色素を架橋反応またはテロメリゼーション反応させて製造される光電極層を有することを特徴とするものである。
本発明の光電極層の製造方法は、分子内に不飽和結合を有する色素を半導体層に吸着させ、吸着させた色素を架橋反応またはテロメリゼーション反応させるので、半導体層に対する色素の吸着安定性が向上した光電極層を得ることができる。また、このように製造された光電極層を有する光電変換素子は、大幅に耐久性と変換効率を向上させることが可能となる。これらは本発明者らが初めて見いだしたもので、その作用機序は必ずしも明かではないが、色素吸着後の電極表面において、分子内の不飽和結合が架橋反応またはテロメリゼーション反応を起こすことにより、色素の分子量の増加とネットワークの形成が起こり、これによって色素の電解液への溶解度が低下して吸着安定性の向上、ひいては耐久性の向上をもたらし、さらに色素の配向状態の改良により電子移動効率も上がり、変換効率が向上したものと推定される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において色素の構造は、分子内に二重結合、三重結合などの不飽和結合を有するものであり、アンカー基を有していてもいなくてもよい。アンカー基としてはカルボン酸を好ましく挙げることができ、カルボン酸はフリーでも塩でも良い。塩である場合には、例えばカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウムなどのアンモニウム塩を挙げることができる。また二重結合、三重結合の位置は分子内の末端であることがより好ましく、末端ビニル基、末端アセチレン基が特に好ましい。
本発明において色素の構造は、分子内に二重結合、三重結合などの不飽和結合を有するものであり、アンカー基を有していてもいなくてもよい。アンカー基としてはカルボン酸を好ましく挙げることができ、カルボン酸はフリーでも塩でも良い。塩である場合には、例えばカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、イミダゾリウムなどのアンモニウム塩を挙げることができる。また二重結合、三重結合の位置は分子内の末端であることがより好ましく、末端ビニル基、末端アセチレン基が特に好ましい。
色素は金属錯体でも、メタルフリー有機色素のいずれであってもよく、メタルフリー有機色素としてはインドリン色素、カルバゾール系色素などを、金属錯体としてはポルフィリン系やフタロシアニン系の色素、さらにオスミウム、ルテニウムなどの金属錯体を好ましく挙げることができる。
以下本発明に利用できる色素の具体例を示すが、もちろんこれらに限られものではない。
以下本発明に利用できる色素の具体例を示すが、もちろんこれらに限られものではない。
色素の吸着は、従来より公知の方法で行うことができる。たとえば、アセトニトリル、t−ブタノール、トルエンなどの有機溶剤に溶かした色素の溶液に、半導体層(電極)を一定時間浸漬させて染色し、引上げてからアセトニトリル、メタノール等の溶剤で洗浄することで行うことができる。なおアンカー基を持たない色素の場合には、溶剤による洗浄で色素が流れ落ちるため、洗浄は行わず、次の処理を連続して行うことが好ましい。
次に吸着させた色素に分子間で架橋反応またはテロメリゼーション反応を起こさせる。架橋反応またはテロメリゼーション反応は光照射、通電、加熱、ラジカル開始剤溶液処理等によることが好ましい。中でも吸着した色素の脱着や分解を最小限に抑えるという観点からは、光照射や通電による処理が効果的である。これによりアンカー基を持たない色素でも電極上に安定に吸着・担持することが可能である。光照射の場合、使用する光の波長は限定されるものではなく、光源としては蛍光灯、UVランプ、擬似太陽光、太陽光、白熱灯などを使用することができる。照射時間は光源の強度により適宜調節することができる。通電の場合は電極を電源に接続して行い、電圧と通電時間のコントロールにより微調節を行うことができる。使用電源としては交流・直流どちらでもよいが、架橋反応またはテロメリゼーション反応が起こるような適切な電圧の電源を使うことが効果的である。
本発明の光電変換素子は、導電性の基板上に酸化チタンや酸化亜鉛などの金属酸化物を形成した半導体層に、分子内に不飽和結合を有する色素を吸着させ、吸着させた色素を架橋反応またはテロメリゼーション反応させて製造される光電極層(作用電極)と、白金や導電性カーボンなどの対極との間を有機ヨウ素系電解液で満たしたものである。電解液の代わりに導電性高分子や電荷移動剤などを積層して固体化、もしくは少量の有機溶剤やイオン液体などを加えて半固体化することもできる。
導電性基板としては、金属のように支持体そのものに導電性があるもの、あるいは表面に導電性を有するガラスあるいはプラスチックを支持体として用いることができる。導電層の材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、金、白金等やこれらを組み合わせたものを用いることができ、これらを基板へ真空蒸着法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長法(CVD)などの方法で直接層を形成したり、導電性のフィルムを基板へ貼着させることによっても作製することができる。
酸化物半導体の具体例としてはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、イットリウム、ニオブ、タンタル、バナジウムなどの金属酸化物が挙げられる。これらのうちチタン、スズ、亜鉛、ニオブ、タングステン等の酸化物が好ましく、このうち(1)安価であること、(2)多孔質体を容易に形成すること、(3)電極としての導電性、耐久性、安定性および安全性、(4)本発明の製造方法で製造される光電極層とのエネルギー準位の適合性などの観点から、酸化チタン、酸化亜鉛が特に好ましい。これらの酸化物材料は単一で、もしくは2種類以上を適宜併用してもよい。
作用電極の製造は、上記の金属酸化物の微粒子をペースト状にして基板上に塗布し電気炉やマイクロ波等による加熱焼結処理により、あるいは酸化亜鉛の場合には電析法によって基板上に直接多孔質を形成させることもできる。
電極上に色素を吸着させる際には、色素の溶液もしくは分散液に電極を浸漬する方法、もしくはスプレー塗布するなどの方法を用いることができる。色素溶液の濃度は色素によって適宜決めることができ、色素を溶解させるのに使用しうる溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン、t−ブタノール等を利用できる。
なお、色素を吸着する際には、吸着をコントロールするために共吸着剤を色素溶液に添加してもよい。共吸着剤としては、コール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、デオキシコール酸、デヒドロコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等がより好ましい。
電解質層は、アセトニトリルとエチレンカーボネートの混合液や、メトキシプロピオニトリルなどを溶媒として、金属ヨウ素やヨウ化リチウムなどのヨウ化物からなる電解質等を加えた液体電解質や、高分子ゲル電解液などのゲル化電解質、p型半導体、ホール輸送剤などの固体電解質を用いて形成することもできる。
対極は透明性が必要な場合は上記導電性を有する基板と同様に作製してもよく、透明性が必要でない場合には、カーボンや導電性ポリマー、一般的な金属などを用いて作製することができる。
以下に本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
以下に本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
(実施例色素)
実施例に用いた色素を以下に示す。
実施例に用いた色素を以下に示す。
(比較例色素)
比較例に用いた色素を以下に示す。
比較例に用いた色素を以下に示す。
[実施例1]
〈光電変換素子の作製〉
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、塗布により厚さ12μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたFTOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬した。なお、添加剤としてこの色素溶液にコール酸濃度が1.0mMになるようにコール酸を加えた。次いで、上記溶液に浸漬した酸化亜鉛膜にBLBランプを用いて紫外光を15分間照射した後、アセトニトリルを用いて洗浄し、光電極層を作製した。
〈光電変換素子の作製〉
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、塗布により厚さ12μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたFTOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬した。なお、添加剤としてこの色素溶液にコール酸濃度が1.0mMになるようにコール酸を加えた。次いで、上記溶液に浸漬した酸化亜鉛膜にBLBランプを用いて紫外光を15分間照射した後、アセトニトリルを用いて洗浄し、光電極層を作製した。
(電解質層の形成)
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム1.0M、ヨウ素0.1Mとなるように混合し、電解質液とした。この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成した。
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム1.0M、ヨウ素0.1Mとなるように混合し、電解質液とした。この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成した。
[実施例2]
〈光電変換素子の作製〉
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、塗布により厚さ12μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたFTOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬した。なお、添加剤としてこの色素溶液にコール酸濃度が1.0mMになるようにコール酸を加えた。次いで、上記溶液に浸漬した酸化亜鉛膜に直流安定化電源を用いて2.5V、3分間の電圧印加を行った後、アセトニトリルを用いて洗浄し、光電極層を作製した。
〈光電変換素子の作製〉
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、塗布により厚さ12μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたFTOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬した。なお、添加剤としてこの色素溶液にコール酸濃度が1.0mMになるようにコール酸を加えた。次いで、上記溶液に浸漬した酸化亜鉛膜に直流安定化電源を用いて2.5V、3分間の電圧印加を行った後、アセトニトリルを用いて洗浄し、光電極層を作製した。
(電解質層の形成)
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム1.0M、ヨウ素0.1Mとなるように混合し、電解質液とした。この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成した。
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム1.0M、ヨウ素0.1Mとなるように混合し、電解質液とした。この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成した。
[比較例1]
〈光電変換素子の作製〉
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、塗布により厚さ12μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたFTOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬した後アセトニトリルを用いて洗浄し、光電変換層を作製した。なお、添加剤としてこの色素溶液にコール酸濃度が1.0mMになるようにコール酸を加えた。
〈光電変換素子の作製〉
(光電極層の作製)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、このFTOガラスの電極面に、塗布により厚さ12μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたFTOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬した後アセトニトリルを用いて洗浄し、光電変換層を作製した。なお、添加剤としてこの色素溶液にコール酸濃度が1.0mMになるようにコール酸を加えた。
(電解質層の形成)
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム1.0M、ヨウ素0.1Mとなるように混合し、電解質液とした。この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成した。
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム1.0M、ヨウ素0.1Mとなるように混合し、電解質液とした。この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成した。
〈光電変換効率の評価〉
上記実施例1、2および比較例1で作製した各光電変換素子(受光面積0.20cm2)に分光計器株式会社製「CEP−2000」を用いて100mW/cm2の照射強度で光を当てて、光電変換素子の短絡電流(mA)と開放電圧(V)を測定し、短絡電流と受光面積より短絡電流密度(mA/cm2)を求めた。次いで、光電変換素子の電極間に接続する抵抗値を変化させて最大電力Wmax(mW)を観測し、形状因子と光電変換効率(%)を下記計算式により求めた。
上記実施例1、2および比較例1で作製した各光電変換素子(受光面積0.20cm2)に分光計器株式会社製「CEP−2000」を用いて100mW/cm2の照射強度で光を当てて、光電変換素子の短絡電流(mA)と開放電圧(V)を測定し、短絡電流と受光面積より短絡電流密度(mA/cm2)を求めた。次いで、光電変換素子の電極間に接続する抵抗値を変化させて最大電力Wmax(mW)を観測し、形状因子と光電変換効率(%)を下記計算式により求めた。
求めた光電変換効率を以下の基準で評価した。
SS:6.0%以上
S :5.0%以上6.0%未満
AA:4.0%以上5.0%未満
A :3.0%以上4.0%未満
B :2.0%以上3.0%未満
C :2.0%未満
結果を表1に示す。
SS:6.0%以上
S :5.0%以上6.0%未満
AA:4.0%以上5.0%未満
A :3.0%以上4.0%未満
B :2.0%以上3.0%未満
C :2.0%未満
結果を表1に示す。
また、85℃、300時間暗所保存後の光電変換効率の低下率を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
AA:10%以下
A :10%以上15%未満
B :15%以上20%未満
C :20%以上
AA:10%以下
A :10%以上15%未満
B :15%以上20%未満
C :20%以上
[実施例3]
基材として片面にITO電極皮膜が形成されたITOガラスを用いて、このITOガラスの電極面に、塗布により厚さ1μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたITOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬し色素を吸着させた。次いで、上記酸化亜鉛膜にBLBランプを用いて紫外光を15分間照射した後、アセトニトリルを用いて酸化亜鉛膜の洗浄を行った。
基材として片面にITO電極皮膜が形成されたITOガラスを用いて、このITOガラスの電極面に、塗布により厚さ1μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたITOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬し色素を吸着させた。次いで、上記酸化亜鉛膜にBLBランプを用いて紫外光を15分間照射した後、アセトニトリルを用いて酸化亜鉛膜の洗浄を行った。
[実施例4]
基材として片面にITO電極皮膜が形成されたITOガラスを用いて、このITOガラスの電極面に、塗布により厚さ1μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたITOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬し色素を吸着させた。次いで、上記酸化亜鉛膜に直流安定化電源を用いて2.5V、3分間の電圧印加を行った後、アセトニトリルを用いて酸化亜鉛膜の洗浄を行った。
基材として片面にITO電極皮膜が形成されたITOガラスを用いて、このITOガラスの電極面に、塗布により厚さ1μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたITOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬し色素を吸着させた。次いで、上記酸化亜鉛膜に直流安定化電源を用いて2.5V、3分間の電圧印加を行った後、アセトニトリルを用いて酸化亜鉛膜の洗浄を行った。
[比較例2]
基材として片面にITO電極皮膜が形成されたITOガラスを用いて、このITOガラスの電極面に、塗布により厚さ1μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたITOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬し色素を吸着させた。色素吸着後、アセトニトリルを用いて酸化亜鉛膜の洗浄を行った。
基材として片面にITO電極皮膜が形成されたITOガラスを用いて、このITOガラスの電極面に、塗布により厚さ1μmの酸化亜鉛膜を形成した。この酸化亜鉛膜が形成されたITOガラスを、実施例色素I−1〜I−5および比較例色素D−1〜D−5を濃度が500μMになるようにアセトニトリル/t−ブチルアルコール=1/1に溶解させた溶液に90分間浸漬し色素を吸着させた。色素吸着後、アセトニトリルを用いて酸化亜鉛膜の洗浄を行った。
〈色素吸着量の評価〉
上記実施例3、4および比較例2で作製した各ITOガラス担持各酸化亜鉛膜(受光面積1.0cm2)の可視光領域における吸収スペクトルを株式会社島津製作所製「UV1700」を用いて測定した。測定結果と、下記計算式により定義した「色素吸着量上昇率」より、色素吸着量の評価を行った。なお、下記式の吸光度はいずれも吸収極大波長における吸光度である。
上記実施例3、4および比較例2で作製した各ITOガラス担持各酸化亜鉛膜(受光面積1.0cm2)の可視光領域における吸収スペクトルを株式会社島津製作所製「UV1700」を用いて測定した。測定結果と、下記計算式により定義した「色素吸着量上昇率」より、色素吸着量の評価を行った。なお、下記式の吸光度はいずれも吸収極大波長における吸光度である。
求めた色素吸着量上昇率を以下の基準で評価した。
SS:0.9以上
S :0.7以上0.9未満
AA:0.5以上0.7未満
A :0.3以上0.5未満
B :0.1以上0.3未満
C :0.1未満
結果を表3に示す。
SS:0.9以上
S :0.7以上0.9未満
AA:0.5以上0.7未満
A :0.3以上0.5未満
B :0.1以上0.3未満
C :0.1未満
結果を表3に示す。
表1、2および3に示すように、本発明の製造方法により製造される光電極層を用いた光電変換素子は、半導体層の色素の吸着安定性が向上するため、大幅に耐久性と変換効率が向上した。その作用機序は必ずしも明かではないが、色素吸着後の電極表面において、光照射や通電によって反応性の不飽和結合が架橋反応またはテロメリゼーション反応を起こし、吸着安定性が上がることで耐久性の向上をもたらし、さらに色素の配向状態の改良により電子移動効率も上がり、変換効率が向上したものと推定される。また、カルボン酸のようなアンカー基を持たない実施例色素I−4やI−5であっても、光照射や通電処理のような架橋反応あるいはテロメリゼーション反応を起こすような処理によって大幅な光電変換効率および耐久性の向上を示した。暗所保存後の低下率の抑制は光電変換素子の耐久性向上、長寿命化を促進することができ、非常に高性能な光電変換素子とすることができた。
Claims (3)
- 分子内に不飽和結合を有する色素を半導体層に吸着させ、吸着させた前記色素を架橋反応またはテロメリゼーション反応させることを特徴とする光電極層の製造方法。
- 前記架橋反応が光照射または通電によるものであることを特徴とする請求項1記載の光電極層の製造方法。
- 請求項1または2記載の製造方法によって製造される光電極層を有することを特徴とする光電変換素子。
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---|---|---|---|
JP2013167647A JP2015037023A (ja) | 2013-08-12 | 2013-08-12 | 光電極層の製造方法および光電変換素子 |
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