JP2015029661A - 弾球遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】「特定遊技開始用の検知手段」を利用した新たな遊技性を実現することによって、遊技興趣の向上を図る。【解決手段】遊技領域に発射された遊技球を貯留可能な貯留手段と、貯留手段に貯留されない遊技球を検知可能な第１検知手段と、貯留手段から放出された遊技球を検知可能な第２検知手段とを設ける。そして、識別情報の変動表示の結果が特定の結果となった後の待機状態中に遊技球が何れの検知手段で検知されたかによって、開始される特定遊技の実行態様を異ならせる。こうすれば、「識別情報の変動表示の結果が特定の結果となった後の待機状態中に貯留手段から遊技球が放出されるか否かに遊技者を注目させる新たな遊技性」を実現することができる。その結果、識別図柄の変動表示で特定の結果となった後の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。【選択図】図１０

Description

本発明は、遊技領域が形成された遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行う弾球遊技機（パチンコ機）に関する。

所定の始動条件の成立に基づいて、特別図柄などの識別情報を変動表示させる弾球遊技機が知られている。こうした弾球遊技機では、識別情報の変動表示の結果が特定の結果になると、遊技者にとって有利な特定遊技を実行するのが一般的である。

また近年では、識別情報の変動表示の結果が特定の結果になると、特定遊技を開始せずに待機状態になり、その後、特定遊技を開始させるための専用の検知手段によって遊技球が検知されたことを条件に特定遊技を開始する弾球遊技機も提案されている（例えば、特許文献１）。

特開２０１２−５５３１号公報

しかし、特許文献１に提案されている弾球遊技機では、識別情報の変動表示の結果が特定の結果になった後に任意のタイミングで特定遊技を開始させることができるものの、それ以外で従来の弾球遊技機の遊技性と大きな違いはなく、せっかく搭載した「特定遊技開始用の検知手段」が遊技興趣の向上に十分に活用されているわけではないという問題があった。

本発明は、従来技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、「特定遊技開始用の検知手段」を利用した新たな遊技性を実現することによって、遊技興趣の向上を図ることを目的とする。

上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
所定条件の成立に基づいて、識別情報を変動表示させる識別情報表示手段と、
遊技者にとって有利な特定遊技を実行するための待機状態を、前記識別情報の変動表示の結果が特定の結果になることに基づいて発生させる待機状態発生手段と、
前記待機状態にて所定の検知手段で遊技球が検知されることに基づいて、前記特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
遊技領域に発射された遊技球を貯留可能な貯留手段と、
を備え、
前記貯留手段は、所定の放出条件が成立すると、貯留されている遊技球を、前記識別情報の変動表示の結果が前記特定の結果となった後に遊技領域に放出するものであって、
前記検知手段として、遊技領域に発射された遊技球のうち前記貯留手段に貯留されない遊技球を検知可能であると共に、前記貯留手段から放出された遊技球を検知不能である第１検知手段と、遊技領域に発射された遊技球のうち前記貯留手段に貯留されない遊技球を検知不能であると共に、前記貯留手段から放出された遊技球を検知可能である第２検知手段とを有し、
前記特定遊技として、前記第１検知手段での遊技球の検知に基づいて実行される第１特定遊技と、前記第２検知手段での遊技球の検知に基づいて実行され、前記第１特定遊技とは実行態様が異なる第２特定遊技とを有する
ことを特徴とする。

ここで、本発明の「検知手段（第１検知手段、第２検知手段）」とは、所定のゲートを遊技球が通過したことを検知する検知センサや、所定の入球口に遊技球が入球したことを検知する検知センサなどを含むものとする。また、「第１特定遊技とは実行態様が異なる第２特定遊技」とは、特定遊技中に遊技者が受ける遊技上の利益に差があるものに限らず、演出表示部に表示される映像や、スピーカーから出力される楽曲などの演出実行態様が異なるものも含まれるものとする。

このような弾球遊技機では、識別情報の変動表示の結果が特定の結果となった後に、貯留手段から遊技球が放出されて第２検知手段で検知される場合と、貯留手段から遊技球が放出されず、新たに発射された遊技球が第１検知手段で検知される場合とで、開始される特定遊技の実行態様が異なるので、「識別情報の変動表示の結果が特定の結果となった後に、貯留手段から遊技球が放出されるか否かに遊技者を注目させる新たな遊技性」を実現することができる。その結果、従来の弾球遊技機に比して、識別情報の変動表示で特定の結果となった後の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。

また、上述した本発明の弾球遊技機では、
前記第２特定遊技は、前記第１特定遊技の実行態様よりも遊技者にとって有利な実行態様とされる
こととしてもよい。

このようにすれば、貯留手段から遊技球が放出されることに期待させて、識別情報の変動表示で特定の結果となった後の遊技興趣を高めることができる。

また、こうした本発明の弾球遊技機では、
前記識別情報表示手段は、所定の始動検知手段で遊技球が検知されることに基づいて、前記識別情報を変動表示させるものであって、
遊技領域に発射された遊技球は、該遊技領域に設けられた装飾役物より左方の左経路、または該装飾役物より右方の右経路を流下可能であり、
前記左経路および前記右経路の何れか一方に前記第１検知手段が設けられ、他方に前記貯留手段および前記第２検知手段が設けられており、
前記始動検知手段は、前記左経路および前記右経路のうち前記貯留手段が設けられた経路を流下する遊技球を検知可能とされる
こととしてもよい。

このようにすれば、通常の状態にて、識別情報の変動表示を目的として始動検知手段で遊技球が検知されるように遊技球を発射していれば、貯留手段に遊技球を貯めることが可能となり、貯留手段に貯留される遊技球が不足することで上述の遊技性が損なわれるといった事態を防止できる。

また、こうした本発明の弾球遊技機では、
前記貯留手段に貯留されている遊技球を、前記識別情報の変動表示の結果が前記特定の結果となった後に遊技領域に放出するか否かを決定する放出可否決定手段と、
前記放出可否決定手段の決定結果を示す演出を、前記待機状態中に実行する演出実行手段と、
を備え、
前記貯留手段は、前記放出可否決定手段によって前記貯留手段に貯留されている遊技球を放出することが決定されると、前記待機状態中に実行される前記演出の終了後に、貯留されている遊技球を遊技領域に放出するものであって、
前記第１検知手段および前記第２検知手段での遊技球の検知は、前記演出が終了するまで無効とされる
こととしてもよい。

このように識別情報の変動表示の結果が特定の結果となった後の待機状態中に、貯留手段からの遊技球の放出の有無を示す演出を実行することにより、貯留手段から遊技球が放出されるか否かを一層盛り上げることができ、識別情報の変動表示で特定の結果となった後の遊技興趣の更なる向上を図ることが可能となる。尚、「遊技球の検知が無効とされる」とは、「遊技球を検知しない態様」や、「遊技球を検知するものの、それに基づいて特定遊技を開始する処理を実行しない態様」が含まれるものとする。

また、こうした本発明の弾球遊技機では、
前記貯留手段から放出された遊技球を前記第２検知手段が検知する場合と検知しない場合とがあるように振り分ける振分部が設けられる
こととしてもよい。

このようにすれば、識別情報の変動表示の結果が特定の結果となった後に貯留手段から遊技球が放出されても、必ずしも第２検知手段で遊技球が検知されるとは限らず、実際に遊技球が第２検知手段で検知されるまで緊張感を高めておくことができるので、識別情報の変動表示で特定の結果となった後の遊技興趣を更に高めることが可能となる。

本発明によれば、「特定遊技開始用の検知手段」を利用した新たな遊技性を実現することによって、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。

本実施例のパチンコ機の正面図である。 遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機における制御回路の構成を示したブロック図である。 第１実施例の遊技制御処理を示すフローチャートである。 第１実施例の特別図柄遊技処理の前半部分を示したフローチャートである。 第１実施例の特別図柄遊技処理の後半部分を示したフローチャートである。 第１実施例の特図変動開始処理の前半部分を示したフローチャートである。 第１実施例の特図変動開始処理の後半部分を示したフローチャートである。 大当り判定テーブルの例を概念的に示した説明図である。 第１実施例の大当り開始時処理を示したフローチャートである。 貯留装置の構成を示した説明図である。 第１実施例の大当り遊技処理を示すフローチャートである。 第１実施例の大当り演出処理を示すフローチャートである。 貯留装置から放出された遊技球が第２大当り開始ゲートで検知されない場合がある例を示した説明図である。 複数の遊技球を一斉に放出可能な貯留装置を例示した説明図である。 第２実施例の大当り開始時処理を示すフローチャートである。 第２実施例の大当り演出処理を示すフローチャートである。 第２実施例のパチンコ機にて大当り遊技が開始される様子を示したタイムチャートである。

上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機に適用した実施例について説明する。

Ａ．パチンコ機の装置構成 ：
Ａ−１．装置前面側の構成 ：
図１は、本実施例のパチンコ機１の正面図である。図１に示すように、パチンコ機１の前面部は、大きくは、前面枠４、上皿部５、下皿部６、遊技盤１０などから構成されている。なお、図１では遊技盤１０の詳細な図示を省略している。前面枠４は、図示しない中枠３に取り付けられており、中枠３は、図示しない本体枠２に取り付けられている。中枠３はプラスチック材料で成形されており、本体枠２の内側に取り付けられている。本体枠２は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機１の外枠を形成している。前面枠４の一端は中枠３に対して回動可能に軸支されており、中枠３の一端は本体枠２に対して回動可能に軸支されている。遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠４で覆われている。

前面枠４は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には円形状の窓部４ａが形成されている。この窓部４ａにはガラス板等の透明板が嵌め込まれており、奥側に配置される遊技盤１０の盤面が視認可能となっている。また、前面枠４には、遊技効果を高めるための各種ＬＥＤやランプ４ｂ〜４ｆが設けられている。前面枠４の下方には上皿部５が設けられており、上皿部５の下方には下皿部６が設けられている。また、前面枠４の右側には施錠装置９が設けられており、前面枠４の左側には球貸装置１３（いわゆるＣＲユニット）が設けられている。

上皿部５には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部５ａとが設けられている。遊技球は、上皿部５に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット１２（図３参照）に供給される。皿外縁部５ａには、遊技球の貸し出しを要求するための球貸ボタン５ｂ、球貸装置１３からＩＣカードや磁気カード等の記憶媒体を排出するための返却ボタン５ｃ、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなどの各種ボタン類が設けられている。また、上皿部５の前面側には、演出ボタン５ｄが設けられており、演出ボタン５ｄに対する遊技者の操作を受けて、その操作を遊技演出に反映させることが可能となっている。加えて、上皿部５の左端にはスピーカー５ｙが設けられている。

下皿部６には、パチンコ機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられており、排出された遊技球は下皿部６内に貯留される。下皿部６の右端には発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８の回転軸は、下皿部６の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット１２に接続されており、遊技者が発射ハンドル８を回転させると、その動きが発射装置ユニット１２に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。

Ａ−２．遊技盤の構成 ：
図２は、遊技盤１０の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられている。図２に示すように、遊技盤１０の中央には、外レール１４と内レール１５とによって囲まれた略円形状の遊技領域１１が形成されている。上述した発射装置ユニット１２から発射された遊技球は、外レール１４と内レール１５との間を通って遊技領域１１に放出され、遊技領域１１の上方から下方に向かって流下する。

遊技領域１１の略中央には中央装置２６が設けられており、中央装置２６のほぼ中央には演出表示装置２７が設けられている。演出表示装置２７は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出図柄として３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃを表示可能となっている。これら３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが、例えば「１」〜「９」の９つの数字を次々と切り換えて変動表示を実行する。また、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの背景には、様々な背景画像２７ｅを表示することが可能となっている。

中央装置２６の左斜め下方には第１図柄表示装置２８が設けられ、中央装置２６の右斜め下方には第２図柄表示装置３２が設けられている。このうち、第１図柄表示装置２８には、普通図柄を変動表示するためのＬＥＤ（普通図柄ＬＥＤ）や第１特別図柄を変動表示するための複数のＬＥＤ（第１特図ＬＥＤ）が設けられており、第２図柄表示装置３２には、第２特別図柄を変動表示するための複数のＬＥＤ（第２特図ＬＥＤ）が設けられている。尚、以下では、第１特別図柄を「第１特図」と略記し、第２特別図柄を「第２特図」と略記することがあるものとする。また、本実施例の第１特図および第２特図は、本発明の「識別情報」に相当している。さらに、本実施例の第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２は、本発明の「識別情報表示手段」に相当している。

遊技領域１１の左端および右端には、普通図柄左作動ゲート３６と普通図柄右作動ゲート３７とが設けられており、これらのゲートの内部には、遊技球の通過を検知する作動ゲートスイッチ３６ｓ，３７ｓがそれぞれ設けられている。また、左右の普通図柄作動ゲート３６，３７と中央装置２６との間には、ランプ風車２４，２５が設けられている。更に、これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘２３が設けられている。

また、中央装置２６の下方には、始動口ユニット１７が設けられている。始動口ユニット１７は、２つの始動口が上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第１始動口１７ａは、遊技球が入球する開口部の大きさが不変（一定）で遊技球が常時入球可能な入球口となっている。一方、下側に設けられた第２始動口１７ｂは、左右に開閉可能な一対の翼片部１７ｗや、翼片部１７ｗを動作させる始動口ソレノイド１７ｍ（図３参照）などを備えており、翼片部１７ｗの開閉によって遊技球の入球可能性が変化する入球口となっている。第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤１０の裏面側に導かれる。第１始動口１７ａの内部の通路には第１始動口スイッチ１７ｓが設けられており、第１始動口１７ａに入球した遊技球を検知可能である。また、第２始動口１７ｂの内部の通路には第２始動口スイッチ１７ｔが設けられており、第２始動口１７ｂに入球した遊技球を検知可能である。尚、本実施例の第１始動口１７ａには、中央装置２６の左方（左経路）を流下する遊技球のみが入球可能となるように中央装置２６の形状や、遊技領域１１の障害釘２３の配置が設計されている。また、開放状態となった第２始動口１７ｂには、左経路を流下する遊技球よりも、右経路を流下する遊技球の方が入球し易いように遊技領域１１の障害釘２３が配置されている。加えて、本実施例の中央装置２６は、本発明の「装飾役物」に相当している。さらに、本実施例の第１始動口１７ａは、本発明の「始動検知手段」に相当している。

始動口ユニット１７の下方には、大入賞装置３１が設けられている。この大入賞装置３１は、略長方形状に大きく開放する大入賞口３１ｄや、大入賞口３１ｄを開閉させる開閉部材３１ｅ、開閉部材３１ｅを動作させる大入賞口ソレノイド３１ｍ（図３参照）などから構成されている。後述する所定の条件が成立することにより、大入賞口ソレノイド３１ｍが作動して開閉部材３１ｅが開動作され、大入賞口３１ｄが開放状態となる。この結果、遊技球が高い確率で大入賞口３１ｄに入球する遊技者にとって有利な大当り遊技（特定遊技）が開始される。また、大入賞口３１ｄの内部には大入賞口スイッチ３１ｓが設けられており、大入賞口３１ｄに入球した遊技球を検知することが可能である。尚、本実施例の開放状態の大入賞口３１ｄには、左経路を流下する遊技球よりも、右経路を流下する遊技球の方が入球し易いように遊技領域１１の障害釘２３が配置されている。また、大入賞口３１ｄを右経路に設けることによって、右経路を流下する遊技球の入球を容易としてもよい。加えて、大入賞装置３１の下方にはアウト口４８が設けられ、そのアウト口４８の下方にはバック球防止部材５８が設けられている。バック球防止部材５８は、遊技領域１１に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。

また、本実施例のパチンコ機１では、中央装置２６の右方に第１大当り開始ゲート５０が設けられており、中央装置２６の左方に第２大当り開始ゲート５２が設けられている。これら大当り開始ゲート５０，５２の内部には、遊技球の通過を検知する開始ゲートスイッチ５０ｓ，５２ｓがそれぞれ設けられている。後述するように所定条件の成立後に、第１大当り開始ゲート５０または第２大当り開始ゲート５２を遊技球が通過すると、各大当り開始ゲート５０，５２に対応する開始ゲートスイッチ５０ｓ，５２ｓによる遊技球の検知に基づき大当り遊技が開始される。また、第２大当り開始ゲート５２の上方には、遊技領域１１に発射された遊技球を貯留可能であると共に、貯留した遊技球を遊技領域１１に放出可能な貯留装置６０が設けられている。尚、本実施例の貯留装置６０は、本発明の「貯留手段」に相当している。また、本実施例の貯留装置６０の詳細な構成については、別図を用いて後述する。

Ａ−３．制御回路の構成 ：
次に、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成について説明する。図３は、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機１の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板２００と、演出図柄やランプや効果音などを用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板２２０と、サブ制御基板２２０の制御の下で演出表示装置２７の制御を行う演出表示制御基板２３０と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板２４０と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板２６０などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭなど、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図３中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を送受信する方向を表している。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第１始動口スイッチ１７ｓや、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓ、作動ゲートスイッチ３６ｓ，３７ｓ、開始ゲートスイッチ５０ｓ，５２ｓなどから遊技球の検知信号を受信すると、何れのスイッチからの検知信号であるかに応じて定められる各種の動作を指令するコマンドを、サブ制御基板２２０や、払出制御基板２４０、発射制御基板２６０などに向かって送信する。また、主制御基板２００には、第２始動口１７ｂに設けられた一対の翼片部１７ｗを開閉させるための始動口ソレノイド１７ｍや、大入賞口３１ｄを開閉させるための大入賞口ソレノイド３１ｍ、貯留装置６０から遊技球を放出するための貯留装置駆動機構６０ｍ、更には、第１図柄表示装置２８、第２図柄表示装置３２などが接続されている。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、これら始動口ソレノイド１７ｍ、大入賞口ソレノイド３１ｍ、貯留装置駆動機構６０ｍ、第１図柄表示装置２８、第２図柄表示装置３２に向かって駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御も行う。

サブ制御基板２２０には、演出表示制御基板２３０、装飾駆動基板２２６、アンプ基板２２４、演出ボタン基板２２８などが接続されている。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、主制御基板２００からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、演出表示装置２７の表示制御を行う演出表示制御基板２３０に対して制御内容を指定するコマンドを送信したり、スピーカー５ｙを駆動するアンプ基板２２４、装飾用の各種ＬＥＤやランプ４ｂ〜４ｆを駆動する装飾駆動基板２２６に駆動信号を送信したりすることにより、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、演出ボタン基板２２８を介して演出ボタン５ｄの操作信号を受信すると、その操作に対応する演出を行う。

演出表示制御基板２３０は、ＣＰＵ２３１、ＲＯＭ２３２、ＲＡＭ２３３に加えて、画像ＲＯＭ２３４やＶＤＰ（図示せず）を備えている。演出表示制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、サブ制御基板２２０からコマンドを受信すると、その受信したコマンドに対応する演出画像を演出表示装置２７の表示画面に表示するための制御を行う。画像ＲＯＭ２３４には、図柄変動演出や大当り遊技演出など種々の遊技演出に対応する演出画像のデータ（例えば、所定のキャラクタに対応する画像を表示するためのスプライトデータや動画データなど）が格納されている。

払出制御基板２４０は、いわゆる賞球や貸球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、主制御基板２００が賞球の払出コマンドを送信すると、このコマンドを払出制御基板２４０が受信して、払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することによって賞球の払い出しを行う。また、遊技者が前述した上皿部５に設けられた球貸ボタン５ｂや返却ボタン５ｃを操作すると、その操作信号は、中継端子板（図示省略）を介して、球貸装置１３に伝達される。球貸装置１３は、払出制御基板２４０と通信しながら、貸球の払い出しを行う。さらに、払出制御基板２４０は、主制御基板２００からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号（発射許可信号）を発射制御基板２６０に向かって送信しており、発射制御基板２６０は、この発射許可信号を受信して、発射装置ユニット１２の駆動により遊技球を発射するための各種制御を行っている。

Ｂ．遊技の概要 ：
本実施例のパチンコ機１では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が球貸装置１３にＩＣカードや磁気カードを挿入して遊技球の貸し出しを受ける。そして、貸し出された遊技球を上皿部５の凹部に投入して発射ハンドル８を回転させると、上皿部５に投入された遊技球が、１球ずつ発射装置ユニット１２に供給されて、図２を用いて前述した遊技領域１１に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル８の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル８の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。

発射した遊技球が、遊技領域１１の左右に設けられた何れかの普通図柄作動ゲート３６，３７を通過すると、第１図柄表示装置２８にて普通図柄ＬＥＤの点滅を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が行われる。そして、予め定められた変動時間の経過後に普通図柄ＬＥＤが点灯状態で停止した場合は、普通図柄の当りとなって、第２始動口１７ｂ（始動口ユニット１７の下側の始動口）が所定の開放時間だけ開放状態となる。一方、普通図柄ＬＥＤが消灯状態で停止した場合は、普通図柄の外れとなって、第２始動口１７ｂが開放することはない。尚、普通図柄が当りとなるか外れとなるかは、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が行う普通図柄の当り判定で決定される。また、普通図柄の変動表示中に遊技球が何れかの普通図柄作動ゲート３６，３７を通過した場合は、この遊技球の通過が普通図柄の保留（普図保留）としてＲＡＭ２０３の記憶領域に記憶され、現在の普通図柄の変動表示が終了した後に、その普図保留に基づいて新たに普通図柄の変動表示が行われる。普図保留は最大４つまで記憶可能となっている。

また、遊技領域１１に発射した遊技球が第１始動口１７ａに入球すると、第１図柄表示装置２８にて第１特図ＬＥＤを点滅させて第１特図の変動表示が行われ、第２始動口１７ｂに入球すると、第２図柄表示装置３２にて第２特図ＬＥＤを点滅させて第２特図の変動表示が行われる。そして、所定の変動時間が経過すると、大当り図柄または外れ図柄に対応する組合せのＬＥＤを点灯させることで特別図柄（第１特図、第２特図）を停止表示する。尚、特別図柄を大当り図柄および外れ図柄の何れで停止表示させるかは、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が行う特別図柄の大当り判定で決定される。また、第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂへの遊技球の入球は、該入球に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまで、第１特別図柄の保留（第１特図保留）あるいは第２特別図柄の保留（第２特図保留）としてＲＡＭ２０３の記憶領域に記憶される。第１特図保留および第２特図保留は、それぞれ最大４つまで記憶可能となっている。

さらに、特別図柄の変動表示と連動して、演出表示装置２７では識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示が行われる。３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは、特別図柄が外れ図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃わない組合せ（バラケ目）で停止表示されるのに対して、特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃う組合せ（ゾロ目）で停止表示される。

本実施例のパチンコ機１では、特別図柄（第１特図、第２特図）が大当り図柄で停止表示された後、第１大当り開始ゲート５０または第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されると、大当り遊技が開始される。大当り遊技は、大入賞口３１ｄを開放して、所定の開放時間（例えば３０秒）が経過するか、あるいは規定入球数（例えば９個）の遊技球が入球したら閉鎖するラウンド遊技を、複数回繰り返すように構成されている。大入賞口３１ｄに遊技球が１個入球する毎に所定数（例えば１５個）の遊技球が賞球として払い出されるので、大当り遊技では、大入賞口３１ｄに多くの遊技球を入球させることで、遊技者は多量の賞球を獲得可能である。また、前述したように開放状態の大入賞口３１ｄには、左経路を流下する遊技球よりも、右経路を流下する遊技球の方が入球し易くなっているので、大当り遊技中は遊技球を強めに発射して右経路を流下させること（いわゆる右打ち）によって大入賞口３１ｄへの入球可能性を高めることができる。尚、本実施例の特別図柄が大当り図柄で停止表示されることは、本発明の「識別情報の変動表示の結果が特定の結果となる」に相当する。また、本実施例の第１大当り開始ゲート５０および第２大当り開始ゲート５２は、本発明の「検知手段」に相当している。さらに、本実施例の大当り遊技は、本発明の「特定遊技」に相当している。

また、本実施例のパチンコ機１では、特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率（大当り確率）として、低確率と、低確率よりも高い高確率とが設けられている。大当り遊技が終了すると、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまでは大当り確率が高確率に設定されるので、この間は大当り遊技が連続して発生する（いわゆる連チャン）可能性が高い。さらには、大当り遊技の終了後は、第２始動口１７ｂの開放時間が通常よりも長く設定される開放延長機能や、特別図柄（第１特図および第２特図）の変動時間が通常よりも短く設定される変動短縮機能が作動し、これらの機能は、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで継続される。前述したように開放状態の第２始動口１７ｂには、左経路を流下する遊技球よりも、右経路を流下する遊技球の方が入球し易くなっているので、開放延長機能の作動中は右打ちによって第２始動口１７ｂへの入球可能性を高めることができる。

Ｃ．第１実施例のパチンコ機１の制御内容 ：
Ｃ−１．遊技制御処理 ：
図４は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図４に示すように、遊技制御処理では、「賞球関連処理」、「普通図柄遊技処理」、「第２始動口閉鎖処理」、「特図保留関連処理」、「特別図柄遊技処理」、「大当り遊技処理」などの各処理が繰り返し実行されている。ＣＰＵ２０１は、所定周期毎に発生するタイマ割り込みに基づき遊技制御処理を行うように構成されており、第１実施例では、４ｍｓｅｃ毎にタイマ割り込みが発生するものとなっている。つまり、図４に示す遊技制御処理は、ＣＰＵ２０１における４ｍｓｅｃ毎のタイマ割り込み処理として実行される。そして、遊技制御処理中に、サブ制御基板２２０を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板２００から各種コマンドを送信する。こうすることにより、パチンコ機１全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板２２０では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が行う遊技制御処理について説明する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理（賞球関連処理）を行う（Ｓ５０）。この処理では、主制御基板２００に接続された各種スイッチのうち、遊技球の入賞に関わるスイッチ（第１始動口スイッチ１７ｓや、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓなど）について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板２４０に向かって賞球数指定コマンドを送信する。払出制御基板２４０は、主制御基板２００から送信された賞球数指定コマンドを受信するとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、賞球関連処理（Ｓ５０）に続いて、普通図柄遊技処理を行うか否かを判断する（Ｓ１００）。この判断は、第２始動口１７ｂが開放状態であるか否かを検出することによって行う。第２始動口１７ｂが開放状態でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し（Ｓ１００：ｙｅｓ）、第２始動口１７ｂが開放状態であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する（Ｓ１００：ｎｏ）。そして、普通図柄遊技処理を行うと判断した場合は（Ｓ１００：ｙｅｓ）、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う（Ｓ１５０）。これに対して、普通図柄遊技処理を行わないと判断した場合は（Ｓ１００：ｎｏ）、普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）は省略する。

普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留（普図保留）が存在するか否か（「０」であるか否か）を判定し、普図保留が存在する場合には普通図柄の当り判定を行う。ここで、普図保留は、遊技球が何れかの普通図柄作動ゲート３６，３７を通過することにより取得される普図当り判定乱数値を記憶するものであり、最大４つまで記憶可能となっている。そして、記憶されている普図当り判定乱数値を用いて行った普通図柄の当り判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄（普通図柄ＬＥＤを点灯状態）で停止表示させるか、外れ図柄（普通図柄ＬＥＤを消灯状態）で停止表示させるかを決定する。続いて、普通図柄の変動時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始し、その後、変動時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させる。このとき、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、始動口ソレノイド１７ｍを作動させて、第２始動口１７ｂに設けられた翼片部１７ｗを両側に回動させることにより、第２始動口１７ｂを開放状態とする。

以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、第２始動口１７ｂが開放状態であるか否かを判断する（Ｓ１９０）。そして、開放状態である場合は（Ｓ１９０：ｙｅｓ）、第２始動口１７ｂを開放状態から閉鎖状態にするための処理（第２始動口閉鎖処理）を行う（Ｓ２００）。一方、第２始動口１７ｂが開放状態でない場合は（Ｓ１９０：ｎｏ）、第２始動口閉鎖処理を行う必要はないので省略する。

第２始動口閉鎖処理（Ｓ２００）では、次の何れかの条件が満足された場合、すなわち、第２始動口１７ｂの開放時間が経過したか、若しくは、第２始動口１７ｂに規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立したか否かを判断し、何れかの条件が成立した場合に、開放状態の第２始動口１７ｂを閉鎖状態にする処理を行う。尚、第２始動口１７ｂの開放時間には、短時間（例えば０．５秒）と長時間（例えば５秒）とが設けられており、通常の開放時間は短時間に設定されているが、開放延長機能が作動している状態では、長時間に設定される。一方、第２始動口１７ｂの開放時間が経過しておらず、第２始動口１７ｂへの入球数も規定数に達していない場合は、第２始動口１７ｂを開放状態としたまま、第２始動口閉鎖処理（Ｓ２００）を終了する。

第２始動口閉鎖処理を終了すると、特図保留関連処理（Ｓ２５０）を開始する。この処理では、主に次のようなことを行う。先ず、第１始動口１７ａに遊技球が入球したか否かを判断し、第１始動口１７ａに遊技球が入球した場合は、第１特図の保留数（第１特図保留数）が上限数の４つに達しているか否かを判断する。第１特図保留数が４つに達していなければ、各種の判定乱数値（大当り判定乱数値、図柄決定乱数値、変動パターン決定乱数値など）を取得して、その取得した判定乱数値をＲＡＭ２０３の記憶領域に第１特図保留として記憶すると共に、第１特図保留数に「１」を加算する。続いて、第２始動口１７ｂに遊技球が入球したか否かを判断し、第２始動口１７ｂに遊技球が入球した場合は、第２特図の保留数（第２特図保留数）が上限数の４つに達しているか否かを判断する。第２特図保留数が４つに達していなければ、各種の判定乱数値（大当り判定乱数値、図柄決定乱数値、変動パターン決定乱数値など）を取得して、その取得した判定乱数値をＲＡＭ２０３の記憶領域に第２特図保留として記憶すると共に、第２特図保留数に「１」を加算する。こうして特図保留関連処理を終了したら、続いて、以下に説明する特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を開始する。

Ｃ−２．特別図柄遊技処理 ：
図５および図６は、第１実施例の特別図柄遊技処理を示したフローチャートである。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、特別図柄遊技処理を開始すると、大当り遊技中であるか否かを判断する（Ｓ３０２）。そして、大当り遊技中であった場合は（Ｓ３０２：ｙｅｓ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図４の遊技制御処理に復帰する。これに対して、大当り遊技中ではなかった場合は（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図または第２特図の何れかが変動表示中であるか否かを判断する（Ｓ３０４）。

第１特図あるいは第２特図の何れも変動表示中ではない場合は（Ｓ３０４：ｎｏ）、第１特図あるいは第２特図が確定表示中であるか否かを判断する（Ｓ３０６）。すなわち、第１特図および第２特図の何れも、変動表示が終了してから所定の時間（確定表示時間）が経過するまでは、変動表示の終了に伴い停止表示された図柄を確定させるべく、特別図柄が停止表示された状態を維持する確定表示を行っているので、この確定表示の実行中か否かを判断する。その結果、第１特図および第２特図が変動表示中でもなく、確定表示中でもない場合は（Ｓ３０６：ｎｏ）、特別図柄の変動表示を開始するための処理（特図変動開始処理）を開始する（Ｓ３１０）。

図７および図８は、第１実施例の特図変動開始処理を示したフローチャートである。図示されるように、特図変動開始処理では、先ず、第２特図保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ３１００）。第２特図保留数が「０」ではない場合は（Ｓ３１００：ｎｏ）、記憶されている第２特図保留の中から最も古くに記憶された第２特図保留を読み出す（Ｓ３１０２）。このＳ３１０２の処理では、第２特図保留として記憶されている各種の判定乱数値（大当り判定乱数値、図柄決定乱数値、変動パターン決定乱数値など）を読み出す。

一方、第２特図保留数が「０」である場合は（Ｓ３１００：ｙｅｓ）、次に、第１特図保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ３１０４）。第１特図保留数が「０」ではない場合は（Ｓ３１０４：ｎｏ）、記憶されている第１特図保留の中から最も古くに記憶された第１特図保留を読み出す（Ｓ３１０６）。このＳ３１０６の処理では、第１特図保留として記憶されている各種の判定乱数値（大当り判定乱数値、図柄決定乱数値、変動パターン決定乱数値など）を読み出す。これに対して、第１特図保留数が「０」である場合は（Ｓ３１０４：ｙｅｓ）、既に第２特図保留数も「０」と判断されていることから、第１特図保留および第２特図保留の何れも記憶されていないと判断されるので、第１特図あるいは第２特図の変動表示を開始する必要はない。そこで、図７および図８の特図変動開始処理を終了して、図５および図６に示した特別図柄遊技処理に復帰する。

尚、上述したように特図変動開始処理では、先ず初めに第２特図保留が記憶されているか否かを判断し（Ｓ３１００）、第２特図保留が記憶されていない場合にだけ（Ｓ３１００：ｙｅｓ）、第１特図保留が記憶されているか否かを判断している（Ｓ３１０４）。従って、第１特図保留と第２特図保留とが両方とも記憶されている場合には、常に第２特図保留が第１特図保留に優先して読み出される（第２特図保留を優先消化する）こととなり、第１特図保留が読み出されるのは、第２特図保留が記憶されていない場合に限られる。

以上のようにして、第１特図保留または第２特図保留を読み出したら（Ｓ３１０２またはＳ３１０６）、高確率フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３１０８）。前述したように特別図柄（第１特図、第２特図）が大当り図柄で停止表示される確率（大当り確率）として、低確率と、低確率よりも高い高確率とが設けられており、高確率フラグとは、大当り確率を高確率とする際にＯＮに設定されるフラグである。主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３には、高確率フラグの記憶領域として所定アドレスが割り当てられている。そして、高確率フラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ３１０８：ｎｏ）、低確率用の大当り判定テーブルを選択し（Ｓ３１２０）、高確率フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ３１０８：ｙｅｓ）、高確率用の大当り判定テーブルを選択する（Ｓ３１２２）。ここで、大当り判定テーブルとは、大当り判定乱数の値に対応付けて「大当り」または「外れ」の判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

図９は、大当り判定テーブルの例を概念的に示した説明図である。図９（ａ）には低確率用の大当り判定テーブルが示されており、図９（ｂ）には高確率用の大当り判定テーブルが示されている。図９（ａ）に示すように、低確率用の大当り判定テーブルには、「０〜５９９」の大当り判定乱数値のうち「１３，１４」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。これに対して、図９（ｂ）に示すように、高確率用の大当り判定テーブルには、「０〜５９９」の大当り判定乱数値のうち「１３〜３２」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。

図９（ａ）と図９（ｂ）とを比較すれば明らかなように、図９（ｂ）に示す高確率用の大当り判定テーブルは、図９（ａ）に示す低確率用の大当り判定テーブルよりも多くの乱数値に「大当り」の判定結果が設定されている。換言すれば、高確率用の大当り判定テーブルには、低確率用の大当り判定テーブルよりも「大当りの判定結果が得られる乱数値（大当り値）」が多くの設定されている。従って、図９（ｂ）の高確率用の大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合には、図９（ａ）の低確率用の大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合よりも、高い確率で「大当り」の判定結果が得られることになる。

続いて、図７の特図変動開始処理では、Ｓ３１２０またはＳ３１２２の処理で選択した大当り判定テーブルを参照して、第１特図保留または第２特図保留として読み出した大当り判定乱数の値が「大当り」に対応する値（大当り値）であるか否か、すなわち、大当り判定の結果が大当りであるか否かを判断する（Ｓ３１２４）。その結果、大当り判定の結果が大当りである場合は（Ｓ３１２４：ｙｅｓ）、停止表示させる大当り図柄を決定する処理を行う（Ｓ３１２６）。この処理は、第１特図保留または第２特図保留として読み出した図柄決定乱数値を用いて大当り図柄決定テーブル（図示せず）を参照しながら行う。大当り図柄決定テーブルとは、図柄決定乱数値と大当り図柄との対応関係が設定されたテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。第１実施例の大当り図柄には、大当り図柄Ａと大当り図柄Ｂとが設けられており、Ｓ３１２６の処理では、読み出した図柄決定乱数値に対応付けられた大当り図柄を、停止表示させる図柄（停止図柄）に決定する。そして、決定した大当り図柄を停止図柄として主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶する（Ｓ３１２８）。

これに対して、大当り判定の結果が大当りではない（外れである）場合は（Ｓ３１２４：ｎｏ）、外れ図柄を停止図柄として主制御基板２００のＲＡＭ２０３に記憶する（Ｓ３１３０）。

以上のようにして大当り判定の結果に応じて停止図柄を記憶すると、特別図柄（第１特図、第２特図）の変動表示の態様（変動パターン）を決定する処理（変動パターン決定処理）を開始する（Ｓ３１３２）。ここで、特別図柄の変動表示の態様は、実際には第１特図ＬＥＤまたは第２特図ＬＥＤの点滅を繰り返すことであり、特別図柄の変動パターンとは、特別図柄を変動表示させる時間（変動時間）に対応するものである。変動パターン決定処理は、第１特図保留または第２特図保留として読み出した変動パターン決定乱数値を用いて変動パターン決定テーブル（図示せず）を参照しながら行う。変動パターン決定テーブルには、複数の変動パターン（変動時間）と、変動パターン決定乱数値との対応関係が設定されている。また、変動パターン決定テーブルは、大当り判定の結果が大当りであるか否か、変動短縮機能の作動中であるか否かなどの様々な条件に応じて複数設けられており、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。Ｓ３１３２の処理では、現在の条件に応じて何れかの変動パターン決定テーブルを参照し、第１特図保留または第２特図保留として読み出した変動パターン決定乱数値に対応付けられている変動パターンを、当該保留に基づいて変動表示を開始する特別図柄の変動パターンに決定する。

こうして変動パターン決定処理（Ｓ３１３２）を終了すると、先にＳ３１２４で行われた大当り判定が、第２特図保留に基づいて行われたものであるか否かを判断する（図８のＳ３１３４）。第２特図保留に基づいて行われた大当り判定であった場合は（Ｓ３１３４：ｙｅｓ）、第２図柄表示装置３２で第２特図の変動表示を開始した後（Ｓ３１３６）、第２特図保留数から「１」を減算する（Ｓ３１３８）。一方、第１特図保留に基づいて行われた大当り判定であった場合は（Ｓ３１３４：ｎｏ）、第１図柄表示装置２８で第１特図の変動表示を開始した後（Ｓ３１４０）、第１特図保留数から「１」を減算する（Ｓ３１４２）。

こうして第２特図保留数または第１特図保留数から「１」を減算したら（Ｓ３１３８またはＳ３１４２）、変動表示を開始した特別図柄（第１特図または第２特図）の変動パターンの種類を指定する変動パターン指定コマンドや、特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドを、変動開始時コマンドとしてサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３１４４）。

尚、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１は、上述の変動開始時コマンドを受信すると、変動パターン指定コマンドに基づいて、演出表示装置２７で実行する図柄変動演出（識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示を開始してから停止表示するまでの演出パターン）を選択し、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示を開始する。また、停止図柄指定コマンドに基づいて、演出表示装置２７で停止表示させる識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの組合せを選択する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、変動開始時コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信すると（Ｓ３１４４）、図７および図８に示した特図変動開始処理を終了して、図５および図６の特別図柄遊技処理に復帰する。また、特別図柄遊技処理では、特図変動開始処理（Ｓ３１０）から復帰すると、そのまま処理を終了して、図４に示す遊技制御処理に復帰する。

以上では、図５および図６の特別図柄遊技処理の実行に際して大当り遊技中ではなく（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図および第２特図の何れも変動表示していない（Ｓ３０４：ｎｏ）と判断された場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中ではないが（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図または第２特図が変動表示中であると判断された場合は（Ｓ３０４：ｙｅｓ）、既に特別図柄（第１特図または第２特図）の変動パターンと停止図柄とが決定されて、第１特図または第２特図の変動表示が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３１２）。第１特図または第２特図の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、第１特図または第２特図の変動表示を開始すると同時に所定のタイマ（変動時間計測タイマ）に変動時間を設定することにより、変動時間が経過したか否かを判断することができる。その結果、未だ変動時間が経過していない場合は（Ｓ３１２：ｎｏ）、そのまま図５および図６の特別図柄遊技処理を終了して、図４に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ３１２：ｙｅｓ）、変動表示中の第１特図または第２特図を、予め設定しておいた図柄（図７のＳ３１２８，Ｓ３１３０）で停止表示させ（Ｓ３１４）、変動表示中の特別図柄を停止表示させたことを示すコマンド（図柄停止コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ３１６）。そして、停止表示させた特別図柄を停止状態のまま維持する時間（確定表示時間）を設定した後（Ｓ３１８）、設定した確定表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３２０）。確定表示時間が経過していない場合は（Ｓ３２０：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図４に示す遊技制御処理に復帰する。

こうして第１特図あるいは第２特図が停止表示された状態で、図４の遊技制御処理に復帰した後、再びＳ３００の特別図柄遊技処理（図５および図６）が開始されると、第１特図および第２特図が変動表示中ではないと判断され（Ｓ３０４：ｎｏ）、続いて、特別図柄の確定表示中であるか否かの判断では、確定表示中と判断されるので（Ｓ３０６：ｙｅｓ）、再び確定表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３２０）。このような判断を繰り返しているうちに確定表示時間が経過したと判断された場合は（Ｓ３２０：ｙｅｓ）、停止表示された特別図柄（第１特図あるいは第２特図）が「大当り図柄」であるか否かを判断する（図６のＳ３２２）。その結果、停止表示された特別図柄が「大当り図柄」であった場合は（Ｓ３２２：ｙｅｓ）、以下に説明する大当り開始時処理（Ｓ３３０）を開始する。

Ｃ−３．大当り開始時処理 ：
図１０は、第１実施例の大当り開始時処理を示すフローチャートである。大当り開始時処理では、先ず、特別図柄が大当り図柄で停止表示されたことを示すコマンド（大当り図柄停止時コマンド）をサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３３００）。この大当り図柄停止時コマンドには、停止表示された大当り図柄の種類（大当り図柄Ａまたは大当り図柄Ｂ）についての情報が含まれている。

大当り図柄停止時コマンドの送信に続いて、所定の待機時間を設定し（Ｓ３３０２）、その設定した待機時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３３０４）。第１実施例のパチンコ機１では、特別図柄が大当り図柄で停止表示された後に、所定の待機時間（第１実施例では５秒）が経過するまでは、第１大当り開始ゲート５０または第２大当り開始ゲート５２を遊技球が通過しても、開始ゲートスイッチ５０ｓ，５２ｓでの検知を行わずに、第１大当り開始ゲート５０または第２大当り開始ゲート５２の通過を無効とし、大当り遊技を実行しないように構成されている。待機時間が経過していない場合は（Ｓ３３０４：ｎｏ）、待機時間が経過するまで待機状態となる。尚、第１大当り開始ゲート５０または第２大当り開始ゲート５２の通過を無効として、大当り遊技を実行しないようにする構成は、本実施例の構成に限られるわけではない。例えば、他の態様として、開始ゲートスイッチ５０ｓ，５２ｓでの検知を常時行うこととして、その検知が予め定められた時期に行われたか否かを判断する手段を付加し、その判断結果に基づいて大当り遊技の実行／非実行を決定する構成であってもよい。また、待機時間を設定する第１実施例の主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「待機状態発生手段」に相当している。

そして、待機時間が経過した場合は（Ｓ３３０４：ｙｅｓ）、大当り図柄Ｂが停止表示されたか否かを判断する（Ｓ３３０６）。前述したように特別図柄の大当り図柄には、大当り図柄Ａと大当り図柄Ｂとが設けられており、大当り図柄Ｂが停止表示された場合は（Ｓ３３０６：ｙｅｓ）、貯留装置６０に搭載された貯留装置駆動機構６０ｍを作動させて、貯留装置６０から遊技球を放出するための放出駆動を開始する（Ｓ３３０８）。一方、大当り図柄Ｂではなく、大当り図柄Ａが停止表示された場合は（Ｓ３３０６：ｎｏ）、Ｓ３３０８の処理を省略し、貯留装置６０の放出駆動を開始しない。尚、大当り図柄の種類に基づいて貯留装置６０の放出駆動を開始するか否かを決定する主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「放出可否検定手段」に相当している。

図１１は、貯留装置６０の構成を示した説明図である。前述したように貯留装置６０は、遊技領域１１の中央装置２６よりも左方（左経路）に設けられている（図２参照）。図示されるように貯留装置６０の上端には受入口６２が設けられており、遊技領域１１に発射されて左経路を流下する遊技球が受入口６２を通過すれば、貯留装置６０の内部に受け入れられる。また、貯留装置６０の下部には円板形状の回転体６６が設けられており、貯留装置６０の内部に受け入れられた遊技機は、回転体６６によって塞き止められる。この回転体６６は、貯留装置駆動機構６０ｍが作動して放出駆動を開始すると、所定の方向に回転する。さらに、回転体６６の外周面には、遊技球よりも一回り大きい切欠き部６６ａが設けられており、回転体６６が回転すると、回転体６６の上方に貯留された遊技球が１球ずつ切欠き部６６ａに取り込まれて、回転体６６の回転に従って下方へと移送される。

貯留装置６０の下端には放出口６４が設けられており、回転体６６の切欠き部６６ａに取り込まれた遊技球は、放出口６４まで移送されると、下方にある第２大当り開始ゲート５２に向けて放出される。第１実施例のパチンコ機１では、貯留装置６０の放出口６４から放出された遊技球は全て第２大当り開始ゲート５２で検知されるように、第２大当り開始ゲート５２や障害釘２３が配置されている。また、貯留装置６０に貯留されない遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されることがないように、第２大当り開始ゲート５２の周囲の障害釘２３が配置されている。尚、第１実施例の第２大当り開始ゲート５２は、本発明の「第２検知手段」に相当し、第１大当り開始ゲート５０は、本発明の「第１検知手段」に相当している。

図１０の大当り開始時処理では、続いて、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されたか否かを判断する（Ｓ３３１０）。第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知された場合は（Ｓ３３１０：ｙｅｓ）、貯留装置６０の放出駆動を終了して回転体６６を停止させ（Ｓ３３１２）、大当り遊技中に行われるラウンド遊技の回数（ラウンド数）を１６回の設定する（Ｓ３３１４）。第１実施例のパチンコ機１では、特別図柄が大当り図柄で停止表示された後、第１大当り開始ゲート５０および第２大当り開始ゲート５２の何れで遊技球が検知されるかによって大当り遊技のラウンド数が異なっており、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されれば１６回のラウンド遊技が行われる。

これに対して、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されていない場合は（Ｓ３３１０：ｎｏ）、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されたか否かを判断する（Ｓ３３１６）。第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知された場合は（Ｓ３３１６：ｙｅｓ）、大当り遊技のラウンド数を８回に設定する（Ｓ３３１８）。第１実施例のパチンコ機１では、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されるよりも第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知される方がラウンド数の設定回数が多いので、遊技者に有利である。ただし、大当り図柄Ａが停止表示されて貯留装置６０の放出駆動が開始されない場合は、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されることはないので、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されることにより８回のラウンド遊技が行われる。

一方、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されていない場合は（Ｓ３３１６：ｎｏ）、Ｓ３３１０の処理に戻って、第２大当り開始ゲート５２および第１大当り開始ゲート５０の何れかで遊技球が検知されたか否かの判断を繰り返す。尚、貯留装置６０の放出駆動が開始された時点で貯留装置６０に遊技球が貯留されていない場合でも、第２大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されるまでは放出駆動が継続されるので、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知される前に貯留装置６０に遊技球が貯留（補充）されれば、第２大当り開始ゲート５２に向けて遊技球が放出されて１６回のラウンド遊技が行われる。

こうして遊技球が検知された大当り開始ゲート５０，５２に応じて大当り遊技のラウンド数を設定すると（Ｓ３３１４，Ｓ３３１８）、大当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ３３２０）。大当りフラグとは、大当り遊技中であることを示すフラグであり、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３の所定のアドレスが大当りフラグの記憶領域として確保されている。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当りフラグの設定状態に応じて、大当り遊技の実行中であるか否かを判断する。

また、大当り遊技を開始するにあたって、高確率フラグ、開放延長フラグ、変動短縮フグなどの各種フラグがＯＮに設定されていれば、ＯＮのフラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３３２２）。ここで、高確率フラグは、大当り確率が高確率に設定されていることを示すフラグであり、開放延長フラグは、開放延長機能（第２始動口１７ｂの開放時間を通常よりも長く設定する機能）が作動中であることを示すフラグであり、変動短縮フラグは、変動短縮機能（特別図柄の変動時間を通常よりも短く設定する機能）が作動中であることを示すフラグである。これらのフラグは、大当り遊技を終了する際に改めて設定される。

こうして大当り遊技を開始するためのフラグ設定処理を終了すると（Ｓ３３２０、Ｓ３３２２）、大当り遊技を開始することを示すコマンド（大当り遊技開始コマンド）をサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３３２４）。この大当り遊技開始コマンドには、第１大当り開始ゲート５０および第２大当り開始ゲート５２の何れで遊技球が検知されたかについての情報が含まれている。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、大当り遊技開始コマンドを受信すると、大当り遊技に対応した演出を実行する。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り遊技開始コマンドを送信したら、図１０に示した大当り開始時処理を終了して、図５および図６の特別図柄遊技処理に復帰する。また、特別図柄遊技処理では、大当り開始時処理（Ｓ３３０）から復帰すると、そのまま処理を終了して、図４の遊技制御処理に復帰する。

以上では、図５および図６の特別図柄遊技処理にて停止表示された特別図柄（第１特図あるいは第２特図）が大当り図柄であった場合（Ｓ３２２：ｙｅｓ）の処理について説明した。これに対して、停止表示された特別図柄が大当り図柄でなかった場合、すなわち外れ図柄であった場合は（Ｓ３２２：ｎｏ）、以下のような処理を行う。

先ず、高確率フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３３４）。高確率フラグは、大当り確率が高確率に設定されていることを示すフラグであり、前述したように大当り遊技が終了すると、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまでは大当り確率が高確率に設定される。高確率フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ３３４：ｙｅｓ）、高確率カウンタから「１」を減算して（Ｓ３３６）、高確率カウンタが「０」になったか否かを判断する（Ｓ３３８）。高確率カウンタは、大当り確率の高確率設定を終了するまでの残り変動回数が設定されるカウンタであり、特別図柄の変動表示が終了する毎に「１」を減算する。その結果、高確率カウンタが「０」になった場合は（Ｓ３３８：ｙｅｓ）、大当り確率の高確率設定を終了するべく、高確率フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３４０）。

一方、Ｓ３３４の判断において、高確率フラグがＯＮに設定されていない場合には（Ｓ３３４：ｎｏ）、Ｓ３３６〜Ｓ３４０の処理を省略し、また、Ｓ３３８の判断において、高確率カウンタが「０」になっていない場合には（Ｓ３３８：ｎｏ）、大当り確率の高確率設定が継続されるので、Ｓ３４０の処理を省略する。

続いて、変動短縮フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３４２）。変動短縮フラグは、変動短縮機能が作動中であることを示すフラグであり、前述したように大当り遊技の終了後は、変動短縮機能および開放延長機能が作動し、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで継続される。変動短縮フラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ３４２：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタから「１」を減算して（Ｓ３４４）、変動短縮カウンタが「０」になったか否かを判断する（Ｓ３４６）。変動短縮カウンタは、変動短縮機能を停止（終了）するまでの残り変動回数が設定されるカウンタであり、特別図柄の変動表示が終了する毎に「１」を減算する。その結果、変動短縮カウンタが「０」になった場合は（Ｓ３４６：ｙｅｓ）、変動短縮機能および開放延長機能を停止するべく、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３４８）。

これに対して、Ｓ３４２の判断において、変動短縮フラグがＯＮに設定されていない場合には（Ｓ３４２：ｎｏ）、Ｓ３４４〜Ｓ３４８の処理を省略し、また、Ｓ３４６の判断において、変動短縮カウンタが「０」になっていない場合には（Ｓ３４６：ｎｏ）、変動短縮機能および開放延長機能が継続されるので、Ｓ３４８の処理を省略する。

こうして高確率フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグの設定に関する処理を行ったら、サブ制御基板２２０に向かって遊技状態指定コマンドを送信する（Ｓ３５０）。ここで、遊技状態指定コマンドとは、高確率フラグや変動短縮フラグや開放延長フラグなどの設定に応じて定まる遊技状態をサブ制御基板２２０に指定するためのコマンドである。そして、遊技状態指定コマンドを送信すると、特別図柄遊技処理を終了して、図４の遊技制御処理に復帰する。

図４に示す遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、大当りフラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３８０）。前述したように大当りフラグは、大当り遊技中であることを表すフラグである。そこで、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当りフラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ３８０：ｙｅｓ）、以下に説明する大当り遊技処理を開始する（Ｓ４００）。一方、大当りフラグがＯＮに設定されていない場合は（Ｓ３８０：ｎｏ）、大当り遊技処理（Ｓ４００）を省略して、遊技制御処理の先頭に戻る。

Ｃ−４．大当り遊技処理 ：
図１２は、大当り遊技処理を示すフローチャートである。この大当り遊技処理が主制御基板２００のＣＰＵ２０１によって実行されることで、大当り遊技（特定遊技）が行われることから、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明の「特定遊技実行手段」に相当している。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り遊技処理を開始すると、大入賞口３１ｄが開放中であるか否かを判断する（Ｓ４０２）。大入賞口３１ｄは、大当り遊技が開始されない限りは閉鎖されており、大当り遊技の開始直後は、大入賞口３１ｄは閉鎖している。そこで、大入賞口３１ｄは開放中ではないと判断して（Ｓ４０２：ｎｏ）、ラウンド遊技の回数（ラウンド数）が所定回数に達したか否かを判断する（Ｓ４０４）。

当然のことながら、大当り遊技が開始された直後は、ラウンド数は所定回数に達していないので（Ｓ４０４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過したか否かを判断する（Ｓ４０６）。大入賞口３１ｄの閉鎖時間とは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間で大入賞口３１ｄが閉鎖状態となっている時間である。大当り遊技が開始された直後は、当然、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過していると判断され（Ｓ４０６：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを開放させてラウンド遊技を開始する（Ｓ４０８）。そして、図１２に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図４に示す遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は遊技制御処理に復帰すると、図４に示したように、賞球関連処理（Ｓ５０）以降の一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理（Ｓ４００）を開始する。このときには、Ｓ４０２の判断において、大入賞口３１ｄが開放中（Ｓ４０２：ｙｅｓ）と判断される。

続いて、大入賞口３１ｄの閉鎖条件が満たされたか否かを判断する。ラウンド遊技では、大入賞口３１ｄが開放された後、所定の開放時間が経過するか、あるいは大入賞口３１ｄに規定入球数の遊技球が入球すると、大入賞口３１ｄが閉鎖される。そこで、先ず大入賞口３１ｄが開放してから所定の開放時間が経過したか否かを判断し（Ｓ４１２）、開放時間が経過した場合は（Ｓ４１２：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖する（Ｓ４１６）。一方、開放時間が経過していない場合は（Ｓ４１２：ｎｏ）、次に、大入賞口３１ｄに規定入球数の遊技球が入球したか否かを判断し（Ｓ４１４）、規定入球数の遊技球が入球した場合は（Ｓ４１４：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖する（Ｓ４１６）。これに対して、大入賞口３１ｄに規定入球数の遊技球が入球していない場合は（Ｓ４１４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖条件が成立していないので、大入賞口３１ｄを開放させたまま、図１２に示した大当り遊技処理を終了して、図４の遊技制御処理に復帰する。

図４の遊技制御処理を繰り返し実行しているうちに、大入賞口３１ｄが開放してから所定の開放時間が経過するか（Ｓ４１２：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄに規定入数数の遊技球が入球すると（Ｓ４１４：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖して（Ｓ４１６）、１回のラウンド遊技が終了する。

そして、次に大当り遊技処理が実行される際には、Ｓ４０２において大入賞口３１ｄが閉鎖中と判断され（Ｓ４０２：ｎｏ）、所定回数のラウンド遊技が終了したか否かを判断する（Ｓ４０４）。前述したように大当り遊技中に行われるラウンド遊技の回数（ラウンド数）は、特別図柄が大当り図柄で停止表示された後、第１大当り開始ゲート５０および第２大当り開始ゲート５２の何れで遊技球が検知されたかによって異なっている。そこで、Ｓ４０４の処理では、遊技球が検知された大当り開始ゲート５０，５２に応じて設定されたラウンド数だけラウンド遊技が行われたか否かを判断する。そして、全てのラウンド遊技が終了していなければ（Ｓ４０４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過したことを確認した後（Ｓ４０６：ｙｅｓ）、再び大入賞口３１ｄを開放状態として新たなラウンド遊技を開始する（Ｓ４０８）。一方、Ｓ４０４において、所定回数のラウンド遊技が終了したと判断された場合は（Ｓ４０４：ｙｅｓ）、大当り遊技を終了させるべく、大当りフラグをＯＦＦに設定する（Ｓ４１８）。そして、大当り遊技の終了を示すコマンド（大当り遊技終了コマンド）をサブ制御基板２２０に向けて送信した後（Ｓ４２０）、以下のように高確率フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグの設定に関する処理を行う。

先ず、大当り確率を高確率とするために高確率フラグをＯＮに設定する（Ｓ４２２）。第１実施例のパチンコ機１では、大当り遊技が終了すると、停止表示された大当り図柄の種類（大当り図柄Ａまたは大当り図柄Ｂ）に関係なく、特別図柄の変動回数が１００回に達するまで大当り確率が高確率に設定される。そこで、高確率フラグをＯＮに設定したら、高確率カウンタに「１００」を設定する（Ｓ４２４）。

続いて、変動短縮機能および開放延長機能を作動させるために変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定する（Ｓ４２６）。第１実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の終了後に変動短縮機能および開放延長機能が作動し、停止表示された大当り図柄が大当り図柄Ａであれば、特別図柄の変動回数が２００回に達するまで継続され、大当り図柄Ｂであれば、特別図柄の変動回数が１００回に達するまで継続される。そこで、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定したら、停止表示された大当り図柄の種類に応じた回数を変動短縮カウンタに設定する（Ｓ４２８）。尚、変動短縮フラグおよび開放延長フラグは、同じタイミングでＯＮあるいはＯＦＦに設定されるので、何れか一方のフラグのみを設定して、該一方のフラグを他方のフラグに代えて利用する構成としてもよい。

こうして各種フラグを設定したら、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信して（Ｓ４３０）、大当り遊技処理を終了する。また、大当り遊技処理を終了して、図４の遊技制御処理に復帰すると、処理の先頭に戻って、前述した賞球関連処理（Ｓ５０）以降の一連の処理を繰り返す。

主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、パチンコ機１での遊技を進行させる。また、前述したように主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、図４に示した遊技制御処理を実行する中で、遊技の演出に関する種々のコマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信する。そして、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、受信したコマンドに基づいて具体的な演出の内容を決定することにより、演出表示装置２７、スピーカー５ｙ、各種ＬＥＤやランプ類４ｂ〜４ｆを用いた様々な演出の制御を行っている。以下では、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が、大当り遊技に関連した演出を制御するために行う処理（大当り演出処理）について説明する。

Ｃ−５．大当り演出処理 ：
図１３は、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１が行う大当り演出処理を示すフローチャートである。この大当り演出処理は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が主制御基板２００から送信される大当り図柄停止時コマンド（図１０のＳ３３００）を受信すると開始される。大当り演出処理では、先ず、貯留装置６０の放出駆動が開始されるか否かを示す放出可否演出を実行する（Ｓ５００）。前述したように特別図柄が大当り図柄で停止表示された後、所定の待機時間が経過するまでは、遊技球が第１大当り開始ゲート５０または第２大当り開始ゲート５２を通過しても、その通過を無効として、大当り遊技を開始しないようになっている。放出可否演出は、この待機時間に亘って行われて、貯留装置６０が放出駆動するか否かの結果が最終的に示される。このような放出可否演出としては、例えば、演出表示装置２７にルーレットを表示すると共に、「放出駆動あり」と「放出駆動なし」とに領域を分けてルーレットを回転させることとして、待機時間が経過したら何れかの領域で停止させるようにしてもよい。尚、第１実施例の放出可否演出は、本発明の「演出」に相当しており、放出可否演出を実行するサブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、本発明の「演出実行手段」に相当している。

続いて、貯留装置６０の放出駆動が開始されるか否かを判断する（Ｓ５０２）。前述したように停止表示された特別図柄が大当り図柄Ｂであれば貯留装置６０の放出駆動が開始されるのに対して、大当り図柄Ａであれば貯留装置６０の放出駆動が開始されない。また、主制御基板２００から送信される大当り図柄停止時コマンドには、大当り図柄Ａおよび大当り図柄Ｂの何れが停止表示されたかについての情報が含まれているので、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、大当り図柄停止時コマンドに基づいて、貯留装置６０の放出駆動が開始されるか否かを判断できる。そして、貯留装置６０の放出駆動が開始される場合は（Ｓ５０２：ｙｅｓ）、貯留装置６０に遊技者を注目させる演出を実行する（Ｓ５０４）。この演出は、例えば、演出表示装置２７にて貯留装置６０の方向に向けた矢印を表示するなどによって行われる。

一方、貯留装置６０の放出駆動が開始されない場合は（Ｓ５０２：ｎｏ）、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されることはないので、第１大当り開始ゲート５０を狙って遊技球を検知させることを指示する演出を実行する（Ｓ５０６）。この演出は、例えば、「右打ちで大当り開始ゲートを狙え！」などの第１大当り開始ゲート５０を狙う旨を演出表示装置２７に表示するなどによって行われる。

こうして貯留装置６０の放出駆動の有無に応じて演出を実行したら、主制御基板２００から送信される大当り遊技開始コマンド（図１０のＳ３３２４）を受信したか否かを判断する（Ｓ５０８）。大当り遊技開始コマンドを受信していない場合は（Ｓ５０８：ｎｏ）、大当り遊技開始コマンドを受信するまで待機する。

そして、大当り遊技開始コマンドを受信した場合は（Ｓ５０８：ｙｅｓ）、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されたか否かを判断する（Ｓ５１０）。前述したように大当り遊技開始コマンドには、第１大当り開始ゲート５０および第２大当り開始ゲート５２の何れで遊技球が検知されたかについての情報が含まれている。第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知された場合は（Ｓ５１０：ｙｅｓ）、８回のラウンド遊技が行われる大当り遊技に対応して大当り演出Ａを開始する（Ｓ５１２）。一方、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知された場合は（Ｓ５１０：ｎｏ）、１６回のラウンド遊技が行われる大当り遊技に対応して大当り演出Ｂを開始する（Ｓ５１４）。尚、大当り演出Ａと大当り演出Ｂとでは、演出表示装置２７に表示される映像（登場するキャラクタやストーリーなど）、あるいはスピーカー５ｙから流れる楽曲などの態様が異なっている。

こうして遊技球が検知された大当り開始ゲート５０，５２に応じて大当り演出Ａまたは大当り演出Ｂを開始すると、主制御基板２００から送信される大当り遊技終了コマンド（図１２の４２０）を受信したか否かを判断する（Ｓ５１６）。大当り遊技終了コマンドを受信していない場合は（Ｓ５１６：ｎｏ）、大当り遊技終了コマンドを受信するまで待機する。その後、大当り遊技終了コマンドを受信した場合は（Ｓ５１６：ｙｅｓ）、大当り演出を終了させて（Ｓ５１８）、図１３の大当り演出処理を終了する。

以上に説明したように、第１実施例のパチンコ機１では、特別図柄（第１特図、第２特図）が大当り図柄で停止表示された後に、貯留装置６０から遊技球が放出されて第２大当り開始ゲート５２で検知される場合と、貯留装置６０から遊技球が放出されず、新たに発射された遊技球が第１大当り開始ゲート５０で検知される場合とで、開始される大当り遊技の態様が異なるので、貯留装置６０から遊技球が放出されるか否か（貯留装置６０の放出駆動が開始されるか否か）に遊技者を注目させる新たな遊技性を実現することができる。その結果、単に大当り図柄の停止表示後に大当り開始ゲートで遊技球が検知されることで大当り遊技が開始されるだけの従来のパチンコ機１に比して、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣の向上を図ることが可能となる。

特に、第１実施例のパチンコ機１では、貯留装置６０に貯留されない遊技球が第１大当り開始ゲート５０で検知されるよりも、貯留装置６０から放出された遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知される方が、大当り遊技でのラウンド数が多く遊技者に有利であることから、貯留装置６０から遊技球が放出される（貯留装置６０の放出駆動が開始される）ことを期待させて、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣を高めることができる。また、第１実施例のパチンコ機１では、大当り図柄が停止表示されると、直ちに貯留装置６０から遊技球を放出するのではなく、所定の待機時間が経過してから遊技球を放出するようになっていると共に、この待機時間を利用して放出可否演出を実行する。これにより、貯留装置６０から遊技球が放出されることに対する期待を高める（遊技球が放出されるか否かを一層盛り上げる）ことができ、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣の更なる向上を図ることが可能となる。

また、始動口ユニット１７の第１始動口１７ａには、左経路を流下する遊技球のみが入球可能になっており、この左経路に貯留装置６０を設けているので、開放延長機能および変動短縮機能が作動していない通常状態にて遊技球が左経路を流下するように発射すること（いわゆる左打ちを行うこと）によって、遊技の進行とともに貯留装置６０に遊技球を貯めることが可能となる。また、開放延長機能および変動短縮機能が作動している状態でも、左打ちによって遊技の進行とともに貯留装置６０に遊技球を貯めることが可能となる。これにより、遊技進行過程で貯留装置６０内の遊技球が不足することを抑制できる。

以上、第１実施例のパチンコ機１について説明したが、実施態様はこれに限られるわけではなく、次のような変形例の態様で実施することも可能である。

例えば、前述した第１実施例のパチンコ機１では、貯留装置６０の放出口６４から放出された遊技球が全て第２大当り開始ゲート５２で検知されるようになっていたが、必ずしも全てである必要はない。図１４は、貯留装置６０から放出された遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されない場合がある例を示した説明図である。図１４に示した例では、貯留装置６０の放出口６４と第２大当り開始ゲート５２との間に複数の障害釘２３が配置されており、放出口６４から放出された遊技球が障害釘２３に当たることによって第２大当り開始ゲート５２で検知される場合と検知されない場合とに振り分けられる。また、図１４に示した貯留装置６０の下部には、貯留装置６０に貯留されずに左経路を流下する遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されるのを阻止する屋根部６８が放出口６４を両側から挟むように設けられている。このような構成によれば、大当り図柄の停止表示後に貯留装置６０から遊技球が放出されても（貯留装置６０の放出駆動が開始されても）、必ずしも第２大当り開始ゲート５２で検知されるとは限らず、実際に遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されるまで緊張感を高めておくことができるので、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣を更に高めることが可能となる。尚、図１４の貯留装置６０と第２大当り開始ゲート５２との間に設けられた障害釘２３は、本発明の「振分部」に相当している。

また、図１１に示した貯留装置６０では、内部に貯留された遊技球を１球ずつ放出する構成となっていたが、複数の遊技球を一斉に放出可能としてもよい。図１５は、複数の遊技球を一斉に放出可能な貯留装置６０を例示した説明図である。図１５に示した貯留装置６０の下部には、回転体６６に代えて、左右一対の開閉部材７０が設けられており、この一対の開閉部材７０が水平状態になって貯留装置６０の底部を形成し、貯留装置６０の内部に受け入れられた遊技球を塞き止める（貯留する）。そして、貯留装置６０の放出駆動を開始すると、一対の開閉部材７０が外側を軸として下方向に回動し、貯留されていた遊技球が下方の第２大当り開始ゲート５２に向かって一斉に放出される。ただし、開閉部材７０と第２大当り開始ゲート５２との間には複数の障害釘２３が設けられており、放出された遊技球が障害釘２３に当たることによって第２大当り開始ゲート５２で検知される場合と検知されない場合とに振り分けられる。このようにすれば、貯留装置６０の内部に貯留されている遊技球の数が多いほど第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知される可能性が高まるので、大当り図柄が停止表示された際に貯留されている遊技球の数に注目させて、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されることに対する期待に変化を付けることができる。

また、前述した第１実施例のパチンコ機１では、大当り図柄が停止表示された後に所定の待機時間が経過すると貯留装置６０の放出駆動を開始することとしたが、遊技者が操作可能な放出ボタンを搭載しておき、大当り図柄が停止表示された後に遊技者が放出ボタンを操作すると、貯留装置６０の放出駆動を開始するようにしてもよい。ただし、停止表示された大当り図柄が大当り図柄Ａであれば、放出ボタンを操作しても貯留装置６０の放出駆動は開始されない。このようにすれば、遊技者は、放出ボタンを操作して初めて貯留装置６０の放出駆動の有無（遊技球が放出されるか否か）を把握することができるので、放出ボタンの操作に緊張感を付与することができる。

また、前述した第１実施例のパチンコ機１では、貯留装置６０の放出駆動を開始するか否かを、大当り図柄の種類（大当り図柄Ａか大当り図柄Ｂか）に対応付けていたが、大当り図柄を決定する抽選とは別に、貯留装置６０の放出駆動を開始するか否かを決定する抽選を行ってもよい。ただし、第１実施例のように大当り図柄の種類に対応付けて放出駆動の有無を判断すれば、放出駆動の有無を決定する抽選を別に行う場合に比べて遊技制御の負担を軽減することができる。

また、貯留装置６０は１つに限られるわけではなく、遊技領域１１に複数の貯留装置６０を設けることとしてもよい。その場合は、各貯留装置６０に対応する大当り開始ゲートを設けることとして、遊技球が検知された大当り開始ゲートに応じて大当り遊技の態様（ラウンド数や演出など）を異ならせてもよい。尚、何れの貯留装置６０から遊技球を放出するかは、停止表示された大当り図柄の種類に対応付けてもよいし、別途抽選で決定してもよい。こうすれば、「貯留装置６０から遊技球が放出されるか否か」に加えて、「何れの貯留装置６０から放出されるか」に遊技者を注目させて、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣をより高めることが可能となる。

また、第１実施例のパチンコ機１では、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されるよりも、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知される方が大当り遊技でのラウンド数が多く遊技者に有利であったが、必ずしも利益に差を付ける必要はない。例えば、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されて開始される大当り遊技では１０回のラウンド遊技を行うこととし、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されて開始される大当り遊技では５回あるいは１５回のラウンド遊技を行うこととして、何れの大当り開始ゲート５０，５２で遊技球が検知されても平均するとラウンド数が同程度となるようにしてもよい。この場合でも、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知された場合と第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知された場合とで異なる大当り演出を実行することで、大当り遊技の態様を異ならせることができる。

Ｄ．第２実施例のパチンコ機１の制御内容 ：
前述した第１実施例では、貯留装置６０に貯留されない遊技球が第１大当り開始ゲート５０で検知されるよりも、貯留装置６０から放出された遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知される方が、遊技者に有利となっていた。これとは逆に、貯留装置６０から放出された遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されるよりも、貯留装置６０に貯留されない遊技球が第１大当り開始ゲート５０で検知される方が、遊技者に有利としてもよい。以下では、貯留装置６０から遊技球が放出されると遊技者に不利となる第２実施例について説明する。尚、第２実施例の説明に際しては、第１実施例と共通する部分については同じ符号を用いることとして説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。

Ｄ−１．大当り開始時処理 ：
図１６は、第２実施例の大当り開始時処理を示すフローチャートである。第２実施例の大当り開始時処理では、特別図柄が大当り図柄で停止表示されたことを示す大当り図柄停止時コマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信すると（Ｓ３３３０）、停止表示された大当り図柄が大当り図柄Ａであるか否かを判断する（Ｓ３３３２）。そして、大当り図柄Ａが停止表示された場合は（Ｓ３３３２：ｙｅｓ）、遅延時間を１０秒に設定し（Ｓ３３３４）、大当り図柄Ｂが停止表示された場合は（Ｓ３３３２：ｎｏ）、遅延時間を３０秒に設定する（Ｓ３３３６）。第２実施例のパチンコ機１では、特別図柄が大当り図柄で停止表示されてから遅延時間が経過すると、貯留装置６０の放出駆動を実行するようになっている。この遅延時間は、停止表示された大当り図柄の種類（大当り図柄Ａか大当り図柄Ｂか）によって長さが異なっており、大当り図柄Ａよりも大当り図柄Ｂの方が遅延時間の設定が長くなっている。

停止表示された大当り図柄の種類に応じて遅延時間を設定したら、その設定した遅延時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３３３８）。未だ遅延時間が経過していない場合は（Ｓ３３３８：ｎｏ）、次に、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されたか否かを判断する（Ｓ３３４０）。そして、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知された場合は（Ｓ３３４０：ｙｅｓ）、大当り遊技のラウンド数を１６回に設定する（Ｓ３３４２）。尚、第２実施例のパチンコ機１では、第１実施例の待機時間のように、大当り図柄の停止表示後に開始ゲートスイッチ５０ｓ，５２ｓでの検知が無効とされる期間（検知が行われない期間）が設けられておらず、大当り図柄が停止表示されると、遅延時間が経過する前であっても、開始ゲートスイッチ５０ｓ，５２ｓでの遊技球の検知が有効とされる。

これに対して、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されていない場合は（Ｓ３３４０：ｎｏ）、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されたか否かを判断する（Ｓ３３４４）。遅延時間が経過する前であれば、貯留装置６０から遊技球は放出されないので、第２大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されていないと判断し（Ｓ３３４４：ｎｏ）、続いて、貯留装置６０の放出駆動を実行したか否かを判断する（Ｓ３３４６）。遅延時間の経過前であれば、貯留装置６０の放出駆動を実行していないと判断し（Ｓ３３４６：ｎｏ）、Ｓ３３３８の処理に戻って、遅延時間が経過したか否かを判断する。

そして、遅延時間が経過した場合は（Ｓ３３３８：ｙｅｓ）、貯留装置６０の放出駆動を実行する（Ｓ３３４８）。Ｓ３３４８の処理では、貯留装置６０から遊技球を１球放出するための放出駆動を実行するようになっており、図１１に示した貯留装置６０では、回転体６６を１８０度回転させることで遊技球を１球放出し、放出された遊技球は全て第２大当り開始ゲート５２で検知される。尚、貯留装置６０に遊技球が貯留されていない場合は、Ｓ３３４８にて放出駆動を実行しても遊技球は放出されない。また、第２実施例のパチンコ機１では、特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当り図柄の種類に応じた遅延時間の経過後に貯留装置６０の放出駆動を実行することとしているが、前述した実施例と同様に、貯留装置６０の放出駆動を実行しない場合を設けてもよい。例えば、大当り図柄Ａ，Ｂに加えて、大当り図柄Ｃを設けておき、大当り図柄Ｃが停止表示されると、貯留装置６０の放出駆動を実行しないようにしてもよい。あるいは、大当り図柄Ａ，Ｂが停止表示された場合に、貯留装置６０の放出駆動を実行するか否かを抽選で決定するようにしてもよい。

貯留装置６０の放出駆動を実行したら、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されたか否かを判断する（Ｓ３３４４）。そして、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知された場合は（Ｓ３３４４：ｙｅｓ）、大当り遊技のラウンド数を８回に設定する（Ｓ３３５０）。

一方、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されていない場合は（Ｓ３３４４：ｎｏ）、貯留装置６０の放出駆動を実行したか否かを判断する（Ｓ３３４６）。遅延時間が経過しており、貯留装置６０の放出駆動を実行済みである場合は（Ｓ３３４６：ｙｅｓ）、貯留装置６０の放出駆動を実行した時点で遊技球が貯留されておらず、遊技球が放出されなかった場合に該当する。この場合は、Ｓ３３４０の処理に戻って第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されたか否かを判断し、遊技球が検知された場合は（Ｓ３３４０：ｙｅｓ）、大当り遊技のラウンド数を１６回に設定する（Ｓ３３４２）。

こうして遊技球が検知された大当り開始ゲート５０，５２に応じて大当り遊技のラウンド数を設定すると（Ｓ３３４２，Ｓ３３５０）、大当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ３３５２）。また、高確率フラグ、開放延長フラグ、変動短縮フラグなどの各種フラグがＯＮに設定されていれば、ＯＮのフラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３３５４）。さらに、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信すると（Ｓ３３３３５６）、図１６に示した大当り開始時処理を終了して、図５および図６に示した特別図柄遊技処理に復帰する。尚、大当り遊技開始コマンドには、第１大当り開始ゲート５０および第２大当り開始ゲート５２の何れで遊技球が検知されたかについての情報が含まれている。

Ｄ−２．大当り演出処理 ：
図１７は、第２実施例の大当り演出処理を示すフローチャートである。この大当り演出処理は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が主制御基板２００から送信される大当り図柄停止時コマンド（図１６のＳ３３３０）を受信すると開始される。第２実施例の大当り演出処理では、先ず、停止表示された大当り図柄が大当り図柄Ａであるか否かを判断する（Ｓ５２０）。前述したように第２実施例のパチンコ機１では、特別図柄が大当り図柄で停止表示されてから貯留装置６０の放出駆動を実行するまでの遅延時間を設定するようになっており、大当り図柄Ａが停止表示されると遅延時間を１０秒に設定し、大当り図柄Ｂが停止表示されると遅延時間を３０秒に設定する。そして、この遅延時間が経過するまでをカウントダウンする演出を、演出表示装置２７などを用いて実行するようになっている。尚、主制御基板２００から送信される大当り図柄停止時コマンドには、大当り図柄Ａおよび大当り図柄Ｂの何れが停止表示されたかについての情報が含まれている。そこで、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、大当り図柄Ａが停止表示された場合は（Ｓ５２０：ｙｅｓ）、１０秒のカウントダウン演出を実行する（Ｓ５２２）。一方、大当り図柄Ｂが停止表示された場合は（Ｓ５２０：ｎｏ）、３０秒のカウントダウン演出を実行する（Ｓ５２４）。

停止表示された大当り図柄の種類に応じてカウントダウン演出を実行すると、主制御基板２００から送信される大当り遊技開始コマンド（図１６のＳ３３５６）を受信したか否かを判断する（Ｓ５２６）。大当り遊技開始コマンドを受信していない場合は（Ｓ５２６：ｎｏ）、大当り遊技開始コマンドを受信するまで待機する。

そして、大当り遊技開始コマンドを受信した場合は（Ｓ５２６：ｙｅｓ）、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されたか否かを判断する（Ｓ５２８）。大当り遊技開始コマンドには、第１大当り開始ゲート５０および第２大当り開始ゲート５２の何れで遊技球が検知されたかについての情報が含まれている。そして、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知された場合は（Ｓ５２８：ｙｅｓ）、大当り演出Ａを開始する（Ｓ５３０）。この大当り演出Ａには、遅延時間の経過前（貯留装置６０から遊技球が放出される前）に第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されたことを示す演出が含まれている。一方、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知された場合は（Ｓ５２８：ｎｏ）、大当り演出Ｂを開始する（Ｓ５３２）。この大当り演出Ｂには、遅延時間が経過するまでに第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されなかった（通過が間に合わなかった）ことを示す演出が含まれている。尚、大当り演出Ａと大当り演出Ｂとでは、演出表示装置２７に表示される映像（登場するキャラクタやストーリーなど）、あるいはスピーカー５ｙから流れる楽曲などの態様が異なっている。

こうして遊技球が検知された大当り開始ゲート５０，５２に応じて大当り演出Ａまたは大当り演出Ｂを開始すると、主制御基板２００から送信される大当り遊技終了コマンド（図１２の４２０）を受信したか否かを判断する（Ｓ５３４）。大当り遊技終了コマンドを受信していない場合は（Ｓ５３４：ｎｏ）、大当り遊技終了コマンドを受信するまで待機する。その後、大当り遊技終了コマンドを受信した場合は（Ｓ５３４：ｙｅｓ）、大当り演出を終了させて（Ｓ５３６）、図１７の大当り演出処理を終了する。

図１８は、第２実施例のパチンコ機１にて大当り遊技が開始される様子を示したタイムチャートである。前述したように第２実施例のパチンコ機１では、特別図柄が大当り図柄で停止表示されると遅延時間を設定し、この遅延時間が経過すると貯留装置６０の放出駆動を実行するようになっている。図１８（ａ）には、遅延時間が経過するまでに第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されなかった場合が示されている。この場合は、貯留装置６０から放出された遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されることにより、ラウンド数が８回の大当り遊技が開始される。

一方、図１８（ｂ）には、遅延時間が経過するよりも先に第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知された場合が示されている。この場合は、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知された時点で、ラウンド数が１６回の大当り遊技が開始され、貯留装置６０から遊技球が放出されることはない。尚、遅延時間が経過しても、その時点で貯留装置６０に遊技球が貯留されていなければ、貯留装置６０から遊技球が放出されないので、遅延時間の経過後に第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されることにより、ラウンド数が１６回の大当り遊技が開始される。

このように第２実施例のパチンコ機１では、貯留装置６０から遊技球が放出されて第２大当り開始ゲート５２で検知されるよりも、貯留装置６０から遊技球が放出されず、新たに発射された遊技球が第１大当り開始ゲート５０で検知される方が、大当り遊技でのラウンド数が多く遊技者に有利であることから、貯留装置６０から遊技球が放出されないことを期待させて、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣の向上を図ることができる。

また、第２実施例のパチンコ機１では、大当り図柄が停止表示されると、直ちに貯留装置６０から遊技球を放出するのではなく、遅延時間が経過してから遊技球を放出するようになっている。これにより、「遅延時間が経過する（貯留装置６０から遊技球が放出される）よりも先に第１大当り開始ゲート５０を狙って遊技球を検知させることを目指す」という新たな遊技性を実現でき、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣を高めることが可能となる。

また、第２実施例のパチンコ機１では、停止表示された大当り図柄の種類（大当り図柄Ａか大当り図柄Ｂか）によって遅延時間の長さが異なっている。遅延時間が短いほど遅延時間の経過前に遊技球が第１大当り開始ゲート５０で検知される可能性が低くなることから、遅延時間が長い場合と短い場合とを設けることにより、第１大当り開始ゲート５０を狙って遊技球を検知させる緊張感（難易度）に変化を付けることができ、その結果、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣をより高めることが可能となる。さらに、遅延時間のカウントダウン演出を実行することにより、遅延時間が経過するまでの緊迫感を高めることができる。

また、前述したように、貯留装置６０は左経路に設けられているので、開放延長機能および変動短縮機能が作動している状態では、右打ちを行って第２始動口１７ｂに遊技球を入球させて遊技を進行させれば、新たに遊技球が貯留装置６０に貯留されることはない。そして、貯留装置６０内の遊技球が無くなると、それ以降は、貯留装置６０の放出駆動を実行しても、遊技球が放出されることはないので、遅延時間に制限されることなく第１大当り開始ゲート５０を狙って遊技球を検知させ、遊技者に有利な大当り遊技（１６回のラウンド遊技）を開始させることが可能となる。このように、「貯留装置６０に遊技球が貯留されていない状態」を設けることが可能に遊技盤面を構成しておくことで、不利な大当り遊技の実行可能性を低下させることができ、遊技興趣を一層高めることが可能となる。

また、大当り図柄が停止表示された後に、遊技者があえて第１大当り開始ゲート５０を狙わず遊技球を検知させない場合でも、遅延時間が経過して貯留装置６０から放出された遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されることにより大当り遊技（８回のラウンド遊技）が開始されるので、大当り図柄が停止表示されてから長期間に亘って大当り遊技が開始されない（遊技が行われない）といったことがなく、パチンコ機１の稼働率を向上させる効果も得られる。

以上、第２実施例のパチンコ機１について説明したが、実施態様はこれに限られるわけではなく、次のような変形例の態様で実施することも可能である。

例えば、図１１に示したように貯留装置６０から放出された遊技球の全てが第２大当り開始ゲート５２で検知されなければならないわけではなく、図１４に示したように貯留装置６０から放出された遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知される場合と検知されない場合とに振り分けられるようにしてもよい。これにより、遅延時間が経過するまでに遊技球が第１大当り開始ゲート５０で検知されなかった（通過が間に合わなかった）場合でも、貯留装置６０から放出される遊技球が第２大当り開始ゲート５２で検知されるとは限らない（検知されない可能性が残っている）ので、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されないことを期待させることができる。

また、前述した第２実施例のパチンコ機１では、停止表示された大当り図柄の種類（大当り図柄Ａか大当り図柄Ｂか）に対応付けて遅延時間を異ならせていたが、大当り図柄を決定する抽選とは別に、遅延時間を決定する抽選を行ってもよい。ただし、第２実施例のように大当り図柄の種類に対応付けて遅延時間を設定すれば、遅延時間を決定する抽選を別に行う場合に比べて遊技制御の負担を軽減することができる。

また、前述した第２実施例のパチンコ機１では、遅延時間の経過後に貯留装置６０から遊技球を１球だけ放出することとしたが、複数の遊技球を貯留可能な貯留装置６０の場合には、放出する遊技球の数を主制御基板２００のＣＰＵ２０１が抽選で決定することとしてもよい。尚、この場合は、複数の遊技球が第２大当り開始ゲート５２を通過しても、最初の通過のみを有効とし、後の通過を無効としてもよい。前述したように、貯留装置６０内の遊技球が無くなると、それ以降は、遅延時間に制限されることなく第１大当り開始ゲート５０を狙って遊技球を検知させることにより、遊技者に有利な大当り遊技を開始させることが可能となる。そして、貯留装置６０から放出する遊技球の数を抽選で決定することとすれば、貯留装置６０内の遊技球の無くなり易さに変化を付けることができる（放出する遊技球の数が多いほど貯留装置６０内の遊技球が早く無くなる）ので、遊技球の放出数に注目させて、大当り図柄が停止表示された後の遊技興趣の更なる向上を図ることができる。

以上、本発明について実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

例えば、上述した第１実施例および第２実施例での大当り遊技のラウンド数を、以下のように設定してもよい。先ず、第１大当り開始ゲート５０で遊技球が検知されて開始される大当り演出では、８回または１６回のラウンド遊技を行うこととし、第２大当り開始ゲート５２で遊技球が検知されて開始される大当り遊技でも、８回または１６回のラウンド遊技を行うこととして、各大当り開始ゲート５０，５２で「８回と１６回との振分割合を異ならせる」構成としてもよい。そして、第１実施例では、第１大当り開始ゲート５０での遊技球の検知に対して「８回と１６回とを８０対２０の割合」で設定し、第２大当り開始ゲート５２での遊技球の検知に対して「８回と１６回とを２０対８０の割合」で設定してもよい。一方、第２実施例では、第１大当り開始ゲート５０での遊技球の検知に対して「８回と１６回とを２０対８０の割合」で設定し、第２大当り開始ゲート５２での遊技球の検知に対して「８回と１６回とを８０対２０の割合」で設定してもよい。

また、前述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口（第１始動口１７ａ、第２始動口１７ｂ、大入賞口３１ｄ等）への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益（遊技価値）を遊技者に付与するパチンコ機１に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量（遊技価値の大きさ）を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のＲＡＭに記憶することによって、遊技上の利益（遊技価値）を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、前述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益（遊技価値）をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機（いわゆる封入式遊技機）を例示できる。

本発明は、遊技ホールで用いられる弾球遊技機に利用することができる。

１…パチンコ機（弾球遊技機）、 １１…遊技領域、
１７ａ…第１始動口（始動検知手段）、 １７ｂ…第２始動口、
２３…障害釘（振分部）、 ２６…中央装置（装飾役物）、
２７…演出表示装置、 ２８…第１図柄表示装置（識別情報表示手段）、
３１ｄ…大入賞口、 ３２…第２図柄表示装置（識別情報表示手段）、
５０…第１大当り開始ゲート（第１検知手段）、
５２…第２大当り開始ゲート（第２検知手段）、
６０…貯留装置（貯留手段）、
２００…主制御基板、
２０１…ＣＰＵ（待機状態発生手段、特定遊技実行手段、放出可否決定手段）、
２２０…サブ制御基板、
２２１…ＣＰＵ（演出実行手段）。

Claims (5)

1. 所定条件の成立に基づいて、識別情報を変動表示させる識別情報表示手段と、
   遊技者にとって有利な特定遊技を実行するための待機状態を、前記識別情報の変動表示の結果が特定の結果になることに基づいて発生させる待機状態発生手段と、
   前記待機状態にて所定の検知手段で遊技球が検知されることに基づいて、前記特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
   遊技領域に発射された遊技球を貯留可能な貯留手段と、
   を備え、
   前記貯留手段は、所定の放出条件が成立すると、貯留されている遊技球を、前記識別情報の変動表示の結果が前記特定の結果となった後に遊技領域に放出するものであって、
   前記検知手段として、遊技領域に発射された遊技球のうち前記貯留手段に貯留されない遊技球を検知可能であると共に、前記貯留手段から放出された遊技球を検知不能である第１検知手段と、遊技領域に発射された遊技球のうち前記貯留手段に貯留されない遊技球を検知不能であると共に、前記貯留手段から放出された遊技球を検知可能である第２検知手段とを有し、
   前記特定遊技として、前記第１検知手段での遊技球の検知に基づいて実行される第１特定遊技と、前記第２検知手段での遊技球の検知に基づいて実行され、前記第１特定遊技とは実行態様が異なる第２特定遊技とを有する
   ことを特徴とする弾球遊技機。
2. 請求項１に記載の弾球遊技機であって、
   前記第２特定遊技は、前記第１特定遊技の実行態様よりも遊技者にとって有利な実行態様とされる
   ことを特徴とする弾球遊技機。
3. 請求項１または請求項２に記載の弾球遊技機であって、
   前記識別情報表示手段は、所定の始動検知手段で遊技球が検知されることに基づいて、前記識別情報を変動表示させるものであって、
   遊技領域に発射された遊技球は、該遊技領域に設けられた装飾役物より左方の左経路、または該装飾役物より右方の右経路を流下可能であり、
   前記左経路および前記右経路の何れか一方に前記第１検知手段が設けられ、他方に前記貯留手段および前記第２検知手段が設けられており、
   前記始動検知手段は、前記左経路および前記右経路のうち前記貯留手段が設けられた経路を流下する遊技球を検知可能とされる
   ことを特徴とする弾球遊技機。
4. 請求項１ないし請求項３の何れか一項に記載の弾球遊技機であって、
   前記貯留手段に貯留されている遊技球を、前記識別情報の変動表示の結果が前記特定の結果となった後に遊技領域に放出するか否かを決定する放出可否決定手段と、
   前記放出可否決定手段の決定結果を示す演出を、前記待機状態中に実行する演出実行手段と、
   を備え、
   前記貯留手段は、前記放出可否決定手段によって前記貯留手段に貯留されている遊技球を放出することが決定されると、前記待機状態中に実行される前記演出の終了後に、貯留されている遊技球を遊技領域に放出するものであって、
   前記第１検知手段および前記第２検知手段での遊技球の検知は、前記演出が終了するまで無効とされる
   ことを特徴とする弾球遊技機。
5. 請求項１ないし請求項４の何れか一項に記載の弾球遊技機であって、
   前記貯留手段から放出された遊技球を前記第２検知手段が検知する場合と検知しない場合とがあるように振り分ける振分部が設けられる
   ことを特徴とする弾球遊技機。

Images