JP2015033713A - 円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、従来、特許文献1では、フランジ本体の内側に雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を嵌め入れ、フランジ本体の外側より雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を押し付けて、両回転体を回転させながらフランジ本体を挟圧して転造により雌ねじを形成するようにしている。
さらに、従来、特許文献3では、外周部に螺旋溝を設けた工具を、口金フランジの軸線に対して偏心させた状態で口金フランジの内周部に圧接させて回転することにより、口金フランジを軸方向に移動させて雌ねじを形成加工するようにしている。
また、口金フランジの円筒部の外周にねじ状部があるため、容器に取付けたときに漏れが生じやすいという課題もあった。
また、フランジを圧接しながら軸方向に移動させると、口金フランジに雌ねじを精度よく形成できないという課題があった。
前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
前記進退手段は、前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、
前記押圧手段は、前記電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、
前記同期駆動手段は、前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したものである。
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させるとともに、一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより軸方向に進退可能とし、
電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させて、前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心を前記工具駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とし、
前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機に連結した第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたものである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
図1〜図9は、本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法を示す図面であり、図1は平面図、図2(a)は図1の手前側を示す正面図、図2(b)は図2(a)のA部分の拡大断面図、図2(c)はワーク用フォルダ部分の拡大斜視図、図3は図1の背面側を示すB矢視図、図4は図1の右側を示す右側面図、図5は図1のC−C線断面図、図6は工具を示す図面、図7は素材を示す図面、図8は雌ねじの形成された口金フランジを示す一部断面正面図、図9は雌ねじの形成を説明する説明図である。
図1〜図9において、1は円筒部材の素材であり、この実施の形態では円筒部材として鋼製ドラムに設けられる口金フランジを例として説明する。
この素材1の鍔部側内周面13aに、以下に説明する装置及び方法により、雌ねじを形成して口金フランジ(円筒部材)15とするのである。
前記給油管22は、図2に示すように、固定具22aにより本体ベース101に回転不能に固定しており、給油管22の端部に給油ホース(図示せず)を接続して前記素材1に雌ねじを形成するときに給油するのである。
このワーク用フォルダ23は、図2(b)、(c)に示すように、前記素材1の円筒部11に嵌合する円形穴部24aを有するフォルダ本体24と、前記フォルダ本体24に固定するとともに前記素材1の正八角形状の鍔部12に係合して前記素材1の回り止めとして機能するようにした2個の係合部材25とを備えている。
前記ねじ部31には、前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじ31aを切削により形成している。
また、前記工具3は、前記雄ねじ31aの外径を前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじの内径よりも小さく形成しており、前記雄ねじ31aを形成したのち、焼き入れ及び焼き戻しの熱処理を行っている。
次に、前記工具3のねじ部31の具体的な数値の一例を示す。
そして、前記工具3に形成される雄ねじ31aは、前記G2の雌ねじと同じねじ山数(1インチ当たり11)と、前記G2の雌ねじと同じ山の高さ1.479mm(前記谷の径から山の径を差し引いて半分とした値)としている。
このようにして、素材1の加工が終わった時点で、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を、加工の終わった素材1(口金フランジ15)が工具3の雄ねじ31aと接触しない位置に移動させて口金フランジ15を前記ワーク用フォルダ23から取外すようにしている。
前記固定駆動軸41aは一対の軸受42で前記本体ベース101に支持し、前記可動駆動軸41bは可動ベース102に固定した一対の軸受43で支持している。
5は前記ワーク駆動手段2の回転と前記工具駆動手段4の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段であり、この同期駆動手段5は電動機51に連結した第一駆動軸52に、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとをそれぞれ歯車機構53、54で連結することにより構成している。
また、前記第一駆動軸52と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとを連結する歯車機構54は、第一駆動軸52に固定した平歯車54aと前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aに固定した平歯車54bと歯車箱54cとから構成している。
なお、55は前記第一駆動軸52を支持する軸受、56は第一駆動軸52と電動機51の駆動軸とを転結する連結具である。
前記可動ベース102は、前記本体ベース101上に設けた一対の案内レール63上を、図1において左右方向に進退するのである。
また、前記素材1に雌ねじを形成加工するときは、前記工具3のねじ部31が前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23に装着した前記素材1の円筒部11内に位置するように前記進退手段6を駆動するのである。
7は、前記素材1に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心と離れる方向に駆動して前記素材1の内面に前記工具1の雄ねじ31aを押圧する押圧手段である。
また、前記素材1に雌ねじを形成するときに、外径の小さい前記工具3の雄ねじ31aで、内径の大きい前記素材1の鍔部側内周面13aに雌ねじを形成するために、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心と前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心とは偏心して平行に位置するようにしている。
前記押圧手段7による押圧力はこの実施の形態では数百重量kg〜1重量トンとしている。
また、前記押圧ストッパー73の軸周りにはコイルばね73aを配設して前記押圧用油圧シリンダ72のロッド72aによる急激な押圧力を緩衝するようにしている。
8は装置の稼動を制御する制御装置であり、この制御装置8は、図1に示すように、前記電動機51、前記進退手段6の進退用油圧シリンダ62、前記押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72などの運転を制御して、前記素材1に雌ねじを形成するようにしている。
なお、素材1を搬送、整列させて雌ねじ形成装置に装着し、雌ねじが形成加工された素材を取外し、検査工程、完成品置場への搬送などの工程は、公知の自動化工程により行われるので説明を省略し、雌ねじの形成方法に絞って説明する。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において左方向に進ませ、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させる。
次に、押圧手段7及び電動機51を駆動し、給油管22から潤滑油を供給しながら、同期駆動手段5により工具駆動手段4の可動駆動軸41bとワーク駆動手段2の駆動軸21とを200rpmで5秒間同期回転駆動するのである。
雌ねじの形成は、図2(b)に想像線で示すように、押圧手段7により素材1の鍔部側内周面13aの上部が工具3の雄ねじ31aに押付けられながら、素材1と工具3とが同期回転駆動することにより行われるのである。
以下、このことを、図9の説明図により説明する。
また、素材1に形成される雌ねじの有効径が58.14mmで、展開寸法が182.6mmとなる。
素材1と工具3とが同期回転駆動したときの1回転の両者の滑りLは素材1の展開寸法から雄ねじ31aの展開寸法を差引いた45.9mmとなる。
雄ねじ31aのねじ山の角度が小さくされていても、素材1の鍔部側内周面13aが滑って移動速度を大きくするので、形成される雌ねじの山の角度が予め定められた値に形成されるのである。
そうすると、素材1の鍔部側内周面1には、塑性加工により所定の雌ねじが形成されるのであり、次に、押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72のロッド72aを下方に駆動させて加工済みの素材1と工具3の雄ねじ31aとが接触しない位置に移動させるのである。
このような駆動制御は制御手段8により自動的に行われるのである。
以上の実施の形態では、いわゆるドラム缶に使用する口金フランジを形成するようにしたが、本発明は口金フランジに限らず、雌ねじを備えた各種の円筒部材に適用することができる。
以上の実施の形態では、進退手段として進退用油圧シリンダを用いて構成したが、電動機で駆動されるねじ軸にナットを進退させるように構成してもよい。
以上の実施の形態では、同期駆動手段として歯車機構を用いて構成したが、ベルト機構やチェイン機構を用いて構成してもよい。
また、以上の実施の形態では、進退手段で工具駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段でワーク駆動手段の駆動軸を押圧させるようにしたが、逆に、進退手段でワーク駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段で工具駆動手段の駆動軸を押圧させてもよく、いずれか一方の駆動手段の駆動軸を進退及び押圧させるようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、素材の内周面を小径の鍔部側内周面と大径の反鍔部側内周面とで構成したが、単一の内径の内周面としてもよい。
また、以上の実施の形態では、G2の雌ねじの口金フランジを形成するに当たり、工具の雄ねじの外径を45.0mmとして、前記G2の山の径(内径)56.656mmよりも小さくしているが、工具の雄ねじの外径は、形成される雌ねじの内径に対して、小さくしなければ加工後の素材の取外しが難しくなるため必須である。
そこで、素材の材質、工具の材質、形成する雌ねじの規格、生産性、歩留まりなどを勘案して、雌ねじの内径に対する工具の雄ねじの外径を適宜設定するのである。
切削加工により工具を再生する場合、再生のための工具を焼きなましを行って切削加工を行い、焼き入れ及び焼き戻しを行うのである。
11 円筒部
12 鍔部
2 ワーク駆動手段
21 駆動軸
23 ワーク用フォルダ
24 フォルダ本体
25 係合部材
3 工具
31 ねじ部
31a 雄ねじ
4 工具駆動手段
41 駆動軸
41a 固定駆動軸
41b 可動駆動軸
41c スプライン
42、43 軸受
44 工具用フォルダ
5 同期駆動手段
51 電動機
52 第一駆動軸
53、54 歯車機構
6 進退手段
61 可動ベース
62 進退用油圧シリンダ
62a ロッド
7 押圧手段
71 アーム機構
71a 一端側
71b 他端側
72 押圧用油圧シリンダ
72a ロッド
8 制御手段
101 本体ベース
102 可動ベース
すなわち、従来、特許文献1では、フランジ本体の内側に雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を嵌め入れ、フランジ本体の外側より雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を押し付けて、両回転体を回転させながらフランジ本体を挟圧して転造により雌ねじを形成するようにしている。
さらに、従来、特許文献3では、外周部に螺旋溝を設けた工具を、口金フランジの軸線に対して偏心させた状態で口金フランジの内周部に圧接させて回転することにより、口金フランジを軸方向に移動させて雌ねじを形成加工するようにしている。
また、口金フランジの円筒部の外周にねじ状部があるため、容器に取付けたときに漏れが生じやすいという課題もあった。
また、フランジを圧接しながら軸方向に移動させると、口金フランジに雌ねじを精度よく形成できないという課題があった。
前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同一回転数で同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記進退手段は、前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成するように駆動し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するように駆動するとともに駆動軸を軸方向に進退可能とした前記一方の駆動手段の進退を停止状態とし、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
前記進退手段は、前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、
前記押圧手段は、前記電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、
前記同期駆動手段は、前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したものである。
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させ、
前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するとともに前記工具と前記素材との軸方向の位置が不動となるように、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより軸方向に進退可能とし、
電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させて、前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心を前記工具駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とし、
前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機に連結した第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたものである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
図1〜図9は、本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法を示す図面であり、図1は平面図、図2(a)は図1の手前側を示す正面図、図2(b)は図2(a)のA部分の拡大断面図、図2(c)はワーク用フォルダ部分の拡大斜視図、図3は図1の背面側を示すB矢視図、図4は図1の右側を示す右側面図、図5は図1のC−C線断面図、図6は工具を示す図面、図7は素材を示す図面、図8は雌ねじの形成された口金フランジを示す一部断面正面図、図9は雌ねじの形成を説明する説明図である。
図1〜図9において、1は円筒部材の素材であり、この実施の形態では円筒部材として鋼製ドラムに設けられる口金フランジを例として説明する。
この素材1の鍔部側内周面13aに、以下に説明する装置及び方法により、雌ねじを形成して口金フランジ(円筒部材)15とするのである。
前記給油管22は、図2に示すように、固定具22aにより本体ベース101に回転不能に固定しており、給油管22の端部に給油ホース(図示せず)を接続して前記素材1に雌ねじを形成するときに給油するのである。
このワーク用フォルダ23は、図2(b)、(c)に示すように、前記素材1の円筒部11に嵌合する円形穴部24aを有するフォルダ本体24と、前記フォルダ本体24に固定するとともに前記素材1の正八角形状の鍔部12に係合して前記素材1の回り止めとして機能するようにした2個の係合部材25とを備えている。
前記ねじ部31には、前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじ31aを切削により形成している。
また、前記工具3は、前記雄ねじ31aの外径を前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじの内径よりも小さく形成しており、前記雄ねじ31aを形成したのち、焼き入れ及び焼き戻しの熱処理を行っている。
次に、前記工具3のねじ部31の具体的な数値の一例を示す。
そして、前記工具3に形成される雄ねじ31aは、前記G2の雌ねじと同じねじ山数(1インチ当たり11)と、前記G2の雌ねじと同じ山の高さ1.479mm(前記谷の径から山の径を差し引いて半分とした値)としている。
このようにして、素材1の加工が終わった時点で、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を、加工の終わった素材1(口金フランジ15)が工具3の雄ねじ31aと接触しない位置に移動させて口金フランジ15を前記ワーク用フォルダ23から取外すようにしている。
前記固定駆動軸41aは一対の軸受42で前記本体ベース101に支持し、前記可動駆動軸41bは可動ベース102に固定した一対の軸受43で支持している。
5は前記ワーク駆動手段2の回転と前記工具駆動手段4の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段であり、この同期駆動手段5は電動機51に連結した第一駆動軸52に、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとをそれぞれ歯車機構53、54で連結することにより構成している。
また、前記第一駆動軸52と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとを連結する歯車機構54は、第一駆動軸52に固定した平歯車54aと前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aに固定した平歯車54bと歯車箱54cとから構成している。
なお、55は前記第一駆動軸52を支持する軸受、56は第一駆動軸52と電動機51の駆動軸とを転結する連結具である。
前記可動ベース102は、前記本体ベース101上に設けた一対の案内レール63上を、図1において左右方向に進退するのである。
また、前記素材1に雌ねじを形成加工するときは、前記工具3のねじ部31が前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23に装着した前記素材1の円筒部11内に位置するように前記進退手段6を駆動するとともに雌ねじの形成加工中には前記可動駆動41bの軸方向への進退を停止状態とするのである。
7は、前記素材1に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心と離れる方向に駆動して前記素材1の内面に前記工具1の雄ねじ31aを押圧する押圧手段である。
また、前記素材1に雌ねじを形成するときに、外径の小さい前記工具3の雄ねじ31aで、内径の大きい前記素材1の鍔部側内周面13aに雌ねじを形成するために、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心と前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心とは偏心して平行に位置するようにしている。
前記押圧手段7による押圧力はこの実施の形態では数百重量kg〜1重量トンとしている。
また、前記押圧ストッパー73の軸周りにはコイルばね73aを配設して前記押圧用油圧シリンダ72のロッド72aによる急激な押圧力を緩衝するようにしている。
8は装置の稼動を制御する制御装置であり、この制御装置8は、図1に示すように、前記電動機51、前記進退手段6の進退用油圧シリンダ62、前記押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72などの運転を制御して、前記素材1に雌ねじを形成するようにしている。
なお、素材1を搬送、整列させて雌ねじ形成装置に装着し、雌ねじが形成加工された素材を取外し、検査工程、完成品置場への搬送などの工程は、公知の自動化工程により行われるので説明を省略し、雌ねじの形成方法に絞って説明する。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において左方向に進ませ、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させるとともに、その状態で可動ベース61を停止させるのである。
次に、押圧手段7及び電動機51を駆動し、給油管22から潤滑油を供給しながら、同期駆動手段5により工具駆動手段4の可動駆動軸41bとワーク駆動手段2の駆動軸21とを200rpmの同一回転数で5秒間同期回転駆動するのである。
雌ねじの形成は、図2(b)に想像線で示すように、押圧手段7により素材1の鍔部側内周面13aの上部が工具3の雄ねじ31aに押付けられながら、素材1と工具3とが同一回転数で同期回転駆動することにより行われるのである。
以下、このことを、図9の説明図により説明する。
また、素材1に形成される雌ねじの有効径が58.14mmで、展開寸法が182.6mmとなる。
素材1と工具3とが同期回転駆動したときの1回転の両者の滑りLは素材1の展開寸法から雄ねじ31aの展開寸法を差引いた45.9mmとなる。
雄ねじ31aのねじ山の角度が小さくされていても、素材1の鍔部側内周面13aが滑って移動速度を大きくするので、形成される雌ねじの山の角度が予め定められた値に形成されるのである。
そうすると、素材1の鍔部側内周面1には、塑性加工により所定の雌ねじが形成されるのであり、次に、押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72のロッド72aを下方に駆動させて加工済みの素材1と工具3の雄ねじ31aとが接触しない位置に移動させるのである。
このような駆動制御は制御手段8により自動的に行われるのである。
以上の実施の形態では、いわゆるドラム缶に使用する口金フランジを形成するようにしたが、本発明は口金フランジに限らず、雌ねじを備えた各種の円筒部材に適用することができる。
以上の実施の形態では、進退手段として進退用油圧シリンダを用いて構成したが、電動機で駆動されるねじ軸にナットを進退させるように構成してもよい。
以上の実施の形態では、同期駆動手段として歯車機構を用いて構成したが、ベルト機構やチェイン機構を用いて構成してもよい。
また、以上の実施の形態では、進退手段で工具駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段でワーク駆動手段の駆動軸を押圧させるようにしたが、逆に、進退手段でワーク駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段で工具駆動手段の駆動軸を押圧させてもよく、いずれか一方の駆動手段の駆動軸を進退及び押圧させるようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、素材の内周面を小径の鍔部側内周面と大径の反鍔部側内周面とで構成したが、単一の内径の内周面としてもよい。
また、以上の実施の形態では、G2の雌ねじの口金フランジを形成するに当たり、工具の雄ねじの外径を45.0mmとして、前記G2の山の径(内径)56.656mmよりも小さくしているが、工具の雄ねじの外径は、形成される雌ねじの内径に対して、小さくしなければ加工後の素材の取外しが難しくなるため必須である。
そこで、素材の材質、工具の材質、形成する雌ねじの規格、生産性、歩留まりなどを勘案して、雌ねじの内径に対する工具の雄ねじの外径を適宜設定するのである。
切削加工により工具を再生する場合、再生のための工具を焼きなましを行って切削加工を行い、焼き入れ及び焼き戻しを行うのである。
11 円筒部
12 鍔部
2 ワーク駆動手段
21 駆動軸
23 ワーク用フォルダ
24 フォルダ本体
25 係合部材
3 工具
31 ねじ部
31a 雄ねじ
4 工具駆動手段
41 駆動軸
41a 固定駆動軸
41b 可動駆動軸
41c スプライン
42、43 軸受
44 工具用フォルダ
5 同期駆動手段
51 電動機
52 第一駆動軸
53、54 歯車機構
6 進退手段
61 可動ベース
62 進退用油圧シリンダ
62a ロッド
7 押圧手段
71 アーム機構
71a 一端側
71b 他端側
72 押圧用油圧シリンダ
72a ロッド
8 制御手段
101 本体ベース
102 可動ベース
前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同一回転数で同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記進退手段は、前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成するように駆動し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するように駆動し、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させ、
前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するように、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
また、前記素材1に雌ねじを形成加工するときは、前記工具3のねじ部31が前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23に装着した前記素材1の円筒部11内に位置するように前記進退手段6を駆動するのである。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において左方向に進ませ、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させる。
Claims (5)
- 円筒部材の素材を回転駆動する駆動軸を有するワーク駆動手段と、
前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成することを特徴とする円筒部材の雌ねじの形成装置。 - 前記工具駆動手段の駆動軸は、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
前記進退手段は、前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、
前記押圧手段は、前記電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、
前記同期駆動手段は、前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したことを特徴とする請求項1に記載の円筒部材の雌ねじの形成装置。 - 円筒部材の素材を回転駆動するワーク駆動手段と、前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する工具駆動手段とを同期させて回転駆動させ、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させるとともに、一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成することを特徴とする円筒部材の雌ねじの形成方法。 - 前記工具駆動手段の駆動軸を、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを油圧シリンダのロッドにより軸方向に進退可能とし、
電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させて、前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心を前記工具駆動手段の駆動軸と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とし、
前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機に連結した第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の円筒部材の雌ねじの形成方法。 - 前記素材の円筒部の端部に正八角形状の鍔部を形成するとともに、前記素材の円筒部を嵌合する円形穴部を有するフォルダ本体と前記鍔部に係合する係合部材とを備えたワーク用フォルダを前記ワーク駆動手段に形成して、前記ワーク用フォルダにより前記素材を前記ワーク駆動手段に固定したことを特徴とする請求項1若しくは2に記載の円筒部材の雌ねじの形成装置又は請求項3若しくは4に記載の円筒部材の雌ねじの形成方法。
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JPH10193022A (ja) * | 1997-01-08 | 1998-07-28 | Tokyo Tekko Co Ltd | 雌ねじの成形方法 |
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