以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技球発射装置37(図3参照)によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4は、発射ハンドル7の発射強度に応じて、遊技球が流下する度合いを互いに異にする第一遊技領域4Lと第二遊技領域4Rとを備えている。第一遊技領域4Lは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域4の左側に位置し、第二遊技領域4Rは、遊技者から見て遊技領域4の右側に位置している。ガイドレール3は遊技領域4の左側に形成されていることから、発射ハンドル7によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第二遊技領域4Rを流下し(例えば図2矢印11参照)、所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第一遊技領域4Lを流下する(例えば図2矢印10参照)。以下、矢印10に示すように遊技球を発射することを「左打ち」と、矢印11に示すように遊技球を発射することを「右打ち」と称する。
遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28は様々な映像を表示するが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄81(図21参照)を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄81を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄81の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
演出装置8において、表示画面28の上方に可動役物30が設けられている。可動役物30は、可動部を動作させることで各種演出を行う。演出装置8の右下部には普通図柄作動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には第一始動口14および第二始動口15が設けられており、その下方には大入賞口16が設けられている。第二始動口15は、普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき可動する役物)としての開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は第二始動口15に入賞できる。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。さらに遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられている。
本実施形態では、普通図柄作動ゲート12を通過する遊技球は、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球が大半であり、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過することは非常に困難である。第一始動口14、第二始動口15および大入賞口16は、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球と右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球のいずれもが入賞可能に配置されている。このうち第一始動口14については、入賞口および遊技くぎ等の配置により、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球の方が、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球よりも入賞しやすい配置となっている。また第二始動口15および大入賞口16については、入賞口および遊技くぎ等の配置により、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球の方が、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球よりも入賞しやすい配置となっている。
遊技盤2の右斜め下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1では、普通当たり遊技および大当たり遊技が設けられている。パチンコ機1は、第一大当たり判定および第二大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が約1/300である非確率変動状態と、約1/60である確率変動状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。また、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。パチンコ機1は、これらの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「非確率変動時短状態」、「確率変動非時短状態」および「確率変動時短状態」の4つの遊技状態を生起する。
本実施形態では、確率変動大当たりと判定された場合、大当たり遊技の終了後から次回の大当たり遊技の実行開始まで、確率変動状態が継続する。確率変動大当たりと判定された場合の時短状態の継続条件には、確率変動状態の継続と同期して次回の大当たり遊技の実行開始まで時短状態が継続するものと、次回の大当たり遊技の実行開始まで、または第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数(本実施形態では100回)に達するまで時短状態が継続するものとの二通りがある。このうち確率変動状態の継続と同期して次回の大当たり遊技の実行開始まで時短状態が継続する場合には、次回の大当たり遊技の実行開始まで「確率変動時短状態」が継続する。また、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数に達することで時短状態が終了する場合には、規定回数まで「確率変動時短状態」が継続し、その後次回の大当たり遊技の実行開始まで「確率変動非時短状態」が継続することとなる。
また、非確率変動大当たりと判定された場合、次回の大当たり遊技の実行開始まで、または、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数(本実施形態では100回)に達するまで、「非確率変動時短状態」が継続する。その後、遊技状態は「通常状態」へ移行する。つまり、パチンコ機1の「非確率変動時短状態」は、第一大当たり判定の回数と第二大大当たり判定の回数の和が規定回数に達すること、または次回の大当たり遊技が実行開始されることによって終了する。なお、確率変動状態および時短状態は、大当たり遊技開始時にも終了する。この場合、規定回数の計数はクリアされる。
次いで、普通当たり遊技について説明する。遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過すると、普通当たり判定が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中の第二始動口15の開閉部材の最大開放時間は、非時短状態中(0.2秒)よりも時短状態中(4.2秒)の方が長い。さらに、普通図柄の変動時間は、非時短中の変動時間(本実施形態では10秒)よりも時短状態中の変動時間(本実施形態では2秒)の方が短い。第二始動口15の開閉部材は、当たりを示す普通図柄が確定表示されてから開放される。よって、「確率変動時短状態」中および「非確率変動時短状態」中(つまり、時短状態中)には、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が非時短状態よりも高くなる。この結果、第一始動口14よりも第二始動口15に容易に遊技球を入賞させることができる。従って、時短状態中は、右打ちによって遊技を進行することが、遊技者にとって有利となる。一方、非時短状態中は第二始動口15の開閉部材が開放される割合が、時短状態よりも低くなるため、第二始動口15よりも第一始動口14に容易に遊技球を入賞させることができる。従って、非時短状態中は、左打ちによって遊技を進行することが、遊技者にとって有利となる。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72、および第二始動口スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、演出装置8の各種照明の動作および可動役物30の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口開閉ソレノイド70、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75および図柄表示部24が接続されている。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同じであるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図10から図12参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の通過時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
図5を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄および第二特別図柄は、それぞれ複数の大当たり種別のいずれかに分類される。第一特別図柄の種別には、「4R確変A」、「4R確変B」、「4R通常」の3つがある。第二特別図柄の種別には、「16R確変」、「8R確変」、「8R通常」の3つがある。「4R」、「8R」および「16R」は、1回の当たり遊技中に大入賞口16が開閉される回数の合計(所謂「ラウンド数」)を示す。「確変」は確率変動図柄の分類であることを示し、「非確変」は非確率変動図柄の分類であることを示す。確率変動状態を生起するか否かは、特別図柄が確率変動図柄であるか否かによって決定される。本実施形態では、大当たりを示す特別図柄のうち確率変動図柄の占める割合は、第一特別図柄と第二特別図柄のいずれも70%である。特別図柄決定テーブルでは、各特別図柄と特別図柄決定乱数の値とが対応付けられている。大当たりと判定されると、特別図柄決定乱数の値に対応する特別図柄が決定される。決定された特別図柄の属する大当たり種別に応じてラウンド数、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起されるか否か、および大当たり遊技終了後に生起される時短状態の継続条件が決定される。
「4R確変B」および「8R確変」の大当たり遊技終了後の確率変動状態中に、第一大当たり判定および第二大当たり判定において連続して100回はずれと判定されると時短状態が終了し、遊技状態は「確率変動非時短状態」へ移行する。本実施形態では、「確率変動非時短状態」と「通常状態(非確率変動非時短状態)」において、確率変動状態であるか否かに関わらず共通の報知演出が実行される。従って遊技者は、「確率変動非時短状態」においては、確率変動状態の生起を認識不可能または認識困難な、所謂潜伏確変状態の遊技を進行させることとなる。
図6から図8を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。パチンコ機1では、第一特別図柄変動パターン決定テーブル(図6参照)、第二特別図柄変動パターン決定テーブル(図7参照)、および特殊変動パターン決定テーブル(図8参照)の3つの変動パターン決定テーブルが記憶されている。
第一特別図柄変動パターン決定テーブルには、第一大当たり判定時の遊技状態(非時短状態中または時短状態中)、および第一大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている(図6参照)。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。第一大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、第一大当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28およびスピーカ48等を制御する。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄を変動させる。
本実施形態では、第一大当たり判定の結果がはずれの場合、リーチ演出を実行しない「非リーチ」の変動パターンが決定される割合が最も高い。一方、第一大当たり判定の結果が当たりの場合には、「非リーチ」の変動パターンが選択されることはない。「非リーチ」以外の変動パターンでは、リーチ演出が実行される。リーチ演出は、複数の演出図柄81のうちの一部を停止させた状態で行われる演出を含む報知演出である。本実施形態におけるリーチ演出には、リーチ演出A,B,C,Dがある。図6に示すように、第一大当たり判定の結果が大当たりの場合には、リーチ演出A,B,C,Dの順で、決定される割合が高くなる。逆に、判定結果がはずれの場合には、リーチ演出A,B,C,Dの順で、決定される割合が低くなる。従って、報知演出において示される第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、リーチ演出A,B,C,Dの順に高くなる。
第二特別図柄変動パターン決定テーブルも、第一特別図柄変動パターン決定テーブルと同様に構成される(図7参照)。第二大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、第二大当たり乱数とともに取得されている第二変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。
特殊変動パターン決定テーブルは、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数の100回に達することにより時短状態が終了した直後に実行される大当たり判定の判定結果を報知する報知演出の変動パターンを決定するために参照される(図8参照)。時短状態が終了した後には、遊技状態は非時短状態へ移行する。本実施形態では、時短状態から非時短状態へ遊技状態が移行した場合、時短状態が終了した直後に実行される報知演出において、発射強度を「右打ち」から「左打ち」へと変更することを遊技者に促す発射強度表示90(図21参照)が表示される。
前述したように、時短状態においては、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が非時短状態よりも高くなる。時短状態中には第二始動口15に容易に遊技球が入賞するため、時短状態から非時短状態へ移行した直後には、第二大当たり判定のための特別図柄作動保留球が多数記憶されている可能性が高い。一方で、特別図柄作動保留球数が多い場合には、新たな特別図柄作動保留球を受け入れるため、「非リーチ」の変動パターンについては、特別図柄作動保留球数が少ない場合よりも変動時間が短くなるように設定されている(図7参照)。このため、時短状態から非時短状態へ移行した場合に、第二変動パターン決定テーブルを参照して変動パターンを決定すると、変動時間の短い変動パターンが決定される可能性が高くなる。短い変動時間の報知演出において発射強度表示90を表示させた場合、発射強度を「右打ち」から「左打ち」へと変更することを遊技者に促す時間を十分に確保することができない。
そこで、本実施形態では、時短状態から非時短状態へ移行した直後の報知演出については、特殊変動パターン決定テーブルを参照して、変動パターンを決定する。特殊変動パターン決定テーブルに割り当てられた変動パターンが指定する変動時間は、第一変動パターンテーブルおよび第二変動パターンテーブルに割り当てられた変動パターンが指定する最短の変動時間よりも長い(図6から図8参照)。これにより、発射強度表示90が表示される報知演出について、発射強度表示90を表示するための変動時間が十分に確保される。なお、発射強度表示90の表示時間が短い等、第一変動パターンテーブルおよび第二変動パターンテーブルのうち最短の変動パターンであっても発射強度表示90を表示する時間を確保できる場合には、特殊変動パターン決定テーブルによって変動パターンを決定しなくてもよい。
第二大当り判定のために記憶された特別図柄作動保留球数によっては、時短状態から非時短状態へ移行した直後の報知演出が、第一大当たり判定の結果を報知するものとなることも考えられる。従って、本実施形態では、時短状態から非時短状態へ移行した直後の報知演出について第一大当たり判定の結果を報知する場合にも、特殊変動パターン決定テーブルを参照して変動パターンを決定する。
図9から図15を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図9参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。詳細には、大当たり種別が「4R確変A」および「16R確変」の場合、確率変動フラグおよび時短Aフラグが、大当たり遊技終了後に「ON」となる。大当たり種別が「4R確変B」および「8R確変」の場合、確率変動フラグおよび時短Bフラグが、大当たり遊技終了後に「ON」となる。大当たり種別が「4R通常」および「8R通常」の場合、時短Bフラグが、大当たり遊技終了後に「ON」となる。なお、後述する特別図柄処理において時短A当選フラグおよび時短B当選フラグが「ON」となっている場合に、時短Aフラグおよび時短Bフラグがそれぞれ「ON」とされる。なお、確率変動状態であるか否か、時短状態であるか否かの情報は、確率変動フラグ、時短Aフラグおよび時短Bフラグの状態に応じて、コマンド出力処理(S10、図9参照)によってサブ制御基板58に送信される。また、後述する大当たり遊技状態フラグが「ON」となっている場合、大当たり遊技が実行される。本実施形態では、全てのラウンドにおいて、大入賞口16が最大開放時間29秒で開放される。大当たり遊技におけるラウンド数は、後述する特別図柄処理において、大当たり種別に応じて決定される。そして、一旦開放された大入賞口16は、最大開放時間の経過、および9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図10から図15参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口15の開閉部材を開放させる。なお、CPU51は、時短Aフラグまたは時短Bフラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率(99/100または4/100)で判定される。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図10から図15を参照して、特別図柄処理(S14、図9参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグA、時短フラグB、確率変動当選フラグ、時短A当選フラグ、時短B当選フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、二つの特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短Aフラグは、次回大当たりまでの時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短Bフラグは、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が100回に達するまでの時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。確率変動当選フラグは、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起すると決定された場合に「1」が記憶されて「ON」となる。時短A当選フラグは、次回大当たりまで時短状態を生起すると決定された場合に「1」が記憶されて「ON」となる。時短B当選フラグは、100回の時短状態を生起すると決定された場合に「1」が記憶されて「ON」となる。
図10に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一始動口14に設けられた第一始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図9参照)において、第一始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S21:NO)、処理はS31の判断へ移行する。第一始動口14に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、第一特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS31の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S25)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。処理はS31の判断へ移行する。
次いで、第二始動口15への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S31)。第二始動口15に設けられた第二始動口スイッチ73に対応するフラグが「ON」となっていない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41(図11参照)の判断へ移行する。第二始動口15に遊技球が入賞していれば(S31:YES)、第二特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S32)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「4」であれば(S32:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS41(図11参照)の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S32:NO)、RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S33)。次いで、各種乱数が取得され、第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)と、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)と、第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)とが取得され、それぞれRAM52に記憶される(S35)。処理はS41(図11参照)の判断へ移行する。
次いで、図11に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S41)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S41:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S41:NO)、二つの特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S42)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S42:NO)、二つの特別図柄のいずれかが停止状態中であるか否かが判断される(S43)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S43:NO)、処理はS51(図12参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図12に示すように、まず、第二特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S51)。RAM52に記憶されている第二特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S51:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二特別図柄作動保留球数が「0」である場合には(S51:NO)、第一特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「0」であれば(S52:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一特別図柄作動保留球数が「1」以上である場合には(S52:YES)、RAM52に記憶されている第一特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S53)。第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S54)。次いで、遊技状態に応じた第一大当たり判定が行われる(S55)。S55では、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。図示しないがROM53には、第一大当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが設けられている。低確率判定テーブルは、非確率変動状態中の第一大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数の乱数値が定義されている。高確率判定テーブルは、確率変動状態中の第一大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数の乱数値が定義されている。特定された遊技状態に対応して、低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S54でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S56:YES)、第一大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた第一特別図柄変動パターン決定テーブルが参照されて変動パターンが決定される(S57)。なお、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かの情報は、コマンド出力処理(S10、図9参照)によってサブ制御基板58に送信される。
図13を参照して、第一大当たり変動パターン決定処理(S57、図12参照)について詳細に説明する。第一大当たり変動パターン決定処理は、第一大当たり判定の判定結果が大当たりである場合に変動パターンを決定する処理である。まず、後述するS132(図15参照)でセットされる特殊変動カウンタの値が「0」であるか否かが判断される(S101)。特殊変動カウンタは、報知演出において発射強度表示90を表示することを決定するために用いられるカウンタである。特殊変動カウンタの値は、RAM52に記憶される。本実施形態では、100回の時短状態が終了した直後に、発射強度表示90が表示される報知演出が1回実行される。特殊変動カウンタの値が「0」の場合(S101:YES)、変動パターンを決定する報知演出は、発射強度表示90が表示される報知演出ではない。従って、参照する変動パターンテーブルとして、第一変動パターン決定テーブル(図6参照)がセットされる(S102)。特殊変動カウンタの値が「0」以外の場合(S101:NO)、報知演出において発射強度表示90は表示されない。従って、参照する変動パターンテーブルとして、特殊変動パターン決定テーブルがセットされる(S103)。次いで、セットされた第一変動パターン決定テーブルまたは特殊変動パターン決定テーブルが参照されて、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンのうちの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される(S104)。処理は特別図柄処理(図12参照)へ戻る。
図12の説明に戻る。次いで、特別図柄決定テーブル(図5参照)によって、大当たりであることを示す第一特別図柄のうちの一つが、第一特別図柄決定乱数の値によって決定される(S58)。次いで、大当たり種別判別処理が行われる(S59)。大当たり種別判別処理では、大当たり遊技終了後に生起する遊技状態が決定される。処理はS81へ移行する。
図14を参照して、大当たり種別判定処理(S59、図12参照)について詳細に説明する。まず、S58(図12参照)において決定された第一特別図柄の大当たり種別が、「4R通常」であるか否かが判断される(S111)。「4R通常」以外の大当たり種別の場合(S111:NO)、確率変動当選フラグが「ON」となる(S112)。次いで、決定された第一特別図柄の大当たり種別が、「4R確変A」であるか否かが判断される(S113)。大当たり種別が「4R確変A」である場合(S113:YES)、時短A当選フラグが「ON」となる(S114)。一方、大当たり種別が「4R通常」の場合(S111:YES)および「4R確変B」の場合(S113:NO)、時短B当選フラグが「ON」となる(S115)。処理は特別図柄処理(図12参照)へ戻る。
図12の説明に戻る。一方、第一大当たり判定によってはずれと判定された場合には(S56:NO)、第一はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される(S60)。第一はずれ変動パターン決定処理の流れは、S59の第一大当たり変動パターン決定処理と同様となる。つまり、特殊変動カウンタの値が「0」であるか否かに応じて第一変動パターン決定テーブルまたは特殊変動パターン決定テーブルが参照されて、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンのうちの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される。処理はS81へ移行する。なお、はずれの場合の第一特別図柄は「−」の1種類である。
また、第二大当たり判定では、まず、第二特別図柄作動保留球数が「1」減算される(S70)。第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが次の番号の記憶エリアにシフトされる(S71)。次いで、遊技状態に応じた第二大当たり判定が行われる(S72)。S72では、確率変動フラグの状態を参照して、現在の遊技状態が特定される。特定された遊技状態に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率変動テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S71でシフトされた判定エリアに記憶されている第二大当り乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S73:YES)、第二大当たり変動パターン決定処理が実行される(S74)。次いで、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S75)。次いで、大当たり種別判別処理が行われる(S76)。第二大当たり判定によってはずれと判定された場合には(S73:NO)、第二はずれ変動パターン決定処理が実行される(S77)。処理はS81へ移行する。なお、はずれの場合の第二特別図柄は「−」の1種類である。
なお、第二大当たり判定の後に行われる第二大当たり変動パターン決定処理(S74)および第二はずれ変動パターン決定処理(S77)の流れは、第一大当たり変動パターン決定処理(S57)において第一特別図柄変動パターン決定テーブルをセットする代わりに(S102、図13参照)、第二特別図柄変動パターンテーブル決定テーブルをセットする以外は同様となる。つまり、特殊変動カウンタの値が「0」であるか否かに応じて第二変動パターン決定テーブルまたは特殊変動パターン決定テーブルが参照されて、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンのうちの一つが、第二変動パターン決定乱数の値によって決定される。
また、S76で実行される大当たり種別判別処理の流れは、一部を除いて、S59の大当たり種別判別処理と同様となる。詳細には、S76の大当たり種別判別処理では、S111(図14参照)で大当たり種別が「4R通常」であるか否かを判断する代わりに、「8R通常」であるか否かを判断する。また、S113で大当たり種別が「4R確変A」であるか否かを判断する代わりに、「16R確変」であるか否かを判断する。これにより、大当たり遊技終了後に生起する遊技状態が決定される。
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S81)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S82)。二つの特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S83)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図11に示すS42の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、二つの特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S42:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S74)。S82(図12参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S84:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S85)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、図9参照)によってサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示画面28の演出図柄81、および二つの特別図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.5秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S86)。二つの特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S87)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S84の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S84:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S43の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合には、二つの特別図柄のいずれかが停止表示中であると判断され(S43:YES)、S86においてセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S88)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S88:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S88:YES)、二つの特別図柄がともに変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S89)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S90)、処理はメイン処理へ戻る。
図15を参照して、遊技状態移行処理(S90、図11参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たりと判定された場合に遊技を大当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御と、所定の終了条件が成立した場合に時短状態および確率変動状態を終了させるためのフラグの制御とが行われる。
まず、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S121)。大当たりの場合(S121:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」となる(S122)。本実施形態では、第一大当たり遊技または第二大当たり遊技のラウンド数は、特別図柄決定テーブル(図5参照)における特別図柄の大当たり種別に応じて決定される。第一大当たり遊技のラウンド数は4ラウンドであり、第二大当たり遊技のラウンド数は8ラウンドまたは16ラウンドである。よって、大当たり種別に応じたラウンド数が、ラウンド数を計数するラウンド数カウンタにセットされる(S123)。また、大当たり遊技を開始させることを示す大当たり遊技開始コマンドが、RAM52に記憶される。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。次いで、大当たり判定回数計数カウンタの値がクリアされる(S124)。大当たり判定回数計数カウンタは、前回の大当たり遊技の終了後に行われた第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和(連続してはずれと判定された回数)を計数するカウンタである。次いで、「ON」となっている時短Aフラグ、時短Bフラグおよび確率変動フラグがあれば、「OFF」とされる(S125)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が、確率変動状態または時短状態から通常状態へと移行する。処理は特別図柄処理へ戻る(図11参照)。
大当たり判定の結果がはずれの場合(S121:NO)、大当たり判定回数計数カウンタの値に「1」が加算される(S126)。次いで、時短Aフラグが「ON」であるか否かが判断される(S127)。時短Aフラグが「ON」の場合(S127:YES)、処理は特別図柄処理へ戻る(図11参照)。時短Aフラグが「OFF」の場合(S127:NO)、時短Bフラグが「ON」であるか否かが判断される(S128)。時短Bフラグが「ON」の場合(S128:YES)、大当たり判定回数計数カウンタの値によって、判定回数が100回に達したか否かが判断される(S129)。100回に達していなければ(S129:NO)、処理はそのまま特別図柄処理へ戻る。100回に達した場合には(S129:YES)、時短Bフラグが「OFF」とされる(S130)。次いで、第一大当たり判定および第二大当たり判定において連続して100回はずれと判定されたことによって時短状態が終了したことをサブ制御基板58に通知するための状態変化コマンドがRAM52に記憶される(S131)。状態変化コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。次いで、特殊変動カウンタに「1」がセットされて(S132)、処理は特別図柄処理へ戻る(図11参照)。
一方、時短Bフラグが「OFF」の場合には(S128:NO)、特殊変動カウンタの値が「0」であるか否かが判断される(S133)。特殊変動カウンタの値が「0」以外の場合(S133:NO)、特殊変動カウンタの値から「1」が減算されて(S134)、処理は特別図柄処理へ戻る(図11参照)。また、特殊変動カウンタの値が「0」の場合(S133:YES)、処理は特別図柄処理へ戻る(図11参照)。
図16から図21を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理と、本実施形態において実行される、発射強度表示90が表示される報知演出の詳細について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。サブ制御基板58のRAM582には、発射強度表示フラグ等が記憶されている。発射強度表示フラグは、報知演出において発射強度表示90を表示することを示すフラグである。発射強度表示フラグは、報知演出において発射強度表示90を表示する場合には「1」が記憶されて「ON」となり、報知演出において発射強度表示90を表示しない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
図16を参照して、演出制御基板43のCGROM432に記憶されているキャラクタテーブルについて説明する。前述したように、本実施形態では、100回の時短状態が終了した直後に、発射強度表示90が表示される報知演出が1回実行される。この1回の報知演出において、発射強度表示90は2回表示される。発射強度表示90は、発射強度を「右打ち」から「左打ち」へと変更することを遊技者に促すメッセージとともに、キャラクタが表示される。表示されるキャラクタには、キャラクタ1〜4の4種類が設けられている。キャラクタテーブルは、キャラクタ1〜4に対応する画像であるキャラクタ画像91〜94によって構成される(図16(1)参照)。
1回の報知演出において、発射強度表示90が表示される都度、キャラクタ画像91〜94のうちから一つが選択されて表示される。1回目の発射強度表示90と2回目の発射強度表示90とにおいて、同種類のキャラクタが選択される場合と、異なった種類のキャラクタが選択される場合とがある。本実施形態では、4種類のキャラクタ1〜4が設けられているため、1回目の発射強度表示90と2回目の発射強度表示90とにおいて表示されるキャラクタの組合せパターンは、図16(2)に示す全16パターンとなる。このうち、パターン1,6,11,16が、1回目の発射強度表示90と2回目の発射強度表示90とにおいて同種類のキャラクタが選択されるパターンである。なお本実施形態では、発射強度表示90が表示される都度、キャラクタ画像91〜94のいずれかが表示されるが、1回目および2回目の発射強度表示90のいずれか一方または両方において、キャラクタ画像91〜94がいずれも表示されないパターンを設けてもよい。
図17および図18を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されているキャラクタ組合せ決定テーブルについて説明する。キャラクタ組合せ決定テーブルは、後述する報知演出制御処理において、発射強度表示90において表示するキャラクタの組合せパターンを決定する場合に参照される。キャラクタ組合せ決定テーブルには、報知演出が報知する第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果(大当たりまたははずれ)、発射強度表示90が表示される時点に生起されている遊技状態(確率変動非時短状態または通常状態)および報知演出の期待度(指定された変動パターン)の各組合せ選択種別に応じて、複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには、キャラクタの組合せパターンの全16パターンが割り当てられており、各組合せパターンとキャラクタ乱数の値(0〜99)とが対応づけられている。報知演出制御処理では、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御される。キャラクタ乱数は、報知演出制御処理において、発射強度表示フラグが「ON」となっている場合に取得され、取得されたキャラクタ乱数の値によってキャラクタの組合せパターンが1つ決定される。
本実施形態では、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、パターン1,6,11,16のいずれかが決定される割合は88%となり(図17参照)、組合せ選択種別のうち最も高い。一方、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果がはずれであって、且つ、遊技状態が通常状態(非確率変動非時短状態)の場合、パターン1,6,11,16のいずれかが決定される割合は、報知演出の期待度(指定された変動パターン)に応じて異なる(図18参照)。判定結果がはずれ、且つ、通常状態においては、報知演出の期待度が最も高い「リーチ演出D」および「リーチ演出M」の場合、パターン1,6,11,16のいずれかが決定される割合は64%となる。また、報知演出の期待度が最も低い「非リーチ」の変動パターンの場合、パターン1,6,11,16のいずれかが決定される割合は4%となり、最も低い。なお、パターン1,6,11,16のいずれかが決定される割合は、遊技者に与える期待感を勘案して、様々に設定することができる。また、遊技性に応じて、これ以外の組合せパターンの決定される割合が高くなるように設定してもよい。
また、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果がはずれであって、且つ、遊技状態が確率変動非時短状態(潜伏確変状態)の場合、パターン1,6,11,16のいずれかが決定される割合は52%となる(図17参照)。これは、判定結果がはずれ、且つ、通常状態における「リーチ演出C」または「リーチ演出L」の場合と同じ割合である。加えて、判定結果がはずれ、且つ、潜伏確変状態においては、パターン2,3,4,5,9,13が選択される割合が、その他の組合せパターンが選択される割合よりも高くなるように設定されている。パターン2,3,4,5,9,13は、1回目または2回目の発射強度表示90のいずれかにおいてキャラクタ1が選択される組合せパターンである。よって、1回目の発射強度表示90と2回目の発射強度表示90とにおいて同種のキャラクタが選択されない場合であっても、1回目または2回目の発射強度表示90のいずれかにおいてキャラクタ1が選択された場合には、遊技状態が潜伏確変状態であることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。パターン2,3,4,5,9,13のいずれかが決定される割合は30%である。従って、1回目の発射強度表示90と2回目の発射強度表示90とにおいて同種のキャラクタが選択される割合と、1回目または2回目の発射強度表示90のいずれかにおいてキャラクタ1が選択される割合との合計は82%となる。なお、パターン2,3,4,5,9,13のいずれかが決定される割合も、遊技者に与える期待感を勘案して、様々に設定することができる。また、遊技性に応じて、これ以外の組合せパターンの決定される割合が高くなるように設定してもよい。
サブ制御基板58で行われるサブ制御基板処理について、図19を参照して説明する。サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から状態変化コマンドを受信したか否かが判断される(S141)。受信していない場合(S141:NO)、処理はS143の判断へ移行する。状態変化コマンドを受信すると(S141:YES)、発射強度表示フラグが「ON」となり(S142)、処理はS143の判断へ移行する。
次いで、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S143)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S143:NO)、処理はS145の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S143:YES)、報知演出制御処理が実行されて(S144)、処理はS145の判断へ移行する。
図20を参照して、報知演出制御処理(S144、図19参照)について詳細に説明する。報知演出制御処理が開始されると、S143(図19参照)において受信された変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが、RAM582に記憶され(S151)、記憶された変動パターンに基づいて、報知演出が制御される(S152)。次いで、発射強度表示フラグが「ON」であるか否かが判断される(S153)。発射強度表示フラグが「OFF」である場合(S153:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
発射強度表示フラグが「ON」である場合(S153:YES)、キャラクタ乱数が取得されて、RAM582に記憶される(S154)。次いで、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かが判断される(S155)。第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりの場合(S155:YES)、キャラクタの組合せパターンを決定するため、キャラクタ組合せ決定テーブルのうち第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりの組合せ選択種別のテーブル(図17参照)が参照される(S156)。
第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果がはずれの場合(S155:NO)、確率変動状態であるか否かが判断される(S158)。ここで、この判断処理は、主基板41から送信された確率変動状態であるか否かの情報によって判断される。確率変動状態の場合(S158:YES)、キャラクタの組合せパターンを決定するため、キャラクタ組合せ決定テーブルのうち第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果がはずれであって、且つ、潜伏確変状態の組合せ選択種別テーブル(図17参照)が参照される(S159)。処理はS157へ移行する。非確率変動状態の場合(S158:NO)、キャラクタの組合せパターンを決定するため、キャラクタ組合せ決定テーブルのうち第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果がはずれ、且つ、通常状態の組合せ選択種別のうち、指定された変動パターンに応じたテーブル(図18参照)が参照される(S160)。処理はS157へ移行する。
次いで、それぞれ参照されたキャラクタ組合せ決定テーブルによってキャラクタの組合せパターンが決定され、決定された組合せパターンに対応するキャラクタ画像91〜94を発射強度表示90において表示させる制御が行われる(S157)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図19の説明に戻る。次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S145)。特別図柄停止コマンドを受信していなければ(S145:NO)、処理はS148の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S145:YES)、第一大当たり判定または第二大当たり判定の結果を示す演出図柄81の組合せが確定表示される(S146)。次いで、「ON」となっている発射強度表示フラグがあれば「OFF」とされる(S147)。処理はS148の判断へ移行する。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S148)。受信していなければ(S148:NO)、処理はS141の判断へ戻る。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S148:YES)、大当たり遊技演出処理が実行されて(S149)、処理はS141の判断へ戻る。
次に、図21を参照して、発射強度表示90が表示される報知演出の内容について説明する。ここでは、1回目の発射強度表示90と2回目の発射強度表示90とにおいて表示されるキャラクタの組合せパターンとしてパターン10が決定された場合を例に説明する。
発射強度表示90が表示される報知演出が開始されると、演出図柄81の変動表示が実行される(図21(1)参照)。次いで、1回目の発射強度表示90の表示が行われる(図21(2)参照)。パターン10の組合せパターンは、1回目の発射強度表示90の表示においてキャラクタ3を、2回目の発射強度表示90の表示においてキャラクタ2をそれぞれ表示するパターンである(図16(2)参照)。1回目の発射強度表示90は、発射強度を「右打ち」から「左打ち」へと変更することを遊技者に促すメッセージとともに、キャラクタ3に対応するキャラクタ画像93を表示する。1回目の発射強度表示90の表示が終了した後、2回目の発射強度表示90の表示が行われる(図21(3)参照)。2回目の発射強度表示90は、発射強度を「右打ち」から「左打ち」へと変更することを遊技者に促すメッセージとともに、キャラクタ2に対応するキャラクタ画像92を表示する。
図21(2)および(3)に示すように、本実施形態で表示される発射強度表示90は、キャラクタ画像91〜94のいずれかを伴って、報知演出において変動表示される演出図柄81よりも前面に、演出図柄81よりも大きく表示される。これは、発射強度を「右打ち」から「左打ち」へと変更することを遊技者に促すメッセージを明確に表示するとともに、キャラクタ画像91〜94による表示をわかりやすく表示するためである。このため、発射強度表示90は、単に発射強度を「右打ち」から「左打ち」へと変更することを遊技者に促すだけでなく、表示するキャラクタの組合せパターンによって、遊技に対する興趣を高めることができる。一方、このような発射強度表示90が複数回の報知演出に亘って間断なく表示された場合、演出図柄81による変動表示の変動開始および確定表示の視認性が妨げられてしまい、却って遊技に対する興趣を損ねてしまう可能性がある。このため本実施形態では、時短状態から非時短状態へ移行した直後の報知演出については、特殊変動パターン決定テーブルによって変動パターンを決定することで、1回の報知演出の間に発射強度表示90を2回表示するための変動時間を十分に確保している。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機1は、非時短状態よりも遊技者にとって有利な時短状態が終了した後、最初に非時短状態において実行される1回の報知演出において、発射ハンドル7を操作して発射強度を左打ちにするように遊技者に指示する発射強度表示90を表示する。発射強度表示90は、発射強度表示90が表示される報知演出が報知するする第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果(大当たりまたははずれ)、発射強度表示90が表示される時点に生起されている遊技状態(確率変動非時短状態または通常状態)および報知演出の期待度(指定された変動パターン)に基づいて、その表示態様が変化する。従って、本実施形態に係るパチンコ機1は、非時短状態よりも有利な時短状態が終了した遊技者の注目を、発射強度表示90に集めることができる。
発射強度表示90が表示される報知演出では、1回の報知演出において発射強度表示90が2回表示される。2回表示される発射強度表示90の組合せは、発射強度表示90が表示される報知演出が報知するする第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果(大当たりまたははずれ)、発射強度表示90が表示される時点に生起されている遊技状態(確率変動非時短状態または通常状態)および報知演出の期待度(指定された変動パターン)に基づいて決定される。このため、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果、報知演出の期待度または発射強度が表示される時点に確率変動状態が生起されているか否かに基づいて、2回表示される発射強度表示90の表示態様をわかりやすく変化させることができる。
この場合、発射強度表示決定手段は、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、報知演出の期待度が高い場合または発射強度が表示される時点に潜伏確変状態が生起されている場合には、これら以外の場合よりも、2回の発射強度表示90の表示において同種のキャラクタが選択される組合せパターンが決定される割合が高くなる。このため、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりである可能性、報知演出の期待度が高い可能性、または発射強度が表示される時点に確率変動状態が生起されている可能性が高いことを、遊技者に対してわかりやすく報知することができる。
発射強度表示90が表示される報知演出の実行時間は、特殊変動パターン決定テーブル(図8参照)に割り当てられた変動パターンによって決定される。特殊変動パターン決定テーブル(図8参照)に割り当てられた変動パターンの示す変動時間は、発射強度表示90が表示されない通常の報知演出において用いられる第一特別図柄変動パターン決定テーブル(図6参照)および第二特別図柄変動パターン決定テーブル(図7参照)に割り当てられた変動パターンの最短の変動時間よりも長い。よって、発射強度表示90が表示される報知演出において、発射強度表示90を表示する時間を確保することができる。
遊技者にとって有利な時短状態が終了した後、最初に非時短状態において実行される1回の報知演出において、発射ハンドル7を操作して発射強度を非時短状態に有利な左打ちにするように遊技者に指示する発射強度表示90が表示される。発射強度指示手段は、発射強度を非時短状態に有利な左打ちとするように遊技者に指示する発射強度表示を表示する。従って、パチンコ機1は、非時短状態よりも有利な時短状態が終了した遊技者の注目を、発射強度表示90に集めることができる。
この場合、非時短状態において、通常状態(非確率変動非時短状態)と、通常状態よりも遊技者にとって有利な確率変動非時短状態(潜伏確変状態)の、有利度の異なる二種類の遊技状態を設けることができる。従って、遊技機は、非時短状態において通常状態または潜伏確変状態のいずれが生起されているかに基づいて、発射強度表示90の表示態様を変化させることができる。
本実施形態において、遊技領域4が、本発明の「遊技領域」に相当する。遊技盤2が、本発明の「遊技盤」に相当する。遊技球発射装置37が、本発明の「発射装置」に相当する。発射ハンドル7が、本発明の「発射強度調整手段」に相当する。第一始動口14および第二始動口15が、本発明の「始動口」に相当する。図10のS25およびS35において大当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「大当たり乱数取得手段」として機能する。図12のS55およびS72において大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「大当たり判定手段」として機能する。図9のS13において時短状態を生起する主基板41のCPU51が、本発明の「遊技状態制御手段」として機能する。図20に示す報知演出制御処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知演出実行手段」として機能する。図20のS157において決定された組合せパターンに対応するキャラクタ画像91〜94を発射強度表示90において表示させる制御を行うサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「発射強度指示手段」として機能する。図20のS154からS160においてキャラクタの組合せパターンを決定するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「発射強度表示決定手段」として機能する。
図16に示すキャラクタテーブルを記憶する演出制御基板43のCGROM432が、本発明の「発射強度表示記憶手段」に相当する。図6から図8に示す第一特別図柄変動パターン決定テーブル、第二特別図柄変動パターン決定テーブル、および特殊変動パターン決定テーブルを記憶する主基板41のROM53が、本発明の「変動パターンテーブル記憶手段」に相当する。図13に示す第一大当たり変動パターン決定処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「変動パターン決定手段」として機能する。第一遊技領域4Lが、本発明の「第一遊技領域」に相当する。第二遊技領域4Rが、本発明の「第二遊技領域」に相当する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。上記実施形態では、発射強度表示90が表示される報知演出が報知する第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果(大当たりまたははずれ)、発射強度表示90が表示される時点に生起されている遊技状態(確率変動非時短状態または通常状態)および報知演出の期待度(指定された変動パターン)に基づいて、発射強度表示90の表示態様が変化する。しかし、発射強度表示90が表示される報知演出が報知するする第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果のみに基づいて発射強度表示90の表示態様を変化させてもよい。同様に、潜伏確変状態が生起しているか否かのみに基づいて発射強度表示90の表示態様を変化させてもよい。報知演出の期待度のみに基づいて発射強度表示90の表示態様を変化させてもよい。この場合、図20のS154またはS158の判断処理を適宜実行しないこととすればよい。
また、発射強度表示90が表示される報知演出が報知する第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果、発射強度表示90が表示される時点に生起されている遊技状態、報知演出の期待度のうちいずれかに基づいて発射強度表示90の表示態様が変化されない場合があってもよい。例えば、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりであることに基づいて、発射強度表示90の表示態様が変化される場合と変化されない場合とがあってもよい。この場合、第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果が大当たりであることに基づいてキャラクタの組合せパターンを決定する場合と決定しない場合とを設け、これらのいずれかを抽選によって決定することとすればよい。同様に、潜伏確変状態が生起していることに基づいて、発射強度表示90の表示態様が変化される場合と変化されない場合とがあってもよい。報知演出の期待度に基づいて、発射強度表示90の表示態様が変化される場合と変化されない場合とがあってもよい。
また、例えば、キャラクタ画像91〜94が表示されない発射強度表示90が表示されるなど、報知演出が報知するする第一大当たり判定または第二大当たり判定の判定結果、発射強度表示90が表示される時点に生起されている遊技状態、報知演出の期待度のいずれによっても表示態様が変化しない発射強度表示90が表示される場合があってもよい。この場合、図20のS153からS160の処理によってキャラクタの組合せパターンを決定する場合と決定しない場合とを設け、例えばこれらのいずれかを抽選によって決定することとすればよい。
上記実施形態では、全ての大当たり種別について、大当たり遊技終了後に時短状態が生起する。そして、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数の100回に達することにより時短状態が終了した直後に実行される大当たり判定の判定結果を報知する報知演出の変動パターンが特殊変動パターン決定テーブルによって決定され、この報知演出において発射強度表示90が表示される。これ以外の場合においても、報知演出の変動パターンを特殊変動パターン決定テーブルによって決定するとともに、その報知演出において発射強度表示90を表示してもよい。例えば、上記実施形態の大当たり種別のうち、「8R通常」については大当たり遊技終了後に時短状態が生起しないこととする。左打ち遊技によって第一大当たり判定によって大当たりの判定結果を得た場合、大当たり遊技終了後に時短状態が生起する。当該時短状態中に右打ちによって遊技を行い、第二大当り判定によって「8R通常」の大当たりの判定結果を得た場合には、大当たり遊技終了後に時短状態は生起しない。従って、大当たり遊技終了までは右打ちによって遊技を行い、大当たり遊技終了後直ちに左打ちによって遊技を行うことが、遊技者にとって有利となる。このような場合、時短状態終了後の大当たり遊技が終了した直後に実行される大当たり判定の判定結果を報知する所定回数の報知演出の変動パターンを特殊変動パターン決定テーブルによって決定し、この報知演出において発射強度表示90を表示することとしてもよい。この場合、「8R通常」の大当たりの判定結果を得た後に実行される大当たり遊技開始時に、遊技状態が時短状態から非時短状態に移行する。このタイミングにおいて、状態変化コマンドをRAM52に記憶することとすればよい。
また、入賞口および遊技くぎ等の配置が上記実施形態と異なる遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球の方が、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球よりも入賞または通過しやすい第一始動口14、第二始動口15および普通図柄作動ゲート12と、右打ちによって第二遊技領域4Rを流下した遊技球の方が、左打ちによって第一遊技領域4Lを流下した遊技球よりも入賞しやすい大入賞口16とを備える遊技機が考えられる。このような遊技機では、大当たり遊技のみを右打ちによって行い、その他の遊技を左打ちによって行うことが、遊技者にとって有利となる。この場合、大当たり遊技終了後に実行される所定回数の報知演出について、変動パターンを特殊変動パターン決定テーブルによって決定し、この報知演出において発射強度表示90を表示することができる。具体的には、大当たりの判定結果を得た後に実行される大当たり遊技終了時に、状態変化コマンドをRAM52に記憶することとすればよい。
上記実施形態では、100回の時短状態が終了した直後に、発射強度表示90が表示される報知演出が1回実行される。この回数は1回に限られず、2回以上の複数回の報知演出において発射強度表示90を表示してもよい。この場合、図15のS132において特殊変動カウンタにセットする値を、所望する報知演出の回数に応じて変更することで、特殊変動パターン決定テーブルによって変動パターンを決定する報知演出の回数を変更することができる。あわせて、図19のS142において「ON」となった発射強度表示フラグを、所望する回数の報知演出が終了した後にS147において「OFF」とすることで、複数回の報知演出において発射強度表示90を表示することができる。
上記実施形態では、発射強度表示90が表示される報知演出が1回行われる間に、発射強度表示90は2回表示される。発射強度表示90が表示される回数は、2回に限られず、3回以上であってもよい。この場合、1回目から3回目の発射強度表示90において表示されるキャラクタの組合せパターンのバリエーションを増やすことができ、遊技に対する興趣を高めることができる。なお、演出制御基板43のCGROM432に記憶されているキャラクタテーブルを構成するキャラクタ画像の数を増やすことによっても、キャラクタの組合せパターンのバリエーションを増やすことができる。即ち、発射強度表示90において用いるバリエーションの数に応じて、報知演出が1回行われる間に発射強度表示90が表示される回数およびキャラクタテーブルを構成するキャラクタ画像の数は、遊技性に応じて自由に設定することができる。
請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、大入賞口、始動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「演出装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。