JP2015031871A - 静電付着スクリーン - Google Patents

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Shingo Kaimori
信吾 改森
菅原 潤
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【課題】 設置に汎用性があり、且つ収納スペースが小さくて済むスクリーンを提供する。【解決手段】 フィルム内部に電荷を保持した樹脂製エレクトレットフィルム、及び該樹脂製エレクトレットフィルムの一面上に積層された反射層を備えた静電付着スクリーン。前記樹脂製エレクトレットフィルムは、多孔性樹脂フィルムを含む単層フィルム又は積層フィルムの空孔が帯電することによりエレクトレット化されたものであることが好ましい。【選択図】 図1

Description

本発明は、エレクトレットフィルムの静電付着力により、壁面やボード等の固定構造体に貼着して用いることができるスクリーンに関する。
プロジェクターのスクリーンとしては、スクリーンの設置タイプから、掛け軸タイプのスクリーン、床置き自立型スクリーン、スチール面に貼り付けできるマグネット式スクリーンなどが市販されている。
マグネット式スクリーンでは、スチール面以外に適用できず、汎用性に欠けるという問題がある。床置き自立型スクリーンでは、設置場所を選ばずにすむという利点があるが、使用しないときの収納場所が別途必要となり、スペース上の制約がある場所では好まれない傾向にある。掛け軸タイプでは、使用しないときに巻き上げておくことができるので、余分なスペースがない場合に便利であるが、吊り下げるために、壁や天井に吊り下げ用金具を設置したり、設置のための穴あけ工事などが必要となる。
小型のスクリーンでは、携帯型スクリーンとして、容易に持ち運びができるスクリーンが提案されている(例えば、実用新案登録第3149094号公報(特許文献1))。一方、大型のスクリーンであっても、種々の設置場所に適用可能で、且つ持ち運びできるスクリーンとして、特開2010−175949号公報(特許文献2)に、複数の部材に分割して収納できるスクリーンが提案されている。
実用新案登録第3149094号公報 特開2010−175949号公報 特表平10−504248号公報 特開2012−164735号公報
特許文献2により提案されているスクリーンは、スクリーンの周縁部同士を接続することで、一体の投射面をなすもので、別途支柱が必要となったり、使用時、収納時に組み立てが必要になるなど、従来の掛け軸タイプ、床置き自立型、マグネット式と比べて、面倒である。
このような事情から、収納スペースが少なくて済み、設置に汎用性があり、さらに、使用時、収納時に、面倒な組み立て、解体作業を必要としないスクリーンが求められている。
また、近年、プロジェクタースクリーンについても、単に画像投影用のスクリーンとしてだけでなく、タッチパネルのように、タッチにより表示画像を切り替えることができる機能が求められるようになっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納スペースが少なくて済み、設置に汎用性があり、特別な機器、装置、部材などを必要とせず、使用時、収納時に、面倒な組み立て、解体作業を必要としないスクリーンを提供することにある。
本発明の静電付着スクリーンは、フィルム内部に電荷を保持した樹脂製エレクトレットフィルム、及び該樹脂製エレクトレットフィルムの一面上に積層された反射層を備えたものである。
本発明の静電付着スクリーンは、エレクトレットフィルムの静電付着力により、壁面等に貼着するだけでスクリーンとして使用することができ、不使用時には巻取って保管すればよいので、設置場所に対する汎用性が高く、しかも不使用時の収納スペースが小さくて済むので、保管に便利である。
本発明の静電付着スクリーンの一実施形態の構成を示す模式断面図である。 複合フィルムの積層構造例を示す概略模式図である。 複合フィルムの積層構造例を示す概略模式図である。 複合フィルムの積層構造例を示す概略模式図である。 静電付着力の測定方法を説明するための図である。 本発明の静電付着スクリーンの他の実施形態の構成を示す概略模式図である。 電極付きエレクトレットフィルムの構成を説明するための模式図である。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、今回、開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態の静電付着スクリーンは、フィルム内部に電荷を保持した樹脂製エレクトレットフィルム、及び該樹脂製エレクトレットフィルムの一面上に積層された反射層を備えたものである。
エレクトレットフィルムの静電付着力により、固定構造物の壁面等に貼着してスクリーンとして用いることができるので、設置態様について汎用性がある。また、不使用時には、手で容易に壁面等から手で剥がすことができ、巻回して保管することができるので、保管スペースが小さくて済む。
前記樹脂製エレクトレットフィルムは、多孔性樹脂フィルムを含む単層フィルム又は積層フィルムの空孔が帯電することによりエレクトレット化されたものであることが好ましい。多孔性樹脂フィルムはエレクトレット化により、安定で高い帯電を達成できる。
前記積層フィルムは、多孔性樹脂フィルム上に非多孔性樹脂層が積層されたユニットを少なくとも1単位含んだ複合フィルムであることが好ましい。異なる層との界面で電荷がたまりやすいことから、より高い静電付着力を得ることができる。
前記反射層は、前記樹脂製エレクトレットフィルムに、接着剤層を介して積層されたプラスチックフィルム、紙、又は布帛であってもよいし、前記反射層は、前記エレクトレットフィルムに一体的に積層された非多孔性樹脂層であってもよいし、あるいは前記反射層は、前記エレクトレットフィルム表面に塗工された塗工層であってもよい。
前記多孔性樹脂フィルムは、延伸による多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルムであることが好ましい。延伸多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムは、耐熱性にすぐれ、帯電性に優れる。
前記エレクトレットフィルムの両面に電極が設けられていることが好ましい。電極付エレクトレットフィルムを用いることで、歪により電気信号を発生する圧電フィルム、あるいは電気信号を与えることにより振動する電歪フィルムとして機能することができる。したがって、電気信号を位置検出信号として処理する回路と併用することにより、静電付着スクリーンに、タッチパネル機能を付与することができ、また音声情報に対応する電気信号を出力するデバイスに接続することにより、静電付着スクリーンにスピーカー機能を付与することができる。
静電付着スクリーンの一端縁に、該スクリーンの巻回体を収納するための円筒体が備えられていてもよい。収納部付き静電付着スクリーンは、収納時には、スクリーンを巻き取って円筒形収納部に収納しておくことで、保管時に塵や湿分から防護することができる。
図1は、本発明の静電付着スクリーンの一実施形態の構成を示す概略模式断面図であり、壁面やボード等の固定構造物に対して所定の静電付着力を有するエレクトレットフィルム1の前記固定構造物に付着させる側の面(以下、「付着面」)1Aと反対側の面(投影面)1Bに、反射層2が積層されている。
<エレクトレットフィルム>
エレクトレットフィルム1は、半永久的に帯電した樹脂フィルムであり、壁面やボード等の固定構造物の表面(設置面)に対して貼着できる静電付着力を有するものである。
このようなエレクトレットフィルム1の種類は、設置面に対して安定的な静電付着力を有するものであればよく、例えば、従来よりエレクトレットフィルムとして周知のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)フィルム、特表平10−504248号公報で提案されているような、円盤状の気泡を有する延伸多孔質ポリプロピレンフィルム等の多孔質ポリオレフィンフィルム、さらに例えば、特開2012−164735号公報等で提案されている多孔質フッ素樹脂系フィルムなどを用いることができる。このようなプラスチックフィルムの両面に高電圧を印加したり、高電界下で数分間、保持したり、フィルムから所定間隔をあけて、コロナ放電により荷電させること等により、エレクトレット性を付与することができる。
特に、多孔性樹脂フィルムは、エレクトレット化処理により、フィルム内部の空孔が分極し、いわゆるエレクトレットとなって、半永久的に内部に電荷を保持した状態となる。この多孔性樹脂フィルムをエレクトレット化処理して得られるエレクトレットフィルムは、高い静電付着力を有する。
多孔性樹脂フィルムとしては、多孔性フッ素樹脂フィルムが好ましく用いられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(EPA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、及びこれらの1種又は2種以上の混合物などを用いることができ、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。このようなフッ素樹脂は、耐熱性に優れ、しかも疎水性で湿分の影響を受けにくい。
多孔性フッ素樹脂フィルムは、延伸により多孔性構造とされたものであることが好ましい。延伸多孔性フッ素樹脂フィルムとしては、市販のものを用いることもできる。例えば、ゴアテックス(登録商標)、住友電工ファインポリマーの「ポアフロン」(登録商標)などを用いてもよい。
エレクトレットフィルムとして、多孔性樹脂フィルムを用いる場合、エレクトレットとなる多孔性樹脂フィルム単独で構成されていてもよいし、多孔性樹脂フィルムの片面又は両面に非多孔性樹脂フィルムが積層一体化された複合フィルムで構成されていてもよい。外表面を非多孔質層とすることにより、表面の埃や汚れを拭き取りやすいという保全取扱いの面で優れる。
多孔性樹脂フィルムと非多孔性樹脂フィルムとの複合フィルムの場合、多孔性フィルムの樹脂材料と非多孔性フィルムの樹脂材料とは同種類であっても異なる種類であってもよい。異なる構造、異なる材料との界面で帯電しやすい傾向にあることから、異なる材料の組み合わせがエレクトレット性を高める点で好ましい一方、積層一体化のためには、親和性ある材料の組み合わせであることが望ましい。好ましい組み合わせとしては、異なる種類のフッ素樹脂で構成される多孔性樹脂フィルムと非多孔性樹脂層との組み合わせであり、より好ましくは多孔性PTFEフィルムの片面又は両面にPTFE以外のフッ素樹脂、具体的には上記多孔性フッ素樹脂フィルムの説明でフッ素樹脂フィルムとして例示したPTFE以外のフッ素樹脂からなる非多孔性樹脂層が積層された複合フィルムである。
複合フィルムにおける多孔性樹脂フィルムと非多孔性樹脂フィルムとの積層方法は、特に限定しない。別々に作製した多孔性樹脂フィルムと非多孔性樹脂フィルムとを重ね合わせた後、圧着により接合一体化してもよいし、重ね合わせた後、焼結により一体化したものであってもよいし、さらに、多孔性樹脂フィルムを基体として使用し、この上に、非多孔性樹脂を押出し等により積層することで一体化された非多孔性樹脂層を形成してもよい。
複合フィルム5の積層構造としては、多孔性樹脂フィルム6の片面に非多孔質層7が積層一体化された構造(図2)、多孔性樹脂フィルム6の両面に非多孔質層7、7が積層一体化された構造(図3)、さらには、多孔性フッ素樹脂フィルム一層と、非多孔性フッ素樹脂フィルム一層からなるユニットを一単位として、2〜5単位を有する構造であってもよい。図4は、前記ユニットを2単位積層した場合を示している。各ユニットを構成する多孔性樹脂フィルムと非多孔性樹脂層の樹脂の種類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。このような複合フィルムにおいて、最外層を両面とも非多孔性フッ素樹脂フィルムとすることで、設置面との付着力に優れ、また、湿度の孔部への侵入を防ぐことができるので、帯電性の減衰を抑制できるという点で好ましい。
エレクトレットフィルムの厚みは、特に限定しないが、8〜200μmであることが好ましく、より好ましくは15〜150μmである。8μm未満では、スクリーン全体の厚みも薄くなり、取扱い性が低下したり、皺が発生しやすくなる。一方、分厚くなるにしたがって、帯電力が低下し、自重との関係で、接着力が低下する。
エレクトレット化するための処理方法としては、フィルムの両面に電極を設けた後、高電圧を印加する方法、フィルム表面に電極を設けず、高電界下で数分間、保持する方法、金属板上に多孔性膜を載置し、フィルムから所定間隔をあけて、コロナ放電により荷電させる方法などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、コロナ放電する方法である。コロナ放電に際しては、多孔性フッ素樹脂フィルムの気孔内の空気をヘリウムやアルゴンに置換してもよい。これにより気孔内での放電が発生しやすくなり、圧電性の起源となる気孔部の帯電が発生しやすくなる。
複合フィルムを用いたエレクトレットフィルムの場合、複合フィルムの状態でエレクトレット化処理を行うことにより、複合フィルム全体を帯電させてもよいし、多孔性樹脂フィルムをエレクトレット化処理した後、非多孔質フィルムを積層してもよい。複合フィルムでは、多孔性樹脂フィルムと非多孔性樹脂層との界面で電荷がたまりやすいことから、複合フィルムの状態でエレクトレット処理を行うことにより、高いエレクトレット性を得ることが期待できる。
以上のようにして作製されるエレクトレットフィルムは、長期間にわたって静電気が帯電した状態を保持することから、フィルム自体が接着性を有する。エレクトレットフィルムの構成、使用する樹脂材料の種類等により異なるが、例えば、多孔質フッ素樹脂フィルムを用いた場合、アルミ板に対する静電付着力は、少なくとも0.1g/cm2以上、好ましくは0.2g/cm2以上である。ここでいう付着力とは、120℃で1時間半加熱処理した後、図5に示すように、アルミ板に、エレクトレットフィルムの一部が重なるように貼着した状態で、エレクトレットフィルムを、アルミ板と平行な方向にチャックで引き上げる際に必要な力から、エレクトレットフィルム及び表示部にかかる重力を除したものである。帯電した静電気の中で不安定なエネルギー状態にあるもの(エレクトレット状態にないもの)は、時間の経過または加熱により容易に減衰してしまう。120℃で1時間半加熱するのは、安定なエネルギー状態(エレクトレット状態)の帯電のみを残してフィルムの真の特性を評価するためである。
エレクトレットフィルム1の付着面1Aがこのような静電付着力を有することにより、安定的に設置面に付着することができ、スクリーンとして用いることができる。また、使用後は、設置面から、容易に手で引きはがすことができる。
<反射層>
エレクトレットフィルムの静電付着面1Aと反対側の面(投影面)1Bには、映像が映し出されるスクリーン反射面となる反射層2が積層されている。反射層2の表面がスクリーン反射面2Aとなる。
反射層2としては、具体的には、下記態様が挙げられる。
(i)エレクトレットフィルムの投影面1Bに、該エレクトレットフィルムの静電付着力、又は接着剤により貼着されたスクリーン用シート;
(ii)エレクトレットフィルムと一体的に積層されている非多孔性樹脂層;
(iii)エレクトレットフィルムの投影面に、塗料などを塗工することにより形成された塗工層。
(i)の態様
エレクトレットフィルムの投影面1Bに、スクリーン反射面となるシート(スクリーン用シート)を貼着した態様である。
上記スクリーン用シートとしては、反射型スクリーンを構成できるように、プロジェクターから受けた光を、鑑賞者のところに反射して映像を映し出すことができるフィルム又はシートで、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム又はシート;上質紙、中質紙、アート紙、ケント紙などの紙;キャンバス布等のスクリーンゲイン(反射輝度)が所定値以上の布帛などを用いることができる。
スクリーン用シートの厚みは、特に限定しないが、好ましくはスクリーンとしての厚み(エレクトレットフィルム1と反射層2の厚み総計)が、100〜500μm程度となるような厚みを有することが好ましい。スクリーンとしての厚みが100μm未満では、剛性が不足し、スクリーンを設置面から剥がすときに剥離作業性が低下する。一方、スクリーンとしての厚みが500μmを超えると、剛性が高くなりすぎて、スクリーンの可撓性が低下し、不使用時に巻き取って収納することが困難となる。
スクリーン用シートの映像が映し出される側の面(反射面)には、反射型スクリーンとして所定のスクリーンゲイン(反射輝度)及び反射特性(視野角特性)を有するように、必要に応じて、エンボス加工等により表面に凹凸を形成するなど、アンチグレア処理されていることが好ましい。
エレクトレットフィルムとスクリーン用シートとの貼着は、エレクトレットフィルム1が本質的に有している静電付着力により着脱可能な状態で貼着してもよいし、接着剤により永続的に貼着してもよい。好ましくは、接着剤による貼着である。
接着剤層に用いられる接着剤としては、特に限定しないが、上記接着力を有する樹脂組成物として、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸エステルとアクリルニトリル共重合体、アクリル酸エステルとオレフィンとの共重合体等のアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、液状ゴム、及びこれらの混合物、さらには必要に応じて硬化剤を含有させた組成物を使用することができる。エレクトレットフィルムの種類、使用するスクリーン用シートの種類に応じて、適宜選択すればよい。
(ii)の態様
(i)の態様は、スクリーン用シートが接着剤を介してエレクトレットフィルムに貼着、あるいはエレクトレットフィルムの静電付着力で剥離可能に貼着されているのに対して、(ii)の態様では、反射層2となる非多孔質層が、エレクトレットフィルムと一体的に積層されている点が特徴である。反射層には帯電防止処理がなされていることが好ましい。
ここで、一体的に積層されているの意味は、(i)の態様のように、接着剤などを用いないので、エレクトレットフィルムと反射層との間に接着剤層などが介在しないこと、あるいはエレクトレットフィルムが本来有している静電付着力を利用した剥離可能な貼着でないことを意味する。従って、(ii)の態様における反射層は、(a)予め多孔質フィルム上に反射層となる非多孔質層を積層した複合フィルムをエレクトレット化処理して得られる、複合タイプのエレクトレットフィルムの非多孔質層である形態;(b)エレクトレットフィルム上に、非多孔質フィルムを圧着により接合一体化して形成される形態;(c)エレクトレットフィルム上に非多孔質フィルムを重ね合わせた後、焼結により一体化することにより形成される形態;(d)エレクトレットフィルムを基体として使用し、この上に、非多孔性樹脂を押出し等して、非多孔性樹脂層を積層一体化することによって形成される形態などが挙げられる。
(a)の形態の場合、特に反射面となる非多孔質層には静電吸着力を減じさせるために、帯電防止処理をすることが望ましい。エレクトレット処理後に積層一体化された非多孔質層であっても、表面が静電気で帯電しているので、反射面には、帯電防止処理を施しておくことが好ましい。
(iii)の態様
エレクトレットフィルムの投影面に、塗料を塗工し、得られた塗工膜を反射層としたものである。
塗工膜表面は、反射型スクリーンとして、所定のスクリーンゲインが得られるように、粗面であることが好ましい。エレクトレットフィルムの反射層側の面が多孔質フィルムで構成されている場合、通常、当該多孔質フィルム上にスクリーン用塗料を塗工することで、通常、表面が凹凸の塗工膜が形成される。
エレクトレットフィルムとして、反射層側の面がエンボス加工を施した凹凸面である場合には、得られる塗工面表面は、当該凹凸が反映された粗面となる。
エレクトレットフィルムとして、反射層側の面が非多孔質層の平滑面で構成されている場合、塗工膜表面を凹凸とするために、マトリックス樹脂に粒状添加剤が含有されている塗料を用いることが好ましい。前記粒状添加剤としては、例えば、d50が1〜100μmの球状、ラクビーボール状、不定形状のシリカ粒子、アルミナ粒子等のセラミック微粒子;ガラスビーズ:ポリスチレン粒子、ナイロン微粒子等の樹脂粒子など、顔料、樹脂充填用、表面処理用添加剤として用いられている粒状添加剤を用いることができる。
マトリックス樹脂としては、溶剤又は水に適宜溶解又は分散することができ、且つエレクトレットフィルム表面に塗工可能な塗膜形成樹脂であればよく、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル樹脂などを用いることができる。
粒状添加剤を含有する塗料を用いて形成される塗工膜は、含有されている粒状添加剤により、塗工膜表面は凹凸面となっている。表面の凹凸は、光拡散作用を有するので、反射層として機能することができる。表面が平滑であっても透明なマトリックス樹脂に粒状添加剤を配合した場合は、樹脂に入射した光が粒状添加剤にて反射されるので表面に凹凸を形成するのと類似の効果を付与することができる。
<収納部付きスクリーン>
図6は、本発明の静電付着スクリーンの他の実施形態である収納部付きスクリーンの一実施形態の構成(スクリーンが収納されていない状態)を示す図である。
エレクトレットフィルムと反射層とからなる静電付着スクリーン10の一端縁を収納した円筒形収納部11を備えている。当該収納部11の内部には、スクリーン10の一端縁に取り付けられた巻き芯が軸支されている。不使用時には、当該巻き芯12にスクリーンを巻き取ることにより、収納部11内に、スクリーン10を収納することができる。
スクリーン10の収納部11が取り付けられている側に対向する端縁には、巻止め部13が取り付けられていることが好ましい。
<タッチパネル機能付きスクリーン>
静電付着スクリーンの他の実施形態として、構成要素であるエレクトレットフィルムとして、フィルムの両面に、位置情報となる電気信号を取り出すための電極が配設されたエレクトレットフィルムを用いることにより、さらに、タッチパネルとしての機能を備えることができる。
図7は、タッチパネル機能付きスクリーンに用いられる電極付きエレクトレットフィルム20の一例を示す構成模式図である。エレクトレットフィルム15の一方の面の全面に電極16が配設され、他方の面に小型電極17、17…がマトリックス状に分布配置されている。18は、各電極に接続されたリード線で、信号処理部19に接続している。
電極付きエレクトレットフィルム20は、スクリーンをタッチすることにより生じる振動を検知して歪むことができる。かかる歪に基づいて、電極16、17間に電位差が発生するので、リード線18を通じて電気信号として取出すことができる。当該電気信号は、信号処理部19において、位置情報に変換され、プロジェクターの情報処理部へ送信される。情報処理部で、タッチされた位置情報を処理し、投影画面を切り替える。このようにして、スクリーンがタッチパネルとして機能することもできる。
情報処理部は、プロジェクターに備え付けられていてもよいし、スクリーンの近傍に配置してもよい。例えば、情報処理部に位置情報の信号処理部を搭載した情報処理デバイスとして、スクリーン近傍に設置できるようにし、電極付きスクリーンの出力端子を、情報処理デバイスの入力端子に接続して使用できるようにしてもよい。スクリーン及びスクリーン近傍の情報処理とプロジェクターの情報処理部との間の通信は、一般的な無線通信技術が利用できる。
<スピーカー機能付きスクリーン>
電極付きエレクトレットフィルム20を用いた静電付着スクリーンの他の実施形態として、スピーカー機能付きスクリーンを提供することもできる。
両面に電極を備えたエレクトレットフィルムは、電極に電圧を印加すると歪む圧電フィルムとして機能できる。したがって、音声情報を電気信号に変換する制御部を備えた音声情報処理デバイスをスクリーンの近傍に設置し、当該デバイスから出力される電気信号を、エレクトレットフィルムの電極端子と接続すると、スクリーンは、入力された電気信号に基づいて歪む。スクリーンの歪により空気を振動させ、スピーカーとして作用することができる。
本発明の静電付着スクリーンは、使用時に、適当な固定構造物の壁面に静電付着するだけでスクリーンとして用いることができ、不使用時には、巻き取ることができるので、収納スペースが小さくて済む。さらに、タッチパネル機能やスピーカ機能を付与することも可能となるので、従来のスクリーンの代替えとして有用である。
1 エレクトレットフィルム
1A 付着面
1B 投影面
2 反射層
2A 反射面
5 複合フィルム
6,6’ 多孔性樹脂フィルム
7,7’ 非多孔質層
10 静電付着スクリーン
11 収納部
12 巻き芯
13 巻き止め部
15 エレクトレットフィルム
16、17 電極
18 リード線
19 信号処理部
20 電極付きエレクトレットフィルム

Claims (9)

  1. フィルム内部に電荷を保持した樹脂製エレクトレットフィルム、及び該樹脂製エレクトレットフィルムの一面上に積層された反射層を備えた静電付着スクリーン。
  2. 前記樹脂製エレクトレットフィルムは、多孔性樹脂フィルムを含む単層フィルム又は積層フィルムであり多孔性樹脂フィルムがエレクトレット化されたものである請求項1に記載の静電付着スクリーン。
  3. 前記積層フィルムは、多孔性樹脂フィルム上に非多孔性樹脂層が積層されたユニットを少なくとも1単位含んだ複合フィルムである請求項2に記載の静電付着スクリーン。
  4. 前記多孔性樹脂フィルムは、延伸による多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルムである請求項2又は請求項3に記載の静電付着スクリーン。
  5. 前記反射層は、前記樹脂製エレクトレットフィルムに、接着剤層を介して積層されたプラスチックフィルム、紙、又は布帛である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電付着スクリーン。
  6. 前記反射層は、前記樹脂製エレクトレットフィルムに一体的に積層された非多孔性樹脂層である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電付着スクリーン。
  7. 前記反射層は、前記樹脂製エレクトレットフィルムの表面に塗工された塗工層である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電付着スクリーン。
  8. 前記樹脂製エレクトレットフィルムの両面に電極が設けられている請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電付着スクリーン。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の静電付着スクリーンの一端縁に、前記静電付着スクリーンの巻回体を収納するための収納部が備えられている収納部付き静電付着スクリーン。
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