JP2015034762A - 差圧式流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 差圧生成機構で生じた差圧を利用して流体の体積流量と質量流量の双方を測定でき、構造が非常に簡単で低コストで製造することが可能で、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない差圧式流量計を提供する。
【解決手段】 本体10に設けた被測定流体が流れる流路11内に、オリフィス板15を設置し、その上流側における絶対圧とその下流側における絶対圧を測定する絶対圧センサ30を設ける。流路11の上流側と下流側を絶対圧センサ30に選択的に連通させる流路切換弁20を設ける。被測定流体の温度を測定する機能を持つ演算手段により、上流側の絶対圧についての絶対圧センサ30の出力と、下流側の絶対圧についての絶対圧センサ30の出力から、被測定流体の差圧を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、差圧式流量計に関し、さらに言えば、差圧生成機構で生じた差圧を利用して、流体の体積流量だけでなく質量流量も測定することが可能な差圧式流量計に関する。
差圧式流量計は、被測定流体の差圧(圧力差)を生成する差圧生成機構を備えていて、差圧生成機構で生成された被測定流体の差圧を用いて被測定流体の体積流量を測定するようにした流量計である。差圧生成機構としては、オリフィス板のような絞り機構のほか、ピトー管、層流素子などが用いられる。
差圧式流量計は、被測定流体や測定流量の範囲が広いという利点がある。また、差圧生成機構としてオリフィス板のような絞り機構が使用可能であり、被測定流体の差圧は差圧センサだけで測定できるので、構造が簡単で低価格などの利点もある。このため、以前から広く利用されて来ている。
ところで、差圧式流量計において、差圧生成機構で生じた差圧を利用して、流体の体積流量だけでなく質量流量も測定できるようにするためには、差圧センサに加えて、被測定流体の密度を測定するためのセンサ、例えば絶対圧圧力センサや温度センサ等が必要になる。したがって、体積流量と質量流量の双方を測定可能な差圧式流量計は、構造が複雑であり、製造コストも比較的高いのが、一般的である。
体積流量と質量流量の双方が測定可能な差圧式流量計に関連する技術としては、例えば、特許文献1(特許第4881391号公報)に開示された差圧式マスフローコントローラがある。この差圧式マスフローコントローラは、ガス流路中に、差圧生成機構(抵抗体)として層流素子が設けられており、差圧生成機構の上流側(導入側)に上流側圧力センサが、その下流側(導出側)に下流側圧力センサが設けられている。さらに、ガス流路を流れる流体の温度を検出する温度センサも設けられている。なお、上流側圧力センサと下流側圧力センサは、いずれも絶対圧センサとされている。
特許文献1の差圧式マスフローコントローラは、このような構成により、ガス流路を流れるガスの質量流量を測定し、得られた質量流量を用いて診断を行うことで、差圧生成機構の目詰まりや残留ガスなどの異状を発見するものである。
また、特許文献2(特許第4777816号公報)には、差圧式流量計が開示されている。この差圧式流量計は、流路中に、差圧生成機構としてオリフィス板が設けられており、差圧生成機構の上流側に被測定流体のゲージ圧を検出するゲージ圧センサが、その下流側に差圧生成機構の上下流間の差圧を検出する差圧センサが、それぞれ設けられている。さらに、大気圧を測定するための絶対圧センサと、被測定流体の温度を検出する温度センサも設けられている。ゲージ圧センサで測定された被測定流体のゲージ圧は、絶対圧センサで測定された大気圧と加算され、被測定流体の絶対圧として体積流量と質量流量の演算に使用される。
特許文献2の差圧式流量計では、差圧生成機構の上流側と下流側とを連通する流路に均圧弁が設けられており、ゼロ点調整が可能となっている。この均圧弁は、ゼロ点調整を行う時に開放され、差圧生成機構の上流側と下流側を連通させて被測定流体の上流側圧力と下流側圧力を等しくする。
特許文献2の差圧式流量計は、このような構成により、流路を流れる被測定流体の体積流量だけでなく、質量流量も測定することができ、しかも、差圧センサのゼロ点調整も容易に行うことができる。
なお、「絶対圧」とは、絶対真空を0として表示する圧力であり、「ゲージ圧」とは、大気圧を0として表示する圧力である。したがって、絶対圧=ゲージ圧+大気圧という関係が成り立つ。また、0℃、1気圧または20℃、1気圧における体積流量を、「標準体積流量」と呼ぶ。
特許第4881391号公報 特許第4777816号公報
上述した特許文献1の「差圧式マスフローコントローラ」に使用されている構成、すなわち、差圧生成機構(抵抗体)の上流側と下流側にそれぞれ配置された絶対圧センサを用いて流体の質量流量を測定する構成では、流体の体積流量と共に質量流量も測定することはできるが、ゼロ点調整については何ら考慮されていない。つまり、上流側絶対圧センサと下流側絶対圧センサのゼロ点が温度特性の差異などによって微妙にずれて来るために生じるゼロ点変動により、流量が0の近傍で測定精度が非常に悪化するという問題がある。
この問題を解消するには、上流側絶対圧センサと下流側絶対圧センサのゼロ点の違いを補正するために、「ゼロ点調整機構」を追加することが必要である。しかし、特許文献1には、「ゼロ点調整機構」については何ら言及されていない。
上述した特許文献2の差圧式流量計は、流体の体積流量と共に質量流量も測定することができるが、差圧生成機構の上流側にゲージ圧センサを、その下流側に差圧センサを設けるだけでなく、絶対圧センサと温度センサを設けることも必要である。したがって、使用するセンサの数が多くなり、結果として、それだけ構造が複雑化し、製造コストも上昇するという問題が生じる。
さらに、特許文献2の差圧式流量計にゼロ点調整用として設けられた均圧弁は、手動式であるから、頻繁に差圧状態と均圧状態を切り換えてゼロ点調整を行うことが容易ではないし、ゼロ点調整それ自体を忘れる恐れがある、という難点もある。
本発明は、以上述べたような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、差圧生成機構で生じた差圧を利用して流体の体積流量と質量流量の双方を測定することができると共に、構造が非常に簡単で低コストで製造することが可能であり、しかも、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない差圧式流量計を提供することにある。
本発明の他の目的は、使用する圧力センサが単一の絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない差圧式流量計を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、使用する圧力センサが二つの絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない差圧式流量計を提供することにある。
ここに明記しない本発明のさらに他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかである。
(1) 本発明の第1の観点による差圧式流量計は、
被測定流体が流れる流路を有する本体と、
前記流路内に設置された差圧生成機構と、
前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側における絶対圧とその下流側における絶対圧を測定する絶対圧センサと、
前記流路の前記差圧生成機構の上流側と下流側とを前記絶対圧センサに選択的に連通させる流路切換手段と、
前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側における絶対圧についての前記絶対圧センサの出力と、その下流側における絶対圧についての前記絶対圧センサの出力とから、前記被測定流体の差圧を算出する演算手段とを備え、
前記演算手段は、前記被測定流体の温度を測定する機能を有していることを特徴とするものである。
本発明の第1の観点による差圧式流量計は、このような構成を有するので、前記差圧生成機構の上流側における前記被測定流体の圧力と、前記差圧生成機構の下流側における前記被測定流体の圧力とを、前記流路切換手段によって切り換えながら、前記絶対圧センサで測定することができる。このため、単一の前記絶対圧センサを使用して、前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側と下流側の間の差圧を測定することができる。したがって、体積流量を測定することが可能である。
また、前記演算手段によって、前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側と下流側の間の差圧だけでなく、前記被測定流体の絶対圧と温度をも得ることができるため、質量流量も測定可能である。
さらに、前記本体と前記差圧生成機構と前記絶対圧センサと前記流路切換手段と前記演算手段を備えるだけであるので、構造が非常に簡単であり、したがって、低コストで製造可能である。
さらに、前記流路切換手段により、前記流路の前記差圧生成機構の上流側と下流側とを前記絶対圧センサに選択的に連通させるので、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない。
よって、本発明の第1の観点による差圧式流量計によれば、差圧生成機構で生じた差圧を利用して流体の体積流量と質量流量の双方を測定することができると共に、構造が非常に簡単で低コストで製造することが可能であり、しかも、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない。
このように、本発明の第1の観点による差圧式流量計では、前記差圧生成機構の上流側と下流側での前記被測定流体の絶対圧力の測定に、前記絶対圧センサを共用しており、また、前記演算手段を前記被測定流体の温度の測定にも使用するため、使用する圧力センサが単一の絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない。
(2) 本発明の第1の観点による差圧式流量計の好ましい例では、前記流路切換手段が、前記流路の前記差圧生成機構の上流側と前記絶対圧センサを接続する第1連絡路と、前記流路の前記差圧生成機構の下流側と前記絶対圧センサを接続する第2連絡路とを切り換えるように構成される。
(3) 本発明の第1の観点による差圧式流量計の他の好ましい例では、前記流路切換手段が、前記本体の内部に移動可能として設けられた弁体と、前記弁体を駆動するソレノイドを備えた電磁弁とされる。
(4) 本発明の第1の観点による差圧式流量計のさらに他の好ましい例では、前記絶対圧センサが、ダイアフラム上に配置された複数のセンサ要素(例えば抵抗器)を含む半導体圧力センサから構成される。
(5) 本発明の第1の観点による差圧式流量計のさらに他の好ましい例では、前記演算手段が、前記絶対圧センサに設けられたセンサ要素(例えば抵抗器)の温度特性を利用して、前記被測定流体の温度を測定するように構成される。
(6) 本発明の第1の観点による差圧式流量計のさらに他の好ましい例では、前記差圧生成機構がオリフィス板とされる。
(7) 本発明の第2の観点による差圧式流量計は、
被測定流体が流れる流路を有する本体と、
前記流路内に設置された差圧生成機構と、
前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側における絶対圧を測定する第1絶対圧センサと、
前記被測定流体の前記差圧生成機構の下流側における絶対圧を測定する第2絶対圧センサと、
前記流路の前記差圧生成機構の上流側またはその下流側を、前記第1絶対圧センサと前記第2絶対圧センサの双方に連通させる流路切換手段と、
前記第1絶対圧センサの出力と前記第2絶対圧センサの出力とから、前記被測定流体の差圧を算出する演算手段とを備え、
前記演算手段は、前記被測定流体の温度を測定する機能を有していることを特徴とするものである。
本発明の第2の観点による差圧式流量計は、このような構成を有するので、前記第1絶対圧センサの出力と前記第2絶対圧センサの出力から、前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側と下流側の間の差圧を測定することができる。したがって、体積流量を測定することが可能である。
また、前記演算手段によって、前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側と下流側の間の差圧だけでなく、前記被測定流体の絶対圧と温度をも得ることができるため、質量流量も測定可能である。
さらに、前記本体と前記差圧生成機構と前記第1及び第2絶対圧センサと前記流路切換手段と前記演算手段を備えるだけであるので、構造が非常に簡単であり、したがって、低コストで製造可能である。
さらに、前記流路切換手段により、前記流路の前記差圧生成機構の上流側またはその下流側を、前記第1絶対圧センサと前記第2絶対圧センサの双方に連通させることができるので、前記流路切換手段を動作させるだけでゼロ点調整が自動的に実行される。このため、前記第1絶対圧センサと前記第2絶対圧センサのゼロ点の差異に起因するゼロ点変動の問題が生じない。
よって、本発明の第2の観点による差圧式流量計によれば、差圧生成機構で生じた差圧を利用して流体の体積流量と質量流量の双方を測定することができると共に、構造が非常に簡単で低コストで製造することが可能であり、しかも、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない。
このように、本発明の第2の観点による差圧式流量計では、前記差圧生成機構の上流側と下流側での前記被測定流体の絶対圧力の測定のために、前記第1絶対圧センサと前記第2絶対圧センサを設けており、また、前記演算手段を前記被測定流体の温度の測定にも使用するため、使用する圧力センサが二つの絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない。
(8) 本発明の第2の観点による差圧式流量計の好ましい例では、前記流路切換手段が、差圧状態では、前記流路の前記差圧生成機構の上流側と前記第1絶対圧センサを接続すると共に、前記流路の前記差圧生成機構の下流側と前記第2絶対圧センサを接続し、均圧状態では、前記流路の前記差圧生成機構の上流側またはその下流側を前記第1絶対圧センサと前記第2絶対圧センサの双方に連通させるように構成される。
(9) 本発明の第2の観点による差圧式流量計の他の好ましい例では、前記流路切換手段が、前記本体の内部に移動可能として設けられた弁体と、前記弁体を駆動するソレノイドを備えた電磁弁とされる。
(10) 本発明の第2の観点による差圧式流量計のさらに他の好ましい例では、前記第1絶対圧センサ及び前記第2絶対圧センサの各々が、ダイアフラム上に配置された複数のセンサ要素(例えば抵抗器)を含む半導体圧力センサから構成される。
(11) 本発明の第2の観点による差圧式流量計のさらに他の好ましい例では、前記演算手段が、前記第1絶対圧センサ及び前記第2絶対圧センサに設けられたセンサ要素(例えば抵抗器)の温度特性を利用して、前記被測定流体の温度を測定するように構成される。
(12) 本発明の第2の観点による差圧式流量計のさらに他の好ましい例では、前記差圧生成機構がオリフィス板とされる。
本発明の第1及び第2の観点による差圧式流量計によれば、差圧生成機構で生じた差圧を利用して流体の体積流量と質量流量の双方を測定することができると共に、構造が非常に簡単で低コストで製造することが可能であり、しかも、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない、という効果が得られる。
また、本発明の第1の観点による差圧式流量計によれば、使用する圧力センサが単一の絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない、という効果も得られる。
さらに、本発明の第2の観点による差圧式流量計によれば、使用する圧力センサが二つの絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない、という効果も得られる。
本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計の全体構成を示す縦断面図で、絶対圧センサで被測定流体の上流側の絶対圧を測定する状態を示している。 本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計の全体構成を示す縦断面図で、絶対圧センサで被測定流体の下流側の絶対圧を測定する状態を示している。 本発明の第2実施形態に係る差圧式流量計の全体構成を示す縦断面図で、二つの絶対圧センサで被測定流体の上流側及び下流側の絶対圧を同時測定する状態を示している。 本発明の第2実施形態に係る差圧式流量計の全体構成を示す縦断面図で、二つの絶対圧センサの間のゼロ点調整を行う状態を示している。 本発明の第1及び第2実施形態に係る差圧式流量計に使用されている絶対圧センサの全体構成例を示す縦断面図である。 本発明の第1及び第2実施形態に係る差圧式流量計に含まれている演算手段としてのセンサ回路の構成例を示す回路図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に、本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計1の全体構成を示す。図1は流路11の上流側における被測定流体の圧力を測定する状態を示し、図2は流路11の下流側における被測定流体の圧力を測定する状態を示す。
この差圧式流量計1は、内部に被測定流体が流れる流路11を有する、両端を開口した筒状の本体10を有している。流離11は、本体10の長軸方向に沿って(図1及び図2では左右方向に)延在している。流路11の内部には、差圧生成機構としてのオリフィス板15が設置されている。オリフィス板15によって被測定流体の上流側圧力が増加するため、オリフィス板15の上流側(IN側)と下流側(OUT側)の間に被測定流体の差圧が生じる。
本体10の内部には、本体10の短軸方向(図1及び図2では上下方向)でオリフィス板15と重なる位置に、絶対圧センサ30が配置されている。この絶対圧センサ30は、オリフィス板15の上流側と下流側における被測定流体の絶対圧を測定するのに使用される、つまり、オリフィス板15の上流側の絶対圧測定と下流側の絶対圧測定に共用されるのである。
本体10の内部の流路11と絶対圧センサ30の間には、流路切換手段としての流路切換弁20が設けられている。流路切換弁20は、ここではポペット式の電磁弁とされていて、ポペット22が装着され且つその長軸方向に移動可能とされた主軸21と、主軸21をその長軸方向に移動させるプランジャ23及びソレノイド24からなる電磁石と、主軸21をプランジャ23の側に向かって付勢するバネ25とを備えている。
本体10の内部には、流路切換弁20を収容するための収容室12が形成されている。収容室12は、三つの円筒部を組み合わせた形をしており、図1の左側(バネ25のある側)の円筒部には、プラグ部材13aが充填・固定され、図1の右側(プランジャ23のある側)の円筒部には、プラグ部材13bが充填・固定されており、プラグ部材13bの内側(図1では左側)にはプランジャ23及びソレノイド24が配置されている。そして、図1の中央にある円筒部には、略円筒形のリテーナ14a及び14bが配置されている。
プラグ部材13aは、それに対向するリテーナ14aの左端面に接触してこれを左側から押圧・保持している。リテーナ14aの左端にある鍔状部の右端面は、この円筒部の底壁に当接して、その位置に位置決めされている。プラグ部材13bは、ソレノイド24を介して、それに対向するリテーナ14bの右端面を押圧・保持している。リテーナ14bの右端にある鍔状部の左端面は、この円筒部の底壁に当接して、その位置に位置決めされている。リテーナ14aの先端部とリテーナ14bの先端部は、互いに接触していないため、それらの間には空隙43が形成されている。この空隙43は、本体10の短軸方向においてオリフィス板15とほぼ重なる位置にある。リテーナ14aとリテーナ14bの内側には、中央の円筒部よりも小径の円柱形の空間が形成されており、流路切換弁20の主軸21はその空間内に移動可能に配置されている。流路切換弁20のポペット22は、リテーナ14aとリテーナ14bの間の空隙43に配置されている。リテーナ14aの先端部とリテーナ14bの先端部のポペット22が接触する部分は、いずれも円形の斜面になっている。これら二つの斜面は、ポペット22が当接する弁座として機能する。
中央の円筒部とリテーナ14aとの間は、複数のOリング26によって密封されている。中央の円筒部とリテーナ14bとの間も、複数のOリング26によって密封されている。主軸21には、大径部が2箇所設けられている。左側の大径部は、主軸21の左端部の近傍に位置しており、右側の大径部は、主軸21の右端部の近傍に位置していて、リテーナ14a及びリテーナ14bの内側の空間で主軸21を円滑に移動させるためのガイド体となっている。左側の大径部には、Oリング27が嵌合されていて、その大径部とポペット22との間の空間を密封するようになっている。同様に、右側の大径部にも、Oリング27が嵌合されていて、その大径部とポペット22との間の空間を密封するようになっている。左側の大径部は、バネ25を支持する部分(バネ受け)としても使用されている。バネ25は、リテーナ14aの内部に配置されていて、主軸21をソレノイド24に向かって付勢している。バネ25の左端は、プラグ部材13aの右端面によって支持され、その右端は、主軸21の左側の大径部によって支持されている。
絶対圧センサ30は、外形の全体が円柱形になっていて、本体10の内部に形成された円形透孔に、本体10の短軸方向に沿って埋設されている。絶対圧センサ30の検出面は、内向き(図1では下向き)に配置されている。この円形透孔は、本体10の短軸方向において、リテーナ14aの先端(弁座)とリテーナ14bの先端(弁座)の間にある空隙43に重なる位置にあり、相互に連通しているので、絶対圧センサ30はその検出面で、空隙43にある被測定流体の絶対圧を測定することができる。
絶対圧センサ30の裏面は、金属製または合成樹脂製のカバー31で覆われている。カバー31も本体10の内部に埋め込まれているので、本体10から突出しない。カバー31はネジ止めされているので、絶対圧センサ30の点検や交換の場合には、ネジ(図示せず)を緩めてカバー31を外せばよい。
左側のリテーナ14aには、その半径方向に貫通する透孔が形成されており、この透孔は、流路切換弁20を介して、流路11の上流側と、リテーナ14a及び14bの間の空隙43とを相互に連通する連絡路41となっている。同様に、右側のリテーナ14bにも、その半径方向に貫通する透孔が形成されており、この透孔は、流路切換弁20を介して、流路11の下流側と、リテーナ14a及び14bの間の空隙43とを相互に連通する連絡路42となっている。
したがって、図1に示すように、流路切換弁20のポペット22が右側の位置(非作動位置)にある時は、連絡路41を介して、流路11の上流側と空隙43とが相互に連通し、連絡路42は閉じられる。この時、絶対圧センサ30は、流路11の上流側の絶対圧を測定する。逆に、図2に示すように、流路切換弁20のポペット22が左側の位置(作動位置)にある時は、連絡路42を介して、流路11の上流側と空隙43とが相互に連通し、連絡路41は閉じられる。この時は、絶対圧センサ30は、流路11の下流側の絶対圧を測定する。このように、流路切替弁20によって絶対圧センサ30につながる流路を切り換えることで、単一の絶対圧センサ30によって流路11の上流側と下流側の絶対圧を交互に測定する。
図5は、絶対圧センサ30として使用される半導体圧力センサの全体構成例を示す。同図に示すように、この絶対圧センサ30は、全体が略円柱形であり、ガラス製の台座30dの上に単結晶シリコン製のセンサチップ30aを陽極接合で固定し、その周囲を合成樹脂製のパッケージ30gで覆った構成を持つ。センサチップ30aの上部には、ダイアフラム30bが形成されており、ダイアフラム30bの内側は真空領域30cとされている。台座30dの外面には、それに沿って延在する複数の電極30eが形成されている。センサチップ30aの上面の所定箇所(具体的には後述のピエゾ抵抗器)には、複数の導電性ワイヤ30fの一端がそれぞれ接続されており、それら導電性ワイヤ30fの他端は、対応する電極30eにそれぞれ接続されている。これらの電極30eは、後述するように、演算回路として機能するセンサ回路100に接続されている。
パッケージ30gの上面には、センサチップ30aの上面とワイヤ30fを埋め込むように、シリコンゲル30hが配置されている。したがって、被測定流体の圧力は、図5の矢印のように、シリコンゲル30hを介してセンサチップ30aのダイアフラム30bに印加され、ダイアフラム30b上に所定パターンで配置・固定された複数のピエゾ抵抗器(図示せず)によって検出される。被測定流体と絶対圧センサ30の間にはシリコンゲル30hが介在しているため、被測定流体がダイアフラム30bに接触する恐れはない。絶対圧センサ30の検出面は、図5の上方にあるシリコンゲル30hの板外面(湾曲面)である。ダイアフラム30bの片面に被測定流体が印加されるが、ダイアフラム30bの反対面は真空領域30cに接しているため、絶対圧センサ30によって測定されるのは、被測定流体の絶対圧であり、相対圧ではない。
被測定流体の圧力によりダイアフラム30bが変形すると、被測定流体の圧力に応じて、ダイアフラム30b上に配置されている各々のピエゾ抵抗器の抵抗値が変化するので、それらの抵抗値変化を取り出すことで、絶対圧センサ30によって被測定流体の絶対圧力が測定される。
図6は、絶対圧センサ30の演算回路として機能するセンサ回路100の構成例を示す回路図である。このセンサ回路100は、被測定流体の絶対圧を測定する機能だけではなく、被測定流体の温度を測定する機能も持っている。
図6のセンサ回路100では、四つの抵抗器101、102、103及び104が、ブリッジ回路を構成している。抵抗器101、102、103及び104の抵抗値は、それぞれ、R1、R2、R3及びR4であり、いずれもセンサチップ30aのダイアフラム30b上にある。センサ回路100は、さらに、抵抗値R5を持つ抵抗器110を有しているが、ダイアフラム30bの変形による影響を受けないように、抵抗器110はダイアフラム30bの外部(センサ回路100の回路基板上)に配置されている。抵抗器110は、抵抗器103と104の接続点と接地点(GND)の間に接続されている。抵抗器110は、被測定流体の温度測定用として設けられたものである。
なお、抵抗器101、102、103及び104は、いずれも、図5の半導体圧力センサに使用されたピエゾ抵抗器から形成されている。温度測定用の抵抗器110は、センサ回路100の回路基板上に配置されており、温度変化の影響を受けにくい金属皮膜のチップ抵抗から構成されるのが通常である。
直流電源111(電源電圧:VDD)の正極は、抵抗器101と102の接続点に接続されており、その接続点における電圧がVi1とされている。直流電源111の負極は、接地(GND)されていると共に、抵抗器110を介して、抵抗器103と104の接続点にも接続されている。抵抗器103と104の接続点における電圧は、Vi2とされている。また、抵抗器101と104の接続点は、差動増幅器105の一方の入力端に接続されており、その接続点における電圧はVo1とされている。抵抗器102と103の接続点は、差動増幅器105の他方の入力端に接続されており、その接続点における電圧はVo2とされている。電圧Vi2は、増幅器106に入力されて増幅される。電圧Vo1とVo2は、差動増幅器105に入力されて差動増幅される。
センサ回路100は、さらに、抵抗器110に並列にスイッチ108が接続され、差動増幅器105の二つの入力端の間に並列にスイッチ109が接続されている。センサ回路100を圧力センサとして使用する時は、スイッチ108がON(閉)とされ、スイッチ109がOFF(開)とされる。この場合、抵抗器103と104の接続点は、直接、接地される。被測定流体のセンサ回路100を温度センサとして使用する時は、スイッチ109がON(閉)とされ、スイッチ108がOFF(開)とされる。この場合、抵抗器103と104の接続点は、抵抗器110を介して接地され、差動増幅器105の二つの入力端がショートされる。
差動増幅器105の出力と増幅器106の出力は、ADコンバータ107に送られて、デジタル信号に変換され、圧力データまたは温度データとして使用される。そして、測定結果である体積流量または質量流量の値が、本体10の外部に装着された表示器(図示せず)に表示される。
センサ回路100を圧力センサとして使用する場合、スイッチ108がON(閉)、スイッチ109がOFF(開)とされるので、抵抗器101と102の接続点には電源電圧VDDが印加され、抵抗器103と104の接続点には接地電圧0が印加される。そして、ブリッジ回路の出力電圧(Vo1-Vo2)は差動増幅器105で増幅され、ADコンバータ107でデジタル信号に変換され、圧力データとして使用される。
センサ回路100を温度センサとして使用する場合、スイッチ108がOFF(開)、スイッチ109がON(閉)とされるので、抵抗器101と102の接続点には電源電圧VDDが印加され、抵抗器103と104の接続点は抵抗器110を介して接地される。抵抗器110を温度特性の小さいものとすることで、抵抗器103と104の接続点の電圧Vi2は、ブリッジ回路を構成する四つの抵抗器101〜104の温度特性にしたがって、被測定流体の温度と共に変化する。予め、電圧Vi2と温度との関係を測定しておけば、電圧Vi2を知ることで、被測定流体の温度を測定することができる。電圧Vi2は、増幅器106で増幅され、ADコンバータ107でデジタル信号に変換され、温度データとして使用される。なお、温度測定時にスイッチ109をONにするのは、抵抗器102及び103の接続点と、抵抗器101及び104の接続点とをショートさせるためであり、これによって圧力変化に起因する電圧Vi2の変動を抑制できる利点がある。
体積流量と質量流量の演算は、絶対圧センサ30から得られた被測定流体の圧力データと温度データを用いて、例えば、次のようにして行う。
被測定流体の体積流量をQv、被測定流体の上流側圧力と下流側圧力(いずれも絶対圧)をそれぞれP1、P2、被測定流体の密度をρ、C1を定数とすると、ベルヌーイの式と連続の式から、被測定流体の体積流量Qvは、次の数式(1)で与えられる。

Figure 2015034762
被測定流体の質量流量をQmとすると、質量流量Qmは、次の数式(2)で与えられる。ただし、C2及びC3はいずれも定数である。

Figure 2015034762
また、状態方程式から、次の数式(3)で成り立つ。ただし、Pは本発明の第1実施形態に係る差圧流量計1の周囲の圧力、Ngはモル質量、Tは差圧流量計1の周囲の絶対温度である。

Figure 2015034762
数式(3)を数式(2)に代入すると、次の数式(4)が得られる。この数式(4)により、被測定流体の質量流量をQmが得られる。

Figure 2015034762
数式(4)により得た質量流量Qmを、0℃、1atmにおける体積流量に換算すると、体積流量Qv0は、次の数式(5)で与えられる。ただし、ρ0は、0℃、1atmにおける被測定流体の密度である。

Figure 2015034762
よって、0℃、1atmにおける体積流量Qv0は、次の数式(6)で与えられる。

Figure 2015034762
このようにして、絶対圧センサ30から得られた被測定流体の圧力データと温度データを用いて、被測定流体の質量流量Qmと、その0℃、1atmにおける体積流量Qv0の双方を測定することができる。
次に、以上の構成を持つ本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計1の動作について説明する。
流路11の上流側における被測定流体の圧力を測定する場合には、図1に示すように、ポペット弁形式の流路切換弁20はOFFとされる。この状態では、ソレノイド24は消磁されたままであり、主軸21のポペット22は、ソレノイド24の側(図1の右側)の弁座に接している。このため、絶対圧センサ30の検出面が接している間隙43は、連絡路41を通って流路11の上流側に連通しており、流路11の下流側に連通する連絡路42は、閉鎖されている。こうして、図1の状態では、流路11の上流側における被測定流体の絶対圧が測定される。
流路11の下流側における被測定流体の圧力を測定する場合には、図2に示すように、ポペット弁形式の流路切換弁20がONとされる。この状態では、ソレノイド24は励磁されたままであり、主軸21のポペット22は、バネ25の側(図2の左側)の弁座に接している。このため、絶対圧センサ30の検出面が接している間隙43は、連絡路42を通って流路11の下流側に連通しており、流路11の上流側に連通する連絡路41は、閉鎖されている。したがって、この状態では、流路11の下流側における被測定流体の絶対圧が測定される。
以上詳細に説明したところから明らかなように、本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計1は、差圧生成機構としてのオリフィス板15の上流側(IN側)における被測定流体の圧力と、オリフィス板15の下流側(OUT側)における被測定流体の圧力とを、流路切換弁20によって切り換えながら、絶対圧センサ30で測定することができる。このため、単一の絶対圧センサ30を使用して、被測定流体のオリフィス板15の上流側と下流側の間の差圧を交互に測定することができる。したがって、体積流量を測定することが可能である。
また、演算手段としてのセンサ回路100(図6参照)によって、被測定流体のオリフィス板15の上流側と下流側の間の差圧及び被測定流体の絶対圧だけでなく、被測定流体の温度をも得ることができるため、質量流量も測定可能である。
さらに、本体10とオリフィス板15と絶対圧センサ30と流路切換弁20とセンサ回路100を備えるだけであるので、構造が非常に簡単であり、したがって、低コストで製造可能である。
さらに、流路切換弁20により、流路11のオリフィス板15の上流側と下流側とを絶対圧センサ30に選択的に連通させるので、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない。
よって、この差圧式流量計1によれば、オリフィス板15で生じた差圧を利用して流体の体積流量と質量流量の双方を測定することができると共に、構造が非常に簡単で低コストで製造することが可能であり、しかも、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない。
このように、本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計1では、オリフィス板15の上流側と下流側での被測定流体の絶対圧力の測定に、一つの絶対圧センサ30を共用しており、また、センサ回路100を被測定流体の温度の測定にも使用するため、使用する圧力センサが単一の絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない。
(第2実施形態)
図3及び図4に、本発明の第2実施形態に係る差圧式流量計1aの全体構成を示す。図3は流路11の上流側と下流側における被測定流体の圧力を同時測定する状態を示し、図4は流路11の下流側における被測定流体の圧力を二つの絶対圧センサ30に与えてゼロ点調整を行う状態を示す。
この差圧式流量計1aは、絶対圧センサ30と同じ構成及び機能を持つ絶対圧センサ30Aが追加されている点と、リテーナ14bに代えて、追加された絶対圧センサ30Aに対応する間隙43aが設けられたリテーナ14bbが使用されている点を除き、上述した本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計1とほぼ同じ構成である。よって、図3及び図4においては、第1実施形態に係る差圧式流量計1と同一構成の部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
第2実施形態に係る差圧式流量計1aでは、流路11の長軸方向に沿って同じ絶対圧センサ30と30Aが並列配置されている。絶対圧センサ30と30Aの検出面に対向する位置に、それぞれ、間隙43と43aが形成されている。図3の状態では、流路11の上流側の被測定流体は、連絡路41と間隙43を通って絶対圧センサ30の検出面に到達しており、それと同時に、流路11の下流側の被測定流体は、連絡路42と間隙43aを通って絶対圧センサ30Aの検出面に到達している。こうすることで、絶対圧センサ30と30Aを用いて、被測定流体の上流側と下流側の絶対圧力を同時に測定することができる。このため、被測定流体の上流側と下流側の絶対圧力を測定するために、流路切換弁30を動作させる必要がない。この点で、上述した本発明の第1実施形態に係る差圧式流量計1とは異なっている。
また、流路切換弁20を作動させた図4の状態では、主軸21がバネ25の側(図4では左方)に移動し、その結果、ポペット22とそれに対応する弁座によって、連絡路41と間隙43を結ぶ経路が遮断されている。したがって、流路11の上流側にある被測定流体は、両方の絶対圧センサ30と30Aの検出面に到達できない。他方、連絡路42は、間隙43と43aの双方と接続されているので、流路11の下流側にある被測定流体は、両方の絶対圧センサ30と30Aの検出面に到達している。このため、二つの絶対圧センサ30と30Aに被測定流体の同じ圧力が印加され、その結果、ゼロ点調整が実行されることになる。
以上説明したように、本発明の第2実施形態に係る差圧式流量計1aは、絶対圧センサ30の出力と絶対圧センサ30Aの出力から、被測定流体のオリフィス板15の上流側と下流側の間の差圧を同時に測定することができる。したがって、体積流量を測定することが可能である。
また、センサ回路100によって、被測定流体のオリフィス板15の上流側と下流側の間の差圧及び被測定流体の絶対圧だけでなく、被測定流体の温度をも得ることができるため、質量流量も測定可能である。
さらに、本体10とオリフィス板15と絶対圧センサ30及び30Aと流路切換弁20とセンサ回路100を備えるだけであるので、構造が非常に簡単であり、したがって、低コストで製造可能である。
さらに、流路切換弁20により、流路11のオリフィス板15の上流側またはその下流側を、両方の絶対圧センサ30と30Aに連通させることができるので、流路切換弁20を動作させるだけでゼロ点調整が自動的に実行される。このため、二つの絶対圧センサ30と30Aのゼロ点の差異に起因するゼロ点変動の問題が生じない。
よって、本発明の第2実施形態に係る差圧式流量計1aによれば、オリフィス板15で生じた差圧を利用して流体の体積流量と質量流量の双方を測定することができると共に、構造が非常に簡単で低コストで製造することが可能であり、しかも、差圧測定時のゼロ点変動の問題が生じない。
このように、本発明の第2実施形態に係る差圧式流量計1aでは、オリフィス板15の上流側と下流側での被測定流体の絶対圧力の測定のために、二つの絶対圧センサ30と30Aを設けており、また、センサ回路100を被測定流体の温度の測定にも使用するため、使用する圧力センサが二つの絶対圧センサのみで足りると共に、温度センサを別個に設ける必要がない。
なお、上述した第1実施形態の差圧流量計1では、第2実施形態に係る差圧式流量計1aよりも構成が簡単であり、その点で有利であるが、オリフィス板15の上流側またはその下流側を測定する度に、流路切換弁20を作動させることが必要であるから、流路切換弁20を高い頻度で動作させることが必要である。したがって、流路切換弁20を低消費電力のものにしたり、流路切換弁20を長寿命のものにしたりする必要がある。しかし、第2実施形態に係る差圧式流量計1aでは、流路切換弁20の動作はゼロ点調整時のみでよいから、流路切換弁20を動作頻度は圧倒的に低くなる。例えば、1分に1回または10分に1回の動作で足りる。このため、流路切換弁20の低消費電力、長寿命といった要請が不要になる。
(他の変形例)
上述した第1及び第2実施形態は、本発明を具体化した好適例を示すものである。したがって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、差圧生成機構としてオリフィス板を使用しているが、本発明はこれに限定されない。オリフィス板のような絞り機構のほか、ピトー管、層流素子なども使用可能である。
また、上述した実施形態では、温度測定をピエゾ抵抗器の温度特性を利用して行っているが、本発明はこれに限定されない。被測定流体の温度を測定できるものであれば、任意に使用可能である。例えば、温度測定器(温度計)を別体として設けてもよい。
さらに、流路切換弁20は、差圧生成機構の上流側に通じる流路とその下流側に通じる流路の間で流路切換ができれば足り、したがって、電磁弁に限定されるものではない。流路切換弁20として使用する電磁弁の構成は、上述した実施形態で使用されたポペット式のものに限定されず、ポペット式以外の形式のもの、例えばスプール式等も利用可能であり、また、一つの電磁石とバネを使用した単動式に限定されず、二つの電磁石を使用した複動式でもよい。
さらに、上述した実施形態では、絶対圧センサとして半導体圧力センサが使用されているが、本発明はこれに限定されない。被測定流体の絶対圧を測定できるセンサであれば、任意の構成のものを使用可能である。
さらに、上述した実施形態では、センサ回路として四つの抵抗器からなるブリッジ回路が使用されているが、本発明はこれに限定されない。被測定流体の絶対圧と温度を測定できるセンサであれば、任意の構成のものを使用可能である。
1、1a 差圧式流量計
10 本体
11 流路
12 収容室
13a、13b プラグ部材
14a、14b、14bb リテーナ
15 オリフィス板
20 流路切換弁
21 主軸
22 ポペット
23 プランジャ
24 ソレノイド
25 バネ
26、27 Oリング
30、30A 絶対圧センサ
30a センサチップ
30b ダイアフラム
30c 真空領域
30d 台座
30e 電極
30f ワイヤ
30g パッケージ
30h シリコンゲル
31 カバー
41、42 連絡路
43、43a 間隙
100 センサ回路
101、102、103、104 抵抗器
105 差動増幅器抵抗器
106 増幅器
107 ADコンバータ
108、109 スイッチ
110 抵抗器
111 直流電源

Claims (12)

  1. 被測定流体が流れる流路を有する本体と、
    前記流路内に設置された差圧生成機構と、
    前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側における絶対圧とその下流側における絶対圧を測定する絶対圧センサと、
    前記流路の前記差圧生成機構の上流側と下流側とを前記絶対圧センサに選択的に連通させる流路切換手段と、
    前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側における絶対圧についての前記絶対圧センサの出力と、その下流側における絶対圧についての前記絶対圧センサの出力とから、前記被測定流体の差圧を算出する演算手段とを備え、
    前記演算手段は、前記被測定流体の温度を測定する機能を有していることを特徴とする差圧式流量計。
  2. 前記流路切換手段が、前記流路の前記差圧生成機構の上流側と前記絶対圧センサを接続する第1連絡路と、前記流路の前記差圧生成機構の下流側と前記絶対圧センサを接続する第2連絡路とを切り換えるように構成されている請求項1に記載の差圧式流量計。
  3. 前記流路切換手段が、前記本体の内部に移動可能として設けられた弁体と、前記弁体を駆動するソレノイドを備えた電磁弁とされている請求項1または2に記載の差圧式流量計。
  4. 前記絶対圧センサが、ダイアフラム上に配置された複数のセンサ要素を含む半導体圧力センサから構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の差圧式流量計。
  5. 前記演算手段が、前記絶対圧センサに設けられたセンサ要素の温度特性を利用して、前記被測定流体の温度を測定する請求項1〜4のいずれかに記載の差圧式流量計。
  6. 前記差圧生成機構がオリフィス板とされている請求項1〜5のいずれかに記載の差圧式流量計。
  7. 被測定流体が流れる流路を有する本体と、
    前記流路内に設置された差圧生成機構と、
    前記被測定流体の前記差圧生成機構の上流側における絶対圧を測定する第1絶対圧センサと、
    前記被測定流体の前記差圧生成機構の下流側における絶対圧を測定する第2絶対圧センサと、
    前記流路の前記差圧生成機構の上流側またはその下流側を、前記第1絶対圧センサと前記第2絶対圧センサの双方に連通させる流路切換手段と、
    前記第1絶対圧センサの出力と前記第2絶対圧センサの出力とから、前記被測定流体の差圧を算出する演算手段とを備え、
    前記演算手段は、前記被測定流体の温度を測定する機能を有していることを特徴とする差圧式流量計。
  8. 前記流路切換手段が、差圧状態では、前記流路の前記差圧生成機構の上流側と前記第1絶対圧センサを接続すると共に、前記流路の前記差圧生成機構の下流側と前記第2絶対圧センサを接続し、均圧状態では、前記流路の前記差圧生成機構の上流側またはその下流側を前記第1絶対圧センサと前記第2絶対圧センサの双方に連通させるように構成されている請求項7に記載の差圧式流量計。
  9. 前記流路切換手段が、前記本体の内部に移動可能として設けられた弁体と、前記弁体を駆動するソレノイドを備えた電磁弁とされている請求項7または8に記載の差圧式流量計。
  10. 前記第1絶対圧センサ及び前記第2絶対圧センサの各々が、ダイアフラム上に配置された複数のセンサ要素を含む半導体圧力センサから構成されている請求項7〜9のいずれかに記載の差圧式流量計。
  11. 前記演算手段が、前記第1絶対圧センサ及び前記第2絶対圧センサに設けられたセンサ要素の温度特性を利用して、前記被測定流体の温度を測定する請求項7〜10のいずれかに記載の差圧式流量計。
  12. 前記差圧生成機構がオリフィス板とされている請求項7〜11のいずれかに記載の差圧式流量計。
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