JP4844856B2 - 超電導ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は超電導ケーブルに関するものである。特に、曲げ特性に優れる超電導ケーブルに関するものである。
超電導ケーブルとして、図1に記載の超電導ケーブルが提案されている。この超電導ケーブル100は、3心のケーブルコア10を断熱管20内に収納した構成である(例えば特許文献1)。
ケーブルコア10は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、絶縁層13、超電導シールド層14、保護層15を具えている。通常、フォーマ11は、撚り線やパイプ材で構成される。導体層12は、フォーマ11上に超電導線材を多層に螺旋状に巻回して構成される。代表的には、超電導線材には、酸化物超電導材料からなる複数本のフィラメントが銀シースなどの安定化金属中に配されたテープ状のものが用いられる。絶縁層13は絶縁紙を巻回して構成される。シールド層14は、絶縁層13上に導体層12と同様の超電導線材を螺旋状に巻回して構成する。そして、保護層15には絶縁紙などが用いられる。
また、断熱管20は、内管21と外管22とからなる二重管の間に断熱材(図示せず)が配置され、かつ二重管内が真空引きされた構成である。断熱管20の外側には、防食層23が形成されている。そして、フォーマ11(中空の場合)内や内管21とコア10の間に形成される空間に液体窒素などの冷媒を充填・循環し、絶縁層13に冷媒が含浸された状態で使用状態とされる。
特開2001-202837公報(図1)
しかし、上記の超電導ケーブルでは、その曲げ特性が主として超電導シールド層を構成する超電導線材の強度に依存し、必ずしも十分な曲げ特性を得られていないという問題がある。
超電導シールド層の径は超電導導体層の径よりも大きいため、ケーブルコアに曲げが加わった際、超電導導体層よりも超電導シールド層に加わる歪の方が大きくなる。そのため、ケーブルコアの許容曲げ径は、主としてシールド層を構成する超電導線材の強度に依存することになる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その主目的は、曲げ特性を改善できる超電導ケーブルを提供することにある。
本発明は、内周側の超電導層を構成する超電導線材の強度と外周側の超電導層を構成する超電導線材の強度とを変えることで上記の目的を達成する。
本発明超電導ケーブルは、第一超電導線材で構成される第一超電導層と、この第一超電導層の外側に形成される絶縁層と、絶縁層の外側に第二超電導線材で構成される第二超電導層とを有する超電導ケーブルであって、前記第二超電導線材の引張強度が第一超電導線材の引張強度よりも高い。また、前記第一超電導線材は、加圧焼結法以外の方法により得られた超電導線材で、前記第二超電導線材は、加圧焼結法により得られた超電導線材である。
内周側に配置される第一超電導線材よりも、外周側に配置される第二超電導線材の引張強度を高くすることで、ケーブル曲げ時により大きな歪の作用する第二超電導線材に対する抗張力性を高め、超電導ケーブルの曲げ特性を改善することができる。
第二超電導線材の引張強度を第一超電導線材の引張強度よりも高くする具体的な手段としては、上記加圧焼結法により得られた超電導線材を利用すること、その他、次のように、いくつかの手段が挙げられる。
<加圧焼結法の利用>
第一超電導線材として、加圧焼結法以外の方法により得られた超電導線材を用いる。そして、第二超電導線材は、加圧焼結法により得られた超電導線材を用いる。加圧焼結法で得られた超電導線材は加圧焼結法以外の方法で得られた超電導線材に比べて引張強度が高いため、外周側に位置する第二超電導線材に用いることで、超電導ケーブルの曲げ特性を改善することができる。
加圧焼成法は、超電導線材を製造するPowder in tube法において、超電導線材の元線材を焼結する際にガスによる加圧を行って線材に外圧を等方的に加える方法である。この加圧により線材のフィラメント密度の低下を抑制して、高い引張強度の超電導線材を得ることができる。
加圧焼成法による加圧時のガスとしては不活性ガスと酸素の混合ガスが好適である。その際の加圧圧力は15〜50MPaが好適である。不活性ガスと酸素の混合ガスの場合、酸素分圧を7kPa以上21kPa以下とすることが好ましい。この圧力調整により、雰囲気ガスによる外圧を線材に等方的に印加し、超電導体の相対密度を向上させることができる。不活性ガスには窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオンが挙げられる。この熱処理の雰囲気は空気であっても良い。この圧力調整した加圧熱処理は、超電導線材の元線材に対して一次熱処理・二次熱処理を行う場合、これら両熱処理に行っても良いし、二次熱処理のみ行ってもよい。この加圧焼成法については、例えば「ビスマス系超電導線材の開発」山崎浩平など「SEIテクニカルレビュー」 第164号 36-41ページ 2004年3月に示されている。
<裸超電導線材への被覆層の形成>
第一超電導線材として、超電導フィラメントを安定化金属で被覆した裸超電導線材を用いる。そして、第二超電導線材として、裸超電導線材と、その裸超電導線材を覆う被覆層とからなる線材を用いる。第二超電導線材として裸超電導線材に被覆層を有する線材とすることで、被覆層のない裸超電導線材よりも超電導線材の強度を高めることができる。そのため、被覆層を有する第二超電導線材で外周側に位置する第二超電導層を形成すれば、ケーブルの曲げ特性を改善することができる。
裸超電導線材は、従来より用いられている公知の超電導線材などを利用することができる。超電導フィラメントは、超電導材料から構成され、酸化物超電導材料、より具体的には、Bi2223相から構成されたものが好適に利用できる。安定化金属としては、銀や銀合金が好適に利用できる。銀合金には、例えばAg-Mn合金やAg-Mg合金が挙げられる。
被覆層としては裸超電導線材の抗張力性を改善できる種々の材料が利用できる。代表的には、金属めっきや樹脂コーティングが挙げられる。金属めっきの具体例としては、銅めっき、スズめっき、半田メッキなどが好適に利用できる。樹脂コーティングの具体例としては、エナメルコーティングやフッ素樹脂コーティングなどが挙げられる。これら被覆層の厚みは、被覆層の材質に応じて、第二超電導線材としての所定の抗張力性が得られるように適宜な値を選択すればよい。
<裸超電導線材へのテープ層の接合>
第一超電導線材として、超電導フィラメントを安定化金属で被覆した裸超電導線材を用いる。そして、第二超電導線材として、裸超電導線材と、その裸超電導線材に接合されたテープ層とからなる線材を用いる。裸超電導線材にテープ層を接合することで、裸超電導線材の抗張力性を補強することができる。そのため、テープ層を有する第二超電導線材で外周側に位置する第二超電導層を形成すれば、ケーブルの曲げ特性を改善することができる。このテープ層としては、金属テープ、より具体的には、銅テープ、アルミテープ、ステンレステープなどが好適に利用できる。
本発明超電導ケーブルは、代表的には、ケーブルコアと、ケーブルコアを収納する断熱管とから構成される。そのうち、ケーブルコアは、第一超電導層、絶縁層、第二超電導層を有することを基本構成とする。通常は、第一超電導層の内側にフォーマが設けられている。その他、第二超電導層の外側に保護層も設けることが好ましい。
フォーマは、第一超電導層を所定形状に保形するために第一超電導層の内側に配されるものである。フォーマには、パイプ状のものやスパイラルに成形した帯状体あるいは撚り線構造のものが利用できる。その材質には、銅やアルミニウムなどの非磁性の金属材料が好適である。その他、各種プラスチック材料も利用できる。フォーマをパイプ状のものとした場合、屈曲性を考慮してコルゲート管とすることが好ましい。パイプ状のフォーマであれば、フォーマ内を冷媒の流路とできる。
第一超電導層は、第一超電導線材から構成され、代表的には超電導導体層として構成される。例えば、第一超電導線材をフォーマの外側に螺旋状に多層に巻回することで超電導導体層を形成する。第一超電導線材の具体例としては、Bi2223系酸化物超電導材料からなる複数本のフィラメントが銀シースなどの安定化材中に配されたテープ状のものが挙げられる。
第一超電導線材の巻回は単層でも多層でもよい。通常、多層に巻回した第一超電導層の偏流を抑制して交流損失を低減させるため、各層ごと或いは複数層ごとに第一超電導線材の巻き付け方向または巻き付けピッチが変えられる。また、多層とする場合、交流用途で使用される場合は、交流損失低減のため各層を絶縁するための層間絶縁層を設ける必要がある。層間絶縁層は、クラフト紙などの絶縁紙やPPLP(住友電気工業株式会社製、登録商標)などの複合テープを巻回して設けることが挙げられる。
絶縁層は、第一超電導層の電圧に応じた絶縁耐力を有する絶縁材料で構成する。例えば、クラフト紙、プラスチックテープおよびクラフト紙とプラスチックテープとの複合テープ(例えばPPLP:登録商標)の少なくとも1種が好適に利用できる。
以上の各材料において、クラフト紙だけで絶縁層を構成する構造が最も低コストである。複合テープとクラフト紙とを組み合わせて用いれば、複合テープのみで絶縁層を構成する場合に比べて高価な複合テープの使用量を低減でき、ケーブルコストを下げることができる。一方、絶縁層に複合テープを用いることは、電気特性上好ましい。複合テープとしては、クラフト紙とポリプロピレンフィルムをラミネートしたものが好適である。
この絶縁層の外側に第二超電導層を形成する。第二超電導層は、上述したように、第一超電導線材よりも引張強度が高い第二超電導線材で構成される。第二超電導層は、代表的には、交流ケーブルの場合、超電導シールド層として構成され、直流ケーブルの場合、外部超電導導体層として構成される。超電導シールド層は、超電導導体層とほぼ同じ大きさで逆方向の電流が誘導されることで超電導導体層から生じる磁場を相殺し、外部への磁場の漏洩を防止する。外部超電導導体層は、例えば超電導導体層を往路電路とした場合の帰路電路として利用することができる。
この第二超電導層も、第二超電導線材を螺旋状に巻回して構成すればよい。第二超電導線材の巻回も単層でも多層でもよい。通常、多層に巻回した第二超電導層の偏流を抑制して交流損失を低減させるため、各層ごと或いは複数層ごとに第二超電導線材の巻き付け方向または巻き付けピッチが変えられる。また、多層として交流で使用する場合、層間絶縁層を設ける必要がある。
また、第二超電導層の外側に保護層を設けることが好ましい。この保護層は、第二超電導層の機械的保護と共に、断熱管との絶縁の機能を有する。保護層の材質としては、クラフト紙などの絶縁紙や布テープが利用できる。
さらに、絶縁層の内外周の少なくとも一方、つまり第一超電導層と絶縁層との間や、絶縁層と第二超電導層との間に半導電層を形成しても良い。前者の内部半導電層、後者の外部半導電層を形成することで、電気性能の安定に有効である。
その他、第一超電導層および第二超電導層の少なくとも一方の上にクッション層を形成し、さらにその上に押え巻き層を形成してもよい。クッション層はクラフト紙で、押え巻き層は銅テープなどを利用することができる。このクッション層は各超電導層と押え巻き層による金属同士の接触を回避し、押え巻き層はクッション層を介して第一(第二)超電導層を内周側に締め付けて冷却時の第一(第二)超電導層の縮径を円滑に挙動させる。
一方、断熱管は、冷媒の断熱が維持できる構造であれば、どのような構造でも構わない。例えば、外管と内管とからなる二重構造の二重管の間に断熱材を配置し、内管と外管との間を真空引きする構成が挙げられる。通常、内管と外管との間には、金属箔とプラスチックメッシュを積層したスーパーインシュレーションが配置される。内管内には、上記第一超電導層及び第二超電導層が収納されると共に、これら超電導層を冷却する液体窒素などの冷媒が充填される。
この冷媒は、超電導線材を超電導状態に維持できるものとする。現在、冷媒には液体窒素の利用が最も実用的と考えられているが、その他、液体ヘリウム、液体水素などの利用も考えられる。
以上のような超電導ケーブルは、単心ケーブルであっても多心ケーブルであってもいずれでもよい。多心ケーブルの具体例としては、第一超電導層と、絶縁層と、第二超電導層とを有するケーブルコアが3条撚り合わされてなる3心超電導ケーブルが挙げられる。
本発明超電導ケーブルによれば、次の効果を奏することができる。
内周側に配置される第一超電導線材よりも、外周側に配置される第二超電導線材の引張強度を高く構成することで、ケーブルの曲げ時に応力が作用しやすい第二超電導線材の抗張力性を高めることができる。それにより、ケーブルの曲げ特性を改善することができる。
第一超電導線材を加圧焼結法以外の方法により得られた超電導線材とし、第二超電導線材を加圧焼結法により得られた超電導線材とすることで、第二超電導線材の引張強度を第一超電導線材の引張強度よりも高めることができる。
上述した、第二超電導線材の引張強度を第一超電導線材の引張強度よりも高くするためのその他の手段によれば、次の効果を奏することができる。
第一超電導線材を裸超電導線材とし、第二超電導線材を裸超電導線材に被覆層を設けた線材とすることで、容易に第二超電導線材の引張強度を高めることができる。
第一超電導線材を裸超電導線材とし、第二超電導線材を裸超電導線材にテープ層を接合した線材とすることで、容易に第二超電導線材の引張強度を高めることができる。
超電導ケーブルの横断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[全体構造]
図1に示すように、本発明超電導ケーブル100は、3心のケーブルコア10と、そのコア10を収納する断熱管20とから構成される。
[ケーブルコア]
このコア10の各々は、中心から順に、フォーマ11、超電導導体層12(第一超電導層)、絶縁層13、超電導シールド層14(第二超電導層)および保護層15を有する。
<フォーマ>
フォーマ11には、ステンレス製のコルゲート管を用いた。中空のフォーマ11を用いた場合、その内部を冷媒(ここでは液体窒素)の流路とできる。
<超電導導体層>
超電導導体層12には、厚さ0.24mm、幅3.8mmのBi2223系Agシーステープ線材を用いた。このテープ線材は、Bi2223相の複数本の超電導フィラメントが安定化材となるAg中に配された裸超電導線材である。
この裸超電導線材は、加圧焼結法ではない方法により製作されている。ここでは、「原料粉末の調整→クラッド線の作製→多芯線の作製→一次圧延線材の作製→一次熱処理→二次圧延線材の作製→二次熱処理」という工程により裸超電導線材の製造が行われる。より具体的には、Bi2212相が主体の原料粉末を銀パイプに挿入し、これを伸線して単心のクラッド線とする。次に、複数本のクラッド線を別の銀パイプに挿入し、その銀パイプを伸線して、多芯線を作製する。得られた多芯線を圧下率80%にて圧延し(一次圧延)、テープ状の一次圧延線材に加工する。得られた一次圧延線材に不活性ガスと酸素の雰囲気にて全圧0.1MPa、酸素分圧8kPa、830℃×30時間の一次熱処理を施し、Bi2223相が生成された一次熱処理線材を得る。この一次熱処理線材を圧下率10%にて再圧延し(二次圧延)、幅3.8mm×厚さ0.24mmの二次圧延線材とする。そして、二次圧延線材に不活性ガスと酸素の雰囲気にて全圧0.1MPa、酸素分圧8kPa、820℃×50時間の二次熱処理を施し、裸超電導線材とする。
そして、この裸超電導線材をフォーマの上に多層に巻回して超電導導体層13を構成する。ここでは、4層に超電導線材を巻き付ける。各層の巻回方向は、内層側から順にS-S-Z-Zとした。
<絶縁層>
超電導導体層12の外側には絶縁層13が形成される。ここでは、クラフト紙とポリプロピレンテープとをラミネートしたPPLP(登録商標)で絶縁層13を構成した。このPPLPの全体の厚みに対するポリプロピレンテープの厚みの比率は60%である。
また、図示していないが、この絶縁層13と超電導導体層12の間には内部半導電層が、絶縁層13と次述する超電導シールド層14との間には外部半導電層が形成されている。いずれの半導電層もカーボン紙の巻回により形成した。
<超電導シールド層>
絶縁層13の外側には、超電導シールド層14を設けた。この超電導シールド層14は、ケーブル運用時(交流)、超電導導体層12とほぼ同じ大きさで逆方向の電流が誘導されることで超電導導体層12から生じる磁場を相殺し、外部への磁場の漏洩を防止する。
ここでは、(1)超電導導体層12に用いた裸超電導線材に銅めっきを施しためっき線材、(2)裸超電導線材にステンレステープを接合した接合線材、(3)加圧焼結法で作製した加圧焼結線材の3種類の線材を用意し、各々で超電導シールド層14を形成して3種類の超電導ケーブルを構成した。
めっき線材における銅めっき層の厚みは20μmである。接合線材で用いたステンレステープは、厚さ25μmのSUS316から構成される。裸超電導線材とステンレステープの接合は半田付けにより行った。加圧焼結線材は、上述した裸超電導線材における二次熱処理を、不活性ガスと酸素の雰囲気にて全圧30MPa、酸素分圧8kPaとして行うことで得た。この圧力以外の二次熱処理条件は裸超電導線材の作製条件と同様である。裸超電導線材の引張強度を1.0とした場合のめっき線材の引張強度は1.3、接合線材の引張強度は1.6、加圧焼結線材の引張強度は1.7である。これらの第二超電導線材から構成される超電導シールド層14は2層に積層され、各層の巻回方向はS-Sとしている。
<保護層>
この超電導シールド層14の外側には絶縁材料で構成される保護層15が設けられている。ここでは、クラフト紙の巻回により保護層15を構成している。この保護層15により、超電導シールド層14の機械的保護を図ると共に、断熱管(内管21)との絶縁をとることができる。
[断熱管]
断熱管20は内管21および外管22を具える2重管からなり、内外管21、22の間に真空断熱層が構成される。真空断熱層内には、プラスチックメッシュと金属箔を積層したいわゆるスーパーインシュレーションが配置されている。内管21の内側とコア10との間に形成される空間は冷媒の流路となる。また、必要に応じて、断熱管20の外周にポリ塩化ビニルなどで防食層23を形成しても良い。
〔試験例〕
上記の超電導ケーブルのうち、超電導シールド層をめっき線材で構成したケーブルコアを試料1、接合線材で構成したケーブルコアを試料2、加圧焼結線材で構成したケーブルコアを試料3とし、超電導導体層と超電導シールド層のいずれも裸超電導線材で構成したケーブルコアを試料4として、各々の試料コアについて許容曲げ直径を求めた。許容曲げ直径は、臨界電流Icが曲げのない各試料に対して95%となる曲げ直径とした。その結果を表1に示す。この表から明らかなように、試料1〜試料3は試料4に比べて許容曲げ半径が小さいことが確認できた。特に、超電導シールド層を加圧焼結線材で構成したケーブルコアを具える試料3は、許容曲げ半径が最も小さいことが分かる。
Figure 0004844856
本発明超電導ケーブルは、電力輸送手段として利用することができる。特に、比較的曲げ径の小さな屈曲線路に布設される超電導ケーブルとして好適に利用できる。
100 超電導ケーブル
10 コア
11 フォーマ 12 超電導導体層 13 絶縁層 14 超電導シールド層
15 保護層
20 断熱管
21 内管 22 外管 23 防食層

Claims (1)

  1. 第一超電導線材で構成される第一超電導層と、この第一超電導層の外側に形成される絶縁層と、絶縁層の外側に第二超電導線材で構成される第二超電導層とを有する超電導ケーブルであって、
    前記第一超電導線材は、加圧焼結法以外の方法により得られた超電導線材で、
    前記第二超電導線材は、加圧焼結法により得られた超電導線材であり、
    前記第二超電導線材の引張強度が第一超電導線材の引張強度よりも高いことを特徴とする超電導ケーブル。
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