JP2015036758A - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電部材の種類を精度よく判別すること。
【解決手段】像保持体(PR)を帯電させる帯電部材(CR)と、帯電部材(CR)に帯電用の電力を供給する電源手段(Ea)であって、直流電圧と交流電流とを供給可能な電源手段(Ea)と、帯電部材(CR)に直流電圧(V1)を供給して、帯電部材(CR)の抵抗値(R1)を測定する抵抗値の測定手段(C4d)と、帯電部材(CR)に直流電圧(V1)と交流電流(I2)とを供給し且つ交流電流を変化させながら直流電流値(I1′)を測定して、直流電流値(I1′)が飽和した場合の交流電流値(I2d)を測定する飽和電流値の測定手段(C4g)と、抵抗値(R1)と飽和した場合の交流電流値(I2d)とに基づいて、帯電部材(CR)の種類を特定する帯電部材の特定手段(C4)と、を備えた帯電装置(CR,Ea,C)。
【選択図】図2

Description

本発明は、帯電装置および画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置において、帯電部材の種類の違いに対応する技術として、以下の特許文献1,2記載の技術が従来公知である。
特許文献1としての特開2001−343797号公報には、第1の処方と第2の処方で製造される帯電ローラ(20)のどちらがプリンタに装着されているかを判定するために、不揮発性のメモリ(22)に情報を記憶しておいて、読み取ることで、帯電ローラ(20)の種類を判別する技術が記載されている。また、特許文献1には、帯電ローラ(20)に対して、画像形成を始める前に、交流バイアスと直流バイアスを重畳した振動バイアスを印加して、電流の実効値を測定し、測定された電流の実効値に基づいて、帯電ローラ(20)の種類を判別する技術も記載されている。
特許文献2としての特開2004−333789号公報には、帯電部材の抵抗のばらつきやロット差による特性の違い等に対応するために、帯電部材にDCバイアスを固定した状態でAC電流値を増加させながら電圧を供給し、DC電流値が飽和したときのAC電流値(Iac(sat))を測定し、飽和時のAC電流値(Iac(sat))を1.15倍した値に、画像形成時のAC電流値(Iac(img))を設定する技術が記載されている。
特開2001−343797号公報(「0041」〜「0043」、「0047」〜「0051」) 特開2004−333789号公報(「0046」〜「0050」、図1)
本発明は、帯電部材の種類を精度よく判別することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の帯電装置は、
像保持体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に帯電用の電力を供給する電源手段であって、直流電圧と交流電流とを供給可能な前記電源手段と、
前記帯電部材に前記直流電圧を供給して、前記帯電部材の抵抗値を測定する抵抗値の測定手段と、
前記帯電部材に直流電圧と交流電流とを供給し且つ前記交流電流を変化させながら直流電流値を測定して、前記直流電流値が飽和した場合の交流電流値を測定する飽和電流値の測定手段と、
前記抵抗値と前記飽和した場合の交流電流値とに基づいて、前記帯電部材の種類を特定する帯電部材の特定手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の帯電装置において、
前記帯電部材の種類に応じて、画像の形成時に前記帯電部材へ供給される交流電流値を設定する電流値の設定手段、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の帯電装置において、
前記帯電部材の種類に基づいて、画像の形成時に前記帯電部材への電力の供給開始から予め設定された時間が経過するまでの間、前記帯電部材へ供給される交流電流値を、前記電流値の設定手段で設定された前記交流電流値よりも大きな値に設定する前記電流値の設定手段、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる請求項1ないし3のいずれかに記載の帯電装置と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体の潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の可視像を媒体に転写させる転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1,4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、帯電部材の種類を精度よく判別することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、帯電部材へ供給される交流電流値を適切に設定できる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、帯電部材への電力の供給開始直後に白点が発生することを低減できる。
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。 図2は実施例1の帯電装置の要部説明図である。 図3は本発明の実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。 図4は実施例1の交流電流値と直流電流値との履歴の一例の説明図であり、横軸に交流電流値を取り、縦軸に直流電流値を取ったグラフである。 図5は実施例1の抵抗値と飽和電流値との関係の一例の説明図であり、横軸に抵抗値を取り、縦軸に飽和電流値を取ったグラフである。 図6は実施例1の環境に応じた比率の一例の説明図であり、図6Aは横軸に温度/湿度を取り、縦軸に比率を取ったグラフであり、図6Bは比率の設定テーブルの一例の説明図である。 図7は実施例1の膜厚に応じた比率の一例の説明図であり、図7Aは横軸に像保持体の膜厚を取り、縦軸に比率を取った実験結果のグラフ、図7Bは膜厚に対する比率の一覧表である。 図8は実施例1の経過時間に応じた比率の一例の説明図であり、図8Aは横軸に経過時間を取り、縦軸に比率を取った実験結果のグラフ、図8Bは経過時間に対する比率の一覧表である。 図9は実施例1の帯電部材の特定処理の説明図である。 図10は実施例1の帯電電流値の設定処理の説明図である。 図11は2種類の帯電ロールの特性の説明図であり、図11Aは横軸に電圧を取り縦軸に電流を取ったグラフ、図11Bは横軸に温度/湿度を取り縦軸に抵抗値を取ったグラフである。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、記録部の一例であって、画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1を有する。プリンタ部U1の上部には、読取部の一例であって、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U2が支持されている。スキャナ部U2の上部には、原稿の搬送装置の一例としてのオートフィーダU3が支持されている。実施例1のスキャナ部U2には、入力部の一例としてのユーザインタフェースU0が支持されている。前記ユーザインタフェースU0は、操作者が入力をして、複写機Uの操作が可能である。
オートフィーダU3の上部には、媒体の収容容器の一例としての原稿トレイTG1が配置されている。原稿トレイTG1には、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容可能である。原稿トレイTG1の下方には、原稿の排出部の一例としての原稿の排紙トレイTG2が形成されている。原稿トレイTG1と原稿の排紙トレイTG2との間には、原稿の搬送路U3aに沿って、原稿の搬送ロールU3bが配置されている。
スキャナ部U2の上面には、透明な原稿台の一例としてのプラテンガラスPGが配置されている。実施例1のスキャナ部U2には、プラテンガラスPGの下方に、読取り用の光学系Aが配置されている。実施例1の読取り用の光学系Aは、プラテンガラスPGの下面に沿って、左右方向に移動可能に支持されている。なお、読取り用の光学系Aは、通常時は、図1に示す初期位置に停止している。
読取り用の光学系Aの左方には、撮像部材の一例としての撮像素子CCDが配置されている。撮像素子CCDには、画像処理部GSが電気的に接続されている。
画像処理部GSは、プリンタ部U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成装置の一例としての露光装置ROSに電気的に接続されている。
露光装置ROSの下方には、像保持体の一例としての感光体ドラムPRが配置されている。感光体ドラムPRは、矢印Ya方向に回転する。
感光体ドラムPRには、帯電領域Q0において、帯電部材の一例としての帯電ロールCRが対向して配置されている。
前記帯電ロールCRには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。なお、電源回路Eは、制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。前記コントローラCは、画像処理部GSや書込回路DL等との間でも信号の送受信を行って、各種制御を行う。また、実施例1のコントローラCには、複写機Uに対して情報の送受信用の接続線を介して、情報の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPCが接続されている。コントローラCは、パーソナルコンピュータPCから送信された印刷対象の画像情報を受信する。
感光体ドラムPRの回転方向に対して、帯電領域Q0の下流側に設定された書込領域Q1において、感光体ドラムPRの表面に、露光装置ROSから、書込光の一例としてのレーザービームLが照射される。
感光体ドラムPRの回転方向に対して、書込領域Q1の下流側に設定された現像領域Q2には、現像装置Gが感光体ドラムPRの表面に対向して配置されている。
前記現像装置Gの左方には、現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKが配置されている。カートリッジKは、容器の支持部材の一例としてのカートリッジホルダKSに着脱可能に装着される。カートリッジホルダKSの下方には、現像剤の一時的な貯留部の一例としてのリザーブタンクRTが配置されている。リザーブタンクRTと現像装置Gとは、現像剤の搬送装置GHで接続されている。
感光体ドラムPRの回転方向に対して、現像領域Q2の下流側には、転写領域Q3が設定されている。
プリンタ部U1の下部には、媒体の収容容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4には、媒体の一例としてのシートSが収容されている。
給紙トレイTR1〜TR4の左上方には、媒体の取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。ピックアップロールRpの左方には、捌き部材の一例としての捌きロールRsが配置されている。
各給紙トレイTR1〜TR4の左方には、上方に延びる媒体の搬送路SH1が形成されている。搬送路SH1には、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。搬送路SH1には、シートSの搬送方向の下流部であり且つ転写領域Q3の上流側に、送出部材の一例としてのレジロールRrが配置されている。
カートリッジホルダKS等の左方には、媒体の収容容器の一例であって、手差し部としての手差しトレイTRtが設置されている。実施例1の手差しトレイTRtは、回転中心TRt0を中心として回転可能に支持されている。したがって、手差しトレイTRtは、図1の実線で示す収納された位置と、図1の一点鎖線で示された給紙可能な位置との間で移動可能に構成されている。なお、実施例1の手差しトレイTRtは、収納された位置に移動した状態では、手差しトレイTRtの一部TRt1が、カートリッジホルダKSの下方且つリザーブタンクRTの左方に進入した状態で収容される。したがって、複写機Uの全体が省容量で小型化される。
前記転写領域Q3には、感光体ドラムPRの下方に、転写装置の一例であって、媒体の搬送装置の一例としての転写ユニットTUが配置されている。転写ユニットTUは、媒体の搬送部材の一例として、無端状の転写ベルトTBを有する。
転写ベルトTBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdと、従動部材の一例としての従動ロールRfとにより回転可能に支持されている。
転写ベルトTBの内側には、転写器の一例としての転写ロールTRが支持されている。前記転写ロールTRは、転写ベルトTBを挟んで感光体ドラムPRに対向して配置されている。したがって、転写ロールTRと感光体ドラムPRとが対向する領域により、転写領域Q3が構成されている。前記転写ロールTRには、電源回路Eから転写電圧が印加される。
転写ベルトTBの右端部には、媒体の剥離部材の一例としての剥離爪SCが配置されている。剥離爪SCの下方には、転写装置の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが、転写ベルトTBの表面に対向して配置されている。
なお、感光体ドラムPRの回転方向に対して、転写領域Q3の下流側には、像保持体の清掃器の一例としてのドラムクリーナCLpが、感光体ドラムPRの表面に対向して配置されている。なお、実施例1では、感光体ドラムPRと帯電ロールCR、ドラムクリーナCLpが、着脱体の一例としてのドラムユニットにより構成されており、複写機Uに対して一体的に着脱、交換可能に構成されている。
転写ユニットTUの右方には、熱源部材の一例としての定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱用の回転部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧用の回転部材の一例としての加圧ロールFpと、を有する。
定着装置Fの右方には、媒体の搬送路の一例として、上方に延びる排出路SH2が接続されている。
排出路SH2には、媒体の搬送部材の一例として、媒体を搬送可能且つ正逆回転可能な搬送ロールRbや排出ロールRhが配置されている。
プリンタ部U1の上面には、媒体の排出部の一例としての排紙トレイRhが形成されている。
排出路SH2の下方には、媒体の搬送路の一例としての反転路SH3が形成されている。実施例1の反転路SH3は、排出路SH2から分岐して下方に延び、レジロールRrよりもシートの搬送方向の上流側で搬送路SH1に合流している。
排出路SH2と反転路SH3との分岐部には、搬送方向の切替部材の一例としてのゲートMGが配置されている。実施例1のゲートMGは、弾性変形可能な薄膜形状、いわゆるフィルムにより構成されている。定着装置Fから搬送されるシートSがゲートMGを通過する場合は、シートSにゲートMGが押されて弾性変形して、シートSが排出路SH2に通過可能となるように配置されている。そして、シートSが排出路SH2から反転路SH3に搬送される場合、ゲートMGは、弾性復元した状態で保持され、シートSが、定着装置Fの側に進入することを妨げ、反転路SH3の側にシートSを案内するように配置されている。
(画像形成動作の説明)
前記原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、プラテンガラスPG上の原稿の読み取り位置を順次通過して、原稿排紙トレイTG2に排出される。
前記オートフィーダU3を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う場合は、読取り用の光学系Aは初期位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の読み取り位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う場合、読取り用の光学系Aが左右方向に移動して、プラテンガラスPG上の原稿が、露光されながら走査される。
原稿Giからの反射光は、光学系Aを通って、撮像素子CCDに集光される。前記撮像素子CCDは、撮像面上に集光された原稿の反射光を電気信号に変換する。
画像処理部GSは、撮像素子CCDから入力された読取信号を、デジタルの画像信号に変換して、プリンタ部U1の書込回路DLに出力する。前記書込回路DLは、入力された画像書込信号に応じた制御信号を、露光装置ROSに出力する。
前記感光体ドラムPRの表面は、帯電領域Q0において帯電ロールCRによりに帯電される。潜像書込位置Q1において、露光装置ROSから出力されたレーザビームLは、感光体ドラムPRの表面に静電潜像を形成する。現像領域Q2において、現像装置Gは、現像領域Q2を通過する感光体ドラムPRの静電潜像を、可視像の一例としてのトナー像Tnに現像する。現像装置Gで現像剤が消費されると、消費量に応じて現像剤の搬送装置GHが作動して、カートリッジKから現像装置Gに現像剤が補給される。
前記各トレイTR1〜TR4のシートSは、予め設定された給紙時期にピックアップロールRpにより取り出される。ピックアップロールRpで取り出されたシートSは、複数枚のシートSが重なった状態で取り出された場合には、さばきロールRsで1枚づつ分離される。さばきロールRsを通過したシートSは、複数の搬送ロールRaにより、レジロールRrに搬送される。
手差しトレイTRtから給紙されたシートSも、搬送路SHに合流して、レジロールRrに搬送される。
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、感光体ドラムPRの表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、転写前の案内部材の一例としての転写前のシートガイドSG1から転写領域Q3に向けて搬送される。
レジロールRrから搬送されたシートSは、転写ベルトTBの表面に支持されて、転写領域Q3を通過する。転写領域Q3を通過するシートSには、転写ロールTRに印加された転写電圧により、感光体ドラムPR表面のトナー像Tnが転写される。
転写領域Q3を通過後の感光体ドラムPR表面には、ドラムクリーナCLpにより残留トナーが除去されて清掃される。清掃後の感光体ドラムPRの表面は、帯電ロールCRにより再帯電される。
トナー像Tnが転写されたシートSは、剥離爪SCにより、転写ベルトTBから剥離される。シートSが剥離された転写ベルトTBは、ベルトクリーナCLbにより、転写ベルトTBの表面に付着した現像剤や紙粉等の付着物が除去される。転写ベルトTBから剥離されたシートSは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域を通過する際に、トナー像が加熱および加圧されて定着される。
トナー像が定着された記録シートSは、ゲートMGを弾性変形させながら通過して、排出路SH2に搬送される。排紙トレイTRhに排出されるシートSは、搬送ロールRbにより搬送されて、排出ロールRhにより、排紙トレイTRhに排出される。
両面印刷が行われる場合には、片面が記録済のシートSの後端が、ゲートMGを通過するまで、搬送ロールRbや排出ロールRhにより下流側に搬送される。シートSの後端がゲートMGを通過すると、搬送ロールRbや排出ロールRhが逆回転をして、排出路SH2から反転路SH3に向けて搬送される。すなわち、シートSは、搬送方向が逆転して、いわゆるスイッチバックされる。スイッチバックされたシートSは、ゲートMGに案内されて反転路SH3を搬送される。反転路SH3を搬送されたシートSは、搬送路SH1に合流し、表裏が反転した状態で、レジロールRrに搬送される。そして、転写領域Q3において、シートSの第2面に画像が印刷される。
(帯電装置の説明)
図2は実施例1の帯電装置の要部説明図である。
図2において、実施例1の帯電ロールCRには、電源手段の一例としての帯電用の電源回路Eaから電力が供給される。実施例1の帯電用の電源回路Eaは、直流と交流とが重畳された帯電用の電圧を帯電ロールCRに印加可能に構成されている。なお、実施例1では、直流電圧は、定電圧制御で電力が供給され、交流電圧は、定電流制御で電力が供給される。帯電用の電源回路Eaと帯電ロールCRとの間の配線1には、電流計2が直列に接続されている。
なお、前記帯電ロールCRや帯電用の電源回路Ea、帯電電圧を制御するコントローラC等により、実施例1の帯電装置CR,Ea,Cが構成されている。
(実施例1の制御部の説明)
図3は本発明の実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図3において、実施例1の複写機UのコントローラCは、計算機の一例としてのマイクロコンピュータにより構成されている。コントローラCは、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行う入出力信号調節部の一例としての入出力インターフェース、いわゆる、I/Oを有する。また、コントローラCは、記憶装置の一例として、処理を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されたリードオンリーメモリ、いわゆるROMを有する。また、コントローラCは、記憶装置の一例として、処理を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されたハードディスクドライブを有する。また、コントローラCは、記憶装置の一例として、必要な処理を実行するためのプログラムや必要なデータを一時的に記憶するためのランダムアクセスメモリ、いわゆる、RAMを有する。また、コントローラCは、ROMやHDD,RAMに記憶されたプログラムに応じた処理を行う演算装置、いわゆる、CPUを有する。また、コントローラCは、発信器の一例として、クロック発振器を有する。コントローラCは、前記ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することが可能である。
(コントローラCに接続された信号出力要素)
前記コントローラCは、ユーザインタフェースU0や温度センサSN1、湿度センサSN2、電流計2、カバーセンサSN3等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
ユーザインタフェースU0は、電源の操作部材の一例としての電源ボタンU0aや、表示部の一例であって、告知部材の一例としての表示パネルU0b、入力部材の一例としての矢印キーU0c等を備えている。
温度の検知部材の一例としての温度センサSN1は、複写機Uの内部の温度を検出する。
湿度の検知部材の一例としての湿度センサSN2は、複写機Uの内部の湿度を検出する。
電流の検知部材の一例としての電流計2は、帯電ロールCRに対して流れる電流を計測する。
交換の検知部材の一例としてのカバーセンサSN3は、複写機Uに設けられた図示しないドラムユニット交換用の開閉扉の一例としてのカバーが開閉されたことを検知する。
(コントローラCに接続された被制御要素)
コントローラCは、次の被制御要素D1,Eの制御信号を出力している。
D1:メインモータの駆動回路
主駆動源の駆動回路の一例としてのメインモータの駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を正逆回転駆動することにより、感光体ドラムPR、定着装置Fの加熱ロールFh、排出ロールRh等を回転駆動する。
E:電源回路
前記電源回路Eは、帯電用の電源回路Eaと、現像用の電源回路Ebと、転写用の電源回路Ecと、定着用の電源回路Edと、を有する。電源回路Eは、複写機Uの内部の各部材に給電を行う。すなわち、帯電用の電源回路Eaは、帯電ロールCRに帯電電圧を供給する。現像用の電源回路Ebは、現像装置Gに現像電圧を供給する。転写用の電源回路Ecは、転写ロールTRに転写電圧を供給する。定着用の電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhに内蔵された加熱部材の一例としてのヒータ等に、電力を供給する。
(コントローラCの機能)
コントローラCは、信号入力要素の出力信号に応じて、各被制御要素の動作を制御するためのプログラムにより、次の機能実現手段を有している。
C1:ジョブの制御手段
画像形成動作の制御手段の一例としてのジョブの制御手段C1は、感光体ドラムPR等の駆動や帯電ロールCRへの電圧の印加等を制御して、画像形成動作の一例としてのジョブを制御する。
C2:メインモータの制御手段
主駆動源の制御手段の一例としてのメインモータの制御手段C2は、メインモータの駆動回路D1を介してメインモータM1を制御して、感光体ドラムPR等の回転を制御する。
C3:電源制御手段
電源制御手段C3は、帯電用の電源制御手段C3aと、現像用の電源制御手段C3bと、転写用の電源制御手段C3cと、定着用の電源制御手段C3dとを有する。電源制御手段C3は、電源回路Eを制御して、各部材への電力供給を制御する。
C3a:帯電用の電源制御手段
帯電用の電源制御手段C3aは、帯電用の電源回路Eaを制御して、帯電ロールCRへ供給される帯電電圧を制御する。
C3b:現像用の電源制御手段
現像用の電源制御手段C3bは、現像用の電源回路Ebを制御して、現像装置Gへ供給される現像電圧を制御する。
C3c:転写用の電源制御手段
転写用の電源制御手段C3cは、転写用の電源回路Ecを制御して、転写ロールTRへ供給される転写電圧を制御する。
C3d:定着用の電源制御手段
定着用の電源制御手段C3dは、定着用の電源回路Edを制御して、定着装置Fへの電力供給を制御して、定着温度を制御する。
C4:帯電部材の特定手段
帯電部材の特定手段C4は、特定開始の判別手段C4aと、直流電圧の印加制御手段C4bと、直流電流値の測定手段C4cと、抵抗値の測定手段C4dと、重畳電圧の供給制御手段C4eと、直流電流値の測定手段C4fと、飽和電流値の測定手段C4gと、帯電部材の判別手段C4hと、帯電部材の記憶手段C4iと、を有する。帯電部材の特定手段C4は、帯電ロールCRの抵抗値R1と、後述する飽和電流値I2dとに基づいて、帯電ロールCRの種類を特定する。
C4a:特定開始の判別手段
特定開始の判別手段C4aは、帯電ロールCRの種類の特定を開始するか否かを判別する。実施例1の特定開始の判別手段C4aは、カバーセンサSN3の検出結果に基づいて、カバーの開閉が検知された場合に、帯電ロールCRの種類の特定を開始する時期になったと判別する。
C4b:直流電圧の印加制御手段
直流電圧の印加制御手段C4bは、帯電ロールCRの種類を特定する場合に、帯電用の電源制御手段C3aを介して、帯電ロールCRに直流電圧V1を印加する。実施例1の直流電圧の印加制御手段C4bでは、帯電ロールCRに対して、抵抗値の測定用の予め設定された直流電圧V1を印加させる。なお、実施例1の直流電圧の印加制御手段C4bは、固定の直流電圧値により定電圧制御を行う。
C4c:直流電流値の測定手段
直流電流値の測定手段C4cは、電流計2の検出結果に基づいて、帯電ロールCRを流れる直流電流値I1を測定する。実施例1の直流電流値の測定手段C4cは、直流電圧の印加制御手段C4bにより直流電圧V1が印加された場合に流れる直流電流値I1を測定する。なお、直流電圧V1に対して交流電流を重畳した場合は、直流電流成分を測定する。
C4d:抵抗値の測定手段
抵抗値の測定手段C4dは、帯電ロールCRの抵抗値R1を測定する。実施例1の抵抗値の測定手段C4dは、直流電圧の印加制御手段C4bで印加された直流電圧V1と、直流電流値の測定手段C4cで測定された直流電流値I1とに基づいて、抵抗値R1を演算する。したがって、実施例1では、R1=V1/I1から、抵抗値R1が演算される。
C4e:重畳電圧の供給制御手段
重畳電圧の供給制御手段C4eは、直流の制御手段C4e1と、交流の制御手段C4e2とを有する。実施例1の重畳電流の供給制御手段C4eは、帯電ロールCRの種類を特定する場合に、帯電ロールCRへ供給する直流と交流が重畳された重畳電圧を制御する。
C4e1:直流の制御手段
直流の制御手段C4e1は、帯電ロールCRの飽和電流値I2dを測定する場合に印加する直流電圧値を設定する。実施例1の直流の制御手段C4e1は、直流電圧の印加制御手段C4bが印加する直流電圧V1と、共通の固定の直流電圧値V1で定電圧制御を行う。なお、実施例1では、共通の電圧値を使用したが、これに限定されず、異なる電圧値とすることも可能である。
C4e2:交流の制御手段
交流の制御手段C4e2は、帯電ロールCRの飽和直流電流値I2dを測定する場合に供給される交流電流の制御を行う。実施例1の交流の制御手段C4e2は、交流電流値I2の定電流制御により、帯電ロールCRに交流電流を供給する。また、実施例1の交流の制御手段C4e2は、飽和直流電流値I2dの測定を行う場合には、交流電流値I2を、予め設定された最低電流値I2aから最大電流値I2bまで、増加値I2cずつ増加させる。
C4f:直流電流値の測定手段
直流電流値の測定手段C4fは、電流計2の計測結果に基づいて、重畳電圧の供給制御手段C4eで重畳電圧が帯電ロールCRに供給された場合の直流電流値I1′を測定する。実施例1の直流電流値の測定手段C4fは、増加する交流電流値I2の値に対応づけて、直流電流値I1′を測定する。
図4は実施例1の交流電流値と直流電流値との履歴の一例の説明図であり、横軸に交流電流値を取り、縦軸に直流電流値を取ったグラフである。
C4g:飽和電流値の測定手段
飽和電流値の測定手段C4gは、直流電流値の測定手段C4fが計測した交流電流値I2と直流電流値I1′との履歴に基づいて、直流電流値I1′が飽和した場合の交流電流値I2である飽和電流値I2dを測定する。図4において、直流電圧V1と交流電流I2との重畳電圧が印加される場合において、交流電流値I2を増加させていくと、帯電ロールCRの温度、湿度等の環境、汚れ、材料や製法等の特性によって、直流電流値I1′がある値になると、直流電流値I1′がそれ以上増大しなくなる。すなわち、直流電流値I1′が飽和する。実施例1の飽和電流値の測定手段C4gは、図4に示すように、直流電流値I1′が飽和した場合の交流電流値I2を、飽和電流値I2dとして測定する。なお、図4では、帯電ロールCRの標準品Aの高温高湿におけるグラフを実線で示し、帯電ロールCRの低コスト品Bの高温高湿におけるグラフを破線で示し、標準品Aの低温低湿におけるグラフを一点鎖線で示し、低コスト品Bの低温低湿におけるグラフを二点鎖線で示している。なお、実施例1では、標準品Aおよび低コスト品Bの一例として、主成分は両者とも可塑剤、導電材を有するエピクロロヒドリンゴムを使用し、標準品Aは型製法で作製し、低コスト品Bは押出製法で作製したものを使用した。
図5は実施例1の抵抗値と飽和電流値との関係の一例の説明図であり、横軸に抵抗値を取り、縦軸に飽和電流値を取ったグラフである。
C4h:帯電部材の判別手段
帯電部材の判別手段C4hは、抵抗値の測定手段C4dで測定された抵抗値R1と、飽和電流値の測定手段C4gで測定された飽和電流値I2dとに基づいて、帯電ロールCRの種類を判別する。実施例1では、図5に示すように、複写機Uで使用可能な複数の帯電ロールCRのそれぞれに対して、抵抗値R1と飽和電流値I2dとの関係が、実験等により予め測定されている。実施例1の帯電部材の判別手段C4hは、抵抗値R1と飽和電流値I2dと、図5に示すグラフから、帯電ロールCRの種類を判別する。
C4i:帯電部材の記憶手段
帯電部材の記憶手段C4iは、帯電部材の判別手段C4hで判別された帯電ロールCRの種類を記憶する。
FL1:電源投入の判別フラグ
電源投入の判別フラグFL1は、初期値は「0」であり、電源が投入されると「1」となり、電源が投入されている間は「1」で保持される。よって、電源が落とされると、次の電源投入直後は、初期値の「0」となる。
C5:温度の測定手段
温度の測定手段C5は、温度センサSN1の検出結果に基づいて、複写機Uの内部の温度、いわゆる環境温度を測定する。
C6:湿度の測定手段
湿度の測定手段C6は、湿度センサSN2の検出結果に基づいて、複写機Uの内部の湿度、いわゆる環境湿度を測定する。
C7:印加時間の計時手段
印加時間の計時手段C7は、複写機Uの電源投入から、帯電ロールCRに帯電電圧が印加された累積の時間t1を計時する。したがって、時間t1は、電源投入時にゼロに初期化され、帯電ロールCRに帯電電圧が印加されると、時間t1の計時が行われ、帯電電圧の印加が終了すると、時間t1の計時が停止する。
C8:帯電用の電流値の設定手段
帯電用の電流値の設定手段C8は、帯電部材の種類の取得手段C8aと、環境の判別手段C8bと、判定時間の記憶手段C8cと、経過時間の判別手段C8dと、膜厚の測定手段C8eと、比率の記憶手段C8fと、電流値の演算手段C8gと、を有する。実施例1の帯電用の電流値の設定手段C8は、ジョブの実行時に、帯電ロールCRに印加される重畳電圧の交流電流値I2eの設定を行う。すなわち、定電流制御を行うための交流電流値I2eの設定を行う。
C8a:帯電部材の種類の取得手段
帯電部材の種類の取得手段C8aは、帯電部材の記憶手段C4iに記憶された帯電ロールCRの種類を取得する。
C8b:環境の判別手段
環境の判別手段C8bは、温度の測定手段C5および湿度の測定手段C6の測定結果に基づいて、複写機Uの環境を判別する。実施例1の環境の判別手段C8bは、低温低湿環境であるか否かを判別する。なお、低温、低湿の判断基準は、仕様や設計等に応じて、予め設定される。
C8c:判定時間の記憶手段
判定時間の記憶手段C8cは、印加時間の計時手段C7が計時する時間t1に基づいて、帯電電流値I2eを変化させる判定時間taを記憶する。なお、判定時間taは、実験等により予め測定、設定されている。
C8d:経過時間の判別手段
経過時間の判別手段C8dは、印加時間の計時手段C7が計時する時間t1が、判定時間taを越えたか否かを判別する。
FL2:印加時間フラグ
印加時間フラグFL2は、初期値が「0」である。印加時間フラグFL2は、経過時間t1が判定時間ta以下の場合に「1」となる。また、印加時間フラグFL2は、経過時間t1が判定時間taより大きくなると「0」となる。
C8e:膜厚の測定手段
膜厚の測定手段C8eは、直流電圧の印加手段C8e1と、交流電流の印加手段C8e2と、直流電流の測定手段C8e3と、を有する。膜厚の測定手段C8eは、帯電ロールCRに電圧を印加した場合に測定される電流値に基づいて、感光体ドラムPRの膜厚を推定する。実施例1の膜厚の測定手段C8eでは、まず、帯電ロールCRの種類の特定時に、直流電圧の印加手段C8e1が予め設定された第1の膜厚測定用の直流電圧V11aを印加し、且つ、交流電流の印加手段C8e2が予め設定された交流電流を重畳する。そして、直流電流の測定手段C8e3が、このときの直流電流値I11aを測定する。次に、直流電圧の印加手段C8e1が予め設定された第2の膜厚測定用の直流電圧V11bを印加し、且つ、交流電流の印加手段C8e2が予め設定された交流電流を重畳する。そして、直流電流の測定手段C8e3が、このときの直流電流値I11bを測定する。そして、測定された直流電流値I11a、I11bの差(=I11b−I11a)を記憶する。なお、実施例1では、各電圧V11a、V11bの一例として、V11a=150[V]、V11b=700[V]を印加する。
ここで、一般的に、膜厚が薄くなると、ある表面電位(V11a)からある表面電位(V11b)にあげる際に必要な表面電荷量(Q)は、多くなる。すなわち、コンデンサーの原理(Q=CV)から、電圧Vを同一にした場合に、電気容量Cが大きくなると(膜厚が薄くなると)、電荷量Qが多く必要になることが知られている。
したがって、次回の膜厚の測定時に、膜厚が薄くなると、電荷量Qが増えて電流値の差(I11b−I11a)が大きくなる。よって、実施例1の膜厚の測定手段C8eは、帯電ロールCRの種類の特定時からの経時的な電流値の差の変化から、膜厚を推定する。
C8f:比率の記憶手段
比率の記憶手段C8fは、環境に基づく比率の記憶手段C8f1と、膜厚に基づく比率の記憶手段C8f2と、経過時間に基づく比率の記憶手段C8f3と、を有する。実施例1の比率の記憶手段C8fは、環境、膜厚、経過時間に応じて、ジョブ時に帯電ロールCRに印加される交流電流値I2eの飽和電流値I2dに乗算される比率、いわゆるマージンの比率を記憶する。
図6は実施例1の環境に応じた比率の一例の説明図であり、図6Aは横軸に温度/湿度を取り、縦軸に比率を取ったグラフであり、図6Bは比率の設定テーブルの一例の説明図である。
C8f1:環境に基づく比率の記憶手段
環境に基づく比率の記憶手段C8f1は、温度湿度に対する比率α1の関係を記憶する。実施例1の環境に基づく比率の記憶手段C8f1は、図6Aに示す実験結果に基づいて、図6Bに示すように、帯電ロールCRごとに、温度湿度に対する比率α1(α11〜α19、α11′〜α19′)を記憶する。
図7は実施例1の膜厚に応じた比率の一例の説明図であり、図7Aは横軸に像保持体の膜厚を取り、縦軸に比率を取った実験結果のグラフ、図7Bは膜厚に対する比率の一覧表である。
図8は実施例1の経過時間に応じた比率の一例の説明図であり、図8Aは横軸に経過時間を取り、縦軸に比率を取った実験結果のグラフ、図8Bは経過時間に対する比率の一覧表である。
C8f2:膜厚に基づく比率の記憶手段
膜厚に基づく比率の記憶手段C8f2は、膜厚に対する比率α2の関係を記憶する。
実施例1の膜厚に基づく比率の記憶手段C8f2は、図7Aに示す実験結果に基づいて、図7Bに示すように、帯電ロールCRごとに、膜厚に対する比率α2(α21〜α23、α21′〜α23′)を記憶する。
C8f3:経過時間に基づく比率の記憶手段
経過時間に基づく比率の記憶手段C8f3は、電源投入時からの経過時間t1に対する比率α3の関係を記憶する。実施例1の経過時間に基づく比率の記憶手段C8f3は、図8Aに示す実験結果に基づいて、図8Bに示すように、帯電ロールCRごとに、低温低湿環境下において、電源投入時からの経過時間t1に対する比率α3(α31、α32、α31′、α32′)を記憶する。
C8g:電流値の演算手段
電流値の演算手段C8gは、帯電ロールCRの種類に応じて、ジョブの実行時に帯電ロールCRに供給される交流電流値I2eの演算を行う。実施例1の電流値の演算手段C8gは、帯電ロールCRの種類や環境等に対応する各比率α1〜α3および飽和電流値I2dに基づいて、交流電流値I2eの演算を行う。具体的には、I2e=I2d×(α1×α2×α3)の演算を行う。したがって、実施例1の帯電用の電流値の設定手段C8は、演算された電流値I2eを、ジョブで使用する交流電流値I2eに設定し、帯電用の電源制御手段C3aは、設定された交流電流値I2eに基づいて制御を行う。なお、実施例1では、飽和電流値I2dに対する比率α(=α1×α2×α3)が、いわゆる、Iacマージンに対応している。
(帯電部材の特定処理の流れ図の説明)
図9は実施例1の帯電部材の特定処理の説明図である。
図9の流れ図、いわゆる、フローチャートの各ステップSTの処理は、複写機UのコントローラCに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は複写機Uの他の各種処理と並行して実行される。
図9に示すフローチャートは複写機Uの電源投入により開始される。
図9のST1において、カバーの開閉が検知されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、帯電ロールCRに、帯電ロールCRの種類を特定するための直流電圧V1を印加する。そして、ST3に進む。
ST3において、直流電流値I1を測定する。そして、ST4に進む。
ST4において、直流電圧値V1と直流電流値I1とに基づいて、耐電ロールCRの抵抗値R1を演算する。すなわち、抵抗値R1を測定する。そして、ST5に進む。
ST5において、直流電圧V1に対して、交流電流I2の最低値I2aの定電流制御の交流電圧を重畳する。そして、ST6に進む。
ST6において、直流電流値I1′を測定し、交流電流値I2と共に記憶する。そして、ST7に進む。
ST7において、供給中の交流電流値I2が最大値I2bであるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST8に進み、イエス(Y)の場合はST9に進む。
ST8において、交流電流値I2を、増加値I2c分だけ増加させる。すなわち、I2=I2+I2cとする。そして、ST6に戻る。
ST9において、図4に示すような交流電流値I2と直流電流値I1′の測定履歴のグラフから、直流電流値I1′が飽和する交流電流値I2、すなわち、飽和電流値I2dを特定する。そして、ST10に進む。
ST10において、抵抗値R1と飽和電流値I2dに基づいて、帯電ロールCRの種類を特定する。そして、ST1に戻る。
(帯電電流値の設定処理の流れ図の説明)
図10は実施例1の帯電電流値の設定処理の説明図である。
図10の流れ図、いわゆる、フローチャートの各ステップSTの処理は、複写機UのコントローラCに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は複写機Uの他の各種処理と並行して実行される。
図10に示すフローチャートは複写機Uの電源投入により開始される。
図10のST21において、複写機Uの電源投入の判別フラグFL1が「0」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に進み、ノー(N)の場合はST23に進む。
ST22において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST23に進む。
(1)経過時間t1をゼロに初期化する。
(2)電源投入の判別フラグFL1=「1」とする。
ST23において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST24に進み、ノー(N)の場合はST23を繰り返す。
ST24において、温度および湿度を測定する。そして、ST25に進む。
ST25において、帯電ロールCRの種類に対応して、温度、湿度に対応する比率α1を取得する。そして、ST26に進む。
ST26において、帯電ロールCRの種類が白点の発生しやすい種類であるか否か、すなわち、低コスト品Bであるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST27に進み、ノー(N)の場合はST30に進む。
ST27において、低温・低湿環境であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST28に進み、ノー(N)の場合はST30に進む。
ST28において、経過時間t1が判定時間ta以下であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST29に進み、ノー(N)の場合はST30に進む。
ST29において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST31に進む。
(1)比率α3として、α31′を設定する。
(2)印加時間フラグFL2=「1」とする。
ST30において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST31に進む。
(1)比率α3として、対応するα31、α32、α32′を設定する。
(2)印加時間フラグFL2=「0」とする。
ST31において、帯電ロールCRに膜厚測定用の第1の直流電圧V11aと交流電流とを印加して、直流電流値I11aを測定する。そして、ST32に進む。
ST32において、帯電ロールCRに膜厚測定用の第2の直流電圧V11bと交流電流とを印加して、直流電流値I11bを測定する。そして、ST33に進む。
ST33において、直流電流値の測定値の差(I11b−I11a)から感光体ドラムPRの膜厚を推定する。そして、ST34に進む。
ST34において、膜厚に対応する比率α2を設定する。そして、ST35に進む。
ST35において、飽和電流値I2dと、比率α1〜α3に基づいて、ジョブ時の交流電流値I2eを演算し、設定する。そして、ST36に進む。
ST36において、ジョブを実行する。そして、ST37に進む。
ST37において、経過時間t1の計時を開始する。そして、ST38に進む。
ST38において、印加時間フラグFL2が「1」であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST39に進み、ノー(N)の場合はST41に進む。
ST39において、経過時間t1が判定時間taより大きいか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST40に進み、ノー(N)の場合はST41に進む。
ST40において、次の処理(1)、(2)を実行し、ST41に進む。
(1)α32′に基づいて、ジョブ時の交流電流値I2eを再設定する。
(2)印加時間フラグFL2を「0」に設定する。
ST41において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST42に進み、ノー(N)の場合はST38に戻る。
ST42において、経過時間t1の計時を終了する。そして、ST21に戻る。
(帯電ロールCRの種類の特定処理の作用の説明)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、ドラムユニットの交換が検知された場合に、帯電ロールCRの種類の判別が行われる。帯電ロールCRの判別は、抵抗値R1と、飽和電流値I2dとに基づいて行われる。そして、判別された帯電ロールCRの種類に応じて、ジョブ時の交流電流値I2eを設定する際の比率、いわゆる、Iacマージンが設定される。
すなわち、ある機種の複写機Uにおいて、ドラムユニットのロットの違いや、再生品や汎用品を使用したりする場合に、装着される帯電ロールCRの帯電特性が異なる場合がある。この場合、いずれの帯電ロールを使用しても、感光体ドラムPRを良好に帯電させる必要がある。
図11は2種類の帯電ロールの特性の説明図であり、図11Aは横軸に電圧を取り縦軸に電流を取ったグラフ、図11Bは横軸に温度/湿度を取り縦軸に抵抗値を取ったグラフである。
図11において、標準品Aに対して低コストの帯電ロールCRが調合、作製される場合には、同一の温度、湿度の環境においては、帯電特性に最も関連の深い抵抗値R1が同じになるように作製されることが一般的である。したがって、抵抗値R1だけで、帯電ロールCRの種類を判定しようとしても、図11Bに示すように、抵抗値R1から帯電ロールCRの種類の判別は困難である。すなわち、抵抗値R1だけで判定しようとすると、低コスト品Bを標準品Aと誤判定する問題がある。
これに対して、図4に示すように、標準品Aと低コスト品Bとでは、抵抗値R1を近づけても、飽和電流値I2dの特性が異なることを見いだした。なお、抵抗値R1だけでなく、飽和電流値I2dも揃えることも不可能ではないが、飽和電流値I2dも揃えようとすると、コストが上昇してしまい、低コスト品を作製するという観点からみて本末転倒になる。
ここで、飽和電流値I2dを使用して画像形成を行うと、帯電不足に伴って、画像に白点と呼ばれる画像欠陥が発生することが知られている。これに対応して、飽和電流値I2dに、Iacマージンを乗算した電流値I2eで画像形成を行うと、白点が消失して、画像欠陥が発生しなくなることも知られている。帯電ロールCRの種類が異なって飽和電流値I2dが変動すると、白点が消失するポイントも異なる。したがって、Iacマージンも異なり、ジョブ時の電流値I2eも異なってくる。よって、従来のように、帯電ロールCRの種類が判別できず、低コスト品Bを標準品Aと誤判定する従来の技術では、Iacマージン等について標準品の設定で対応してしまい、白点が発生する問題があった。
これに対して、実施例1では、抵抗値R1と飽和電流値I2dに基づいて、帯電ロールCRの種類を特定可能である。そして、特定された種類に応じて、比率α1〜α3が設定可能である。したがって、従来の技術に比べて、白点の発生が低減される。
特に、実施例1では、図6に示すように、温度、湿度の環境に応じて白点が消失する比率α1が変動することに対応して、比率α1を、温度、湿度に対応して設定している。よって、温度、湿度に応じて変化する白点が消失する電流値に、ジョブ時の電流値I2eを設定することが可能である。
また、実施例1では、図7に示すように、感光体ドラムPRの膜厚が摩耗等で変化することに応じて白点が消失する比率α2が変動することに対応して、膜厚を測定すると共に、膜厚に対応する比率α2を設定している。したがって、膜厚に応じて変化する白点が消失する電流値に、ジョブ時の電流値I2eを設定することが可能である。
さらに、図8に示すように、理由は不明であるが、低温低湿環境下では、電源投入から帯電電圧が印加される時間が一定時間ta経過するまでの間、白点が消失する比率α31′が、一定時間ta経過後に比べて大きくなる帯電ロールCRも存在する。これに対応する場合、従来の技術では、低温低湿環境下では、比率α31′を採用することとなるが、仮に、判定時間taが経過後にも、比率α3を、大きな値α31′とした場合、過剰な電流が供給されることとなり、感光体ドラムPRや帯電部材CRの寿命が短くなる恐れがある。これに対して、実施例1では、低温低湿環境且つ電源投入からの経過時間t1が判定時間taを経過するまでは、比率α3を白点が消失する大きな値α31′に設定しつつ、判定時間taが経過後は、比率α3を、α31′に比べて小さな値であるα32′に変更する。よって、電源投入直後の白点の発生を低減しつつ、過剰な電流が供給され続けることも抑制される。
したがって、図8に示す特性以外でも、複写機Uで使用可能な複数種類の帯電ロールCRの間で、異なる帯電特性を有する場合に、各帯電ロールCRの帯電特性に応じて、比率を設定、変更可能である。すなわち、実施例1の複写機Uでは、様々な帯電特性を有する帯電ロールCRに応じて、適切なIacマージンを設定可能である。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H04)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置の一例としてのプリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色の画像形成装置に限定されず、多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、判定する帯電ロールCRとして、標準品Aと低コスト品Bの2種類を例示したが、これに限定されない。ロットの違いに対応したり、複写機Uの製造者とは異なる第3者が製造した非純正品や汎用品等に対応して、3種類以上とすることも可能である。また、例えば、複写機Uの販売時には、帯電ロールCRは1種類しかないが、その後、使用可能な帯電ロールCRが増える度に、比率α1〜α3を増やしていく構成とすることも可能である。比率α1〜α3を増やす方法としては、保守時にサービスエンジニアがデータを更新したり、電話回線や通信回線、無線回線等を介してデータの更新を行ったり等、任意の方法で更新可能である。
(H03)前記実施例において、比率として、3つの比率α1〜α3を例示したが、これに限定されない。すなわち、帯電ローラCRの帯電特性に応じて、4つ以上の比率が必要な場合には、4つ以上とすることも可能である。したがって、帯電ローラCRの種類が3種類以上に増えた場合でも、帯電特性の違いに応じて、きめ細かい比率の設定、調整が可能である。逆に、2つ以下で十分な場合には、2つ以下とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、帯電部材の種類を特定する際に印加される電圧として、定電圧制御の直流電圧と、定電流制御の交流電流とすることが望ましいが、制御方法はこの組み合わせに限定されない。
C4…帯電部材の特定手段、
C4d…抵抗値の測定手段、
C4g…飽和電流値の測定手段、
C8…電流値の設定手段、
CR…帯電部材、
CR,Ea,C…帯電装置、
Ea…電源手段、
F…定着装置、
I1′…直流電流値、
I2d…飽和した場合の交流電流値、
I2e…画像の形成時の交流電流値、
G…現像装置、
PR…像保持体、
R1…抵抗値、
ROS…潜像形成装置、
S…媒体、
ta…予め設定された時間、
TU…転写装置、
U…画像形成装置、
V1…直流電圧。

Claims (4)

  1. 像保持体を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材に帯電用の電力を供給する電源手段であって、直流電圧と交流電流とを供給可能な前記電源手段と、
    前記帯電部材に前記直流電圧を供給して、前記帯電部材の抵抗値を測定する抵抗値の測定手段と、
    前記帯電部材に直流電圧と交流電流とを供給し且つ前記交流電流を変化させながら直流電流値を測定して、前記直流電流値が飽和した場合の交流電流値を測定する飽和電流値の測定手段と、
    前記抵抗値と前記飽和した場合の交流電流値とに基づいて、前記帯電部材の種類を特定する帯電部材の特定手段と、
    を備えたことを特徴とする帯電装置。
  2. 前記帯電部材の種類に応じて、画像の形成時に前記帯電部材へ供給される交流電流値を設定する電流値の設定手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  3. 前記帯電部材の種類に基づいて、画像の形成時に前記帯電部材への電力の供給開始から予め設定された時間が経過するまでの間、前記帯電部材へ供給される交流電流値を、前記電流値の設定手段で設定された前記交流電流値よりも大きな値に設定する前記電流値の設定手段、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の帯電装置。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる請求項1ないし3のいずれかに記載の帯電装置と、
    前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記像保持体の潜像を可視像に現像する現像装置と、
    前記像保持体の可視像を媒体に転写させる転写装置と、
    前記媒体に転写された可視像を定着させる定着装置と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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