JP2015027144A - モータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
Description
モータ駆動装置は一般に自動車のフレームに取付けられる。モータ駆動装置の振動はフレームもしくはその他の自動車を構成する部材に伝達され、ノイズとして搭乗者に伝達される。すなわち、モータ駆動装置が振動源となり、車内に音を伝達する。
これは、リアクトルの底面をヒートシンクに設けた開口部に流れる水冷用の液体に接触させ、またリアクトルの底部に冷却用のフィンを取り付けて、液体によりリアクトルの振動を低減させる方法である(特許文献1参照)。
または、リアクトルとヒートシンクとの間に、別部材のヒートシンクをかませ、本体ヒートシンクへの振動伝達効率を低減させる方法もある。
ヒートシンクが空冷の場合、振動物の振動がヒートシンクに伝達されることで、ヒートシンクのフィンが振動し騒音が生じてしまうという問題点がある。また、モータ駆動装置の内部には、半導体モジュールなどの発熱体も存在するため、放熱性能を維持する必要がある。
この点において従来のものは、内部に振動物を有していないので、騒音に対する課題並びにその低減対策については何ら採られていない。
しかし、この発明によれば、ヒートシンクの両端のフィンの厚みを他のフィンの厚みより厚くする、またはヒートシンクの両端のフィンの高さを他のフィンの高さより高くする、またはヒートシンクの両端のフィンの幅を他のフィンの幅より広くする、などして、両端と内側のフィンとの固有振動数をずらし、剛性を上げることで、ユニット全体としての騒音を低減することが可能となる。
したがって、部品点数を増やすことなく、ヒートシンクのフィン形状を変化させることで、放熱性能を維持しつつ騒音低減を図ることが可能なヒートシンクを有したモータ駆動装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置を図1〜図3に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置の斜視図を、また、図2はこの発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の断面図をそれぞれ示している。
図1および図2に示すように、モータ駆動装置は、大電流または大電圧のオンとオフを繰り返しスイッチングする半導体モジュール2と、この半導体モジュール2のスイッチングによって発生するサージを平滑する平滑コンデンサ3と、半導体モジュール2から発生する熱を放熱し、平滑コンデンサ3を固定するヒートシンク4と、半導体モジュール2と平滑コンデンサ3を覆うと共に、ヒートシンク4に取付けられるカバー1とによって構成されている。
まず、モータ駆動装置の外部に接続されているモータ(図示省略)は、大電流、大電圧を制御する半導体モジュール2のオンとオフのスイッチング動作で生成された電力により、駆動する。半導体モジュール2のスイッチング動作は、大電流、大電圧のサージを発生させるため、平滑コンデンサ3により平滑を行う必要がある。平滑コンデンサ3では、大電流、大電圧の電荷の出し入れを行うことになるため、内部の電極が振動する。この点において、平滑コンデンサ3は振動物を構成することになる。
(1)フィン間の固有振動数をずらす。
(2)フィンの剛性を上げる。
(3)発生した音波を外部へ漏らさない、もしくは漏れを低減する。
(4)フィン間での音波の反射を不定にすることで、フィン間で増幅される音波を低減する。
これら4点を基に、この発明はヒートシンク4のフィン形状を変化させ、放熱性能を維持しつつ騒音の低減を行なう。
通常、フィン42の振動102により発せられる音波の波動101は、図3(a)のようになる。フィン42の振動102により発生した音波の波動101は、図3(b)の矢印のように隣のフィン42bへ空気の波動により振動が伝達され、隣のフィン42bの固有振動数がフィン42と同じ場合、共鳴し音波を増幅させる。
また、振動したフィン42より生じる音波の特性として、図3のように横方向へ強く発せられる。そのため、両端のフィン41の厚みを持たせて剛性を上げることにより、モータ駆動装置全体として生じる騒音を低減することが可能となる。また、両端のフィン41の厚みのみ厚くしているため、ヒートシンク4の表面積はほとんど変わらず、放熱性能を維持しつつ、騒音を低減することが可能となる。
次に、この発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置を図4に基づいて説明する。図4はこの発明の実施の形態2によるモータ駆動装置の断面図を示している。
図2に示す実施の形態1においては、ヒートシンク4の両端のフィン41よりも内側にある多数のフィン42はすべて同じ厚みにしたが、実施の形態2においては、内側のフィン42の厚みを不均一にしたものである。
フィンで発生した音波の波動101は、図3で説明した通り、隣のフィンの固有振動数が同じ場合、隣のフィンが共鳴し騒音を増幅させる。よって、内側のフィン42それぞれの厚みを変化させることで、固有振動数が異なり、フィン間の共鳴を防止することが可能となる。
次に、この発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置を図5に基づいて説明する。図5はこの発明の実施の形態3によるモータ駆動装置の断面図を示している。
実施の形態1および実施の形態2においては、ヒートシンク4の両端のフィン41の厚みは、それよりも内側にあるフィン42の厚みより厚くしたが、実施の形態3の発明は、ヒートシンク4のフィン41、42の厚みはすべて同じにし、高さを変えるようにしたものである。
フィンから生じる音波の波動101は、図3のように発生するため、隣のフィンの固有振動数が同じ場合、隣のフィンが共鳴し騒音を増幅させる。よって、両端のフィン41の高さを高くすることで、ユニット外部へ漏れる騒音を低減し遮閉することができる。ヒートシンク4のフィン全体の表面積は、ほとんど変わらないため、放熱性能を維持しながら騒音低減を図ることができる。
次に、この発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置を図6に基づいて説明する。図6はこの発明の実施の形態4によるモータ駆動装置の断面図を示している。
図5に示す実施の形態3においては、ヒートシンク4の両端のフィン41よりも内側にあるフィン42はすべて同じ高さにしたが、実施の形態4においては、内側のフィン42の高さを不均一にしたものである。
このように、すべてのフィン41、42の高さを不均一にすることにより、各フィンそれぞれの固有振動数が異なるため、隣り合うフィンが共鳴することがなく、ヒートシンク4全体としての騒音を低減することができる。
次に、この発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置を図7に基づいて説明する。図7はこの発明の実施の形態5によるモータ駆動装置の断面図および下面図を示している。
実施の形態1〜4においては、ヒートシンク4の両端のフィン41の厚みまたは高さをそれよりも内側にあるフィン42に比べて厚くしたり高くしたが、実施の形態5の発明においては、ヒートシンク4の両端のフィン41の幅が最も広く、それ以外のフィン42の幅は両端のフィン41の幅よりも狭くしたものである。
なお、図7においては、内側のフィン42の幅は同じ幅になっているが、不均一にしてもよい。
次に、この発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置を図8に基づいて説明する。図8はこの発明の実施の形態6によるモータ駆動装置の断面図および下面図を示している。
図8(a)はA−A断面図、図8(b)は下面図であり、図8に示すように、ヒートシンク4の両端のフィン41の根元部に面取り部43を設ける。このようにすることで、両端のフィン41の剛性が上がり、内側のフィン42との固有振動数をずらし剛性を上げることができる。その他の構成は図2と同じにつき、同一または相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
次に、この発明の実施の形態7におけるモータ駆動装置を図9に基づいて説明する。図9はこの発明の実施の形態7によるモータ駆動装置の正面図および下面図を示している。
実施の形態6においては、ヒートシンク4の両端のフィン41の根元部に設けられた面取り部43は、フィン41の幅全体に亘っていたが、実施の形態7の発明は、フィン41の幅の一部に面取り部43を設けるようにしたものである。
これに対して図9のように、面取り部43の不要箇所を除肉部44とすることで、騒音低減および重量の増加を防止することが可能となる。
なお、図8、図9においては、両端のフィン41のみ面取り部43を設けているが、ヒートシンク4の要求性能によっては、内側のフィン42にも同様に面取り部43を設けても良い。
次に、この発明の実施の形態8におけるモータ駆動装置を図10に基づいて説明する。図10はこの発明の実施の形態8によるモータ駆動装置の断面図を示している。
図10に示すように、実施の形態1〜実施の形態7の構成において、ヒートシンク4のフィン41、42の一部に、重りを付けたような肉太形状の重り部45を設ける。また、重り部45を設ける位置はフィン41、42によってそれぞれ異なるようにする。このことにより、各フィン41、42のそれぞれの固有振動数をずらすことができる。その他の構成は図2と同じにつき、同一または相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
次に、この発明の実施の形態9におけるモータ駆動装置を図11に基づいて説明する。図11はこの発明の実施の形態9によるモータ駆動装置の断面図および詳細図を示している。
図11(a)は断面図、図11(b)は(a)に示す破線円部のフィンを拡大した詳細図で、図11に示すように、実施の形態1〜実施の形態7の構成において、フィン41、42の表面に空気流動方向に波を打たせたような形状の波状部46を設ける。このような波を打たせたような形状は表面加工のショットブラストなどでも同様に有効であると考える。その他の構成は図2と同じにつき、同一または相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
また、フィン41、42の表面に波を打たせたような形状の波状部46を設ける代わりに、フィン41、42の表面に凹凸を設けてもよい。
4:ヒートシンク、41:両端のフィン、 42:内側のフィン、
43:面取り部、 44:除肉部、 45:重り部、 46:波状部。
Claims (10)
- 電流または電圧のオンとオフを繰り返しスイッチングする半導体モジュールと、この半導体モジュールのスイッチングによって発生するサージを平滑する平滑コンデンサと、前記半導体モジュールから発生する熱を放熱し、前記平滑コンデンサを固定するヒートシンクと、前記半導体モジュールと前記平滑コンデンサを覆うと共に、前記ヒートシンクに取付けられるカバーとを備え、前記平滑コンデンサは電荷の出し入れにより電極が振動するものであって、前記ヒートシンクは複数のフィンを有し、前記複数のフィンのうち、両端のフィンがそれよりも内側のフィンより、フィンの厚みが厚いことを特徴とするモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクのフィンの厚みが、両端のフィンが最も厚く、それ以外のフィンの厚みが不均一となることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
- 電流または電圧のオンとオフを繰り返しスイッチングする半導体モジュールと、この半導体モジュールのスイッチングによって発生するサージを平滑する平滑コンデンサと、前記半導体モジュールから発生する熱を放熱し、前記平滑コンデンサを固定するヒートシンクと、前記半導体モジュールと前記平滑コンデンサを覆うと共に、前記ヒートシンクに取付けられるカバーとを備え、前記平滑コンデンサは電荷の出し入れにより電極が振動するものであって、前記ヒートシンクは複数のフィンを有し、前記ヒートシンクのフィンの高さは、両端のフィンが最も高く、内側のフィンが低くなることを特徴とするモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクのフィンの高さが、両端のフィンが最も高く、それ以外のフィンの高さが不均一となることを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動装置。
- 電流または電圧のオンとオフを繰り返しスイッチングする半導体モジュールと、この半導体モジュールのスイッチングによって発生するサージを平滑する平滑コンデンサと、前記半導体モジュールから発生する熱を放熱し、前記平滑コンデンサを固定するヒートシンクと、前記半導体モジュールと前記平滑コンデンサを覆うと共に、前記ヒートシンクに取付けられるカバーとを備え、前記平滑コンデンサは電荷の出し入れにより電極が振動するものであって、前記ヒートシンクは複数のフィンを有し、前記ヒートシンクのフィンが、空気流動方向において、両端のフィンの幅が最も広く、それ以外のフィンの幅が狭いことを特徴とするモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクの両端のフィンは、フィンの根元部全体に面取り部を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクの両端のフィンは、フィンの根元部の一部に面取り部を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクのフィンの表面に、波を打たせた形状の波状部を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクのフィンの一部に、重りとなる肉太形状の重り部を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクのフィンの表面に、凹凸を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
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