JP2015033713A - 円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法 - Google Patents

円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容器に設けられる円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法に係り、円筒部材の雌ねじの形成を精度よく簡単に行うようにする。【解決手段】素材1の内周面に、形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに雄ねじの外径が素材1の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成された工具3を押圧した状態で、ワーク駆動手段2と工具駆動手段4とを同期回転駆動することにより、素材1の内周面に雌ねじを塑性加工により形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、容器、例えば鋼製ドラム(いわゆる、ドラム缶)に設けられる円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法に係り、特に、円筒部材の素材の内周面に、雄ねじを形成した工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにして、円筒部材の雌ねじの形成を精度よく簡単に行うようにした技術である。
従来、円筒部材としての口金フランジの雌ねじの加工については、切削加工では生産性が悪く、加工費用が高いため、各種の転造による加工が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
すなわち、従来、特許文献1では、フランジ本体の内側に雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を嵌め入れ、フランジ本体の外側より雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を押し付けて、両回転体を回転させながらフランジ本体を挟圧して転造により雌ねじを形成するようにしている。
また、従来、特許文献2では、フランジ素材を外径ねじロールダイスの第一ねじ成形型と内径ねじロールの第二ねじ成形型とによって、前記外径ねじロールダイス及び前記内径ねじロールとを同期回転しつつ内外から押圧してねじ形状を形成するようにしている。
さらに、従来、特許文献3では、外周部に螺旋溝を設けた工具を、口金フランジの軸線に対して偏心させた状態で口金フランジの内周部に圧接させて回転することにより、口金フランジを軸方向に移動させて雌ねじを形成加工するようにしている。
特開平7-314070号公報 特開平5-161935号公報 特開平7-68416号公報
特許文献1及び2に記載された従来の口金フランの雌ねじは、口金フランジの円筒部の内外にねじ状部を形成するものであり、口金フランジの円筒部の外周をねじ状部のない平滑面にできず、容器への圧入取付けに強度面から課題があった。
また、口金フランジの円筒部の外周にねじ状部があるため、容器に取付けたときに漏れが生じやすいという課題もあった。
特許文献3に記載された口金フランジの雌ねじの形成は、外周部に螺旋溝を設けた工具を口金フランジの内周部に圧接させて回転することにより、工具の螺旋溝で口金フランジを軸方向に移動させながら同時にねじ加工を行うようにしており、そのような装置の製作が難しいという課題があった。
また、フランジを圧接しながら軸方向に移動させると、口金フランジに雌ねじを精度よく形成できないという課題があった。
本発明は、このような従来の構成が有していた課題を解決しようとするものであり、円筒部材の内周面に、雄ねじを形成した工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにして、円筒部材の雌ねじの形成を精度よく簡単に行うようにすることを目的としている。
請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、円筒部材の素材を回転駆動する駆動軸を有するワーク駆動手段と、
前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
請求項2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置の構成に加え、前記工具駆動手段の駆動軸は、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
前記進退手段は、前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、
前記押圧手段は、前記電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、
前記同期駆動手段は、前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したものである。
請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法は、円筒部材の素材を回転駆動するワーク駆動手段と、前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する工具駆動手段とを同期させて回転駆動させ、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させるとともに、一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
請求項4に係る本発明の口金フランの雌ねじの形成方法は、請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の構成に加え、前記工具駆動手段の駆動軸を、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより軸方向に進退可能とし、
電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させて、前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心を前記工具駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とし、
前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機に連結した第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたものである。
請求項5に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は形成方法は、請求項1若しくは2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は請求項3若しくは4に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の構成に加え、前記素材の円筒部の端部に正八角形状の鍔部を形成するとともに、前記素材の円筒部を嵌合する円形穴部を有するフォルダ本体と前記鍔部に係合する係合部材とを備えたワーク用フォルダを前記ワーク駆動手段に形成して、前記ワーク用フォルダにより前記素材を前記ワーク駆動手段に固定したものである。
請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、素材の内周面に、素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに雄ねじの外径が素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成された工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたから、精度のよい雌ねじを円筒部材に短時間で簡単に形成でき、雌ねじの仕上げ加工も不要であり、円筒部材の雌ねじを精度よく安価に形成できる装置とすることができるのである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
請求項2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置の効果に加え、進退手段は、工具駆動手段の駆動軸をスプライン係合により分割して形成された可動駆動軸が軸受で固定された可動ベースを、進退用油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、押圧手段は、電動機に連結した第一駆動軸に直交し第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側にワーク駆動手段を設け、アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、同期駆動手段は、ワーク駆動手段の駆動軸と工具駆動手段の固定駆動軸とを、電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したから、簡単な装置により、ワーク駆動手段に対する素材の加工のための装着と、加工後の取外しを確実に行うとともに、加工中の同期駆動と押圧を確実に行う装置を構成することができるのである。
請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法は、素材の内周面に、素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに雄ねじの外径が素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成された工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたから、精度のよい雌ねじを円筒部材に短時間で簡単に形成でき、雌ねじの仕上げ加工も不要であり、円筒部材の雌ねじを精度よく安価に形成できるのである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
請求項4に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法は、請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の効果に加え、工具駆動手段の駆動軸をスプライン係合により分割して形成された可動駆動軸が軸受で固定された可動ベースを、進退用油圧シリンダのロッドにより進退可能とし、電動機に連結した第一駆動軸に直交し第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側にワーク駆動手段を設けるとともにアーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させてワーク駆動手段の駆動軸の軸心を工具駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して素材の内面に工具を押圧可能とし、ワーク駆動手段の駆動軸と工具駆動手段の固定駆動軸とを電動機の第一駆動軸にそれぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたから、簡単な構成により、ワーク駆動手段に対する素材の加工のための装着と、加工後の取外しを確実に行うとともに、加工中の同期駆動と押圧を確実に行うことができるのである。
請求項5に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は形成方法は、請求項1若しくは2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は請求項3若しくは4に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の効果に加え、前記素材の円筒部の端部に正八角形状の鍔部を形成するとともに、前記素材の円筒部を嵌合する円形穴部を有するフォルダ本体と前記鍔部に係合する係合部材とを備えたワーク用フォルダを前記ワーク駆動手段に形成して、前記ワーク用フォルダにより前記素材を前記ワーク駆動手段に固定したから、簡単な構成で素材をワーク駆動手段に容易にかつ確実に固定することができるのである。
本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置の平面図である。 (a)は図1の手前側を示す正面図、(b)は(a)のA部分の拡大断面 図、(c)はワーク用フォルダ部分の拡大斜視図である。 図1の背面側を示すB矢視図である。 図1の右側を示す右側面図である。 図1のC−C線断面図である。 本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置に用いる工具を示 す図面で、(a)は正面図、(b)は左側面図である。 本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置に用いる素材を示 す図面で、(a)は一部断面正面図、(b)は左側面図である。 本発明の実施の形態により形成された口金フランジを示す一部断面正面図 である。 本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法によ る雌ねじの形成を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を添付した図面により詳細に説明する。
図1〜図9は、本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法を示す図面であり、図1は平面図、図2(a)は図1の手前側を示す正面図、図2(b)は図2(a)のA部分の拡大断面図、図2(c)はワーク用フォルダ部分の拡大斜視図、図3は図1の背面側を示すB矢視図、図4は図1の右側を示す右側面図、図5は図1のC−C線断面図、図6は工具を示す図面、図7は素材を示す図面、図8は雌ねじの形成された口金フランジを示す一部断面正面図、図9は雌ねじの形成を説明する説明図である。
本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法について図1〜図9に基づき説明する。
図1〜図9において、1は円筒部材の素材であり、この実施の形態では円筒部材として鋼製ドラムに設けられる口金フランジを例として説明する。
前記素材1は、鋼製で、図7に示すように、平滑な内周面の円筒部11と、円筒部11の端部に正八角形状の鍔部12とを形成しており、円筒部11の内周面を2段階の内径で、鍔部側内周面13aを小径とし、反鍔部側内周面13bを大径としている。
この素材1の鍔部側内周面13aに、以下に説明する装置及び方法により、雌ねじを形成して口金フランジ(円筒部材)15とするのである。
2は前記素材1を回転駆動する駆動軸21を有するワーク駆動手段であり、前記駆動軸21は、図5に示すように、内部が中空の円筒状であり、中空内部に前記素材1の加工時に潤滑油を給油する給油管22を設けている。
前記給油管22は、図2に示すように、固定具22aにより本体ベース101に回転不能に固定しており、給油管22の端部に給油ホース(図示せず)を接続して前記素材1に雌ねじを形成するときに給油するのである。
前記駆動軸21の端部には前記素材1を固定するワーク用フォルダ23を設けて、前記ワーク用フォルダ23により前記素材1を前記駆動軸21に脱着可能としている。
このワーク用フォルダ23は、図2(b)、(c)に示すように、前記素材1の円筒部11に嵌合する円形穴部24aを有するフォルダ本体24と、前記フォルダ本体24に固定するとともに前記素材1の正八角形状の鍔部12に係合して前記素材1の回り止めとして機能するようにした2個の係合部材25とを備えている。
3は、図6に示すように、前記素材1に雌ねじを形成する工具であり、材質を工具鋼としており、ねじ部31とねじ部31よりも小径の連結軸部32と装着部33とを一体に備えている。
前記ねじ部31には、前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじ31aを切削により形成している。
なお、雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじ31aにおける「同一」とは、許容公差内であればよいことはもちろんである。
また、前記工具3は、前記雄ねじ31aの外径を前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじの内径よりも小さく形成しており、前記雄ねじ31aを形成したのち、焼き入れ及び焼き戻しの熱処理を行っている。
前記工具3の装着部33には、軸方向中間部に小径段部からなる溝状部33aと、端部に案内小径部33bと、軸方向の4個の六角穴付ボルト用挿通穴33cと、軸方向の2個の位置決め用ねじ穴33dとを形成している。
次に、前記工具3のねじ部31の具体的な数値の一例を示す。
まず、前記素材1に形成される雌ねじがG2であり、G2の雌ねじは1インチ(25.4mm)当たりのねじ山数が11(ピッチが2.3091mmとなる)、雌ねじの谷の径が59.614mmで、山の径(内径)が56.656mmである。
そして、前記工具3に形成される雄ねじ31aは、前記G2の雌ねじと同じねじ山数(1インチ当たり11)と、前記G2の雌ねじと同じ山の高さ1.479mm(前記谷の径から山の径を差し引いて半分とした値)としている。
また、前記雄ねじ31aの外径を45.0mmとして、前記G2の山の径(内径)56.656mmよりも小さくしている。
このようにして、素材1の加工が終わった時点で、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を、加工の終わった素材1(口金フランジ15)が工具3の雄ねじ31aと接触しない位置に移動させて口金フランジ15を前記ワーク用フォルダ23から取外すようにしている。
4は前記工具3を回転駆動する駆動軸41を有する工具駆動手段であり、前記駆動軸41は軸方向に対して不動の固定駆動軸41aと軸方向に対して可動の可動駆動軸41bとにスプライン係合41cにより分割している。
前記固定駆動軸41aは一対の軸受42で前記本体ベース101に支持し、前記可動駆動軸41bは可動ベース102に固定した一対の軸受43で支持している。
そして、前記可動駆動軸41bの端部には、図2(b)に示すように、工具用フォルダ44を設けて、六角穴付きボルト44a、抜け止めボルト44b、位置決めボルト(図示せず)などにより、前記工具3の装着部33を工具用フォルダ44に固定している。
5は前記ワーク駆動手段2の回転と前記工具駆動手段4の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段であり、この同期駆動手段5は電動機51に連結した第一駆動軸52に、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとをそれぞれ歯車機構53、54で連結することにより構成している。
前記第一駆動軸52と前記ワーク駆動手段2の駆動軸21とを連結する前記歯車機構53は、第一駆動軸52に固定した平歯車53aと駆動軸21に固定した平歯車53bと歯車箱53cとから構成している。
また、前記第一駆動軸52と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとを連結する歯車機構54は、第一駆動軸52に固定した平歯車54aと前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aに固定した平歯車54bと歯車箱54cとから構成している。
前記電動機51はギヤードモーターであり200rpmとしており、前記各平歯車53a、53b、54a、54bはいずれも同じ歯数であり、前記各駆動軸52、21、41a、41bはいずれも200rpmの等しい回転数である。
なお、55は前記第一駆動軸52を支持する軸受、56は第一駆動軸52と電動機51の駆動軸とを転結する連結具である。
6は前記工具駆動手段4の可動駆動軸41bを、前記ワーク用フォルダ23に対して、軸方向に進退可能に駆動する進退手段であり、この進退手段6は、前記可動ベース102を進退用油圧シリンダ62のロッド62aにより進退させるようにしている。
前記可動ベース102は、前記本体ベース101上に設けた一対の案内レール63上を、図1において左右方向に進退するのである。
そして、前記可動駆動軸41bに固定した前記工具3と前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23とが離れる方向に前記進退手段6を駆動して、工具3とワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを確保し、前記素材1をワーク用フォルダ23に脱着するようにしている。
また、前記素材1に雌ねじを形成加工するときは、前記工具3のねじ部31が前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23に装着した前記素材1の円筒部11内に位置するように前記進退手段6を駆動するのである。
なお、前記進退手段6により前記工具3を、前記ワークフォルダ23側へ駆動するときに、工具3の軸方向への移動を制限する軸方向ストッパー64を前記ベース101に設けている
7は、前記素材1に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心と離れる方向に駆動して前記素材1の内面に前記工具1の雄ねじ31aを押圧する押圧手段である。
この押圧手段7は、前記電動機51に連結した第一駆動軸52に直交し前記第一駆動軸52の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構71の一端側71aに前記ワーク駆動手段2を設け、前記アーム機構71の他端側71bに押圧用油圧シリンダ72のロッド72aによる押圧部72bを当接することにより形成している。
また、前記素材1に雌ねじを形成するときに、外径の小さい前記工具3の雄ねじ31aで、内径の大きい前記素材1の鍔部側内周面13aに雌ねじを形成するために、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心と前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心とは偏心して平行に位置するようにしている。
そして、前記素材1に雌ねじの形成が進むにつれて、前記両駆動軸21、41の軸心が離れる方向、すなわち偏心量が大きくなる方向に前記押圧手段7を作動させるのである。
前記押圧手段7による押圧力はこの実施の形態では数百重量kg〜1重量トンとしている。
なお、前記アーム機構71における前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の下方には、図5に示すように、前記本体ベース101に固定した押圧ストッパー73を設けて、前記押圧手段7による前記駆動軸21の下方への回動による変位を制限している。
また、前記押圧ストッパー73の軸周りにはコイルばね73aを配設して前記押圧用油圧シリンダ72のロッド72aによる急激な押圧力を緩衝するようにしている。
前記アーム機構71における前記押圧用油圧シリンダ72のロッド72aの近傍内方には、前記本体ベース101に固定した回動ストッパー74を設けて、前記アーム機構71の前記他端側71bの下方への回動による変位を制限している。
8は装置の稼動を制御する制御装置であり、この制御装置8は、図1に示すように、前記電動機51、前記進退手段6の進退用油圧シリンダ62、前記押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72などの運転を制御して、前記素材1に雌ねじを形成するようにしている。
円筒部材の雌ねじの形成装置は以上のように構成されており、以下、この装置により、素材1に雌ねじを形成する方法について、説明する。
なお、素材1を搬送、整列させて雌ねじ形成装置に装着し、雌ねじが形成加工された素材を取外し、検査工程、完成品置場への搬送などの工程は、公知の自動化工程により行われるので説明を省略し、雌ねじの形成方法に絞って説明する。
まず、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において右方向に退かせ、工具3のねじ部31とワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを形成して、素材1をワーク用フォルダ23に装着する。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において左方向に進ませ、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させる。
この進退手段6により、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させるときは、押圧手段7による押圧力が作用しない状態としており、工具3のねじ部31と素材1の鍔部側内周面13aとは接触していない。
次に、押圧手段7及び電動機51を駆動し、給油管22から潤滑油を供給しながら、同期駆動手段5により工具駆動手段4の可動駆動軸41bとワーク駆動手段2の駆動軸21とを200rpmで5秒間同期回転駆動するのである。
この同期回転駆動により、素材1の鍔部側内周面13aに、工具3の雄ねじ31aで雌ねじを形成するのである。
雌ねじの形成は、図2(b)に想像線で示すように、押圧手段7により素材1の鍔部側内周面13aの上部が工具3の雄ねじ31aに押付けられながら、素材1と工具3とが同期回転駆動することにより行われるのである。
素材1と工具3との同期回転駆動において、素材1の鍔部側内周面13aの展開寸法が工具3の雄ねじ31の外径の展開寸法よりも大きいので、接触面では滑りながら塑性加工により素材1の鍔部側内周面13aに雌ねじが形成されるのである。
以下、このことを、図9の説明図により説明する。
図9において、横軸にねじの有効径×πの値(ねじの展開寸法)を取り、縦軸にねじのピッチ(リード)の値を取ると、この実施の形態では雄ねじ31aの有効径が43.52mmで、展開寸法が136.7mmとなる。
また、素材1に形成される雌ねじの有効径が58.14mmで、展開寸法が182.6mmとなる。
そして、ピッチ(リード)は2.31mmであるから、雄ねじ31aのつる巻線T1が実線で示され、リード角がΘ1となり、雌ねじのつる巻線T2が点線で示され、リード角がΘ2となる。
素材1と工具3とが同期回転駆動したときの1回転の両者の滑りLは素材1の展開寸法から雄ねじ31aの展開寸法を差引いた45.9mmとなる。
また、工具3の雄ねじ31aのねじ山の角度は素材1に形成される雌ねじのねじ山の角度よりも小さく形成されている。
雄ねじ31aのねじ山の角度が小さくされていても、素材1の鍔部側内周面13aが滑って移動速度を大きくするので、形成される雌ねじの山の角度が予め定められた値に形成されるのである。
そして、押圧手段7を駆動させながら、同期駆動手段5により工具駆動手段4の可動駆動軸41bとワーク駆動手段2の駆動軸21とを200rpmで5秒間同期回転駆動した後、電動機51を停止させるのである。
そうすると、素材1の鍔部側内周面1には、塑性加工により所定の雌ねじが形成されるのであり、次に、押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72のロッド72aを下方に駆動させて加工済みの素材1と工具3の雄ねじ31aとが接触しない位置に移動させるのである。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において右方向に退かせ、工具3のねじ部31とワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを形成して、加工済みの素材1をワーク用フォルダ23から取外して、素材1の雌ねじの形成の1サイクルが完了するのである。
このような駆動制御は制御手段8により自動的に行われるのである。
なお、図1〜図3及び図5において、75は前記押圧手段7のアーム機構71に前記第一駆動軸52及び前記ワーク駆動手段2をそれぞれ固定する固定具、101aは前記本体ベース101の高さを調節する高さ調節脚である。
以上の本発明の実施の形態について、以下に変形例を例示する。
以上の実施の形態では、いわゆるドラム缶に使用する口金フランジを形成するようにしたが、本発明は口金フランジに限らず、雌ねじを備えた各種の円筒部材に適用することができる。
また、以上の実施の形態では、ねじの種類として管用平行ねじについて説明したが、本発明は各種のねじに適用することができることはもちろんである。
以上の実施の形態では、進退手段として進退用油圧シリンダを用いて構成したが、電動機で駆動されるねじ軸にナットを進退させるように構成してもよい。
また、以上の実施の形態では、押圧手段としてアーム機構及び押圧用油圧シリンダを用いたが、電動機とカム機構により構成してもよい。
以上の実施の形態では、同期駆動手段として歯車機構を用いて構成したが、ベルト機構やチェイン機構を用いて構成してもよい。
さらに、同期駆動手段として、ワーク駆動手段の駆動軸と工具駆動手段の駆動軸とをそれぞれ同期電動機により同期回転駆動を行うようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、進退手段で工具駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段でワーク駆動手段の駆動軸を押圧させるようにしたが、逆に、進退手段でワーク駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段で工具駆動手段の駆動軸を押圧させてもよく、いずれか一方の駆動手段の駆動軸を進退及び押圧させるようにしてもよい。
以上の実施の形態では、進退手段は工具の駆動手段の駆動軸を分割して構成したが、分割せずに一体で駆動軸を進退させ、電動機に連結した第一駆動軸を分割して第一可動駆動軸と第一固定駆動軸としてもよい。
また、以上の実施の形態では、素材の内周面を小径の鍔部側内周面と大径の反鍔部側内周面とで構成したが、単一の内径の内周面としてもよい。
以上の実施の形態では、正八角形状の鍔部、鍔部に係合する係合部材により素材をワーク駆動手段に固定するようにしたが、素材の円筒部で固定したり、鍔部に替えて端部に回り止めを形成したりするようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、G2の雌ねじの口金フランジを形成するに当たり、工具の雄ねじの外径を45.0mmとして、前記G2の山の径(内径)56.656mmよりも小さくしているが、工具の雄ねじの外径は、形成される雌ねじの内径に対して、小さくしなければ加工後の素材の取外しが難しくなるため必須である。
そして、雌ねじの内径に対する工具の雄ねじの外径は、差が小さい場合、工具による雌ねじの形成時に雄ねじと素材の内面との接触が大きいのに対し、差が大きい場合、工具が小径となって強度が小さくなる。
そこで、素材の材質、工具の材質、形成する雌ねじの規格、生産性、歩留まりなどを勘案して、雌ねじの内径に対する工具の雄ねじの外径を適宜設定するのである。
また、工具を長時間稼働して工具が摩耗してきて完成品検査で不合格が生じてきた場合、新たな工具に取り換えることに替えて、工具の雄ねじをねじ研磨や切削加工により、若干小径の雄ねじに形成して、工具を再生するのである。
切削加工により工具を再生する場合、再生のための工具を焼きなましを行って切削加工を行い、焼き入れ及び焼き戻しを行うのである。
このように、工具の再生を数回行うことにより、消耗品としての工具の費用を低減することが可能となるのである。
1 素材
11 円筒部
12 鍔部
2 ワーク駆動手段
21 駆動軸
23 ワーク用フォルダ
24 フォルダ本体
25 係合部材
3 工具
31 ねじ部
31a 雄ねじ
4 工具駆動手段
41 駆動軸
41a 固定駆動軸
41b 可動駆動軸
41c スプライン
42、43 軸受
44 工具用フォルダ
5 同期駆動手段
51 電動機
52 第一駆動軸
53、54 歯車機構
6 進退手段
61 可動ベース
62 進退用油圧シリンダ
62a ロッド
7 押圧手段
71 アーム機構
71a 一端側
71b 他端側
72 押圧用油圧シリンダ
72a ロッド
8 制御手段
101 本体ベース
102 可動ベース
本発明は、容器、例えば鋼製ドラム(いわゆる、ドラム缶)に設けられる円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法に係り、特に、円筒部材の素材の内周面に、雄ねじを形成した工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにして、円筒部材の雌ねじの形成を精度よく簡単に行うようにした技術である。
従来、円筒部材としての口金フランジの雌ねじの加工については、切削加工では生産性が悪く、加工費用が高いため、各種の転造による加工が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
すなわち、従来、特許文献1では、フランジ本体の内側に雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を嵌め入れ、フランジ本体の外側より雄ねじ形回転芯部を有するねじ成形用回転体を押し付けて、両回転体を回転させながらフランジ本体を挟圧して転造により雌ねじを形成するようにしている。
また、従来、特許文献2では、フランジ素材を外径ねじロールダイスの第一ねじ成形型と内径ねじロールの第二ねじ成形型とによって、前記外径ねじロールダイス及び前記内径ねじロールとを同期回転しつつ内外から押圧してねじ形状を形成するようにしている。
さらに、従来、特許文献3では、外周部に螺旋溝を設けた工具を、口金フランジの軸線に対して偏心させた状態で口金フランジの内周部に圧接させて回転することにより、口金フランジを軸方向に移動させて雌ねじを形成加工するようにしている。
特開平7-314070号公報 特開平5-161935号公報 特開平7-68416号公報
特許文献1及び2に記載された従来の口金フランの雌ねじは、口金フランジの円筒部の内外にねじ状部を形成するものであり、口金フランジの円筒部の外周をねじ状部のない平滑面にできず、容器への圧入取付けに強度面から課題があった。
また、口金フランジの円筒部の外周にねじ状部があるため、容器に取付けたときに漏れが生じやすいという課題もあった。
特許文献3に記載された口金フランジの雌ねじの形成は、外周部に螺旋溝を設けた工具を口金フランジの内周部に圧接させて回転することにより、工具の螺旋溝で口金フランジを軸方向に移動させながら同時にねじ加工を行うようにしており、そのような装置の製作が難しいという課題があった。
また、フランジを圧接しながら軸方向に移動させると、口金フランジに雌ねじを精度よく形成できないという課題があった。
本発明は、このような従来の構成が有していた課題を解決しようとするものであり、円筒部材の内周面に、雄ねじを形成した工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにして、円筒部材の雌ねじの形成を精度よく簡単に行うようにすることを目的としている。
請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、円筒部材の素材を回転駆動する駆動軸を有するワーク駆動手段と、
前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同一回転数で同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記進退手段は、前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成するように駆動し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するように駆動するとともに駆動軸を軸方向に進退可能とした前記一方の駆動手段の進退を停止状態とし、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
請求項2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置の構成に加え、前記工具駆動手段の駆動軸は、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
前記進退手段は、前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、
前記押圧手段は、前記電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、
前記同期駆動手段は、前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したものである。
請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法は、円筒部材の素材を回転駆動するワーク駆動手段と、前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する工具駆動手段とを同一回転数で同期させて回転駆動させ、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させ
前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するとともに前記工具と前記素材との軸方向の位置が不動となるように、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
請求項4に係る本発明の口金フランの雌ねじの形成方法は、請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の構成に加え、前記工具駆動手段の駆動軸を、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを進退用油圧シリンダのロッドにより軸方向に進退可能とし、
電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させて、前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心を前記工具駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とし、
前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機に連結した第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたものである。
請求項5に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は形成方法は、請求項1若しくは2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は請求項3若しくは4に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の構成に加え、前記素材の円筒部の端部に正八角形状の鍔部を形成するとともに、前記素材の円筒部を嵌合する円形穴部を有するフォルダ本体と前記鍔部に係合する係合部材とを備えたワーク用フォルダを前記ワーク駆動手段に形成して、前記ワーク用フォルダにより前記素材を前記ワーク駆動手段に固定したものである。
請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、素材の内周面に、素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに雄ねじの外径が素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成された工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたから、精度のよい雌ねじを円筒部材に短時間で簡単に形成でき、雌ねじの仕上げ加工も不要であり、円筒部材の雌ねじを精度よく安価に形成できる装置とすることができるのである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
請求項2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置の効果に加え、進退手段は、工具駆動手段の駆動軸をスプライン係合により分割して形成された可動駆動軸が軸受で固定された可動ベースを、進退用油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、押圧手段は、電動機に連結した第一駆動軸に直交し第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側にワーク駆動手段を設け、アーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、同期駆動手段は、ワーク駆動手段の駆動軸と工具駆動手段の固定駆動軸とを、電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したから、簡単な装置により、ワーク駆動手段に対する素材の加工のための装着と、加工後の取外しを確実に行うとともに、加工中の同期駆動と押圧を確実に行う装置を構成することができるのである。
請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法は、素材の内周面に、素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに雄ねじの外径が素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成された工具を押圧した状態でワーク駆動手段と工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたから、精度のよい雌ねじを円筒部材に短時間で簡単に形成でき、雌ねじの仕上げ加工も不要であり、円筒部材の雌ねじを精度よく安価に形成できるのである。
また、円筒部材の内周面における塑性加工であるから、切削かすが生じることがなく、材料の節約ができ、円筒部材の外周面にねじを形成していないから容器への圧入により漏れのない取付けができるのである。
請求項4に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法は、請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の効果に加え、工具駆動手段の駆動軸をスプライン係合により分割して形成された可動駆動軸が軸受で固定された可動ベースを、進退用油圧シリンダのロッドにより進退可能とし、電動機に連結した第一駆動軸に直交し第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側にワーク駆動手段を設けるとともにアーム機構の他端側に押圧用油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させてワーク駆動手段の駆動軸の軸心を工具駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して素材の内面に工具を押圧可能とし、ワーク駆動手段の駆動軸と工具駆動手段の固定駆動軸とを電動機の第一駆動軸にそれぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたから、簡単な構成により、ワーク駆動手段に対する素材の加工のための装着と、加工後の取外しを確実に行うとともに、加工中の同期駆動と押圧を確実に行うことができるのである。
請求項5に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は形成方法は、請求項1若しくは2に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置又は請求項3若しくは4に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法の効果に加え、前記素材の円筒部の端部に正八角形状の鍔部を形成するとともに、前記素材の円筒部を嵌合する円形穴部を有するフォルダ本体と前記鍔部に係合する係合部材とを備えたワーク用フォルダを前記ワーク駆動手段に形成して、前記ワーク用フォルダにより前記素材を前記ワーク駆動手段に固定したから、簡単な構成で素材をワーク駆動手段に容易にかつ確実に固定することができるのである。
本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置の平面図である。 (a)は図1の手前側を示す正面図、(b)は(a)のA部分の拡大断面 図、(c)はワーク用フォルダ部分の拡大斜視図である。 図1の背面側を示すB矢視図である。 図1の右側を示す右側面図である。 図1のC−C線断面図である。 本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置に用いる工具を示 す図面で、(a)は正面図、(b)は左側面図である。 本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置に用いる素材を示 す図面で、(a)は一部断面正面図、(b)は左側面図である。 本発明の実施の形態により形成された口金フランジを示す一部断面正面図 である。 本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法によ る雌ねじの形成を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を添付した図面により詳細に説明する。
図1〜図9は、本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法を示す図面であり、図1は平面図、図2(a)は図1の手前側を示す正面図、図2(b)は図2(a)のA部分の拡大断面図、図2(c)はワーク用フォルダ部分の拡大斜視図、図3は図1の背面側を示すB矢視図、図4は図1の右側を示す右側面図、図5は図1のC−C線断面図、図6は工具を示す図面、図7は素材を示す図面、図8は雌ねじの形成された口金フランジを示す一部断面正面図、図9は雌ねじの形成を説明する説明図である。
本発明の実施の形態に係る円筒部材の雌ねじの形成装置及び形成方法について図1〜図9に基づき説明する。
図1〜図9において、1は円筒部材の素材であり、この実施の形態では円筒部材として鋼製ドラムに設けられる口金フランジを例として説明する。
前記素材1は、鋼製で、図7に示すように、平滑な内周面の円筒部11と、円筒部11の端部に正八角形状の鍔部12とを形成しており、円筒部11の内周面を2段階の内径で、鍔部側内周面13aを小径とし、反鍔部側内周面13bを大径としている。
この素材1の鍔部側内周面13aに、以下に説明する装置及び方法により、雌ねじを形成して口金フランジ(円筒部材)15とするのである。
2は前記素材1を回転駆動する駆動軸21を有するワーク駆動手段であり、前記駆動軸21は、図5に示すように、内部が中空の円筒状であり、中空内部に前記素材1の加工時に潤滑油を給油する給油管22を設けている。
前記給油管22は、図2に示すように、固定具22aにより本体ベース101に回転不能に固定しており、給油管22の端部に給油ホース(図示せず)を接続して前記素材1に雌ねじを形成するときに給油するのである。
前記駆動軸21の端部には前記素材1を固定するワーク用フォルダ23を設けて、前記ワーク用フォルダ23により前記素材1を前記駆動軸21に脱着可能としている。
このワーク用フォルダ23は、図2(b)、(c)に示すように、前記素材1の円筒部11に嵌合する円形穴部24aを有するフォルダ本体24と、前記フォルダ本体24に固定するとともに前記素材1の正八角形状の鍔部12に係合して前記素材1の回り止めとして機能するようにした2個の係合部材25とを備えている。
3は、図6に示すように、前記素材1に雌ねじを形成する工具であり、材質を工具鋼としており、ねじ部31とねじ部31よりも小径の連結軸部32と装着部33とを一体に備えている。
前記ねじ部31には、前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじ31aを切削により形成している。
なお、雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじ31aにおける「同一」とは、許容公差内であればよいことはもちろんである。
また、前記工具3は、前記雄ねじ31aの外径を前記素材1の鍔部側内周面13aに形成される雌ねじの内径よりも小さく形成しており、前記雄ねじ31aを形成したのち、焼き入れ及び焼き戻しの熱処理を行っている。
前記工具3の装着部33には、軸方向中間部に小径段部からなる溝状部33aと、端部に案内小径部33bと、軸方向の4個の六角穴付ボルト用挿通穴33cと、軸方向の2個の位置決め用ねじ穴33dとを形成している。
次に、前記工具3のねじ部31の具体的な数値の一例を示す。
まず、前記素材1に形成される雌ねじがG2であり、G2の雌ねじは1インチ(25.4mm)当たりのねじ山数が11(ピッチが2.3091mmとなる)、雌ねじの谷の径が59.614mmで、山の径(内径)が56.656mmである。
そして、前記工具3に形成される雄ねじ31aは、前記G2の雌ねじと同じねじ山数(1インチ当たり11)と、前記G2の雌ねじと同じ山の高さ1.479mm(前記谷の径から山の径を差し引いて半分とした値)としている。
また、前記雄ねじ31aの外径を45.0mmとして、前記G2の山の径(内径)56.656mmよりも小さくしている。
このようにして、素材1の加工が終わった時点で、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を、加工の終わった素材1(口金フランジ15)が工具3の雄ねじ31aと接触しない位置に移動させて口金フランジ15を前記ワーク用フォルダ23から取外すようにしている。
4は前記工具3を回転駆動する駆動軸41を有する工具駆動手段であり、前記駆動軸41は軸方向に対して不動の固定駆動軸41aと軸方向に対して可動の可動駆動軸41bとにスプライン係合41cにより分割している。
前記固定駆動軸41aは一対の軸受42で前記本体ベース101に支持し、前記可動駆動軸41bは可動ベース102に固定した一対の軸受43で支持している。
そして、前記可動駆動軸41bの端部には、図2(b)に示すように、工具用フォルダ44を設けて、六角穴付きボルト44a、抜け止めボルト44b、位置決めボルト(図示せず)などにより、前記工具3の装着部33を工具用フォルダ44に固定している。
5は前記ワーク駆動手段2の回転と前記工具駆動手段4の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段であり、この同期駆動手段5は電動機51に連結した第一駆動軸52に、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとをそれぞれ歯車機構53、54で連結することにより構成している。
前記第一駆動軸52と前記ワーク駆動手段2の駆動軸21とを連結する前記歯車機構53は、第一駆動軸52に固定した平歯車53aと駆動軸21に固定した平歯車53bと歯車箱53cとから構成している。
また、前記第一駆動軸52と前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aとを連結する歯車機構54は、第一駆動軸52に固定した平歯車54aと前記工具駆動手段4の固定駆動軸41aに固定した平歯車54bと歯車箱54cとから構成している。
前記電動機51はギヤードモーターであり200rpmとしており、前記各平歯車53a、53b、54a、54bはいずれも同じ歯数であり、前記各駆動軸52、21、41a、41bはいずれも200rpmの同一回転数である。
なお、55は前記第一駆動軸52を支持する軸受、56は第一駆動軸52と電動機51の駆動軸とを転結する連結具である。
6は前記工具駆動手段4の可動駆動軸41bを、前記ワーク用フォルダ23に対して、軸方向に進退可能に駆動する進退手段であり、この進退手段6は、前記可動ベース102を進退用油圧シリンダ62のロッド62aにより進退させるようにしている。
前記可動ベース102は、前記本体ベース101上に設けた一対の案内レール63上を、図1において左右方向に進退するのである。
そして、前記可動駆動軸41bに固定した前記工具3と前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23とが離れる方向に前記進退手段6を駆動して、工具3とワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを確保し、前記素材1をワーク用フォルダ23に脱着するようにしている。
また、前記素材1に雌ねじを形成加工するときは、前記工具3のねじ部31が前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23に装着した前記素材1の円筒部11内に位置するように前記進退手段6を駆動するとともに雌ねじの形成加工中には前記可動駆動41bの軸方向への進退を停止状態とするのである。
なお、前記進退手段6により前記工具3を、前記ワークフォルダ23側へ駆動するときに、工具3の軸方向への移動を制限する軸方向ストッパー64を前記ベース101に設けている
7は、前記素材1に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心を前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心と離れる方向に駆動して前記素材1の内面に前記工具1の雄ねじ31aを押圧する押圧手段である。
この押圧手段7は、前記電動機51に連結した第一駆動軸52に直交し前記第一駆動軸52の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構71の一端側71aに前記ワーク駆動手段2を設け、前記アーム機構71の他端側71bに押圧用油圧シリンダ72のロッド72aによる押圧部72bを当接することにより形成している。
また、前記素材1に雌ねじを形成するときに、外径の小さい前記工具3の雄ねじ31aで、内径の大きい前記素材1の鍔部側内周面13aに雌ねじを形成するために、前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の軸心と前記工具駆動手段4の駆動軸41の軸心とは偏心して平行に位置するようにしている。
そして、前記素材1に雌ねじの形成が進むにつれて、前記両駆動軸21、41の軸心が離れる方向、すなわち偏心量が大きくなる方向に前記押圧手段7を作動させるのである。
前記押圧手段7による押圧力はこの実施の形態では数百重量kg〜1重量トンとしている。
なお、前記アーム機構71における前記ワーク駆動手段2の駆動軸21の下方には、図5に示すように、前記本体ベース101に固定した押圧ストッパー73を設けて、前記押圧手段7による前記駆動軸21の下方への回動による変位を制限している。
また、前記押圧ストッパー73の軸周りにはコイルばね73aを配設して前記押圧用油圧シリンダ72のロッド72aによる急激な押圧力を緩衝するようにしている。
前記アーム機構71における前記押圧用油圧シリンダ72のロッド72aの近傍内方には、前記本体ベース101に固定した回動ストッパー74を設けて、前記アーム機構71の前記他端側71bの下方への回動による変位を制限している。
8は装置の稼動を制御する制御装置であり、この制御装置8は、図1に示すように、前記電動機51、前記進退手段6の進退用油圧シリンダ62、前記押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72などの運転を制御して、前記素材1に雌ねじを形成するようにしている。
円筒部材の雌ねじの形成装置は以上のように構成されており、以下、この装置により、素材1に雌ねじを形成する方法について、説明する。
なお、素材1を搬送、整列させて雌ねじ形成装置に装着し、雌ねじが形成加工された素材を取外し、検査工程、完成品置場への搬送などの工程は、公知の自動化工程により行われるので説明を省略し、雌ねじの形成方法に絞って説明する。
まず、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において右方向に退かせ、工具3のねじ部31とワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを形成して、素材1をワーク用フォルダ23に装着する。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において左方向に進ませ、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させるとともに、その状態で可動ベース61を停止させるのである
この進退手段6により、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させるときは、押圧手段7による押圧力が作用しない状態としており、工具3のねじ部31と素材1の鍔部側内周面13aとは接触していない。
次に、押圧手段7及び電動機51を駆動し、給油管22から潤滑油を供給しながら、同期駆動手段5により工具駆動手段4の可動駆動軸41bとワーク駆動手段2の駆動軸21とを200rpmの同一回転数で5秒間同期回転駆動するのである。
この同期回転駆動により、素材1の鍔部側内周面13aに、工具3の雄ねじ31aで雌ねじを形成するのである。
雌ねじの形成は、図2(b)に想像線で示すように、押圧手段7により素材1の鍔部側内周面13aの上部が工具3の雄ねじ31aに押付けられながら、素材1と工具3とが同一回転数で同期回転駆動することにより行われるのである。
素材1と工具3との同一回転数での同期回転駆動において、素材1の鍔部側内周面13aの展開寸法が工具3の雄ねじ31の外径の展開寸法よりも大きいので、接触面では滑りながら塑性加工により素材1の鍔部側内周面13aに雌ねじが形成されるのである。
以下、このことを、図9の説明図により説明する。
図9において、横軸にねじの有効径×πの値(ねじの展開寸法)を取り、縦軸にねじのピッチ(リード)の値を取ると、この実施の形態では雄ねじ31aの有効径が43.52mmで、展開寸法が136.7mmとなる。
また、素材1に形成される雌ねじの有効径が58.14mmで、展開寸法が182.6mmとなる。
そして、ピッチ(リード)は2.31mmであるから、雄ねじ31aのつる巻線T1が実線で示され、リード角がΘ1となり、雌ねじのつる巻線T2が点線で示され、リード角がΘ2となる。
素材1と工具3とが同期回転駆動したときの1回転の両者の滑りLは素材1の展開寸法から雄ねじ31aの展開寸法を差引いた45.9mmとなる。
また、工具3の雄ねじ31aのねじ山の角度は素材1に形成される雌ねじのねじ山の角度よりも小さく形成されている。
雄ねじ31aのねじ山の角度が小さくされていても、素材1の鍔部側内周面13aが滑って移動速度を大きくするので、形成される雌ねじの山の角度が予め定められた値に形成されるのである。
そして、押圧手段7を駆動させながら、同期駆動手段5により工具駆動手段4の可動駆動軸41bとワーク駆動手段2の駆動軸21とを200rpmの同一回転数で5秒間同期回転駆動した後、電動機51を停止させるのである。
そうすると、素材1の鍔部側内周面1には、塑性加工により所定の雌ねじが形成されるのであり、次に、押圧手段7の押圧用油圧シリンダ72のロッド72aを下方に駆動させて加工済みの素材1と工具3の雄ねじ31aとが接触しない位置に移動させるのである。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において右方向に退かせ、工具3のねじ部31とワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを形成して、加工済みの素材1をワーク用フォルダ23から取外して、素材1の雌ねじの形成の1サイクルが完了するのである。
このような駆動制御は制御手段8により自動的に行われるのである。
なお、図1〜図3及び図5において、75は前記押圧手段7のアーム機構71に前記第一駆動軸52及び前記ワーク駆動手段2をそれぞれ固定する固定具、101aは前記本体ベース101の高さを調節する高さ調節脚である。
以上の本発明の実施の形態について、以下に変形例を例示する。
以上の実施の形態では、いわゆるドラム缶に使用する口金フランジを形成するようにしたが、本発明は口金フランジに限らず、雌ねじを備えた各種の円筒部材に適用することができる。
また、以上の実施の形態では、ねじの種類として管用平行ねじについて説明したが、本発明は各種のねじに適用することができることはもちろんである。
以上の実施の形態では、進退手段として進退用油圧シリンダを用いて構成したが、電動機で駆動されるねじ軸にナットを進退させるように構成してもよい。
また、以上の実施の形態では、押圧手段としてアーム機構及び押圧用油圧シリンダを用いたが、電動機とカム機構により構成してもよい。
以上の実施の形態では、同期駆動手段として歯車機構を用いて構成したが、ベルト機構やチェイン機構を用いて構成してもよい。
さらに、同期駆動手段として、ワーク駆動手段の駆動軸と工具駆動手段の駆動軸とをそれぞれ同期電動機により同一回転数で同期回転駆動を行うようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、進退手段で工具駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段でワーク駆動手段の駆動軸を押圧させるようにしたが、逆に、進退手段でワーク駆動手段の駆動軸を進退させ、押圧手段で工具駆動手段の駆動軸を押圧させてもよく、いずれか一方の駆動手段の駆動軸を進退及び押圧させるようにしてもよい。
以上の実施の形態では、進退手段は工具の駆動手段の駆動軸を分割して構成したが、分割せずに一体で駆動軸を進退させ、電動機に連結した第一駆動軸を分割して第一可動駆動軸と第一固定駆動軸としてもよい。
また、以上の実施の形態では、素材の内周面を小径の鍔部側内周面と大径の反鍔部側内周面とで構成したが、単一の内径の内周面としてもよい。
以上の実施の形態では、正八角形状の鍔部、鍔部に係合する係合部材により素材をワーク駆動手段に固定するようにしたが、素材の円筒部で固定したり、鍔部に替えて端部に回り止めを形成したりするようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、G2の雌ねじの口金フランジを形成するに当たり、工具の雄ねじの外径を45.0mmとして、前記G2の山の径(内径)56.656mmよりも小さくしているが、工具の雄ねじの外径は、形成される雌ねじの内径に対して、小さくしなければ加工後の素材の取外しが難しくなるため必須である。
そして、雌ねじの内径に対する工具の雄ねじの外径は、差が小さい場合、工具による雌ねじの形成時に雄ねじと素材の内面との接触が大きいのに対し、差が大きい場合、工具が小径となって強度が小さくなる。
そこで、素材の材質、工具の材質、形成する雌ねじの規格、生産性、歩留まりなどを勘案して、雌ねじの内径に対する工具の雄ねじの外径を適宜設定するのである。
また、工具を長時間稼働して工具が摩耗してきて完成品検査で不合格が生じてきた場合、新たな工具に取り換えることに替えて、工具の雄ねじをねじ研磨や切削加工により、若干小径の雄ねじに形成して、工具を再生するのである。
切削加工により工具を再生する場合、再生のための工具を焼きなましを行って切削加工を行い、焼き入れ及び焼き戻しを行うのである。
このように、工具の再生を数回行うことにより、消耗品としての工具の費用を低減することが可能となるのである。
1 素材
11 円筒部
12 鍔部
2 ワーク駆動手段
21 駆動軸
23 ワーク用フォルダ
24 フォルダ本体
25 係合部材
3 工具
31 ねじ部
31a 雄ねじ
4 工具駆動手段
41 駆動軸
41a 固定駆動軸
41b 可動駆動軸
41c スプライン
42、43 軸受
44 工具用フォルダ
5 同期駆動手段
51 電動機
52 第一駆動軸
53、54 歯車機構
6 進退手段
61 可動ベース
62 進退用油圧シリンダ
62a ロッド
7 押圧手段
71 アーム機構
71a 一端側
71b 他端側
72 押圧用油圧シリンダ
72a ロッド
8 制御手段
101 本体ベース
102 可動ベース
請求項1に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成装置は、円筒部材の素材を回転駆動する駆動軸を有するワーク駆動手段と、
前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同一回転数で同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記進退手段は、前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成するように駆動し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するように駆動し、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
請求項3に係る本発明の円筒部材の雌ねじの形成方法は、円筒部材の素材を回転駆動するワーク駆動手段と、前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する工具駆動手段とを同一回転数で同期させて回転駆動させ、
前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させ
前記素材を前記ワーク駆動手段のワーク用フォルダに脱着するときに前記工具と前記ワーク用フォルダとを離して前記素材を前記ワーク用フォルダに脱着可能な処理空間を形成し、前記素材に雌ねじを形成するときに前記工具が前記ワーク用フォルダに装着した前記素材の円筒部内に位置するように、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同一回転数で同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成するようにしたものである。
そして、前記可動駆動軸41bに固定した前記工具3と前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23とが離れる方向に前記進退手段6を駆動して、工具3とワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを確保し、前記素材1をワーク用フォルダ23に脱着するようにしている。
また、前記素材1に雌ねじを形成加工するときは、前記工具3のねじ部31が前記ワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23に装着した前記素材1の円筒部11内に位置するように前記進退手段6を駆動するのである。
まず、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において右方向に退かせ、工具3のねじ部31とワーク駆動手段2のワーク用フォルダ23との間に処理空間Sを形成して、素材1をワーク用フォルダ23に装着する。
そして、進退手段6の進退用油圧シリンダ62を駆動してロッド62aにより可動ベース61を案内レール63上で図1において左方向に進ませ、工具3のねじ部31を素材1の円筒部11内に位置させる。

Claims (5)

  1. 円筒部材の素材を回転駆動する駆動軸を有するワーク駆動手段と、
    前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する駆動軸を有する工具駆動手段と、
    前記ワーク駆動手段の回転と前記工具駆動手段の回転とを同期させて回転駆動させる同期駆動手段と、
    前記同期駆動手段を介して前記ワーク駆動手段及び前記工具駆動手段を駆動する電動機と、
    前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動する進退手段と、
    前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧する押圧手段と、
    前記電動機、前記進退手段及び前記押圧手段を駆動制御する制御手段と、
    を備えた円筒部材の雌ねじの形成装置であって、
    前記素材は平滑な内周面の円筒部を有しており、
    前記工具は、前記素材の内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
    前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させており、
    前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成することを特徴とする円筒部材の雌ねじの形成装置。
  2. 前記工具駆動手段の駆動軸は、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
    前記進退手段は、前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを油圧シリンダのロッドにより進退させることにより形成しており、
    前記押圧手段は、前記電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接することにより形成しており、
    前記同期駆動手段は、前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機の第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して構成したことを特徴とする請求項1に記載の円筒部材の雌ねじの形成装置。
  3. 円筒部材の素材を回転駆動するワーク駆動手段と、前記素材に雌ねじを形成する工具を回転駆動する工具駆動手段とを同期させて回転駆動させ、
    前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心と前記工具駆動手段の駆動軸の軸心とを偏心させて平行に位置させるとともに、一方の駆動手段の駆動軸を軸方向に進退可能に駆動し、
    前記素材に雌ねじを形成するときに、前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段の一方の駆動手段の駆動軸の軸心を他方の駆動手段の駆動軸の軸心と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とした円筒部材の雌ねじの形成方法であって、
    前記工具は、前記素材の円筒部における平滑な内周面に形成される雌ねじのピッチ及び山の高さと同一のピッチ及び山の高さを有する雄ねじが形成されるとともに、前記雄ねじの外径が前記素材の内周面に形成される雌ねじの内径よりも小さく形成されており、
    前記素材の内周面に前記工具を押圧した状態で前記ワーク駆動手段と前記工具駆動手段とを同期回転駆動することにより、前記素材の内周面に雌ねじを塑性加工により形成することを特徴とする円筒部材の雌ねじの形成方法。
  4. 前記工具駆動手段の駆動軸を、軸方向に対して不動の固定駆動軸と軸方向に対して可動の可動駆動軸とにスプライン係合により分割するとともに、各駆動軸を軸受で支持し、
    前記可動駆動軸を支持する軸受を固定した可動ベースを油圧シリンダのロッドにより軸方向に進退可能とし、
    電動機に連結した第一駆動軸に直交し前記第一駆動軸の軸心を支点として両側に伸びる回動可能なアーム機構の一端側に前記ワーク駆動手段を設け、前記アーム機構の他端側に油圧シリンダのロッドによる押圧部を当接させて、前記ワーク駆動手段の駆動軸の軸心を前記工具駆動手段の駆動軸と離れる方向に駆動して前記素材の内面に前記工具を押圧可能とし、
    前記ワーク駆動手段の駆動軸と前記工具駆動手段の固定駆動軸とを、前記電動機に連結した第一駆動軸に、それぞれ歯車機構により連結して同期回転駆動するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の円筒部材の雌ねじの形成方法。
  5. 前記素材の円筒部の端部に正八角形状の鍔部を形成するとともに、前記素材の円筒部を嵌合する円形穴部を有するフォルダ本体と前記鍔部に係合する係合部材とを備えたワーク用フォルダを前記ワーク駆動手段に形成して、前記ワーク用フォルダにより前記素材を前記ワーク駆動手段に固定したことを特徴とする請求項1若しくは2に記載の円筒部材の雌ねじの形成装置又は請求項3若しくは4に記載の円筒部材の雌ねじの形成方法。
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