JP2015034641A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空調システム1は、コールドアイル8から冷却対象空間を介してホットアイル9への冷却空気の流れを形成することにより情報処理機器の冷却を行う空調システムであって、コールドアイル8へと冷却空気を供給する空調機20と、ホットアイル9における上方領域に配置されて吸気を行い、当該吸気された空気を、排気のための天井チャンバー4へと排気する天井排気口40と、ホットアイル9における下方領域に配置されて吸気を行い、当該吸気された空気を、排気のための床下チャンバー7へと排気する床下排気口50と、を備える。
【選択図】図1
Description
まず、各実施の形態の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る空調システムは、情報処理機器の冷却を行う空調システムである。ここで、情報処理機器の用途は任意であるが、各実施の形態では、データセンタ等の大規模な情報処理施設にて各種のデータを処理するための機器として用いられるものとして説明する。また、情報処理施設における情報処理機器の設置台数についても任意であり、少なくとも一つの情報処理機器を備えることにより当該空調システムを構成することが可能であるが、本実施の形態では複数の情報処理機器が設置されているものとして説明する。また、各実施の形態では、情報処理施設における、複数の情報処理機器が設置された一つの部屋について注目して説明し、当該部屋の内部のことを以下では必要に応じて「室内」と称して説明する。
次に、各発明に係る実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、下方排気手段として床下排気口を備えた形態である。
まずは、本実施の形態1に係る空調システム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態1に係る空調システム1の斜視図である。また、図2は、図1のX−Z平面による空調システム1の断面図(後述するラック10を通る断面図)である。この図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る空調システム1は、概略的に、ラック10、空調機20、整流部材30、天井排気口40、床下排気口50、コールドアイルキャッピング60、及びホットアイルキャッピング70を備えて構成される。なお、以下では、図1に示すX方向を「幅方向」、Y方向を「長さ方向」、Z方向を「高さ方向」と必要に応じて称して説明する。
ここで、まずは空調システム1の各構成要素が配置される部屋について説明する。まず、この部屋は、図1に示すように、天井スラブ2の下方に天井材3を設置し、当該天井スラブ2と天井材3との相互間の空間を天井チャンバー4として用いる二重天井構造、かつ床スラブ5の上方に床材6を設置し、当該床スラブ5と床材6との相互間の空間を床下チャンバー7として用いる二重床構造にて形成されている。なお、このような二重天井構造及び二重床構造を形成するための具体的な手段については公知の手段を用いることができるため省略する。ここで、床材6と天井材3との相互間に形成される空間であって、情報処理機器が設置される空間を以下では「情報処理空間」と必要に応じて称して説明する。なお、この情報処理空間や天井チャンバー4や床下チャンバー7の具体的な広さや形状等については任意であるが、本実施の形態1では、情報処理空間は少なくとも情報処理機器を収容したラック10を複数配置できる程度の幅及び長さを有する空間であるものとし、天井チャンバー4及び床下チャンバー7は、この情報処理空間と同一の幅及び長さを有し、高さがそれぞれ異なる空間であるものとして説明する。なお、情報処理空間には空調機20を介して空気が供給され、当該空調機20から情報処理空間に対して供給された空気は、天井排気口40を介して天井チャンバー4に排気され、又は床下排気口50を介して床下チャンバー7に対して排気される。そして、天井チャンバー4や床下チャンバー7には公知の排気ファンや全熱交換器等が備えられており、これらの排気ファンや全熱交換機等を介して、天井チャンバー4や床下チャンバー7に対して供給された空気は外部の空間(例えば屋内)に排出される。
ラック10は、情報処理機器を収容するための収容手段である。このラック10の具体的な形状については任意であるが、本実施の形態1については図1に示すように中空の直方体形状として形成された筐体を有し、その筐体の内部には複数の情報処理機器が収容されたラック10であるものとして説明する。なお、このラック10における筐体の内部の空間(情報処理機器が配置された空間)を以下では必要に応じて「冷却対象空間」と称して説明する。
空調機20は、冷却空気を生成して、生成した冷却空気をコールドアイル8へと供給する空調手段である。この空調機20の具体的な形状や構成については任意であり、例えば水冷式や空冷式の公知の空調機として形成することが可能であるが、本実施の形態1においては、図1に示すように略直方体形状にて形成された公知のファンコイルユニットであるものとして説明する。
整流部材30は、空調機20から吹出される冷却空気を拡散させるための拡散手段である。この整流部材30の具体的な構成については任意であるが、本実施の形態1において、整流部材30は、空調機20の冷却空気吹出面の前方位置において、冷却空気吹出面と平行に配置された不織布であるものとして説明する。このように構成された整流部材30が、空調機20から吹出される冷却空気を幅方向に沿って拡散させることにより、各コールドアイル8に対して均等に冷却空気を供給することが可能となる。
天井排気口40は、ホットアイル9における上方の領域である上方領域に配置されて吸気を行い、吸気された空気を天井チャンバー4へと排気する上方排気手段である。具体的には、この天井排気口40は、天井材3におけるホットアイルキャッピング70により囲われた領域に設けられた通風孔として形成され、その通風孔の内部には排気ファンが設けられている。そして、この排気ファンを稼動させることによりホットアイル9の内部の排気を天井チャンバー4へと送風することが出来る。なお、天井排気口40が設置される「上方領域」とは、ホットアイル9を上下に二分割した際における上方の領域である。
床下排気口50は、ホットアイル9における下方の領域である下方領域に配置されて吸気を行い、吸気のされた空気を床下チャンバー7へと排気する下方排気手段である。具体的には、この床下排気口50は、床材6におけるホットアイルキャッピング70及びラック10の吹出面により囲われた領域に設けられた通風孔として形成され、その通風孔の内部には排気ファンが設けられている。そして、この排気ファンを稼動させることによりホットアイル9の内部の排気を床下チャンバー7へと送風することが出来る。なお、床下排気口50が設置される「下方領域」とは、ホットアイル9を上下に二分割した際における下方の領域である。
コールドアイルキャッピング60は、コールドアイル8の内部に供給された冷却空気がコールドアイル8の外部へと漏出してしまうことを防止する冷却空気漏出防止手段である。具体的には、各ラック10と同一の長さ、及びコールドアイル8を挟んで配置される2つのラック10の相互間の幅と同一の幅を有する板状部材であって、各ラック10の吸込面における上端部から、当該ラック10とコールドアイル8を介して隣り合う他のラック10の吸込面における上端部に架けて、コールドアイル8を覆う板状部材として形成される。
ホットアイルキャッピング70は、ホットアイル9の内部の空気がホットアイル9の外部へと漏出してしまうことを防止する排気漏出防止手段である。具体的には、板状部材70a及び板状部材70bの2種類の部材によって形成される。板状部材70aは、各ラック10と同一の長さ、及び各ラック10の上面から天井材3までの高さと同一の高さを有する板状部材であって、各ラック10の上面における吹出面側の端部から天井材3に架けて、ホットアイル9を覆う板状部材である。また、板状部材70bは、ホットアイル9を挟んで配置される2つのラック10の相互間の幅と同一の幅、及び床材6から天井材3までの高さと同一の高さを有する板状部材であって、ホットアイル9を挟んで配置される2つのラック10の相互間における長さ方向のそれぞれの端部に配置される板状部材である。
このように構成された空調システム1によって実行される空調処理について説明する。まず、空調機20が冷却空気を生成して、吹出面から吹出す。そして、このように空調機20から吹出された冷却空気が整流部材30によって幅方向に沿って拡散されることにより、各ラック列のコールドアイル8に対して冷却空気が送風される。そして、コールドアイル8に送風された冷却空気は、ラック10に設けられた冷却ファンによってラック10の内部を通ってホットアイル9に対して排気として吹出される。この際にラック10に収容された情報処理機器が冷却される。
本実施の形態1に記載の空調システム1によれば、ホットアイル9における上方領域に配置されて吸気を行う天井排気口40と、下方領域に配置されて吸気を行う床下排気口50とを備えるので、ホットアイル9の圧力を均一化することができ、ホットアイル9の圧力の不均一に伴いホットアイル9から冷却対象空間を介してコールドアイル8に空気が逆流することによってコールドアイル8にホットスポットが発生してしまう可能性を低減でき、このようにして発生したホットスポットにより情報処理機器に不具合が発生してしまう可能性の低減を図ることが可能となる。また、従来の空調システムにおいては、コールドアイル8にホットスポットが発生した場合にはコールドアイル8に温度むらが発生してしまうため、空調機20からコールドアイル8へと供給する冷却空気の温度を、ホットスポットの発生を想定した低めの温度(例えば、16℃)に設定していたが、当該空調システム1によればホットスポットが発生してしまう可能性を低減することができるので、ホットスポットの発生を想定しない適切な温度(例えば、20℃)に設定することが可能となるため、空調システム1の搬送動力を削減して省エネルギー性の向上を図ることが可能となる。
続いて、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、下方排気手段として、排気ダクト110を備えた形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
まず、実施の形態2に係る空調システム100の構成について説明する。図3は、本実施の形態2に係る、図1のX−Z平面による空調システムの断面図(ラック10を通る断面図)である。この図3に示すように、本実施の形態2に係る空調システム100は、概略的に、ラック10、空調機20、整流部材30、天井排気口40、排気ダクト110、コールドアイルキャッピング60、及びホットアイルキャッピング70を備えて構成される。このように、本実施の形態2においては、床下排気口50は設けられておらず、代わりに、排気ダクト110が設けられている。なお、実施の形態1において床下排気口50が配置されていた位置には床材6が設けられており、ホットアイル9と床下チャンバー7は空間的に接続されていない。また、排気ダクト110以外の構成要素については、実施の形態1のそれらと同様に構成することが可能であるため詳細な説明を省略する。
排気ダクト110は天井チャンバー4とホットアイル9の下方領域とを相互に接続するための排気手段である。具体的には、この排気ダクト110は、任意の径を有するダクトとして形成され、ホットアイル9の内部において高さ方向に略沿って配置されている。そして、その上端に位置するダクト口は天井チャンバー4の内部に位置し、一方、下端に位置するダクト口はホットアイル9の下方領域に位置する。
続いて、このように構成された空調システム100において実行される処理について説明する。まず、空調システム100が稼動されると、空調機20が冷却空気を吹出面から吹出す。そして、このように空調機20から吹出された冷却空気が整流部材30によって幅方向に沿って拡散されることにより、各ラック列のコールドアイル8に対して冷却空気が送風される。そして、コールドアイル8に送風された冷却空気は、ラック10に設けられた冷却ファンによってラック10の内部を通ってホットアイル9に対して送風される。この際にラック10に収容された情報処理機器が冷却される。そして、ホットアイル9に吹出された排気は、天井排気口40を通って天井チャンバー4に排気される排気と、排気ダクト110の吸込口に吸込まれて排気ダクト110を通って天井チャンバー4に排気される排気とに分割される。
本実施の形態2に記載の空調システム100によれば、下方排気手段は、天井チャンバー4と下方領域とを相互に接続するダクトにおける下方領域側の端部であるので、下方排気手段により吸気した空気も天井チャンバー4に排気することで床下チャンバー7を排気路以外の用途で用いることができ、床下チャンバー7の用途の幅を広げたシステムを構築することが可能となる。
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、少なくとも、コールドアイル8におけるホットスポットの発生を防止できない場合であっても、従来と異なるシステムにより空調を達成できている場合には、本発明の課題は解決されている。
発明の詳細な説明や図面で説明した空調システム1、100の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。
本実施の形態1及び2では、ラック10に設けられた冷風ファンによってコールドアイル8の空気をラック10の内部を介してホットアイル9に排気したが、このような冷風ファンは必ずしもラック10に設ける必要はない。例えば、情報処理機器自体に設けられている冷風ファンを用いても良い。
本実施の形態2では、排気ダクト110によりホットアイル9の下方領域の空気を天井チャンバー4に対して送風したが、これとは逆の構成を採用しても良い。すなわち、排気ダクト110の上端に設けられたダクト口をホットアイル9の上方領域に配置し、排気ダクト110の下端に設けられたダクト口を床下チャンバー7に配置する。そして、ホットアイル9の空気を当該排気ダクト110を介して床下チャンバー7に送風することにより、天井チャンバー4を排気路として用いることなくホットアイル9の圧力を均一化することが可能となる。
各実施の形態では、コールドアイルキャッピング60を設置するものとして説明したが、コールドアイルキャッピング60を設置しない構成としても良い。特に、各実施の形態によれば、コールドアイルキャッピング60を設置しなくてもコールドアイル8におけるホットスポットの発生を防止することができる。このようにコールドアイルキャッピング60を設置しない構成によれば、コールドアイルキャッピング60を設置することに要するコストや、コールドアイルキャッピング60の清掃コストの低減を図ることが可能となる。さらに、意匠的圧迫感を有することのあるコールドアイルキャッピング60を設置しないことにより、ユーザのストレスの低減を図ることが可能となる。
付記1に記載の空調システムは、情報処理機器の配置された冷却対象空間を挟んで位置する2つの空間である第一空間及び第二空間において、前記第一空間から前記冷却対象空間を介して前記第二空間への冷却空気の流れを形成することにより前記情報処理機器の冷却を行う空調システムであって、前記第一空間へと冷却空気を供給する空調手段と、前記第二空間における上方の領域である上方領域に配置されて吸気を行い、当該吸気された空気を、排気のための第一排気路であって、前記冷却対象空間、前記第一空間、及び前記第二空間のいずれにも属さない第一排気路へと排気する上方排気手段と、前記第二空間における下方の領域である下方領域に配置されて吸気を行い、当該吸気された空気を、排気のための第二排気路であって、前記冷却対象空間、前記第一空間、及び前記第二空間のいずれにも属さない第二排気路へと排気する下方排気手段と、を備える。
付記1に記載の空調システムによれば、第二空間における上方領域に配置されて吸気を行う上方排気手段と、下方領域に配置されて吸気を行う下方排気手段とを備えるので、第二空間の圧力を均一化することができ、第二空間の圧力の不均一に伴い第二空間から冷却対象空間を介して第一空間に空気が逆流して第一空間にホットスポットが発生してしまう可能性を低減することが可能となるため、情報処理機器に不具合が発生してしまう可能性の低減を図ることが可能となる。また、従来の空調システムにおいては、第一空間にホットスポットが発生した場合には第一空間に温度むらが発生してしまうため、空調手段から第一空間へと供給する冷却空気の温度を、ホットスポットの発生を想定した低めの温度(例えば、16℃)に設定していたが、当該空調システムによればホットスポットが発生してしまう可能性を低減することができるので、ホットスポットの発生を想定しない適切な温度(例えば、20℃)に設定することが可能となるため、空調システムの搬送動力を削減して省エネルギー性の向上を図ることが可能となる。
2 天井スラブ
3 天井材
4 天井チャンバー
5 床スラブ
6 床材
7 床下チャンバー
8 コールドアイル
9 ホットアイル
10 ラック
20 空調機
30 整流部材
40 天井排気口
50 床下排気口
60 コールドアイルキャッピング
70 ホットアイルキャッピング
70a、70b 板状部材
110 排気ダクト
Claims (4)
- 情報処理機器の配置された冷却対象空間を挟んで位置する2つの空間である第一空間及び第二空間において、前記第一空間から前記冷却対象空間を介して前記第二空間への冷却空気の流れを形成することにより前記情報処理機器の冷却を行う空調システムであって、
前記第一空間へと冷却空気を供給する空調手段と、
前記第二空間における上方の領域である上方領域に配置されて吸気を行い、当該吸気された空気を、排気のための第一排気路であって、前記冷却対象空間、前記第一空間、及び前記第二空間のいずれにも属さない第一排気路へと排気する上方排気手段と、
前記第二空間における下方の領域である下方領域に配置されて吸気を行い、当該吸気された空気を、排気のための第二排気路であって、前記冷却対象空間、前記第一空間、及び前記第二空間のいずれにも属さない第二排気路へと排気する下方排気手段と、を備える、
空調システム。 - 前記冷却対象空間、前記第一空間、及び前記第二空間はいずれも同一の部屋の内部空間であり、
前記第一排気路は、前記部屋の天井裏に形成された天井チャンバーであって、
前記第二排気路は、前記部屋の床下に形成された床下チャンバーである、
請求項1に記載の空調システム。 - 前記冷却対象空間、前記第一空間、及び前記第二空間はいずれも同一の部屋の内部空間であり、
前記第一排気路及び前記第二排気路は、いずれも前記部屋の天井裏に形成された天井チャンバーであって、
前記下方排気手段は、前記天井チャンバーと前記下方領域とを相互に接続するダクトにおける前記下方領域側の端部である、
請求項1に記載の空調システム。 - 前記第一空間を挟むように、かつ、前記第一空間に対して隣接するように、2つの前記冷却対象空間が並設されており、
前記空調手段は、前記2つの冷却対象空間の並設方向とは異なる方向から、前記第一空間に対して冷却空気を供給する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システム。
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