JP2015031513A - 機能デバイスの製造方法、機能デバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents

機能デバイスの製造方法、機能デバイス、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】機能デバイスの製造方法において、一の基板に対して複数回接合工程をおこなう際に、接合力が低下することを抑制する。
【解決手段】機能デバイスの製造方法は、第1面に陥没部が形成された第1基板と、第2基板とを、用意し、第1基板の第1面側を第2基板に接合する第1接合工程と、第1基板の陥没部を含む基板部分を取り除き、陥没部と平面視で重なる第2基板の接合面を露出させる露出工程と、接合面上に第3基板を載置し、第2基板と第3基板との間に第1基板を位置させた状態で第2基板と第3基板とを接合する第2接合工程と、含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、機能デバイスの製造方法、機能デバイス、電子機器、および移動体に関するものである。
従来から、加速度や角速度等の物理量を検出する機能デバイスとして、ベース基板上に可動構造を有する素子部が設けられ、キャビティを有する蓋部で素子部を覆う構造の物理量センサーが知られている。
例えば、特許文献1には、ベース基板としてのシリコン基板と、蓋部としてのガラス封止基板と、が陽極接合法によって接合され、振動体で構成される素子部が蓋部に有するキャビティに内包され設けられた構造の機能デバイスとしての物理量センサーが開示されている。
特開平11−142430号公報
この様な機能デバイスは、ベース基板としてガラス基板を用い、そのベース基板上に素子部が形成されるシリコン基板を陽極接合し、その形成された素子部を覆う蓋部を陽極接合する構造の機能デバイスも検討されている。
しかしながら、上述した構造の機能デバイスにおいて、ベース基板は、蓋部、および素子部が形成されるシリコン基板との間で一般的に2回の接合を要する。これら接合に陽極接合法を用いることが好適であるが、接合回数を増す毎にベース基板としてのガラス基板に含まれる可動元素(ナトリウムイオン)が欠乏し、その結合力が低下するという課題があった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態、又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る機能デバイスの製造方法は、第1面に陥没部が形成された第1基板と、第2基板とを、用意し、第1基板の第1面側を第2基板に接合する第1接合工程と、第1基板の陥没部を含む基板部分を取り除き、陥没部と平面視で重なる第2基板の接合面を露出させる露出工程と、接合面上に第3基板を載置し、第2基板と第3基板との間に第1基板を位置させた状態で第2基板と第3基板とを接合する第2接合工程と、含むことを特徴とする。
この様な機能デバイスの製造方法によれば、第2基板は、第1接合工程において第1面に陥没部が形成された第1基板と接合される。第1基板は、露出工程において陥没部を含む基板の一部分が取り除かれる。さらに、第3基板は、第2接合工程において第2基板と第3基板との間に第1基板を位置させた状態で第2基板に接合される。第1接合工程で第2基板に接合される第1基板には、その接合される第1面に陥没部を形成することから、第2基板の接合面と陥没部が形成された部分との間には空隙が生じる。したがって、陥没部が形成された部分において、第1基板と第2基板とは接合されない。
ここで、第1接合工程で接合される第1基板の第1面には、第2基板と第3基板とが接合される第2基板の接合面上の接合領域に対向する部分に上述の陥没部が形成されている。
したがって、第2基板の接合面と接合される第1基板および第3基板は、重複して接合されない。よって、第1基板および第3基板と接合される第2基板の接合面の接合力の低下を抑制しつつ、第2基板と第1基板、および第2基板と第3基板を接合することができる。
[適用例2]
本適用例に係る機能デバイスの製造方法は、第1面に陥没部が形成された第2基板と、第1基板とを、用意し、第2基板の第1面に第1基板を接合する第1接合工程と、第2基板の陥没部と平面視で重なる第1基板の基板部分を取り除き、陥没部を露出させる露出工程と、陥没部上に第3基板を載置し、第2基板と第3基板との間に第1基板を位置させた状態で第2基板と第3基板とを接合する第2接合工程と、含むことを特徴とする。
この様な機能デバイスの製造方法によれば、第1基板は、第1接合工程において第1面に陥没部が形成された第2基板と接合される。第1基板は、露出工程において第2基板の陥没部と重なる部分の一部分が取り除かれる。さらに、第3基板は、第2接合工程において第2基板と第3基板との間に第1基板を位置させた状態で第2基板に接合される。
第1接合工程で第1基板に接合される第2基板には、その接合される第1面に陥没部を形成することから、第1基板の接合面と陥没部が形成された部分との間には空隙が生じる。したがって、陥没部が形成された部分において、第1基板と第2基板とは接合されない。ここで、第1接合工程で接合される第2基板の第1面には、第2基板と第3基板とが接合される接合領域となる部分に上述の陥没部が形成されている。したがって、第2基板と接合される第1基板および第3基板は、重複して接合されない。よって、第1基板および第3基板と接合される第2基板の接合面の接合力の低下を抑制しつつ、第2基板と第1基板、および第2基板と第3基板を接合することができる。
[適用例3]
上記適用例に係る機能デバイスの製造方法は、第1接合工程および第2接合工程は陽極接合を用いて接合することが好ましい。
この様な機能デバイスの製造方法によれば、陽極接合を用いることで、第1接合工程において第1基板と第2基板との接合を、また、第2接合工程において第2基板と第3基板との接合を分子間結合によって強固におこなうことができる。
[適用例4]
上記適用例に係る機能デバイスの製造方法は、第1接合工程の後に、第1基板を加工して機能デバイスを形成する素子部形成工程を含むことが好ましい。
この様な機能デバイスの製造方法によれば、第1接合工程によって第2基板と接合された後に第1基板を加工して機能デバイスを形成する素子部形成工程を含むことで、第1基板を接合する際に機能デバイスが破損することを抑制することができる。また、第1基板が第2基板に接合された状態で機能デバイスを形成することから、微細な回路素子を有する機能デバイスを素子部形成工程で形成することができる。
[適用例5]
上記適用例に係る機能デバイスの製造方法は、素子部形成工程に先んじて、第2基板における第3基板の接合領域を保護膜で覆うことが好ましい。
この様な機能デバイスの製造方法によれば、第2基板における第3基板の接合領域覆う保護膜を、素子部形成工程に先んじて形成する。保護膜が形成されることで、第3基板と接合される接合領域を素子部形成工程によるダメージから保護することができる。よって、第2接合工程で接合される第2基板と第3基板との間の接合力を高めることができる。
[適用例6]
本適用例に係る機能デバイスは、機能素子と、機能素子が搭載されるベース基板と、機能素子上に配置され、且つ、ベース基板上に接合された蓋部材と、を含み、ベース基板には、蓋部材との接合面に陥没部が設けられ、蓋部材は、陥没部の表面上に接合されていることを特徴とする。
この様な機能デバイスによれば、ベース基板には機能素子が搭載され、機能素子上に配置され、且つ、ベース基板に蓋部材が接合されている。
機能素子と接合されているベース基板には、その接合される接合面に陥没部が設けられている。また、ベース基板と接合される蓋部材は、陥没部の表面上に接合されている。ここでベース基板と接合されている機能素子と蓋部材とは、重複して接合されていないことから、ベース基板との間の接合力の低下を抑制することができる。また、ベース基板に陥没部が設けられていることから、高精度な接合位置の調整を要することなく蓋部材板を接合させることができる。よって、各基板間の接合力を高めた信頼性の高い機能デバイスを得ることができる。
[適用例7]
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかの機能デバイスの製造方法で製造された機能デバイスが搭載されていることを特徴とする。
この様な電子機器によれば、第2基板と第1基板および第3基板との接合力の低下が抑制され、信頼性を高めた機能デバイスが搭載されることで、搭載される電子機器の信頼性を高めることができる。
[適用例8]
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかの機能デバイスの製造方法で製造された機能デバイスを搭載していることを特徴とする。
この様な移動体によれば、第2基板と第1基板および第3基板とがの接合力の低下が抑制され、信頼性を高めた機能デバイスが搭載されることで、搭載される移動体の信頼性を高めることができる。
第1実施形態に係る機能デバイスを模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る機能デバイスを模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図。 第1実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図。 第2実施形態に係る機能デバイスを模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図。 第2実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図。 第3実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図。 第3実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図。 実施例に係る電子機器としてのパーソナルコンピューターを模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としての携帯電話機を模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としてのデジタルスチールカメラを模式的に示す図。 実施例に係る移動体としての自動車を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る機能デバイスについて、図1から図4を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る機能デバイスの概略を示す平面図である。図2は、図1中の線分A−A’で示す部分の機能デバイスの断面を模式的に示す断面図である。図3および図4は、第1実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図である。
説明の便宜のため、図1では蓋部の図示を省略している。なお、図1および図2では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は基板と蓋部とが重なる厚み方向を示す軸である。
[機能デバイス1の構造]
本実施形態の機能デバイス1は、第1基板を加工することで形成されている機能素子としての素子部3と、第2基板としてのベース基板2と、第3基板を加工することで形成されている蓋部材としての蓋部5と、を含み構成されている。
機能デバイス1は、図1、および図2に示す様に、ベース基板2と、ベース基板2上に素子部3と、配線部4と、が設けられている。また、機能デバイス1には、素子部3を覆う蓋部5が設けられている。
機能デバイス1において、素子部3は特に限定されることなく種々の能動素子や、受動素子として設けることができる。
本実施形態の機能デバイス1は、素子部3の一例として能動素子を用いた例を説明する。
機能デバイス1は、例えば、慣性センサーとして用いることができる。具体的には、加速度や角速度などの物理量を検出する物理量センサーとして用いることができる。
[ベース基板2]
ベース基板2は、素子部3、および配線部4等が設けられている基材である。ベース基板2は、板状をなし、その接合面2aに素子部3、および配線部4等が設けられている。
また、ベース基板2の接合面2aには、配線部4に沿って溝部24が設けられている。
ベース基板2の接合面2aには、空洞部21が設けられている。この空洞部21は、ベース基板2を接合面2aに対して垂直方向から平面視したときに、後述する素子部3を構成する可動錘33、可動電極部36,37、および梁部34,35を内包する様に設けられている。また、空洞部21は、内底21aを有する。この様な空洞部21は、可動錘33、可動電極部36,37、および梁部34,35がベース基板2に接触することを抑制する空間、換言すると、逃げ部を構成する。これにより、素子部3の可動錘33の変位を許容することができる。
なお、この空間は、空洞部21(凹部)に代えて、ベース基板2をその厚さ方向(Z軸方向)に貫通する開口部として設けても良い。また、本実施形態おいて、空洞部21を接合面2aに対して垂直方向から平面視したときの形状は、矩形をなしているが、これに限定されるものではない。
ベース基板2を構成する材料としては、絶縁性の材料を用いることが好ましい。例えば、素子部3としての第1基板にシリコン基板が用いられている場合、ベース基板2はホウ珪酸ガラスを用いるとより好ましい。
機能デバイス1は、例えば、ベース基板2を構成する材料としてホウ珪酸ガラスを用いた場合に、ベース基板2と、シリコン基板を用いた素子部3との間を陽極接合法により接合することができる。
ベース基板2は、素子部3を構成する材料との線膨張率の差を可及的に少なくすることができる材料で構成されることが好ましい。例えば、ベース基板2にホウ珪酸ガラスを、素子部3にシリコン基板を用いることで、ベース基板2と素子部3との間の線膨張率差が少なくなり、熱膨張による歪みによるベース基板2と素子部3との接合部分の破損を抑制することができる。
(素子部3)
素子部3は、固定部31,32と、可動錘33と、梁部34,35と、可動電極部36,37と、固定電極部38,39と、を含み構成されている。
素子部3は、例えば、加速度や角速度等の物理量の変化に応じて、可動錘33および可動電極部36,37が、梁部34,35を弾性変形させながら、図1に示す矢印aの方向、即ち、X軸方向(+X軸方向、または−X軸方向)に変位する。
素子部3は、前述の変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の間隙、および可動電極部37と固定電極部39との間の間隙がそれぞれ変化する。素子部3は、前述の間隙の変化に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間、および可動電極部37と固定電極部39との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。
機能デバイス1は、これらの静電容量の変化に基づいて、加速度や角速度等の物理量を検出することできる。
素子部3は、固定部31,32、可動錘33、梁部34,35、および可動電極部36,37が一体的に形成されているものである。
図1および図2に示すように、固定部31,32は、それぞれ、前述したベース基板2の接合面2aに接続されている。具体的には、固定部31は、空洞部21に対して−X軸方向側の部分に接続されている。また、固定部32は、ベース基板2の接合面2aの空洞部21に対して+X軸方向側の部分に接続されている。また、固定部31,32は、接合面2aに対して垂直方向から平面視した場合に、それぞれ、空洞部21の外周縁21cを跨ぐように設けられている。
なお、固定部31,32の位置、および形状等は、梁部34,35や配線部4等の位置および形状等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されるものでない。
(可動錘33)
可動錘33は、2つの固定部31,32の間に設けられている。本実施形態において可動錘33は、X軸方向に延びる長手形状をなしている。なお、可動錘33の形状は、素子部3を構成する各部の形状、大きさ等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されるものでない。
可動錘33は、固定部31に対して梁部34を介して連結されるとともに、固定部32に対して梁部35を介して連結されている。より具体的には、可動錘33の−X軸方向側の端部が梁部34を介して固定部31に連結されるとともに、可動錘33の+X軸方向の端部が梁部35を介して固定部32に連結されている。
梁部34,35は、可動錘33が可動できる様に固定部31,32に対して連結されている。
梁部34は、複数の梁341,342で構成されている。梁341,342は、それぞれ、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延伸する形状をなしている。梁部35は、梁部34と同様にY軸方向に蛇行しながらX軸方向に延伸する形状をなす複数の梁351,352で構成されている。
本実施形態において梁部34,35は、主に図1において矢印aで示す+X軸方向及び−X軸方向に可動錘33が変位(可動)を成し得るように構成されている。
(可動電極部36,37)
可動電極部36は、可動錘33が変移するX軸方向(図2に示す矢印aの両方向)と交差するY軸方向に向かって可動錘33から延設されている。可動電極部36は、可動錘33から+Y軸方向に突出し、櫛歯状をなす様に並んで複数設けられている。
可動電極部37は、可動錘33が変移するX軸方向(図2に示す矢印aの両方向)と交差する−Y軸方向に向かって可動錘33から延設されている。可動電極部37は、可動錘33から−Y軸方向に突出し、櫛歯状をなす様に並んで複数設けられている。
このように複数の可動電極部36、および複数の可動電極部37は、それぞれ、可動錘33が可動するX軸方向(図1において示す矢印aの方向)に並んで設けられている。換言すると、複数の可動電極部36,37は、可動錘33変位する方向となるX軸方向に沿って並んで、かつ、変位する方向と交差するY軸方向の両側に延伸する様に設けられている。これにより、可動錘33の変位に応じて後述する固定電極部38,39と、可動電極部36,37との間に生じる静電容量を変化させることができる。
(固定電極部38,39)
固定電極部38は、前述した可動電極部36に対して間隙を有し、噛み合う櫛歯状をなすように設けられている。
固定電極部38は、第1固定電極部としての固定電極381と、第2固定電極としての固定電極382と、を含み構成されている。固定電極381,382は、それぞれ可動電極部36と間隙を有し、設けられている。なお、固定電極部38と記す場合は、固定電極381,382を含むものとして説明する。
固定電極部39は、前述した固定電極部38と同様に、可動電極部37に対して間隙を有し、噛み合う櫛歯状をなすように設けられている。固定電極部39は、第3固定電極部としての固定電極391と、第4固定電極としての固定電極392と、を含み構成されている。固定電極391,392は、それぞれ可動電極部37と間隙を置いて設けられている。なお、固定電極部39と記す場合は、固定電極391,392を含むものとして説明する。
固定電極部38は、可動錘33とは反対側の端部が接合面2a上に延設されている配線部4に接続されている。固定電極部38は、配線部4に接続された側の一端を固定端とし、その反対側を自由端として可動錘33が設けられている−Y軸方向へ延設されている。
固定電極部39は、可動錘33とは反対側の端部が接合面2a上に延設されている配線部4に接続されている。固定電極部39は、配線部4に接続された側の一端を固定端とし、その反対側を自由端として可動錘33が設けられている+Y軸方向へ延設されている。
(配線部4)
配線部4は、配線41,42,43と、パッド電極44,45,46とで構成されている。配線部4は、ベース基板2の接合面2a上に設けられた溝部24に配設されている。
配線41,42,43は、一端が固定部31、および固定電極部38,39に向かって延設され、他端がパッド電極44,45,46と接続されている。
配線41は、ベース基板2の接合面2a上、かつベース基板2の外周縁2cと、空洞部21の外周縁21cと、の間に設けられている。また、配線41に沿って溝部24aが設けられ、その溝部24aの内底面に配線41が配設されている。
配線41は、複数の固定電極部38,39のうち、第1固定電極としての固定電極381、及び第3固定電極としての固定電極391と電気的に接続されている。また、配線部4は、固定電極部38,39と接続された一端と異なる他端が、ベース基板2の接合面2a上においてパッド電極44と接続されている。
配線42は、ベース基板2の接合面2a上、かつベース基板2の外周縁2cと、空洞部21の外周縁21cと、の間に設けられている。また、配線42に沿って溝部24bが設けられ、その溝部24bの内底面に配線42が配設されている。
配線42は、複数の固定電極部38,39のうち、第2固定電極としての固定電極382、及び第4固定電極としての固定電極392と電気的に接続されている。また、配線42は、固定電極部38,39と接続された一端と異なる他端が、ベース基板2の接合面2a上において、パッド電極45と接続されている。
配線43は、ベース基板2上の固定部31からベース基板2の外周縁2cに向かって接合面2a上に設けられている。また、配線43に沿って溝部24cが設けられ、その溝部24cの内底面に配線43が配設されている。配線43は、固定部31と接続された一端と異なる他端が、ベース基板2の接合面2a上において、パッド電極46と接続されている。
配線部4を構成する材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されることはない。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)、クロム(Cr)、又はこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの一種、又は複数を組み合わせて用いることができる。
(蓋部5)
蓋部5は、上述した素子部3を保護するために設けられている。蓋部5は、ベース基板2の接合面2aと接合されている。
蓋部5には、ベース基板2と対向する面に凹形状を有する空間部としてのキャビティ52が設けられている。
キャビティ52は、素子部3を内包する様に設けられている。具体的には、可動錘33および可動電極部36,37等の変位を許容する様に設けられている。また、接合面2aに対して垂直方向におけるキャビティ52の深さは、当該方向における素子部3の厚みより大きく(深く)設けられている。これによって、素子部3の可動を許容することができる。
蓋部5は、前述したベース基板2の接合面2aに接続され、その接続方法として陽極接合(接続)法を用いることができる。
蓋部5を構成する材料としては、キャビティ52となる凹形状の加工が容易な材料が好適である。また、蓋部5を構成する材料としては、蓋部5とベース基板2との接合に陽極接合法を用いる本実施形形態においてはシリコン基板を用いると好適である。
[機能デバイス1の製造方法]
次に、機能デバイス1の製造方法について説明をする。
図3および図4は、機能デバイス1の製造工程を説明する断面図であって、図1に示す線分A−A’における機能デバイス1の断面を模式的に示している。
機能デバイス1の製造方法は、ベース基板準備工程と、ベース基板加工工程と、配線部形成工程と、を含んでいる。また、機能デバイス1の製造方法は、第1基板としての素子基板103と、第2基板としてのベース基板2と、を接合する第1接合工程と、素子基板103に素子部3を形成する素子部形成工程と、素子基板103の一部を除去する露出工程と、ベース基板2と第3基板としての蓋部5とを接合する第2接合工程と、を含んでいる。
なお、ここでは、単一の機能デバイス1を形成することを前提に説明するが、複数の機能デバイス1を並列に配列して製造しても良い。
[ベース基板準備工程]
図3(a)は、素子部3および配線部4等が形成されるベース基板2が準備された状態を示している。
ベース基板準備工程は、素子部3および配線部4等が形成され、蓋部5が接合されるベース基板2を準備する工程である。
[ベース基板加工工程]
図3(b)は、ベース基板2の接合面2aに空洞部21および溝部24が形成された状態を示している。
ベース基板加工工程は、接合面2a上に空洞部21および溝部24を形成する工程である。
空洞部21および溝部24は、これらが形成される部分が開口したマスクパターン(不図示)を接合面2a上に形成し、ウエットエッチング法によってベース基板2をエッチングすることで、形成することができる。なお、ベース基板加工工程は、ベース基板2に空洞部21および溝部24を形成する方法としてウエットエッチング法を用いているが、これに限定されることなくドライエッチング法を用いても良い。
[配線部形成工程]
図3(c)は、ベース基板2の接合面2a上に配線部4が形成された状態を示している。
配線部形成工程は、図3(c)に示す接合面2a上に形成された溝部24(24a,24b,24c)に沿って、配線部4(配線41,42,43)を形成する工程である。
配線部4は、配線部4が形成される溝部24に沿って開口したマスクパターン(不図示)を接合面2a上に形成し、スパッタリング法によって導電性材料を接合面2a上に堆積させることで、形成することができる。なお、配線部形成工程は、接合面2a上に配線部4を形成する方法としてスパッタリング法を用いているが、これに限定されることなくCVD(chemical vapor deposition)法によって導電性材料を接合面2a上に堆積させ、フォトリソグラフィー法を用いて配線部4のパターニングを行い形成しても良い。
[第1接合工程]
第1接合工程は、図3(d)に示す素子部3となる素子基板103をベース基板2の接合面2aに接合する工程である。
第1接合工程は、接合面2a上に、後述する素子部形成工程で素子部3が形成される材料となる素子基板103を陽極接合法によって接合する工程である。
ここで本実施形態の素子基板103には、予め陥没部113が形成されている基板を用いている。陥没部113は、後述する第2接合工程によって、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合面2a上の接合領域56aを覆う様に素子基板103に設けられている。ここで、接合領域56aとは、ベース基板2と蓋部5とが接合される部分であり、ベース基板2の接合面2a上に有する仮想の領域である。
また、第1接合工程においてベース基板2と素子基板103との接合は、接合面2aに対して垂直方向から平面視した場合に、少なくとも一部の接合領域56aを陥没部113が覆う様におこなう。
なお、素子基板103への陥没部113の形成は、例えば、ベース基板2と接合される面に、陥没部113が形成される部分が開口したマスクパターンを形成し、フォトリソグラフィー法によって形成することができる。
当該第1接合工程において、陽極接合法によるベース基板2と素子基板103との接合は、ナトリウムなどのアルカリ金属元素(可動元素)を含むホウ珪酸ガラスを用いたベース基板2と、導電性を有するシリコンを用いた素子基板103と、を高温(概ね300℃から500℃)の不活性ガス雰囲気中(窒素、アルゴン)、もしくは真空中に載置する。さらに、ベース基板2と素子基板103との間に、高電圧(概ね400Vから800V)を印加する。これにより、ベース基板2と素子基板103とは、接合される接合面2a上において静電引力による共有結合が生じ、互いに強固に接合されるものである。
より詳しくは、ベース基板2(ホウ珪酸ガラス)にはナトリウム(Na)などのアルカリ金属元素(可動元素)が含まれており、これらの可動元素(Naイオン)は、ベース基板2(ホウ珪酸ガラス)の中で自由に運動することができる。一方、ベース基板2(ホウ珪酸ガラス)を構成するSiO2のいずれかに元素の欠陥(欠落)があると、SiO-の電荷を持ち、可動元素と対になって電気的に中性を保つ。
この様な特性を有するベース基板2を高温にさらし、可動元素が動きやすい条件で電極を介してベース基板2にマイナスの電圧を印加すると、電極が設けられた側に可動元素が移動する。ベース基板2とシリコンで構成される素子基板103との接合面である接合領域56aにおいて、ベース基板2側(接合面2a)にはSiO-空乏層(Naイオンが欠乏した層)、素子基板103側の第1面103aには、プラスの電荷が集まった層が形成される。これにより、ベース基板2の接合面2aと、素子基板103の第1面103aと、の界面で静電引力が発生しすることで共有結合が生じ、ベース基板2と素子基板103とが接合される。
ところで、接合された接合面2aと第1面103aとの界面には前述した様に可動元素が欠乏した状態が生じる。よって、再度同じ接合面2a上において陽極接合をおこなう場合、ベース基板2の接合面2a付近に内包される可動元素が欠乏していることから、その接合力が低下する虞がある。
そこで、本実施形態の機能デバイス1の製造方法は、第2接合工程でベース基板2と蓋部5とが接合される接合面2a上の接合領域56aを、第1接合工程において素子基板103と接合されない様に素子基板103に陥没部113を設けている。第1接合工程において、ベース基板2と、陥没部113が設けられた素子基板103と、が接合されることで接合面2a上の接合領域56aにおけるNaイオンの欠乏を抑制することができる。
よって、後述する第2接合工程でベース基板2と蓋部5とが接合する際に、これらが接合される接合領域56aでNaイオンを運動させることができるとともに、接合領域56aにおいてベース基板2と蓋部5とが静電引力によって共有結合が生じ強固に接合することができる。
[素子部形成工程・露出工程]
素子部形成工程は、素子基板103を加工し、素子部3を構成する固定部31,32、可動錘33、梁部34,35、可動電極部36,37、および固定電極部38,39を形成する工程である。
露出工程は、ベース基板2と接合されている素子基板103の陥没部113を含む一部分の除去をおこなう工程である。
図3(e)は、素子基板103が素子部3を形成するために必要な厚みに薄板化された状態を示している。
素子部形成工程は、図3(e)に示す素子基板103の薄板化をおこなう工程を含む。
素子基板103の薄板化は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法によっておこなうことができる。なお、素子部形成工程は、素子基板103を薄板化する方法としてCMP法を用いているが、これに限定されることなく、ラップ研磨法などを用いても良い。なお、素子基板103の薄板化をおこなう工程は、素子基板103の厚みや素子部3の厚みによって適宜実施すれば良い工程で、必須の工程ではない。
図4(f)は、素子部3が形成された状態を示している。また、陥没部113を含む一部分の素子基板103が除去された状態を示している。
素子部形成工程は、図4(f)に示す様に薄板化された素子基板103をパターニングすることで素子部3の形成をおこなう。また、露出工程は、素子部形成工程と同時に、陥没部113を含む一部分の素子基板103を除去するためのパターニングをすることで、蓋部5が接合される接合領域56aを露出させる。
素子部3の形成は、素子基板103に固定部31,32、可動錘33、梁部34,35、可動電極部36,37、および固定電極部38,39のパターニングを行い、例えば、ドライエッチング法を用いておこなうことができる。なお、素子部形成工程は、素子部3の形成にドライエッチング法を用いているが、これに限定されることなく、ウエットエッチング法などを用いてパターニングを行い、素子部3を形成しても良い。
露出工程は、素子部形成工程による素子部3の形成と同時に、素子部3として不要な部分の素子基板103の除去をおこなう。素子基板103が除去されることで、先に形成されていた陥没部113も除去される。これにより、素子基板103と接合されなかった陥没部113と対向する接合領域56aが露出し、後述する第2接合工程で蓋部5が接合される。
[第2接合工程]
図4(g)は、ベース基板2に蓋部5が接合された状態を示している。
第2接合工程は、接合面2aにキャビティ52を有する蓋部5を接合する工程である。
ここで本実施形態の蓋部5には、予めキャビティ52が形成されているものを用いている。なお、蓋部5へのキャビティ52の形成は、ベース基板2と接合される面5aに、キャビティ52が形成される部分が開口したマスクパターンを形成し、フォトリソグラフィー法によって形成することができる。
第2接合工程は、接合面2aに対して垂直方向からの平面視した場合に、キャビティ52が設けられている蓋部5の頂面54aと接合面2a上の接合領域56aとが重なる様に、ベース基板2と蓋部5との接合をおこなう。
第2接合工程は、陽極接合法を用いてベース基板2と蓋部5の接合をおこなう。ベース基板2と蓋部5との陽極接合法による接合は、第1接合工程におけるベース基板2と素子基板103との陽極接合と同様に、ベース基板2とシリコン基板で構成されている蓋部5とを高温の不活性ガス雰囲気中もしくは真空中に載置する。さらにベース基板2と蓋部5との陽極接合は、ベース基板2と蓋部5との間に高電圧を印加することで、接合領域56a上において共有結合が生じ接合されるものである。
第2接合工程は、前述した第1接合工程においてベース基板2の接合面2a上に有する接合領域56aが素子基板103と当接(接合)されていないため、当該接合領域56aにおけるNaイオンの欠乏が生じていない。
よって、第2接合工程でベース基板2と蓋部5とが接合する際にこれらが接合される接合領域56aでNaイオンを運動させることができるとともに、接合領域56aにおいてベース基板2と蓋部5とが静電引力によって共有結合が生じ強固に接合することができる。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様な機能デバイス1の製造方法によれば、ベース基板2は、第1接合工程において素子基板103と接合され、第2接合工程において蓋部5と接合される。
第1接合工程でベース基板2に接合される素子基板103には、その接合される第1面103aに陥没部113を形成することから、ベース基板2の接合面2aと、陥没部113が形成された素子基板103との間には空隙を有する。よって、陥没部113が形成された部分においては、ベース基板2と素子基板103とは接合されない。
第2接合工程で接合されるキャビティ52を有する蓋部5は、素子部形成工程によって形成された素子部3をキャビティ52に内包する様にベース基板2と接合される。
ここで、第1接合工程で接合される素子基板103の第1面103aには、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合領域56aに対向する部分に陥没部113が形成されている。
これにより、ベース基板2の接合面2aと接合される蓋部5および素子基板103は、重複して接合されない。また、蓋部5および素子基板103と接合されるベース基板2に内包されるNaイオンの欠乏が抑制される。
したがって、この様な機能デバイス1の製造方法は、ベース基板2と素子基板103、およびベース基板2と蓋部5の接合を複数工程に分けておこなっても、接合力の低下が抑制されるとともに、陽極接合法によって強固に接合することができる。また、この様な機能デバイス1の製造方法は、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合領域56aと対向する素子基板103の一部に陥没部113を形成することで強固に接合される。また、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合領域56aと対向する素子基板103に陥没部113を形成することで、さらに強固に接合されるとともに、蓋部5のキャビティ52内の気密を高め内包される素子部3の酸化(劣化)を抑制することができる機能デバイス1を製造することができる。また、各基板間の接合力を高め、素子部3の劣化を抑制した機能デバイス1を得ることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る機能デバイスについて、図5から図7を用いて説明する。
図5は、第2実施形態に係る機能デバイスを模式的に示す断面図である。図5は、図1中の線分A−A’で示す部分と同等の機能デバイスの断面を模式的に示すものである。また、図6および図7は、第2実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図である。図5では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示し、Z軸は、基板と蓋部とが重なる厚み方向を示す軸である。
第2実施形態に係る機能デバイス1aは、第1実施形態で説明した機能デバイス1とはベース基板2と蓋部5が接続されている接合領域56aにおいて、ベース基板2の第1面となる接合面2a上に陥没部26が設けられている点が異なる。即ち、陥没部26の内底面(表面)が接合領域56aとなる。
その他の構成等は、第1実施形態で上述した機能デバイス1と略同じであるため、同様の構成には同じ符号および符番を付して説明を一部省略して機能デバイス1aについて説明する。
[機能デバイス1aの構造]
本実施形態の機能デバイス1aは、第1実施形態で上述した機能デバイス1と同様に、加速度や角速度などの物理量を検出する物理量センサーとして用いることができる。
機能デバイス1aには、図5に示す様に、ベース基板2と、ベース基板2上に素子部3と、配線部4と、が設けられている。また、機能デバイス1aには、素子部3を覆う蓋部5が設けられている。
(ベース基板2)
機能デバイス1aにおいてベース基板2の接合面2aには、陥没部26が設けられている。陥没部26は、接合面2aに対して垂直方向から平面視した場合に、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合領域56aと重なる様に設けられている。陥没部26は、有底の溝形状を有し、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合領域56aに沿って設けられている。即ち、陥没部26の内底面が接合領域56aとなる。
その他の機能デバイス1aの構成は、第1実施形態で上述した機能デバイス1と同様であるため、説明を省略する。
[機能デバイス1aの製造方法]
機能デバイス1aの製造方法について説明をする。
図6および図7は、機能デバイス1aの製造工程を説明する断面図であって、図1に示す線分A−A’における機能デバイス1と同様の断面を模式的に示している。
本実施形態の機能デバイス1aの製造方法は、第1実施形態で説明をした機能デバイス1と同様に、基板準備工程と、ベース基板加工工程と、配線部形成工程と、を含んでいる。また、機能デバイス1aの製造方法は、第1基板としての素子基板103と第2基板としてのベース基板2とを接合する第1接合工程と、素子基板103に素子部3を形成する素子部形成工程と、素子基板103の一部を除去する露出工程と、ベース基板2と第3基板としての蓋部5とを接合する第2接合工程と、を含んでいる。
本実施形態の機能デバイス1aの製造方法は、第1実施形態で説明をした機能デバイス1の製造方法とは、ベース基板加工工程においてベース基板2の接合面2a上に陥没部26を形成する点が異なる。その他の構成等は、第1実施形態で上述した機能デバイス1と略同じであるため、同様の構成には同じ符号および符番を付して説明を一部省略して説明する。
なお、ここでは、単一の機能デバイス1aを形成することを前提に説明するが、複数の機能デバイス1aを並列に配列して製造しても良い。
[ベース基板準備工程]
図6(a)は、素子部3および配線部4等が形成されるベース基板2が準備された状態を示している。
ベース基板準備工程は、第1実施形態と同様に素子部3および配線部4等が形成され、蓋部5が接合されるベース基板2を準備する工程である。
[ベース基板加工工程]
図6(b)は、ベース基板2の接合面2aに空洞部21、溝部24、および陥没部26が形成された状態を示している。
ベース基板加工工程は、図6(b)に示す接合面2aに空洞部21、溝部24、および陥没部26を形成する工程である。
空洞部21、溝部24、及び陥没部26は、これらが形成される部分が開口したマスクパターン(不図示)を接合面2a上に形成し、ウエットエッチング法によってベース基板2をエッチングすることで、形成することができる。なお、ベース基板加工工程は、空洞部21、溝部24、及び陥没部26を形成する方法としてウエットエッチング法を用いているが、これに限定されることなくドライエッチング法を用いても良い。
[配線部形成工程]
図6(c)は、ベース基板2の接合面2a上に配線部4が形成された状態を示している。
配線部形成工程は、図6(c)に示す接合面2a上に形成された溝部24(24a,24b,24c)に沿って、配線部4(配線41,42,43)を形成する工程である。
配線部形成工程は、第1実施形態で上述した機能デバイス1における配線部形成工程と同様のため説明を省略する。
[第1接合工程]
第1接合工程は、図6(d)に示す様に、素子部3となる素子基板103をベース基板2の接合面2aに接合する工程である。
第1接合工程は、接合面2a上に後述する素子部形成工程で素子部3を形成する材料となる素子基板103を陽極接合法によって接合する工程である。
第1接合工程は、ベース基板2の接合面2aと素子基板103の第1面103aとが接合される際に、陥没部26の内底面となる接合領域56aと素子基板103との間に空間が生じるとともに、接合領域56aが素子基板103と当接しない。
よって、第1接合工程は、素子基板103と、陥没部26が設けられたベース基板2と、が接合されることによる接合面2a上の接合領域56aにおけるNaイオン(可動元素)の欠乏を抑制することができる。
ここで、接合領域56aとは、ベース基板2と蓋部5とが接合される部分であり、接合面2a上に設けられた陥没部26の内底面に有する仮想の領域である。
なお、第1実施形態で上述した機能デバイス1の製造方法において、素子基板103には予め陥没部113が形成されていたが、本実施形態の機能デバイス1aにおいては、その形成は必須でない。例えば、第1接合工程において、陥没部113が形成されている素子基板103を接合する場合には、接合面2aに対して垂直方向からベース基板2と素子基板103とを平面視した時に陥没部26と陥没部113とが重なる様に接合を行う。
[素子部形成工程・露出工程]
素子部形成工程は、素子基板103を加工し、素子部3を構成する固定部31,32、可動錘33、梁部34,35、可動電極部36,37、および固定電極部38,39を形成する工程である。露出工程は、ベース基板2と接合されている素子基板103の一部分の除去をおこなう工程である。
図6(e)は、素子基板103が素子部3を形成するために必要な厚みに薄板化された状態を示している。素子部形成工程は、図6(e)に示す素子基板103の薄板化をおこなう工程を含む。なお、素子基板103の薄板化は、必要に応じて行えば良い。
また、図7(f)は、素子部3が形成された状態を示している。素子部形成工程は、図7(f)に示す様に薄板化された素子基板103をパターニングすることで素子部3の形成をおこなう工程を含む。また、陥没部26を露出させるように素子基板103の一部分が除去された状態を示している。
露出工程は、素子部形成工程による素子部3の形成と同時に、素子部3として不要な部分の素子基板103の除去をおこなう。素子基板103が除去されることで、先にベース基板2の接合面2a上に形成されていた陥没部26が現れる。これにより、素子基板103と接合されていなかった陥没部26の内底面となる接合領域56aが露出し、後述する第2接合工程で蓋部5が接合される。
その他の素子部形成工程および露出工程は、第1実施形態で上述した機能デバイス1における素子部形成工程同様の製造方法と同様のため、説明を一部省略する。
[第2接合工程]
図7(g)は、ベース基板2に蓋部5が接合された状態を示している。
第2接合工程は、接合面2aにキャビティ52を有する蓋部5を接合する工程である。
第2接合工程は、接合面2aに対して垂直方向から平面視した場合に、蓋部5の頂面54aと、接合面2a上に設けられた陥没部26の内底面である接合領域56aと、が重なる様に、蓋部5とベース基板2との接合をおこなう。
第2接合工程は、陽極接合法を用いてベース基板2と蓋部5との接合をおこなう。
第2接合工程は、前述した第1接合工程において陥没部26の内底面である接合領域56aが素子基板103と当接(接合)されていない。よって、当該領域における可動元素(Naイオン)の欠乏が生じていない。
よって、第2接合工程でベース基板2と蓋部5とが接合する際に、これらが接合される接合領域56aでNaイオンを運動させることができるとともに、接合領域56aにおいてベース基板2と蓋部5とが静電引力によって共有結合が生じ接合することができる。
機能デバイス1aのその他の構成、および製造方法は、第1実施形態で上述をした機能デバイス1の構成、および製造方法と同様であるため、説明を省略する。
上述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様な機能デバイス1aの製造方法によれば、ベース基板2は、第1接合工程において素子基板103と接合され、第2接合工程において蓋部5と接合される。
第1接合工程で素子基板103と接合されるベース基板2には、その接合される接合面2aに陥没部26を形成することから、素子基板103と、ベース基板2の接合面2aに陥没部113が形成された部分との間には空隙を有する。よって、陥没部26が形成された部分においては、ベース基板2と素子基板103とは接合されない。
第2接合工程で接合されるキャビティ52を有する蓋部5は、素子部形成工程によって形成された素子部3をキャビティ52に内包する様にベース基板2と接合される。
ここで、第1接合工程で接合されるベース基板2の接合面2aには、当該ベース基板2と蓋部5とが接合される接合領域56aと重なる様に陥没部26が形成されている。
これにより、ベース基板2の接合面2aと接合される蓋部5および素子基板103は、重複して接合されない。また、蓋部5および素子基板103と接合されるベース基板2に内包されるNaイオン(可動元素)の欠乏が抑制される。
したがって、この様な機能デバイス1aの製造方法は、ベース基板2と素子基板103、およびベース基板2と蓋部5の接合を複数工程に分けておこなっても、接合力の低下が抑制されるとともに、陽極接合法によって強固に接合することができる。また、別途の工程で素子基板103に陥没部113を設けることを要しないため生産効率を向上させることができる。また、この様な機能デバイス1aの製造方法は、ベース基板2と蓋部5とが強固に接合されるため、キャビティ52に内包される素子部3の酸化を抑制することができる機能デバイス1aを製造することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る機能デバイスの製造方法について、図8および図9を用いて説明する。
図8および図9は、第3実施形態に係る機能デバイスの製造工程を説明する説明図である。図8および図9は、図1中の線分A−A’で示す部分と同等の機能デバイスの断面を模式的に示すものである。
第3実施形態に係る機能デバイス1bは、第1実施形態で上述した機能デバイス1と構造は同様であるが、その製造方法において接合領域56aを覆う保護膜70を形成する工程を含む点が異なる。
その他の構成等は、第1実施形態で上述した機能デバイス1と略同様であるため、同様の構成には同じ符号および符番を付して説明を一部省略して機能デバイス1bについて説明する。
[機能デバイス1bの製造方法]
機能デバイス1bの製造方法について説明をする。
図8および図9は、機能デバイス1bの製造工程を説明する断面図であって、図1に示す線分A−A’における機能デバイス1と同様の断面を模式的に示している。
本実施形態の機能デバイス1bの製造方法は、基板準備工程と、ベース基板加工工程と、保護膜形成工程と、配線部形成工程と、を含んでいる。また、機能デバイス1bの製造方法は、第1基板としての素子基板103と、第2基板としてのベース基板2と、を接合する第1接合工程と、素子部形成工程と、ベース基板2と第3基板としての蓋部5とを接合する第2接合工程と、を含んでいる。
なお、本実施形態においては単一の機能デバイス1bを形成することを前提に説明するが、複数の機能デバイス1bを並列に配列して製造しても良い。
[ベース基板準備工程]
図8(a)は、素子部3および配線部4等が形成されるベース基板2が準備された状態を示している。
ベース基板準備工程は、第1実施形態と同様に素子部3および配線部4等が形成され、蓋部5が接合されるベース基板2を準備する工程である。
[ベース基板加工工程]
図8(b)は、ベース基板2の接合面2aに空洞部21、および溝部24が形成された状態を示している。
ベース基板加工工程は、図8(b)に示す接合面2aに空洞部21および溝部24を形成する工程である。ベース基板加工工程は、第1実施形態で上述した機能デバイス1におけるベース基板加工工程と同様のため説明を省略する。
[配線部形成工程および保護膜形成工程]
図8(c)は、ベース基板2の接合面2a上に配線部4、及び保護膜70が形成された状態を示している。
配線部形成工程は、図8(c)に示す接合面2a上に形成された溝部24(24a,24b,24c)に沿って、配線部4(配線41,42,43)を形成する工程である。
配線部形成工程は、第1実施形態で上述した機能デバイス1の製造方法と同様のため説明を省略する。
保護膜形成工程は、図8(c)に示す接合面2a上に保護膜70を形成する工程である。
保護膜形成工程は、後述する第2接合工程でベース基板2と蓋部5が接合される接合領域56aを覆う保護膜70を形成する工程である。
保護膜70は、当該保護膜70が形成される部分が開口したマスクパターン(不図示)を接合面2a上に形成し、CVD(chemical vapor deposition)法よって成膜材料を接合面2a上に堆積させることで、形成することができる。保護膜70の成膜材料としては特に限定されないが、後述する素子部形成工程において、素子基板103のパターンニングに用いるドライエッチング工程からベース基板2(接合面2a)の保護をすることができれば良い。本実施形態の保護膜70は、例えば、DLC(diamond‐like carbon)膜として形成することが好ましい。DLC膜は、耐焼き付き性や化学的安定性にすぐれ、後述する第1接合工程、及び素子部形成工程におけるドライエッチング等のダメージから接合領域56aにおける接合面2aを保護することができる。また、保護膜70は、その材料として、後述する素子部形成工程におけるシリコン基板で構成される素子基板103のエッチングに対して耐性を備える材料であれば用いることができる。その一例として、金属(クロム、金、ニッケル、白金、等)膜、酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウム)膜、および窒化物膜等が挙げられる。
なお、配線部形成工程は、接合面2a上に配線部4を形成する方法としてCVD法を用いているが、これに限定されることなく真空蒸着法やスパッタリング法によって形成してもよい。
[第1接合工程]
第1接合工程は、図8(d)に示す様に、素子部3となる素子基板103をベース基板2の接合面2aに接合する工程である。
第1基板接合工程は、接合面2a上に後述する素子部形成工程で素子部3を形成する材料となる素子基板103を陽極接合法によって接合する工程である。
ここで本実施形態の素子基板103には、第1実施形態で上述した機能デバイス1と同様に予め陥没部113が形成されている基板を用いている。
陥没部113は、後述する第2接合工程によって、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合面2a上の接合領域56aおよび保護膜70を覆う様に素子基板103に設けられている。また、第1接合工程においてベース基板2と素子基板103との接合は、接合面2aに対して垂直方向から平面視した場合に、保護膜70と、少なくとも一部の接合領域56aと、を陥没部113が覆う様に行う。
[素子部形成工程・露出工程]
素子部形成工程は、素子基板103を加工し、素子部3を構成する固定部31,32、可動錘33、梁部34,35、可動電極部36,37、および固定電極部38,39を形成する工程である。露出工程は、ベース基板2と接合されている素子基板103の一部分の除去をおこなう工程である。
図8(e)は、素子基板103が素子部3を形成するために必要な厚みに薄板化された状態を示している。本実施形態の機能デバイス1bの製造方法は、第1実施形態の機能デバイス1の製造方法と同様に、必要に応じて素子基板103の薄板化をおこなう工程を含む。
図9(f)は、素子部3が形成された状態を示している。また、素子基板103の一部分が除去され保護膜70が形成されていた接合領域56aが露出された状態を示している。
素子部形成工程は、図9(f)に示す様に薄板化された素子基板103をパターニングすることで素子部3の形成をおこなう工程を含む。
素子部3の形成は、素子基板103に固定部31,32、可動錘33、梁部34,35、可動電極部36,37、および固定電極部38,39のパターニングを行い、例えば、ドライエッチング法を用いておこなうことができる。
機能デバイス1bの製造方法は、接合領域56aを覆う様に保護膜70が形成されていることから素子部形成工程におけるドライエッチングによるダメージから接合面2a(接合領域56a)を保護するとともに、後述する第2接合工程でおこなうベース基板2と蓋部5との接合面の密着性を高めることができる。
素子部形成工程において、素子基板103のパターンニングをおこない素子部3を形成および、接合領域56aと重なる素子基板103の除去をした後に、保護膜形成工程で形成した保護膜70の剥離をおこなう。保護膜70の剥離方法は特に限定されないが、例えば、ベース基板2と、素子部3と、に対してエッチング耐性を備えたエッチャントを用いたウエットエッチング法を用いることができる。
保護膜70が除去されることで、保護膜70によって保護されていた接合領域56aである接合面2aが現れる。
[第2接合工程]
図9(g)は、ベース基板2に蓋部5が接合された状態を示している。
第2接合工程は、接合面2aにキャビティ52を有する蓋部5を接合する工程である。
ここで本実施形態の蓋部5には、ベース基板2と接合される側の面5aに予めキャビティ52が形成されているものを用いている。
第2接合工程は、接合面2aに対して垂直方向から平面視した場合に、キャビティ52が設けられている蓋部5の頂面54aと接合面2a上の接合領域56aとが重なる様に、ベース基板2と蓋部5との接合をおこなう工程である。
第2接合工程は、陽極接合法を用いてベース基板2と蓋部5との接合をおこなう。第2接合工程は、前述した第1接合工程において素子基板103に陥没部113が形成されるとともに、接合領域56aを覆う保護膜70が形成されていたことから、接合領域56aが素子基板103と当接(接合)されていない。よって、第1接合工程において接合領域56aにおけるNaイオン(可動元素)の欠乏が生じていない。
よって、第2接合工程でベース基板2と蓋部5とを接合する際に、これらが接合される接合領域56aでNaイオン(可動元素)を運動させることができるとともに、接合領域56aにおいてベース基板2と蓋部5とが静電引力によって共有結合が生じ強固に接合することができる
上述した第3実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様な機能デバイス1bの製造方法によれば、ベース基板2と蓋部5とが接合される接合領域56aを覆う保護膜70を、素子部形成工程に先んじて形成する。保護膜70が形成されることで、素子部形成工程に用いる例えばドライエッチングよるダメージから接合領域56aを保護することができる。
よって、第2接合工程で接合されるベース基板2と蓋部5との間の接合力をさらに高めることができる。したがって、この様な機能デバイス1bの製造方法は、ベース基板2と蓋部5とが強固に接合されるため、キャビティ52に内包される素子部3の酸化を抑制することができる機能デバイス1bを製造することができる。
(実施例)
本発明の一実施形態に係る機能デバイス1、および機能デバイス1a,1bのいずれか(以下、総括して機能デバイス1として説明する。)を適用した実施例について、図10から図12を参照しながら説明する。
[電子機器]
先ず、本発明の一実施形態に係る機能デバイス1を適用した電子機器について、図10から図13を参照しながら説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る機能デバイスを備える電子機器としてのラップトップ型(またはモバイル型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、ラップトップ型パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1008を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。この様なラップトップ型パーソナルコンピューター1100には、そのラップトップ型パーソナルコンピューター1100に加えられる加速度等を検知して表示ユニット1106に加速度等を表示するための加速度センサー等として機能する機能デバイス1が内蔵されている。この様な機能デバイス1は、ベース基板2と蓋部5との接合強度を高め、素子部3が収容されるキャビティ52内の気密を高めることで信頼性を高めることができる。よって、信頼性の高いラップトップ型パーソナルコンピューター1100を得ることができる。
図11は、本発明の一実施形態に係る機能デバイスを備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204及び送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。この様な携帯電話機1200には、携帯電話機1200に加えられる加速度等を検知して、当該携帯電話機1200の操作を補助するための加速度センサー等として機能する機能デバイス1が内蔵されている。この様な機能デバイス1は、ベース基板2と蓋部5との接合強度を高め、素子部3が収容されるキャビティ52内の気密を高めることで素子部3の酸化を抑制し、信頼性を高めることができる。よって、信頼性の高い携帯電話機1200を得ることができる。
図12は、本発明の一実施形態に係る機能デバイスを備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。この様なデジタルスチールカメラ1300には、その落下からデジタルスチールカメラ1300を保護する機能を動作させるため、落下による加速度を検知する加速度センサーとして機能する機能デバイス1が内蔵されている。この様な機能デバイス1は、ベース基板2と蓋部5との接合強度を高め、素子部3が収容されるキャビティ52内の気密を高めることで素子部3の酸化を抑制し、信頼性を高めることができる。よって、信頼性の高いデジタルスチールカメラ1300を得ることができる。
なお、本発明の一実施形態に係る機能デバイス1は、図10のラップトップ型パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図11の携帯電話機、図12のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図13は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は、加速度センサーとして機能する機能デバイス1が各種制御ユニットに搭載されている。例えば、同図に示す様に、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知する機能デバイス1を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が車体1507に搭載されている。加速度を検知して車体1507の姿勢に応じた適切な出力にエンジンを制御することで、燃料等の消費を抑制した効率的な移動体としての自動車1500を得ることができる。
また、機能デバイス1は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
この様な機能デバイス1は、ベース基板2と蓋部5との接合強度を高め、素子部3が収容されるキャビティ52内の気密を高めることで素子部3の酸化を抑制し、信頼性を高めることができる。よって、信頼性の高い移動体1500を得ることができる。
1,1a,1b…機能デバイス、2…ベース基板、2a…接合面、3…素子部、4…配線部、5…蓋部、5a…接合される面、21…空洞部、24…溝部、26…陥没部、31,32…固定部、33…可動錘、34,35…梁部、36,37…可動電極部、38,39…固定電極部、41,42,43…配線、44,45,46…パッド電極、52…キャビティ、54a…頂面、56a…接合領域、70…保護膜、103…素子基板、103a…第1面、113…陥没部、341,342…梁、381,382,391,392…固定電極、1100…ラップトップ型パーソナルコンピューター、1200…携帯電話機、1300…デジタルスチールカメラ、1500…自動車。

Claims (8)

  1. 第1面に陥没部が形成された第1基板と、第2基板とを、用意し、
    前記第1基板の前記第1面側を前記第2基板に接合する第1接合工程と、
    前記第1基板の前記陥没部を含む基板部分を取り除き、前記陥没部と平面視で重なる前記第2基板の接合面を露出させる露出工程と、
    前記接合面上に第3基板を載置し、前記第2基板と前記第3基板との間に前記第1基板を位置させた状態で前記第2基板と前記第3基板とを接合する第2接合工程と、含むことを特徴とする機能デバイスの製造方法。
  2. 第1面に陥没部が形成された第2基板と、第1基板とを、用意し、
    前記第2基板の前記第1面に前記第1基板を接合する第1接合工程と、
    前記第2基板の前記陥没部と平面視で重なる前記第1基板の基板部分を取り除き、前記陥没部を露出させる露出工程と、
    前記陥没部上に第3基板を載置し、前記第2基板と前記第3基板との間に前記第1基板を位置させた状態で前記第2基板と前記第3基板とを接合する第2接合工程と、含むことを特徴とする機能デバイスの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の機能デバイスの製造方法において、
    前記第1接合工程および前記第2接合工程は陽極接合を用いて接合することを特徴とする機能デバイスの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の機能デバイスの製造方法において、
    前記第1接合工程の後に、前記第1基板を加工して機能デバイスを形成する素子部形成工程を含むことを特徴とする機能デバイスの製造方法。
  5. 請求項4に記載の機能デバイスの製造方法において、
    前記素子部形成工程に先んじて、前記第2基板における前記第3基板の接合領域を保護膜で覆うことを特徴とする機能デバイスの製造方法。
  6. 機能素子と、
    前記機能素子が搭載されるベース基板と、
    機能デバイス上に配置され、且つ、前記ベース基板上に接合された蓋部材と、を含み、
    前記ベース基板には、前記蓋部材との接合面に陥没部が設けられ、
    前記蓋部材は、前記陥没部の表面上に接合されていることを特徴とする機能デバイス。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載した機能デバイスの製造方法で製造された機能デバイスが搭載されたことを特徴とする電子機器。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載した機能デバイスの製造方法で製造された機能デバイスが搭載されたことを特徴とする移動体。
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