JP2015029955A - 好気性菌と酸素を用いた有機系処理物発酵装置 - Google Patents

好気性菌と酸素を用いた有機系処理物発酵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 攪拌羽根などの複雑・高価な攪拌装置を用いずに処理物を攪拌し、空気の通り道を変えることができる装置を提供する。
【解決手段】 相対的に低圧な空気を直接連続的に送出するための低圧空気送出部を設けた上で、空気の通り道を変えるために、相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出するための高圧空気送出部を設けた。低圧空気送出部から相対的に低圧な空気を直接連続的に送出することによって、好気性菌による発酵を促進することができる。また、高圧空気送出部から相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期間隔で送出することによって、攪拌羽根などの複雑・高価な攪拌装置を用いずに処理物を部分的に攪拌し、空気の通り道を変えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機肥料又は有機飼料を製造するために有機系処理物を発酵させる有機系処理物発酵装置に関するものである。
一般に、有機系処理物の発酵において、好気性菌を用いる技術が知られている。
好気性菌とは、酸素の存在下で繁殖する細菌のことを意味する。好気性菌の具体例としては、例えばBacillus属、Sphingomonas属、Burkholderia属、Corynebacteria属などが挙げられる。
好気性菌を用いるメリットは、嫌気性菌に比べて、腐敗臭が少なく、かつ、発酵速度が速いという点にある。
この好気性菌は、酸素によって働きが促進される。そのため、好気性菌を用いた発酵を促進するためには、好気性菌の棲息する場所に酸素を送り込むことが重要となる。
そのため、従来より、例えば特許文献1及び2のように、好気性菌を用いつつ、酸素を送り込むための工夫がなされてきた。
特開2009−226308
特開2003−200136
特許文献1の発明は、床面に複数の板状の表層材を敷き詰めて敷設して形成される広い表層材面上に処理物を積層させ、その処理物に対し、床面側に配管されて高圧空気供給部に接続される供給管のノズル体から高圧空気を供給し、処理物の好気性発酵を促進するという工夫である。
しかし、この発明では、高圧空気の供給方法について、特段の工夫がなされていない。供給した高圧空気によって好気性発酵を促進するためには高圧空気を継続的に供給する必要があるところ、大量の高圧空気を継続的に供給することは、高圧空気を製造する装置が大型・高価格になってしまうため、現実的には困難である。そのため、処理物から発生する水分を外部に除去することが困難となり、結果的に好気性発酵が阻害されていた。
特許文献2の発明は、定温の有圧の空気を吹き込み板の微細な孔から基材へ送り込むことで、処理槽内の攪拌機で撹拌されながら流動する有機微生物が棲息する処理基材に酸素を満遍なく行き渡らせる工夫である。
しかし、この特許文献においては、攪拌方法について、特段の工夫がなされていない。攪拌は、通常であれば、攪拌羽根を用いた方法による。しかし、攪拌羽根を用いた場合、装置が複雑・高価になり、かつ、定期的なメンテナンスが必要になるという問題があった。
このような従来技術において残された問題から、攪拌羽根などの複雑・高価な攪拌装置を用いずに攪拌し、空気の通り道を変えることができる装置の開発が望まれていた。そこで、本発明は、攪拌羽根などの複雑・高価な攪拌装置を用いずに処理物を攪拌し、空気の通り道を変えることができる装置を提供しようとするものである。
本発明では、相対的に低圧な空気を直接連続的に送出するための低圧空気送出部を設けた上で、空気の通り道を変えるために、相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出するための高圧空気送出部を設けた。
低圧空気送出部から相対的に低圧な空気を直接連続的に送出することによって、好気性菌による発酵を促進することができる。また、高圧空気送出部から相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期間隔で送出することによって、攪拌羽根などの複雑・高価な攪拌装置を用いずに処理物を部分的に攪拌し、空気の通り道を変えることができる。
有機系処理物発酵装置の基本的な構造を示す図 配管の基本的な構造を示す図 堆積槽に有機系処理物が堆積された状態の断面図 配管のうち送出部の形状を示した図 回転式の配管の断面図 発酵物質製造方法の基本的工程を示す図 発酵物質製造方法の応用的工程を示す図1 発酵物質製造方法の応用的工程を示す図2 発酵物質製造方法の応用的工程を示す図3 低圧空気送出部の空気の圧力と時間の関係を示す図 高圧空気送出部の空気の圧力と時間の関係を示す図1 高圧空気送出部の空気の圧力と時間の関係を示す図2 高圧空気送出部の空気の圧力と時間の関係を示す図3 空気の通り道の一例を示す図1 空気の通り道の一例を示す図2
以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。以下の説明は、実施例1は請求項1、4及び5に、実施例2は請求項2及び3に、実施例3は請求項6ないし10に、それぞれ対応する。なお、本発明の内容は、以下の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の対象物である有機系処理物発酵装置は、堆積槽と、低圧空気送出部と、高圧空気送出部と、からなる。図1は、本発明における有機系処理物発酵装置の基本的な構造の一例を示す図である。また、図2は、配管の基本的な構造の一例を示す図である。図1は、堆積槽(0101)と、低圧空気送出部と高圧空気送出部とを有する配管(0102)と、を示している。図2は、低圧空気送出部(0201)と高圧空気送出部(0202)が上下に平行して存在する関係にあり、かつ、その送出口が交互に存在することを示している。以下、それぞれの内容について説明するが、あくまで一例であり、例えば図2の送出部相互が逆の関係であっても問題ない。
(堆積槽についての説明)
堆積槽の形状は、低圧空気送出部から送出される空気が満遍なく行き渡る形状であることが望ましい。また、高圧空気送出部から送出される空気によって攪拌することが可能な形状であることが望ましい。堆積槽の上部にいくに従って壁面が外側に広がる構造であると、低圧空気送出部から送出される空気が満遍なく行き渡りにくくなる傾向があり、高圧空気送出部から送出される空気によって攪拌することが困難になる傾向がある。他方、壁面が底部に対して垂直又は堆積槽の上部にいくに従って壁面が内側に狭くなる構造であると、低圧空気送出部から送出される空気が満遍なく行き渡り、かつ、高圧空気送出部から送出される空気によって攪拌することが可能となる。そのため、堆積層の形状としては、壁面が底部に対して垂直又は堆積槽の上部にいくに従って壁面が内側に狭くなる構造であることが望ましい。もっとも、角度によっては、堆積槽の上部にいくに従って壁面が外側に広がる構造であっても、低圧空気送出部から送出される空気が満遍なく行き渡り、かつ、高圧空気送出部から送出される空気によって攪拌することが可能な場合があり得るので、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適切な形状を選択し得る。
大量の有機系処理物を処理する場合を例にとると、堆積槽の壁ついては、大量の処理物の搬入や大量の有機系発酵物質の搬出のために重機等が出入りできるように設計することが望ましい。具体的には、四方の壁のうち三方をコンクリートや板などを用いて固定する形で囲い、残り一方を取り外し可能又は開閉可能な状態で囲うのが望ましい。
例えば生ごみなどの食品系廃棄物を発酵させる場合を例にとると、食品系廃棄物にはもともと大量の水分が含まれており、かつ、発酵する過程において食品系廃棄物の生分解により大量の水分が発生する。その水分は、通常であれば、堆積槽の底部に沈む。この水分が低圧空気送出口や高圧空気送出口に詰まってしまったり、あるいは、内部に入り込んでしまった場合、低圧空気送出部や高圧空気送出部の故障の原因となる。そのため、堆積槽の底部には、その水分を除去するための機構が存在することが望ましい。そして、堆積槽の底部に水分が外部に流れ出るための液体排出口が存在すれば、底部に沈んだ水分が自然と除去される。これらのことから、堆積槽の底部には、水分が外部に流れ出るための液体排出口が存在することが望ましい。
堆積槽の高さは、高圧空気送出部から送出される高圧空気の噴射によっても、処理物が堆積層内部にとどまる高さであることが望ましい。想定される処理物のうち最も高く積まれる部分と比較して、堆積槽の高さが1m高ければ、高圧空気送出部から送出される高圧空気の噴射によっても、処理物が堆積層内部にとどまるのが通常である。そのため、堆積槽の高さは、想定される処理物のうち最も高く積まれる部分と比較して、堆積槽の高さが1m高いことが望ましい。例えば、最も高く積まれる部分の堆積物の高さを2mと考えている場合であれば、堆積槽の高さは3mであることが望ましく、最も高く積まれる部分の堆積物の高さを4mと考えている場合であれば、堆積槽の高さは5mであることが望ましい。もっとも、高圧空気送出部から送出される高圧空気の噴射による飛散の程度は、その空気圧や高圧空気送出口の位置などにも左右されるので、空気圧や高圧空気送出口の位置などによっても異なり得る。
さらに、堆積槽の底部については、有機系処理物や発酵物質の出入れを重機等で行う場合、配管が壊れないように空気送出管を収める空間が存在することが望ましく、具体的には、堆積槽の底面に空気送出管の入る幅のピットが切られていることが望ましい。また、空気送出口が詰まらないようにするため、空気送出管を収めた床面に数cmの厚さのもみ殻を敷き詰めることが望ましい。
有機系処理物からなる堆積物全体の高さは、満遍なく空気を行き渡らせ、かつ、高圧空気による攪拌を十分に行える範囲内であることが望ましい。そのため、適切な堆積物全体の高さは、低圧空気送出口と高圧空気送出口の数や位置関係などによって決まる。例えば、複数の低圧空気送出口と高圧空気送出口を数十cm間隔で設置するのであれば、最大堆積部分が堆積槽の底面から3m以上であっても良い。
堆積物である有機系処理物は、それを発酵したときに堆肥などとして利用することができるものであることが望ましい。生ごみなどの食品系廃棄物であれば、発酵後には、有機肥料や有機飼料が得られる。そのため、有機系処理物としては、生ごみなどの食品系廃棄物であることが望ましい。もっとも、堆肥などとして利用することは副次的な効果に過ぎないから、本発明の対象としての有機系処理物は、発酵の対象になり得るものを広く含み、畜糞、ろう、エタノールなどの有機物であっても良い。
図3は、堆積槽に有機系処理物が堆積された当初の状態の断面図である。有機系処理物の堆積物全体の形状としては、低圧空気送出部から送出される空気が満遍なく行き渡るためには、その堆積物全体の表面が堆積槽の底部に平行に近い状態であることが望ましい。もっとも、高圧空気送出部から高圧の空気が送出されることにより、下部からの攪拌が行われ、送出を繰り返すに従い堆積物全体の表面が堆積槽の底部に平行に近い状態になる。そのため、堆積槽に有機系処理物が堆積された当初の堆積物全体の形状としては、堆積物全体の表面が堆積槽の底部に平行に近い状態であっても良いし(0301)、山高であっても良いし(0302)、壁面の一方に偏って多く堆積されても良いし(0303)、更には、本発明の要旨を逸脱しない範囲内でその他の形状であっても良い。
(低圧空気送出部についての説明)
低圧空気送出部(0201)とは、相対的に低圧な空気を直接連続的に送出する部分を意味する。ここにいう「直接」とは、低圧空気送出口が堆積物に接している状態を意味する。
空気送出の圧力については、高圧空気送出部から送出される空気の圧力に比べて相対的に低圧であるものの、処理物に満遍なく行き渡る程度の圧力であることが望ましい。例えば横5m・縦5m・高さ2.5mの堆積槽に有機系処理物を堆積した場合、低圧空気送出部の空気は、数m/分であれば、処理物に満遍なく行き渡る。そのため、空気送出の圧力については、横5m・縦5m・高さ2.5mの堆積槽に有機系処理物を堆積した場合、数m/分であることが望ましい。
通常であれば、低圧空気送出部は、低圧空気送出管とポンプとからなる。そして、その低圧空気送出管は、低圧空気送出口を有し、さらに低圧空気送出管回転機構と低圧空気制御弁とヒーターとヒーター制御部のうち1つ又は2つ以上を有する場合もある。この低圧空気送出管は、有機系処理物や細菌によって劣化しない素材であるポリ塩化ビニル製であることが望ましい。
また、低圧空気送出管に代えて、堆積槽の底部に無数の穴が存在し、そこから低圧空気が送出されるという構造の低圧空気送出部であっても良い。これは、低圧空気送出管による場合には有機肥料や有機飼料の取り出しに重機等を使用することが困難となるという問題を解消するものである。そのため、堆積物全体の量が重機等を用いるほどに大量である場合には望ましい形態である。
図10は、低圧空気送出部の空気の圧力と時間の関係を示す図である。縦軸が空気の圧力を意味し、横軸が時間の経過を意味する。この図が示すように、時間が経過しても空気の圧力は一定である。
好気性発酵に適した温度は、摂氏55度から85度である。そのため、送出される空気によって堆積槽内部の温度が下がりすぎると、好気性菌による発酵を阻害してしまう。したがって、送出される空気によって堆積槽内部の温度が下がりすぎないための工夫があることが望ましい。温度が一定以下になったら間欠的休止状態となる工夫をすれば、堆積槽内部の温度が下がりすぎない。また、温度が一定以下になったらヒーターで低圧空気の温度を高くして送出する工夫をすれば、堆積槽内部の温度が下がりすぎない。そのため、連続的であるとはいっても、低圧空気の送出を間欠的休止状態とするため、低圧空気制御弁が存在することが望ましい。また、温度が一定以下になったらヒーターで低圧空気の温度を高くして送出するため、ヒーターとヒーター制御部が存在することが望ましい。
低圧空気送出口の数や間隔は、堆積された処理物に満遍なく空気を行き渡らせるのに適したものであることが望ましい。堆積量が多い場合には、堆積された処理物に満遍なく空気を行き渡らせるのが容易ではなく、低圧空気送出口を狭い間隔で多く設ける必要がある。そのため、堆積量が多い場合についていえば、低圧空気送出口の数や間隔は、狭い間隔で多く存在することが望ましい。
低圧空気送出口の位置は、処理物に対して空気を満遍なく行き渡わせることのできる場所に配置することが望ましい。空気は処理物に比して軽いので、処理物の下部から上部に向かって移動する。そのため、処理物に対して空気を満遍なく行き渡わせるためには、処理物の下部から空気を送り込むことが望ましい。具体的には、低圧空気送出部は、堆積槽の底部に設置することが望ましい。もっとも、処理物に対して空気を満遍なく行き渡わせることができるのであれば、堆積槽の側面の下部に配置しても良い。
このように相対的に低圧な空気を直接連続的に送出することによって、好気性発酵を促進するだけではなく、処理物から発生する水分の蒸発を促進するという利点もある。
(高圧空気送出部についての説明)
高圧空気送出部(0202)とは、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して、有機系処理物中の前記相対的に低圧な空気の空気流通路を固定しないために相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出する部分を意味する。ここにいう「直接」とは、高圧空気送出口が堆積物に接している状態を意味する。
高圧空気送出部が送出する空気は、満遍なく攪拌が行われるものであることが望ましい。5kg/cm程度の圧力の空気を0.1mから1.0mの範囲の量で瞬間的に送出すると、満遍なく攪拌が行われる。そのため、高圧空気送出部が送出する空気は、圧力が5kg/cm程度であり、量が0.1mから1.0mの範囲内であることが望ましい。
通常であれば、高圧空気送出部は、高圧空気送出管と、高圧空気を貯留するための空間と、貯留した高圧空気を圧縮するための機器と、高圧空気を噴射する時機を制御する装置とからなる。そして、その高圧空気送出管は、高圧空気送出口と制御弁とを有し、さらに高圧空気送出管回転機構を有する場合もある。この高圧空気送出管は、有機系処理物や細菌によって劣化しない素材であるポリ塩化ビニル製であることが望ましく、更には、高圧空気に対する耐性を持つ耐性ポリ塩化ビニル製であることが望ましい。もっとも、本発明は、それらに限定されるものではない。
低圧空気送出部から送出される空気は、連続的に送出されるため、空気の圧力が一定である。そのため、低圧空気送出部からの空気の送出のみでは、処理物中の空気流通路が固定されてしまう。そうすると、空気流通路に接する部分については好気性発酵が促進されるが、それ以外の部分については好気性発酵が促進されないことにより、発酵状態にムラが生じる。そのため、空気流通路を固定しないための工夫が必要となる。
まず、攪拌羽根を用いて攪拌することが考えられる。しかし、前記のとおり、攪拌羽根を用いた場合、装置が複雑・高価になり、かつ、定期的なメンテナンスが必要になるという問題がある。
他方、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して、相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出する方法により攪拌することが考えられる。この方法によれば、攪拌羽根を使わないので、摩耗などによる消耗が問題とならない。そして、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出すれば、処理物を満遍なく攪拌することが可能である。
そこで、攪拌羽根を用いずに攪拌を行う方法として、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して、相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出する方法によることが望ましい。
さらに、高圧空気送出口に水分が侵入すると故障の原因になる。そのため、高圧空気送出口が有機系処理物や水分などで詰まらないように工夫することが望ましい。高圧空気送出口は、そこから空気が送出されていない時に、侵入に対する抵抗力が無くなるため、特に有機系処理物や水分の侵入の危険性がある。他方、微量であっても空気を送出し続ければ、その空気圧が侵入に対する抵抗力となり、有機系処理物や水分の侵入の危険性を弱めることができる。そのため、高圧の空気を送出していない時であっても、高圧空気送出口から微量の空気を送出しておくことが望ましい。
図11から13は、高圧空気送出部の空気の圧力と時間の関係を示す図である。縦軸が空気の圧力を意味し、横軸が時間の経過を意味する。図11が示すように、定期的な間隔を開けて高圧の空気が送出される場合もある。図12が示すように、不定期な間隔を開けて高圧の空気が送出される場合もある。さらに、図13が示すように、高圧の空気が送出されていない時であっても、高圧空気送出口から微量の空気が送出されている場合もある。
高圧空気送出口の数や間隔は、堆積された処理物全体を均一に攪拌させるのに適したものであることが望ましい。堆積量が多い場合には、堆積された処理物全体を均一に攪拌するのが容易ではなく、高圧空気送出口を狭い間隔で多く設ける必要がある。そのため、堆積量が多い場合についていえば、高圧空気送出口の数や間隔は、狭い間隔で多く存在することが望ましい。
高圧空気送出口の位置は、処理物全体を均一に攪拌することのできる場所に配置することが望ましい。処理物は堆積されているものなので、処理物の全体を空気で動かすためには、処理物の底部付近から高圧の空気を送って気泡を発生させることにより処理物を動かす方法によることが望ましい。そのため、高圧空気送出口は、堆積槽の底部付近に設置することが望ましい。もっとも、処理物全体を攪拌させることができるのであれば、堆積槽の側面に配置しても良い。
(低圧空気送出部と高圧空気送出部の配管の形状、機能)
前記の低圧空気送出口と高圧空気送出口は、いずれも空気送出管に存在するものである。図4は、空気送出管のうち空気送出口の形状を示した図である。空気送出口は、空気送出管の上部のみに存在しても良いし(0401)、空気送出管の右上部若しくは左上部又はその両方に存在しても良いし(0402)、上部、並びに、右上部及び左上部に存在しても良い(0403)。
空気送出管の機能としては、満遍なく空気が行き渡りやすく、かつ、均一な攪拌も実現しやすくなるものを備えていることが望ましい。通常であれば、この空気送出管は固定式であり、それによっても、満遍なく空気が行き渡り、かつ、均一な攪拌も実現する。もっとも、さらに空気送出管を回転式にすれば、満遍なく空気が行き渡りやすくなるし、かつ、均一な攪拌も実現しやすくなる。そのため、空気送出管は、回転式の機能を有することが望ましい。
図5は、回転式の空気送出管の断面図である。上に空気送出口を有する状態であった空気送出管(0501)が回転することで空気送出口が順次右斜め上(0502)右斜め下(0503)に移動するという状況を示したものである。回転の方向は、時計回りであっても良いし、反時計回りであっても良い。また、継続的に回転していても良いし、定期又は不定期の間隔をあけて回転しても良い。さらに、360度回転しても良いし、半分より上部のみに空気送出口がくるように反転を繰り返しても良い。なお、図5における空気送出管は、空気送出口が上部にのみ存在する空気送出管を例にしているが、前記のように、空気送出管の右上部若しくは左上部又はその両方に存在しても良いし、上部並びに右上部及び左上部に存在しても良い。
図14及び図15は、空気の通り道の一例を示す図である。ここでは空気送出口が5つのものを例にしているが、それに限る趣旨ではない。図14では、堆積槽(1402)の底部付近に外を向くかたちで空気送出口が存在し(1403)、その空気送出口から送出される空気(1401)は、空気送出口の角度に応じて送出されている。他方、図15では、堆積槽(1502)の底部付近に外を向くかたちで空気送出口が存在し(1503)、その空気送出口から送出される空気(1501)は、空気送出口の角度に応じて送出されている。回転式の空気送出管の機能を有する場合には、この2つの空気の通り道を1つの空気送出部で実現することができる。
底部付近に存在する空気送出管の横部又は下部に空気送出口が存在する場合、底部に沈んだ水分の蒸発を促進する。また、回転式の場合には、360度回転させることにより、底部付近に存在する空気送出管の横部又は下部に空気送出口がくることもあるので、それによっても底部に沈んだ水分の蒸発を促進する。そのため、底部に沈んだ水分の蒸発を促進する点からすると、底部付近に存在する空気送出管の横部又は下部に空気送出口が存在するか、又は、360度回転式であることが望ましい。
(低圧空気送出部と高圧空気送出部の位置関係)
低圧空気送出部から満遍なく空気を送り込むことと高圧空気送出部によって均等に攪拌することを両立するためには、低圧空気送出口と高圧空気送出口の位置関係に偏りがあると望ましくない。そのため、低圧空気送出口と高圧空気送出口を交互に配置するのが望ましい。
図2は、前記のように、低圧空気送出口と高圧空気送出部口の位置関係を示す図である。低圧空気送出口(0201)と高圧空気送出口(0202)は、それぞれ交互に等間隔で配置されている。もっとも、これは基本的な構造を示したに過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、例えば間隔に差異を設けたりしても問題ない。
上記実施例1に加えて、無機多孔部材を処理物に加えることにより、有機性発酵が更に促進される。
無機多孔部材とは、無機であって無数の細孔がある部材のことを意味する。具体的には、ガラス、陶器、磁器、珪藻土、ゼオライト、シリカゲル、アルミナゲル、シリカマグネシア、シリカアルミナ、ケイ砂質磁器、アルミナシリケート質磁器、アルミナ質磁器、珪藻土質磁器、多孔質ガラス、電気石、珊瑚、粉炭等が挙げられる。無機であって無数の細孔があれば良く、動物性であると植物性であるとを問わず、かつ、人工であると天然であるとを問わない。処理物が有機肥料や有機飼料になることを考えると、土壌改善効果のある物質である粉炭などを用いるのが望ましい。
無機多孔部材を使用するメリットは、孔により通気性が向上し、かつ、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めることができる点にある。
無機多孔部材の孔の径については、孔により通気性が向上し、かつ、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めることができるものであることが望ましい。数μよりも小さくなると、通気性向上の効果が不十分となる。他方、数十μmを超えると、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めるという効果が不十分となる。これらに対して、数μmから数十μmの範囲内であると、孔により通気性が向上し、かつ、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めることができる。そのため、無機多孔部材の孔の径は、数μmから数十μmの範囲内であることが望ましい。
前記で説明される有機系処理物発酵装置を利用して処理物を発酵することによって、発酵物質が得られる。この発酵物質は、有機肥料又は有機飼料として再利用することができるものであることが望ましい。そのため、発酵の対象となる有機系処理物は、発酵後に有機肥料又は有機飼料となるものであることが望ましい。具体的には、有機系処理物は、生ごみなどの食品系廃棄物であることが望ましい。
図6は、発酵物質を得るための基本的工程を示す図である。図7から9は、その基本的工程を応用するものである。
図6のように、発酵物質を得るための工程は、基本的には、堆積ステップ(0601)と、低圧空気送出ステップ(0602)と、高圧空気送出ステップ(0603)と、発酵物質排出ステップ(0605)とからなり、低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップは発酵完了まで継続され(0604)、かつ、これらの全工程は新たな発酵の必要が無くなるまで繰り返される(0606)。
基本的工程を応用するものとして、図7のように、堆積ステップ(0701)と低圧空気送出ステップ(0703)との間に、無機多孔部材を投入する投入ステップ(0702)が存在していても良い。その他、高圧空気送出ステップ(0704)と、発酵物質排出ステップ(0706)とからなり、低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップは発酵完了まで継続され(0705)、かつ、これらの全工程は新たな発酵の必要が無くなるまで繰り返される(0707)点は、基本的工程と同じである。
次に、基本的工程を応用するものとして、図8のように、低圧空気送出ステップ(0802)において、制御ステップ(0804)が存在していても良い。その他、堆積ステップ(0801)と、高圧空気送出ステップ(0803)と、発酵物質排出ステップ(0806)とからなり、低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップは発酵完了まで継続され(0805)、かつ、これらの全工程は新たな発酵の必要が無くなるまで繰り返される(0807)点は、基本的工程と同じである。
さらに、基本的工程を応用するものとして、図9のように、堆積ステップ(0901)と低圧空気送出ステップ(0903)との間に、無機多孔部材を投入する投入ステップ(0902)が存在し、かつ、低圧空気送出ステップにおいて、制御ステップ(0905)が存在していても良い。その他、高圧空気送出ステップ(0904)と、発酵物質排出ステップ(0907)とからなり、低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップは発酵完了まで継続され(0906)、かつ、これらの全工程は新たな発酵の必要が無くなるまで繰り返される(0908)点は、基本的工程と同じである。
以下、前記各ステップについて説明する。
「堆積ステップ」とは、有機系処理物を堆積槽に堆積する段階を意味する。有機系処理物からなる堆積物全体の高さは、満遍なく空気を行き渡らせ、かつ、高圧空気による攪拌を十分に行える範囲内であることが望ましい。そのため、適切な堆積物全体の高さは、低圧空気送出口と高圧空気送出口の数や位置関係などによって決まる。例えば、複数の低圧空気送出口と高圧空気送出口を数十cm間隔で設置するのであれば、最大堆積部分が堆積槽の底面から3m以上となるように堆積しても良い。
図3は、堆積槽に有機系処理物が堆積された当初の状態の断面図である。有機系処理物の堆積物全体の形状としては、低圧空気送出部から送出される空気が満遍なく行き渡るためには、その堆積物全体の表面が堆積槽の底部に平行に近い状態であることが望ましい。もっとも、高圧空気送出部から高圧の空気が送出されることにより、下部からの攪拌が行われ、送出を繰り返すに従い堆積物全体の表面が堆積槽の底部に平行に近い状態になる。そのため、堆積槽に有機系処理物が堆積された当初の堆積物全体の形状としては、堆積物全体の表面が堆積槽の底部に平行に近い状態であっても良いし(0301)、山高であっても良いし(0302)、壁面の一方に偏って多く堆積されても良いし(0303)、更には、本発明の要旨を逸脱しない範囲内でその他の形状であっても良い。
例えば、生ごみなどの食品系廃棄物を例にとると、含水率が約90%程度であるため、食品系廃棄物みで発酵処理をすると、食品系廃棄物から大量の水分が発生してしまう。そうすると、発酵が阻害されたり、悪臭が発生したりする可能性がある。そのため、堆積ステップにおいて、処理物中の含水率を調整することが望ましい。前回発酵によって得られた有機飼料や有機肥料は、含水率40%程度である。そのため、前回発酵によって得られた有機飼料や有機肥料を食品系廃棄物の堆積の段階で混ぜることにより、全体の含水量を低くすることができる。そのため、含水率調整の方法として、前回発酵によって得られた有機飼料や有機肥料を食品系廃棄物に混ぜて行う方法が望ましい。この方法によれば、有機肥料や有機飼料には多くの好気性菌が存在するので、好気性菌の数を増やす意味でも利点がある。
「低圧空気送出ステップ」とは、相対的に低圧な空気を直接連続的に送出する段階を意味する。ここにいう「直接」とは、低圧空気送出口が堆積物に接している状態を意味する。空気送出の圧力については、高圧空気送出部から送出される空気の圧力に比べて相対的に低圧であるものの、処理物に満遍なく行き渡る程度の圧力であることが望ましい。もっとも、後記のように、連続的であるとはいっても、低圧空気の送出が間欠的休止状態とすることを否定するものではない。
好気性発酵に適した温度は、摂氏55度から85度である。そのため、送出される空気によって堆積槽内部の温度が下がりすぎると、好気性菌による発酵を阻害してしまう。したがって、送出される空気によって堆積槽内部の温度が下がりすぎないための工夫があることが望ましい。温度が一定以下になったらヒーターで低圧空気の温度を高くして送出する工夫をすれば、堆積槽内部の温度が下がりすぎない。そのため、温度が一定以下になったらヒーターで低圧空気の温度を高くして送出することが望ましい。
「高圧空気送出ステップ」とは、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して有機系処理物中の前記相対的に低圧な空気の流通路を固定しないために相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出する段階を意味する。ここにいう「直接」とは、低圧空気送出口が堆積物に接している状態を意味する。
低圧空気送出部から送出される空気は、連続的に送出されるため、空気の圧力が一定である。そのため、低圧空気送出部からの空気の送出のみでは、処理物中の空気流通路が固定されてしまう。そうすると、空気流通路に接する部分については好気性発酵が促進されるが、それ以外の部分については好気性発酵が促進されないことにより、発酵状態にムラが生じる。そのため、空気流通路を固定しないための工夫が必要となる。攪拌羽根を用いて攪拌する方法は、好気性菌を用いた発酵においては、好気性菌の棲息場所提供及び通気性向上のために無機多孔物質を用いる場合があるが、無機多孔物質が硬すぎるため、攪拌羽根を用いた方法では攪拌羽根の摩耗が激しいという問題がある。他方、堆積槽に堆積される有機系処理物に対して、相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出する方法によれば、攪拌羽根を使わないので、摩耗などによる消耗が問題とならない。そして、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出すれば、処理物を満遍なく攪拌することが可能である。そこで、攪拌羽根を用いずに攪拌を行う方法として、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して、相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出する方法によることが望ましい。
高圧空気送出ステップにおいては、高圧空気送出口が有機系処理物や水分などで詰まらないように工夫することが望ましい。高圧空気送出口は、そこから空気が送出されていない時に、侵入に対する抵抗力が無くなるため、特に有機系処理物や水分の侵入の危険性がある。他方、微量であっても空気を送出し続ければ、その空気圧が侵入に対する抵抗力となり、有機系処理物や水分の侵入の危険性を弱めることができる。そのため、高圧の空気を送出していない時であっても、高圧空気送出口から微量の空気を送出しておくことが望ましい。
図11から13は、高圧空気送出部の空気の圧力と時間の関係を示す図である。縦軸が空気の圧力を意味し、横軸が時間の経過を意味する。図11が示すように、定期的な間隔を開けて高圧の空気が送出される場合もある。図12が示すように、不定期な間隔を開けて高圧の空気が送出される場合もある。さらに、図13が示すように、高圧の空気が送出されていない時であっても、高圧空気送出口から微量の空気が送出されている場合もある。
「投入ステップ」とは、通気性向上のための多孔質部材を堆積槽中に投入する段階のことを意味する。
無機多孔部材を処理物に加えることにより、有機性発酵が更に促進される。無機多孔部材とは、無機であって無数の細孔がある部材のことを意味する。具体的には、ガラス、陶器、磁器、珪藻土、ゼオライト、シリカゲル、アルミナゲル、シリカマグネシア、シリカアルミナ、ケイ砂質磁器、アルミナシリケート質磁器、アルミナ質磁器、珪藻土質磁器、多孔質ガラス、電気石、珊瑚、粉炭等が挙げられる。無機であって無数の細孔があれば良く、動物性であると植物性であるとを問わず、かつ、人工であると天然であるとを問わない。処理物が有機肥料や有機飼料になることを考えると、土壌改善効果のある物質である粉炭などを用いるのが望ましい。
無機多孔部材を使用するメリットは、孔により通気性が向上し、かつ、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めることができる点にある。そのため、無機多孔部材の孔の径については、孔により通気性が向上し、かつ、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めることができるものであることが望ましい。数μよりも小さくなると、通気性向上の効果が不十分となる。他方、数十μmを超えると、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めるという効果が不十分となる。これらに対して、数μmから数十μmの範囲内であると、孔により通気性が向上し、かつ、好気性菌が孔を棲息場所にすることで好気性菌の増殖を高めることができる。そのため、無機多孔部材の孔の径は、数μmから数十μmの範囲内であることが望ましい。
「制御ステップ」とは、好気性発酵を摂氏55度から摂氏85度の範囲内であるように、前記低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップとを制御する段階のことを意味する。好気性発酵に適した温度は、摂氏60度程度から摂氏80度程度の範囲である。そのため、好気性発酵を促進するため、堆積槽内の温度を摂氏60度程度から摂氏80度程度の範囲内に保つことが望ましく、具体的には、摂氏55度から摂氏85度の範囲内に保つことが望ましく、さらには、摂氏60度から摂氏80度の範囲内に保つことが望ましい。
処理物は発酵する際に熱を発するのに対して、前記低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップにおいて送出される空気は、いずれも、その熱を冷ますことができる。そのため、前記低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップにおいて空気の送出を制御して間欠的休止状態にすれば堆積槽内の温度が高くなり、他方、空気を送出させれば堆積槽内の温度が下がる。そのため、前記低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップにおいて空気の送出を制御するステップが存在することが望ましい。「制御ステップ」は、この空気の送出を制御することにより、堆積槽内の温度を摂氏55度から摂氏85度の範囲内に保てるようにする段階である。
以上のうち、低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップと制御ステップとは、各工程間で前後関係が入れ替わっても、本発明の要旨を逸脱しないことは勿論である。これらの工程は、発酵完了か否かを判断する場面で発酵完了と判断されるまで継続される。
「発酵物質排出ステップ」とは、発酵完了か否かを判断する場面で発酵完了と判断されたとき、得られた発酵物質を堆積槽内から排出する段階を意味する。
排出方法は、特に限定されるものではなく、大量の有機肥料や有機飼料が得られた場合には重機等の車両を利用しても良い。また、空気送出管の構造上、重機等を用いるのが困難な場合、堆積槽ごと持ち上げて斜めにするなどの方法により有機肥料や有機飼料などを排出しても良い。さらに、堆積槽について開閉可能又は取り外し可能な壁を利用しているのであれば、それを開放状態又は取り外し状態にすることによって、堆積物が流れ出すことで排出させるという方法であっても良い。
発酵物質が排出された後、発酵物質製造を終了するか否かが判断される。そこで、終了と判断されれば、発酵物質製造工程の全行程が終了する。他方、終了と判断されなければ、堆積ステップから同じ工程を繰り返す。
0101:堆積槽
0102:配管
0201:低圧空気送出部(口)
0202:高圧空気送出部(口)

Claims (10)

  1. 有機系処理物を堆積するための堆積槽と、
    前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して好気性発酵を可能とするために相対的に低圧な空気を直接連続的に送出するための低圧空気送出部と、
    前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して有機系処理物中の前記相対的に低圧な空気の空気流通路を固定しないために相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出するための高圧空気送出部と、
    を有する有機系処理物発酵装置。
  2. 前記堆積槽中に配置され通気性が向上する多孔を有する無機多孔部材を有する請求項1に記載の有機系処理物発酵装置。
  3. 前記無機多孔部材は無機多孔微細粒である請求項2に記載の有機系処理物発酵装置。
  4. 前記低圧空気送出部は前記堆積槽底部に低圧空気送出口を有する請求項1から3のいずれか一に記載の有機系処理物発酵装置。
  5. 前記高圧空気送出部は前記堆積槽底部又は/及び堆積槽内側面に高圧空気送出口を有する請求項1から4のいずれか一に記載の有機系処理物発酵装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一に記載の有機系処理物発酵装置にて発酵された発酵物質。
  7. 有機系処理物を好気性菌を混合した有機系処理物を堆積槽に堆積する堆積ステップと、
    前記堆積槽に堆積された有機系処理物に対して好気性発酵を可能とするために相対的に低圧な空気を直接連続的に送出する低圧空気送出ステップと、
    低圧空気送出ステップとともに、又は低圧空気送出ステップの間欠的休止時に、前記堆積槽に堆積される有機系処理物に対して有機系処理物中の前記相対的に低圧な空気の流通路を固定しないために相対的に高圧な空気を直接定期又は不定期の間隔で送出するための高圧空気送出ステップと、
    を有する有機系処理物由来の発酵物質製造方法。
  8. 前記通気性向上のための多孔質部材を堆積槽中に投入する投入ステップをさらに有する請求項7に記載の発酵物質製造方法。
  9. 好気性発酵を摂氏55度から摂氏85度の範囲内であるように、前記低圧空気送出ステップと高圧空気送出ステップとを制御する制御ステップをさらに有する請求項7又は8に記載の発酵物質製造方法。
  10. 前記有機系処理物は発酵によって有機肥料又は有機飼料として利用可能な廃棄物である請求項7から9のいずれか一に記載の発酵物質製造方法。
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