JP2015032363A - 超電導ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導線材を多層配置した構造で、効率よく、所望の送電容量を確保すること。
【解決手段】同心円状に多層配置された超電導線材131〜134を有する超電導ケーブル100である。超電導ケーブル100では、層毎に、臨界電流値の異なる超電導テープ131〜134が配置されている。これら超電導テープ131〜134は、外層側に配置される超電導テープの方が、臨界電流値が高い。これら各層の超電導テープ131〜134の臨界電流を最大限活かして、超電導テープ131〜134を多層配置した構成で、効率よく、大きな送電容量を確保する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導ケーブルに関し、特に、多層配置された超電導線材を備える超電導ケーブルに関する。
一般に、超電導ケーブルでは、芯材(フォーマ)の外周に超電導線材(以下、超電導テープという)がスパイラル状に巻回されている。また、超電導テープについては、超電導状態を保ちながら流せる電流値(臨界電流値)が決まっている。
よって、所望の大電流送電を可能とする超電導ケーブルでは、大電流送電を満たす本数の超電導テープが、同心円状に多層に配置されている。なお、多層配置された超電導テープによる層の間)には、超電導テープを押えたり、超電導テープ間での電気絶縁をとるための、押えテープが設けられる。
断熱管に収納される超電導テープを多層で配置してなる超電導ケーブル(ケーブルコア)に、所望の大電流(例えば5kw以上の電流)を流すと、超電導テープに印可される磁場が大きくなる。そのため、この磁場の印可により超電導テープの臨界電流(臨界電流値)Icの低下が大きくなり、所望の送電容量を確保することが困難となることが知られている(特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1の実施例からも明らかなように、超電導テープを多層配置した構造の超電導ケーブルに大電流を送電した場合、超電導ケーブルでは、内側の層から外側の層に向かって順に、超電導テープに対する磁場の影響が大きくなる。この影響によって、各層における超電導テープの臨界電流Icは、内側の層から外側の層の順に低下し、超電導テープによる層毎の臨界電流値の合計値は、内側の層から外側の層に向かって大きく低下する。
この点を鑑みて、特許文献1では、所望の送電容量を確保する場合、超電導ケーブル(ケーブルコア)における超電導テープの本数を増やさずに、一つの断熱管に収納される超電導ケーブルの本数を増やすことで、対応している。
特開2011−86514号公報
このように、特許文献1からも明らかなように、超電導テープを多層配置した構造の超電導ケーブルでは、超電導ケーブルに大容量で通電すると、超電導テープの臨界電流は、内側に配置された超電導テープから外側に配置された超電導テープの順に減少する。
これに対して、近年では、超電導ケーブル自体の本数を増やすことなく、超電導テープとしての超電導線材を多層配置した構造の一本の超電導ケーブルで、効率よく、所望の送電容量を確保したいという要望があった。
本発明の目的は、超電導線材を多層配置した構造で、効率よく、所望の送電容量を確保できる超電導ケーブルを提供することである。
本発明の超電導ケーブルの一つの態様は、同心円状に多層配置された超電導線材を有し、前記超電導線材の臨界電流値は、層毎に異なり、各層は、同じ本数の超電導線材により構成されている構成を採る。
本発明によれば、超電導線材を多層配置した構造において、通電による磁場の影響があっても、各層の超電導線材の特性を最大限活かして、所望の送電容量を効率よく確保することができる。
本発明に係る一実施の形態の超電導ケーブルの要部構成を示す縦断面図 同超電導ケーブルにおける超電導テープの巻回状態を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る超電導ケーブルの要部構成を示す縦断面図である。
<超電導ケーブル100の構成>
図1に示す超電導ケーブル100は、芯材(フォーマ)111と、芯材111の外周に多層配置された超電導テープ131〜134とを有する。
具体的には、超電導ケーブル100は、芯材111、押えテープ121、第1の超電導テープ131、押えテープ122、第2の超電導テープ132、押えテープ123、第3の超電導テープ133、押えテープ124、第4の超電導テープ134、を有する。なお、この超電導ケーブル100は、実際の使用時では、筒状電極に接続された状態で、液体窒素などの極低温の液体に浸される。そして、超電導ケーブルの電流が、筒状電極を介してリードケーブルによって常温部に引き出されるようになっている。例えば、リードケーブルは、ポリマー套管(図示せず)などを介して気中に導出される。
芯材111は、円筒形状であり、銅の撚線から構成されている。芯材111の外周には、不織布からなる押えテープ121が巻回されている。押えテープ121の外周には、第1の超電導テープ131が、図2に示すように、スパイラル状に巻回されている。第1の超電導テープ131の外周には、不織布からなる押えテープ122が巻回されている。押えテープ122の外周には、第2の超電導テープ132が、第1の超電導テープ131と同様にスパイラル状に巻回されている。第2の超電導テープ132の外周には、不織布からなる押えテープ123が巻回されている。押えテープ123の外周には、第3の超電導テープ133が、第1の超電導テープ131と同様にスパイラル状に巻回されている。第3の超電導テープ133の外周には、不織布からなる押えテープ124が巻回されている。押えテープ124の外周には、第4の超電導テープ134が、第1の超電導テープ131と同様にスパイラル状に巻回されている。
このように、超電導テープを1層毎に巻いた上に押えテープ121〜124が、巻回される(ここでは重ね巻かれる)ことで、押えテープ121〜124は、液体窒素温度中において、超電導テープの形状を維持し、層間の絶縁性を確保している。なお、押えテープ121〜124は、層間の絶縁性を確保するとともに、巻回される超電導テープ131〜133を押え巻くものであれば、どのような材料で構成されてもよい。押えテープ121〜124は、クラフト紙(絶縁紙)によるテープや、クラフト紙とプラスティックとを複合した半合成絶縁紙性テープとしても良い。
超電導ケーブル100では、1層あたり同数の超電導テープがスパイラル状に巻回されている。すなわち、超電導ケーブル100では、超電導テープによる各層は、同じ本数の超電導テープにより構成されている。本実施の形態の例では、第1の超電導テープ131により構成される層、第2の超電導テープ132により構成される層、第3の超電導テープ133により構成される層及び第4の超電導テープ134により構成される層は、それぞれ、12本の超電導テープから構成されている。超電導テープ131〜134の材料としては、従来提案されている種々の超電導材料を用いることができる。ここでは、超電導テープ131〜134は、REBaCu系(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd及びHoから選択された1種以上の元素を示し、y≦2及びz=6.2〜7である。)の高温超電導薄膜を備える。また、超電導テープ131〜134は、必ずしもテープ状でなくてもよく、超電導線材であればよい。
また、超電導ケーブル100は、実際には、第4の超電導テープ134の外周側に、電気絶縁層や、超電導シールド層、外部安定化層、コルゲート管などが設けられているが、これらを便宜上省略して示している。
超電導ケーブル100では、超電導テープ131〜134は、各層でそれぞれ異なる超電導特性(臨界電流値(@77.3K 自己磁場中))を有する。超電導テープ131〜134の臨界電流値は、層毎に異なっている。
ここでは、超電導ケーブル100で各層を構成する超電導テープ131〜134は、内側の層から外側の層の順に、臨界電流値(@77.3K 自己磁場中)が大きくなるように配置している。すなわち、第1の超電導テープ131の臨界電流値よりも第2の超電導テープ132の臨界電流値の方が大きい。また、この第2の超電導テープ132の臨界電流値よりも第3の超電導テープ133の臨界電流値の方が大きい。この第3の超電導テープ133の臨界電流値よりも第4の超電導テープ134の臨界電流値の方が大きい。なお、これら超電導テープ131〜134は、全て同様の製造方法で製造されたものであることが製造コストの観点からも望ましい。本実施の形態における超電導テープ131〜134の特性の違いは、各超電導テープ131〜134の製品誤差(個体差ともいう)により生じるものとする。
超電導ケーブル100では、超電導テープ131〜133の層における所定層を基準層とした場合、基準層の上の層(直外側の層)の超電導テープの臨界電流値は、基準層の超電導テープの臨界電流値の約1.1〜1.5倍としている。具体的には、第2の超電導テープ132の臨界電流値は、第1の超電導テープ131の臨界電流値の約1.1〜1.5倍である。また、第3の超電導テープ133の臨界電流値は、第2の超電導テープ132の臨界電流値の約1.1〜1.5倍である。また、第4の超電導テープ134の臨界電流値は、第3の超電導テープ133の臨界電流値の約1.1〜1.5倍である。このように超電導ケーブル100では、芯材111の中心から放射方向で重なる超電導テープ同士の臨界電流値の差を、上層の超電導テープの臨界電流値が、下層の超電導テープの臨界電流値の約1.1〜1.5倍となるようにしている。
また、第1〜第4の超電導テープ131〜134に通電した際の、第1〜第4の超電導テープ131〜134による層毎の臨界電流値の合計は、略同じ値としている。第1の超電導テープ131の層における臨界電流値の合計、第2の超電導テープ132の層における臨界電流値の合計、第3の超電導テープ133の層における臨界電流値の合計、及び、第4の超電導テープ134の層における臨界電流値の合計は、略同じ値である。
具体的には、超電導テープ131〜133の層における所定層の超電導線材の臨界電流Icの総合計は、前記所定層の直外側の層の超電導線材の臨界電流Icの総合計の約0.9〜1.1倍とする。
これら超電導テープ131〜134は、例えば、中間層が形成された配向金属基材上に、MOD(Metal-organic Deposition)法を用いて超電導層を形成することで製造される。
MOD法は、先ず、酸化物中間層が形成されたテープ状の基材を、超電導原料溶液(有機金属塩を有機溶媒に溶解させたもの)に浸し、この基材を超電導原料溶液から引き上げること(いわゆるディップコート法)により、基材の表面に超電導膜を付着させる。次に、仮焼成熱処理を施した後、基材への超電導膜塗布と仮焼成熱処理をくり返すことでアモルファス超電導前駆体を形成する。その後、形成した超電導前駆体に本焼成熱処理を施すことで、酸化物超電導層を形成する。
なお、中間層は、例えば、テープ状のNi合金基板(基材)上に、テンプレートとしてIBAD法によりGdZr中間層を成膜し、さらに、GdZr中間層上にスパッタリング法によりCeO中間層を成膜する。また、中間層上に形成した酸化物超電導層上に、スパッタ法によりAg安定化層を施した後、後熱処理を施すことで超電導線材が製造される。
<超電導ケーブル100の作用効果>
このように超電導ケーブル100では、複数の超電導テープ131〜134を芯材111の外周に多層で配置して大容量の通電が可能となっている。この超電導ケーブル100において、各層を構成する超電導テープ131〜134の臨界電流値(@77.3K 自己磁場中)は、内側よりも外側に配置される超電導テープの方が大きい。
これにより、大容量の通電に伴い、超電導ケーブルの周囲に磁場が発生し、この磁場の影響を受けることで各超電導テープ131〜134の臨界電流Icが低下しても、層毎の臨界電流Icの総合計は、略同じ(各層で差が無い)となる。また、これら層毎の総合計の総和、つまり、超電導ケーブル全体の臨界電流Icを、超電導ケーブル100と同様に使用した従来構成の超電導ケーブルよりも高く維持できる。
具体的に説明する。超電導テープを多層配置した超電導ケーブルに大容量で通電した場合、通電に伴い発生する磁場によって、多層のうち外側に配置された超電導テープの臨界電流Icが低下する。
通電による超電導テープの臨界電流Icの低下の一例を説明する。例えば、製品性能として1本で臨界電流値が100A(@77.3K 自己磁場中)の超電導テープを用いて、芯材111の外周に多層(全4層 各層12本ずつ)配置して、超電導ケーブル100と同様な構造の超電導ケーブル(従来ケーブル)を形成する。この従来ケーブルに電流を流した場合、超電導テープの総数と、発生する磁場による臨界電流Icの低下(臨界電流の維持率で示す)とは、以下のような関係となった。つまり、この臨界電流値100Aの超電導テープを各層(全4層)で12本ずつ配置した従来ケーブルでは、層毎の超電導テープにおける自己磁場中の臨界電流Icの維持率(%)は、第1層は93%、第2層は83%、第3層は81%、第4層は76%となった。なお、臨界電流Icの維持率(%)とは、超電導テープにおける0Tでの臨界電流Ic@0T(自己磁場中)に対する超電導テープにおける印可磁場での臨界電流Icの比で示され、Ic@0T/Ic×100で表される。
このように、多層配置した超電導テープを有する従来ケーブルでは、最も外層部分である第4層を構成する超電導テープの臨界電流値が最も低い値(維持率76%)となり、内側の層から外側の層に向かって順に臨界電流の維持率が低下する。
また、従来ケーブルの構成では、層毎の臨界電流値が異なった場合、超電導ケーブル自体の臨界電流Icは、超電導テープの臨界電流値が最も小さい層の臨界電流値を反映する。すなわち、上記の例では自己磁場中の臨界電流Icの維持率が最も低い第4層の臨界電流(76%×100A×12本)の4層分が、従来ケーブル自体の臨界電流Icとなる。
これに対して、本実施の形態の超電導ケーブル100では、芯材111の外周に、所定の数の超電導テープを同心円状に撚りあわせるようにして配置し、更に、それを多層で配置する際に、各層の超電導テープの臨界電流値を変えている。また、本実施の形態の超電導ケーブル100の超電導テープ131〜134では、内側に配置される超電導テープから外側に配置される超電導テープの順に、臨界電流値が優れている。言い換えれば、超電導テープ131〜134の臨界電流値は、所定層(例えば第1層)を構成する超電導テープ131よりも所定層の外側の層(例えば第2層)を構成する超電導テープ132の方が高い。また、これら超電導テープ131〜134において、所定層の超電導テープ131の臨界電流値と、所定層の外側の層の超電導テープ132の臨界電流値との差は、第1の超電導テープ131の臨界電流値の1.1〜1.5倍である。本実施の形態では、超電導テープ131〜134の関係としては、第1の超電導テープ131の臨界電流値<第2の超電導テープ132の臨界電流値<第3の超電導テープ133の臨界電流値<第4の超電導テープ134の臨界電流値である(臨界電流値(@77.3K 自己磁場中))。
これにより、超電導ケーブル100によれば、通電時において、内層側から外層側に向かって(第1層から第4層に向かって)磁場の影響を大きく受けても、多層配置された超電導テープは、各テープ自体の異なる臨界電流値(@77.3K 自己磁場中)によって相殺される。よって、多層配置された超電導テープは、通電時に各層の臨界電流が互いに略同じ値となる。
すなわち、外側に配置される超電導テープの方が、その超電導テープの内側に配置される超電導テープよりも臨界電流値が優れている。このため、外側に配置される超電導テープに磁場が印可しても、その超電導テープの臨界電流値は、内側に配置される超電導テープの臨界電流値程度の臨界電流値となる。よって、超電導ケーブル100では、通電中の磁場の印可により、特定の超電導テープの臨界電流が極端に小さくなることがなく、他の超電導テープの臨界電流値との差が大きくなることがない。
したがって、超電導ケーブル100では、同じ臨界電流値の超電導テープを多層配置した従来構成と異なり、通電中の磁場の影響を受けても、多層配置された超電導テープどうしで臨界電流値に大きな差は発生することがない。
具体的には、超電導ケーブル自体の臨界電流Icに反映される所定の超電導テープの最小の臨界電流値が生成されても、最小の臨界電流値と、それ以外の超電導テープ(特に内側の層を構成する超電導テープ)の臨界電流値の差は小さくなる。よって、最小値の臨界電流値を有する超電導テープ以外の超電導テープの臨界電流値のマージンを少なくできる。
また、臨界電流値に基づいて、各層を構成する超電導テープを選定して配置することで、これら超電導テープの層毎の合計の臨界電流値と、その層において生じる磁場中の維持率との積が、各層で略一定となるように設定する。このように、超電導テープの臨界電流値を設定して、各層において、通電により発生する磁場中の臨界電流値を一定にする。
これにより、超電導ケーブル100に大電流を流すことで、外側に配置される超電導テープの臨界電流Icの維持率(@77.3K 自己磁場中)が低下しても、この低下する超電導テープは、この低下する超電導テープの層よりも内側の層を構成する超電導テープの臨界電流Icに近い臨界電流値を維持できる。
よって、通電中における各層毎の超電導テープの臨界電流値の合計は、ほぼ同じ値となり、超電導ケーブルとしての臨界電流Icを、超電導テープにおける臨界電流値のマージンを小さくして、効率よく、得ることができる。
このように、本実施の形態によれば、大容量の通電を実現するために、超電導テープ131〜134を多層配置した構造で、磁場の影響があっても、各層の超電導テープ131〜134の臨界電流を最大限活かして、超電導ケーブルとして最も大きな所望の送電容量を効率よく確保できる。
また、超電導ケーブルにおいて、内側の層から外側の層の順に超電導特性(臨界電流値)が優れた超電導テープは、全て同様の製造方法で製造されている。このように同性能の超電導テープを、MOD法等を用いて製造した際に、製品誤差に起因して、超電導特性(臨界電流値)が若干悪い超電導テープが製造される場合がある。この場合でも、同様に製造された誤差の無い他の超電導テープとともに、同じ超電導ケーブルに使用できる。よって、超電導ケーブルに用いられる複数の超電導テープを歩留まりよく製造できる。
以下の仕様で上記構成の超電導ケーブル100を試作した。
芯材111を軟銅円形圧縮導体とし、250sqmm、外径19.0mmとした。また、芯材111の外周に、押えテープ(不織布、2枚重ね巻き、外径19.6mm)121で押え巻きした。この押えテープ121上に第1の超電導テープ131として超電導線材(銅メッキ付き、厚さ0.1mm×幅4mm、右巻き、12本、外径19.8mm、よりピッチ240mm)を配置し、第1層を形成した。さらにこの第1の超電導テープ131の外周を、押えテープ(不織布、2枚重ね巻き、外径20.4mm)122で押え巻きした。この押えテープ122上に第2の超電導テープ132として超電導線材(銅メッキ付き、厚さ0.1mm×幅4mm、右巻き、12本、外径20.6mm)を配置し、第2層を形成した。さらに、この第2の超電導テープ132の外周を、押えテープ(不織布、2枚重ね巻き、外径21.2mm)123で押え巻きした。また、この押えテープ123上に第3の超電導テープ133として、超電導線材(鋼メッキ付き、厚さ0.1mm×幅4mm、右巻き、12本、外径20.8mm)を配置し、第3層を形成した。この第3の超電導テープ133の外周を、押えテープ(不織布、2枚重ね巻き、外径21.2mm)124で押え巻きした。この押えテープ124上に、第4の超電導テープ134として超電導線材(銅メッキ付き、厚さ0.1mm×幅4mm、右巻き、12本、外径21.4mm)を配置して第4層を形成し、その上に押えテープ(不織布、2枚重ね巻き、外径21.8mm)を配置して押え巻きした。
<実施例1>
同構成の超電導ケーブルに用いられる超電導テープ(同性能を有するテープとして製造されたもの)の臨界電流値を測定(@77.3K 自己磁場中)し、超電導ケーブルにおいて、第1層、第2層、第3層、第4層の順に、各層を構成する超電導テープの臨界電流値が大きくなるように選定して配置した。ここでは、第1層を臨界電流値100A(@77.3K 自己磁場中)の超電導テープで構成した。また、第2層を臨界電流値112A(@77.3K 自己磁場中)の超電導テープで構成した。更に、第3層を臨界電流値115A(@77.3K 自己磁場中)の超電導テープで構成し、第4層を臨界電流値122A(@77.3K 自己磁場中)の超電導テープで構成した。これら各層の超電導テープは、超電導ケーブルにおいて断面視して放射線上に配置されている。なお、実施例1の超電導ケーブルでは、所定層を構成する超電導テープの臨界電流値と、所定層の上の層を構成する超電導テープの臨界電流値との差は、所定層の超電導テープの臨界電流値の約1.1〜1.5倍である。また、これら同性能の超電導テープ(臨界電流値100A)として製造された超電導テープの臨界電流値の差は製品個体差による。
<比較例1>
同構成の超電導ケーブルの第1層〜第4層を、それぞれ構成する超電導テープの臨界電流値を100A(@77.3K 自己磁場中)とみなして配置した。
これら実施例1と比較例1のケーブルの臨界電流Icの測定結果を表1に示す。なお、測定は、それぞれの超電導ケーブルを液体窒素容器内に配置し、直流四端子法により液体窒素温度で、各超電導ケーブルの臨界電流Icを計測した。なおケーブルの臨界電流の閾値は電界基準0.5μV/cmとした。
比較例1では、超電導テープは全部同じ特性(臨界電流値)とみなして超電導ケーブルの各層を構成している。
層毎の超電導テープにおける自己磁場中の臨界電流Icの維持率(%)は、上述したように第1層は93%、第2層は83%、第3層は81%、第4層は76%となる。
よって、比較例1の超電導ケーブルでは、1本の臨界電流Icが100Aの超電導線材を用いる場合、第1層:100A×0.93×12=1116A、第2層:100×0.83×12=996A、第3層:100×0.81×12=972A、第4層:100×0.76×12=912Aとなった。
このように、比較例1では、通電により発生する磁場の影響によって、各層を構成する超電導テープの臨界電流値は、外側層に位置するもの程、磁場の影響を受けて、小さくなる。つまり、超電導テープは、外層部分に配置されるにつれて(第1層から第4層に行くにつれて)特性が悪くなっている。
これにより、比較例1では、第1層〜第4層のうち、第4層部分が最も低い912Aとなっている。このため、比較例1の超電導ケーブルとして臨界電流Ic(磁場がかかったときの維持率を加味した超電導ケーブル全体のトータル臨界電流値)は、最も小さい値としての臨界電流Icを反映するので、912×4の3648Aになった。すなわち、912Aよりも大きい臨界電流値を有する第1層〜第3層のマージン分(912Aを超えた臨界電流値分)が無駄となっている。
これに対して、実施例1の臨界電流値のトータル(磁場がかかったときの維持率を加味した状態のケーブル全体のトータル臨界電流値)は、最も低い第4層部分の1113A×4(層)=4452Aとなった。実施例1では、比較例1と比較して大きな臨界電流値が得られた。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係る超電導ケーブルは、超電導線材を多層配置した構造で、効率よく、所望の送電容量を確保できる効果を有し、少ない本数で大容量の送電を可能にする超電導ケーブルとして有用である。
100 超電導ケーブル
111 芯材
121、122、123、124 押えテープ
131、132、133、134 超電導テープ(超電導線材)

Claims (5)

  1. 同心円状に多層配置された超電導線材を有し、
    前記超電導線材の臨界電流値は、層毎に異なり、
    各層は、同じ本数の超電導線材により構成されている、
    超電導ケーブル。
  2. 前記超電導線材の臨界電流値は、所定層を構成する超電導線材よりも前記所定層の外側の層を構成する超電導線材の方が高い、
    請求項1記載の超電導ケーブル。
  3. 多層配置された前記超電導線材において、前記所定層の超電導線材の臨界電流値と、前記所定層の直外側の層の超電導線材の臨界電流値との差は、前記所定層の超電導線材の臨界電流値の1.1〜1.5倍である、
    請求項2記載の超電導ケーブル。
  4. 前記超電導線材に通電した際の層毎の臨界電流値の総合計は、略同じである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  5. 前記超電導線材で構成される多層のうちの前記所定層の超電導線材の臨界電流値の総合計は、前記所定層の直外側の層の超電導線材の臨界電流値の総合計の約0.9〜1.1倍である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
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