JP2015034265A - 易解体型両面粘着シート、及びその貼付方法 - Google Patents

易解体型両面粘着シート、及びその貼付方法 Download PDF

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真覚 樋口
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亜紀子 野中
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Michihito Niwa
理仁 丹羽
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Abstract

【課題】被着体同士の接合時には優れたせん断接着力を発揮しつつ、解体時に両方の被着体から容易に剥離できる易解体型両面粘着シートの提供。【解決手段】本発明の易解体型両面粘着シート10は、一方の被着体20に貼り付けられる第1粘着面110aを含む第1粘着剤層13と、第1粘着剤層11aに第1粘着面110aの反対側から積層される第1支持層12aとを有する第1外側積層部13と、他方の被着体21に貼り付けられる第2粘着面110bを含む第2粘着剤層11bと、第2粘着剤層11bに第2粘着面110bの反対側から積層される第2支持層12bとを有する第2外側積層部14と、微粒子又は気泡を含む粘弾性層15を有し、第1外側積層部13と第2外側積層部14との間に配される中間層14と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、易解体型両面粘着シート、及びその貼付方法に関する。
特許文献1に示されるように、被着体に対する接合時には高い常態接着力を維持し、分離・解体する際には、加熱により接着力が低下して、容易に分離・解体できる両面粘着シートが知られている。この両面粘着シートは、ガラスビーズ等の微粒子を含む強接着性の粘弾性層と、熱発泡剤を含む熱発泡剤含有粘着剤層と、プラスチックフィルム層(剥離フィルム)と、粘着剤層とを備えている。
前記両面粘着シートが被着体同士の接合に利用される際、一方の被着体に対して前記粘弾性層の表面からなる粘着面が貼付され、そして、他方の被着体に対して前記粘着剤層の表面からなる粘着面が貼付される。前記被着体同士の接合を解消する場合、前記両面粘着シートを加熱して、前記熱発泡剤含有粘着剤層中の熱発泡剤を発泡させる。すると、前記熱発泡剤含有粘着剤層が膨張等して、前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記プラスチックフィルム層との間の接触面積が低下する。その結果、前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記プラスチックフィルム層との間の接着力が低下して、前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記プラスチックフィルム層とが分離されて、被着体同士も分離される。
特開2013−79322号公報
前記両面粘着シートの場合、両面粘着シートを分離・解体して、被着体同士を分離させることはできるものの、被着体から分離・解体後の両面粘着シートを引き剥がすことが難しい場合があった。被着体上に残った粘弾性層等を、溶剤を利用して除去することも考えられるが、被着体によっては、溶剤により腐食や変色する虞があった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、被着体同士の接合時には優れたせん断接着力を発揮しつつ、解体時に両方の被着体から容易に剥離できる易解体型両面粘着シート等を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、一方の被着体と他方の被着体とを互いに接合させる易解体型両面粘着シートであって、第1外側積層部と、第2外側積層部と、前記第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層とを備え、前記第1外側積層部は、前記一方の被着体に貼り付けられる第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有し、前記第2外側積層部は、前記他方の被着体に貼り付けられる第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有し、前記中間層は、微粒子又は気泡を含む粘弾性層を有する易解体型両面粘着シートが、被着体同士の接合時には優れたせん断接着力を発揮しつつ、解体時に両方の被着体から容易に剥離できることを見出し、本発明の完成に至った。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記第1支持層及び前記第2支持層が、それぞれプラスチックフィルムからなるものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記第1支持層及び前記第2支持層が、それぞれポリエステルフィルムからなるものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記第1粘着剤層及び前記第2粘着剤層の各厚みが、それぞれ200μm未満であり、前記中間層の厚みが、200μm以上であるものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記第1粘着剤層及び前記第2粘着剤層は、それぞれ、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を2質量%以上7質量%以下含むアクリル系ポリマーを有するものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記粘弾性層は、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を8質量%以上15質量%以下含むアクリル系ポリマーを有するものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記粘弾性層における前記微粒子の含有量は、前記粘弾性層の全質量(100質量%)に対して1質量%以上20質量%以下であるものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記中間層は、熱発泡剤を含む熱発泡剤含有粘着剤層を更に有し、前記熱発泡剤含有粘着剤層は、前記粘弾性層の両面又は片面に積層され、前記第1支持層と前記粘弾性層との間、及び/又は前記第2支持層と前記粘弾性層との間に介在されるものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記熱発泡剤含有粘着剤層は、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を8質量%以上12質量%以下含むアクリル系ポリマーを有するものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、前記熱発泡剤が、熱膨張性微小球であるものであってもよい。
前記易解体型両面粘着シートにおいて、ステンレス板に対するせん断接着力が20N/cm以上であってもよい。
また、本発明に係る易解体型両面粘着シートの貼付方法は、一方の被着体と他方の被着体とを互いに接合させる易解体型両面粘着シートの貼付方法であって、前記易解体型両面粘着シートは、第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有する第1外側積層部と、第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有する第2外側積層部と、微粒子又は気泡を含む粘弾性層を有する中間層と、を備え、前記一方の被着体に、前記第1粘着面が貼り付くように、前記第1外側積層部を貼り付ける工程と、前記他方の被着体に、前記第2粘着面が貼り付くように、前記第2外側積層部を貼り付ける工程と、前記第1外側積層部及び前記第2外側積層部のうち、何れか一方に、積層する形で前記中間層の一方の面を貼り付け、かつ残りの他方に、前記中間層の他方の面を貼り付ける工程と、を備える。
本発明によれば、被着体同士の接合時に高いせん断接着力を発揮しつつ、分離・解体時には双方の被着体から容易に剥離できる易解体型両面粘着シート等を提供することができる。
易解体型両面粘着シートの一構成例(構成例1)を示す概略断面図 図1に示される易解体型両面粘着シートが被着体同士を接合する状態を示す説明図 図2に示される易解体型両面粘着シートの粘弾性層を、金属線を利用して2層に分断する工程を模式的に表した説明図 易解体型両面粘着シートの他の構成例(構成例2)を示す概略断面図 図4に示される易解体型両面粘着シートが被着体同士を接合する状態を示す説明図 図5に示される易解体型両面粘着シートが加熱処理されて分解された状態を示す説明図 易解体型両面粘着シートの他の構成例(構成例3)を示す概略断面図 図7に示される易解体型両面粘着シートが被着体同士を接合する状態を示す説明図 図8に示される易解体型両面粘着シートが加熱処理されて分解された状態を示す説明図 易解体型両面粘着シートの他の構成例(構成例4)を示す概略断面図 易解体型両面粘着シートの貼付方法における、第1外側積層部を一方の被着体に貼り付ける工程を示す説明図 易解体型両面粘着シートの貼付方法における、中間層を第1外側積層部に貼り付ける工程を示す説明図 易解体型両面粘着シートの貼付方法における、第2外側積層部を他方の被着体に貼り付ける工程を示す説明図
本実施形態に係る易解体型両面粘着シートは、少なくとも、第1外側積層部と、第2外側積層部と、前記第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層とを備える。前記第1外側積層部は、第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有する。また、前記第2外側積層部は、第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有する。また、前記中間層は、微粒子又は気泡を含む粘弾性層を有する。
易解体型両面粘着シートは、一方の被着体と他方の被着体との間に介在されて、被着体同士の接合に利用される。易解体型両面粘着シートにおいて、第1外側積層部が有する第1粘着剤層の第1粘着面が、前記一方の被着体に貼り付けられ、第2外側積層部が有する第2粘着剤層の第2粘着面が、前記他方の被着体に貼り付けられる。
易解体型両面粘着シートは、被着体同士の接合時には優れた接着性能(せん断接着力等)を発揮する。また、易解体型両面粘着シートは、使用後の解体時において被着体から容易に剥離することができる。。
なお、第1粘着剤層の第1粘着面は、前記一方の被着体に再剥離可能な状態で貼り付けられることが好ましく、また、第2粘着剤層の第2粘着面は、前記他方の被着体に再剥離可能な状態で貼り付けられることが好ましい。「再剥離可能」とは、粘着剤層の粘着面が、被着体に貼り付けられた後、その粘着剤層の粘着面を被着体から糊残り無く剥離できることを言う。なお、糊残り(粘着剤層の屑が残ること)の有無の判断は、例えば、目視で行われる。易解体型両面粘着シートは、使用後の解体時において被着体から糊残りなく剥離できる再剥離性を備えることが好ましい。
なお、一般的に「易解体型両面粘着シート」は、「易解体型両面粘着テープ」、「易解体型両面粘着フィルム」等と異なった名称で呼ばれることもあるが、本明細書では、表現を「易解体型両面粘着シート」に統一する。また、易解体型両面粘着シートにおいて、最も外側に配される第1粘着剤層の表面を「第1粘着面」と称し、最も外側に配される第2粘着剤層の表面を「第2粘着面」と称する。
前記易解体型両面粘着シートは、必要に応じて、前記第1外側積層部と前記粘弾性層との間、及び/又は前記第2外側積層部と前記粘弾性層との間に介在される熱発泡剤含有粘着剤層を備えてもよい。つまり、易解体型両面粘着シートでは、粘弾性層のみを、第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層として用いても良いし、粘弾性層の片面又は両面に熱発泡剤含有粘着剤層を備えるものを中間層として用いてもよい。
易解体型両面粘着シートが、第1外側積層部と粘弾性層との間に介在される形で、熱発泡剤含有粘着剤層を備える場合、熱発泡剤含有粘着剤層の一方の面は、例えば、第1外側積層部の第1支持層に対して接着され、その他方の面は、粘弾性層に対して接着される。また、易解体型両面粘着シートが、第2外側積層部と粘弾性層との間に介在させる形で、熱発泡剤含有粘着剤層を備える場合、熱発泡剤含有粘着剤層の一方の面は、例えば、第2外側積層部の第2支持層に対して接着され、その他方の面は、粘弾性層に対して接着される。
〔第1外側積層部〕
第1外側積層部は、少なくとも、第1粘着剤層と第1支持層とを有する積層物からなる。
第1粘着剤層は、易解体型両面粘着シートにおける2つの最外層のうち、一方の最外層を構成する。なお、他方の最外層は、第2外側積層部が備える第2粘着剤層により構成される。
第1粘着剤層は、被着体に対して貼り付けられる第1粘着面を含んでいる。第1粘着剤層は、易解体型両面粘着シートの分離・解体時において、第1支持層と共に被着体から剥離される。本実施形態の場合、第1粘着剤層は、被着体上に糊残りを発生させることなく、被着体から剥離される。
第1支持層は、第1粘着剤層に対して第1粘着面の反対側から積層され、第1粘着剤層を支持する。第1支持層は、第1粘着剤層に対して直に接触する形で積層されてもよいし、第1粘着剤層との間に他の層を介在させる形で、前記第1粘着剤層に対して積層されてもよい。ただし、易解体型両面粘着シートの分離・解体時において、被着体上に糊残りを発生させることなく第1粘着剤層を被着体から剥離し易い等の観点より、第1支持層は、第1粘着剤層に対して直に接触する形で積層されることが好ましい。なお、第1粘着剤層が配されていない方の第1支持層の面側には、中間層(粘弾性層、又は熱発泡剤含有粘着剤層)が積層される。
〔第2外側積層部〕
第2外側積層部は、少なくとも、第2粘着剤層と第2支持層とを有する積層物からなる。
第2粘着剤層は、被着体に対して貼り付けられる第2粘着面を含んでいる。第2粘着剤層は、易解体型両面粘着シートの分離・解体時において、第2支持層と共に被着体から剥離される。本実施形態の場合、第2粘着剤層は、被着体上に糊残りを発生させることなく、被着体から剥離される。
第2支持層は、第2粘着剤層に対して第2粘着面の反対側から積層され、第2粘着剤層を支持する。第2支持層は、第2粘着剤層に対して直に接触する形で積層されてもよいし、第2粘着剤層との間に他の層を介在させる形で、前記第2粘着剤層に対して積層されてもよい。ただし、易解体型両面粘着シートの分離・解体時において、被着体上に糊残りを発生させることなく第2粘着剤層を被着体から剥離し易い等の観点より、第2支持層は、第2粘着剤層に対して直に接触する形で積層されることが好ましい。なお、第2粘着剤層が配されていない方の第2支持層の面側には、中間層(粘弾性層、又は熱発泡剤含有粘着剤層)が積層される。
易解体型両面粘着シートが備える第1外側積層部と第2外側積層部とは、共に基本的な構成が同じである。つまり、第1粘着剤層と第2粘着剤層の基本的な構成は互いに同じであり、第1支持層と第2支持層の基本的な構成も互いに同じである。なお、第1粘着剤層と第2粘着剤層とを、まとめて「粘着剤層」と称する場合がある。また、第1支持層と第2支持層とを、まとめて「支持層」と称する場合がある。
第1外側積層部及び第2外側積層部(以下、これらをまとめて、外側積層部と称する場合がある)は、所謂、片面粘着シートの形態を有している。外側積層部が備える粘着剤層の粘着力は、特に制限されないが、例えば、その下限値は、好ましくは2N/20mm以上であり、更に好ましくは4N/20mm以上である。また、前記粘着剤層の粘着力の上限値は、好ましくは15N/20mm以下であり、更に好ましくは12N/20mm以下である。前記粘着剤層の粘着力がこのような範囲であると、被着体に対して容易に剥離できる状態で接着することができ、易解体型両面粘着シートの接着特性(せん断接着力等)が確保される。以下、粘着剤層について詳細に説明する。
(粘着剤層)
粘着剤層は、易解体型両面粘着シートの両外側に配され、2つの粘着面(第1粘着面、第2粘着面)を提供する。粘着剤層は、所定の粘着剤組成物により形成される。なお、本願明細書において、粘着剤層(第1粘着剤層、第2粘着剤層)を形成するための粘着剤組成物を特に、「粘着剤層用粘着剤組成物」と称する場合がある。
粘着剤層用粘着剤組成物は、いずれの形態を有していてもよく、例えば、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型、溶剤型(溶液型)、エマルション型、熱溶融型(ホットメルト型)等が挙げられる。すなわち、粘着剤層用粘着剤組成物は、ベースポリマーを必須成分とする組成物であってもよいし、ベースポリマーを形成するモノマーの混合物(「モノマー混合物」と称する場合がある)又はその部分重合物を必須成分とする組成物であってもよい。なお、「モノマー混合物」とは、ベースポリマーを形成するモノマー成分のみからなる混合物を意味する。また、「部分重合物」とは、モノマー混合物の構成成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合している組成物を意味する。
粘着剤層用粘着剤組成物としては、中でも、粘着剤層の厚みの制御のし易さや、コスト等の観点より、溶剤型の粘着剤組成物が好ましい。
粘着剤層用粘着剤組成物に利用される溶剤(溶媒)としては、各種の一般的な溶剤を用いることができる。前記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等の有機溶剤が挙げられる。前記溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用されてもよい。
粘着剤層用粘着剤組成物を構成する粘着剤のベースポリマー(粘着剤の基本成分)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。中でも、ポリマー設計の容易さ、特性のバランス等の観点から、アクリル系ポリマーが好ましい。なお、ベースポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
粘着剤層用粘着剤組成物は、ベースポリマー(粘着剤の基本成分)として、常態接着力等の接着特性に優れ、かつ被着体に対する再剥離性に優れる粘着剤層を得る等の観点から、カルボキシル基含有モノマーと、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートとを含むアクリル系モノマーを主成分とするアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤組成物であることが好ましい。なお、本願明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味し、他も同様である。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、これらの酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物含有モノマー)等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。なお、上記カルボキシル基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
なお、粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を、好ましくは2質量%以上の割合(下限値)、更に好ましくは3質量%以上の割合(下限値)で含む。また、粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を、好ましくは7質量%以下の割合(上限値)、更に好ましくは6質量%以下の割合(上限値)で含む。上記カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位の含有量がこのような範囲であると、被着体に対して容易に剥離できる状態で接着することができ、易解体型両面粘着シートの接着特性(せん断接着力等)が確保される。
上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
なお、粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、好ましくは70質量%以上の割合(下限値)、更に好ましくは80質量%以上の割合(下限値)、特に好ましくは90質量%以上の割合(下限値)で含む。また、粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、好ましくは98質量%以下の割合(上限値)、更に好ましくは96質量%以下の割合(上限値)で含む。
また、上記粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーには、粘着剤層の凝集力を向上させ、接着特性を向上させる等の観点から、上記カルボキシル基含有モノマーや、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの他に、共重合性モノマーが含有されていてもよい。
上記共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー;メチル(メタ)アクリレートやオクタデシル(メタ)アクリレートなどの上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとは異なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族アクリレート等が挙げられる。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
粘着剤層用粘着剤組成物が重合開始剤を含む場合、その重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテル等が挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン等が挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン等が挙げられる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジル等が挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が挙げられる。
また、粘着剤層用粘着剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記全モノマー成分100質量部に対して、その下限値は、好ましくは0.001質量部以上であり、更に好ましくは0.05質量部以上である。また、前記光重合開始剤の含有量の上限値は、好ましくは5質量部であり、更に好ましくは3質量部である。
光重合開始剤の活性化に際しては、活性エネルギー線を照射する。このような活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線や、紫外線等が挙げられ、特に、紫外線が好適である。また、活性エネルギー線の照射エネルギーや、その照射時間等は特に限定されないが、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
また、上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等のアゾ系熱重合開始剤;ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系熱重合開始剤;レドックス系熱重合開始剤等が挙げられる。
上記熱重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記全モノマー成分100質量部に対して、その下限値は、好ましくは0.001質量部以上であり、更に好ましくは0.05質量部以上である。また、前記光重合開始剤の含有量の上限値は、好ましくは5質量部であり、更に好ましくは3質量部である。
さらに、粘着剤層用粘着剤組成物では、架橋により粘着剤層の凝集力を高めて、粘着剤層の粘着性能をより向上させる等の観点から、添加剤として架橋剤を配合することができる。架橋剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができ、例えば、メチル化メチロールメラミン、ブチル化ヘキサメチロールメラミン等の多官能性メラミン化合物、ジグリシジルアニリン、グリセリンジグリシジルエーテル等の多官能性エポキシ化合物、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート等の多官能性イソシアネート化合物等が挙げられる。前記架橋剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
架橋剤の使用量(下限値)は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、通常、0.001質量部以上である。また、架橋剤の使用量(上限値)は、通常、20質量部以下であり、好ましくは10質量部以下である。架橋剤の使用量がこのような範囲であると、粘着力の低下を生じることなく、目的とする粘着剤層の凝集力向上効果が得られる。
また、架橋剤として多官能(メタ)アクリレートが含まれていてもよい。多官能(メタ)アクリレートは、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に2以上有する化合物である。なお、多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、末端に(メタ)アクリロイル基を複数個有する反応性ハイパーブランチポリマー[例えば、商品名「CN2300」「CN2301」「CN2320」(SARTOMER社製)等]等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び/又は「メタクリロイル基」を意味し、他も同様である。
アクリル系粘着剤組成物は、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、測定温度:25℃の条件で測定された粘度として、0.3〜40Pa・s)に、調整されることが好ましい。
また、粘着剤層用粘着剤組成物には、微粒子、気泡、熱発泡剤等が必要に応じて含まれていてもよい。なお、上記微粒子としては、後述する粘弾性層に含まれる微粒子が好ましく挙げられる。また、上記熱発泡剤としては、後述する熱発泡剤含有粘着剤層に含まれる熱発泡剤が好ましく挙げられる。
さらに、粘着剤層用粘着剤組成物には、架橋助剤;ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等の粘着付与剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;界面活性剤;溶剤等の添加剤が必要に応じて含まれていてもよい。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、接着性、再剥離性等の観点から、その下限値は、好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは10μm以上であり、特に好ましくは20μm以上である。また、前記粘着剤層の厚みの上限値は、好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは80μm以下であり、特に好ましくは50μm以下である。なお、本実施形態の易解体型両面粘着シートが備える2つの粘着剤層(第1粘着剤層、第2粘着剤層)は、互いに同じ厚みであってもよいし、互いに異なった厚みでもよい。また、粘着剤層は、単層の形態を有していてもよいし、積層の形態を有していてもよい。
粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、下限値は、好ましくは100,000以上であり、更に好ましくは200,000以上であり、特に好ましくは300,000以上である。また、前記アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)の上限値は、好ましくは5,000,000以下であり、更に好ましくは3,000,000以下であり、特に好ましくは、1,000,000である。アクリル系ポリマーの重量平均分子量の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によりポリスチレン換算して求められる。具体的には、比較的、高分子量の場合(例えばMwが2,000,000以上の場合)には、東ソー株式会社製のHPLC8020に、カラムとしてTSKgelGMH−H(20)×2本を用いて、テトラヒドロフラン溶媒で流速0.5ml/分の条件にて測定される。これに対し、比較的、低分子量の場合(例えばMwが2,000,000未満の場合)には、カラムとしてTSKgelSuperHM−H/H4000/H3000/H2000を用い、その他は、上述した比較的、高分子量の場合と同様の条件にて測定される。
(支持層)
以下、支持層について詳細に説明する。支持層は、一方の面側に粘着剤層が積層され、他方の面側に、中間層(粘弾性層、又は熱発泡剤含有粘着剤層)が積層される。支持層を構成する材料としては、特に制限されないが、支持層と粘着剤層との間の接着性、及び支持層と中間層との間の接着性(支持層と粘弾性層との間の接着性、又は支持層と熱発泡剤含有粘着剤層との間の接着性)等が考慮されて適宜選択される。
特に、中間層が粘弾性層と共に熱発泡剤含有粘着剤層を備える場合、支持層を構成する材料としては、更に、加熱処理後における支持層と熱発泡剤含有粘着剤層との間の剥離性、加熱処理に耐え得る強度(耐熱性)等も考慮されて適宜、選択される。
支持層を構成する材料としては、粘着剤層との接着性等の観点より、プラスチックフィルムが好ましい。
上記プラスチックフィルムに含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;ナイロン等のポリアミド;レーヨン;ポリカーボネート;ABS等が挙げられる。なお、上記樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
中でも、上記プラスチックフィルムとしては、粘着剤層との接着性、耐熱性、高強度、粘着剤層に対する加熱処理後の剥離性等の観点より、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。特に、粘着剤層がアクリル系粘着剤層からなる場合、例えば、ポリオレフィン等と比べて、極性の高いポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)が、上記プラスチックフィルムとして好ましく用いられる。
なお、ポリオレフィン等のように極性の低いプラスチックフィルを支持層に利用する場合、粘着剤層等との接着性(投錨性)を向上させるために、前記プラスチックフィルムの表面には、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理等の表面改質処理が適宜、施される。
支持層の厚みは、特に限定されないが、その下限値は、例えば、再剥離時の作業性の観点から、好ましくは5μm以上であり、更に好ましくは10μm以上である。また、前記支持層の厚みの上限値は、例えば、被着体への凹凸追従性の観点から、好ましくは、3000μm以下であり、更に好ましくは1000μm以下であり、特に好ましくは100μm以下である。支持層の厚みがこのような範囲であると、被着体から易解体型両面粘着シートの分解物を容易にかつ確実に剥離することができる。
支持層は、単層、積層の何れの形態を有していてもよい。また、易解体型両面粘着シートが備える2つの支持層(第1支持層、第2支持層)は、その厚みが互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。
なお、易解体型両面粘着シートの分離・解体時において、粘着剤層が被着体から容易に剥離し易くする等の目的で、支持層と粘着剤層との間の接着力が、粘着剤層と被着体との間の接着力よりも大きくなるような特性を示す支持層を用いることが好ましい。
〔中間層〕
中間層は、第1外側積層部と第2外側積層部との間に配される層であり、第1外側積層部と第2外側積層部との間を接続する。本実施形態の場合、中間層の両面は、第1粘着面、及び第2粘着面と比べて、同等又はそれ以上の接着力を有する粘着面となっている。中間層は、少なくとも粘弾性層を有する層である。中間層は、主として粘弾性層に由来する応力分散性、伸縮に対する変形追従性(柔軟性)等の特性を備えている。そのため、中間層は、易解体型両面粘着シートに対して、優れたせん断接着力等の優れた接着特性を付与している。なお、粘弾性層は、易解体型両面粘着シートの分離・解体時において、ピアノ線等の金属線等を利用して外力を与えることにより、分解(分断)可能である。
(粘弾性層)
粘弾性層は、少なくとも微粒子又は気泡を含有する粘弾性体によって構成される。粘弾性層が、微粒子を含有する場合、特に「微粒子含有粘弾性層」と称する場合がある。また、粘弾性層が、気泡を含有する場合、特に「気泡含有粘弾性層」と称する場合がある。また、粘弾性層が、微粒子及び気泡の双方を含有する場合、特に「気泡混合微粒子含有粘弾性層」と称する場合がある。
微粒子含有粘弾性層は、主として、微粒子及びベースポリマー(粘弾性体の主成分)により構成される。また、気泡含有粘弾性層は、主として、気泡及びベースポリマー(粘弾性体の主成分)により構成される。また、気泡混合微粒子含有粘弾性層は、主として、微粒子、気泡及びベースポリマー(粘弾性体の主成分)により構成される。
粘弾性層は、前記ベースポリマーを含む粘弾性層用組成物により形成される。なお、微粒子含有粘弾性層を形成するための粘弾性層用組成物は、前記ベースポリマーに加えて更に微粒子を含む。前記粘弾性層用組成物としては、いずれの形態を有していてもよく、例えば、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型、溶剤型(溶液型)、エマルション型、熱溶融型(ホットメルト型)等が挙げられる。つまり、粘弾性層用組成物は、ベースポリマーを必須成分とする組成物であってもよいし、ベースポリマーを形成するモノマー混合物又はその部分重合物を必須成分とする組成物であってもよい。
中でも、粘弾性層用組成物は、作業性及び環境負荷低減等の観点から、モノマー混合物又はその部分重合物及び重合開始剤(例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤等)を少なくとも含むことが好ましい。また、微粒子含有粘弾性層を形成するための粘弾性層用組成物は、熱や活性エネルギー線による硬化反応を利用すると、微粒子が混合された形態で粘弾性層用組成物を硬化させて粘弾性層を形成することができ、微粒子が安定して含有された構造を有する粘弾性層を容易に得ることができる等の観点から、モノマー混合物又はその部分重合物、微粒子及び重合開始剤を少なくとも含むことが好ましい。
つまり、粘弾性層用組成物は、熱硬化型の粘弾性層用重合性組成物や活性エネルギー線硬化型の粘弾性層用重合性組成物であることが好ましい。特に、粘弾性層用組成物は、厚みのある粘弾性層を容易に得ることができる等の観点から、重合開始剤として光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化型の粘弾性層用重合性組成物であることがより好ましい。
また、粘弾性層を構成する上記ベースポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。中でも、特性のバランス及びポリマー設計の容易さ等の観点から、アクリル系ポリマーが好ましい。なお、ベースポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
粘弾性層は、アクリル系組成物により形成される層、すなわち、アクリル系粘弾性層であることが好ましい。例えば、粘弾性層は、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物及び重合開始剤を少なくとも含み、必要に応じて微粒子を含む粘弾性層用アクリル系重合性組成物を重合硬化して形成されるアクリル系粘弾性層であることがより好ましい。
特に、粘弾性層用重合性組成物は、粘弾性能に優れる層を得る等の観点から、カルボキシル基含有モノマーと、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートとを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物及び重合開始剤を含み、必要に応じて微粒子を含む粘弾性層用アクリル系重合性組成物であることが好ましい。つまり、粘弾性層は、カルボキシル基含有モノマーと、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートとを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物及び重合開始剤を含み、必要に応じて微粒子を含む粘弾性層用アクリル系重合性組成物から形成される層であることが好ましい。なお、前記重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましい。
上記のアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物を必須の成分として含む粘弾性層用アクリル系重合性組成物において、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物の割合は、特に限定されないが、少なすぎると十分な粘弾性を発揮できないおそれがあるので、粘弾性層用アクリル系重合性組成物全量(100質量%)に対して、50質量%以上(例えば50〜99質量%)が好ましく、より好ましくは60質量%以上(例えば60〜99質量%)である。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、上述の粘着剤層に利用されるカルボキシル基含有モノマーが例示される。中でも、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。なお、上記カルボキシル基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記アクリル系モノマー混合物中の上記カルボキシル基含有モノマーの含有量は、特に限定されないが、アクリル系モノマー混合物の構成モノマー成分の全量(100質量%)に対して、その下限値は、好ましくは8質量%以上であり、さらに好ましくは9質量%以上である。また、その上限値は、好ましくは15質量%以下であり、更に好ましくは12質量%以下である。
なお、粘弾性層中に含まれるアクリル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を、好ましくは8質量%以上の割合(下限値)、更に好ましくは9質量%以上の割合(下限値)で含む。また、粘弾性層中に含まれるアクリル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を、好ましくは15質量%以下の割合(上限値)、更に好ましくは12質量%以下の割合(上限値)で含む。
上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、上述の粘着剤層で利用される炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが例示される。中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記アクリル系モノマー混合物中の上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、特に限定されないが、アクリル系モノマー混合物の構成モノマー成分の全量(100質量%)に対して、65質量%以上が好ましく、更に好ましくは75質量%以上であり、特に好ましくは85質量%以上である。なお、前記
アルキル(メタ)アクリレートの含有量の上限値は、好ましくは94質量%以下であり、更に好ましくは92質量%以下である。
なお、粘弾性層中に含まれるアクリル系ポリマーは、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、好ましくは65質量%以上の割合(下限値)、更に好ましくは75質量%以上の割合(下限値)、特に好ましくは85質量%以上の割合(下限値)で含む。また、粘弾性層中に含まれるアクリル系ポリマーは、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、好ましくは94質量%以下の割合(上限値)、更に好ましくは92質量%以下の割合(上限値)で含む。
また、上記アクリル系モノマー混合物には、粘着剤層の凝集力を向上させ、粘着特性を向上させる等の観点から、上記カルボキシル基含有モノマーや、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの他に、共重合性モノマーが含有されてもよい。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記共重合性モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、上述の粘着剤層で利用される共重合性モノマーが例示される。
粘弾性層に含まれる微粒子としては、特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、ステンレス等の金属粒子やその金属酸化物粒子;炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化窒素等の炭化物粒子;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物粒子;アルミナ、ジルコニウム等の酸化物に代表されるセラミック粒子;炭化カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス、シリカ等の無機微粒子;火山シラス、砂等の天然原料粒子;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド等のポリマー粒子等が挙げられる。なお、微粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
また、粘弾性層に含まれる微粒子としては、例えば、中空の無機系微小球状体や中空の有機系微小球状体が挙げられる。具体的には、中空の無機系微小球状体としては、例えば、中空ガラスバルーン等のガラス製の中空バルーン;中空アルミナバルーン等の金属化合物製の中空バルーン;中空セラミックバルーン等の磁器製中空バルーン等が挙げられる。中空の有機系微小球状体としては、例えば、中空のアクリルバルーン、中空の塩化ビニリデンバルーン等の樹脂製の中空バルーン等が挙げられる。
上記の中空の無機系微小球状体や中空の有機系微小球状体は市販品であってもよい。上記中空ガラスバルーンの市販品としては、例えば、商品名「フジバルーン」「ガラスマイクロバルーン」(富士シリシア化学株式会社製);商品名「セルスターZ−20」「セルスターZ−25」「セルスターZ−27」「セルスターCZ−31T」「セルスターZ−36」「セルスターZ−39」「セルスターT−36」「セルスターSX−39」「セルスターPZ−6000」(東海工業株式会社製);商品名「サイラックス・ファインバルーン」(有限会社ファインバルーン製)等が挙げられる。
上記微粒子の中でも、活性エネルギー線(特に、紫外線)による重合の効率や重みなどの点から、中空無機微粒子が好ましく、さらに中空ガラスバルーンがより好ましい。中空ガラスバルーンを用いれば、せん断力、保持力などの他の特性を損なうことなく、粘弾性能を向上させることができる。また、微粒子の表面には、各種表面処理(例えば、シリコーン系化合物やフッ素系化合物等による低表面張力化処理等)が施されていてもよい。
上記微粒子の粒径(平均粒子径)は、特に限定されないが、その下限値は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、更に好ましくは10μm以上であり、特に好ましくは30μm以上である。また、前記微粒子の粒径(平均粒子径)の上限値は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、特に好ましくは100μm以下である。
また、上記微粒子の比重(真密度)は、特に限定されないが、その下限値は、好ましくは0.01g/cm以上であり、更に好ましくは0.02g/cm以上である。また、前記微粒子の比重(真密度)の上限値は、好ましくは1.8g/cm以下であり、更に好ましくは1.5g/cm以下である。前記微粒子の比重がこのような範囲であると、微粒子配合の際の浮き上がりが抑制され、微粒子を組成物中で均一に分散させることができ、微粒子の強度が確保され割れを抑制することができる。また、前記微粒子の比重がこのような範囲であると、活性エネルギー線(特に紫外線)の透過率の低下が抑制され、光硬化反応の効率の低下が抑制され、易解体型両面粘着シートの質量が大きくなることが抑制され、作業性の低下が抑制される。特に、微粒子が中空無機微粒子である場合、その真密度は、好ましくは0.1g/cm以上0.6g/cm以下であり、また、中空有機微粒子である場合、その真密度は、好ましくは0.01g/cm以上0.05g/cm以下である。
粘弾性層における微粒子の含有量は、特に限定されないが、粘弾性層の全質量(100質量%)に対して、その下限値は、好ましくは1質量%以上である。また、前記微粒子の含有量の上限値は、好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以下である。前記微粒子の含有量がこのような範囲であると、粘弾性層の粘弾性能を向上させることができ、粘弾性層の強度や粘弾性能(せん断接着力等)が確保される。
また、粘弾性層を形成する粘弾性層用組成物における微粒子の含有量は、特に限定されない。例えば、粘弾性層用アクリル系重合性組成物における微粒子の含有量は、上記アクリル系モノマー混合物100質量部に対して、その下限値は、1質量部以上である。また、前記微粒子の含有量の上限値は、好ましくは20質量部以下であり、更に好ましくは15質量部以下である。
粘弾性層を形成する粘弾性層用重合性組成物(特に粘弾性層用アクリル系重合性組成物)が重合開始剤を含む場合の重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、上述の粘着剤層で利用される光重合開始剤が例示される。
また、粘弾性層用重合性組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100質量部に対して、その下限値は、好ましくは0.001質量部以上であり、更に好ましくは0.01質量部以上である。また、前記光重合開始剤の含有量の上限値は、好ましくは5質量部であり、更に好ましくは3質量部である。
なお、光重合開始剤の活性化に際しては、活性エネルギー線を照射する。このような活性エネルギー線としては、特に制限されず、例えば、粘着剤層の形成時に利用される活性エネルギー線が挙げられ、特に、紫外線が好適である。また、活性エネルギー線の照射エネルギーや、その照射時間等は特に限定されないが、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
さらに、上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、上述の粘着剤層で利用される熱重合開始剤が例示される。なお、上記熱重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
さらに、粘弾性層用アクリル系重合性組成物では、架橋により粘弾性体の凝集力を高めて、粘弾性層の粘弾性能をより向上させる等の観点から、多官能(メタ)アクリレートが含まれてもよい。上記多官能(メタ)アクリレートは、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に2以上有する化合物である。なお、多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、上述の粘着剤層で利用される多官能(メタ)アクリレートが例示される。
粘弾性層用アクリル系重合性組成物が多官能(メタ)アクリレートを含む場合、その具体的な含有量は、多官能(メタ)アクリレートの分子量や官能基数等により異なるが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100質量部に対して、その下限値は、好ましくは0.001質量部以上であり、更に好ましくは0.01質量部以上である。また、前記含有量の上限値は、好ましくは5質量部であり、更に好ましくは3質量部であり、特に好ましくは2質量部である。前記含有量がこのような範囲であると、粘弾性層の粘弾性能の低下が抑制され、十分な凝集力が得られる。
さらに、粘弾性層は、易解体型両面粘着シートの柔軟性、凹凸に対する追従性、及び支持層等の隣接する層に対する接着性を向上させる等の観点から、気泡を含むことが好ましい。つまり、粘弾性層は、気泡及び微粒子を含有する気泡混合微粒子含有粘弾性体層であることが好ましい。
なお、粘弾性層において気泡が形成される形態は、特に限定されないが、例えば、(1)予め、気泡を形成するガス成分(「気泡形成ガス」と称する場合がある)が混合された粘弾性層用組成物を用いて粘弾性層を形成することにより、気泡が形成された形態、(2)発泡剤を含有する粘弾性層用組成物を用いて粘弾性層を形成することにより、気泡が形成された形態等が挙げられる。気泡混合微粒子含有粘弾性層、及び気泡含有粘弾性層は、上記(1)の形態で気泡が形成されることが好ましい。なお、発泡剤としては、特に限定されず、例えば、熱膨張性微小球等の公知の発泡剤が挙げられる。
粘弾性層において、気泡の含有量は、特に限定されないが、粘弾性層の全体積(100体積%)に対して、その下限値は、好ましくは3体積%以上であり、更に好ましくは13体積%以上である。また、前記気泡の含有量の上限値は、好ましくは30体積%以下であり、更に好ましくは22体積%以下である。前記気泡の含有量がこのような範囲であると、上述した気泡を含有することによる効果が得られ、かつ粘弾性層を貫通する気泡の形成が抑制され、粘弾性層の粘弾性能や外観が良好に保たれる。
粘弾性層中の気泡は、基本的には、独立タイプの気泡であることが望ましいが、独立気泡タイプの気泡と半独立気泡タイプの気泡とが混在していてもよい。また、このような気泡の形状は、特に限定されないが、通常、球状(特に真球状)の形状を有している。上記気泡において、その平均気泡径(直径)は、特に限定されないが、その下限値は、好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは10μm以上であり、特に好ましくは30μm以上である。また、前記平均気泡(直径)の上限値は、好ましくは1000μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、特に好ましくは300μm以下である。
上記気泡形成ガスとしては、特に限定されないが、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス、空気等の各種気体成分が挙げられる。気泡形成ガスとしては、気泡形成ガスを混合した後に、重合反応等の反応を行う場合は、その反応を阻害しないものを用いることが重要である。上記気泡形成ガスは、反応を阻害しないことやコスト的観点等から、窒素が好適である。
また、上記粘弾性層における微粒子とベースポリマーとの間の密着性や摩擦抵抗の低減、気泡等の混合性や安定性の点から、上記粘弾性層用組成物には、気泡と共に、界面活性剤が含まれることが好ましい。上記界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらのなかでも、気泡混合性が優れ且つ気泡の合一を抑制できる点から、フッ素系界面活性剤が特に好ましく例示される。上記フッ素系界面活性剤としては、中でも、分子中にオキシC2〜C3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。さらに、中でも、分散性の点から、非イオン型界面活性剤が好ましい。また、フッ素系界面活性剤は、1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が組み合わせて含まれていてもよい。上記フッ素系界面活性剤としては、特開2008−12798号公報や特開2006−022189号に記載のフッ素系界面活性剤が好ましく挙げられる。
上記フッ素系界面活性剤としては、市販品を用いることも可能である。このような市販品としては、例えば、商品名「フタージェント251」、商品名「FTX−218」(以上、(株)ネオス製)、商品名「メガファックF−477」、商品名「メガファックF−470」(以上、DIC(株)製)、商品名「サーフロンS−381、S−383、S−393、KH−20、KH−40」(以上、AGCセイミケミカル(株)製)、商品名「エフトップEF−352、EF−801」(以上、(株)ジェムコ製)、商品名「ユニダインTG−656」(ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。
粘弾性層用組成物における上記フッ素系界面活性剤の含有量(固形分)としては、特に限定されないが、例えば、粘弾性層用アクリル系重合性組成物では、アクリル系モノマー混合物100質量部に対して、その下限値は、好ましくは0.01質量部以上であり、更に好ましくは0.03質量部以上であり、特に好ましくは0.05質量部以上である。また、前記含有量(固形分)の上限値は、好ましくは2質量部以下であり、更に好ましくは1.5質量部以下であり、特に好ましくは1質量部以下である。前記含有量がこのような範囲であると、気泡の混合性が十分確保され、粘弾性能の低下が抑制される。
粘弾性層用組成物は、気泡の混合させやすさや取り扱いやすさの等の観点から、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、測定温度:25℃の条件で測定された粘度として、0.3〜40Pa・s)に、調整されることが好ましい。このため、粘弾性層用組成物は、モノマー混合物の予備重合により得られる部分重合物を含む粘弾性層用重合性組成物であることが好ましい。
例えば、粘弾性層用アクリル系重合性組成物がアクリル系モノマー混合物の部分重合物を含む場合、アクリル系モノマー混合物の部分重合物の重合率は、その部分重合が生じている部分の分子量にもよるが、その下限値は、好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である。また、前記重合率の上限値は、好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。なお、部分重合は、例えば、酸素との接触を避けて活性エネルギー線(特に紫外線)を照射することにより行われる。
なお、部分重合物の重合率は、部分重合物約0.5gを精秤し、これを130℃で2時間乾燥した後の質量を精秤して質量減少量[揮発分(未反応モノマー質量)]を求め、得られた数値を以下の式に代入して求めることができる。
部分重合物の重合率(%)=[1−(質量減少量)/(乾燥前の部分重合物の質量)]×100
また、粘弾性層用組成物は、増粘用ポリマーが適宜に配合されることにより、粘度調整されていてもよい。このような増粘用ポリマーとしては、例えば、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルにアクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリロイルモルホリン等を共重合したアクリル系ポリマー;スチレンブタジエンゴム(SBR);イソプレンゴム;スチレンブタジエンブロック共重合体(SBS);エチレン−酢酸ビニル共重合体;アクリルゴム;ポリウレタン;ポリエステル等が挙げられる。なお、増粘用ポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
粘弾性層用組成物における増粘用ポリマーの配合量は、特に限定されないが、粘弾性層用組成物全量(100質量%)に対して5質量%以上40質量%以下が好ましい。
また、粘弾性層用組成物には、添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等の架橋剤;架橋助剤;ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等の粘着付与剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;界面活性剤等が挙げられる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
粘弾性層の厚みは、特に限定されないが、粘弾性等の観点から、その下限値は、好ましくは200μm以上であり、更に好ましくは300μm以上であり、特に好ましくは350μm以上である。また、粘弾性層の厚みの上限値は、好ましくは2000μm以下であり、更に好ましくは1800μm以下であり、特に好ましくは1600μm以下である。なお、易解体型両面粘着シートが粘弾性層を複数含む場合、その厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、粘弾性層は、単層の形態を有していてもよいし、積層の形態を有していてもよい。
(熱発泡剤含有粘着剤層)
熱発泡剤含有粘着剤層は、本実施形態の易解体型両面粘着シートの中間層において、必須の構成ではないものの、被着体が耐熱性を備えている場合等に、加熱処理により易解体型両面粘着シートを分離・解体できるようにするために用いられる。熱発泡剤含有粘着剤層は、支持層と粘弾性層との間に介在され、加熱されると体積が膨張して、前記支持層と前記熱発泡剤含有粘着剤層との間の接触面積を低下させて、前記支持層と前記熱発泡剤含有粘着剤層との間の界面で剥離を生じさせる。本実施形態の場合、熱発泡剤含有粘着剤層の一方の面は、支持層に接着され、他方の面は、粘弾性層に接着される。
熱発泡剤含有粘着剤層は、熱発泡剤を少なくとも含有し、粘着剤(感圧性接着剤)により構成される層である。熱発泡剤含有粘着剤層は、熱発泡剤を少なくとも含む組成物により形成される。なお、本願明細書では、熱発泡剤含有粘着剤層を形成するための組成物を、特に「熱発泡剤含有粘着剤組成物」と称する場合がある。
熱発泡剤含有粘着剤組成物は、いずれの形態を有していてもよく、例えば、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型、溶剤型(溶液型)、エマルション型、熱溶融型(ホットメルト型)等であってもよい。つまり、熱発泡剤含有粘着剤組成物は、ベースポリマーを形成するモノマー混合物又はその部分重合物を必須成分とする組成物であってもよい。
中でも、熱発泡剤含有粘着剤組成物は、作業性及び環境負荷低減等の観点、及び、熱や活性エネルギー線による硬化反応を利用すると、熱発泡剤が混合された形態で熱発泡剤含有粘着剤組成物を硬化させて熱発泡剤含有粘着剤層を形成することができ、熱発泡剤が安定して含有された構造を有する熱発泡剤含有粘着剤層を容易に得ることができる等の観点から、モノマー混合物又はその部分重合物、熱発泡剤及び重合開始剤(例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤等)を少なくとも含むことが好ましい。つまり、熱硬化型の熱発泡剤含有粘着剤組成物や活性エネルギー線硬化型の熱発泡剤含有粘着剤組成物であることが好ましい。特に、熱発泡剤含有粘着剤組成物は、厚みのある熱発泡剤含有粘着剤層を容易に得ることができる等の観点から、モノマー混合物又はその部分重合物、熱発泡剤及び光重合開始剤を少なくとも含む活性エネルギー線硬化型の熱発泡剤含有粘着剤組成物であることがより好ましい。
また、熱発泡剤含有粘着剤層を構成する粘着剤のベースポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。上記ベースポリマーとしては、ポリマー設計の容易さ、特性のバランス等の観点から、アクリル系ポリマーが好ましい。なお、ベースポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、熱発泡剤含有粘着剤層に含まれるベースポリマーの組成は、上記粘弾性層に含まれるベースポリマーの組成と同一であってもよいし、又は類似するものであってもよい。
熱発泡剤含有粘着剤層は、熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物により形成される層、すなわち熱発泡剤含有アクリル系粘着剤層であることが好ましく、さらに、熱発泡剤含有粘着剤層は、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、熱発泡剤及び光重合開始剤を少なくとも含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物を重合硬化して形成される熱発泡剤含有アクリル系粘着剤層であることがより好ましい。
特に、熱発泡剤含有粘着剤組成物は、接着特性に優れる粘着剤層を得る等の観点から、カルボキシル基含有モノマーと、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートとを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、重合開始剤及び熱発泡剤を含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物であることが好ましい。つまり、熱発泡剤含有粘着剤層は、カルボキシル基含有モノマーと、炭素数2〜18のアルキル基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基)を有するアルキル(メタ)アクリレートとを含むアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物、重合開始剤及び熱発泡剤を含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物から形成される層であることが好ましい。なお、前記重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましい。
なお、上記のアクリル系モノマー混合物又はその部分重合物を必須の成分として含む熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物において、アクリル系モノマー混合物又はその部分重合物の割合は、特に限定されないが、少なすぎると十分な粘着性を発揮できないおそれがあるので、熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物全量(100質量%)に対して、50質量%以上(例えば50〜90質量%)が好ましく、より好ましくは60質量%以上(例えば60〜90質量%)である。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、上述の粘着剤層や粘弾性層で利用されるカルボキシル基含有モノマーが例示される。中でも、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。なお、上記カルボキシル基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記アクリル系モノマー混合物中の上記カルボキシル基含有モノマーの含有量は、特に限定されないが、アクリル系モノマー混合物の構成モノマー成分の全量(100質量%)に対して、その下限値は、好ましくは8質量%以上であり、さらに好ましくは9質量%以上である。また、その上限値は、好ましくは12質量%以下であり、更に好ましくは11質量%以下である。
なお、熱発泡剤含有粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を、好ましくは8質量%以上の割合(下限値)、更に好ましくは9質量%以上の割合(下限値)で含む。また、熱発泡剤含有粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を、好ましくは12質量%以下の割合(上限値)、更に好ましくは11質量%以下の割合(上限値)で含む。
上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に制限はないが、例えば、上述の粘着剤層や粘弾性層で利用される炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが例示される。中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記アクリル系モノマー混合物中の上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、特に限定されないが、アクリル系モノマー混合物の構成モノマー成分の全量(100質量%)に対して、65質量%以上が好ましく、更に好ましくは75質量%以上であり、さらに好ましくは85質量%以上である。なお、前記
アルキル(メタ)アクリレートの含有量の上限値は、好ましくは94質量%以下であり、更に好ましくは92質量%以下である。
なお、熱発泡剤含有粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、好ましくは65質量%以上の割合(下限値)、更に好ましくは75質量%以上の割合(下限値)、特に好ましくは85質量%以上の割合(下限値)で含む。また、熱発泡剤含有粘着剤層中に含まれるアクリル系ポリマーは、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を、好ましくは94質量%以下の割合(上限値)、更に好ましくは92質量%以下の割合(上限値)で含む。
また、上記アクリル系モノマー混合物には、粘着剤層の凝集力を向上させ、粘着特性を向上させる等の観点から、上記カルボキシル基含有モノマーや、上記炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの他に、共重合性モノマーが含有されていることが好ましい。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、上述の粘着剤層や粘弾性層で利用される共重合性モノマーが例示される。なお、共重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
熱発泡剤含有粘着剤層に含まれる熱発泡剤としては、特に限定されないが、公知の熱発泡剤が挙げられる。中でも、上記熱発泡剤としては、マイクロカプセル化されている発泡剤が好ましく挙げられる。該マイクロカプセル化されている発泡剤としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨脹する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球(「熱膨張性微小球」と称する場合がある)が挙げられる。なお、熱発泡剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
熱膨張性微小球の殻は、熱可塑性物質、熱溶融性物質、熱膨脹により破裂する物質等で形成されることが好ましい。また、熱膨張性微小球の殻を形成する物質としては、例えば塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホン等が挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法等により製造される。
上記熱膨張性微小球の市販品としては、例えば、商品名「マツモトマイクロスフェアF−30」「マツモトマイクロスフェアF−50」「マツモトマイクロスフェアF−80S」「マツモトマイクロスフェアF−80SD」「マツモトマイクロスフェアF−85」(松本油脂製薬株式会社製);商品名「エクスパンセルDu」(Akzo
Nobel Surface Chemistry AB社製)等が挙げられる。
上記熱膨張性微小球の平均粒径は、分散性や薄層形成性等の加点から、その下限値は、好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは3μm以上である。また、熱膨張性微小球の平均粒径の上限値は、好ましくは80μm以下であり、更に好ましくは50μm以下である。
熱膨張性微小球は、加熱処理により、熱発泡剤含有粘着剤層の支持層に対する接触面積を効率よく減少させる等の観点から、体積膨脹率が5倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有するものが好ましい。熱膨張性微小球の体積膨張率がこのような範囲であると、熱発泡剤含有粘着剤層の支持層に対する接触面積(粘着面積)を十分に低減することができ、良好な剥離性が得られ、支持層と熱発泡剤含有粘着剤層との界面で易解体型両面粘着シートを解体する特性が得られる。
熱発泡剤含有粘着剤層を形成する熱発泡剤含有粘着剤組成物において、熱発泡剤(特に熱膨張性微小球)の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100質量部に対して、その下限値は、好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上であり、特に好ましくは25質量部以上である。また、前記熱発泡剤(特に)熱膨張性微小球)の含有量の上限値は、好ましくは200質量部以下であり、更に好ましくは125質量部以下であり、特に好ましくは100質量部以下である。前記含有量がこのような範囲であると、熱発泡剤含有粘着剤層の支持層に対する接着性を低下させずに、加熱処理後の熱発泡剤含有粘着剤層の膨張変形を十分に生じさせ、加熱による易解体型両面粘着シートの分離・解体(具体的には、熱発泡剤含有粘着剤層と支持層との界面での剥離)を行うことができる。
なお、上記熱膨張性微小球以外の熱発泡剤としては、例えば、種々の無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。無機系発泡剤の代表例としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類等が挙げられる。また、有機系発泡剤の代表例としては、水;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン等の塩フッ化アルカン;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジドやジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)等のヒドラジン系化合物;ρ−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等のセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾール等のトリアゾール系化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のN−ニトロソ系化合物等が挙げられる。
熱発泡剤含有粘着剤組成物が重合開始剤を含む場合の重合開始剤としては、光重合開始剤や熱重合開始剤が挙げられる。なお、重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、上述の粘着剤層や粘弾性層で利用される光重合開始剤が例示される。
また、熱発泡剤含有粘着剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100質量部に対して、その下限値は、好ましくは0.001質量部以上であり、更に好ましくは0.01質量部以上である。また、前記光重合開始剤の含有量の上限値は、好ましくは5質量部であり、更に好ましくは3質量部である。
なお、光重合開始剤の活性化に際しては、活性エネルギー線を照射する。このような活性エネルギー線としては、上述の粘着剤層や粘弾性層の形成時に利用される活性エネルギー線が挙げられ、特に、紫外線が好適である。また、活性エネルギー線の照射エネルギーや、その照射時間等は特に限定されないが、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
さらに、上記熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、上述の粘着剤層や粘弾性層で利用される熱重合開始剤が例示される。なお、熱発泡剤含有粘着剤組成物中の上記熱重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
さらに、熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物では、架橋により熱発泡剤含有粘着剤層に使用される粘着剤層の凝集力を高めて、その粘着剤層の接着性能をより向上させる等の観点から、多官能(メタ)アクリレートが含まれてもよい。上記多官能(メタ)アクリレートは、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に2以上有する化合物である。なお、多官能(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、上述の粘着剤層や粘弾性層で利用される多官能(メタ)アクリレートが例示される。
熱発泡剤含有アクリル系粘着剤組成物が多官能(メタ)アクリレートを含む場合、その具体的な含有量は、特に限定されないが、例えば、上記アクリル系モノマー混合物100質量部に対して、その下限値は、好ましくは0.001質量部以上であり、更に好ましくは0.01質量部以上である。また、前記含有量の上限値は、好ましくは5質量部であり、更に好ましくは3質量部であり、特に好ましくは2質量部である。前記含有量がこのような範囲であると、熱発泡剤含有粘着剤層に使用される粘着剤層の凝集力が高くなり過ぎることが抑制され、熱発泡剤含有粘着剤層の柔軟性の低下が抑制される。
また、熱発泡剤含有粘着剤組成物は、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、測定温度:25℃の条件で測定された粘度として、0.3〜40Pa・s)に、調整されることが好ましい。このため、熱発泡剤含有粘着剤組成物は、モノマー混合物の予備重合により得られる部分重合物を含むことが好ましい。
上記アクリル系モノマー混合物の部分重合物において、その重合率は、その部分重合が生じている部分の分子量にもよるが、その下限値は、好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である。また、前記重合率の上限値は、好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。なお、部分重合は、例えば、酸素との接触を避けて活性エネルギー線(特に紫外線)を照射することにより行われる。
なお、部分重合物の重合率は、上述の粘弾性層における測定方法と同様の方法により、求められる。
さらに、熱発泡剤含有粘着剤組成物には、添加剤が含まれていてもよい。該添加剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等の架橋剤;架橋助剤;ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等の粘着付与剤;可塑剤;充填剤;老化防止剤;界面活性剤等が挙げられる。また、発泡助剤も挙げられる。なお、添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられてもよい。
熱発泡剤含有粘着剤層のゲル分率(溶剤不溶分)は、特に限定されないが、その下限値は、好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは55質量%以上であり、特に好ましくは60質量%以上である。また、前記ゲル分率(溶剤不溶分)の上限値は、好ましくは99質量%以下であり、更に好ましくは95質量%以下であり、特に好ましくは90質量%以下である。前記ゲル分率がこのような範囲であると、熱発泡剤含有粘着剤層に利用される粘着剤層の支持層に対する濡れ性が確保され、熱発泡剤含有粘着剤層に利用される粘着剤層の弾性率の低下が抑制され、加熱による熱発泡剤の発泡により、熱発泡剤含有粘着剤層と支持層との剥離を行うことができる。
なお、熱発泡剤含有粘着剤層のゲル分率とは、粘着剤中の「溶剤不溶成分の割合」を意味し、以下の「粘着剤のゲル分率の測定方法」により算出される値である。なお、溶剤不溶分には、熱発泡剤等の溶剤に不溶な成分も含まれる。
(粘着剤のゲル分率の測定方法)
粘着剤のゲル分率は、以下のようにして求められる。粘着剤を約1g採取し、これを精秤して浸漬前の粘着剤の質量を求める。次に、これを酢酸エチル約40gに7日間浸漬した後、酢酸エチルに不溶解部分を全て回収し、130℃で2時間乾燥させて、その不溶解部分の乾燥質量を求める。そして、得られた数値を以下の式に代入して算出する。
粘着剤の溶剤不溶分(質量%)=(不溶解部分の乾燥質量/浸漬前の粘着剤の質量)×100
また、熱発泡剤含有粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、接着性や解体性等の観点から、その下限値は、好ましくは30μm以上であり、更に好ましくは40μm以上であり、特に好ましくは45μm以上である。また、熱発泡剤含有粘着剤層の厚みの上限値は、好ましくは450μm以下であり、更に好ましくは400μm以下であり、特に好ましくは350μm以下である。なお、易解体型両面粘着シートが熱発泡剤含有粘着剤層を複数含む場合、その厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、熱発泡剤含有粘着剤層は、単層の形態を有していてもよいし、積層の形態を有していてもよい。
本実施形態の易解体型両面粘着シートは、本発明の目的を損なわない範囲で、外側積層部(粘着剤層、支持層)、中間層(粘弾性層、熱発泡剤含有粘着剤層)以外に、他の層(例えば、中間層、下塗り層等)を有してもよい。
上記その他の層としては、例えば、発熱層が挙げられる。例えば、本実施形態の易解体型両面粘着シートが、熱発泡剤含有粘着剤層を備えている場合、更に発熱層を備えてもよい。この場合、発熱層は、例えば、熱発泡剤含有粘着剤層と、粘弾性層との間に挟まれる形で介在される。易解体型両面粘着シートの分離・解体時において、発熱層を発熱させると、熱発泡剤含有粘着剤層が加熱されて熱発泡剤含有粘着剤層中の熱発泡剤が発泡し、支持層と熱発泡剤含有粘着剤層との間の界面が容易に剥離される。
なお、本実施形態の易解体型両面粘着シートにおいて発熱層を設ける場合、発熱層の易解体型両面粘着シート全体に占める位置は、特に限定されない。
上記発熱層としては、特に限定されないが、例えば、金属箔(金属フィルム)、内部に電熱線を蛇行配線した樹脂フィルム、内部に金属箔を含む樹脂フィルム、グラファイトカーボンフィルム、内部にカーボン粉末又は金属粉末等を含む樹脂フィルム等が挙げられる。
上記金属箔や金属粉末を構成する金属としては、アルミ、銅等の導電性金属が好ましい。また、上記電熱線としては、ニクロム線(ニッケルクロム系合金の金属線)、鉄クロム系合金の金属線等の電気抵抗の大きい金属線等が好ましい。
なお、発熱層を発熱させる方法としては、直接通電して発熱させる方法や高周波を利用する電磁誘導による発熱方法等が挙げられる。
上記発熱層の厚みは、特に限定されないが、例えば、その下限値は、好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは30μm以上である。また、前記発熱層の厚みの上限値は、好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは150μm以下である。
〔剥離ライナー〕
また、本実施形態の易解体型両面粘着シートの粘着面(第1粘着面、及び第2粘着面)は、粘着面保護等の観点から、剥離ライナーにより保護されていてもよい。上記剥離ライナーとしては、特に限定されないが、公知の剥離ライナーが挙げられ、剥離ライナー用基材の少なくとも一方の面に剥離層(離型層)が形成されたものが好ましく挙げられる。
上記剥離ライナー用基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム、紙、発泡体、金属箔等が挙げられる。中でも、上記剥離ライナー用基材としては、プラスチックフィルムが好ましい。また、上記剥離ライナー用基材の厚み、特に限定されず、目的に応じて適宜選択される。上記剥離ライナー用基材としてのプラスチックフィルムの素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。なお、プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムの何れであってもよい。
剥離ライナー用基材に形成される上記剥離層としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離剤による剥離層、フッ素系剥離剤による剥離層、長鎖アルキル系剥離剤による剥離層等が挙げられる。なお、剥離層は、剥離ライナー用基材の片面のみに形成されていてもよいし、剥離ライナー用基材の両面に形成されていてもよい。
〔易解体型両面粘着シートの形態等〕
本実施形態の易解体型両面粘着シートの形態としては、シート状であってもよいし、ロール状で巻回された形態であってもよい。また、シートが積層された形態であってもよい。
(易解体型両面粘着シートの構成例1)
ここで、易解体型両面粘着シートの構成例1を、図面を参照しつつ説明する。図1は、易解体型両面粘着シート10の一構成例(構成例1)を示す概略断面図である。この易解体型両面粘着シート10は、第1粘着剤層11aと第1支持層12aとを有する第1外側積層部13と、第2粘着剤層11bと第2支持層12bとを有する第2外側積層部14と、第1外側積層部13と第2外側積層部14との間に介在される、中間層17としての粘弾性層(微粒子含有粘弾性層)15とを備えている。図1に示されるように、易解体型両面粘着シート10が備える第1粘着剤層11aの第1粘着面110aと、第2粘着剤層11bの第2粘着面110bには、それぞれ剥離ライナーSが貼り付けられている。
図2は、図1に示される易解体型両面粘着シート10が被着体20,21同士を接合する状態を示す説明図である。図2には、易解体型両面粘着シート10の第1粘着面110aが一方の被着体20に貼り付けられ、第2粘着面110bが他方の被着体21に貼り付けられる。
<剥離方法1>
易解体型両面粘着シート10は、被着体20,21から剥離して除去することができる。易解体型両面粘着シート10を、被着体20,21から剥離して除去する場合、先ず、外力により粘弾性層15が解体(分断)される。具体的には、ピアノ線等の硬い金属線Mを利用して粘弾性層15の解体が行われる。
図3は、図2に示される易解体型両面粘着シート10の粘弾性層15を、金属線Mを利用して2層に分断する工程を模式的に表した説明図である。粘弾性層15は、通常時、応力分散性、伸縮に対する変形追従性(柔軟性)等の特性を備えており、被着体20,21同士を保持できる十分な強度を備えている。このような粘弾性層15に対し、金属線M等を利用して一定値以上の外力が与えられると、粘弾性層15は、第1外側積層部13側と、第2外側積層部14側とに分断される。金属線Mは、図3に示されるように、粘弾性層15中を、面方向(厚み方向に対して垂直な方向)に沿って横切るように移動される。
粘弾性層15が分断された後、各被着体20,21上には、易解体型両面粘着シート10の分解物10a,10bがそれぞれ残される。それらの残された分解物10a,10bは、各被着体20,21上から作業者の手(指)やヘラ等の工具等を利用して剥離される。つまり、分解された後の易解体型両面粘着シート10(分解物10a,10b)は、各被着体20,21上から、所謂、片面粘着シートを剥離する要領で剥離される。
一方の被着体20上には、主として、第1外側積層部13からなる分解物10aが残存しており、その分解物10a中の第1粘着剤層11aが被着体20に貼り付いている。この分解物10aは、端部が引っ張られる等して、被着体20から引き剥がされる。第1粘着剤層11aは、被着体20よりも第1支持層12aに対して強く接着しており、第1支持層12aが引っ張られると、それに伴って第1粘着剤層11aも引っ張られ、被着体20から剥離される。第1粘着剤層11aは、被着体20上に糊残りを生じることなく、被着体20から容易に剥離される。
また、他方の被着体21上には、主として、第2外側積層部14からなる分解物10bが残存しており、その分解物10b中の第2粘着剤層11bが被着体21に貼り付いている。この分解物10bも、上述した分解物10aと同様、端部が引っ張られる等して、被着体21から引き剥がされる。第2粘着剤層11bは、被着体21よりも第2支持層12bに対して強く接着しており、第2支持層12bが引っ張られると、それに伴って第2粘着剤層11bも引っ張られ、被着体21から剥離される。第2粘着剤層11bは、被着体21上に糊残りを生じることなく、被着体21から容易に剥離される。
なお、上述した剥離方法1の内容は、以下の通りである。
易解体型両面粘着シートの剥離方法は、易解体型両面粘着シートを介して互いに接合された一対の被着体から、前記易解体型両面粘着シートを剥離する易解体型両面粘着シートの剥離方法であって、前記易解体型両面粘着シートは、第1外側積層部と、第2外側積層部と、前記第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層とを備え、前記第1外側積層部は、前記一方の被着体に貼り付けられる第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有し、前記第2外側積層部は、前記他方の被着体に貼り付けられる第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有し、前記中間層は、微粒子又は気泡を含む粘弾性層を有し、前記中間層が前記第1外側積層部側と前記第2外側積層部側とに分かれるように、金属線を利用して前記中間層に外力が加えられて、前記易解体型両面粘着シートが分断される工程と、前記易解体型両面粘着シートの分断後に、各被着体上に残された前記易解体型両面粘着シートの分解物が各被着体から引き剥がされる工程と、を備える。
このような易解体型両面粘着シートの剥離方法によれば、金属線を利用して中間層に外力が加えられることにより、易解体型両面粘着シートを第1外側積層部側と第2外側積層部側とに容易かつ確実に分断することができる。そして、更に、分断後の易解体型両面粘着シート(分解物)を、各被着体から容易かつ確実に引き剥がすことができる。易解体型両面粘着シートの分断後、各被着体上には、少なくとも支持層(第1支持層、第2支持層)に支持された粘着剤層(第1粘着剤層、第2粘着剤層)が残る。そのため、各被着体から易解体型両面粘着シートの分解物を引き剥がす際、強度的に優れた支持層を把持することが可能であり、しかも粘着剤層は被着体よりも支持層に対する接着力が強いため、易解体型両面粘着シートの分解物を各被着体から容易かつ確実に引き剥がすことができる。なお、この易解体型両面粘着シートの剥離方法は、加熱処理を伴わないため、被着体に加熱処理を施せない場合(例えば、被着体が耐熱性を備えていない場合)に、特に有効である。
(易解体型両面粘着シートの構成例2)
次いで、図4を参照しつつ、易解体型両面粘着シート10Aの他の構成例(構成例2)について説明する。図4は、易解体型両面粘着シート10Aの他の構成例(構成例2)を示す概略断面図である。この易解体型両面粘着シート10Aは、熱発泡剤を含む熱発泡剤含有粘着剤層16aを一層備えている。易解体型両面粘着シート10Aは、具体的には、第1粘着剤層11aと第1支持層12aとを有する第1外側積層部13と、第2粘着剤層11bと第2支持層12bとを有する第2外側積層部14と、第1外側積層部13と、第2外側積層部14との間に配され、片面に熱発泡剤含有粘着剤層16aを積層した粘弾性層(微粒子含有粘弾性層)15からなる中間層17Aとを備えている。図4に示されるように、易解体型両面粘着シート10Aが備える第1粘着剤層11aの第1粘着面110aと、第2粘着剤層11bの第2粘着面110bには、それぞれ剥離ライナーSが貼り付けられている。
図5は、図4に示される易解体型両面粘着シート10Aが被着体20,21同士を接合する状態を示す説明図である。図5には、易解体型両面粘着シート10Aの第1粘着面110aが一方の被着体20に貼り付けられ、第2粘着面110bが他方の被着体21に貼り付けられる。易解体型両面粘着シート10Aも、上述した易解体型両面粘着シート10と同様、被着体20,21同士の接合に利用される。
<剥離方法2>
易解体型両面粘着シート10Aは、被着体20,21から剥離して除去することができる。易解体型両面粘着シート10Aを、被着体20,21から剥離して除去する場合、先ず、易解体型両面粘着シート10Aには、加熱処理が施される。易解体型両面粘着シート10Aが加熱処理されると、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間の界面で易解体型両面粘着シート10Aが分解(分離)される。
加熱処理としては、特に限定されないが、例えば、ホットプレート、熱風乾燥機、近赤外線ランプ、エアードライヤー、ヒートガン等の公知の加熱手段が挙げられる。加熱温度は、熱発泡剤の発泡開始温度以上であればよいが、被着体の表面状態、熱発泡剤の種類、被着体の耐熱性、加熱方法(熱容量、加熱手段等)等により適宜設定される。具体的な加熱処理としては、例えば、80〜170℃の温度で、ホットプレートにより1〜15分間加熱することや熱風乾燥機で1〜15分間加熱すること等が挙げられる。なお、加熱処理における加熱手段として、加熱水が用いられてもよい。
易解体型両面粘着シート10Aが加熱処理されると、熱発泡剤含有粘着剤層16a中の熱発泡剤の膨張及び/又は発泡が生じて、熱発泡剤含有粘着剤層16aが膨張変形する。すると、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの接触面積が減少し、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間の接着力が低下して、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間で剥離が生じる。その結果、易解体型両面粘着シート10Aは、発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間の界面で分離される。図6は、図5に示される易解体型両面粘着シート10Aが加熱処理されて分解された状態を示す説明図である。
なお、易解体型両面粘着シート10Aが、他の層として上記発熱層を有する場合、通電等により発熱層を発熱させてもよい。
上記のように易解体型両面粘着シート10Aが分離されると、各被着体上には、易解体型両面粘着シート10Aの分解物がそれぞれ残される。残された分解物は、上述した易解体型両面粘着シート10の場合と同様、所謂、片面粘着シートを被着体から剥離する要領で、各被着体上から剥離される。この易解体型両面粘着シート10Aも、被着体上に糊残りを生じさせずに被着体から容易に剥離することができる。
なお、易解体型両面粘着シート10Aは、第1外側積層部13と粘弾性層15の間のみに、熱発泡剤含有粘着剤層16aが介在される構成であったが、他の例としては、第2外側積層部13と粘弾性層15との間のみに熱発泡剤含有粘着剤層が介在される構成であってもよい。上述の易解体型両面粘着シート10Aのように、1層のみ熱発泡剤含有粘着剤層16aを備える場合、上述した加熱処理は、熱発泡剤含有粘着剤層16aに効率よく熱を伝える等の目的で、熱発泡剤含有粘着剤層16aに近い第1粘着面110a側から行われることが好ましい。また、易解体型両面粘着シート10Aのように、1層のみ熱発泡剤含有粘着剤層16aを備える場合、熱発泡剤含有粘着剤層16aに近い第1粘着面110aには、金属等の耐熱性に優れる被着体が貼り付けられることが好ましい。
(易解体型両面粘着シートの構成例3)
次いで、図7を参照しつつ、易解体型両面粘着シート10Bの他の構成例(構成例3)について説明する。図7は、易解体型両面粘着シート10Bの他の構成例(構成例3)を示す概略断面図である。この易解体型両面粘着シート10Bは、熱発泡剤を含む熱発泡剤含有粘着剤層16a,16bを二層備えている。易解体型両面粘着シート10Bは、具体的には、第1粘着剤層11aと第1支持層12aとを有する第1外側積層部13と、第2粘着剤層11bと第2支持層12bとを有する第2外側積層部14と、第1外側積層部13と第2外側積層部14との間に配され、両面に熱発泡剤含有粘着剤層16a,16bを積層した粘弾性層(微粒子含有粘弾性層)15からなる中間層17Bとを備えている。図7に示されるように、易解体型両面粘着シート10Bが備える第1粘着剤層11aの第1粘着面110aと、第2粘着剤層11bの第2粘着面110bには、それぞれ剥離ライナーSが貼り付けられている。
図8は、図7に示される易解体型両面粘着シート10Bが被着体20,21同士を接合する状態を示す説明図である。図8には、易解体型両面粘着シート10Bの第1粘着面110aが一方の被着体20に貼り付けられ、第2粘着面110bが他方の被着体21に貼り付けられる。易解体型両面粘着シート10Bも、上述した易解体型両面粘着シート10等と同様、被着体20,21同士の接合に利用される。
<剥離方法3>
易解体型両面粘着シート10Bは、被着体20,21から剥離して除去することができる。易解体型両面粘着シート10Bを、被着体20,21から剥離して除去する場合、先ず、易解体型両面粘着シート10Bには、加熱処理が施される。加熱処理は、上述した易解体型両面粘着シート10Aにおけるものと同様である。易解体型両面粘着シート10Bが加熱処理されると、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間の界面と、熱発泡剤含有粘着剤層16bと第2支持層12bとの間の界面とで易解体型両面粘着シート10Bが分解(分離)される。
易解体型両面粘着シート10Bが加熱処理されると、各熱発泡剤含有粘着剤層16a,16b中の熱発泡剤の膨張及び/又は発泡が生じて、各熱発泡剤含有粘着剤層16a,16bが膨張変形する。すると、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間の接触面積と、熱発泡剤含有粘着剤層16bと第2支持層12bとの間の接触面積とがそれぞれ減少し、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間の接着力、及び熱発泡剤含有粘着剤層16bと第2支持層12bとの間の接着力がそれぞれ低下する。その結果、熱発泡剤含有粘着剤層16aと第1支持層12aとの間の界面と、熱発泡剤含有粘着剤層16bと第2支持層12bとの間の界面とでそれぞれ剥離が生じ、易解体型両面粘着シート10Bが分離される。図9は、図8に示される易解体型両面粘着シート10Bが加熱処理されて分解された状態を示す説明図である。
上記のように易解体型両面粘着シート10Bが分離されると、各被着体上には、易解体型両面粘着シート10Bの分解物がそれぞれ残される。残された分解物は、上述した易解体型両面粘着シート10や易解体型両面粘着シート10Aの場合と同様、所謂、片面粘着シートを被着体から剥離する要領で、各被着体上から剥離される。この易解体型両面粘着シート10Bも、被着体上に糊残りを生じさせずに被着体から容易に剥離することができる。
なお、上述した剥離方法2及び剥離方法3の内容は、以下の通りである。
易解体型両面粘着シートの剥離方法は、易解体型両面粘着シートを介して互いに接合された一対の被着体から、前記易解体型両面粘着シートを剥離する易解体型両面粘着シートの剥離方法であって、前記易解体型両面粘着シートは、第1外側積層部と、第2外側積層部と、前記第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層とを備え、前記第1外側積層部は、前記一方の被着体に貼り付けられる第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有し、前記第2外側積層部は、前記他方の被着体に貼り付けられる第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有し、前記中間層は、微粒子又は気泡を含む粘弾性層と、熱発泡剤を含む熱発泡剤含有粘着剤層を有し、前記熱発泡剤含有粘着剤層は、前記粘弾性層の両面又は片面に積層され、前記第1支持層と前記粘弾性層との間、及び/又は前記第2支持層と前記粘弾性層との間に介在され、前記熱発泡剤を発泡させて、前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第1支持層との間の接着力、及び/又は前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第2支持層との間の接着力を低減させるために、前記熱発泡剤含有粘着剤層が加熱される工程と、前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第1支持層との間、及び/又は前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第2支持層との間で分かれるように、前記易解体型両面粘着シートが分断される工程と、前記易解体型両面粘着シートの分断後に、各被着体上に残された前記易解体型両面粘着シートの分解物が各被着体から引き剥がされる工程と、を備える。
このような易解体型両面粘着シートの剥離方法によれば、熱発泡剤含有粘着剤層を加熱することによって、熱発泡剤含有粘着剤層と第1支持層との間、及び/又は熱発泡剤含有粘着剤層と第2支持層との間の接着力を容易かつ確実に低減できるとともに、熱発泡剤含有粘着剤層と第1支持層との間、及び/又は熱発泡剤含有粘着剤層と第2支持層との間で易解体型両面粘着シートを容易かつ確実に分断することができる。そして、更に分断後の易解体型両面粘着シート(分解物)を、各被着体から容易かつ確実に引き剥がすことができる。易解体型両面粘着シートの分断後、各被着体上には、少なくとも支持層(第1支持層、第2支持層)に支持された粘着剤層(第1粘着剤層、第2粘着剤層)が残る。そのため、各被着体から易解体型両面粘着シートの分解物を引き剥がす際、強度的に優れた支持層を把持することが可能であり、しかも粘着剤層は被着体よりも支持層に対する接着力が強いため、易解体型両面粘着シートの分解物を各被着体から容易かつ確実に引き剥がすことができる。
(易解体型両面粘着シートの構成例4)
次いで、図10を参照しつつ、易解体型両面粘着シート10Cの他の構成例(構成例4)について説明する。図10は、易解体型両面粘着シート10Cの他の構成例(構成例4)を示す概略断面図である。図10に示されるこの易解体型両面粘着シート10Cは、被着体に貼り付けられる前の状態では、3つの部分(ユニット)に分かれている。具体的には、易解体型両面粘着シート10Cは、第1粘着剤層11aと第1支持層12aとを有する第1外側積層部13と、第2粘着剤層11bと第2支持層12bとを有する第2外側積層部14と、粘弾性層(微粒子含有粘弾性層)15とその両側に積層される2つの熱発泡剤含有粘着剤層16a,16bとを有する中間層17Cとを備えている。
なお、第1外側積層部13が備える第1粘着面110aと、第2外側積層部14が備える第2粘着面110bには、それぞれ剥離ライナーSが貼り付けられている。また、中間層17Bは、一方の熱発泡剤含有粘着剤層16aの表面からなる第3粘着面160aと、他方の熱発泡剤含有粘着剤層16bの表面からなる第4粘着面160bとを備えており、第3粘着面160aと第4粘着面160bには、それぞれ剥離ライナーSが貼り付けられている。この易解体型両面粘着シート10Cは、互いに分離された各部分が、最終的に一体化されて、被着体同士の接合に利用される。この易解体型両面粘着シート10Cは、最終的に、被着体間で挟まれた状態で、図7に示される易解体型両面粘着シート10Bと同様の構成となる。
なお、図10に示される易解体型両面粘着シート10Cは、被着体に貼り付けられる前の状態では、3つの部分に分けられていたが、他の例においては、第1外側積層部13、又は第2外側積層部14と、中間層17とが一体化されて、合計2つの部分に分けられていてもよい。また、図10に示される構成例に限られず、その他の易解体型両面粘着シートにおいても、被着体に貼り付けられる前の状態において、複数の部分に分けられていてもよい。例えば、図1に示される易解体型両面粘着シート10が、被着体に貼り付けられる前の状態(つまり、使用前の状態)では、第1外側積層部13、第2外側積層部14、及び中間層17の3つの部分に分かれていてもよい。また、図4に示される易解体型両面粘着シート10Aが、使用前の状態では、第1外側積層部13、第2外側積層部14、及び中間層17Aの3つの部分に分かれていてもよい。
このように、易解体型両面粘着シートは、被着体に貼り付けられる前の状態では、複数の部分に分けられていてもよいし、或いは、例えば、構成例1〜3のように、被着体に貼り付けられる前の状態から一体化されていてもよい。なお、被着体に貼り付けられる前(使用前)の状態において、複数の部分に分かれている易解体型両面粘着シートを、特に「組立式易解体型両面粘着シート」と称する場合がある。
組立式易解体型両面粘着シートは、通常の易解体型両面粘着シート(使用前の状態から一体化されている易解体型両面粘着シート)と比べて、被着体同士の接合作業を行い易い等の利点を備えている。ここで、図11〜図13を参照しつつ、組立式易解体型両面粘着シートの一構成例である易解体型両面粘着シート10Cを用いた被着体に対する貼付方法を例に挙げて、易解体型両面粘着シートの貼付方法を説明する。
〔組立式易解体型両面粘着シートの貼付方法〕
図11は、易解体型両面粘着シート10Cの貼付方法における、第1外側積層部13を一方の被着体20に貼り付ける工程を示す説明図である。図11には、2つの被着体20,21が示されている。これらの被着体20,21は、最終的に、易解体型両面粘着シート10Cによって接合されるものである。この工程では、一方の被着体20に対して、外側積層部のうち、第1外側積層部13が貼り付けられる。第1外側積層部13は、第1粘着剤層11aの第1粘着面110aが被着体20の表面に対して密着する形で、被着体20に貼り付けられる。
(工程1)
なお、被着体20上において、第1外側積層部13(易解体型両面粘着シート10C)の貼付個所が予め定められている場合、その定められた個所に位置合せされつつ、第1外側積層部13が貼り付けられる。第1外側積層部13は、所謂、一般的な片面粘着シートの形態を備えているため、一般的な片面粘着シートと同様、取り扱い易い等の利点を有しており、被着体20の所定個所に位置合せしつつ、貼り付け易い。
(工程2)
次いで、図12に示されるように、第1外側積層部13が備える第1支持層12aに対して、中間層17が積層される工程が行われる。図12は、易解体型両面粘着シート10Cの貼付方法における、中間層17を第1外側積層部13に貼り付ける工程を示す説明図である。この工程では、中間層17が備える一方の熱発泡剤含有粘着剤層16aが、第3粘着面160aを利用して第1外側積層部13の第1支持層12aに貼り付けられる。なお、中間層17は、所謂、一般的な両面粘着シートの形態を備えており、一般的な両面粘着シートと同様、取り扱い易い。したがって、被着体20上の第1外側積層部13に対して正確な位置で重ね合せることが容易である。
(工程3)
次いで、図13に示されるように、他方の被着体21に対して、第2外側積層部14が貼り付けられる工程が行われる。図13は、易解体型両面粘着シート10Cの貼付方法における、第2外側積層部14を他方の被着体21に貼り付ける工程を示す説明図である。第2外側積層部14は、第2粘着剤層11bの第2粘着面110bが被着体21の表面に対して密着する形で、被着体21に貼り付けられている。なお、被着体21上において、第2外側積層部14(易解体型両面粘着シート10C)の貼付個所が予め定められている場合、その定められた個所に位置合せされつつ、第2外側積層部14が貼り付けられる。第2外側積層部14も、第1外側積層部13と同様、所謂、一般的な片面粘着シートの形態を備えており、一般的な片面粘着シートと同様、取り扱い易い等の利点を有してり、被着体21の所定個所に位置合せしつつ、貼り付け易い。
(工程4)
次いで、被着体21上の第2外側積層部14と、被着体20上の中間層17とを貼り合わせる工程が行われる。その際、第2外側積層部14の第2支持層12bに対して、中間層17が備える他方の熱発泡剤含有粘着剤層16bが、第4粘着面160bを利用して貼り付けられる。このように、一方の被着体20上の中間層17及び第1外側積層部13からなる積層物と、他方の被着体21上の第2外側積層物14とが互いに貼り合わせられることにより、易解体型両面粘着シート10Cが一体化され、かつ被着体20,21同士が接合される。
上述のように、一方の被着体20上の前記積層物と、他方の被着体21上の第2外側積層物14とを互いに貼り合わせる際、貼り合わせ位置を確認し易い。また、一方の被着体20上の前記積層物と、他方の被着体21上の第2外側積層物14とを互いに貼り合わせる際、それらは互いに貼り付け位置の目標(目印、目安)となるため、位置合せしつつ貼り合わせ易い。以上のような、易解体型両面粘着シートの貼付方法によれば、被着体同士の接合作業を行い易い。
なお、上述した貼付方法では、先ず、第1外側積層部13が一方の被着体20に対して貼り付けられていたが、これに限られず、他の例では、先ず第2外側積層部14が他方の被着体21に対して貼り付けられてもよい。
また、上述した貼付方法では、第1外側積層部13上に中間層17が積層されていたが、これに限られず、他の例では、第2外側積層部14上に積層されてもよい。
また、貼付方法の他の例では、第1外側積層部13と、第2外側部材14とをそれぞれ貼り付けた後に、中間層17を第1外側積層部13、又は第2外側部材14の何れかに積層してもよい。
また、貼付方法の他の例では、上記中間層17Cに代えて、粘弾性層15のみからなる中間層(中間層17)や、熱発泡剤含有粘着剤層が粘弾性層の片側のみに形成されている中間層(中間層17A)等の他の中間層を用いてもよい。
〔易解体型両面粘着シートの製造方法〕
易解体型両面粘着シートの製造方法としては、特に制限されず、例えば、上述した剥離ライナー上に、易解体型両面粘着シートを構成する各層を順次、積層する方法や、各層を剥離ライナー上に形成し、最終的に、層同士を貼り合わせる方法等が挙げられる。
易解体型両面粘着シートの製造方法において、各層を形成するための組成物を剥離ライナー上等に塗布する際に用いられる塗工方法としては、特に制限されないが、例えば、スロットダイ法、リバースグラビアコート法、マイクログラビア法、ディップ法、スピンコート法、刷毛塗り法、ロールコート法、フレキソ印刷法等が挙げられる。また、塗工の際は、例えば、リバースコーター、グラビアコーター等のロールコーター;カーテンコーター;リップコーター;ダイコーター;ナイフコーター等の塗布具が用いられてもよい。
なお、上記製造方法において、各層を形成ための組成物からなる塗布物(塗布層)の硬化には、活性エネルギー線を用いる光硬化が用いられても良い。
また、好ましい活性エネルギー線の照射態様としては、例えば、波長300nm〜400nmにおける照度1mJ/cm〜200mW/cmである紫外線の光量400mJ/cm〜4000mJ/cmの照射が挙げられる。また、紫外線を照射する際に用いられる光源としては、波長180〜460nm(好ましくは300〜400nm)の領域にスペクトル分布を持つものである限り、特に限定されないが、例えば、ケミカルランプ、ブラックライト(例えば、東芝ライテック社製のブラックライト)、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の一般の照射装置が挙げられる。また、上記波長より長波長あるいは短波長の電磁放射線を発生させることができる照射装置も挙げられる。
また、上記製造方法では、必要に応じて、加熱乾燥工程が行われてもよい。例えば、重合率を上昇させるためや未反応モノマー成分を除去等する目的で、加熱乾燥工程が行われてもよい。
〔易解体型両面粘着シートの諸特性〕
易解体型両面粘着シートは、被着体同士の接合時には優れた接着性能(せん断接着力等)を発揮する。また、易解体型両面粘着シートは、使用後の分離・解体時において、外力又は加熱処理により、容易に分解(解体)され、かつ被着体から容易に剥離することができる。
易解体型両面粘着シートは、その他に、柔軟性、段差追従性(凹凸に対する追従性)、長期信頼性、保存安定性等を備えている。
〔被着体〕
易解体型両面粘着シートが用いられる被着体としては、特に限定されないが、例えば、金属、ガラス、セラミックス、大理石等の岩石類、木材、紙、繊維、皮革、プラスチック、ゴム等が挙げられる。
中でも、被着体としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等の極性の低い材料よりも、金属、ガラス、セラミックス、大理石、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリアミド等の極性の高い材料が好ましい。
被着体に利用される金属としては、特に制限されないが、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、真鍮等の合金等が挙げられる。
〔易解体型両面粘着シートの用途〕
易解体型両面粘着シートは、自動車、機械部品、電化製品、建材、キッチン用品、調理器具、日用品等の各種分野の用途に用いられる。易解体型両面粘着シートは、常態接着力や、せん断接着力等に優れるため、特に、接合用途や固定用途において好ましく用いられる。
〔被着体の取り換え方法〕
一方の被着体に易解体型両面粘着シートを介して接合されている他方の被着体を、他の被着体に取り換える際、易解体型両面粘着シートは、容易に被着体から剥離することができるため、前記他の被着体の取り換え作業も容易に行うことができる。例えば、一方の被着体が建築物の壁からなり、他方の被着体が壁に取り付けられる物品からなり、壁に物品が易解体型両面粘着シートを介して接合されている場合(取り付けられている場合)、壁から物品を取り外して、他の物品を壁に新しく取り付けたい場合がある。このような場合等において、先ず、易解体型両面粘着シートが被着体である壁等から剥離される。易解体型両面粘着シートを被着体から剥離する方法は、基本的には、上述した<剥離方法1>〜<剥離方法3>と同様である。ただし、被着体の取り換え方法においては、少なくとも、前記他の被着体が取り付けられる前記一方の被着体(例えば、壁)から易解体型両面粘着シート(分解物)が剥離されればよい。なお、前記一方の被着体から取り外された前記他方の被着体(例えば、物品)から易解体型両面粘着シート(分解物)が剥離されてもよい。
(取り換え方法1)
易解体型両面粘着シートとして、例えば、上述した構成例1のものを利用した場合、取り換え方法は、以下の通りの内容となる。
被着体の取り換え方法は、一方の被着体に易解体型両面粘着シートを介して接合されている他方の被着体を、他の被着体に取り換える被着体の取り換え方法であって、前記易解体型両面粘着シートは、第1外側積層部と、第2外側積層部と、前記第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層とを備え、前記第1外側積層部は、前記一方の被着体に貼り付けられる第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有し、前記第2外側積層部は、前記他方の被着体に貼り付けられる第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有し、前記中間層は、微粒子又は気泡を含む粘弾性層を有し、前記中間層が前記第1外側積層部側と前記第2外側積層部側とに分かれるように、金属線を利用して前記中間層に外力が加えられて、前記易解体型両面粘着シートが分断される工程と、前記易解体型両面粘着シートの分断後に、前記一方の被着体上に残された前記易解体型両面粘着シートの分解物が引き剥がされる工程と、前記一方の被着体に前記他の被着体が、前記易解体型両面粘着シートと同種の新しい易解体型両面粘着シートを介して接合される工程と、を備える。
このような被着体の取り換え方法によれば、易解体型両面粘着シートを容易に被着体から剥離することができるため、一方の被着体に易解体型両面粘着シートを介して接合されている他方の被着体を、他の被着体に容易に取り換えることができる。なお、前記他方の被着体からも、易解体型両面粘着シートの分解物を剥離すれば、前記他方の被着体を、再利用すること可能となる。また、この被着体の取り換え方法は、加熱処理を伴わないため、被着体に加熱処理を施せない場合(例えば、被着体が耐熱性を備えていない場合)に、特に有効である。
(取り換え方法2)
易解体型両面粘着シートとして、例えば、上述した構成例2又は構成例3のものを利用した場合、取り換え方法は、以下の通りの内容となる。
被着体の取り換え方法は、一方の被着体に易解体型両面粘着シートを介して接合されている他方の被着体を、他の被着体に取り換える被着体の取り換え方法であって、前記易解体型両面粘着シートは、第1外側積層部と、第2外側積層部と、前記第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層とを備え、前記第1外側積層部は、前記一方の被着体に貼り付けられる第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有し、前記第2外側積層部は、前記他方の被着体に貼り付けられる第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有し、前記中間層は、微粒子又は気泡を含む粘弾性層と、熱発泡剤を含む熱発泡剤含有粘着剤層を有し、前記熱発泡剤含有粘着剤層は、前記粘弾性層の両面又は片面に積層され、前記第1支持層と前記粘弾性層との間、及び/又は前記第2支持層と前記粘弾性層との間に介在され、前記熱発泡剤を発泡させて、前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第1支持層との間の接着力、及び/又は前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第2支持層との間の接着力を低減させるために、前記熱発泡剤含有粘着剤層が加熱される工程と、前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第1支持層との間、及び/又は前記熱発泡剤含有粘着剤層と前記第2支持層との間で分かれるように、前記易解体型両面粘着シートが分断される工程と、前記易解体型両面粘着シートの分断後に、前記一方の被着体上に残された前記易解体型両面粘着シートの分解物が引き剥がされる工程と、前記一方の被着体に前記他の被着体が、前記易解体型両面粘着シートと同種の新しい易解体型両面粘着シートを介して接合される工程と、を備える。
このような被着体の取り換え方法によれば、易解体型両面粘着シートを容易に被着体から剥離することができるため、一方の被着体に易解体型両面粘着シートを介して接合されている他方の被着体を、他の被着体に容易に取り換えることができる。なお、前記他方の被着体からも、易解体型両面粘着シートの分解物を剥離すれば、前記他方の被着体を、再利用すること可能となる。この被着体の取り換え方法では、特に、熱発泡剤含有粘着剤層を備える易解体型両面粘着シートを利用するため、熱発泡剤含有粘着剤層と第1支持層との間、及び/又は熱発泡剤含有粘着剤層と第2支持層との間で易解体型両面粘着シートを容易かつ確実に分断することができ、容易に被着体の取り換え作業を行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1.粘着剤層用粘着剤組成物の調製)
不活性ガス雰囲気下、ブチルアクリレート(BA):95質量部、アクリル酸(AA):5質量部及び重合開始剤として過酸化ベンゾイル(BPO)(商品名「ナイパー(登録商標)BW」、日油(株)製):0.4質量部を、重合溶媒であるトルエン(222質量部)中で、70℃にて溶液重合させて、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマー溶液(固形分:31質量%)を得た。
得られたアクリル系ポリマー溶液の固形分100質量部に対して、ブチル化メラミン架橋剤(DIC(株)製「スーパーベッカミン(登録商標)J−820−60N」):0.7質量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネート(登録商標)L」):1.2質量部を加え、更にトルエン45質量部を加えて、粘着剤層用粘着剤組成物を得た。
(2.粘弾性層用重合性組成物の調製)
2−エチルヘキシルアクリレート:90質量部、アクリル酸:10質量部、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン株式会社製):0.05質量部、光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン株式会社製):0.05質量部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露して光重合させることにより、重合率7%の部分重合組成物(シロップ、以下部分重合ポリマーシロップと称する場合がある)を得た。
得られた部分重合ポリマーシロップ:100質量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.08質量部、中空ガラスビーズ(商品名「セルスター Z−27」、東海工業株式会社製、平均粒径:63μm、真密度:0.26g/cm):9.5質量部を添加し、プロペラミキサーを用いて均一に混合した後、ビーカーに入れ、底から窒素ガスをバブリングさせて、その気泡を噛み込むようにホモミキサーにより気泡を混合させ、気泡が混合された粘弾性層用重合性組成物を得た。
(3.熱発泡剤含有粘着剤組成物の調製)
2−エチルヘキシルアクリレート:90質量部、アクリル酸:10質量部、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名「イルガキュア184」、BASFジャパン株式会社製):0.05質量部、光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、商品名「イルガキュア651」、BASFジャパン株式会社製):0.05質量部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露して光重合させることにより、重合率7%の部分重合ポリマーシロップを得た。
得られた部分重合ポリマーシロップ:100質量部に、熱発泡剤(熱膨張微小球、商品名「マツモトマイクロスフェアF−80SD」、松本油脂製薬株式会社製):30質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート:0.2質量部を添加し、これらを均一に混合して、熱発泡剤含有粘着剤組成物を得た。
(4.支持層)
支持層として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラーS10」、東レ株式会社製、厚み:25μm)を使用した。
(5.剥離ライナー)
剥離ライナーとして、一方の面がシリコーン系離型処理剤で離型処理(剥離処理)されたポリエステルフィルム(商品名「MRN−38」、三菱樹脂株式会社製、厚み:38μm)を用いた。
(6.第1外側積層部、及び第2外側積層部の作製)
上記粘着剤層用粘着剤組成物を、剥離ライナーS1の剥離処理された面上に、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、その塗布物を加熱乾燥して、剥離ライナーS1上に、第1粘着剤層を形成した。その後、第1粘着剤層上に上記支持層(第1支持層)を貼り付けて、第1外側積層部を得た。なお、第1外側積層部と同じ要領で、第2外側積層部(第1外側積層物と同一構成)も作製した。
(7.中間層1の作製)
上記粘弾性層用重合性組成物を、剥離ライナーS2の剥離処理された面上に、硬化後の厚みが1000μmとなるように塗布し、更にその塗布物上に他の剥離ライナーS3を貼り付けることにより、粘弾性層用重合性組成物の塗布物を有するシートaを得た。ついで、シートaの両面から、ブラックライトランプ(株式会社東芝製)を用いて、照度:5mW/cmで、350nmの最大感度を有する紫外線(UV)を240秒間照射して、シートaの塗布物を光硬化させ、粘弾性層(微粒子含有弾性層)からなる中間層1を得た。
(8.中間層2の作製)
上記粘弾性層用重合性組成物を、剥離ライナーS4の剥離処理された面上に、硬化後の厚みが1000μmとなるように塗布し、粘弾性層用重合性組成物の塗布物を有するシートbを得た。
また、上記熱発泡剤含有粘着剤組成物を、剥離ライナーS5の剥離処理された面上に、硬化後の厚みが100μmとなるように塗布し、熱発泡剤含有粘着剤組成物の塗布物を有するシートcを得た。
次いで、シートbとシートcとを、粘弾性層用重合性組成物の塗布物と、熱発泡剤含有粘着剤組成物の塗布物とが互いに接する形で貼り合わせて積層シートIを得た。
そして、積層シートIの両面から、ブラックライトランプ(株式会社東芝製)を用いて、照度:5mW/cmで、350nmの最大感度を有する紫外線(UV)を240秒間照射して、積層シートIの塗布物を光硬化させ、粘弾性層の片面に熱発泡剤含有粘着剤層を有する中間層2を得た。
(9.中間層3の作製)
上記粘弾性層用重合性組成物を、剥離ライナーS6の剥離処理された面上に、硬化後の厚みが1000μmとなるように塗布し、粘弾性層用重合性組成物の塗布物を有するシートdを得た。
また、上記熱発泡剤含有粘着剤組成物を、剥離ライナーS7の剥離処理された面上に、硬化後の厚みが100μmとなるように塗布し、熱発泡剤含有粘着剤組成物の塗布物を有するシートeを得た。なお、シートeと同じ要領で、シートf(シートeと同一構成)も作製した。
次いで、シートdとシートeとを、粘弾性層用重合性組成物の塗布物と、熱発泡剤含有粘着剤組成物の塗布物とが互いに接する形で貼り合わせ、その後、剥離ライナーS6を剥離して、積層シートIIを得た。続いて、積層シートIIとシートfとを、粘弾性層用重合性組成物の塗布物と、熱発泡剤含有粘着剤組成物の塗布物とが互いに接する形で貼り合わせて、積層シートIIIを得た。
そして、積層シートIIIの両面から、ブラックライトランプ(株式会社東芝製)を用いて、照度:5mW/cmで、350nmの最大感度を有する紫外線(UV)を240秒間照射して、積層シートIIIの塗布物を光硬化させ、粘弾性層の両側に熱発泡剤含有粘着剤層を有する中間層3を得た。
〔実施例1〕
第1外側積層部の支持層(第1支持層)の一方の面に、粘弾性層からなる中間層1の一方の面を貼り付け、その後、更に中間層1の他方の面に、第2外側積層部の支持層(第2支持層)の一方の面を貼り付けることにより、第1外側積層部、中間層1、及び第2外側積層部がこの順で積層されている易解体型両面粘着シートを得た。なお、第1外側積層部と中間層1との貼り付け等の層同士の貼り付けは、下記貼り合わせ条件で行った。なお、他の実施例等においても、同様の貼り合わせ条件で行った。
貼り合わせ条件
温度:23℃
圧着条件:2kgローラーによる圧着を1往復
〔実施例2〕
第1外側積層部の支持層(第1支持層)の一方の面に、熱発泡剤含有粘着剤層が配されている側の中間層2の一方の面を貼り付け、その後、更に粘弾性層が配されている側の中間層2の他方の面に、第2外側積層部の支持層(第2支持層)の一方の面を貼り付けることにより、第1外側積層部、中間層2、及び第2外側積層部がこの順で積層されている易解体型両面粘着シートを得た。
〔実施例3〕
第1外側積層部の支持層(第1支持層)の一方の面に、中間層3の一方の面を貼り付けた後、更に中間層3の他方の面に、第2外側積層部の支持層(第2支持層)の一方の面を貼り付けることにより、第1外側積層部、中間層3、及び第2外側積層部がこの順で積層されている易解体型両面粘着シートを得た。
〔比較例1〕
比較例1として、中間層1のみ(粘弾性層のみ)からなる両面粘着シートを用意した。
〔比較例2〕
比較例2として、中間層3のみ(両面に熱発泡剤含有粘着剤層を有する粘弾性層)からなる両面粘着シートを用意した。
〔評価1:せん断接着力〕
実施例、及び比較例の各両面粘着シートのせん断接着力を、下記の方法により評価した。
評価用のサンプルとして、長さ25mm×幅25mmである両面粘着シートを用意した。また、粒度280番の研磨紙で表面が磨かれた2枚のSUS板を用意した。なお、各SUS板の表面の汚れは、トルエンを含ませた布帛で拭き取った。そして、サンプルの片方の剥離ライナーを剥がし、露出した一方の粘着面を一方のSUS板の表面に重さ5kg重のローラーで片道圧着することにより、サンプルを一方のSUS板に貼り付けた。次いで、サンプルのもう片方の剥離ライナーを剥がし、露出した他方の粘着面を、他方のSUS板の表面に、重さ5kg重のローラーを片道圧着することにより、サンプルを他方のSUS板に貼り付け、試験片を得た。
試験片を23℃で30分間放置した後、23℃、65%RHの雰囲気下でせん断方向に剥離するために要する力(せん断接着力)を測定した。なお、引張速度は50mm/minの条件で、せん断接着力を測定した。なお、せん断接着力が、20N/cm以上である場合、両面粘着シートは、優れたせん断接着力を備えているといえる。結果は、表1に示した。
なお、せん断接着力の評価基準は、以下の通りである。
<評価基準>
・せん断接着力が20N/cm以上の場合 ・・・・・良好「○」
・せん断接着力が20N/cm未満の場合 ・・・・・不良「×」
〔評価2−1:解体性、及び再剥離性〕
実施例1、及び比較例1の各両面粘着シートを対象として、解体性、及び再剥離性を、下記の方法により評価した。
評価用のサンプルとして、サイズが25mm×25mmである両面粘着シートを用意した。サンプル(両面粘着シート)の両側の粘着面に、ステンレス板(縦:30mm×横:40mm×厚み:0.5mm)をそれぞれ1枚ずつ貼り付けた。その後、ステンレス板で挟まれた状態のサンプルを、2kgゴムローラーを1往復させて圧着し、23℃、65%RHの雰囲気下で30分間、放置(養生)した。
その後、各ステンレス板が起立するように所定の固定装置を利用して固定し、ステンレス板の間にある隙間に、両端が外側にはみ出す形でピアノ線(商品名「HW−076」、和気産業株式会社製、直径:0.66mm〜0.70mm)を入れ、その両端を把持した状態でピアノ線を試験者(評価者)が引き下げることにより、ステンレス板の間にあるサンプル(両面粘着シート)を2層に切断(分断)することを試みた。
上記サンプルを切断できた場合、前記固定装置から各ステンレス板を取り外し、各ステンレス板上に貼り付いているサンプル(両面粘着シート)の分解物を、試験者(評価者)が各ステンレス板上から手(指)で剥離することを試みた。
各ステンレス板上から、サンプル(両面粘着シート)の分解物を剥離できた場合、ステンレス板上に糊残りがあるか否かを、目視で確認した。
本評価2−1の結果は、表1に示した。
なお、本評価2−1の評価基準は、以下の通りである。
<評価基準:解体性>
・サンプルをピアノ線により解体(分断)できた場合 ・・・・・良好「○」
・サンプルをピアノ線により解体(分断)できなかった場合 ・・・・・不良「×」
<評価基準:再剥離性>
・被着体上に糊残りが無い場合 ・・・・・良好「○」
・被着体上に糊残りが有る場合
又は被着体上からサンプルを剥離できなかった場合 ・・・・・不良「×」
〔評価2−2:加熱解体性、及び再剥離性〕
実施例2,3,及び比較例2の各両面粘着シートを対象として、加熱解体性、及び再剥離性を、下記の方法により評価した。
評価用のサンプルとして、サイズが25mm×25mmである両面粘着シートを用意した。サンプル(両面粘着シート)の両側の粘着面に、ステンレス板(縦:30mm×横:40mm×厚み:0.5mm)をそれぞれ1枚ずつ貼り付けた。その後、ステンレス板で挟まれた状態のサンプルを、2kgゴムローラーを1往復させて圧着し、23℃、65%RHの雰囲気下で30分間、放置(養生)した。
その後、ステンレス板で挟まれたサンプルを、ヒートガン(ヒートガンHG−905、太洋電気産業株式会社製、450℃熱風、400L/分)にて、ステンレスの表面に対して15cm離れた個所から、垂直に1分間熱風を当てることにより、加熱処理した。加熱処理後、加熱による熱発泡剤の発泡により、サンプル中に層間剥離が生じているか否かを確認した。
層間剥離が生じていない場合、23℃、65%RHの雰囲気下で30分間放置してから、貼り合わされたステンレス板が互いに離れるように、試験者(評価者)が手で各ステンレス板を引っ張って、サンプルの分離を試みた。
なお、サンプル(両面粘着シート)が熱発泡剤含有粘着剤層を2層有する場合(つまり、実施例3と比較例2の場合)は、何れか一方の熱発泡剤含有粘着剤層とそれに隣接する層との間の界面で層間剥離が生ずればよいとした。層間剥離が全く生じていない場合に、上記のように試験者(評価者)が手で各ステンレス板を引っ張って、サンプルの分離を試みた。
上記のように加熱処理による層間剥離、又は引っ張りによる分離により、サンプルを解体した後、各ステンレス板上に貼り付いているサンプル(両面粘着シート)の分解物を、試験者(評価者)が各ステンレス板上から手(指)で剥離することを試みた。
各ステンレス板上から、サンプル(両面粘着シート)の分解物を剥離できた場合、ステンレス板上に糊残り(粘着剤層の屑残り)があるか否かを、目視で確認した。
本評価2−2の結果は、表1に示した。
なお、本評価2−2の評価基準は、以下の通りである。
<評価基準:解体性>
・サンプルを加熱処理又は加熱処理後の引っ張りにより解体(ステンレス板が分離)できた場合
・・・・・良好「○」
・サンプルを加熱処理及び加熱処理後の引っ張りにより解体(ステンレス板が分離)できなかった場合
・・・・・不良「×」
<評価基準:再剥離性>
・被着体上に糊残りが無い場合 ・・・・・良好「○」
・被着体上に糊残りが有る場合、
又は被着体上からサンプルを剥離できなかった場合 ・・・・・不良「×」
Figure 2015034265
表1に示されるように、実施例1の易解体型両面粘着シートは、優れたせん断接着力を備え、ピアノ線等を利用して容易に解体でき、かつ被着体(ステンレス板)から糊残りなく容易に剥離できることが確かめられた。これに対し、比較例1の両面粘着シートは、せん断接着力、及び解体性は優れるものの、被着体(ステンレス板)上の両面粘着シートの分解物を引き剥がすことができなかった。
また、実施例2及び実施例3の易解体型両面粘着シートは、優れたせん断接着力を備え、加熱処理により容易に解体でき、かつかつ被着体(ステンレス板)から糊残りなく容易に剥離できることが確かめられた。これに対し、比較例2の両面粘着シートは、せん断接着力、及び解体性は優れるものの、被着体(ステンレス板)上に糊残り(熱発泡剤含有粘着剤層の一部が被着体上に残存)した。
10…易解体型両面粘着シート、11a…第1粘着剤層、11b…第2粘着剤層、12a…第1支持層、12b…第2支持層、13…第1外側積層部、14…第2外側積層部、15…粘弾性層、16a,16b…熱発泡剤含有粘着剤層、17…中間層

Claims (11)

  1. 一方の被着体と他方の被着体とを互いに接合させる易解体型両面粘着シートであって、
    第1外側積層部と、第2外側積層部と、前記第1外側積層部と前記第2外側積層部との間に配される中間層とを備え、
    前記第1外側積層部は、前記一方の被着体に貼り付けられる第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有し、
    前記第2外側積層部は、前記他方の被着体に貼り付けられる第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有し、
    前記中間層は、微粒子又は気泡を含む粘弾性層を有する易解体型両面粘着シート。
  2. 前記第1支持層及び前記第2支持層が、それぞれプラスチックフィルムからなる請求項1に記載の易解体型両面粘着シート。
  3. 前記第1支持層及び前記第2支持層が、それぞれポリエステルフィルムからなる請求項1又は2に記載の易解体型両面粘着シート。
  4. 前記第1粘着剤層及び前記第2粘着剤層の各厚みが、それぞれ200μm未満であり、
    前記中間層の厚みが、200μm以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の易解体型両面粘着シート。
  5. 前記第1粘着剤層及び前記第2粘着剤層は、それぞれ、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を2質量%以上7質量%以下含むアクリル系ポリマーを有する請求項1〜4の何れか一項に記載の易解体型両面粘着シート。
  6. 前記粘弾性層は、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を8質量%以上15質量%以下含むアクリル系ポリマーを有する請求項1〜5の何れか一項に記載の易解体型両面粘着シート。
  7. 前記粘弾性層における前記微粒子の含有量は、前記粘弾性層の全質量(100質量%)に対して1質量%以上20質量%以下である請求項1〜6の何れか一項に記載の易解体型両面粘着シート。
  8. 前記中間層は、熱発泡剤を含む熱発泡剤含有粘着剤層を更に有し、
    前記熱発泡剤含有粘着剤層は、前記粘弾性層の両面又は片面に積層され、前記第1支持層と前記粘弾性層との間、及び/又は前記第2支持層と前記粘弾性層との間に介在される請求項1〜7の何れか一項に記載の易解体型両面粘着シート。
  9. 前記熱発泡剤含有粘着剤層は、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を8質量%以上12質量%以下含むアクリル系ポリマーを有する請求項1〜8の何れか一項に記載の易解体型両面粘着シート。
  10. 前記熱発泡剤が、熱膨張性微小球である請求項9に記載の易解体型両面粘着シート。
  11. 一方の被着体と他方の被着体とを互いに接合させる易解体型両面粘着シートの貼付方法であって、
    前記易解体型両面粘着シートは、
    第1粘着面を含む第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層に前記第1粘着面の反対側から積層される第1支持層とを有する第1外側積層部と、
    第2粘着面を含む第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層に前記第2粘着面の反対側から積層される第2支持層とを有する第2外側積層部と、
    微粒子又は気泡を含む粘弾性層を有する中間層と、を備え、
    前記一方の被着体に、前記第1粘着面が貼り付くように、前記第1外側積層部を貼り付ける工程と、
    前記他方の被着体に、前記第2粘着面が貼り付くように、前記第2外側積層部を貼り付ける工程と、
    前記第1外側積層部及び前記第2外側積層部のうち、何れか一方に、積層する形で前記中間層の一方の面を貼り付け、かつ残りの他方に、前記中間層の他方の面を貼り付ける工程と、を備える易解体型両面粘着シートの貼付方法。
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