JP2015030154A - 光学フィルム用バリア性積層体、光学フィルム、偏光フィルム、及び、表示装置 - Google Patents

光学フィルム用バリア性積層体、光学フィルム、偏光フィルム、及び、表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材を用いながらガスバリア性に優れた光学フィルム用バリア性積層体を提供する。
【解決手段】トリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材から選択される1種の透明樹脂基材上に、プライマー層とバリア層とをこの順に有する、光学フィルム用バリア性積層体であって、前記プライマー層が、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなり、前記バリア層が、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物、又はその硬化物からなる、光学フィルム用バリア性積層体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム用バリア性積層体、光学フィルム、偏光フィルム、及び、表示装置に関するものである。
液晶表示装置、有機発光表示装置等の表示装置用の基材は、薄型化、軽量化、大画面化等の要請から、ガラス基材から樹脂基材に置き換えられている。樹脂基材はガラス基材と比較して、気体透過度が高いため、樹脂基材を用いた表示素子は、水蒸気や酸素と接触して劣化しやすいという問題があった。
水蒸気等の影響を防ぐために、例えば、樹脂基材上に、無機化合物層等を形成したガスバリア性フィルムを用いられている。このようなガスバリア性フィルムを使用することにより表示素子と、外部から侵入する水蒸気等との接触を遮断し、発光性能の劣化を防止することが検討されている。
特許文献1には、プラスチックフィルム基材上に、無機バリア層とポリマー層とが互いに隣接して配置された2層からなるユニットを1単位として、3〜5回繰り返し積層されてなるガスバリア性積層体を有するガスバリアフィルムが開示されている。しかしながら、特許文献1のガスバリア性積層体は、少なくとも6回の製膜工程を経て製造されるものであり生産性が悪かった。また、特許文献1の実施例では、上記プラスチックフィルム基材として、気体透過度の低い、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが用いられていた。
特許文献2には、プラスチックフィルムからなる基材フィルムに、無機酸化物を蒸着層として形成した無機酸化物蒸着層と、当該蒸着層側に、特定の混合溶液を用い、ゾル−ゲル法によって得られるガスバリア性組成物の塗工液を塗布し、加熱乾燥処理して形成された特定のガスバリア塗膜を設けてなるガスバリア性積層フィルムが開示されている。
また、特許文献3には、無機化合物を含有する基材フィルム上に、無機薄膜層とオーバーコート層とからなるガスバリア層を有することを特徴とするガスバリア性積層フィルムが開示されている。
特開2011−102042号公報 特開2010−678号公報 特開2005−104026号公報
従来のガスバリア性積層フィルムは、樹脂基材としてバリア性の高い、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)が広く用いられていた(特許文献1及び2)。しかしながら、PEN基材、PET基材は複屈折性を有し、また干渉縞を生じやすいという問題があった。表示装置用途においては、更なる光学性能の向上の点から、複屈折が小さく、可視光透過率に優れた、トリアセチルセルロース樹脂基材やアクリル樹脂基材を用いたガスバリア性積層体が求められている。
上記特許文献1〜3のガスバリア層は、いずれも無機化合物層を含むものである。このような無機化合物層は、硬くて脆い性質を有するため、クラックが発生する恐れがある。また、樹脂基材と無機化合物層の密着性が低い場合、フィルムを曲げた際にかかる応力や、熱収縮などにより、剥離が生じガスバリア性が劣化する恐れがある。
また、上記特許文献1〜3のガスバリア層は、いずれも蒸着などのドライコート法や、ゾルゲル法を用いて製造されるものである。画像表示装置の大型化に伴う光学フィルムの大面積化の要求や、生産性、コストダウンの要求から、ウェットコート法によるガスバリア層の製造が望まれていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材を用いながら水蒸気遮蔽性に優れた光学フィルム用バリア性積層体、水蒸気遮蔽性に優れ、複屈折性が低減された光学フィルム、及び偏光フィルム、並びに、これらを用いた表示装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のプライマー層と、特定のバリア層とを組み合わせて有することにより、PET基材よりも気体透過度の高いトリアセチルセルロース樹脂基材や、アクリル樹脂基材を用いた場合であっても、優れた水蒸気遮蔽性が得られるとの知見を得た。
本発明は、係る知見に基づいて完成したものである。
本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体は、トリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材から選択される1種の透明樹脂基材上に、プライマー層とバリア層とをこの順に有する、光学フィルム用バリア性積層体であって、
前記プライマー層が、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなり、
前記バリア層が、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物、又はその硬化物からなることを特徴とする。
本発明に係る光学フィルムは、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体の少なくとも一方の面に、ハードコート層、反射防止層、防眩層、及び帯電防止層より選択される一種以上の層を有することを特徴とする。
本発明に係る偏光フィルムは、偏光層の少なくとも一面側に、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体を有することを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体、前記本発明に係る光学フィルム、及び、前記本発明に係る偏光フィルムよりなる群から選択される1種以上を備えることを特徴とする。
本発明によれば、トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材を用いながら水蒸気遮蔽性に優れた光学フィルム用バリア性積層体、水蒸気遮蔽性に優れ、複屈折性が低減された光学フィルム、及び偏光フィルム、並びに、これらを用いた表示装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体の一例を示す模式断面図である。 図2は、本発明に係る光学フィルムの一例を示す模式断面図である。 図3は、本発明に係る光学フィルムの別の一例を示す模式断面図である。 図4は、本発明に係る偏光フィルムの一例を示す模式断面図である。 図5は、本発明に係る偏光フィルムの別の一例を示す模式断面図である。 図6は、本発明に係る偏光フィルムの別の一例を示す模式断面図である。 図7は、本発明に係る偏光フィルムの別の一例を示す模式断面図である。 図8は、本発明に係る表示装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体、光学フィルム、偏光フィルム及び表示装置を順に説明する。
なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
また、本発明において硬化物とは、化学反応を経て硬くなったもののことをいい、硬化性とは、化学反応を経て硬くなる性質をいう。
[光学フィルム用バリア性積層体]
本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体は、トリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材から選択される1種の透明樹脂基材上に、プライマー層とバリア層とをこの順に有する、光学フィルム用バリア性積層体であって、
前記プライマー層が、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなり、
前記バリア層が、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物、又はその硬化物からなることを特徴とする。
本発明の光学フィルム用バリア性積層体について、図を参照して説明する。図1は、本発明の光学フィルム用バリア性積層体の一例を示す模式断面図である。図1の例に示されるように、本発明の光学フィルム用バリア性積層体10は、トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材1上に、プライマー層2とバリア層3とをこの順に有している。
本発明の光学フィルム用バリア性積層体は、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層と、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物、又はその硬化物からなるバリア層とを組み合わせたことにより、水蒸気透過度が高いトリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材を用いた場合であっても、高い水蒸気遮蔽性を有することができる。
本発明者においては、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを組み合わせて用いることにより、シクロオレフィン系樹脂とテルペン系樹脂が相溶して溶剤溶解性が向上するとともに、製膜性にも優れ、高い水蒸気遮蔽性を発現するとの知見を得た。
しかし、このようなシクロオレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物は、トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材との密着性が悪く、また、製膜性も悪いという問題があった。それに対し、更に、トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材上にエチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層を設けたことにより、シクロオレフィン系樹脂とテルペン系樹脂とを組み合わせて用いたバリア層をトリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材上に密着しながら良好に製膜することが可能になった。
以上のことから、本発明の光学フィルム用バリア性積層体は、トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材を用いながら水蒸気遮蔽性に優れている。本発明の光学フィルム用バリア性積層体は、無機化合物層を有しないため、フィルムを曲げた際に生じる応力や、熱収縮によってもクラックが発生しない。
また、本発明の光学フィルム用バリア性積層体は、後述のとおりウェットコート法により製造可能であるため、ゾルゲル法やドライコート法と比較して生産性に優れ、コストダウンが可能というメリットもある。
本発明の光学フィルム用バリア性積層体は、少なくとも、基材と、プライマー層と、バリア層とを有するものであり、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて他の層を有していてもよいものである。
以下、本発明の光学フィルム用バリア性積層体の各構成について、順に詳細に説明する。
<バリア層>
本発明の光学フィルム用バリア性積層体におけるバリア層は、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物、又はその硬化物からなることを特徴とする。シクロオレフィン系樹脂が、シクロオレフィン由来の嵩高い骨格を有することにより、水蒸気がバリア層を透過し難くなるものと推定される。シクロオレフィン系樹脂とテルペン系樹脂とを組み合わせて用いることにより、バリア層が高いガスバリア性を有するとともに、後述するプライマー層上への製膜性に優れ、密着性も確保される。
上記バリア層用樹脂組成物は、少なくとも、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂を含有するものであり、本発明の効果を損なわない限り、更に他の成分を含有してもよいものである。以下、このようなバリア層用樹脂組成物の各成分について順に説明する。
(シクロオレフィン系樹脂)
本発明においてシクロオレフィン系樹脂とは、シクロオレフィンからなるモノマーの構成単位を有する重合体を表す。具体的には、シクロオレフィンが開環重合したシクロオレフィンポリマーであってもよく、シクロオレフィンと、鎖状オレフィン及びビニル基を有する芳香族化合物より選択される1種以上とが付加重合したシクロオレフィンコポリマーであってもよく、その一部又は全部が水素添加されていてもよい。
上記シクロオレフィンの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,7]ペンタデカ−3,5,7,12,11−ペンタエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(「1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン」ともいう。)、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。有していてもよい置換基としては、例えば、カルボキシル基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)、N−置換イミド基、チオール基、エステル基(アルコキシカルボニル基及びアリーロキシカルボニル基を総称していう。)、エポキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、オキシカルボニル基(ジカルボン酸の酸無水物残基)、アルコキシ基、カルボニル基、アクリロイル基等が挙げられる。これらのシクロオレフィンは、単独で使用するほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
シクロオレフィンコポリマーに用いられる鎖状オレフィンとしては、例えば、炭素原子数が2〜20のα−オレフィン等が挙げられ、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。また、上記ビニル基を有する芳香族化合物の具体例としては、スチレン、ビニルナフタレン、メチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、ビス(4−ビニルフェニル)メタン等が挙げられる。
上記鎖状オレフィン及び上記ビニル基を有する芳香族化合物は、単独で使用するほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
シクロオレフィン系樹脂は、溶剤への溶解性の点から、中でも、シクロオレフィンコポリマーであることが好ましく、更に、溶剤への溶解性、製膜性、及びガスバリア性とのバランスに優れる点から、多環シクロオレフィンと鎖状オレフィンとが付加重合したシクロオレフィンコポリマーであることが好ましく、下記一般式(I)又は、下記一般式(II)で表されるシクロオレフィンコポリマーであることが更により好ましい。
(一般式(I)中のx及びy、並びに、一般式(II)中のx及びyは、それぞれ1以上の数である。)
シクロオレフィン系樹脂がシクロオレフィンコポリマーの場合、当該シクロオレフィンコポリマー中の、シクロオレフィン由来の構成単位の含有割合は、シクロオレフィンコポリマー100質量部に対し、10〜90質量部であることが溶剤溶解性、製膜性、及びガスバリア性とのバランスに優れる点から好ましい。中でも、例えば、シクロオレフィンがノルボルネン又はその誘導体の場合には、シクロオレフィンコポリマー100質量部に対し、50〜90質量部であることが好ましく、シクロオレフィンが、テトラシクロドデセン又はその誘導体の場合には、シクロオレフィンコポリマー100質量部に対し、10〜50質量部であることが好ましい。シクロオレフィン由来の構成単位の含有割合が上記下限値以上であれば、溶剤への溶解性に優れている。また、上記上限値以下であれば、ガスバリア性に優れている。
シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、用途に応じて適宜選択すればよい。中でも、製膜性及びガスバリア性の点から、シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)が60〜200℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましい。
シクロオレフィン系樹脂は、従来公知の方法により、シクロオレフィンを開環重合、又は付加重合することにより合成してもよく、市販品を用いてもよい。
シクロオレフィンコポリマーとしては、ポリプラスチックス社製TOPAS、三井化学社製アペル等が挙げられる。また、シクロオレフィンポリマーとしては、日本ゼオン社製ZEONOR、JSR社製ARTON等が挙げられる。
バリア層用樹脂組成物中のシクロオレフィン系樹脂の含有割合は特に限定されない。中でも、ガスバリア性に優れる点から、バリア層用樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、シクロオレフィン系樹脂が5〜95質量部であることが好ましく、10〜90質量部であることがより好ましい。
なお、本発明において固形分とは、溶剤以外のすべての成分を表す。
(テルペン系樹脂)
本発明においてテルペン系樹脂とは、テルペン類の重合体、テルペン類と他のモノマーとの共重合体、及びこれらの重合体に水素添加したものをいう。本発明においてテルペン類とは、イソプレン(C)を構成単位とし、当該イソプレンが2個以上重合したモノマーをいい、モノテルペン(C10)、セスキテルペン(C15)、ジテルペン(C20)、セスタテルペン(C25)、トリテルペン(C30)、テトラテルペン(C40)等を含み、更にカルボニル基、ヒドロキシ基等の置換基を有するテルペノイドを含むものである。テルペン類の具体例としては、ピネン、ジペンテン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン等が挙げられる。
また、テルペン類と重合可能な他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノマーや、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系モノマー等が挙げられる。
本発明においてテルペン系樹脂は、バリア層の製膜性、及び、後述するプライマー層との密着性の点から、前記テルペン類の重合体であるテルペン樹脂、前記テルペン類とフェノール系モノマーとを共重合したテルペンフェノール樹脂、前記テルペン樹脂を芳香族モノマーによって変性した芳香族変性テルペン樹脂、及びこれらの水素添加物であることが好ましく、中でも、テルペンフェノール樹脂及びその水素添加物であることがより好ましい。
テルペン系樹脂の製造方法としては、例えば、有機溶媒中でフリーデルクラフツ型触媒存在下、テルペン類単独、若しくは、テルペン類と他のモノマーを共重合して得られる。また、得られた重合体を水素化触媒の存在下水素ガスで水素添加することにより、各種テルペン系樹脂の水素添加物とすることが得できる。
また、ヤスハラケミカル社製、YSポリスターT、YSポリスターU、YSレジンPX、YSレジンTO、YSレジンTR、クリアロン、マイティエース等の市販品を用いてもよい。
バリア層用樹脂組成物中のテルペン系樹脂の含有割合は特に限定されない。中でも、バリア層の製膜性、及び、後述するプライマー層との密着性の点から、バリア層用樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、テルペン系樹脂が5〜95質量部であることが好ましく、10〜90質量部であることがより好ましい。
(溶剤)
バリア層用樹脂組成物は、塗工性の点から、通常、溶剤を含有する。溶剤は、組成物中の各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散可能な溶剤の中から適宜選択して用いることができる。このような溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、シクロヘキサン等のアノン系溶剤、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶剤を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、当該組成物に用いられる溶剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の溶剤の混合溶剤でもよい。
バリア層用樹脂組成物に溶剤を用いる場合には、塗工性の点から、当該バリア層用樹脂組成物全量に対する固形分の割合が好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%となるように用いることが好ましい。
(他の成分)
バリア層用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、更に他の成分を含有してもよい。
他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤等が挙げられる。
後述するプライマー層との密着性の点から公知のアクリルポリマーを含有してもよい。
また、バリア層用樹脂組成物に硬化性を付与するために、公知の熱硬化性成分、乃至光硬化性成分を含有してもよい。
<プライマー層>
本発明の光学フィルム用バリア性積層体におけるプライマー層は、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする。このようなプライマー層を介することにより、前記バリア層が製膜可能となり、且つ基材との間の密着性を確保することができる。
上記プライマー層用樹脂組成物は、少なくとも、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を含有するものであり、本発明の効果を損なわない限り、更に他の成分を含有してもよいものである。以下、このようなプライマー層用樹脂組成物の各成分について順に説明する。
(エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物)
プライマー層用樹脂組成物は、光硬化性成分としてエチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を含有する。本発明においては、中でも、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
プライマー層用樹脂組成物中エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物の含有割合は特に限定されない。中でも、密着性に優れる点から、プライマー層用樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、15〜99質量部であることが好ましく、15〜95質量部であることがより好ましく、25〜90質量部であることが更により好ましい。
また、本発明のプライマー層用樹脂組成物は、上記多官能(メタ)アクリレートと組み合わせて、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する単官能(メタ)アクリレートを用いてもよい。単官能(メタ)アクリレートを併用することにより、前記バリア層の製膜性と密着性が向上する点から好ましい。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ビフェニロキシエチルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられ1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記単官能(メタ)アクリレートを用いる場合、当該単官能(メタ)アクリレートの含有割合は、プライマー層用樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがより好ましい。
また、プライマー層は、基材との密着性の点から、従来公知のアクリルポリマーを含有してもよい。アクリルポリマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルフォリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物等のモノ(メタ)アクリレート化合物等から選ばれる少なくとも一種を構成成分とするアクリルポリマーが挙げられる。
上記アクリルポリマーを用いる場合、当該アクリルポリマーの含有割合は、プライマー層用樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、1〜15質量部であることがより好ましい。
プライマー層用樹脂組成物は、前記バリア層との密着性の点からシクロオレフィン系樹脂、及びテルペン系樹脂から選択される1種以上の樹脂を、更に含有してもよい。プライマー層用樹脂組成物に用いられるシクロオレフィン系樹脂及びテルペン系樹脂は、前記バリア層におけるものと同様のものとすることができる。
シクロオレフィン系樹脂、及びテルペン系樹脂から選択される1種以上の樹脂を用いる場合、シクロオレフィン系樹脂及びテルペン系樹脂の合計の含有割合は、プライマー層用樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、1〜80質量部であることが好ましく、5〜75質量部であることがより好ましい。
また、上記多官能アクリレート及び単官能アクリレートの硬化反応を開始又は促進させるために、必要に応じて光開始剤(光重合開始剤)を適宜選択して用いても良い。光開始剤の具体例としては、例えば、ビスアシルフォスフィノキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
光開始剤を用いる場合、当該光開始剤の含有量は、通常、プライマー層用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して1〜20質量部であり、2〜10質量部であることが好ましい。
(溶剤)
プライマー層用樹脂組成物は、塗工性の点から、通常、溶剤を含有する。溶剤は、組成物中の各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散可能な溶剤の中から適宜選択して用いることができる。例えば、前記バリア層用樹脂組成物の説明において挙げられたものと同様の溶剤を用いることができる。中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤が好適に用いられる。
プライマー層用樹脂組成物に溶剤を用いる場合には、塗工性の点から、当該プライマー層用樹脂組成物全量に対する固形分の割合が10〜60質量%となるように用いることが好ましく、20〜50質量%となるように用いることがより好ましい。
プライマー層用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の成分を含有してもよい。
他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、シリコン系又はフッ素系レベリング剤、安定化剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤、離型剤等が挙げられる。
<基材>
本発明においては、基材としてトリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材から選択される1種の透明樹脂基材が用いられる。これらを用いることにより光学フィルムに用いた場合でも、複屈折や干渉縞の問題が抑制される。
トリアセチルセルロース基材は、光学フィルムに用いられる公知のトリアセチルセルロース基材の中から適宜選択して用いればよい。本発明におけるトリアセチルセルロースとしては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であっても良い。又、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステル、或いは可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸收剤等の各種添加剤が添加されていても良い。
アクリル樹脂基材は、光学フィルムに用いられる公知のアクリル樹脂基材の中から適宜選択して用いればよい。例えば、(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸又はその誘導体等の単量体を重合して得られるアクリル樹脂から形成される基材が挙げられる。これらの中で、透明性及び耐候性の点で、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル単位を主構成成分とする共重合体、又はスチレン−メタクリル酸メチル共重合体の基材が好ましい。
トリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材の厚みは、光学フィルム用バリア性積層体の用途等に応じて、必要な自己支持性を付与できる範囲内で適宜設定すればよい。通常、10〜500μm程度の範囲内であり、中でも20〜250μmが好ましい。
本発明に用いられるトリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
<光学フィルム用バリア性積層体の製造方法>
本発明の光学フィルム用バリア性積層体の製造方法は、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。中でも、ロールツーロールによる連続生産の適用が容易で、光学フィルムの大面積化や、生産性の向上の点から、ウェットコート法を用いることが好ましい。ウェットコート法の具体例としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法、マイクログラビアコート法、スプレーコート法、スピンコート法、コンマコート法等が挙げられる。
ウェットコート法を用いた光学フィルム用バリア性積層体の製造方法としては、例えば、まず、トリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材から選択される1種の透明樹脂基材の一面側に、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物を上記ウェットコート法により塗工し、光照射することにより硬化してプライマー層を形成する。
次いで、当該プライマー層上に、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物を上記ウェットコート法により塗工し、乾燥し、必要に応じて硬化して、バリア層を形成することにより、本発明の光学フィルム用バリア性積層体が得られる。
本発明の光学フィルム用バリア性積層体において、プライマー層の膜厚は用途に応じて適宜調整すればよい。中でも、1〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
また、バリア層の膜厚は用途に応じて適宜調整すればよい。中でも、1〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
本発明の光学フィルム用バリア性積層体は、水蒸気透過度が25g/m・day以下という優れた水蒸気遮蔽性を達成することができる。中でも、水蒸気透過度が20g/m・day以下であることが好ましく、17g/m・day以下であることがより好ましい。
本発明において水蒸気透過度は、JIS K 7129(1992)「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法」の赤外センサー法に準拠し、試験温度40℃±0.5℃、相対湿度(90±2)%RHの試験条件下で測定されたものとする。
上記測定に用いられる装置としては、MOCON社製水蒸気透過率測定装置、PERMATRAN−W3/33シリーズ等を用いることができる。
<光学フィルム用バリア性積層体の用途>
本発明の光学フィルム用バリア性積層体は、可視光透過率が高く、複屈折が小さく、ガスバリア性に優れているため、後述する光学フィルム用の基材や、偏光板の保護層として好適に用いることができる。
[光学フィルム]
本発明に係る光学フィルムは、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体の少なくとも一方の面に、ハードコート層、反射防止層、防眩層、及び帯電防止層より選択される一種以上の層を有することを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、複屈折が小さく可視光透過率の高い前記本発明の光学フィルム用バリア性積層体を有するため、所望の光学性能を達成しやすく、ガスバリア性にも優れている。
本発明の光学フィルムについて、図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3は、本発明の光学フィルム20の一例を示す模式断面図である。図2の例に示されるように、本発明の光学フィルム20は、前記本発明の光学フィルム用バリア性積層体10のバリア層3側にハードコート層、反射防止層、防眩層、及び帯電防止層より選択される1種以上の層4を有していてもよく、図3の例に示されるように、本発明の光学フィルム20は、前記本発明の光学フィルム用バリア性積層体10の基材1側にハードコート層、反射防止層、防眩層、及び帯電防止層より選択される1種以上の層4を有していてもよい。図示はしないが、前記本発明の光学フィルム用バリア性積層体10の両面にハードコート層、反射防止層、防眩層、及び帯電防止層より選択される1種以上の層4を有していてもよい。
<ハードコート層>
ハードコート層は、光学フィルムの表面を高硬度化して保護する機能を有する層である。ハードコート層は従来公知のものの中から適宜選択して用いることができる。ハードコート層としては、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であることが好ましい。ハードコート層としても適用可能な硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂などを要求性能などに応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系などが挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマーモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
ハードコート層は、上記硬化性樹脂を含むハードコート層用樹脂組成物を、前記本発明の光学フィルム用バリア性積層体の少なくとも一面側に塗工し、硬化することにより得られる。
本発明の光学フィルムにおいて、ハードコート層の膜厚は適宜調整すればよい。中でも、1〜50μmであることが好ましく、3〜25μmであることがより好ましい。
<反射防止層>
反射防止層は、外来光の鏡面反射による背景の映り込みを防止する層である。本発明において反射防止層は、従来公知の反射防止層の中から適宜選択して用いることができる。例えば、屈折率の高い材料と低い材料を交互に積層し、最表面が低屈折率層となる様に多層化(マルチコート)し、各層界面での反射光を干渉によって相殺することで、表面の反射を抑え、良好な反射防止効果を得る反射防止層等とすることができる。
<防眩層>
防眩層は、外来光を散乱もしくは拡散させる層である。例えば、光の入射面を粗面化することにより、外来光を拡散することができる。この粗面化処理には、サンドブラスト法やエンボス法等により基体表面を直接、微細凹凸を形成して粗面化する方法、基体表面に放射線、熱の何れかもしくは組み合わせにより硬化する樹脂バインダ中にシリカなどの無機フィラーや、樹脂粒子などの有機フィラーを含有させた塗膜により粗面化層を設ける方法、及び基体表面に海島構造による多孔質膜を形成する方法を挙げることができる。樹脂バインダの樹脂としては、表面層として表面強度が望まれる関係上、硬化性アクリル樹脂や、上記ハードコート層同様に電離放射線硬化性樹脂等が好適には使用される。
<帯電防止層>
光学フィルムの静電気を抑制するために帯電防止層を備えていてもよい。帯電防止層は、従来公知のもののなかから適宜選択して用いることができる。例えば、上記ハードコート用の樹脂組成物中に、公知の帯電防止剤を混合して用いることにより、帯電防止層とすることができる。
帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物及びそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、又は金属キレート部を有し、且つ、電離放射線により重合可能なモノマー又はオリゴマー、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有する且つ、カップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。また、導電性ポリマー等を用いてもよい。
[偏光フィルム]
本発明に係る偏光フィルムは、偏光層の少なくとも一面側に、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体を有することを特徴とする。
本発明の偏光フィルムについて、図4〜図7を参照して説明する。図4〜図7は、本発明の偏光フィルム30の一例を示す模式断面図である。図4及び図5の例に示されるように、本発明の偏光フィルム30は、偏光層5の少なくとも一面側に、前記本発明の光学フィルム用バリア性積層体10を有している。図4の例に示されるように、光学フィルム用バリア性積層体10の基材1側表面と、偏光層5とが接するものであってもよく、図5の例に示されるように光学フィルム側バリア性積層体10のバリア層3側表面と偏光層5とが接するものであってもよい。また、図6及び図7の例に示されるように偏光層5の両面側に前記本発明の光学フィルム用バリア性積層体10を有していてもよい。図6の例に示されるように、光学フィルム用バリア性積層体10の基材1側表面と、偏光層5とが接するものであってもよく、図7の例に示されるように光学フィルム側バリア性積層体10のバリア層3側表面と偏光層5とが接するものであってもよい。
また、図示はしないが、偏光層5と光学フィルム用バリア性積層体10との間に粘着層等を有していてもよい。
本発明の偏光フィルムは、偏光層の少なくとも一面側に、ガスバリア性に優れた前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体を有するため、偏光層が劣化しにくい。
<偏光層>
偏光層としては、例えば、沃素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。
[表示装置]
本発明に係る表示装置は、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体、前記本発明に係る光学フィルム、及び前記本発明に係る偏光フィルムよりなる群から選択される1種以上を備えることを特徴とする。
本発明の表示装置は、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体を有するため、水蒸気や酸素の透過が遮断され、パネル内の光学素子等の劣化を防ぐことができる。
本発明の表示装置としては、(1)公知の表示装置において用いられる各種基材に代えて、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体を用いたもの、(2)公知の液晶表示装置における偏光板に代えて、前記本発明に係る偏光フィルムを用いたもの、(3)公知の表示装置の表示面に、前記本発明に係る光学フィルムを備えたもの、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
図8を参照して具体例を説明する。図8は、本発明に係る表示装置の一例を示す模式図である。図8の例では、表示装置100の一例として液晶表示装置の例を示す。表示装置100は、通常、面光源装置50と液晶パネル60を備える。面光源装置50は、光源31、導光板32光反射板34などを備え、光放出面側に、光拡散性等を有する光学フィルム33を有する。また、液晶パネルは、ガラス基板36及び39の間に液晶層37、カラーフィルタ38や透明電極などを有し、ガラス基板36及び39の液晶層37とは反対側の面に偏光フィルム35及び40が配置されている。
本発明の液晶装置は、表示装置100の一部に、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体を有するものであり、例えば、面光源装置50が備える光学フィルムの基材として、前記本発明に係る光学フィルム用バリア性積層体であってもよく、偏光フィルム35及び40のうち少なくとも一方が、前記本発明に係る偏光フィルムであってもよく、最表面に、本発明に係る光学フィルム41を有するものであってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(製造例1:プライマー層用組成物aの調製)
KAYARAD PET−30(日本化薬社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物)34.5質量部と、予めメタクリル酸メチル1.9質量部と、アクリル酸エチル1.9質量部とを重合して得られたアクリルポリマー3.8質量部と、Irgacure184(BASF社製、光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン))1.6質量部と、セイカビーム10−28(大日精化工業社製、シリコン系レベリング剤)0.4質量部と、メチルイソブチルケトン(MIBK)59.6質量部とを混合して、プライマー層用組成物aを得た。
(製造例2:プライマー層用組成物bの調製)
製造例1において、アクリルポリマーの代わりに、YSポリスターTH130(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂)を用い、配合割合を表1のように変更した以外は、製造例1と同様にして、プライマー層用組成物bを得た。
(製造例3:プライマー層用組成物cの調製)
製造例1において、アクリルポリマーの代わりに、YSポリスターUH115(ヤスハラケミカル社製、水添テルペンフェノール樹脂)を用い、配合割合を表1のように変更した以外は、製造例1と同様にして、プライマー層用組成物cを得た。
(製造例4:バリア層用樹脂組成物Aの調製)
TOPAS8007(ポリプラスチックス社製、前記一般式(I)で表されるシクロオレフィンコポリマー:COC、ポリマー中のシクロオレフィン含有量65質量%、Tg:78℃)9質量部と、YSポリスターTH130(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂)1質量部と、トルエン90質量部とを混合して、バリア層用樹脂組成物Aを得た。
(製造例5〜7:バリア層用樹脂組成物B〜Dの調製)
製造例4において、配合割合を表2のようにそれぞれ変更した以外は、製造例4と同様にして、バリア層用樹脂組成物B〜Dを得た。
(製造例8〜11:バリア層用樹脂組成物E〜Hの調製)
製造例4においてYSポリスターTH130の代わりに、YSポリスターUH115(ヤスハラケミカル社製、水添テルペンフェノール樹脂)を用い、配合割合をそれぞれ表2のようにした以外は、製造例4と同様にしてバリア層用樹脂組成物E〜Hを得た。
(比較製造例1:比較バリア層用樹脂組成物Iの調製)
TOPAS8007 10質量部と、トルエン90質量部とを混合して、テルペン系樹脂を含有しない比較バリア層用樹脂組成物Iを得た。
(比較製造例2:比較バリア層用樹脂組成物Jの調製)
YSポリスターTH130 10質量部と、トルエン90質量部とを混合して、シクロオレフィン系樹脂を含有しない比較バリア層用樹脂組成物Jを得た。
(製造例12:バリア層用樹脂組成物K)
製造例5において、TOPAS8007の代わりに、TOPAS5013(ポリプラスチックス社製、前記一般式(I)で表されるシクロオレフィンコポリマー:COC、ポリマー中のシクロオレフィン含有量76質量%、Tg:138℃)を用いた以外は、製造例5と同様にしてバリア層用樹脂組成物Kを得た。
(製造例13:バリア層用樹脂組成物L)
製造例5において、TOPAS8007の代わりに、TOPAS6013(ポリプラスチックス社製、前記一般式(I)で表されるシクロオレフィンコポリマー:COC、ポリマー中のシクロオレフィン含有量76質量%、Tg:134℃)を用いた以外は、製造例5と同様にしてバリア層用樹脂組成物Lを得た。
(製造例14:バリア層用樹脂組成物M)
製造例5において、TOPAS8007の代わりに、APL8008T(三井化学社製、前記一般式(II)で表されるシクロオレフィンコポリマー、ポリマー中のシクロオレフィン含有量20質量%、Tg:70℃)を用いた以外は、製造例5と同様にしてバリア層用樹脂組成物Mを得た。
(製造例15:バリア層用樹脂組成物N)
製造例5において、TOPAS8007の代わりに、APL6509T(三井化学社製、前記一般式(II)で表されるシクロオレフィンコポリマー、ポリマー中のシクロオレフィン含有量25質量%、Tg:80℃)を用いた以外は、製造例5と同様にしてバリア層用樹脂組成物Nを得た。
(製造例16:バリア層用樹脂組成物O)
製造例5において、TOPAS8007の代わりに、APL6011T(三井化学社製、前記一般式(II)で表されるシクロオレフィンコポリマー、ポリマー中のシクロオレフィン含有量30質量%、Tg:105℃)を用いた以外は、製造例5と同様にしてバリア層用樹脂組成物Oを得た。
(製造例17:バリア層用樹脂組成物P)
製造例5において、TOPAS8007の代わりに、APL6013T(三井化学社製、前記一般式(II)で表されるシクロオレフィンコポリマー、ポリマー中のシクロオレフィン含有量35質量%、Tg:125℃)を用いた以外は、製造例5と同様にしてバリア層用樹脂組成物Pを得た。
(製造例18:バリア層用樹脂組成物Q)
製造例5において、TOPAS8007の代わりに、APL6015T(三井化学社製、前記一般式(II)で表されるシクロオレフィンコポリマー、ポリマー中のシクロオレフィン含有量40質量%、Tg:145℃)を用いた以外は、製造例5と同様にしてバリア層用樹脂組成物Qを得た。
(実施例1−1:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
(1)プライマー層積層体Taの製造
トリアセチルセルロース(TAC)基材(コニカミノルタオプト社製、KC4UAW、厚み40μm)上に、プライマー層用樹脂組成物aを塗工し、光照射することにより硬化させて膜厚が10μmのプライマー層積層体Taを形成した。
(2)光学フィルム用バリア性積層体の製造
前記プライマー層積層体Taのプライマー層側の面に、バリア層用樹脂組成物Aを塗工し、乾燥して、膜厚が10μmのバリア層Aを形成することにより実施例1−1の光学フィルム用バリア性積層体TaAを得た。
(実施例1−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−1において、TAC基材の代わりに、アクリル樹脂基材(住友化学製、テクノロイS000、厚み40μm)を用いた以外は、実施例1−1と同様にして光学フィルム用バリア性積層体AaAを得た。
(実施例2−1〜6−1:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−1において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、バリア層用樹脂組成物B〜Fを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体TaB〜TaFを得た。
(実施例2−2〜6−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−2において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、バリア層用樹脂組成物B〜Fを用いた以外は、実施例1−2と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体AaB〜AaFを得た。
(比較例1−1、1−2:比較光学フィルム用バリア性積層体の製造)
TAC基材上に、プライマー層を形成せず、バリア層用樹脂組成物Bを塗工したところ、バリア層が製膜されなかった。また、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた場合も同様のバリア層が製膜されなかった。
(比較例2−1、2−2:比較光学フィルム用バリア性積層体の製造)
TAC基材上に、プライマー層用樹脂組成物aを塗工し、光照射することにより硬化させて膜厚が10μmのプライマー層aを形成することにより、バリア層を有しない比較光学フィルム用バリア性積層体Ta−を得た。
また、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた以外は、上記と同様にして、バリア層を有しない比較光学フィルム用バリア性積層体Aa−を得た。
(比較例3−1、3−2:比較光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−1において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、比較バリア層用樹脂組成物Iを用いたところ、バリア層が製膜されなかった。また、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた場合も同様にバリア層が製膜されなかった。
(比較例4−1、4−2:比較光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−1において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、比較バリア層用樹脂組成物Jを用いたところ、バリア層が製膜されなかった。また、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた場合も同様にバリア層が製膜されなかった。
(実施例7−1:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−1において、プライマー層用樹脂組成物aの代わりにプライマー層用樹脂組成物bを塗工し、膜厚が10μmのプライマー層積層体Tbとした以外は、実施例1−1と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体TbAを得た。
(実施例7−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例7−1において、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた以外は、実施例7−1と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体AbAを得た。
(実施例8−1〜12−1:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例7−1において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、バリア層用樹脂組成物B〜Fを用いた以外は、実施例7−1と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体TaB〜TaFを得た。
(実施例7−2〜12−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例7−2において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、バリア層用樹脂組成物B〜Fを用いた以外は、実施例7−2と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体AaB〜AaFを得た。
(比較例5−1、5−2:比較光学フィルム用バリア性積層体の製造)
TAC基材上に、プライマー層用樹脂組成物bを塗工し、光照射することにより硬化させて膜厚が10μmのプライマー層bを形成することにより、バリア層を有しない比較光学フィルム用バリア性積層体Tb−を得た。
また、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた以外は、上記と同様にして、バリア層を有しない比較光学フィルム用バリア性積層体Ab−を得た。
(比較例6−1、6−2:比較光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例7−1において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、比較バリア層用樹脂組成物Iを用いたところ、バリア層が製膜されなかった。また、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた場合も同様にバリア層が製膜されなかった。
(比較例7−1、7−2:比較光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例7−1において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、比較バリア層用樹脂組成物Jを用いたところ、バリア層が製膜されなかった。また、TAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた場合も同様にバリア層が製膜されなかった。
(実施例13−1、13−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−1において、プライマー層用樹脂組成物aの代わりに、プライマー層用樹脂組成物cを用い、バリア層用樹脂組成物Aの代わりにバリア層用樹脂組成物Fを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例13−1の光学フィルム用バリア性積層体TcFを得た。
また、実施例13−1においてTAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた以外は、実施例13−1と同様にして、実施例13−2の光学フィルム用バリア性積層体AcFを得た。
(実施例14−1、14−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例13−1において、バリア層用樹脂組成物Fの代わりにバリア層用樹脂組成物Gを用いた以外は、実施例13−1と同様にして、実施例14−1の光学フィルム用バリア性積層体TcGを得た。
また、実施例14−1においてTAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた以外は、実施例14−1と同様にして、実施例14−2の光学フィルム用バリア性積層体AcGを得た。
(実施例15−1、15−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例13−1において、バリア層用樹脂組成物Fの代わりにバリア層用樹脂組成物Hを用いた以外は、実施例13−1と同様にして、実施例15−1の光学フィルム用バリア性積層体TcHを得た。
また、実施例15−1においてTAC基材の代わりにアクリル樹脂基材を用いた以外は、実施例15−1と同様にして、実施例15−2の光学フィルム用バリア性積層体AcHを得た。
(実施例16−1〜22−1:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−1において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、バリア層用樹脂組成物K〜Qを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体TaK〜TaQを得た。
(実施例16−2〜22−2:光学フィルム用バリア性積層体の製造)
実施例1−2において、バリア層用樹脂組成物Aの代わりに、バリア層用樹脂組成物K〜Qを用いた以外は、実施例1−2と同様にして、光学フィルム用バリア性積層体AaK〜AaQを得た。
<水蒸気透過度評価>
実施例及び比較例の光学フィルム用バリア性積層体から、それぞれ試験片を作成し、MOCON社製水蒸気透過率測定装置、PERMATRAN−W3/33を用いて、JIS K 7129(1992)「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法」の赤外センサー法に準拠して、試験温度40℃±0.5℃、相対湿度(90±2)%RHの試験条件下で水蒸気透過度を測定した。
結果を表4に示す。水蒸気透過度が25g/m・day以下であれば、ガスバリア性に優れていると評価される。なお、表4中では、実施例1−1と実施例1−2を併せて実施例1としている。実施例2〜22及び比較例1〜7についても同様である。表4中、水蒸気透過度の欄のハイフン(−)は、バリア層が製膜されなかったため、測定していないことを示す。また、表4中、バリア層が製膜されたものを○、バリア層が製膜されなかったものを×とした。
<結果のまとめ>
比較例1の通り、プライマー層を用いない場合には、バリア層が形成できなかった。また、比較例3、4、6及び7の結果から、プライマー層を形成した場合であっても、バリア層がシクロオレフィン系樹脂及びテルペン系樹脂のうちいずれか一方しか有しない場合には、バリア層が形成できなかった。これらの比較例及び実施例1〜22の結果から、バリア層用樹脂組成物として、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを組み合わせ、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層上に塗工することにより、バリア層の製膜性が得られることが明らかとなった。
TAC基材上にプライマー層のみを形成した積層体Ta−(比較例2−1)及び積層体Tb−(比較例5−1)は、いずれも水蒸気透過度が777g/m・dayであった。この値は、TAC基材のみの水蒸気透過度と同等であった。また、アクリル樹脂基材上にプライマー層のみを形成した積層体Aa−(比較例2−2)及び積層体Ab−(比較例5−2)は、いずれも水蒸気透過度が60g/m・dayであった。この値は、アクリル樹脂基材のみの水蒸気透過度と同等であった。これらの結果から、プライマー層のみを積層してもガスバリア性は得られないことが明らかとなった。
トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材上に、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなるプライマー層と、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物又はその硬化物からなるバリア層が積層した実施例1〜22のバリア性積層体は、ガスバリア性に優れていることが明らかとなった。
1 トリアセチルセルロース樹脂基材又はアクリル樹脂基材
2 プライマー層
3 バリア層
4 ハードコート層、反射防止層、及び防眩層より選択される1種以上の層
5 偏光層
10 光学フィルム用バリア性積層体
20 光学フィルム
30 偏光フィルム
31 光源
32 導光板
33 光学フィルム
34 光反射板
35 偏光フィルム
36 ガラス基板
37 液晶層
38 カラーフィルタ
39 ガラス基板
40 偏光板
41 光学フィルム
50 面光源装置
60 液晶パネル
100 表示装置

Claims (4)

  1. トリアセチルセルロース樹脂基材及びアクリル樹脂基材から選択される1種の透明樹脂基材上に、プライマー層とバリア層とをこの順に有する、光学フィルム用バリア性積層体であって、
    前記プライマー層が、エチレン性不飽和結合を1分子中に少なくとも2個以上有するアクリレート系化合物を少なくとも含有するプライマー層用樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記バリア層が、シクロオレフィン系樹脂と、テルペン系樹脂とを少なくとも含有するバリア層用樹脂組成物、又はその硬化物からなる、光学フィルム用バリア性積層体。
  2. 請求項1に記載の光学フィルム用バリア性積層体の少なくとも一方の面に、ハードコート層、反射防止層、防眩層、及び帯電防止層より選択される一種以上の層を有する、光学フィルム。
  3. 偏光層の少なくとも一面側に、請求項1に記載の光学フィルム用バリア性積層体を有する、偏光フィルム。
  4. 請求項1に記載の光学フィルム用バリア性積層体、請求項2に記載の光学フィルム、及び請求項3に記載の偏光フィルムよりなる群から選択される1種以上を備えた、表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017083843A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 住友化学株式会社 偏光板

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