JP2015030256A - 段ボール紙を製造する方法および装置 - Google Patents

段ボール紙を製造する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 段ボール紙、とくに複両面段ボール紙の製造において、できるだけ少量の糊材を使用し、なるべく少ない熱を加えてその糊材を働かせることにより、製品に生じる反りを最小限に抑え、ラインスピードの変動があっても品質の変動が少ない段ボール紙を製造することができる製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】 糊材を塗布する片面段ボールの段頂およびライナの温度を、Aフルート片面段ボールおよびBフルート片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、Bフルート片面段ボールのライナは90±5℃に、ライナは50±10℃に調節すること、塗布する糊材の量を、接着に必要最小限とすること、最終工程で使用する熱盤を3群に分け、それらの温度を進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まるようにし、140〜180℃の範囲内において少なくとも20℃の差があるように設定すること、および、ウエートロールの数を後段ほど多くなるように置いて操業すること。
【選択図】 図2

Description

本発明は、段ボール紙の製造技術の改良に関し、段ボール紙製造のラインスピードを高く維持することが可能であり、かつ、ラインスピードが大きく変動しても、常に品質が安定した製品を得ることができる製造方法に関する。本発明はまた、その方法の実施に使用する装置にも関する。本発明は、両面段ボール紙および複両面段ボール紙いずれの製造にも適用可能であるが、後者の、それも中芯用原紙として強化紙を使用した強化中芯を有する複両面段ボール紙の製造に適用したとき、とりわけ存在意義が大きい。
周知のとおり、段ボール紙の製造は、中芯用原紙に段加工(コルゲート加工)を施したものを、まず裏ライナ原紙に貼り合わせて片面段ボール紙を用意し、それに表ライナ原紙を貼り合わせることによって行なう。得られたものが両面段ボール紙であって、厚さおよびコルゲートの寸法によって、Aフルート(以下「AF」)、Bフルート(以下「BF」)をはじめとする、さまざまな規格がある。複両面段ボール紙は、代表的にはAFとBFとを重ね、BFの段頂に表ライナを重ねて接着一体化する、というプロセスによって製造している。
糊材としては、現在もっぱらデンプンを水に分散させた液が使用されている。デンプン糊による接着に関していえば、両面段ボール紙の製造に関して、または複両面段ボール紙であってもAFおよびBFを製造する段階に関しては、比較的問題が少ないが、それらを表ライナと重ねる工程に先立つ、プレヒータによる予熱の程度、およびグルーマシンでの糊材の塗布、とりわけ塗布量の調節と、塗布された糊材への水蒸気の吹きつけによる加熱の程度が重要な因子である。これらの因子は、段ボール紙の製造に使用する材料によって、大きく左右される。
接着の能率を高めるため、両面段ボール紙を製造するにせよ、複両面段ボール紙を製造するにせよ、AFなりBFなりを、または両者を、「グルーマシン」と呼ばれる糊付け装置に入るに先立って、「(プレ)ヒータ」と呼ばれる加熱ロールに接触させて温度を高めておくことと、コルゲートの段頂に塗布した糊材に「スチーマー」から低圧の過熱水蒸気を吹き当てて加熱し、半糊化をさせることが行なわれている。AFまたはAF+BFに表ライナを重ね合わせ一体化したものは、続いて「熱盤」と呼ばれるヒータ上に送られる。その上から、「ウエートロール」による荷重を、キャンバスベルトを介して一体化したものに加えることによって、それを熱盤に押しつける。その状態で摺動させれば、その間に加熱されて糊材の糊化が完成し、乾燥されて両面段ボール紙または複両面段ボール紙の製品ができる。
段ボール紙製造の材料に対して水蒸気による熱を与えるスチーマーとして、はじめに出願人は、低圧の水蒸気を再加熱して高温の乾燥蒸気として噴き出す装置を発明し、「加速スチーマー」と名付けて提案した(特許文献1)。この装置における水蒸気の圧力は、0.1〜0.3kg/cmであり、再加熱後の温度は105〜130℃である。一方、複両面段ボール紙に多く使用される強化紙で中芯を製造した場合、その段頂に糊材を塗布したときの浸透が遅いことが問題であったから、それを改善するために出願人は、やはり水蒸気を吹き付けて加熱・加湿することを提案した(特許文献2)。この場合の水蒸気の圧力は0.2〜0.3kg/cm、温度は同じく105〜130℃である。続いて出願人は、加速スチーマーの改良型として、水蒸気吹き当て手段が段ボール紙製造時の流れ方向に複数個、典型的には3個並んだものを開発し、これも開示した(特許文献3)。この水蒸気吹き当て手段は、上面に多数のノズルを有する中空管の中段に高圧の水蒸気が通るパイプがあって、上部ヘッダー室と下部ヘッダー室とを分け、両室の間を水蒸気の通路が連絡する構造である。
段ボール紙製造の過程において、製品にしばしば生じる反りには、「上反り」すなわち製品段ボールの両縁が上方に向かう反りと、それに反対の方向の「下反り」とがある。現象的には、ラインスピードが低いときは上反りが、逆に高いときは下反りが生じやすい。これは、熱盤による加熱が片方の面から(下方から)しか行なわれないことが、その理由であって、表ライナと片面段ボールの段頂を接着するための糊材の水分が、熱盤によって加熱されて蒸発し、裏ライナ側に移行して裏ライナが伸びる原因となるところ、ラインスピードが低いとその水分が蒸発する熱が与えられ、裏ライナが収縮して上反りが生じ、ラインスピードが高くなると水分の蒸発する余裕がなく、裏ライナが伸びたままで下反りになるという機構である。いずれにせよ反りが生じる原因は、貼り合わせた材料がもつ水分含有量の偏りである。
そこで出願人は、貼り合わせに先立って水分が低い方の材料に水分を与えてバランスをとることを目的として、低温の水蒸気を吹き付ける手段「モイスナー」を開発した。材料がもつ水分含有量の偏りを是正するために、しばしば水スプレーが行なわれるが、モイスナーにより水蒸気を吹き付ける方が、与える水分量は低いが浸透が速く、材料の伸びが速やかに生じて、より効果的である。このように、段ボール紙製造工程において材料に水分を与えるモイスナーと、水分を与えるとともに温度を高めるスチーマーとは、既存の段ボール紙製造装置に付加して使用したとき、ラインスピードの促進とともに、反り、ウオッシュボード、罫線割れの防止など、製品品質の向上に顕著に寄与したため、段ボール紙製造業界に広く受け入れられて、多数使用されている。
特公昭59−15066号(特許第1448335号) 特公平04−74181号(特許第1794833号) 特公平03−65265号(特許第1701204号)
段ボール紙の製造は、ラインスピードの向上が顕著であって、今日では最高400m/分以上の高速が実現している。一方、段ボール紙の主たる用途である製函に関連して、最終製品である箱の補強のため、または開封の便宜のため、たとえばポリプロピレンテープのようなものを、製造されたばかりの段ボール紙に貼り付けることが多い。テープの貼り始めや貼り継ぎに当たっては、製造しつつある段ボール紙の走行速度を、ある時間にわたって緩めなければならないことが多い。ところが、このラインスピードの変動は、製品段ボール紙の品質に影響を与えることが少なくない。その主な理由は、前記したプレヒータによる加熱が、ラインスピードの低下により強化されて、材料が過度に高温になることにあって、加熱温度により材料の収縮の度合が異なってくることが、製品品質に影響する。
材料が過度に高温になることに対抗する手段は、熱を奪う水分を多量に存在させることであって、それは、多量の糊材を使用することで実現する。そこで、しばしば、接着に必要とする以上の量の糊材を適用することが行なわれる。しかし、多量の糊材とその中の水分を蒸発させるのに必要な多量の熱を適用するということは、段ボール紙にとっての大問題で、反りの回避を困難にする。反りは、貼り合わされた材料の間の水分含有量のバランスに起因する問題であるから、水分の足りない方に「モイスナー」から適度の水分を補ってやれば、一時的には反りが防止ないし回避できる。しかし、余分な水分を与えたり奪ったりすることは、紙を材料とする段ボール紙にとっては、致命的な悪影響をもたらす。たとえば、製品を折り曲げたときに外側のライナが裂ける、いわゆる「罫割れ」が起こりやすくなる。多量の糊材の適用はまた、いわゆる「ウオッシュボード」現象、すなわちライナが段の間に落ち込んで、段ボールの表面が洗濯板のように波打った形状となるという問題を引きおこす。
このように、多量の糊材の適用と多量の熱の適用とは、材料およびエネルギーのムダを招くだけでなく、反りのない段ボール紙製品を製造することを、さらに難しくして来た。ところで段ボール紙の製造において、反りにも増して重要な問題は、接着である。これまでは、接着を完全に行なうという観点から、とかく糊材を多量に適用することが行なわれ、その糊を乾燥させるのに時間がかかるため、ラインスピードを抑えることを余儀なくされていた。しかし、多量の糊材に多くの熱を与えることによって実現する接着は、いわゆる「表面接着」である。目指すべきは「浸透接着」、すなわち糊材が原紙に十分に浸透した上で接着する、より完全な接着である。
両面段ボール紙を製造する場合、中芯原紙および表ライナには普通紙を使用することが多く、普通紙は糊材の浸透が速やかであるから、初期接着が重要である。通常の操業では、片面段ボール紙の段頂も、表ライナも、温度は90〜100℃に加熱されている。中芯原紙として強化紙を使用する場合は、表ライナもKライナを使用することが多く、強化紙は糊剤の浸透が遅いので、糊材の量が少ないと浸透する前に糊化してしまうので、接着は表面接着になり、結果的に接着不十分であって、バリバリ音を立てて剥がれることになる。これを防ぐため、浸透接着をはかって糊材の量を多くした操業が行なわれるが、糊材の温度は35〜38℃程度(糊化温度は56〜63℃程度といわれている)であるから、それを塗布することによって、接着部分の温度が、上記の90〜100℃から、推定であるが60〜70℃に低下してしまう。ともかく浸透接着は実現するので問題ないが、乾燥に時間がかかるので、貼合速度つまりの低下は避けられない。
一方、複両面段ボール紙を製造する場合の問題は、AF片面段ボール紙とBF片面段ボール紙との接着にある。BF片面段ボール紙はAF片面段ボール紙と表ライナとに挟まれた中間の位置にあるため、一体化仕上げ工程において熱盤からの熱が伝わりにくいことが、その理由である。そこで、BF片面段ボール紙のライナの温度を、糊材の塗布に先立って85〜90℃程度に高めておく必要がある。
こうしたさまざまな検討を経て、発明者は、従来は常識とされて来た慣行に反して、材料に与える水分の量をできるだけ少なくすること、つまり、できるだけ少量の糊材を使用することとともに、過剰に至らない熱量を加えてその糊材を働かせることこそ、理想に近い接着を実現し、反りを抑えて、頻繁な、そして大幅なラインスピードの変動にも耐えて段ボール紙を製造する王道である、と考えるに至った。問題を解決するために、モイスナーおよびスチーマーのもつ機能を最大限に利用することもまた、発明者が心がけた事項である。
本発明の基本的な目的は、上記した発明者の思考を具体化し、できるだけ少量の糊材を使用することとともに、過剰に至らない熱量を加えてその糊材を働かせることを可能にし、それによって、段ボール紙に生じる反りなどの欠陥を最小限に抑え、ラインスピードの変動があってもその影響による品質の変動が少ない製品段ボール紙を与えることができ、かつ、材料とエネルギー消費が最小限で済む、改良された段ボール紙の製造方法を提供することにある。この改良された製造方法を実施するための段ボール紙の製造装置を提供することもまた、本発明の目的に属する。
本発明の特定的な目的は、段ボール紙製造の工程において、前述した、多量の水分の添加および熱の適用が引きおこす問題がとくに重大である、複両面段ボール紙の製造技術に関して、中芯用原紙が普通紙であっても強化紙であっても、その違いにかかわらず有利な、改良された段ボール紙の製造方法を提供することと、その方法を実施するための製造装置を提供することにある。
本発明の基本的な目的を達成する段ボール紙の製造方法は、両面段ボール紙を製造する方法であって、下記の諸工程:
A)中芯用原紙を段成形し、成形された中芯を裏ライナと貼り合わせることにより片面段ボールを製造すること、
B)製造された片面段ボールを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めること、
C)片面段ボールの中芯の段頂に対し、グルーマシンにおいて、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布すること、
D)塗布した糊材に、スチーマーから水蒸気を吹き付けて加熱することにより、糊材を半糊化させること、
E)表ライナを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めること、
F)この表ライナの上に、上記の片面段ボールを重ねて一体化すること、および
G)一体化したものを、異なる加熱温度に保持される少なくとも3群から成る熱盤上に供給し、複数のウエートロールを含むロール群により、キャンバスベルトを介して熱盤に押しつけて加熱し、半糊化した糊材を完全に糊化させて接着を進め、かつ乾燥すること、
を基本的な工程とする製造方法において、
1)片面段ボールおよびライナをヒータロールまたはプレヒータロールとヒータロールとに接触させて加熱するに当たり、これらロールに導入する熱媒体の温度を調節するとともに、ロールとの接触角度を調節することによって、片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、ライナは50±10℃にそれぞれ調節すること、
2)グルーマシンにおいて塗布する糊材の量を、接着に必要最小限とすること、
3)直列に並べた熱盤を三つのグループに分け、各グループの温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まるようにし、それらの温度を140〜180℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定すること、ならびに、
4)ウエートロールの数を、後段ほど多くなるように置いて操業すること、
を特徴とする製造方法である。
ここで、中芯の「段頂の温度」という語を用いたが、これは非接触式の温度計を用いて、移動しつつある片面段ボールの中芯側から測定したときに得られる温度のことであり、測定される温度は、段頂および段底を含めて、ある広がりをもった一定の領域の温度を平均した値にほかならない。糊材を塗布するのが段頂であり、その部分の温度が問題であるから、このように表現した次第である。これに対して、「ライナの温度」の方は、平面的なものの温度であるという点で、中芯のような問題はないが、やはり非接触式の温度計を用いて、移動しつつあるライナ用紙の一定の領域の温度を平均した値であることは、片面段ボールと違いはない。
本発明の特定的な目的を達成する段ボール紙の製造方法は、複両面段ボール紙を製造する方法であって、下記の諸工程:
)A芯用原紙を段成形し、成形されたA芯を裏ライナと貼り合わせることにより、Aフルート片面段ボールを製造することと、
)B芯用原紙を段成形し、成形されたB芯を裏ライナと貼り合わせることにより、Bフルート片面段ボールを製造することとを、同時に行なうこと、
)製造されたAフルート片面段ボールを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めることと、
)製造されたBフルート片面段ボールを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、プレヒータと接触させて加熱することにより温度を高めることとを、同時に行なうこと、
)Aフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、グルーマシンにおいて、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布することと、
)Bフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、グルーマシンにおいて、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布することとを、同時に行なうこと、
)Aフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布した糊材に、スチーマーから水蒸気を吹き付けて加熱することにより、糊材を半糊化させることと、
)Bフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布した糊材に、スチーマーから水蒸気を吹き付けて加熱することにより、糊材を半糊化させることとを、同時に行なうこと、
E)表ライナを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めること、
F)この表ライナの上に、上記のBフルート片面段ボールおよびAフルート片面段ボールを重ねて一体化すること、および
G)一体化したものを、異なる加熱温度に保持される少なくとも3群から成る熱盤上に供給し、複数のウエートロールを含むロール群により熱盤に押しつけて加熱し、半糊化した糊材を完全に糊化させて接着を進め、かつ乾燥すること、
を基本的な工程とする製造方法において、
1)Aフルート片面段ボール、Bフルート片面段ボールおよびライナをプレヒータロールおよびヒータロールと接触させて加熱するに当たり、これらのロールに導入する熱媒体の温度を調節するとともに、ロールとの接触角度を調節することによって、Aフルート片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、Bフルート片面段ボールのライナは90±5℃に、ライナは50±10℃に、それぞれ調節すること、
2)グルーマシンにおいて塗布する糊材の量を、接着に必要最小限とすること、
3)直列に並べた熱盤を三つのグループに分け、各グループの温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まるようにし、それらの温度を140〜180℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定すること、ならびに、
4)ウエートロールの数を、後段ほど多くなるように置いて操業すること、
を特徴とする製造方法である。
ここで、「Aフルート」といい「Bフルート」というのは、容易に理解されるとおり、2種のフルートであることを代表的に表現した語である。当業者には周知のとおり、フルートの規格にはA,B以外にもいくつかあるが、それらのものを除外する趣旨ではないし、場合によってはAとBとが同じフルートである場合も包含される。
本発明の製造方法によるときは、必要最小限の量の糊材を使用して接着を図るから、糊材に含まれる水分を蒸発させるために加えるべき熱量も、必要最小限で済む。要するに、従来よりも低温での操業と、段ボール紙の材料に対して出入させる水分量の低減とが実現する、少糊量−低熱量の操業である。その結果、両面段ボール紙を製造する場合にせよ、複両面段ボール紙を製造する場合にせよ、段ボール紙製造装置がもっている最大能力に対して、その85〜90%に相当する能力を発揮させることができる。また、仮に大幅なラインスピードの変動があっても、単位時間に出入する熱量の差が小さいから、原理的に反りの少ない、商品としてすぐれた製品を得ることができる。
少糊量−低熱量の加工のため、製品に潜在する歪みが最小限ですむから、段ボール紙の製造過程だけでなく、保存中の反りもまた少なくなる。使用する糊材の量が最小限であり、かつ、加えるべき熱量も最小限であることは、当然に、消費する資材およびエネルギーの低減にも寄与する。
本発明の段ボール紙の製造方法は、基本的な目的を達成する場合にせよ、特定的な目的を達成する場合にせよ、上記のように、少糊量−低熱量の操業という技術思想に立脚した操業である。これは、従来の段ボール紙の製造方法が、多糊量−高熱量の操業であったのと対照的であって、この操業方針の採択により、製品段ボール紙に製造過程および製造後に生じる反りを、最小限に抑えることが可能になる。
上述した段ボール紙製造方法の実施に使用する本発明の装置は、基本的な目的を達成する装置においては、
a)中芯用紙を段成形する手段と、成形された中芯を裏ライナと貼り合わせる手段とからなる、片面段ボールを製造する装置、
b)製造された片面段ボールを予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナー、および加熱するためのヒータロールのシリーズ、
c)加湿され、加熱された片面段ボールの中芯の段頂に対し、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布するためのグルーマシン、
d)片面段ボールの中芯の段頂に塗布された糊材に水蒸気を吹き当てて、半糊化させるためのスチーマー、
e)表ライナ用紙を予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナーおよび加熱するためのヒータロールのシリーズ、
f)表ライナ用紙の上に、上記の片面段ボールを重ねて一体化するための、一対のロールの組、
g)一体化された表ライナと片面段ボールとを加熱するための、直列に並べられ、少なくとも三つのグループに分けてそれぞれの温度を制御することができる熱盤、ならびに
h)熱盤の上部にあって、貼り合わされた片面段ボールと表ライナとからなる段ボール紙を加熱乾燥および整形するための、多数のロールおよびウエートロールの群、
から構成される装置において、
1)プレヒータロールおよびヒータロールは、片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、ライナは50±10℃にそれぞれ調節することができ、
2)グルーマシンの塗布ロールとドクターロールとのギャップが、全長にわたって、最少0.08mmまで一定に設定可能であり、かつ、
3)3群の熱盤が、その温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まり、140〜180℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定することが可能であり、かつ、
4)ウエートロールを、進行方向に沿って後段ほど多く配置することが可能であること、
を特徴とする製造装置である。
本発明がとくにその存在意義を発揮する、複両面段ボール紙の製造に使用する本発明の装置は、上述の基本的な構成に対して、複両面段ボール紙の形成に必要な構成部分を加えたものである。追加される部分を含めた構成部分は、つぎのとおりであって、
)Aフルート中芯用原紙を段成形してAフルート中芯を得る手段と、得られた中芯をAフルート用ライナと貼り合わせる手段とからなる、Aフルート片面段ボールを製造する装置、
)Bフルート中芯用原紙を段成形してBフルート中芯を得る手段と、得られた中芯をBフルート用ライナと貼り合わせる手段とからなる、Bフルート片面段ボールを製造する装置、
)製造されたAフルート片面段ボールを予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナー、および加熱するためのヒータロールのシリーズ、
)製造されたBフルート片面段ボールを予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナー、および加熱するためのヒータロールのシリーズ、
)加湿され、加熱されたAフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布するためのグルーマシン、
)加湿され、加熱されたBフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布するためのグルーマシン、
)Aフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布された糊材に水蒸気を吹き当てて、半糊化させるためのスチーマー、
)Bフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布された糊材に水蒸気を吹き当てて、半糊化させるためのスチーマー、
e)表ライナ用紙を予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナーおよび加熱するためのヒータロールのシリーズ、
f)表ライナ用紙の上に、上記のBフルート片面段ボールおよびAフルート片面段ボールを重ねて一体化するための、一対のロールの組、
g)一体化された表ライナとBフルート片面段ボールおよびAフルート片面段ボールとを加熱するための、直列に並べられ、少なくとも三つのグループに分けてそれぞれの温度を制御することができる熱盤、ならびに
h)熱盤の上部にあって、貼り合わされた片面段ボールと表ライナとからなる段ボール紙を加熱乾燥および整形するための、多数のロールおよびウエートロールの群、
から構成される装置において、
1)プレヒータロールおよびヒータロールは、Aフルート片面段ボールおよびBフルート片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、Bフルート片面段ボールのライナは90±5℃に、ライナは50±10℃にそれぞれ調節することができ、
2)グルーマシンの塗布ロールとドクターロールとのギャップが、全幅にわたって、最少0.08mmまで一定に設定可能であり、かつ、
3)3群の熱盤が、その温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まり、140〜180℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定することが可能であり、かつ、
4)ウエートロールを、進行方向に沿って後段ほど多く配置することが可能であること、
を特徴とする製造装置である。
複両面段ボール紙の製造に当たって、Aフルート中芯またはBフルート中芯用の原紙として普通紙を選んだ場合は、ラインスピードを高目に選ぶことができる。このとき、糊材の塗布量を必要最小限にして操業することが適切である。一方、中芯用原紙として強化紙を選んだ場合は、ラインスピードを若干低めにしなければならない。糊材の塗布量は、普通紙の場合にくらべて、若干多くして操業することが適切になる。この差は、中芯用紙の水の吸やすさに違いがあることにもとづく。
糊材を塗布する中芯の段頂およびライナの温度は、従来の操業においては、通常、90〜110℃という高温であった。このような高温は、塗布する糊材の量が多いため必要とされていたが、本発明に従って糊材を必要最小限にすることで、
・両面段ボール紙の製造においては、コルゲートの段頂を60±10℃、ライナは50±10℃、
・複両面段ボール紙の製造においては、Aフルート片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃、Bフルート片面段ボールのライナは80±5℃、ライナは50±10℃、
という、はるかに低い温度の採用が可能になった。実際の加熱温度は、糊材の塗布量を少なくできるほど低くすることができ、低いほど好ましい。この範囲内において最適の温度は、本発明の実施に当たって、当業者が容易に見出すことができるであろう。
塗布する糊材の量を、接着に必要最小限とするためには、設備の観点からいえば、グルーマシンの塗布ロールとドクターロールとのギャップを、全長にわたって最少0.08mmまで一定に設定可能であることが必要である。糊材の量は、上述のように、選んだフルート中芯用紙が普通紙であるか強化紙であるかによって、若干増減する必要がある。段ボール紙製造に使用するデンプン糊の製造は、通常、重量比でデンプン1に対して水3の割合が採用されており、塗布する量は、材料の単位面積に対し、おおよそ30g/m(コルゲートに関しては投影面積)に達していた。本発明によれば、後記する実施例にみるとおり、塗布する糊材の量を、これより少なくとも20%減らすことができる。
1枚の片面段ボールとライナとの、または2枚の片面段ボールとライナとの貼合わせ後に行なう熱盤上の加熱加圧は、前述のように、進行方向に沿って次第に温度が高まるようにし、かつその温度の高まりを特定の条件に合致させるとともに、加圧のためのウエートロールの配置が後段ほど多くなるように配置する。このような選択は、段ボール紙を製造する工程の終盤を「じっくり仕上げて製品にする。」という技術思想に基づくものである。従来の製造技術においては、多量の糊剤の使用に伴い熱盤に至っても多量の水分を蒸発させる必要があったから、熱盤の前段を後段より高温にし、各段において十分な過熱・加圧を行なうというやり方が主流であったのに対し、本発明はそれと趣を異にする。従来は、前段の熱盤の温度は170℃内外が、また後段の熱盤の温度は150℃内外が、適切とされていた。本発明においては、前記のように、140〜180℃の範囲内で3段階にわたって少なくとも20℃の差が生じるように、次第に高温となるようにする。この差は、30℃程度あることが好ましい。なお、常用の装置においては、ウエートロールの配置は容易に変更することができる。
プレヒータロールからモイスナー、グルーマシンおよびスチーマーを経て熱盤の入口に至る主要部が、本来は図1に示す構成を有する装置を使用して、ただし、実際の操業の態様は図2に示したようにして、複両面段ボール紙の製造を行なった。中芯用原紙としては、強化紙を選んだ。サイズは下記のとおりである。
Aフルート:5mm
Bフルート:3mm(したがって、全厚:8mm)
グルーマシンは、糊材を適用するロールとドクターロールの間隙を0.15mmとし、デンプンスラリーの塗布量を製品段ボール紙1mにつき24gとした。この塗布量は、中芯用原紙として強化紙を選んだため、比較的多いが、それでも同種の段ボール紙の製造において従来塗布していた糊材の量にくらべれば、20%少ない塗布量である。
この装置は、本来は従来技術に従ってAフルート片面段ボール(AF)とBF片面段ボール(BF)に表ライナ(L)を貼り合わせて複両面段ボール紙(DBFB)を製造するためのものであり、材料を高温に加熱するとともに多量の糊材を塗布するという態様で使用していたため、実際の使用状況は、図1に示すようなものであった。すなわち、AF片面段ボール(AF)は、トリプルロールヒータのプレヒータロール(11A)と十分な接触をして加熱された上で、モイスナー(12A)により水分を与えられた後、ヒータロール(13A)でさらに加熱を受け、グルーマシン(14A)により多量の糊材を塗布されてから、スチーマー(15A)によってさらに水分と温度を与えられ、一体化ロールセット(16)を経て熱盤(21)上に運ばれる。Bフルート片面段ボール(BF)も同様に、トリプルロールヒータのプレヒータロール(11B)と十分な接触をして加熱された上で、モイスナー(12B)により水分を与えられた後、ヒータロール(13B)でさらに加熱を受け、グルーマシン(14B)によりこれも多量の糊材を塗布されてから、スチーマー(15B)によってさらに水分と温度を与えられ、一体化ロールセット(16)に至る。ライナ(L)も、プレヒータロール(11C)−モイスナー(12C)−ヒータロール(13C)を経由する。
本発明に従って、貼り合わせる材料の温度を過度に高めず糊材の塗布量を必要最小限に止めるときは、装置に材料を通過させる経路が、図2のように異なる。ライナ(L)こそヒータロールのプレヒータロール(11C)に接触させるが、Aフルート片面段ボール(AF)とBフルート片面段ボール(BF)とは、ヒータロールのプレヒータロール(11A,11B)と接触せず、モイスナーによる水分補給の後にヒータロール(13A,13B)に接触するだけである。このような態様であるから、糊材を適用するときの各部の温度は、それぞれつぎのとおりであって、:
Aフルート片面段ボールの段頂60℃
Bフルート片面段ボールの段頂60℃
表ライナの裏面50℃
片面段ボールの段頂の温度は、それぞれの製造工程から送られて来たものを直接貼合工程に送り込む場合、さらに加熱する必要はない。というのは、片面段ボールの製造に当たって、材料は通常100〜105℃に加熱されるので、複両面段ボール紙の製造に工程に至っても60〜65℃程度の温度を維持しているので、そのまま使えるからである。図1および図2において、ロールの内部に斜線を施したものは、内部に熱媒体(通常はスチーム)を通して過熱する機能をもたせていることを示す。
熱盤は、多数直列にならんだものを、前段(21)・中段・後段の三つのグループに構成した。それぞれのグループに設定した表面温度とウエートロール(24)の本数を、従来の操業条件と対比すれば、つぎのとおりである。
熱盤温度 ウエートロールの数
(前段) (中段) (後段) (前段)(中段)(後段) 合計
従来技術 170℃−160℃−150℃ 30本−20本−10本 60本
実施例1 150℃−160℃−170℃ 10本−20本−30本 60本
この条件で、定常運転時のラインスピードを280m/分として操業することができた。これは、装置の最大能力の93%に相当する。段ボール紙にテープを貼り付ける作業の開始時および終了時には、ラインスピードが最も低い場合、100m/分まで低下させる必要があったが、その場合でも、製品の品質に実質的影響を与えることはなかった。
この場合も、図1に示す構成の装置を使用し、実際の操業は図2に示したようにして、ただしAフルート片面段ボールの裏ライナは加熱を強化した態様で、複両面段ボール紙の製造を行なった。中芯用原紙は普通紙である。サイズは、実施例1と同じである。グルーマシンは、糊材を適用するロールとドクターロールの間隙を0.10mmとし、デンプンスラリーの塗布量を製品段ボール紙1mにつき30gとした。この塗布量は、中芯用原紙として普通紙を選んだ場合に、従来技術に従えば通常塗布される量に比べて、約20%少ない塗布量である。
この例においては、Aフルート片面段ボール(AF)はプレヒータロール(11A)に接触することなくモイスナーを経由し、ヒータロール(13A)と接触して温度を高められて、グルーマシン(14A)に至る。Bフルート片面段ボール(BF)は、プレヒータロール(11B)に接触した上でモイスナーを経由し、さらにヒータロール(13B)と接触したのちグルーマシン(14B)に至る、という経路を通っている。ライナ(L)は、プレヒータロール(11C)に接触してからモイスナー(12C)で水分を与えられ、ヒータロール(13C)ひとつと接触して、一体化ロールセット(16)により、二つの片面段ボールと一体化される。
この操業においては、糊材を適用するときの温度が、それぞれつぎのとおりであった:
Aフルート片面段ボールの段頂 60℃
Bフルート片面段ボールの裏ライナ 90℃
Bフルート片面段ボールの段頂 60℃
表ライナの裏面 50℃
片面段ボールの段頂の温度は、この場合も、製造工程から直接送られてきた状態の温度、つまり60℃内外でよいが、Bフルート片面段ボールの裏ライナは、加熱して上記の90℃またはそれに近い温度にしておく必要がある。熱盤の設定温度およびウエートロール(24)の配置は、実施例1と同様にした。
この条件で、定常運転時のラインスピードを300m/分として、余裕をもって操業することができた。これは、この装置の最大能力の95%に相当する。この例でも、段ボール紙にテープを貼り付ける作業の開始時および終了時に、ラインスピードが100m/分程度に低下させる必要があったが、その場合でも、製品の品質に実質的な違いはみられなかった。
上記の実施例は、たまたま既存の設備を利用して、従来の運転条件と異なる条件で運転したため、装置の一部に使用しない部分が生じたりしているが、本発明の技術思想に立脚して装置全体を設計すれば、不要な部分を省いた、ムダのない段ボール紙製造装置が得られることはいうまでもない。
従来技術により複両面段ボール紙を製造する装置の主要部を示した、概念的な側面図。図において、円形の断面に斜線を施したものは、熱媒体を導入して加熱の機能を働かせているヒータロールをあらわす(以下同じ)。 図1の装置を、本発明に従って複両面段ボール紙の製造に使用した場合の態様を示した、概念的な側面図。
AF Aフルート片面段ボール
BF Bフルート片面段ボール
L ライナ
DBFB 製品複両面段ボール紙
11A,11B,11C プレヒータロール
12A,12B,12C モイスナー
13A,13B,13C ヒータロール
14A,14B グルーマシン
15A,15B スチーマー
16 一体化ロールセット
21 熱盤(前段)
24 ウエートロール

Claims (6)

  1. 両面段ボール紙を製造する方法であって、下記の諸工程:
    A)中芯用原紙を段成形し、成形された中芯を裏ライナと貼り合わせることにより片面段ボールを製造すること、
    B)製造された片面段ボールを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めること、
    C)片面段ボールの中芯の段頂に対し、グルーマシンにおいて、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布すること、
    D)塗布した糊材に、スチーマーから水蒸気を吹き付けて加熱することにより、糊材を半糊化させること、
    E)表ライナを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めること、
    F)この表ライナの上に、上記の片面段ボールを重ねて一体化すること、および
    G)一体化したものを、異なる加熱温度に保持される少なくとも3群から成る熱盤上に供給し、複数のウエートロールを含むロール群により、キャンバスベルトを介して熱盤に押しつけて加熱し、半糊化した糊材を完全に糊化させて接着を進め、かつ乾燥すること、
    を基本的な工程とする製造方法において、
    1)片面段ボールおよびライナをヒータロールまたはプレヒータロールとヒータロールとに接触させて加熱するに当たり、これらロールに導入する熱媒体の温度を調節するとともに、ロールとの接触角度を調節することによって、片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、ライナは50±10℃にそれぞれ調節すること、
    2)グルーマシンにおいて塗布する糊材の量を、接着に必要最小限とすること、
    3)直列に並べた熱盤を三つのグループに分け、各グループの温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まるようにし、それらの温度を140〜180℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定すること、ならびに、
    4)ウエートロールの数を、後段ほど多くなるように置いて操業すること、
    を特徴とする両面段ボール紙の製造方法。
  2. 複両面段ボール紙を製造する方法であって、下記の諸工程:
    )A芯用原紙を段成形し、成形されたA芯を裏ライナと貼り合わせることにより、Aフルート片面段ボールを製造することと、
    )B芯用原紙を段成形し、成形されたB芯を裏ライナと貼り合わせることにより、Bフルート片面段ボールを製造することとを、同時に行なうこと、
    )製造されたAフルート片面段ボールを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めることと、
    )製造されたBフルート片面段ボールを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、プレヒータと接触させて加熱することにより温度を高めることとを、同時に行なうこと、
    )Aフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、グルーマシンにおいて、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布することと、
    )Bフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、グルーマシンにおいて、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布することとを、同時に行なうこと、
    )Aフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布した糊材に、スチーマーから水蒸気を吹き付けて加熱することにより、糊材を半糊化させることと、
    )Bフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布した糊材に、スチーマーから水蒸気を吹き付けて加熱することにより、糊材を半糊化させることとを、同時に行なうこと、
    E)表ライナを、必要であればプレヒータロールと接触させて予熱することにより温度を高め、またはそのまま、モイスナーにより水分を補給した上で、ヒータロールと接触させて加熱することにより温度を高めること、
    F)この表ライナの上に、上記のBフルート片面段ボールおよびAフルート片面段ボールを重ねて一体化すること、および
    G)一体化したものを、異なる加熱温度に保持される少なくとも3群から成る熱盤上に供給し、複数のウエートロールを含むロール群により熱盤に押しつけて加熱し、半糊化した糊材を完全に糊化させて接着を進め、かつ乾燥すること、
    を基本的な工程とする製造方法において、
    1)Aフルート片面段ボール、Bフルート片面段ボールおよびライナをプレヒータロールおよびヒータロールと接触させて加熱するに当たり、これらのロールに導入する熱媒体の温度を調節するとともに、ロールとの接触角度を調節することによって、Aフルート片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、Bフルート片面段ボールのライナは90±5℃に、ライナは50±10℃に、それぞれ調節すること、
    2)グルーマシンにおいて塗布する糊材の量を、接着に必要最小限とすること、
    3)直列に並べた熱盤を三つのグループに分け、各グループの温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まるようにし、それらの温度を140〜180℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定すること、ならびに、
    4)ウエートロールの数を、後段ほど多くなるように置いて操業すること、
    を特徴とする複両面段ボール紙の製造方法である。
  3. Bフルート中芯用原紙として普通紙を選び、ラインスピードを高目に、従って糊材の塗布量を接着に必要な最小限の量に近い量として操業する請求項2の複両面段ボール紙の製造方法。
  4. Bフルート中芯用紙として強化紙を選び、ラインスピードを低めに、従って糊材の塗布量を接着に必要な最小限の量よりは多くして操業する請求項2の複両面段ボール紙の製造方法。
  5. 両面段ボール紙を製造する装置であって、
    a)中芯用紙を段成形する手段と、成形された中芯を裏ライナと貼り合わせる手段とからなる、片面段ボールを製造する装置、
    b)製造された片面段ボールを予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナー、および加熱するためのヒータロールのシリーズ、
    c)加湿され、加熱された片面段ボールの中芯の段頂に対し、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布するためのグルーマシン、
    d)片面段ボールの中芯の段頂に塗布された糊材に水蒸気を吹き当てて、半糊化させるためのスチーマー、
    e)表ライナ用紙を予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナーおよび加熱するためのヒータロールのシリーズ、
    f)表ライナ用紙の上に、上記の片面段ボールを重ねて一体化するための、一対のロールの組、
    g)一体化された表ライナと片面段ボールとを加熱するための、直列に並べられ、少なくとも三つのグループに分けてそれぞれの温度を制御することができる熱盤、ならびに
    h)熱盤の上部にあって、貼り合わされた片面段ボールと表ライナとからなる段ボール紙を加熱乾燥および整形するための、多数のロールおよびウエートロールの群、
    から構成される装置において、
    1)プレヒータロールおよびヒータロールは、片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、ライナは50±10℃にそれぞれ調節することができ、
    2)グルーマシンの塗布ロールとドクターロールとのギャップが、全長にわたって、最少0.08mmまで一定に設定可能であり、
    3)3群の熱盤が、その温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まり、120〜160℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定することが可能であり、かつ、
    4)ウエートロールを、進行方向に沿って後段ほど多く配置することが可能であること、
    を特徴とする両面段ボール紙の製造装置。
  6. 複両面段ボール紙を製造する装置であって、
    )Aフルート中芯用原紙を段成形してAフルート中芯を得る手段と、得られた中芯をAフルート用ライナと貼り合わせる手段とからなる、Aフルート片面段ボールを製造する装置、
    )Bフルート中芯用原紙を段成形してBフルート中芯を得る手段と、得られた中芯をBフルート用ライナと貼り合わせる手段とからなる、Bフルート片面段ボールを製造する装置、
    )製造されたAフルート片面段ボールを予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナー、および加熱するためのヒータロールのシリーズ、
    )製造されたBフルート片面段ボールを予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナー、および加熱するためのヒータロールのシリーズ、
    )加湿され、加熱されたAフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布するためのグルーマシン、
    )加湿され、加熱されたBフルート片面段ボールの中芯の段頂に対し、デンプンを水に分散させてなる糊材を塗布するためのグルーマシン、
    )Aフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布された糊材に水蒸気を吹き当てて、半糊化させるためのスチーマー、
    )Bフルート片面段ボールの中芯の段頂に塗布された糊材に水蒸気を吹き当てて、半糊化させるためのスチーマー、
    e)表ライナ用紙を予熱するための、必要により設けるプレヒータロール、低温の水蒸気を吹き付けて加湿するためのモイスナーおよび加熱するためのヒータロールのシリーズ、
    f)表ライナ用紙の上に、上記のBフルート片面段ボールおよびAフルート片面段ボールを重ねて一体化するための、一対のロールの組、
    g)一体化された表ライナとBフルート片面段ボールおよびAフルート片面段ボールとを加熱するための、直列に並べられ、少なくとも三つのグループに分けてそれぞれの温度を制御することができる熱盤、ならびに
    h)熱盤の上部にあって、貼り合わされた片面段ボールと表ライナとからなる段ボール紙を加熱乾燥および整形するための、多数のロールおよびウエートロールの群、
    から構成される装置において、
    1)プレヒータロールおよびヒータロールは、Aフルート片面段ボールおよびBフルート片面段ボールのコルゲートの段頂は60±10℃に、Bフルート片面段ボールのライナは90±5℃に、ライナは50±10℃にそれぞれ調節することができ、
    2)グルーマシンの塗布ロールとドクターロールとのギャップが、全長にわたって、最少0.08mmまで一定に設定可能であり、
    3)3群の熱盤が、その温度を、進行方向に沿って低→中→高の順で次第に高まり、120〜160℃の範囲内において、少なくとも20℃の差があるように設定することが可能であり、かつ、
    4)ウエートロールを、進行方向に沿って後段ほど多く配置することが可能であること、
    を特徴とする複両面段ボール紙の製造装置。
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